【資料1】 重度障がい者の住まい及び支援に関する提言(案) 令和8年3月 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 重度障がい者の住まい及び支援に関する専門部会 重度障がい者の住まい及び支援に関する提言(案 目次 1.はじめに・・・1 2.重度障がい者の住まい及び支援の場に関する調査について・・・2 (1)グループホームヒアリング調査 (2)当事者ヒアリング調査 3.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(共通)・・・5 (1)事業者等が検討していくこと (2)福岡市への提案 4.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(強度行動障がい)・・・10 (1)事業者等が検討していくこと (2)福岡市への提案 5.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(重症心身障がい)・・・11 (1)事業者等が検討していくこと (2)福岡市への提案 6.まとめ・・・12 7.検討体制等・・・13 1.はじめに 福岡市では、令和3年8月に策定した『福岡市保健福祉総合計画』において、「「障がいのある人とない人が等しく地域の中で自立し、社会の一員として共に生きる社会」をめざし、高齢障がい者及び、「親なき後」の地域での生活を見据えた総合的な支援など、『障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくり』」を基本理念に掲げ、相談、緊急時の受け入れ・対応、体験の機会・場の確保、専門的人材の確保・養成、地域の支援体制づくりなどを担う地域生活支援拠点等の整備に取り組むほか、グループホームの設置促進などに取り組んでいるところである。 しかしながら、強度行動障がいや重症心身障がいがある人(以下「重度障がい者」という。)は、支援に多くの人員が必要であるため、既存の障がい福祉サービスでは十分な支援を受けられず、住宅やグループホーム等の住まいの場の確保が困難である。 このような状況を踏まえ、令和6年3月の福岡市障がい者等地域生活支援協議会において「重度障がい者の住まい及び支援に関する専門部会」を設置し、重度障がい者の住まいの場の確保と、地域生活を可能とするための支援について検討を行うこととなった。 当部会では、重度障がい者の現状や課題について分析し、住まいの場の確保や必要な支援について検討を行った。住まいの場についても、持家、賃貸住宅、グループホーム、入所施設(施設入所支援、療養介護)のそれぞれの類型ごとに必要な支援について検討を行った。 今回は、その検討結果をとりまとめ、提言(案)として提出するものである。 2.重度障がい者の住まい及び支援の場に関する調査について (1)グループホームヒアリング調査 重度障がい者を受け入れているグループホームを訪問し、受け入れるための工夫、取組みや課題についてヒアリング調査を実施した。 ◆ヒアリング実施事業所 YOKATOKO南片江 強度行動障がい受入れ有り すてっぷ 強度行動障がい受入れ有り グループホームなごみ 強度行動障がい受入れ有り グループホームたいようの家、丘、風 重症心身障がい受入れ有り 医療ケアRe’sela Holmes重留 重症心身障がい受入れ有り ◆受入れのための工夫、取組み ・法人内他サービス(生活介護、施設入所支援、訪問看護等)との連携により人員を確保。 ・日中支援以外の外出支援の活用(移動支援、行動援護)。 ・建物設置当初から、強度行動障がいのある人の受入れを見据えた設計(利用者同士の導線が重ならないような居室の配置)、重症心身障がいのある人の受入れを見据えた設計(エレベーター、ミスト入浴施設の設置)を行っていた。 ◆今後の課題 ・強度行動障がいのある人にマンツーマン対応が可能となるような報酬の増額 ・支援を行う職員へのモチベーション向上支援 ・人材確保が困難(就職希望者の減少) ・物件費(医療的ケアの機材、日用品費等)の不足 ・利用者ニーズと受入れ事業所のミスマッチの解消 (2)当事者ヒアリング調査 重度障がい者またはその家族に対して、現在の住まいの場の状況、将来希望する住まいの場、今後希望することについてヒアリング調査を実施した。 ◆行動障がいのある人とその家族 ○ヒアリング実施者 9人 ○住まいの場 自宅(家族と同居) 現在3人 将来の希望0人 自宅(一人暮らし) 現在2人 将来の希望1人 グループホーム 現在1人 将来の希望1人 施設入所支援 現在2人 将来の希望3人 グループホームまたは施設入所支援 現在0人 将来の希望4人 入院 現在1人 将来の希望0人 計 現在9人 将来の希望9人 ○今後希望すること ・行動障がいがあっても利用できるグループホームや入所施設をもっと増やしてほしい。 ・グループホーム等は、行動障がいがある人にマンツーマンで支援できる人員体制や環境設定を整えてほしい。 ・強度行動障がいに対応できるヘルパー事業所を増やしてほしい。 ・施設入所支援でも行動援護を利用し、外出支援を充実させてほしい。 ◆重症心身障がいのある人とその家族 ○ヒアリング実施者 11人(※知的障がい軽度または無しの6人を含む) ○住まいの場 自宅(家族と同居) 現在9人 将来の希望0人 自宅(一人暮らし) 現在2人 将来の希望5人 シェアハウス 現在0人 将来の希望1人 グループホーム 現在0人 将来の希望3人 施設入所支援 現在0人 将来の希望1人 グループホームまたは施設入所支援 現在0人 将来の希望1人 入院 現在0人 将来の希望0人 計 現在11人 将来の希望11人 ○今後希望すること ・在宅、グループホームどちらの場合でも、身の回りの支援やケアを常時受けられる体制を整えてほしい。 ・在宅生活では、親の介護を前提としないヘルパーの利用時間増を認めてほしい。 ・通所事業所(生活介護等)の法人が運営するグループホームを増やしてほしい。 ・将来的に単身生活が可能な住まいの場への移行を想定し、相談支援を行ってほしい。 3.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(共通) 強度行動障がい、重症心身障がいのどちらにも共通する課題、それぞれに特化する課題についてそれぞれ提案を行う。 提案については、障がい福祉サービス事業者、医療関係事業者、住宅関係事業者等支援に関わる関係機関(以下「事業者等」という。)の「事業者等が検討していくこと」と「福岡市への提案」に分けて行う。福岡市への提案事項については、今後の支援施策の検討において、尊重して取り扱う。 (1)事業者等が検討していくこと @福祉サービスを運営する法人は、重度障がい者の利用を積極的に受け入れる。 A特に、社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として設立されていることを踏まえて、重度障がい者を受け入れることができるよう、グループホームなど障がい福祉サービスの体制整備に努める。 ≪部会での主な意見≫ ○ 重度障がい者はその支援の困難さから、より多くの人員が必要であり利用を断られるケースが多い。 ○ グループホームにおいて夜間に支援が必要な場合、通常の夜勤体制では、支援が困難であり、受入れを断られることが多い。 ○ 障がい者やその家族の中には、グループホームや入所施設をイメージで拒否している人もいるので、実情を周知し、体験的な利用を積極的に行えば、もっと利用につながる場合はある。 ○ 社会福祉法人は税制上の優遇を受けているため、他法人では受入れがしにくい福祉ニーズの高い人を受け入れる役割がある。 B障がい福祉サービス事業所や医療機関等は支援機関のネットワークを活用し、それぞれが協力しながら、重度障がい者の受入れ・支援を行う。 ≪部会での主な意見≫ ○ 事業所同士が横のつながりを作り、困りごとを共有して、不足する部分を助け合うことは大事である。 ○ 既に福祉関係者と医療関係者など職種を超えて意見交換を行う仕組みを作っている。 ○ 医療関係者にもっと重症心身障がい者の福祉の実態を知ってもらうべきである。 ○ 重度障がい者を支援する事業者が団体として意見を集約して行政に課題を挙げていく仕組みがもっとあるとよい。 C障がい福祉サービス事業者は、障がいのある人の状況や特性を理解し、日中活動や余暇活動など、障がいのある人の生活の質を高めるための支援に取り組む。 ≪部会での主な意見≫ ○ ハード面・ソフト面の充実を図れば強度行動障がいのある人を受け入れることができるというわけではない。受け入れている事業所でも、他害によるトラブルが起きて受け入れられなくなることもあり、単に他の事業所に移すのではなく、なぜ問題が起きたのかを掘り下げる必要がある。障がい福祉サービス事業者は、日中活動、生活の場面、余暇を組み立てて支援の段階を踏んでいくことを考えないと生活の質は高まっていかない。 D住宅の確保に当たっては、居住支援法人と連携し、セーフティーネット登録住宅など、住宅確保要配慮者への支援策を活用する。 ≪部会での主な意見≫ ○ 車いすを利用できる賃貸住宅が少ない。 ○ 強度行動障がいがあると、近隣に迷惑であるとの理由で入居先が見つからない。 ○ 賃貸住宅の場合、支援に必要な住宅改修を断られることが多い。 E社会福祉協議会が実施している「住まいサポートふくおか」や「社会貢献型空家バンク事業」を活用し、地域での住宅の確保を図る。 ≪部会での主な意見≫ ○ グループホームやシェアハウスに取り組みたいが適当な物件が見つからない。 ○ 不動産価格の高騰により、事業者が物件を探すのが困難である。 ○ 障がい者向けのシェアハウスとして活用している「なかしまホーム」のように、空家バンク事業を活用して、福祉の取組みを行っている好事例がある。 ※なかしまホーム紹介ホームページ (https://akiyadefukushi.com/archives/works/41/) F障がい福祉を支えるための人材育成に取り組む。 ≪部会での主な意見≫ ○ 障がい福祉サービスの人材不足は深刻であり、運営できない事業所も増えている。 ○ 障がい福祉サービス事業所においても、法人全体での人材育成が必要である。 (2)福岡市への提案 @ 重度障がい者を支援するためには、より多くの人員が必要であるが、現行の報酬基準では手厚い配置が困難なため、国に報酬基準の見直しを求めるとともに、市独自の助成制度も設ける。 ≪部会での主な意見≫ ○ 強度行動障がいの場合、配置基準以上の人員体制がないと職員が疲弊し、事業所の運営が成り立たない。 ○ 医療的ケアが必要な重症心身障がいのある人をグループホーム、生活介護、短期入所などで受け入れる場合、看護師を多く配置すると、事業所の運営が成り立たない。 ○ 現在のグループホームの報酬基準では、重度障がい者向けに国基準以上の人員配置を行うと経営が成り立たない。 ○ グループホーム運営補助金は少しずつ増額されているが、医療的ケアが必要な場合は、医療機器や看護師等の配置もあるため、これだけでは足りない。 提案理由 ・重度障がい者の中でも特に手厚い支援が必要な人は、利用者1人に対して、マンツーマンまたはそれ以上の対応が必要だが、現行のグループホーム、生活介護、短期入所などの報酬基準では、そのような人員配置が困難である。 A市が実施する支援施策において、障がい支援区分6の重度障がい者については一律に評価するのではなく、支援の困難さに応じて適切に評価する仕組みを設ける。 ≪部会での主な意見≫ ○ 障がい支援区分6の中でも、常時の見守りや頻回な介護が必要な人とそうでない人は差が大きい。このため、重度障がい者の支援は、障がい支援区分6の中でも差を設けて、特に手厚い支援が必要な重度の人に重点的に支援できるようにする方がよい。 提案理由 ・重度障がい者の支援については、グループホームの市独自の補助制度でも「障がい支援区分6」や「行動障がいの点数10点以上」を基準にしているが、さらに細かく対象者を分け、その中でも特に重度の人に手厚い支援を行う必要がある。 B重度障がい者を受け入れる障がい福祉サービス事業所、特に生活介護や短期入所、グループホーム、療養介護を増やすために、既存の事業所の受入れ拡大や新規開設の支援を行う。 ≪部会での主な意見≫ ○ グループホームなどの住まいの場を確保するのみではなく、地域で生活をするためには、生活介護や短期入所などの受け皿の拡大が必要である。 ○ 既存の事業所の受入れ拡大のためには、重度障がい者を受け入れる生活介護、短期入所、グループホームの事業所に重点的に支援を行うべきである。特にグループホームの運営費補助金については、現行は区分6が全員対象となっているが、区分6の中でもより手厚い支援が必要な重度障がい者を受け入れる事業所に対して重点的に補助を行うべきである。 ○ 強度行動障がいがある人を受け入れるためには、障がい特性に応じた個室などの設置が、重症心身障がいがある人を受け入れるためには、大型の車いすでのすれ違いを考慮した通路、車いす対応のトイレや入浴設備などが必要となり、既存の建物の改修では支援が困難な場合もあるため、新規に建築するための支援が必要である。 ○ 重度障がい者の住まいの場の受け皿としての療養介護は必要であるが、福岡市では事業所が少ない。 提案理由 ・障がい福祉サービス事業所で受入れを拡大するためには、既存の事業所内の設備改修に対する支援のほかに、当初から受入れを見据えて施設を整備するための支援が必要である。 C障がい福祉を支える人材確保につながる施策を行う。 ≪部会での主な意見≫ ○ 障がい福祉サービスの人材不足は深刻であり、持続可能な仕組みを考えるべきである。 提案理由 ・少子高齢化や賃金等の問題から障がい福祉サービスの人材確保はますます困難となっており、人員不足により事業が運営できない事業所も増えている。重度障がい者の支援にはより多くのマンパワーが必要であり、多くの人員配置を可能とするためにも、障がい福祉サービス全体の人材確保の取組みが必要である。 D現行のグループホームの情報集約・共有の仕組みを見直し、グループホームを希望する利用者に必要な情報が届くようにする。 ≪部会での主な意見≫ ○ 重度障がい者の受入れ可能なグループホームでも定員に空きがあるが、グループホームの入居を希望する障がい者やその家族にまで情報が十分に伝わっていない。 ○ 受入れ可としているグループホームでも、お互いのマッチングが重要であり、うまくいかないと受入れにつながらない。 提案理由 ・現在は、区障がい者基幹相談支援センターとグループホームのみに、グループホームの空き情報を提供しているが、重度障がい者に対応可能なグループホームの空き情報について、提供範囲も含めて情報提供の方法を今後も見直していく必要がある。 E相談支援専門員が、重度障がい者の将来の住まいの場の確保を見据えて、長期的な視点に立った支援を行えるよう、相談支援の質の向上、相談支援体制の充実に取り組む。 ≪部会での主な意見≫ ○ 計画相談支援事業所は、サービス等利用計画を作成するだけでなく、介護者が不在になった場合や本人の状態が悪くなった場合など近い将来起こり得るリスクに備えた支援も行うべきである。 ○ 重度障がい者の住まいの場を確保するためには、相談支援の質の向上が必要である。 提案理由 ・現在家族が住む住居で暮らしている重度障がい者については、本人・家族や支援者が、親がいなくなった場合のことを具体的に決めていないことが多い。相談支援専門員が本人の希望を確認し、将来はどのような住居でどのような生活を望むのかなど、将来を見据えた支援を行うことが望ましい。そのためには、区障がい者基幹相談支援センターを中心に、計画相談支援事業所の相談支援の質の向上や、相談支援体制の充実に取り組む必要がある。 4.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(強度行動障がい) (1)事業者等が検討していくこと @強度行動障がいのある人を受け入れるためのハード面、ソフト面の支援の充実を図る。 ≪部会での主な意見≫ ○ 強度行動障がいのある人を受け入れるためには、どのような建物の設計がよいかなど事業者側がもっと研究しないといけない。 (2)福岡市への提案 @強度行動障がいのある人の住宅や設備改修の助成制度を設ける。 ≪部会での主な意見≫ ○ 強度行動障がいの場合、住宅、グループホーム、通所事業所における環境設定のための設備改修の助成が、在宅生活の継続やサービスの受入れ拡大につながる。 提案理由 ・現在は、強度行動障がいの受入れ施設(生活介護・短期入所事業所)の設備改修等に対する助成やグループホームで重度障がい者を受け入れる場合の設備改修経費等の補助を行っているが、在宅生活における環境設定のための住宅改修もニーズが高いため、住宅改造助成事業の対象拡大が必要である。 5.重度障がい者の住まい及び支援についての提案(重症心身障がい) (1)事業者等が検討していくこと @施設においては、看護師だけでなく、喀痰吸引等研修を受講した支援員を活用し、医療的ケアが必要な人の受入れ拡大を行う。 ≪部会での主な意見≫ ○ 支援員が一部の医療的ケアを行い、医療的ケアが必要な人をより多くの人員で支えていく必要がある。 (2)福岡市への提案 @医療的ケアが必要な人の在宅レスパイトの利用時間を増加する。 ≪部会での主な意見≫ ○ 在宅レスパイト事業については、医療的ケアの頻度が多い人には年間48時間では足りないため、利用時間数を増加する必要がある。 提案理由 ・福岡市では医療的ケア児・者の介護を行う家族等の負担を軽減するために在宅レスパイト事業を実施しているが、利用時間が不足しているとの声を受け、令和7年8月から24時間人工呼吸器を使用している人の利用時間を年間338時間に試行的に拡大している。しかし、24時間人工呼吸器を使用している人以外にも、医療的ケアの頻度が多い人がいるため、引き続き充実を図る必要がある。 A重症心身障がいのある人の受入れのために必要な設備や器具の助成を行う。 ≪部会での主な意見≫ ○ 重症心身障がいの場合、バリアフリー設備や医療器具の購入にコストがかかるため受入れが進まない。 提案理由 ・重症心身障がいの場合は、生活介護やグループホームなどの支援を行う事業所は医療的ケアを行うための設備や器具が必要であり、これらの費用がネックになっている。福岡市でも重度障がい児・者等の受入れに必要な設備改修や備品購入費用などの助成を短期入所、生活介護事業所を対象に行っているが、助成の拡大や新たな助成制度を行うことにより受入れ事業所の拡大が期待できる。 6.まとめ 障がいの重度化、高齢化により「親なき後」への対応が大きな課題となっているが、親なき後も住み慣れた地域で安心して生活するためには、住まいの場の確保は最も重要である。一方、重度障がい者は、国が定める人員配置基準を超える手厚い支援が必要という事業所の声が多いことから、既存の障がい福祉サービスを十分に利用できず、住まいの場を確保することが難しい状況である。 しかし、福岡市では「障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくり」を目指しており、障がい特性に応じて、地域で生活するための支援を充実させていく必要がある。 当部会では、障がい者が地域で生活するためには、住まいの場の確保だけでなく、地域生活を可能とするための訪問系、通所系のサービスの充実も必要であることが明確となり、住まいの場だけでなく、在宅での支援やサービス従事者のスキルアップについても言及している。 本提言では、障がい福祉サービス事業者をはじめとする関係事業者に取組みを検討してほしいことと、福岡市への提案についてまとめており、重度障がい者の住まいの場を充実させるために全ての関係者が取り組んでいくことを期待している。 また、住まいの場について考えるのは、親なき後や親が高齢になってからではなく、親が元気なうちから、重度障がい者が将来どのような場所で暮らし、そのためには今何をしておいたらよいかを考えられるよう、相談支援事業者が本人や親に対して将来に向けた適切な助言・支援を行うことが望まれる。 最後に、重度障がい者であっても、どこで暮らすかは最大限本人の希望が尊重されるべきであり、周囲の支援者が障がいのある当事者の希望に反して押し付けることがあってはならない。私たち支援者は、意思決定支援により本人の希望を最大限把握するよう努めるとともに、その希望に合う住まいの場や支援が少しでも充実するようこれからも取り組んでいくことが重要である。 7.検討体制等 この「重度障がい者の住まい及び支援に関する専門部会」は福岡市障がい者等地域生活支援協議会設置運営要綱に基づき、協議会の専門部会として設置され、次のとおり協議を行った。 第1回 令和6年6月14日 ・部会長・副部会長の選任 ・現状の説明と今後の進め方について 第2回 令和6年7月26日 ・強度行動障がいについて 第3回 令和6年8月20日 ・重症心身障がいについて 第4回 令和6年9月19日 ・障がい福祉サービスについて(グループホーム、施設入所支援、療養介護) 第5回 令和6年10月24日 ・シェアハウスについて ・グループホームヒアリング報告 第6回 令和6年11月21日 ・一般住宅について ・障がい福祉サービスについて(グループホーム) 第7回 令和6年12月19日 ・当事者ヒアリング報告 ・今後の進め方について 第8回 令和7年1月30日 ・課題の整理について ・重症心身障がいの状態像について 第9回 令和7年2月27日 ・重度障がいの状態像について ・強度行動障がいの状態像について 第10回 令和7年6月6日 ・課題の整理と今後の進め方について ・グループホームについて 第11回 令和7年8月4日 ・医療との連携について 第12回 令和7年10月29日 ・提言(案)の作成 第13回 令和7年12月18日 ・提言(案)の作成 第14回 令和8年1月26日 ・提言(案)の作成 ○委員名簿(敬称略) 池田 顕吾 福岡市障がい者相談支援機能強化専門員 石田 照年 社会福祉法人 福岡市身体障害者福祉協会 ぴあすまいる西センター 管理者 岩崎 賢史 独立行政法人 都市再生機構九州支社 住宅経営部 ウェルフェア推進課長 栗田 将行 福岡市社会福祉協議会 地域福祉部 事業開発課長 住まい・まちづくりセンター所長 部会長 末松 忠弘 福岡市民間障がい施設協議会 体制整備部会長 財部 志穂 NPO法人 おかえり 代表理事 中村 佳奈 社会福祉法人 あきの会 理事長 中村 隆 福岡市障がい者生活支援事業所連絡会 理事 臨時委員 二ノ坂 保喜 医療法人 にのさかクリニック 理事長 野田 洋子 アムナス博多訪問看護ステーション 管理者 服部 美江子 認定NPO法人 障がい者 より良い暮らしネット 代表 藤丸 啓 社会福祉法人 福岡市手をつなぐ育成会 事務局長兼企画室長 副部会長 水野 英尚 NPO法人 みんなのプロジェクト 森口 哲也 障がい者地域生活・行動支援センター か〜む 所長 森山 淳子 認定NPO法人 ニコちゃんの会 代表理事 横山 和希 独立行政法人 都市再生機構九州支社 住宅経営部 企画課長 〇オブザーバー(敬称略) 馬見 昭次 社会福祉法人自立の里 障がい福祉サ−ビス事業所大地 管理者 武井 庸郎 医療法人コミュノテ風と虹 メンタルクリニックあいりす 副院長 〇事務局 福祉局障がい者部障がい在宅福祉課 福祉局障がい者部障がい施設福祉課 福祉局障がい者部障がい企画課 こども未来局子育て支援部こども発達支援課 住宅都市みどり局住宅部住宅計画課 福岡市障がい者基幹相談支援センター