12月13日(月曜日)に、審査委員による審査が行われ、絵画・グラフィックデザイン・書・写真・工芸の5部門において応募のあった約280点の作品の中から、下記受賞者一覧のとおり、96点の受賞作品が決定しました。
特選の受賞者を紹介します。(敬称略)
作品番号:4 「呼子漁港(朝市)」 織田 耕造 一般
【講評】
細かい所まで良く描けています。スルメもそうですが、手前のニボシみたいな魚まで、今もっている力を「もうここまでしか描けない」と声が聞こえてきそうです。目的は漁港の風景ですが、いいニオイが絵から出てきます。長く見ていたい作品です。
作品番号:13 「Purple rain」 楢原 哲子 一般
【講評】
あじさいの時期の1コマを見事にとらえています。表面的な花の描写ではなく、象徴的に表現している所が絵にしています。梅雨どきの湿った空気感、紫色に反対色の黄色が美しい作品です。
作品番号:21 「Step to freedom」 佐藤 日加莉 高校生
【講評】
自由の象徴だと思われる翼が美しく輝いています。心を自由にできない自分がいて、だけどそれを振り払って旅立とうとする強い意志を感じます。ビルの表現がいい役目を果たしています。
作品番号:22 「水明の蕩揺」 東福 温美 高校生
【講評】
渓谷の美しい光が漂っています。川には、下地に小さな石や大きな石、その上を流れる清い水、それに川の上に生い茂る枝の影がバランス良く水面を照らしています。それによって目に見えない透明な水の表現が良くできています。
作品番号:31 「見えるもの」 副島 世璃奈 高校生
【講評】
カラスの涙が叫んでいます。世界のゴミ問題に対して!絵画は美しいばかりではなく、ピカソのゲルニカという作品のように、戦争反対を強くアピールする事もできます。今回の作品は社会に対する痛烈な批判になって強く印象に残ります。
作品番号:11 「和風」 田中 歩乃花 高校生
【講評】
和風のモチーフが浮遊しているようなイメージ、神社の木立がそこにあるようで、非常に大きな空間を感じる。きつねの面、小さく表現された女の子、扇が片隅にきまっています。やわらかい色使いもホッとするような絵です。
作品番号:5 「名にし負はば」 吉田 廣子 一般
【講評】
上部と下部の墨の色の変化が際立って中央の掲筆が生きている。線の切れ味もよく、きりりとしまった爽やかな作品にまとまっている。
作品番号:8 「集字聖教序 臨書」 今村 一枝 一般
【講評】
王義之の作と言われる集字聖教序を自分なりに臨書して作品としてまとめ上げられていてすばらしい。線に力があり最後まで気迫が一貫している。臨書の作品はこうありたいと思う作品である。
作品番号:10 「ママと波あ・そ・び」 平田 則之 一般
【講評】
夕焼けの中での撮影が良かったと思います。親子のふれあいが良く表現されています。
作品番号:15 「田舎」 味園 弘美 一般
【講評】
懐かしい日本の風景に癒されます。切絵の繊密な作業も素晴らしくあどけない子供の姿も心に残ります。
作品番号:18 「アサギマダラ」 井上 千尋 高校生
【講評】
鮮烈な赤と黒の配色に翅の模様も美しく力強い魅力的な作品です。