ウイルス性出血熱は、発熱、出血(皮下、粘膜、臓器)、多臓器不全を引き起こすウイルス感染症です。ウイルス性出血熱のうち、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱は一類感染症に分類されます。
ウイルス性出血熱の流行地へ渡航する必要がある場合は、渡航前に厚生労働省検疫所や外務省の海外安全情報のホームページ等で現地の流行状況等、最新の情報を確認してください。また、渡航先では、基本的な衛生対策(手を洗う、病人・動物との接触を避けるなど)を確実に行い、エボラ出血熱を含め、様々な感染症にかからないよう注意してください。
流行地は、サハラ砂漠以南のアフリカで、平成12年以降にコンゴ民主共和国やウガンダ、アンゴラで比較的大きな流行が起こっています。令和5年2月13日には、赤道ギニア共和国でもマールブルグ病が確認されたと発表がされました。
・ マールブルグ病はマールブルグウイルスによる急性熱性疾患で、主に人から人へうつります。
病原体であるマールブルグウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液・分泌物・吐物・排泄物)や、患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた場合、ウイルスが傷口や粘膜から侵入し感染します。また、感染した動物の体液に触れたりすることによっても感染します。
・ 潜伏期間は3~10日でです。発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛のどの痛みなどをおこし、続いておう吐・下痢等がみられ、死に至ることが多い病気です。
・ 現在、マールブルグ病に対するワクチンや特異的な治療法はないため、患者の症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。
・ワクチンはありません。流行地域への旅行を控える。野生動物や患者に直接触れないことが重要です。
コンゴ民主共和国等においてエボラ出血熱がしばしば確認されておりましたが、令和4年9月20日には、コンゴ民主共和国の隣国のウガンダ共和国でもエボラ出血熱が確認されたと発表がされました。
・ エボラ出血熱はエボラウイルスによる急性熱性疾患で、主に人から人へうつります。
病原体であるエボラウイルスに感染し、症状が出ている患者の体液等(血液・分泌物・吐物・排泄物)や、患者の体液等に汚染された物質(注射針など)に十分な防護なしに触れた場合、ウイルスが傷口や粘膜から侵入し感染します。また、感染した動物の体液に触れたりすることによっても感染します。
・ 潜伏期間は2~21日で平均7日程度です。発熱・頭痛・筋肉痛・のどの痛みをおこし、続いておう吐・下痢等がみられ、さらに進行すると全身の出血傾向がみられ、死に至ることが多い病気です。
・ 現在、エボラ出血熱に対するワクチンや特異的な治療法はないため、患者の症状に応じた治療(対症療法)を行うことになります。
・ワクチンはありません。流行地域への旅行を控える。野生動物や患者に直接触れないことが重要です。