令和6年度第1回福岡市障がい者等地域生活支援協議会 議事録 日 時:令和6年7月18日(木)10:00〜11:45 場 所:舞鶴庁舎2階 大研修室 1.開会 【事務局】:定刻になりましたので、ただいまから令和6年度第1回福岡市障がい者等地域生活支援協議会を開催いたします。私は本協議会の事務局を担当しております障がい者支援課の山田と申します。よろしくお願いいたします。本日の会議は約1時間半を予定しておりますので、ご協力をお願いいたします。 本日は委員総数21名のところ、18名が出席でございます。過半数に達しておりますので、本協議会要項第5条第2項の規定により、本協議会は成立しておりますことをご報告いたします。また、本日の会議では個人情報を扱いませんので、福岡市情報公開条例に基づき公開としております。 次に会議資料の確認をお願いいたします。委員の皆さまに事前にお送りしました資料は、「会議次第」と会議資料の1、1の補足資料として実態調査の概要版、資料2〜6、それから「委員名簿」、「運営要綱」でございます。 続いて、本日お手元に配布しております資料は、「座席表」でございます。不足の資料等がございましたら挙手をお願いします。 それでは、本日の会議次第についてご説明します。お手元の会議次第をご覧ください。 本日の議事につきましては「会長・副会長の選任について」、報告につきましては「第7期福岡市障がい福祉計画および第3期福岡市障がい児福祉計画策定について」、「福岡市障がい児者実態調査の実施(令和7年度予定)について」、「福岡市重度障がい者の住まいおよび支援に関する専門部会について」、「市障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)事業令和5年度および令和6年度の取り組みについて」、「区障がい者基幹相談支援センター実績」、「令和5年度地域生活支援拠点等の整備状況について」、「各区部会令和6年度の取り組みについて」、以上を予定しております。 会議に先立ちまして、2名の委員が交代されておりますのでご紹介させていただきます。委員名簿をご覧ください。 学識経験者の区分になりますが、西南学院大学人間科学部社会福祉学科准教授の倉光委員でございます。野口委員の後任でございます。 【委員】:西南学院大学の倉光です。どうぞよろしくお願いいたします。 【事務局】:次に委員名簿の教育・雇用関係者の区分になりますが、福岡市立障がい者就労支援センター所長の堂園委員でございます。黒田委員の後任でございます。 【委員】:福岡市立障がい者就労支援センターの堂園と申します。よろしくお願いいたします。 【事務局】:本協議会の議長は、要綱第4条第3項の規定により、会長が欠けた時は副会長が務めることとなっておりますので、小川副会長に会議の進行をお願いいたします。 2.議事 (1)会長・副会長の選任について 【会長】:会長に代わりまして、私のほうで進めさせていただきます。会長・副会長の選任について、事務局から説明をお願いします。 【事務局】:福岡市障がい者等地域生活支援協議会設置運営要綱をご覧ください。設置要綱第4条第1項に「協議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める」こととされております。今回の協議会においては、前任の会長である野口委員が退任したことに伴い、新たに会長を選任する必要があります。このため、委員の互選によって定めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 【会長】:どなたか自薦・他薦のご意見がありましたらお願いします。意見、ございませんでしょうか。意見がないようですので、事務局のほうから提案をお願いします。 【事務局】:事務局としては、会長に現在副会長であります心身障がい福祉センターの小川委員に、副会長には学識経験者の区分になられました西南学院大学社会福祉学科准教授の倉光委員にお願いしてはいかがかと考えますがいかがでしょうか。 【会長】:事務局からの提案について、皆さまいかがでしょうか。 【全委員】:賛成の拍手あり。 【会長】:ありがとうございます。倉光委員もご承知いただけますでしょうか。 【委員】:お願いします。 【会長】:では、会長を私が務めさせていただき、倉光委員に副会長をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 【事務局】:新しく会長・副会長が決まりましたので、それぞれ一言ずつご挨拶をお願いします。 【会長】:小川でございます。前任の野口先生がすごい熱意をもってこの会議を引っ張っていらっしゃったと思っております。私は野口先生からのバトンタッチをしっかり引き継いで会長職を務めて参りたいと思いますので、どうぞ皆さまよろしくお願いいたします。 【委員】:ただ今副会長に拝命させていただきました西南学院大学の倉光と申します。今年度からこちらの委員に加わらせていただいたにも関わらず、いきなり副会長もということで、ちょっと重いものをいただいたなと思っていますが、状況を把握しながら精いっぱいのことをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 【事務局】:会長・副会長ありがとうございました。本協議会の議長は、要綱第5条第1項の規定により会長が務めることとなっておりますので、以降の進行を小川会長、お願いします。 3.報告 (1)第7期福岡市障がい福祉計画及び第3期福岡市障がい児福祉計画策定について (2)福岡市障がい児・者等実態調査の実施(令和7年度)について 【会長】:それでは報告の1「第7期福岡市障がい福祉計画および第3期福岡市障がい児福祉計画策定について」、2「福岡市障がい児・者等実態調査の実施(令和7年度予定)について」、事務局から説明をお願いします。 【事務局】:資料1をご覧ください。この度、第7期福岡市障がい福祉計画および第3期福岡市障がい児福祉計画を策定しましたことを報告します。本計画は、令和8年度末における障がい福祉サービス等に関する目標値・見込量を定めたものです。資料の表、計画策定の経緯をご覧ください。策定にあたりましては、昨年8月の福岡市障がい者等地域生活支援協議会におきまして委員の皆さまから意見を伺い、11月に実施しました市民意見募集の結果も踏まえ、障がい者保健福祉専門分科会にて審議いただきました。 なお、計画の詳細については、先月、6月下旬に委員の皆さまに郵送しました冊子にてご確認いただければと思います。委員の皆さまにおかれては、貴重なご意見を賜りありがとうございました。福岡市では本計画に基づきサービス提供体制の計画的な整備を図っていきます。 次に、「福岡市障がい児・者等実態調査について」報告します。本調査の目的は、保健福祉総合計画の策定に当たり、障がい児・者等の実態を把握するとともに、障がい保健福祉施策を推進する上での利用者のニーズを把握することです。実施頻度及び時期ですが、6年に1度、保健福祉総合計画の期間に合わせて実施しています。前回は令和元年度に実施し、次回は令和7年度に実施予定です。今後の予定ですが、令和6年度の障がい者保健福祉専門分科会にて調査項目などを協議のうえ実施します。参考資料として、令和元年度に実施した前回調査の概要版、水色の冊子がお手元にあるかと思いますが、そちらをご参照ください。報告は以上です。 【会長】:ただ今事務局のほうから説明がありましたが、これに関してご意見、ご質問はありますでしょうか。 【委員】:障がい福祉計画について12件市民意見が出ており、その中で重度障がい者に関する意見が3件あり、重度障がい者の支援について関心を持たれていると理解しました。 今回の実態調査について、障がいの分類が「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」になっており、重症心身障がいと身体障がいは分類を分けて調査して欲しいです。例えば、一般的なグループホームと重症心身障がい者を受け入れるグループホームは別に調査しないと実態が現れないと考えます。また、PDCAサイクルを実施するにあたって、実態を正確に把握できるような調査が必要だと考えます。 私の息子は重症心身障がいで、一般的な身体障がい者と全く課題が違います。調査項目を見ても、就業や生活での困りごとは全然違っており、それを同じ形で質問されても、政策に反映できないと思うので、重症心身障がいの分類を別に分けて欲しいです。細やかに課題が掘り下げられるように、重症心身障がいがある人、医療的ケアが必要な人、強度行動障がいがある人それぞれの調査項目を検討いただきたいと思います。 そして、障がい者保健福祉専門分科会で調査項目等を協議とありますが、専門分科会の委員は、精神障がい関係の委員が多く、身体障がい関係は1名いるが、重症心身障がいに特化した委員がいない。これでは重症心身障がい者が生活で困っていることが反映されないと思いますので、委員構成を再検討してほしい。 また、グループホームにおいては、知的障がい者と重症心身障がい者は別々に集計しなければ実態が把握出来ないのではないかと思います。重症心身障がい者を受け入れている事業所は非常に少ないので、重症心身障がい者は別に集計しなければ、重症心身障がい者における居住支援の利用実態が把握出来ないと思います。 また、障がい福祉計画の市民意見には、「重症心身障がい者を受け入れ可能な共同生活援助を整備するかが今後の課題です。重症心身障がい者の居住支援を今後どのように進めていくのか、福岡市の具体的施策を期待するところです」という意見もあるので、ぜひそこを検討してほしいと思います。 【事務局】:まず障がい児・者等の実態調査については、前回、令和元年度に調査の考え方を改めています。委員が言われたように、少数ではあるけれども支援を必要とされる方々の意見が大きな調査ではなかなか反映出来ないのではないかという課題がある反面、それらを全て反映させると、どうしても調査項目が多くなってしまい、答えていただく方の負担が大きくなるのではないかという課題もあったので、前回の調査で考え方を整理しています。 これまで実態調査としていたものを前回から全体調査と個別調査に分け、必要に応じて行う調査を設けることで回答者の負担を減らして回答率を上げていこうということで、令和元年度第1回障がい者等地域生活支援協議会で報告しています。来年度実施する実態調査については、全体調査という位置付けであり、調査の目的を保健福祉総合計画などの成果指標の経年変化を見たり、計画の策定・評価・施策の方向性を検討するために実施します。 少数でも支援を要する障がい当時者の方のニーズを把握する際は、個別調査と整理して、来年度行う全体調査とは別に必要に応じて実施することとしています。 また、障がい者保健福祉専門分科会の委員については保健福祉審議会条例に基づき、審議会を構成しており、各専門分野の委員に就任いただいております。精神障がいのほかにも知的障がい、身体障がい、難病に関する助言・指導がいただける委員に就任いただいており、専門分科会では各障がい種別に配慮した多方面からの審議を行っていますので、今回の調査実施の審議においてもご安心いただければと思っています。 【委員】:調査項目が多くて負担とありましたが、自分たちに直接関係することを聞かれていたら負担ということはないと思います。逆に、重症心身障がいがあり、IQが35以下の方に対して就労、社会、差別について聞かれるとすごく虚しくなって負担感が大きくなると思いますので、必要に応じて個別にとありましたが、行政がどう捉えるかを市民は知りたいと思いますので、ご検討いただけたらと思います。 (3)福岡市重度障がい者の住まい及び支援に関する専門部会について 【会長】:報告3「福岡市重度障がい者の住まいおよび支援に関する専門部会について」、事務局から説明をお願いします。 【事務局】:資料2をお願いします。重度障がい者の住まいおよび支援に関する専門部会については、令和6年3月の協議会で専門部会設置の企画案を諮っていましたが、修正意見がありましたので意見を反映させた後、前回示していなかった委員構成・委員名簿が確定したので、併せて報告します。 資料2の企画案は前回説明した内容はほとんど同じなので、変更した部分を説明します。1点目の変更点は、名称について、前回は「重度障がい者の住まいに関する専門部会」という案でしたが、それだけではなく支援に関わる内容も名称に入れたほうが良いという意見もあったため、名称の中に「支援」という言葉を追加しています。 2点目の変更点は部会委員構成で、前回協議会の報告の時には入っていなかった、都市再生機構、おかえり、アムナス訪問看護ステーション、ニコちゃんの会、みんなのプロジェクトの団体を追加し、最終の委員名簿は3ページ目に添付しています。 それに加え、前回協議会の時に、現在の委員構成に医師がいないと意見がありましたので、企画案の2ページ目の(15)のとおり、「その他必要に応じて臨時の部会委員」という区分を追加し、その区分を用いて必要に応じて医師の方から意見を出していただくことを検討しております。なお、これ以外の部分は前回の報告から変更ありません。 なお、この専門部会については、6月に第1回の会議を開催し、7月以降はテーマを分けて強度行動障がい・重症心身障がい・障がい福祉サービス・一般住宅とそれぞれの課題別でテーマについて毎月1回協議し、その後全体の協議という流れで協議を進めていこうと考えています。 今年度については、次回令和7年3月の協議会において、その時点でまとまった協議内容を報告したいと考えています。説明は以上です。 【会長】:ありがとうございました。とても大切な取り組みだと思います。ご意見、ご質問はございますか。 【委員】:重度住まい及び支援に関する専門部会に関して、意見シートを提出していますが、最後のページに、行政としてどのように考えているかという課題を書いてありまして、これまでの制度をちょっとアレンジして、本当に困った人たちのために生かせるような制度設計にするため、重度障がい者の受け入れ促進のための補助制度を効果的に執行するために意見を頂きたいということが記載されていましたが、今まで色んな要望書だとかそういったことで少しずつですが段階的に良くなっていると思います。 しかし、ここ10数年で実際に重症心身障がいや強度行動障がいを受け入れている事業所は増えていないということに対して、マイナーチェンジというより抜本的に大きく考えを変えていかないと改善しないと思います。もし改善するなら、みんなで考える部会ですが、平成30年からの地域生活移行部会では、重度障がいに関する提言もありました。他にも医療的ケア児の部会など、いくつか部会を重ねる中で少しずつ補助金がステップアップしたにも関わらず、改善しているとは言い難い状況ですので、行政としてどのように考えているかをお尋ねしたいと思います。 【事務局】:既に福岡市として独自の支援の取り組み、補助制度を設けておりますが、例えばグループホームでいうと数自体が足りないのか、単純に絶対数は充足しているけれどもニーズのミスマッチが起きているのか、状況に応じて毎年見直しをしています。重度障がい者の住まい及び支援に関する専門部会では、委員の皆さんのご意見と現場の実態を把握しながら、より良いものにしていきたいと考えています。 【会長】:今回、この専門部会が設立され、遅々としてはあるけれども一歩は踏み出しているところではないかと思います。他にご意見、ご質問はございますか。 【委員】:グループホームに関して、重度障がい者にとって足りていない状況があり、例えば、強度行動障がいがある人は保護者が家を1軒買って重度訪問介護を利用して生活しています。私も、もう待てない年齢に達していますので、そのように一軒家で重度訪問介護を利用して生活することが出来ないかと、他の事業者と考えております。しかし、重度訪問介護の利用が増えた場合、福岡市の財政的にも非常に負担ではないかと思います。 以前、2019年5月定例議会において、20歳以上の重症心身障がい者が市内で500人いると推定される旨福岡市が答弁しています。 また、市内に重症心身障がい対応の療養介護施設が2カ所ありますが、どちらも満床であり、福岡市外の施設等で生活する人が1,430人いるため、市外の施設に支払う給付費が23億1,400万円になっています。 今後も、福岡市内に重度の障がいの方の受け皿が増えない場合、福岡市外の施設に入所することで、給付費の増加が予測されます。市外ではなく市内に居住してもらうことで、市内に障がい福祉サービス事業所ができて雇用が生まれ、消費が促進されれば、違ったものになるのではないかと思います。 最近NHKで、重度障がい者の暮らしの場がないという内容が放送されました。社会的にもそのような気運が高まっているのではないかと思います。 去年の7月に東京都調布市の社会福祉事業団で運営している重度障がい者の受け入れをしているグループホームの施設長に話を聞いた時は、収入内訳が国からの給付費収入70%、市からの補助約30%、利用料約1%とのことでした。やはり市からの支援がなければ受け入れは進まないのではないかと思います。専門部会で協議しますが、その先にこの協議会や審議会など大きなところが動かなければそれは叶わないことだと思いますので、検討いただければ幸いです。よろしくお願いします。 【事務局】:様々なご意見ありがとうございます。今頂いたご意見も踏まえて、今年から住まいの専門部会を設置しており、その中で検討を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 【会長】:他にご意見、ご質問はございますか。 【委員】:質問ではなくて今後の期待ですが、この専門部会の協議事項が、強度行動障がい児・者、重症心身障がい児・者に絞って考えられるというのは、具体的に進めていくためとても良いと思います。ただ、「支援が必要な重度障がい者の場合」の中には、強度行動障がいでもなく重症心身障がいでもない方もいらっしゃるので、その方たちが、専門部会で考えられた仕組みや制度の恩恵を受けられるような、その方たちの住まいの場を考えられたものを期待したいと思います。 【事務局】:前回協議会の中で対象者についての意見があり、その後専門部会委員とも協議し、一番困っている人たちをまず何とかする必要があり、一番困っている人に対する支援を考えることは、結果として他の困っている人にも繋がるため、専門部会では強度行動障がいや重症心身障がいを対象として考えています。しかし、そこで考えられる支援や解決策というのは必ずしも強度行動障がいや重症心身障がいだけに限定されるものばかりではないと考えています。 (4)市障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)事業令和5年度及び6年度の取組みについて 【会長】:では、次に報告の4「市障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)事業令和5年度および令和6年度の取り組みについて」、事務局から説明をお願いいたします。 【事務局】: 資料3をご覧ください。「1.福岡市障がい者基幹相談支援センター事業」について報告します。当センターでは基本的に自主相談を行いませんが、生活支援相談室から継続しているケースや、計画相談で他県や市外からの転入ケースで市内の居住先が決まっていないなどのケースでは、総合相談で対応しています。計画相談を担当しているケースについては、頃合いを見ながら他の相談支援事業所にケースを移管しているため、計画相談からの相談件数が減少したと考えられます。令和6年度も引き続き、区の基幹センターや関係機関から相談が上がった困難事例をはじめとする様々な相談に対して、相談支援スーパーバイザーや機能強化専門員の派遣などの支援を行い、当センターに直接挙がった市外からの転入ケースや触法ケース・住所不定の事例などに対応していきます。 次に、「2.福岡市の相談支援体制の強化の取り組み」についてです。当センターでは、区の基幹センターの職員を対象とし、経験年数などを考慮した体系的な研修を実施しています。令和5年度は体系別研修として、新たにコーディネーターになった1〜2年目の職員向けに相談支援の基礎的な研修や、コーディネーターを支える目的で事例検討を行いました。事例検討では、3〜4年目のコーディネーターに事例を出してもらい、相談支援スーパーバイザーや主任コーディネーターがファシリテーターを担う形で研修を実施しています。専門的な内容として、触法障がい者の支援における更生支援計画作成時のポイントや留意点について、また、区の基幹センターからの希望によりファシリテーション技術をテーマに研修を実施しています。令和6年度も基礎的な内容の研修と事例検討、各区のネットワークの取り組みを共有する内容を実施する予定としています。 福岡市内の相談支援の体制整備については、福岡市の相談支援体制の機能を強化するため、地域生活支援拠点の整備を区の基幹センターとともに進めています。令和5年5月から地域生活支援拠点等の事業所登録が始まりましたが、市内を3つのエリアに分け、各エリアの事業所に対し集合研修や戸別訪問を通して、拠点の説明やクライシスプランの啓発を行いました。また、令和6年3月には、拠点に登録した相談支援事業所と短期入所事業所との顔の見える関係づくりや、緊急時にスムーズな連携が出来るよう、緊急時受け入れネットワークを実施しました。令和6年6月10日現在の拠点の登録数は65で、機能別の事業所数は記載のとおりです。 令和6年度は各エリアで相談支援事業所と短期入所をつなげる場や、拠点の登録をした事業所の話を聞く場、事業所に対する認定拠点の登録やクライシスプランの啓発を引き続き行い、また、必要に応じて認定拠点事業所のネットワークを行い、認定拠点事業所が役割を理解し、機能を果たせるよう支援していきます。 3ページをご覧ください。各区基幹相談支援センターなどのネットワーク構築への支援については、本協議会関連の会議や地域の関係機関との連携会議に参加または会議を開催するなど、連携強化の取り組みや相談支援事業の周知を行い、区の基幹センターが区内のネットワークを構築するための支援を行っています。令和5年度に参加・開催した会議は記載のとおりです。令和6年度も引き続き同様の取組みを継続していきます。 次に「3.地域移行・地域定着の促進の取り組み」です。令和5年度は精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会に事務局として参画し、市保健予防課精神保健福祉係とともに部会の運営と研修会の企画を行いました。令和6年度も専門部会での検討内容を参考にしながら、市や関係機関などと協議し研修会やネットワークづくりに取り組んでいきます。 次は4ページ、「4.福岡市内のグループホームに関する情報集約業務」です。市内の障がい者グループホームの基本情報を整理・集約し、区の基幹センターなどを通じて利用希望者への情報提供を行っています。令和6年度は医療的ケアや強度行動障がいへの対応の可否などについても情報を集約し、ニーズに応じたグループホームを適切かつ迅速に探すことができるよう、情報の集約及び提供を行っていきます。 次に「5.福岡市障がい者等地域生活支援協議会に係る業務」です。当センターは本協議会の開催準備など事務局業務の一部を担っております。また、事務局合同会議を開催し、各区部会から挙げられた課題の精査を行っています。各会議における昨年度の開催状況は記載の表をご覧ください。 令和6年度も各区から挙がる地域課題を整理し、市全体のネットワークや社会資源の開発に取り組むべき内容を本協議会に挙げ、各区の取り組みと連動しながら課題の解決に向けて検討していきます。また、専門部会に参加し、基幹センターが障がい者の相談機関として把握している実情などを伝え、課題解決に向けての円滑な協議が行われるよう提案や調整を行っていきます。 市基幹センターの取組みについては以上です。 【事務局】:引き続き、虐待防止センターの事業について報告します。 虐待防止センターは、養護者、障がい者福祉施設従事者、使用者による障がい者虐待に関する通報・届出の受理、養護者による障がい者虐待の防止および養護者による障がい者虐待を受けた障がい者の保護のための相談・指導・助言など、障がい者虐待の防止および養護者に対する支援に関する広報・啓発、3つの業務を柱に運営を実施しております。 5ページをご覧ください。通報の状況ですが、通報の総数は増加しています。これは、障がい者虐待についての啓発が進み、通報義務等の理解が深まったことにより、通報数が増えたと考えています。また、養護者による虐待については、虐待を受けたと思われる数は減少していますが、虐待ではないと判断したケースや至らなかった、疑いの状況での事例が5割を超えており、事実確認を慎重に行わないといけないケースが増加しています。 6ページをご覧ください。通報・届出への対応件数ですが、対応件数は年々増加傾向で、特に、行政や関係機関との対応件数が増加しています。 7ページ記載の(4)@虐待対応に関する会議ですが、個別ケース会議の減少は、行政や関係機関と細かい協議による対応により事実確認後の会議が減少し、また、事実確認後、虐待ではないと判断したケースが増えたためと考えています。 6ページにお戻りください。被虐待者の内訳は、障がい種別では知的障がいや精神障がいの方が多く、精神症状や障がいの状況について本人からの聞き取りや本人の意思確認を丁寧に行うケースが増えています。 7〜8ページの「虐待防止に向けたネットワークの構築と啓発の活動」をご覧ください。研修は毎年実施していますが、令和5年度より新しく相談支援事業所向けの虐待防止研修を実施しています。これは、養護者虐待における対応において、通報や解消に向けてサービス調整等の協力は計画相談に依頼しないと難しいため、基礎的な内容を理解していただくことでスムーズな支援に繋がると考え、実施しています。引き続き、虐待防止に役立つ研修を実施していきます。 また、今年度緊急一時保護を行った3ケースは、地域生活拠点等事業所で受け入れています。引き続き、関係機関や行政と連携しながら、スムーズな虐待解消に向けた取組みを実施していきます。虐待防止センターからの報告は以上です。 【事務局】:続きまして、「3.その他の委託業務」について報告します。 「医療的ケア児等コーディネーター調整業務」について、医療的ケア児等コーディネーター養成研修は、令和6年度から福岡市と福岡県が共同で研修を実施することが決定し、令和5年度はカリキュラムの統一や講師の選定・共有などを話し合いながら研修を運営しました。令和5年度は31名が本研修を修了しています。また、令和4年度の本研修の修了者に活動状況を把握する目的でアンケートを実施したところ、医療的ケア児等コーディネーターとして活動している修了者が少ないことが分かりました。この結果を踏まえ、令和5年度から研修を修了したコーディネーターの活動促進、専門性の向上、コーディネーター同士の顔の見える関係づくりを目的にネットワーク活動を始めました。 令和6年度は福岡市・福岡県共同で行う医療的ケア児等コーディネーター養成研修のほか、基礎的な内容を学びたい方を対象とした支援者養成研修を福岡市のみで行う予定です。また、昨年度に引き続き、コーディネーター研修修了者を対象に社会資源などの情報共有や事例検討などのネットワーク活動を行う予定です。また、福岡県医療的ケア児支援センターと定期的に連絡会を持ち、情報を共有しながら医療的ケア児支援コーディネーター調整業務に取り組んでいきます。報告は以上です。 【会長】:基幹相談支援センターおよび虐待防止センターからの報告がありましたが、ご意見、ご質問ございましたらよろしくお願いします。 【委員】:資料3の4ページ「グループホームの情報集約業務」について、今後更なる情報集約・情報提供を行うと記載していますが、具体的にどのような方法を考えていますか。これは、今どこのグループホームが空いているのかを当事者は知りたいが、基幹センターに行かないと分からない、計画相談支援事業所に聞いても分からないのが現状であり、今後スムーズに利用者へ情報公開されるような方法を考えていますか。 【事務局】:現在は区基幹センターをはじめ関係機関へ情報提供しており、問い合わせがあれば、そこから情報を伝えるシステムであるので、利用者レベルで公開することは予定していません。今までは、グループホームで医療的ケアが必要な人や触法障がい者の受入れは、各グループホームからの申告を一覧表に載せていましたが、今後はあらかじめ市基幹センターからも実際に受け入れているのか確認したうえで、情報を掲載したいと考えています。 【委員】:ありがとうございました。とても知りたい情報なのでよろしくお願いします。 5ページの虐待の件ですが、判断に至らなかった事例の場合、虐待に関する訴えがあったということは、背景に何か問題があったのではないかと懸念します。その場合、支援内容の紹介などはされていますでしょうか。 【事務局】:虐待の通報があったということは、虐待の判断が出来なかった場合でも、支援が必要な状態である場合もありますので、その後の支援は区基幹センターや計画相談と協議し、不適切な状態を解消して対応することとしています。基本的に、虐待ではないと判断をした後、その先の支援をしないという訳ではありません。 【委員】:被虐待者の障がい種別の内訳で、精神障がいの中に発達障がいと括弧で表記されていますが、知的障がいと発達障がいを併せ持つ人はどこに分類されるのでしょうか。 【事務局】:重複障がいの場合は、それぞれの種別に人数として含めています。知的障がいの中に、自閉症の方もいますが別途発達障がいの内訳は出していませんので知的障がいの分類に含まれています。 【委員】:虐待対応の内容の例示に、司法関係との連携として、成年後見制度、債務整理、離婚手続きと法テラス弁護士等への依頼手続き支援等とありますが、債務整理や離婚手続き等個別性を有する事件の場合に、どのような手続き支援を行っているか教えてください。 【事務局】:基本的には手続き支援、債務整理の支援は弁護士を紹介しており、その中で同行して対応することがあります。 【委員】:その際、個別事案の説明に際して障がい者虐待防止センター職員も同行しているのでしょうか。 【事務局】:同行することもあります。 (5)区障がい者基幹相談支援センター実績について 【会長】:では、次の報告に移りたいと思います。報告の5「区障がい者基幹相談支援センター実績について」事務局から説明をお願いします。 【事務局】:資料4をお願いします。こちらは、例年協議会に報告している区障がい者基幹相談支援センターの実績です。まず1ページ目「(1)相談実績」については、支援方法別支援延べ回数を相談件数の目安としており、令和5年度が87,090件と、前年度よりも約2,000件減少していますが、過去5年間の平均とほぼ同数になっています。 また、特に着目していただきたい箇所は、この表の一番下の緊急対応件数で、時間外・休日対応の件数も合わせてどちらも右肩下がりに減少しています。これは緊急時の対応を緊急になってから考えるのではなく、事前に準備するために、サービス等利用計画の中に緊急時の対応を盛り込んだクライシスプランを作成するよう、区の基幹センターが計画相談支援事業所にここ数年啓発しており、その結果として、以前なら緊急対応となっていたものが平時の対応で出来るようになったことを表わしているのではないかと感じています。 資料の2ページをお願いします。こちらは障がい児・者の新規・継続または障がい種別ごとの実人数の実績です。これについては、障がい児の継続相談以外は全て令和4年度より増加しています。 資料の3ページをお願いします。こちらは区基幹センターが実施する相談支援事業者への助言指導や、障がい福祉サービス事業者や関係機関等とのネットワークづくりの取組みなど、地域づくりの活動実績となっています。令和5年度の合計件数は1,960件ですが、これは令和4年度の1,582件に比べて大幅に増加しています。これは、令和5年度から地域生活支援拠点等事業所の認定を開始したことにより、区内事業者の説明会や個別の相談対応を区基幹センターが行っており、そのようなことが要因であると考えています。今後もこの地域づくりの取組みは積極的に推進していきたいと考えています。説明は以上です。 【会長】:ただ今の説明について、ご意見、ご質問をよろしくお願いします。 【委員】:相談の障がい者種別では、圧倒的に精神障がい者が多いです。精神障がいに対応した地域包括システム検討部会の内容は、今まで協議会に様々な報告はありましたが、市としてどうするかの報告を聞いていないと思います。 私の法人の施設では、重度の身体・知的障がいや、行動障がいがある人もいますが、職員が一番疲弊しているのは精神障がい者に対する対応です。 個人的には保健医療局ではなく、福祉局障がい者部が事務局を担当した方が、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムが進むのではないかと思いますが、一つの問題提起として、現場のボリューム感は精神障がいの課題が大きいことを伝えたい。 実際、10軒ぐらいクリニックに電話しても、新規受診は受け付けていないこともあるし、新規受診は3カ月後って言われた病院もあるぐらい福岡市の精神科クリニックはパンク状態で、新規受診が困難なことを大きな問題として提起しないといけないし、精神障がいがある人が抱えている課題とともに、周りの支援者の課題も解決する必要がある。精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会をどのようにしたら有意的に機能するかを問題提起したい。 福岡市民間施設協議会でも来月、精神の専門部会を立ち上げる準備を進めています。民間施設協議会としても精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会との関わりを作りたいと思います。 【会長】:精神障がい者の問題は非常に大きく、委員からの1つの提言だったと思いますが、事務局からお答えいただけますでしょうか。 【事務局】:日々我々も現場で精神障がい者に関する取り組むべき課題を感じており、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムを令和元年度から取り組んでいます。先ほどの提案をしっかり受け止めて引き続き取り組んでいきます。 【委員】:実際私も、基幹相談支援センターの前身である障がい者相談支援センターから、三障がい一緒に相談対応を行う障がい者基幹相談支援センターとなってから、精神障がい者の対応に苦慮していると感じています。 ただ、精神障がいがある人たちは、そこで話すことや相談することが支援における1つの大切な方法であり、相談出来るという安心感が本人の体調の安定にも繋がる部分もあります。 ただ、現場も大変であることを考えていく必要があると思いますので、すごく難しい課題だと思いつつ、今、精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムに取り組んでいますが、精神障がいの場合は課題が幅広いため、なかなか進みません。特に、精神障がいの場合は医療と福祉の連携がとても大事ですが、そこが協議の場だけでは進みにくいという問題があります。福祉の現場だけでは限界があり、病院側の理解がないと進まないので、医療と福祉の連携をもっと密にして、地域と医療の人たちもすぐ細やかに連携が取れるように、行政の方たちの力を借りながら進めていかないと難しいと思います。よろしくお願いします。 【会長】:ご意見ありがとうございました。私も医者をしているため、医療と福祉の連携はどの年代においても課題だと思います。 重症心身障がいの方々が地域で生活するためには医者のバックアップが必要であり、精神障がいや発達障がいの方々も医療と連携して、主治医としてカウンセリングなど色んな機能を持ちながら地域で暮らすという手立てを一緒に考えている医療機関が非常に乏しいです。受診まで何カ月待ちや、受診出来ないといった状況が福岡市のみならず、全国で生じている状況の中で、福祉の方々が医療機関を探そうとしても、気持ちはあっても探してあげられないという状況が現実にあります。 かかりつけ医としての啓発、そういったことを行政にも力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。 【委員】:発達障がいの人で地域に相談している方が増えており、継続相談も増えています。その中で、障がい児の発達障がいに関する相談内容は、診断がまだ付いてない場合や困難な問題を抱えての相談など、様々だと思いますが、どういう内容が多いでしょうか。その中で、例えば困難な問題がある時に、ゆうゆうセンターとの連携はどのようになっているのか教えてください。 【事務局】:相談実人数のうち発達障がいの人数は把握していますが、具体的な相談内容までは把握していません。ゆうゆうセンターとの連携については、必要があれば区基幹センターからゆうゆうセンターに繋げるなどの連携を行っています。 【委員】:障がい児の学齢期、小学校や中学校、特に小学校で発達障がいと分かった人たちの対応を早くするのは親がその特性を知るうえでとても大事です。診断されていない場合は診断に繋げるなど、早いうちに対応出来た場合、私たちが成人期で抱えている生きづらさや親子関係のこじれなど、様々な問題が大きくなるため、是非、障がい児、児童などの時期に診断をして欲しい。困難な場合は、ゆうゆうセンターが専門窓口のため、早期に連携していただきたい。私たち成人期の発達障がい者親の会としては、もっと小学校の時期に診断を受け、細やかな対応などを親が理解していたら、ここまでこじれないで済んだということもありますので、是非よろしくお願いします。 【委員】:ゆうゆうセンターでは、区基幹センターとのやりとりが年々増加しています。私たちも区部会に参加して数年経過していますが、毎月顔を合わせる中で、お互いが相談するという体制が強まっていると感じています。同時に、区基幹センターとのやりとりの中で、ペアレントメンター事業等も利用いただくこともあり、区基幹センターと連携する機会はさらに増していくものと感じています。 【委員】:私は知的障がい者の相談員をしていますが、区基幹センターが設置されたことにより、相談を受けた時に区基幹センターに繋げられるのはありがたいと思いますし、当事者としても相談出来る場所が必ずあるのはとてもありがたいです。 ただ、ごみ屋敷や遠方の病院への同行、福祉だけでは届かないところに手を伸ばして皆さん働いていただいており、今まで手の届かなかった人たちの掘り起こしも行えていることは、区基幹センター設置の大きな効果だと思います。一方、職員は相当に疲弊していると感じているところです。地域生活支援拠点等事業所を広めて、基幹センター以外の相談体制を強化するという福岡市の方向性はありがたいと感じていますが、実際、現状は基幹センターの人手がもっと増えて欲しいというのが実情です。令和4年度に基幹センターのコーディネーターを増やしていますが、相談も増えており、実績も挙がってきているのを見て、今後、行政として基幹センター職員を増やそうという考えはあるでしょうか。 【事務局】:区基幹センターのコーディネーターの数は、令和3年度から令和4年度にかけて、59名から82名と大幅に増やしています。増やしてまだ2年しか経過しておらず、相談件数が大幅に増えているわけではないので、当面は現在の体制とし、今後状況が変われば検討したいと考えています。 【委員】:分かりました。細やかに相談体制を構築されていると思いますので、是非ご検討をよろしくお願いします。 【委員】:行動障がいの予防等は重要な地域課題であるので、こども未来局とも連携し、協議会の中で詰めていく方向性を構築していただきたいと思います。 【会長】:強度行動障がいに至るまでのプロセスとして、より適切な関係機関による支援というのは、皆重要であると認識していると思います。 (6)令和5年度地域生活支援拠点等の整備状況について 【会長】:報告の6「令和5年度地域生活支援拠点等の整備状況について」、事務局から説明をお願いします。 【事務局】:資料5をお願いします。これまで、委託の緊急時受け入れ対応拠点の実績のみ協議会で報告していましたが、令和5年度より委託事業所以外でも緊急時の受け入れを行う地域生活拠点等事業所の認定を開始していますので、今回から、認定事業所を含めた地域生活支援拠点等の整備状況が分かる実績の報告に変更しています。 まず、福岡市障がい者支援課地域生活支援拠点等整備事業実施要綱では、(1)から(4)の実施状況を協議会で報告し、評価することとしています。 令和5年度の実績として、「(1)各区の地域生活支援拠点等の面的整備の状況」については、拠点等の5つの機能や、区ごとの事業所数をまとめています。全体では、50事業所ですが、そのうち基幹センターや類型T・U・Vの緊急委託事業所は、既に拠点の機能を担っていたので、それを除いた数は32事業所であり、この数が令和5年度から新たに増えた事業所数です。 続きまして、2ページをお願いします。「(2)地域の体制づくりで行う関係機関とのネットワークの緊急時の支援における実効性」は、緊急時支援を行った実績を挙げています。 まず、1つ目ですが、地域生活支援拠点等の相談機能を担う相談事業所が緊急時の相談を受けた回数が年間で15回あり、そのうち14回は基幹センターが対応しています。基幹センターはこれまでどおりの役割になりますが、基幹センター以外の事業所が1事業所受けておりますので、この点については少し広がっていると考えています。 2つ目は、拠点機能のうち緊急時受け入れ対応機能の短期入所事業所のうち、緊急時受け入れを行った実績です。全体では9事業所、41件ですが、これから委託事業所である類型T・U・Vの数を除くと、6事業所、20件であり、委託事業所以外でも6事業所で緊急対応拠点の機能を担っているという実績が表れています。 続きまして、2ページの「(3)委託緊急時受け入れ拠点の要請の対応および受け入れ対応状況」については、基本的に昨年度までの報告と同様、類型T・U・Vの受け入れ実績となっております。全体としてはほぼ同数、または少し増えています。 4ページをお願いします。こちらは今回から追加しましたが、類型T・U・Vの緊急時受け入れ対応事業所の緊急対応コーディネーターの活動実績を挙げています。緊急受け入れ以外でも、緊急対応コーディネーターが日頃から行っている支援や調整等を実績として分かるようにしています。 4ページの「(4)地域生活支援拠点等事業所の専門的人材の確保・育成状況」については、拠点の5機能のうち、専門的人材の育成・確保の機能を担っている事業所が全部で17事業所ありますが、専門性がそれぞれ異なるので、医療的ケア、強度行動障がい、精神障がい、それぞれの専門性について事業所数を挙げています。 そして、その17事業所の中で、国や県が実施する専門研修の修了者数を聞き取り、強度行動障がい、医療的ケア児コーディネーター、精神障がいの研修修了者の数を、実績として挙げています。今回初めて挙げた実績であるため、過去との比較はできませんが、今後年数を重ねることで経年の分析もできると考えています。説明は以上です。 【会長】:ただ今の説明に対するご意見、ご質問ございませんか。 【委員】:緊急時受け入れのうち、地域の事業所で受け入れた数はどれですか。 【事務局】:(2)の緊急時受け入れの実績のうち、「うち委託事業所を除いた数」に当たる部分です。 【委員】:短期入所以外で生活介護で緊急対応した数を知りたいですが、この資料で分かりますでしょうか。 【事務局】:この資料では、短期入所で緊急時受け入れを行った実績のみを記載しています。生活介護の緊急時対応の加算が創設されたのは令和6年度からなので、今後拠点等認定事業所で実績があれば示したいと思います。 【委員】:拠点も重要ですが、日頃通所している事業所が受け入れるようになれば、拠点の役割が軽くなり、本人や家族にとってもプラスだと思いますので、拠点以外の事業所の実績も知りたいです。 (7)各区部会令和6年度の取組みについて 【会長】:では、最後の報告に移ります。「各区部会令和6年度の取組みについて」報告をお願いします。 【事務局】:資料6をご覧ください。令和6年3月の協議会では、令和5年度の活動実績を報告しました。今回は、令和6年度の活動予定や拠点の取りみを区ごとに掲載しています。各区における社会資源の違いや区部会で解決すべき課題に優先順位がありますので、取り組む内容は違いがあります。本日は、今年度ポイントとなる取組みについて、区ごとに説明します。 東区をご覧ください。昨年度、東区では多問題世帯やごみ屋敷問題へ取り組みました。その家庭で暮らすきょうだい児への支援について協議した結果、家族やきょうだい児、支援者が必要と考える支援に差異があることが分かりました。また、きょうだい児だけでなく、障がい児支援に関する現状や家族の思いについても基幹センターが理解していないことがあるのではという気付きがありました。そこで今年度は、障がい児やその家族が抱える課題を解決するために、区内でこども部会設立に向けて取り組みます。 続きまして博多区です。昨年度、博多区では基幹センター内でグループスーパービジョンを行い、コーディネーターのスキルアップを図りました。今年度は、圏域の相談支援事業所を対象にグループスーパービジョンを定期的に実施し、相談支援のスキルアップを図るとともに、課題整理も行います。また、体制整備の一環で短期入所事業所に対する共助の体制づくりを博多暮らしネットワークで取り組む予定とし、6月に東区と合同で短期入所のネットワークを実施しました。 続きまして中央区です。今年度、中央区では福岡市の地域課題の中から、「ひきこもり状態のため医療に繋がらず、福祉サービスの導入・支援の継続が難しい」をテーマに取り組みます。昨年度、何十年もひきこもり状態である方の家族から相談を受けました。当事者や家族が将来への不安を感じながら生活している状況が分かり、課題を整理した結果、ひきこもりに関する相談機関の認知や相談機会の不足があるのではないかと考え、課題を解決するにあたり、研修会などを企画し、関係機関との連携を図り、福祉サービスについて支援体制を構築し、地域で身近な相談窓口としての取組みを行います。 続きまして南区です。昨年度、南区では行動障がいの課題をテーマに区部会で検討しました。ネットワーク会議においても、行動障がいについて基礎的知識、実践編と2回研修を行い、当事者を理解することが支援の第一歩であることを再確認しました。南区のネットワークのモットーである「当事者目線の支援を考える」という原点に立ち、今年度は当事者の話を聞く場を設けること、アセスメントの研修会を企画しています。また、教育と福祉の連携が課題であると感じたため、南区にある3つの特別支援学校と区の基幹センターでワーキンググループを立ち上げ、行動障がいがある方のライフステージにおける連携のあり方を検討していきます。 続きまして城南区です。城南区内の相談支援事業所は1人体制が多く、指定特定相談支援事業所向けのネットワーク「城南そうだんねっと」の中で、相談支援専門員のフォロー体制づくりや活用できる情報提供のあり方について検討しています。 今年度は6月、複数事業所での協働体制について、実際に協働体制を組んでいる事業所の方を招き、制度と実際の動きについて話を聞く場を設定し、好評でした。地域課題については、昨年度の整理から障がい児の支援、障がいがある保護者の子育て支援、複合的な課題を抱えた家族への支援をテーマに取り組む予定です。 続きまして早良区です。早良区では前年度区部会で協議した内容をテーマに、「さわら障がい福祉ネット」「さわら子ども福祉ネット」を開催しています。昨年度は、住まいの場、日中活動の場、緊急対応、予防という視点で協議を重ねましたが、今年度は昨年度区部会で取り上げた強度行動障がいをテーマとしています。今年度はネットワークの1回目に強度行動障がいがある当事者家族の話やグループワークを行い、2回目は実際に支援している事業所から報告してもらい、強度行動障がいの対応の理解、繋げておきたい社会資源、新たに作りたい社会資源などを話し合う予定です。 最後に西区です。昨年度、西区では、令和6年4月から事業所における合理的配慮が義務化されること、また、障がい福祉サービス事業所は障害者差別解消法や福岡市障がい者差別解消条例について研修を受ける機会が少なく、今後の対応について疑問があるのではないかと考え、障がい者110番の職員を講師に招き、権利擁護研修を実施しました。参加者からは、今まで学ぶ機会がなく良かったとの声があったため、今年度は、6月に昨年度と同じく障がい者110番に講師を依頼し、合理的配慮における建設的対話のポイントに焦点を当てた内容で実施し、支援の質向上に繋がる研修となりました。なお、研修の内容は、研修後も動画視聴が可能な状態にしております。説明は以上です。 【会長】:ありがとうございました。ただ今の報告に対するご意見、ご質問いかがでしょうか。では、全体を通してのご質問、ご意見はいかがでしょうか。 (意見・質問なし) 4.閉会 【会長】:これで本日の予定された全ての議事は終了となります。これで私の進行を終了いたします。 【事務局】:会長、ありがとうございました。それから委員の皆さんもたくさんの意見を頂きありがとうございました。 事務局から連絡ですが、現在の協議会の委員任期が8月末までとなっております。推薦の団体に、改めて推薦の依頼をすることとしておりますので、よろしくお願いします。 それから次回の協議会につきましては来年3月ごろの開催を予定しております。 以上をもちまして、令和6年度第1回福岡市障がい者等地域生活支援協議会を閉会します。本日はどうもありがとうございました。