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更新日: 2022年7月27日

城南区人権啓発連絡会議通信

城南区では区民の人権意識を確立し、差別のない明るいまちづくりを目指して、城南区内の各種機関・団体の代表者を委員とした「城南区人権啓発連絡会議」を構成しております。
令和2年度までは活動報告として年1回人権啓発連絡会議広報紙「こころ」を発行しておりましたが、令和3年度からはホームぺージで随時活動をご紹介します。


令和4年度


【活動報告 1】令和4年度城南区人権啓発連絡会議 委員研修会

研修風景

  • 日時:令和4年6月22日 水曜日 14時40分~15時40分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:城南区人権啓発連絡会議委員
  • 方法:対面講義形式
  • テーマ:「ヤングケアラーについて考えよう~子どもと家族を支えられる地域へ~」
  • 講師:福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」センター長 松﨑 佳子(まつざき よしこ)さん

演要旨 


(講師プロフィール)
 福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」センター長、広島国際大学客員教授、臨床心理士、公認心理師。
 これまで、福岡市児童相談所心理判定員、児童相談所長、九州大学人間環境学研究院教授、広島国際大学教授等を経て、
 2022年4月より現職。虐待や社会的養護、その危機にある子ども・家庭への支援、里親養育支援に取り組んでいる。 

講師写真


参加者の声(一部抜粋)

  • ・ヤングケアラーの実態がよく分かりました。地域等でどのような支援ができるのか考えていきたいと思います。
  • ・子どもの人権について再考する機会になりました。改めて学校が果たす役割の大きさを感じています。
  • ・ケアラー本人からの相談が少ないとのことで実情が分かりにくい。支援者が見えない難しさを感じた。


【活動報告 2】令和4年度城南区人権を考えるつどい

  • 日時:令和4年7月14日木曜日14時00分~16時30分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:どなたでも参加可能(先着200名・事前申込制・参加無料)
  • 内容:映画「彼らが本気で編むときは、」(上映時間127分・2017年製作・日本語字幕付)

 7月の「福岡県同和問題啓発強調月間」に合わせて、人権を尊重し多様性を認め合うまちづくりを目指して毎年「城南区人権を考えるつどい」を開催しています。
 今年は、LGBTと家族の在り方を描いた映画「彼らが本気で編むときは、」の上映会を実施しました。    


実施報告                

                              (文責 城南区生涯学習推進課  岩瀬 賢治)

 
                     映画

                                    (C)2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

 
 この映画は、トランスジェンダー(注1)のリンコと母親からネグレクト(育児放棄)をされている小学生トモの交流を通して、家族の在り方やLGBTQの問題について描いた作品です。

 物語のはじめ、とある小学校の教室の風景が映し出されます。その黒板一面にはトモの小学校の同級生カイをからかう落書きがされていました。カイは男の子として生まれましたが、同性の先輩に思いを寄せており、学校では「HOMO」「おかま」など言葉のいじめを受けていました。
 放課後、学校から帰宅したトモは母親から何度目かのネグレクトをされてしまいます。そんな時、トモは叔父のマキオを頼ることにしていたようです。ただ、今回は少し事情が違っていました。マキオはトランスジェンダーのリンコと一緒に暮らしていたのです。トモは最初、戸惑いながらも3人での生活が始まります。
 日々の暮らしの中で、キャラ弁を作ってくれたり、編み物を教えてくれたりする心の美しいリンコにトモは次第に心を寄せていきます。そしてリンコのすべてを受け入れているマキオとともに3人の幸せに満ちた素晴らしい時間が流れていきます。

 ある日、リンコとトモが買い物をしているところを、カイ母子に見られます。カイの母親はトモを心配して言ったのでしょうが、トモが店内で一人になっている時にリンコのことを「普通じゃない」と言ってしまいます。その言葉に怒ったトモは「普通じゃないってなんだよ!」と、買う予定で持っていた洗剤をカイの母親に噴射し、大騒ぎになります。警察署でリンコが謝罪して済みましたが・・・・翌日、学校の黒板には『変態家族』などの落書きが。
 一方、カイは1学年上の男子に心寄せていて、ラブレターを書きますが、母親に見つかり、「罪深いこと」と、破り捨てられてしまいます。絶望したカイは睡眠薬を大量に飲んで自殺を図ります。一命をとりとめ、入院しているカイにトモは「あんたの母親はたまに間違う」と言います。リンコが中学生の時にリンコの母親に「おっぱいが欲しい」と言ったとき、リンコの母親はブラジャーを買い、編み物で胸パッド(ニセ乳)を作った場面とは対照的でした。

 世の中には様々な「常識」や「普通」などの言葉や概念があります。社会生活を営んでいくためや人間関係を円滑にしていくために必要な部分ではあるでしょうが、そのことにとらわれ過ぎると物事の本質を見誤りかねません。
 幸せとは?心の平和とは?多忙な日々の中で忘れかけている問いを思い出させてくれる、また何をもって家族というのか、家族の定義を考えさせてくれる素晴らしい作品でした。


(注1)トランスジェンダー(Transgender)
  生まれた時に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人(性同一性障がい者を含む)


参加者の声(一部抜粋)

  • ・映画の温かい世界に感動しました。リンコさんのお母さんのように目の前の人をひとりの人として見て、向き合う人になりたいと思いました。リンコさんの優しさはお母さんからきていると思いました。
  • ・ありのままに受け入れる大切さ、相手を尊重するという言葉をよく耳にするが、それが本当に理解できているか、実践することができているか、考えさせられました。
  • ・性について、家族について、血縁について、考える機会を与えていただきました。人を想う気持ちに性別は関係ないと思いました。
  • ・トランスジェンダー本人の周囲の無理解による苦しみ、性の多様性をなかなか受け入れられない人、、、色々な人達の思いがとても丁寧に描かれていて、深い内容でした。
                      つどい
                      

  令和3年度

活動報告1 令和3年度城南区人権啓発連絡会議 委員研修会

活動報告2 令和3年度城南区人権を考えるつどい


【活動報告 1】令和3年度城南区人権啓発連絡会議 委員研修会

  • 日時:令和3年6月23日 金曜日 13時40分~14時40分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:城南区人権啓発連絡会議委員
  • 方法:YouTube配信(限定公開)
  • テーマ:「コロナ禍の家庭に起きる暴力~DVと児童虐待~」
  • 講師:NPO法人福岡ジェンダー研究所 理事 倉富 史枝(くらとみ ふみえ)さん

演要旨 

コロナ禍の家庭に起きる暴力~DVと児童虐待~」  (350kbyte)pdf


(講師プロフィール)
 ドメスティック・バイオレンス及び児童虐待防止などに関する講演多数。
 福岡県同和問題をはじめとする人権問題に係る啓発・研修講師、県内自治体の男女共同参画審議会委員などを努める。
 民間団体「こどもCAPふくおか」代表。西南女学院大学人文学部教授、九州大学基幹教育「男女共同参画」非常勤講師。
 専門はジェンダー論、社会学、家族社会学、福祉社会学。
 
 

倉富史枝さん写真
 

参加者の声(一部抜粋)

  • ・暴力は伝染病」という言葉が響きました。私たちの頃は学校で先生に怒られて、よく「愛のむち」みたいな形で叩かれました。最近は当然、体罰に当たりますが色々なニュースに出てくるようにまだ残っていると思います。
  • ・街中でも子どもを怒る時に叩いたりするケースを見かけることもありますが、そういった時に注意していいものか?と考えると悩ましいものがあります。
  • ・コロナ禍でなかなか周りのコミュニケーションも取りづらくなりました。講演で聴いた様々な暴力のことも踏まえ、自分も周囲の問題に気を配れるようにしておきたいと思います。
 

【活動報告 2】令和3年度城南区人権を考えるつどい

  • 日時:令和3年7月30日 金曜日 14時00分~16時30分
  • 場所:城南市民センターホール
  • 対象:どなたでも参加可能(先着200名・事前申込制・参加無料)
  • 内容:映画「長いお別れ」(上映時間129分・2019年製作・日本語字幕付)

 7月の「福岡県同和問題啓発強調月間」に合わせて、人権を尊重し多様性を認め合うまちづくりを目指して毎年「城南区人権を考えるつどい」を開催しています。
 今年は、認知症を患う父親とその家族の姿を描いた映画「長いお別れ」の上映会を実施しました。    


実施報告                

    (文責 城南区生涯学習推進課  岩瀬 賢治)


「お別れ」までの7年間の物語

 父親の70歳の誕生日に集まった2人の娘たちに母親から告げられたのは、厳格な父親が認知症になったということでした。
思いもよらない事態にそれぞれの生活に悩みを抱えながらも、次第に記憶を失くしていく父親との関わりも大切に、試行錯誤しながら進んでいく家族。
 シリアスな問題の中にもコミカルに描かれているところもあり、思わずクスっと笑ってしまう場面もありました。そういうこともあってか、上映が2時間を超える映画でしたがとても短く感じました。
 映画の内容では、認知症の父親を母親や2人の娘が支え、理解しようとしている姿に感心させられました。
 実際、自分の身に置き換えてみて、身内が認知症になったら、果たしてこの映画の登場人物のように優しく振舞えるかというと、とても難しいのではないかと思いました。  


長いお別れ 一場面      

(c)2019『長いお別れ』製作委員会(c)中島京子・文藝春秋


 投げかけられた2つの場面

 劇中で、この父親が何度も「家に帰る」と口にする場面が出てきました。
 家族は「ここ(今住んでいる家)が、あなたの家ですよ」と説明したり、生まれ育った実家に連れて行ったりします。
しかし、どこも違うようです。映画の中ではその応えは『ここだ!』という場面はありませんでした。
 また、父親の寿命が近づいた時、人工呼吸器をつけるかどうかという選択をする場面で、母親と2人の娘が話をします。
娘たちは「お父さんだったら、『余計なことはするな!』って言うと思うよ」と言います。母親は「私の心はもう決まってますよ」と毅然と答えます。いつも穏やかな母親とは違う姿に娘2人は驚いたように顔を見合わせます。ただ結論は描かれていませんでした。
 この2つの場面について、作者はわざと答えを描かなかったのでしょうか。私は観る側の心に何かを投げかけたかったのかなと思いました。会場で一緒に鑑賞された後に「自分はこう思ったよ」「私は違った感想を持ったよ」などと意見交換をされた参加者の方もいらっしゃったのではないでしょうか。
 他にも色々と考えさせられる場面がとても多い映画で、鑑賞後は何とも言えない充実感がありました。


長いお別れ 父と次女

(c)2019『長いお別れ』製作委員会(c)中島京子・文藝春秋


 認知症高齢者の尊厳

 認知症の症状は周囲の人の関わり方で悪化のスピードが違ってくるそうです。認知症のことを正しく理解し、可能な限り受容できるようになれればと思いました。そうすることが認知症の方にとっても、周囲の方にとってもプラスになるのではと思います。
 厚労省によると近い将来、高齢者の20%前後が認知症になると言われています。今までに経験したことのない超高齢社会のひとつの事象です。他人事では済まされない問題になりえます。
 今後、身近な生活の中で出会うであろう様々な問題にしっかりと向き合っていくため、そして認知症の人が尊厳を保ちながら生活していくため、私たちは今からできる準備をしておく必要があると痛感しました。
                                                                   


長いお別れ 家族写真

(c)2019『長いお別れ』製作委員会(c)中島京子・文藝春秋


参加者の声(一部抜粋)

  • ・帰った場所は「自分の中」、一番輝いていた時、一番幸せだった時なのかな?と感じました。
  • ・「Long good bye 」とてもいい言葉だと思います。マイナスのイメージだった「認知症」という言葉ではなく、少しずつ長い時間をかけてお別れする、長い人生の終わりにふさわしい言葉です。人は生まれてひとつずつ何かを身につけていき、そしてまたひとつずつ置いていって、身軽(ゼロ)になってお別れするのだと思いました。
  • ・家族の中で、常に家族の一員として、なるべく自然な形で暮らしている姿が印象的でした。認知症のお父さんではない、私たちのお父さん、家族です。
  • ・今まで観た人権の映画の中で一番良かったです。夫78歳、妻(私)77歳ですが、ふたりともまだ認知症の感じはありません。映画の夫妻を見ていると、お互いが尊敬し、思いやることの大切さを非常に感じました。また、このような映画を楽しみにしています。

番外編】

様々な人権課題についての資料を掲載しております。下記よりダウンロード可能です。研修会などでご活用ください。


 城南区人啓連だより(バックナンバー)