福岡市障がい児・障がい者実態調査報告書、概要版 目次 1、調査の概要 2、主な調査結果 2の1、基本属性 2の2、生活の状況 2の3、外出の状況について 2の4、コミュニケーションについて 2の5、就労について 2の6、福祉サービスの利用と提供について 2の7、地域生活について 2の8、障がい者に対する差別について 2の9、障がい福祉全般について 令和8年3月、福岡市 1 調査の概要 1.調査の目的 この調査は、障がい児・者等の実態を把握するとともに、障がい福祉施策を推進するうえでの利用者のニーズを把握することを目的として実施しました。調査結果は、福岡市保健福祉総合計画および福岡市障がい福祉計画等の策定や今後の障がい福祉施策の方向性を検討するために活用します。 2.調査の設計と回収(実施)状況 調査は、令和7年6月17日から7月25日にかけて実施。 各調査の設計と回収(実施)状況を、調査種別、調査対象、調査方法、標本数、有効回収数、回収率の順に示します。 身体障がい者調査 市内在住の18歳以上の身体障がい者 郵送、一部訪問 1,300人 768人 59.1% 知的障がい者調査 市内在住の18歳以上の知的障がい者 郵送 850人 483人 56.8% 障がい児調査 市内在住の17歳以下の身体・知的障がい児 郵送 850人 495人 58.2% 精神障がい者調査 市内在住の18歳以上の精神障がい者 郵送 1,000人 487人 48.7% 発達障がい児・者実態調査 発達障がい者関係団体等に所属、もしくは特別支援学級や通級指導教室に通っている発達障がい児・者とその家族 団体や学校を通じた配布・回収 900人 231人 25.7% 難病患者実態調査 市内在住の特定医療費(指定難病)受給者証所持者 郵送 1,000人 591人 59.1% 事業者等実態調査 市内の相談支援事業所、居宅介護等事業所、施設事業所、グループホーム事業所、及び市の相談機関 郵送 1,300事業所 879事業所 67.6% ※精神障がい者に関する調査方法は、今回調査より市内在住の精神障がい者(18歳以上)から層化無作為抽出を行い、郵送調査へ変更した。 ※発達障がい児・者実態調査の標本数は、調査を依頼した各団体に所属する方(保護者も含む)を対象として配布した数。同一人物が複数団体に所属している場合もあり、配布数=配布したじつ人数 ではないもの。 2ページ 2 主な調査結果 2の1 基本属性 1.性別  回答者の男女構成比は障がいの種別によって違いがあり、身体障がい者では構成比の差は小さくなっています。発達障がい児・者は、構成比の差が大きく、男性が7割半ばを占めています。 3ページ 2.年齢  回答者について身体障がい者は65歳以上の高齢者、知的障がい者は18〜29歳の若年層の占める割合が高くなっています。 精神障がい者は、50歳代(26.3%)が最も多くなっています。 発達障がい児・者は、団体や学校を通じて調査を実施したこともあり、18歳未満の年齢層が約6割を占めています。 難病患者は、65歳以上の高齢者が約半数を占めていますが、40〜60歳代前半でも約4割となっています。 4ページ 2の2 生活の状況 1.世帯構成  知的障がい者の約6割、発達障がい児・者の約8割は親と同居 世帯構成では、高齢者が多い身体障がい者は「夫婦のみ」(31.3%)や「二世代同居(子と本人)」(24.6%)、「一人暮らし」(23.6%)が多くなっています。また、難病患者でも近い傾向がみられます。 一方、若年層が多い知的障がい者や発達障がい児・者は「二世代同居(親と本人)」が半数以上を占めており、親との同居率が高くなっています。 精神障がい者は、ほかの障がいに比べて「一人暮らし」の割合が高くなっています。 5ページ 2.主な介助者  身体・知的障がい児や発達障がい児・者では「母親」が7〜8割台 主な介助者では、身体・知的障がい児や発達障がい児・者は「母親」がそれぞれ約8割、約7割を占めています。一方で「父親」は約1割となっています。また、若年層が多い知的障がい者でも「母親」が半数近くを占めています。 精神障がい者や難病患者は「世話をしてもらう必要がない」の割合が他 の障がいに比べて多くなっています。 6ページ 2の3 外出の状況について 1.外出時に不便や困難を感じること  歩道の整備や段差、交通マナーが問題 外出時に不便や困難を感じることでは、多くの障がい種別で「歩道がない道路に危険を感じる」と「歩行者や走行自転車のマナーの悪さ」、「歩道に段差が多い」など、歩道の整備や交通マナーに関する項目が上位5位以内に入っています。一方で、すべての障がいに共通して「特にない」も上位にあがっています。 知的障がい者や身体・知的障がい児、精神障がい者、発達障がい児・者は「まわりの人の目が気になる」が上位にあがっています。 7ページ 2の4 コミュニケーションについて 1.コミュニケーションで困っていることの有無  難しい内容や、あいまいな表現を理解しづらい コミュニケーションで困っていることの有無では、知的障がい者、身体・知的障がい児、発達障がい児・者で「ある」の割合が6〜8割台を占めています。 コミュニケーションで困っていることの内容では、すべての障がいに共通して「難しい内容やあいまいな表現を理解することが難しい」、「声や言葉がでにくいため、自分の思いが伝わりづらい」、「話をうまく組み立てられない」などが上位5位以内に入っています。また、知的障がい者や身体・知的障がい児、発達障がい児・者は「人とのコミュニケーションの取り方がわからない」が上位にあがっています。 8ページ コミュニケーションで困っている内容(複数回答上位5項目) 身体障がい者、知的障がい者、身体・知的障がい児、発達障がい児・者、難病患者調査の上位5項目のグラフを記載しています。 コミュニケーションで困っていることの内容では、すべての障がいに共通して「難しい内容やあいまいな表現を理解することが難しい」、「声や言葉がでにくいため、自分の思いが伝わりづらい」、「話をうまく組み立てられない」などが上位5位以内に入っています。また、知的障がい者や身体・知的障がい児、発達障がい児・者は「人とのコミュニケーションの取り方がわからない」が上位にあがっています。 なお、精神障がい者調査には本質問はありません。 9ページ 2の5 就労について 1.就労状況・就労形態  身体障がい者等は「正社員」、知的障がい者等は「施設」で就労 就労している人の就労形態では、身体障がい者、難病患者は「正規の社員・従業員」がそれぞれ約4割、約5割で最も多くなっています。 知的障がい者、発達障がい児・者は「施設で働いている(就労継続支援事業所など)」が、精神障がい者では「臨時・日雇、アルバイト、パート」がそれぞれ約4割で最も多くなっています。 10ページ 2.障がい者の就労に対する社会の理解度  精神障がい者、発達障がい児・者では「理解があると思わない」の割合が高い 障がい者の就労に対する社会の理解度では、精神障がい者と発達障がい児・ しゃは「理解があると思わない」の割合が「理解があると思う」を上回っています。 11ページ 3.障がい者が働きやすくなると思う働き方や制度  「体調不良時に休みやすい」や「短時間勤務など労働時間への配慮」が上位 障がい者が働きやすくなると思う働き方や制度では、多くの障がい種別に共通して「調子の悪いときに休みを取りやすくする」や「短時間勤務などの労働(作業)時間の配慮」、「収入の増加」が上位5位以内を占めています。 知的障がい者、精神障がい者、発達障がい児・者は「仕事(作業)上の援助や本人・周囲への助言を行う者(ジョブコーチなど)による支援」が上位5位以内に入っています。また、発達障がい児・者は「発達障がいの特性を踏まえた作業手順の視覚化などの配慮」も上位2位にあがっています。 12ページ 2の6 福祉サービスの利用と提供について 1の1.福祉サービスの利用状況と利用意向(身体障がい者、知的障がい者、身体・知的障がい児) 身体・知的障がい児では「放課後等デイサービス」と「児童発達支援」の利用が6割以上 福祉サービスの利用状況について、身体障がい者では「福祉乗車券の交付」(39.1%)や「福祉タクシー料金の助成」(27.3%)が高くなっています。今後の利用意向では「緊急通報システム」(15.6%)や「福祉タクシー料金の助成」(34.3%)などが、利用状況を上回っています。 知的障がい者では「グループホーム」(24.0%)などの利用意向が、利用状況を上回っています。 身体・知的障がい児では「放課後等デイサービス」や「児童発達支援」の利用状況が6割台と高くなっています。 13ページ 1の2.福祉サービスの利用状況と利用意向(精神障がい者) 利用状況、意向ともに就労関係のサービスが上位 精神障がい者の福祉サービスの利用状況では「就労移行支援」(22.4%)が最も多く、次いで「就労継続支援(B型)」(21.6%)が続いています。 今後の利用意向としては「福祉乗車券の交付」(22.8%)が最も多く、「福祉タクシー料金の助成」(20.9%)が続いています。 14ページ 1の3.福祉サービスの利用状況と利用意向(難病患者) 「自立訓練」や「補装具」は利用状況・利用意向がともに高い 難病患者の福祉サービスの利用状況では「自立訓練」(10.2%)や「補装具」(9.6%)、「居宅介護」(9.3%)が上位にあがっています。 今後の利用意向としては「補装具」(12.2%)や「日常生活用具」(10.8%)、「自立訓練」(10.2%)が上位にあがっています。 ほかの障がいに比べて、福祉サービスの利用状況・利用意向はともに低い傾向が見られます。 15ページ 2.事業者が提供しているサービス  「居宅介護」が最多 事業所が提供しているサービスでは「居宅介護」(25.9%)が最も多く、次いで「就労継続支援(B型)」(16.7%)、「共同生活援助」(16.4%)となっています。 16ページ 3.不足している社会資源(相談支援事業所調査、施設事業所調査) 強度行動障がいに対応できる短期入所施設の不足が上位 不足している社会資源の相談支援事業所の回答では「強度行動障がいに対応できる短期入所施設」(41.0%)が最も多く、次いで「高度なスキルを持ったホームヘルパー等の人材」(34.9%)、「医療ケアが可能な短期入所施設」(31.9%)となっています。 また、施設事業所の回答では「強度行動障がいに対応できる短期入所施設」「連携できる医師・医療機関」(ともに33.5%)が最も多く、次いで「障がい者が入居できる住まい」(28.0%)となっています。 17ページ 不足している社会資源(施設事業所調査)における回答状況のグラフが記載されています。 施設事業所の回答では「強度行動障がいに対応できる短期入所施設」「連携できる医師・医療機関」(ともに33.5%)が最も多く、次いで「障がい者が入居できる住まい」(28.0%)となっています。 18ページ 2の7 地域生活について 1.近所の方との関係  「あいさつをする程度」以上の付き合いが、半数を占める 近所の方との関係では、身体障がい者と発達障がい児・者は「あいさつをする程度の人ならいる」が最も多く、他 の障がい種別は「ほとんど付き合いはない」が最も多くなっています。 「あいさつをする程度」以上の付き合いが、すべての障がい種別で半数を超えています。 19ページ 2.自宅やグループホームで生活するために必要な条件  「家事の手伝い」、「仕事」、「医療機関」が上位 自宅やグループホームで生活するために必要な条件では、多くの障がい種別で「調理や掃除、洗濯などの家事の手伝いを頼める人がいること」や「仕事があること」、「主治医や医療機関が近くにあること」などが上位5位以内を占めています。 その他、身体・知的障がい児は「お子さんの見守りを頼める人がいること」、発達障がい児・者は「地域や職場の人たちが障がいについて理解があること」がそれぞれ1位、2位にあがっています。 20ページ 2の8 障がい者に対する差別について 1.差別等を受けた経験  身体・知的障がい児、精神障がい者では、経験ありが約4割 障がいがあるために差別を受けたり、嫌な思いをした経験がある人では、身体障がい者は2割弱(16.5%)、知的障がい者は約3割(31.0%)、発達障がい児・者は3割半ば(34.2%)、難病患者は約1割(8.8%)ですが、身体・知的障がい児(41.4%)、精神障がい者(39.2%)は約4割と高くなっています。 21ページ 2.差別を受けた内容  「学校、職場、施設等での不当な扱い」「交通機関の乗員の対応」などが上位 差別を受けた内容では、多くの障がい種別で「学校、職場、施設などで不当な扱いを受けた」や「バス、電車、タクシーの乗員の対応で不愉快な思いをした」、「近所の人達の対応で不愉快な思いをした」が上位5位以内にあがっています。 22ページ 3.障がい者の人権に関して問題があること 「障がい者に対する理解を深める機会が少ないこと」などが上位 障がい者の人権に関して問題があることでは、すべての障がいに共通して「差別的な言動を受けること」や「人々の障がい者に対する理解を深める機会が少ないこと」が上位5位以内にあがっています。 身体障がい者と難病患者では「特にない」が1位、「道路の段差や建物の階段など外出先での不便が多いこと」が2位にあがっています。 発達障がい児・者では「発達障がいの特性から生じる困難さに対し、配慮がなされないこと」(55.4%)が5割半ばを占め、1位にあがっています。 23ページ 2の9 障がい福祉全般について 1.災害時に頼れる人  同居の家族が最も多い 災害時に頼れる人では、いずれの障がいでも「同居の家族」が最も高くなっています。 中でも、身体・知的障がい児、発達障がい児・者など低年齢層の割合が高い障がいでは、8割台と高くなっています。 24ページ 2.障がい者福祉施策として国や県、市に力をいれてほしいこと 「所得保障」「保健、医療体制及び医療費公費負担制度」などが上位 障がい者福祉施策として国や県、市に力を入れてほしいことでは、多くの障がい種別に共通して「年金など、所得保障の充実」、「障がい者に配慮した保健、医療体制及び医療費公費負担制度の充実」、「困ったときにいつでも専門職員が相談に応じてくれる体制の充実」が共通して上位5位以内にあがっています。 身体・知的障がい児では「特別支援教育の充実」が1位、発達障がい児・者では「就労支援の充実(働くための訓練や職場定着など)」が1位となっています。 25ページ 3.障がい者支援として地域社会や企業等に望むこと 「障がいへの理解醸成」「公共交通・建物等を利用しやすくすること」などが上位 障がい者支援として地域社会や企業等に望むことでは、すべての障がいに共通して「障がいに対する理解を深める」や「公共交通機関や建物等を障がい者が利用しやすいようにつくる」、「企業で障がい者を積極的に雇用する」、「障がい者をはじめ、困っている人を支える地域活動やボランティア活動を活発にする」が上位5位以内となっています。 26ページ 4.福岡市の暮らしやすさ  障がいのある人が「暮らしやすい」と感じる割合が高い 福岡市の暮らしやすさでは、すべての障がいにおいて「感じている」が4〜5割台で、「感じていない」と比べて高くなっています。 福岡市障がい児・者等実態調査報告書(概要版) 令和8年3月 発行 福岡市福祉局障がい者部障がい企画課 〒810-8620 福岡市中央区天神1−8−1 電話092-711-4248 FAX092-711-4818 メール s-kikaku.PWB@city.fukuoka.lg.jp