近年、梅毒の報告者数が急増しているのをご存じですか?
梅毒は、「偽装の達人」とも呼ばれ、微熱程度の軽い症状や、症状がないこともあるなど、自覚症状を感じにくいことがあります。また、しこりや発疹などの症状が出ても、痛みがなかったり、しばらくすると消失するのが特徴です。
しかし、症状がないからといって放置しておくと、知らない間に体内で進行し、数年から十数年後に、脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
梅毒は、一度感染しても、再度感染することがありますが、適切な薬物治療で完治します。
梅毒は、症状がなくても、あなた自身が感染していたり、知らないうちに誰かにうつしてしまうことがあります。
あなたと大切なパートナーを守るため、心配や不安がある方は、検査を受けましょう。
福岡市では、各区の保健所(※中央区以外)で、梅毒の無料・匿名検査を実施しています。
検査の日程・会場はこちら をご覧ください。
梅毒は、主に感染者との性行為など、感染部位と皮膚や粘膜との接触によってうつる感染症です。
原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、感染した部位のしこりや全身の発疹など、感染後の経過期間によって様々な症状が出ますが、症状のない時期や、症状があっても痛みがない場合があります。
年代は、男性は20~40歳代、女性は20代に多くみられます。
治療をせずに放置すると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、流産や死産、低出生、奇形が起こることがあります(先天梅毒)。
梅毒は、薬物治療で完治は可能です。
一度感染しても感染を繰り返すことがあるため、再び感染しないよう予防することが大切です。
近年、全国的に梅毒と診断される方が増加しています。福岡市でも同様の傾向がみられています。
平成29年 | 平成30年 | 平成31年/ 令和元年 |
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 ※ |
|
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全国 | 5,826 | 7,007 | 6,642 | 5,867 | 7,978 | 13,226 | 7,758 |
福岡市 | 157 | 186 | 160 | 181 | 215 | 338 | 238 |
※ 令和5年は、27週(令和5年7月3日~令和5年7月9日)時点の速報値で、年間報告数とは異なります
第1期(感染後約3週間)
初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。また、股の付け根の部分(そけい部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。
しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、この期間に他の人にうつす可能性もあります。
(写真)感染から約3週間後、唇にくぼみができている様子
写真提供:一般社団法人日本性感染症学会
第2期:感染後数週間~数か月
治療をせずに3か月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、身体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれています。アレルギーや、風しん、麻しん等に間違えられることもあります。
発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合があり、また、再発を繰り返すこともあります。
しかし、治療しない限り、病原体は体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。
(写真)感染から約3か月後、全身に痛くもかゆくもないピンク色の発しんが出ている様子(バラ疹)
写真提供:一般社団法人日本性感染症学会
(写真)感染から約3か月後、手のひらに痛くもかゆくもないカサカサした斑点が出ている様子(バラ疹)
写真提供:一般社団法人日本性感染症学会
晩期顕症梅毒
皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)ができ、心臓、血管、脳などに病変が生じ、場合によっては死に至ることもある。
先天梅毒
妊婦さんが梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、低出生、奇形が起こることがあります。
一般的には、外来で処方された抗菌薬を内服することで治療します。内服期間等は病状により異なり、医師が判断します。病変の部位によっては入院のうえ、点滴で抗菌薬の治療を行うこともあります。
医師が治療を終了とするまでは、処方された薬は確実に内服しましょう。
性交渉等の感染拡大につながる行為は、医師が安全と判断するまではひかえましょう。
また、パートナー等、周囲で感染の可能性がある方とも一緒に検査を受け、必要に応じて、一緒に治療を行うことが重要です。
心配や不安があったり、気になる症状を感じたときは、早めに医療機関を受診しましょう。
早期発見・早期治療が大切です。
男性は泌尿器科、女性は婦人科へ。皮膚の異常なら皮膚科を受診するなど、症状に応じて選びましょう。
福岡県内の医療機関情報は、こちらのリンク先で検索できます。 「ふくおか医療情報ネット」
梅毒をはじめ、性感染症は誰でもかかる可能性がある病気です。
自分がかかっていなくても、誰が感染しているか分からないためです。
基本的には、感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用してください。ただし梅毒は、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用していれば安心ということはありません。
皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関(皮膚科・泌尿器科・産婦人科など)を受診しましょう。
福岡市では、各区の保健所(※中央区以外)で、梅毒の検査を行っています。
無料・匿名の、血液検査です。感染の可能性のある日から、2か月経過していれば判断ができます。
梅毒は、症状がなく経過することがあるため、心配や不安がある場合は、検査を受けていただくことをおすすめします。
検査の日程や会場はこちら (300kbyte)
同日に、HIV/エイズやクラミジアなど、他の性感染症の検査も可能です。HIV/エイズに関する内容はこちら(福岡市ホームページ)
保健福祉センター (保健所) |
エイズダイヤル (平日午前9時~午後5時) |
FAX番号 | |
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博多区 | 092-441-0023 | 092-441-0057 | kenko.HAWO@city.fukuoka.lg.jp |
中央区 | 092-712-8391 | 092-734-1690 | kenko.CWO@city.fukuoka.lg.jp |
南区 | 092-541-8391 | 092-541-9914 | kenko.MWO@city.fukuoka.lg.jp |
城南区 | 092-822-8391 | 092-822-5844 | kenko.JWO@city.fukuoka.lg.jp |
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西区 | 092-891-0391 | 092-891-9894 | kenko.NWO@city.fukuoka.lg.jp |