資料2

福岡市 保健福祉総合計画（案）
　令和3年4月
　福岡市

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はじめに
　市長挨拶文
　令和3年4月
　福岡市長　髙島　宗一郎（たかしま　そういちろう）

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福岡市　保健福祉総合計画の構成
　はじめに本計画の全体構成の概要を図示します。

第1編　序論（P.7～）
　計画の位置づけ、社会動向など

第2編　総論（P.50～）
　総論では、本計画でめざす基本理念と「2040年のあるべき姿」を示し、その実現のために取り組む「施策の方向性」を示します。
○基本理念
○2040年のあるべき姿
○施策の方向性

第3編　各論（P.○～）
　各論では、総論を踏まえ、4つの分野別に具体的な施策を示します。
　地域分野（P.○～）
　健康・医療分野（P.○～）
　高齢者分野（P.○～）
　障がい者分野（P.○～）

第4編　計画の進行管理（P.○～）

参考資料（P.○～）
	
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目次
第1編　序論　7
第1部　計画の策定にあたって　7
第1章　計画の策定根拠と計画期間　7
第2章　計画の位置づけ　10
第2部　計画策定の背景　12
第1章　国と福岡市の動向　12
第2章　市民の意識　33
第3章　前計画の振り返り　42
第4章　健康福祉のまちづくりに向けて　48
第2編　総論　50
第1部　計画がめざすもの　50
第1章　計画策定の基本理念　50
第2章　福岡市がめざす目標像　51
第2部　施策の基本的方針　57
第1章　施策の方向性　57
第2章　担い手のあるべき姿　62
第3章　成果指標　64
第3編　各論　65
第1部　地域分野（地域福祉計画）　
第2部　健康・医療分野（健康増進計画）　
第3部　高齢者分野（老人福祉計画）　
第4部　障がい者分野（障害者計画）　

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第1編　序論

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第1編　序論
　序論では，計画を策定するにあたっての基本的な事項である根拠法や計画の位置づけなどのほか，策定の背景として，国の動向や福岡市の各種データ，市民意識調査の結果などをまとめました。

第1部　計画の策定にあたって
　第1部では，本計画を策定する際の前提となる計画策定の根拠法のほか，本計画の位置づけや他の計画との関係性などを記載しました。

○日本は世界有数の長寿国となっていますが，全国的に超高齢社会及び人口減少社会に突入しています。
○世界に類を見ない速度で進む少子高齢化，高齢者の単独世帯の増加，住民同士のつながりの希薄化など変動する社会情勢にあわせて，国は持続可能な社会保障制度への見直しを進めてきました。
○福岡市も，2017年（平成29年）に高齢化率が21％を超える「超高齢社会」に突入し，いわゆる「団塊ジュニア世代」が全員65歳以上となる2040年（令和22年）には，31.0％となる見込みです。
○本計画は，超高齢社会においても，持続可能な制度や仕組みが構築され，「福祉が充実し，生活の質の高いまち」を実現するために基本理念を定め，その具体的な目標像として，約3人に1人が高齢者となる2040年（令和22年）を見据えた「2040年のあるべき姿」を示し，その達成に向けた今後の道筋を示すものです。

第1章　計画の策定根拠と計画期間
1　策定根拠（【図表1】）
○福岡市ではこれまで，1998年（平成10年）に福岡市福祉のまちづくり条例を公布施行し，同条例に定める「福祉のまちづくりに関する基本となる計画」として，全国に先駆けて保健・医療・福祉に関する施策を網羅した保健福祉行政のマスタープランとして「福岡市保健福祉総合計画」を策定し，施策を推進してきました。
○本計画は，前計画と同様に，福岡市における保健・医療・福祉など様々な分野の各計画を横断的につなぐ基本理念と，取り組む施策の方向性を明らかにする保健福祉行政のマスタープランとして策定するとともに，社会福祉法に定める市町村地域福祉計画や，健康増進法に定める市町村健康増進計画，老人福祉法に定める市町村老人福祉計画，障害者基本法に定める市町村障害者計画といった，法定計画を一体化して策定します。

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○さらに，地域福祉計画については，2017年（平成29年）6月の社会福祉法の改正を受け，「地域における高齢者の福祉，障害者の福祉，児童の福祉その他の福祉の各分野における共通的な事項」を記載する，いわゆる「福祉分野の上位計画」として，各種計画との調和を図ります。

【図表1】福岡市保健福祉総合計画の策定経過
　以下、時期、策定経過の順。
①1998年（平成10年）　「福岡市保健福祉総合計画（計画期間：2000年度〔平成12年度〕～2010年度〔平成22年度〕）」を策定
②2005年（平成17年）　①の中間見直し
③2011年（平成23年）　「福岡市保健福祉総合計画（計画期間：2011年度〔平成23年度〕～2015年度〔平成27年度〕）」を策定
④2016年（平成28年）　「福岡市保健福祉総合計画（計画期間：2016年度〔平成28年度〕～2020年度〔令和2年度〕）」を策定
　出典:福岡市

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○参考条文
福岡市福祉のまちづくり条例
　第10条　市長は，福祉のまちづくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため，福祉のまちづくりに関する基本となる計画（以下「基本計画」という。）を定めるものとする。

社会福祉法
　第107条　市町村は，地域福祉の推進に関する事項として次に掲げる事項を一体的に定める計画（以下「市町村地域福祉計画」という。）を策定するよう努めるものとする。
　「一　地域における高齢者の福祉，障害者の福祉，児童の福祉その他の福祉に関し，共通して取り組むべき事項」
　二　地域における福祉サービスの適切な利用の推進に関する事項
　三　地域における社会福祉を目的とする事業の健全な発達に関する事項
　四　地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項
　「五　前条第一項各号に掲げる事業を実施する場合には，同項各号に掲げる事業に関する事項」
　※波線（カギ）部分は，平成29年（2017年）6月の改正により新たに追加された事項

健康増進法
　第8条
　2　市町村は，基本方針及び都道府県健康増進計画を勘案して，当該市町村の住民の健康の増進の推進に関する施策についての計画(以下「市町村健康増進計画」という。)を定めるよう努めるものとする。

老人福祉法
　第20条の8　市町村は，老人居宅生活支援事業及び老人福祉施設による事業（以下「老人福祉事業」という。）の供給体制の確保に関する計画（以下「市町村老人福祉計画」という。）を定めるものとする。

障害者基本法
　第11条
　3　市町村は，障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに，当該市町村における障害者の状況等を踏まえ，当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画（以下「市町村障害者計画」という。）を策定しなければならない。

2　計画期間
○本計画の計画期間は，3年ごとの見直しが法定されている他の保健福祉分野の計画との整合性を図るため，2021年度（令和3年度）から2026年度（令和8年度）までの6年間とします。
○なお，本計画に基づき施策を推進していくにあたっては，社会経済情勢の変化や関係法令の改正，社会保障制度改革などの動向にも対応する必要があるため，計画期間中であっても，必要に応じて見直しを行うこととします。

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第2章　計画の位置づけ（【図表2】）
○2012年（平成24年）12月に，福岡市が長期的にめざす都市像を示した「福岡市基本構想」及び，基本構想に掲げる都市像の実現に向けた方向性を示した「第9次福岡市基本計画」が策定されました。本計画は，「生活の質の向上」と「都市の成長」の好循環を創り出すという「第9次福岡市基本計画」の基本戦略のうち，特に「生活の質の向上」をめざすものであり，基本計画を推進するにあたって市が取り組む具体的な事業を示した「政策推進プラン」，効果的・効率的な行政運営の実現に向けた指針である「行政運営プラン」及び財政運営の基本的な考え方を示す指針である「財政運営プラン」を踏まえて推進するものです。
○「第8期福岡市介護保険事業計画」（2021年〔令和3年〕3月策定予定）及び「第6期福岡市障がい福祉計画」（2021年〔令和3年〕3月策定予定）をはじめ，「福岡市バリアフリー基本計画」（2021年度〔令和3年度〕策定予定）などの，保健福祉施策に関する分野別計画は，本計画における基本理念や基本方針に基づき進めていくものです。また，子どもに関する分野の基本的な計画である「第5次福岡市子ども総合計画」（2020年〔令和2年〕3月策定予定）など，本計画との関連が深い各種計画とも連携を図ります。
○さらに，「2040年のあるべき姿」の達成に向けては，保健・医療・福祉などの保健福祉施策だけではなく，住まいや地域づくり，働き方などを含めて，広い意味でのまちづくりとして取り組むことが必要です。そのため，本計画は，保健福祉分野に限らず，その他の分野の関連計画ともより連携して推進していきます。

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【図表2】他の計画等との相関関係
　以下、図の説明
  「福岡市総合計画」の中に3段階ピラミッドが書かれています。
　3段階ピラミッドの上から順に「基本構想」、「第9次基本計画」、「実施計画（政策推進プラン）」と書かれています。
　「実施計画」は「行政運営プラン」・「財政運営プラン」と両向き矢印で結ばれ、行政運営プランと財政運営プランも両向き矢印で結ばれています。
※福岡市では，総合計画に基づく各施策の推進により，SDGsの実現に取り組んでいます。
　ピラミッドから「保健福祉総合計画」へ矢印が伸びています。
　「保健福祉総合計画」の中に、「地域福祉計画」と「健康増進計画」と「老人福祉計画」と「障害者計画」が書かれています。
　「地域福祉計画」の中に、「福祉の各分野（※）における共通的な事項　（※高齢者の福祉，障害者の福祉，児童の福祉，その他の福祉）」と書かれており、「福祉の各分野における共通的な事項」は、「健康増進計画」・「老人福祉計画」・「障害者計画」・「子ども総合計画（こども未来局）」とそれぞれ一部が重なっています。
　「保健福祉総合計画」は、「健康」「高齢者」「障がい者」「その他」と両向き矢印で結ばれています。
　「健康」は、食育推進計画。自殺対策総合計画。新型インフルエンザ等対策行動計画。
　「高齢者」は、介護保険事業計画。
　「障がい者」は、障がい福祉計画。
　「その他」は、バリアフリー基本計画。動物愛護管理推進実施計画。食品衛生監視指導計画。ホームレス自立支援実施計画。国民健康保険医療費適正化計画。国民健康保険特定健診・特定保健実施計画。地域防災計画（市民局）。スポーツ振興計画（市民局）。高齢者居住安定確保計画（住宅都市局）。住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画（住宅都市局）。教育振興基本計画（教育委員会）など。
※SDGs（Sustainable　Development　Goals）とは、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指して、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に総合的に取り組むために、2015年（平成27年）の国連サミットで採択された国際社会全体の持続可能な開発目標のこと。
　資料：福岡市作成

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第2部　計画策定の背景
　第2部では，計画策定の背景として，全国的な人口減少問題や社会保障制度改革などの動向，福岡市の人口動態や保健福祉に関連する各種データ，福岡市が実施した市民意識調査などの結果における特徴的な項目などから，現在の福岡市が置かれている状況について概括しました。
　また，前計画の進捗状況を振り返り，どのような成果が上がったのか，また，「2040年のあるべき姿」に向けた主な課題について整理しました。

第1章　国と福岡市の動向
1　国の動向
（1）平均寿命の延びと少子高齢化問題（【図表3】）
○日本人の平均寿命は，医療技術の進歩や生活環境の改善などにより延伸を続けており，2018年（平成30年）には，男性は81.25歳で世界3位に，また，女性は87.32歳で世界2位となるなど，男女ともに過去最高を更新しました。
○高齢化率についても，2018年（平成30年）は28.1％と，世界で最も高い水準となっています。なお，今後は，韓国，シンガポールなどアジア諸国の一部の国において，日本を上回るスピードで高齢化が進むことが見込まれています。
○「令和元年版高齢社会白書」によると，日本の総人口は，2018年（平成30年）10月1日時点で1億2,644万人となっていますが，現在，総人口は長期の人口減少過程に入っており，2029年（令和11年）に1億2,000万人を下回った後も減少を続け，2053年（令和35年）には1億人を割って9,924万人となり，2065年（令和47年）には8,808万人になると推計されています。
○総人口が減少する一方で，高齢者人口は2042年（令和24年）に3,935万人でピークを迎えるまで増加を続けていくと推計されています。
○また，65歳以上の人がいる世帯は，2017年（平成29年）時点では全世帯の47.2％を占めており，単独高齢者についても，1980年（昭和55年）の男性約19万人，女性約69万人から，2015年（平成27年）には男性約192万人，女性約400万人と，男女ともに増加傾向にあります。

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【図表3】高齢化の推移と将来推計
　以下、年、0～14歳、15～64歳、65～74歳、75歳以上、総人口、高齢化率（65歳以上人口割合）の順。単位は、万人。
　1950（S25）　2,979　5,017　309　107　8,411　4.9
　1955（S30）　3,012　5,517　338　139　9,008　5.3
　1960（S35）　2,843　6,047　376　164　9,430　5.7
　1965（S40）　2,553　6,744　434　189　9,921　6.3
　1970（S45）　2,515　7,212　516　224　10,467　7.1
　1975（S50）　2,722　7,581　602　284　11,194　7.9
　1980（S55）　2,751　7,883　699　366　11,706　9.1
　1985（S60）　2,603　8,251　776　471　12,105　10.3
　1990（H2）　2,249　8,590　892　597　12,361　12.1
　1995（H7）　2,001　8,716　1,109　717　12,557　14.6
　2000（H12）　1,847　8,622　1,301　900　12,693　17.4
　2005（H17）　1,752　8,409　1,407　1,160　12,777　20.2
　2010（H22）　1,680　8,103　1,517　1,407　12,806　23
　2015（H27）　1,589　7,629　1,734　1,613　12,709　26.6
　2018（H30）　1,542　7,545　1,760　1,798　12,644　28.1
　2020（R2）　1,507　7,406　1,747　1,872　12,532　28.9
　2025（R7）　1,407　7,170　1,497　2,180　12,254　30
　2030（R12）　1,321　6,875　1,428　2,288　11,913　31.2
　2035（R17）　1,246　6,494　1,522　2,260　11,522　32.8
　2040（R22）　1,194　5,978　1,681　2,239　11,092　35.3
　2045（R27）　1,138　5,584　1,643　2,277　10,642　36.8
　2050（R32）　1,077　5,275　1,424　2,417　10,192　37.7
　2055（R37）　1,012　5,028　1,258　2,446　9,744　38
　2060（R42）　951　4,793　1,154　2,387　9,284　38.1
　2065（R47）　898　4,529　1,133　2,248　8,808　38.4

　2018年までは実績値。2020年以降は推計値。
　2029年（令和11年）には、総人口1億2,000万人を下回る。
　2053年（令和35年）には、総人口が1億人を下回って9,924万人に。

　資料：棒グラフと実線の高齢化率については，2015年までは総務省「国勢調査」，2018年は総務省「人口推計」（平成30年10月1日確定値），2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口（平成29 年推計）」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果。
（注1）2018年以降の年齢階級別人口は，総務省統計局「平成27年国勢調査　年齢・国籍不詳をあん分した人口（参考表）」による年齢不詳をあん分した人口に基づいて算出されていることから，年齢不詳は存在しない。なお，1950年～2015 年の高齢化率の算出には分母から年齢不詳を除いている。
（注2）年齢別の結果からは，沖縄県の昭和25年70歳以上の外国人136人（男55人，女81人）及び昭和30年70歳以上23,328人（男8,090人，女15,238人）を除いている。
（注3）将来人口推計とは，基準時点までに得られた人口学的データに基づき，それまでの傾向，趨勢を将来に向けて投影するものである。基準時点以降の構造的な変化等により，推計以降に得られる実績や新たな将来推計との間には乖離が生じうるものであり，将来推計人口はこのような実績等を踏まえて定期的に見直すこととしている。
　出典：「令和元年版高齢社会白書」（内閣府）を基に保健福祉局が作成

＜（参考）世界の高齢化率の推移＞
1．欧米
　以下、年、日本、スウェーデン、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ合衆国の順。単位は、％。
　1950年　4.9　10.2　9.7　11.4　10.8　8.2
　1955年　5.3　10.9　10.6　11.5　11.3　8.8
　1960年　5.7　11.8　11.5　11.6　11.8　9.1
　1965年　6.3　12.7　12.5　12.1　12.2　9.5
　1970年　7.1　13.7　13.6　12.8　13　10.1
　1975年　7.9　15.1　14.9　13.4　14.1　10.7
　1980年　9.1　16.3　15.6　13.9　15　11.6
　1985年　10.3　17.3　14.6　12.7　15.2　12.1
　1990年　12.1　17.8　14.9　14　15.8　12.6
　1995年　14.6　17.5　15.5　15.1　15.9　12.7
　2000年　17.4　17.3　16.5　16　15.9　12.3
　2005年　20.2　17.3　18.9　16.5　16　12.3
　2010年　23　18.2　20.5　16.8　16.6　13
　2015年　26.6　19.6　21.1　18.9　18.1　14.6
　2020年　28.9　20.3　22.2　20.7　19　16.6
　2025年　30　21.1　24.1　22.3　20.2　18.7
　2030年　31.2　22.1　26.8　23.9　22　20.4
　2035年　32.8　23.3　29.3　25.2　23.5　21.2
　2040年　35.3　24　30　26.2　24.3　21.6
　2045年　36.8　24.1　30.2　26.5　24.8　21.8
　2050年　37.7　24.4　30.7　26.7　25.4　22.1
　2055年　38　25.2　31.4　26.9　26.2　22.7
　2060年　38.1　26.3　31.7　26.9　26.7　23.6

　2015年までは実績値。2015年以降は推計値。

2．アジア
　以下、年、日本、韓国、中国、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイの順。単位は、％。
　1950年　4.9　2.9　4.4　3.1　4　3.6　2.4　3.2
　1955年　5.3　3.3　4.1　3.2　3.8　3.3　2.2　3.3
　1960年　5.7　3.4　3.7　3.1　3.6　3.1　2　3.3
　1965年　6.3　3.5　3.4　3.2　3.3　3　2.6　3.4
　1970年　7.1　3.5　3.8　3.3　3.3　3　3.3　3.5
　1975年　7.9　3.8　4.1　3.5　3.5　3.1　4.1　3.6
　1980年　9.1　4.1　4.7　3.6　3.6　3.2　4.7　3.7
　1985年　10.3　4.5　5.3　3.7　3.6　3.2　5.3　4
　1990年　12.1　5.2　5.7　3.8　3.8　3.1　5.6　4.5
　1995年　14.6　6　6.2　4.1　4.2　3.1　6.4　5.5
　2000年　17.4　7.2　6.9　4.4　4.7　3.3　7.3　6.5
　2005年　20.2　8.9　7.7　4.8　4.8　3.5　8.2　7.8
　2010年　23　10.7　8.4　5.1　4.8　4.1　9　8.9
　2015年　26.6　13　9.7　5.6　5.1　4.6　11.7　10.6
　2020年　28.9　15.7　12.2　6.6　5.8　5.2　15　12.9
　2025年　30　19.9　14.2　7.5　6.9　5.9　19.2　16
　2030年　31.2　23.9　17.1　8.5　8.3　6.7　23.2　19.4
　2035年　32.8　27.7　20.9　9.5　9.7　7.6　26.6　22.8
　2040年　35.3　31.1　23.8　10.6　11.1　8.3　29.7　25.8
　2045年　36.8　33.4　25　11.9　12.5　9.1　32　27.9
　2050年　37.7　35.3　26.3　13.4　13.8　9.8　33.6　29
　2055年　38　35.9　29.4　15.1　14.8　10.8　34.5　29.5
　2060年　38.1　37.1　30.5　16.7　15.7　12.1　35.8　30.6

　2015年までは実績値。2015年以降は推計値。

　資料：UN, World Population Prospects: The 2017 Revision
　　　　ただし日本は、2015 年までは総務省「国勢調査」
　　　　2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口（平成29年推計）」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。

14ページ
（2）財政状況と社会保障制度改革（【図表4】）
○日本の社会保障は，1960年代の高度経済成長期以降に，右肩上がりの経済成長と低失業率，正規雇用・終身雇用の男性労働者と専業主婦と子どもという核家族モデル，充実した企業の福利厚生，住民同士のつながりが強い地域社会を背景として，国民皆保険・皆年金を中心として形作られ，これまで国民生活を支えてきました。
○しかし，急速な少子高齢化の進展，非正規雇用労働者の増大などの雇用基盤の変化，未婚率の上昇や核家族化の影響による単独世帯の増加，都市化の進展などによる地域のつながりの希薄化など，社会保障制度を支える環境が変わってきています。
○加えて医療技術の高度化も進む中，社会保障費は増大し，2017年度（平成29年度）は120兆2,443億円と過去最高の水準となりました。こうした変化に対応するため，高齢者向けの給付が中心となっている社会保障制度を，子ども・若者から高齢者まで誰もが安心できる「全世代型の社会保障」へ大きく転換していく必要があるとされています。

【図表4】社会保障給付費の推移
　以下、年度、社会保障
給付費（高齢者関係給付費以外）（億円）、社会保障給付費の対国民
所得比、高齢者関係
給付費（億円）の順。
　1975（S50）　117,693　9.49　38,754
　1976　145,165　10.34　52,965
　1977　168,868　10.85　65,612
　1978　197,763　11.51　79,336
　1979　219,832　12.07　91,706
　1980（S55）　247,736　12.15　107,514
　1981　275,638　13.03　125,004
　1982　300,973　13.67　140,131
　1983　319,733　13.82　156,088
　1984　336,396　13.84　169,498
　1985（S60）　356,798　13.69　188,288
　1986　385,918　14.4　211,041
　1987　407,337　14.49　225,997
　1988　424,582　14.03　240,282
　1989　450,554　14.04　259,962
　1990（H2）　474,153　13.67　279,262
　1991　503,697　13.65　300,437
　1992　540,712　14.77　323,869
　1993　570,560　15.62　345,764
　1994　607,240　16.49　373,117
　1995（H7）　649,842　17.17　407,109
　1996　678,253　17.33　430,784
　1997　697,151　17.95　451,401
　1998　724,226　19.15　478,041
　1999　753,114　19.98　503,564
　2000（H12）　783,985　20.31　531,975
　2001　816,724　21.82　559,518
　2002　838,402　22.5　	584,323
　2003　845,306　22.37　593,112
　2004　860,818　22.49　604,051
　2005（H17）　888,529　22.94　619,682
　2006　906,730　23.11　627,911
　2007　930,794　23.73　641,669
　2008　958,441　26.33　659,853
　2009　1,016,714　28.77　692,652
　2010（H22）　1,053,646　29.11　710,837
　2011　1,082,706　30.21　722,063
　2012　1,090,741　30.31　741,004
　2013　1,107,755　29.6　756,422
　2014　1,121,688　29.58　761,383
　2015（H27）　1,154,007　29.57　776,386
　2016（H28）　1,169,027　29.84　785,859
　2017　1,202,443

（注1）高齢者関係給付費とは，年金保険給付費，高齢者医療給付費，老人福祉サービス給付費及び高年齢雇用継続給付費をあわせたもので昭和48年度から集計
（注2）高齢者医療給付費は，平成19年度までは旧老人保健制度からの医療給付額，平成20年度は後期高齢者医療制度からの医療給付額及び旧老人保健制度からの医療給付額が含まれている。
（注3）2015年度から，集計の対象とする地方単独事業の範囲を変更したため，2014年度と2015年度の間で段差が生じている。
　出典：「平成29年度社会保障費用統計」（国立社会保障・人口問題研究所）を基に保健福祉局が作成

15ページ
○我が国においては，「社会保障の充実・安定化」と「財政健全化」を喫緊の課題として，2008年（平成20年）から「社会保障国民会議」を皮切りに社会保障と税の一体改革が始まり，2013年（平成25年）12月5日に「社会保障制度改革プログラム法」が成立しました。現在，同法に基づき，少子化対策，医療・介護・年金の各分野について改革が進められているところです。
○また，社会保障制度の安定財源確保のために消費税率が2014年（平成26年）4月から8％に，2019年（令和元年）10月からは10％に引き上げられ，それによる増収分の一部は，社会保障4経費（年金，医療，介護，子育て）に割り当てられることとされています。
○これにより，2025年（令和7年）を念頭に進められてきた社会保障・税の一体改革が一区切りを迎えたところですが，その後の取組みとして，「国は，団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年（令和22年）を見据え，今後，国民誰もがより長く元気に活躍できるよう，多様な就労・社会参加の環境整備や健康寿命の延伸を進めるとともに，医療・福祉サービス改革による生産性の向上を図りつつ，給付と負担の見直しなどによる社会保障の持続可能性の確保を進める」ため，2018年（平成30年）10月に「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」を設置しました。

16ページ
（3）一億総活躍社会の実現に向けた取組み
○国は，少子高齢化という構造的な課題に取り組み，若者も高齢者も，女性も男性も，障がいや難病のある人も，一度失敗を経験した人も，皆が包摂され活躍できる社会「一億総活躍社会」の実現に向けて取り組むこととし，2016年（平成28年）6月に「ニッポン一億総活躍プラン」を策定しました。
○さらに，「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪とする「新しい経済政策パッケージ」を策定し，「希望出生率1.8※」及び「介護離職ゼロ」の実現や，人工知能，ロボット，IoTなどの「生産性を劇的に押し上げるイノベーション」の実現に向けた政策が進められています。
以下，「希望出生率1.8※」の説明　
若い世代（18歳～34歳）における，結婚，子供の数に関する希望がかなうとした場合に想定される出生率（出典：平成28年版少子化社会対策白書）

＜地域共生社会の実現に向けた取組み＞
○「ニッポン一億総活躍プラン」において，「子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域，暮らし，生きがいを共に創り，高め合うことができる「地域共生社会」の実現が掲げられ，2017年（平成29年）6月に社会福祉法が改正されました。
○「地域共生社会」とは，「制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて，地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し，人と人，人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで，住民一人ひとりの暮らしと生きがい，地域をともに創っていく社会」をいいます。
○その実現に向けて，改正法においては，「我が事・丸ごと」の地域福祉推進の理念が規定され，市町村が包括的な支援体制づくりに努めることが定められたとともに，地域福祉計画は，各福祉分野が共通して取り組むべき事項を記載する福祉分野の上位計画として位置づけられました。
○また，国は，2019年（令和元年）6月に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」の中で地域共生社会の実現に向けた具体的取組みの一つとして，今後の医療・福祉ニーズの増大や多様化に対応するため，保健医療福祉の複数資格における共通基礎課程の創設の検討などを進めることとしています。

（4）Society5.0の実現に向けた取組み
○国は，2016年（平成28年）1月に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」において，国がめざすべき未来社会の姿として「Society5.0」を提唱しました。これは，IoTやロボット，AI等の先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ，格差なく，多様なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供する社会の実現をめざすものです。
○また，2017年（平成29年）6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」において，Society5.0に向けた戦略分野の一つに「健康寿命の延伸」を定め，健康管理と病気・介護予防，自立支援に軸足を置いた「新しい健康・医療・介護システム」を構築することにより，健康寿命を更に延伸し，世界に先駆けて生涯現役社会を実現させることとしました。

17ページ
（5）様々な分野の取組み
①成年後見制度の利用促進に向けた取組み
○2016年（平成28年）4月に成年後見制度の利用の促進に関する法律が成立し，同年5月に施行されました。これにより，国は，成年後見制度の利用促進に向けた施策を総合的かつ計画的に推進することとしました。
○また，市町村は，市町村基本計画の策定や地域連携ネットワークの整備・運営の中核となる機関設置等に努めることが規定され，制度の利用促進に向けた取組みが進められています。
②生活困窮者の自立の促進に向けた取組み
○2013年（平成25年）12月に生活困窮者自立支援法が成立し，2015年（平成27年）4月に施行されました。これにより，全国の市及び福祉事務所を設置する町村において，生活保護に至る前の生活困窮者への支援が開始されました。
○また，2018年（平成30年）6月に生活困窮者自立支援法，生活保護法，社会福祉法，児童扶養手当法が改正され，生活困窮者の自立支援の強化や生活保護制度における自立支援の強化・適正化，ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に向けた取組みが進められています。
③認知症への対応に向けた取組み
○国は，認知症に係る諸課題について，関係行政機関の緊密な連携の下，政府一体となって総合的な対策を推進するため，2018年（平成30年）12月に認知症施策推進関係閣僚会議を設置しました。 
○2019年（令和元年）6月には，同会議において「認知症施策推進大綱」がとりまとめられ，認知症の発症や進行を遅らせ，認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し，認知症の人や家族の視点を重視しながら，「共生」と「予防」を車の両輪として政策を推進していくこととしました。
④障がい者の権利擁護，差別解消に向けた取組み
○2006年度（平成18年度）に国連で採択された障害者の権利に関する条約の締結に向けて，日本では，障害者基本法などの改正や障害者総合支援法の成立など，種々の国内法の整備が行われました。
○2013年（平成25年）6月には，障害者基本法第4条の差別禁止の基本原則を具体化し，すべての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく，相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け，障害者差別解消法が成立し，2016年（平成28年）4月に施行されました。この法律では，行政機関や事業者などに社会的障壁の除去に必要な合理的配慮の提供を求めています。

18ページ
⑤福祉人材の確保に向けた取組み
○日本では，少子高齢化の進行等により生産年齢人口が減少し，労働力人口も減少が見込まれており，将来にわたって福祉・介護ニーズに的確に対応できる人材の安定的な確保が極めて重要となっています。
○介護人材でみると，国の第7期介護保険事業計画（2018年度〔平成30年度〕から2020年度〔令和2年度〕）に基づく需給推計では，2020年度（令和2年度）に約26万人，2025年度（令和7年度）に約55万人の介護人材が不足することが予測されています。
○国は，「労働環境の整備の推進」，「キャリアアップの仕組みの構築」，「福祉・介護サービスの周知・理解」，「潜在的有資格者等の参入の促進」，「多様な人材の参入・参画の促進」の視点から，量的な確保のみならず質的な向上にも重点を置いた人材確保のための取組みを推進しています。
⑥外国人材の受入れ・共生に向けた取組み
○日本に在留する外国人は2018年（平成30年）末時点で約273万人，就労する外国人も同年10月末時点で約146万人と，それぞれ過去最多を記録しています。
○国は，2018年（平成30年）12月に，日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会の実現に寄与するという目的を達成するため，「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」をとりまとめました。
○この対応策において，国は，外国人の生命・健康に関する分野や，保育その他の子育て支援サービスについて，段階的な多言語対応の環境づくりを進めることや，外国人が安心して医療サービス等を受けることができる環境の整備を図ることなどが必要であるとしています。

19ページ
2　福岡市の動向
（1）高齢化の推移（【図表5，6，7，8，9】）
○福岡市は2013年（平成25年）5月に人口150万人を突破しました。2019年（令和元年）9月1日時点では159.2万人で，前計画策定時の2016年（平成28年）6月1日時点の150.9万人から8.3万人増加しています。
○今後も人口増加が続き，2035年（令和17年）には160.6万人でピークを迎えると予測されます。
○また，図表5の通り，2015年（平成27年）における人口構造については，年少人口（0～14歳の人口）・生産年齢人口（15～64歳の人口）の割合は，福岡市が13.3％・66.0%と，国の12.6％・60.7%をいずれも上回っている一方，高齢者人口（65歳以上）の割合は，福岡市が20.7%で国の26.6%を下回っており，福岡市は，全国平均と比較して若い年齢構成となっています。
○全国的にも高齢化が進む中，福岡市も一貫して高齢化率は上昇し，2015年（平成27年）の高齢化率は20.7%ですが，2025年（令和7年）には24.8％，2040年（令和22年）は31.0％になると予測されています。
○65歳以上の高齢者人口は，2015年（平成27年）の31万2千人が，2025年（令和7年）は39万6千人（1.3倍），2040年（令和22年）では49万7千人（1.6倍）になり，今後も増加する見込みです。
○その中でも伸びが大きいのは後期高齢者（75歳以上の高齢者）人口で，2015年（平成27年）は14万3千人ですが，団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年（令和7年）には22万8千人（1.6倍），2040年（令和22年）には28万4千人（2.0倍）となる見込みです。
○また，図表8の通り，高齢者の増加に伴い死亡者数も増加し，2015年（平成27年）は1万1千人ですが，2025年（令和7年）には1万4千人（1.3倍），2040年（令和22年）には1万8千人（1.6倍）となる見込みです。
○なお，図表9の通り，福岡市の平均寿命（2015年〔平成27年〕）・健康寿命（2016年〔平成28年〕）は，男性が81.10年・71.04年，女性が87.62年・75.22年となっており，2010年（平成22年）と比較すると，男女とも，平均寿命・健康寿命のいずれも延伸しています。
○平均寿命と健康寿命との差が小さいほど，一生において介護や支援を受けずに自立した日常生活がより長く送れていることになりますが，福岡市の平均寿命と健康寿命の差は，2010年（平成22年）時点で，男性が9.46年，女性が14.78年，2016年（平成28年）時点で男性が10.06年，女性が12.4年となっています。

20ページ
【図表5】福岡市の高齢化の推移と将来推計	
　以下、年、0～14歳、15～64歳、65～74歳、75歳以上、年齢不詳、総人口、高齢化率（65歳以上人口割合）、高齢化率（75歳以上人口割合）の順。人口の単位は千人。
　1985（S60）　252　816　57　34　1　1160　2.9　7.8
　1990（H2）　231　886　68　45　7　1237　3.6　9.2
　1995（H7）　205　933　88　54　4　1285　4.2　11.1
　2000（H12）　191　968　107　71　5　1341　5.3　13.3
　2005（H17）　188　984　120　94　16　1401　6.7　15.4
　2010（H22）　192　998　136　118　1464　8.2　17.6
　2015（H27）　200　996　170　143　30　1539　9.5　20.7
　2020（R2）　204　996　185　182　0　1568　11.36　23.4
　2025（R7）　201　996　168　228　0　1592　14.3　24.8
　2030（R12）　189　993　166　256　0　1604　16.0　26.3
　2035（R17）　176　975　185　270　0　1606　16.8　28.3
　2040（R22）　168　937　213　284　0　1601　17.7　31.0
　2045（R27）　165　901　220　304　0　1590　19.1　32.9
　2050（R32）　164　870　203　336　0　1573　21.3　34.3

　2015年までは実績値。2020年以降は推計値。

（注1）国勢調査の高齢化率（人口割合）算出にあたっては，総数から年齢不詳を除外している。
　出典：「国勢調査（平成27年度）」（総務省），「福岡市の将来人口推計（平成24年3月）」（福岡市）

21ページ
＜参考：子ども・若者に関するデータ＞
○福岡市の出生数は，1990（平成2）年ごろからほぼ1万3千人台の横ばいで推移してきましたが，直近の10年間は1万4千人台で推移しています。また，出生率（人口1千人あたりの出生数）は全国と比較すると高い状況にあります。
【図表6】福岡市の出生数と出生率の推移
　以下、年度、出生数、福岡市、全国の順。
　1970年(昭和45年)　16,874　19.8　18.8
　1975年(昭和50年)　18,416　18.4　17.1
　1980年(昭和55年)　17,053　15.7　13.6
　1985年(昭和60年)　15,841　13.7　11.9
　1990年(平成2年)　13,647　11.0　10.0
　1995年(平成7年)　12,986　10.2　9.6
　2000年(平成12年)　13,133　9.9　9.5
　2005年(平成17年)　12,477　9.0　8.4
　2008年(平成20年)　14,063　9.8　8.7
　2009年(平成21年)　14,177　9.8　8.5
　2010年(平成22年)　14,483　10.0　8.5
　2011年(平成23年)　14,370　9.7　8.3
　2012年(平成24年)　14,453　9.7　8.2
　2013年(平成25年)　14,784　9.8　8.2
　2014年(平成26年)　14,559　9.6　8.0
　2015年(平成27年)　14,797　9.8　8.0
　2016年(平成28年)　14,488　9.3　7.8
　2017年(平成29年)　14,382　9.2　7.6

　出典：「第５福岡市子ども総合計画（案）」（福岡市）

○福岡市の若者（15～29歳）の人口割合は，政令指定都市の中で最も高くなっていますが，2005年（平成17年）の22.5％から2015年（平成27年）には17.4％となっており，減少傾向にあります。
【図表7】福岡市の若者（15～29歳）の人口割合※の推移　※15～29歳の人口／総人口×100（％）
　以下、年度、割合の順。
　2015年
（平成27年）　17.4
　2010年
（平成22年）　19.2
　2005年
（平成17年）　22.5

　出典：国勢調査（平成17年度、平成22年度、平成27年度）の数値を基に福岡市が作成

22ページ
【図表8】福岡市における死亡者数の将来推計
　以下、年度、死亡者数の順。
　1990年
（平成2年）　6,216
　1995年
（平成7年）　7,130
　2000年
（平成12年）　7,992
　2005年
（平成17年）　8,756
　2010年
（平成22年）　10,131
　2015年
（平成27年）　11,166
　2020年
（令和２年）　12,716
　2025年
（令和７年）　14,363
　2030年
（令和12年）　15,881
　2035年
（令和17年）　17,228
　2040年
（令和22年）　18,379

　2015年までは実績値。2020年以降は推計値。

　出典：「福岡市の将来人口推計（平成24年3月）」（福岡市）


【図表9】平均寿命と健康寿命の差
　以下、平均寿命、健康寿命（日常生活に制限のない期間）、平均寿命と健康寿命の差の順。単位は、年。

○福岡市【2010年（平成22年）】
男性　79.8　70.38　9.46
女性　86.71　71.93　14.78

○福岡市【2016年（平成28年）】
男性　81.1　71.04　10.06
女性　87.62　75.22　12.4

　出典：
　平均寿命：（全　国）「第22回完全生命表（厚生労働省）」，（福岡市）「平成27年都道府県別生命表（厚生労働省）
　健康寿命：「大都市の健康寿命（2010・2013・2016年）」（厚生労働科学研究費補助金による「健康寿命及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究」を基に作成

23ページ
（2）高齢者の単独世帯数の推移（【図表10】）
○高齢者の単独世帯は，2015年（平成27年）に8万世帯，2025年（令和7年）には11万9千世帯（1.5倍），2040年（令和22年）には17万6千世帯（2.2倍）へと増加することが推計されます。
○特に，後期高齢者（75歳以上の高齢者）の単独世帯は，2015年（平成27年）に3万8千世帯，2025年（令和7年）には7万4千世帯（1.9倍），2040年（令和22年）には11万1千世帯（2.9倍）へと急激に増加することが推計されます。

【図表10】高齢者単独世帯数の推移と将来推計
　以下、単独世帯（65～74歳）、単独世帯（75歳以上）、合計の順。単位は、千世帯。
　1985（S60）　8　4　12
　1990（H2）　11　6　18
　1995（H7）　16　9　25
　2000（H12）　21　16　37
　2005（H17）　24　22　46
　2010（H22）　33　31　64
　2015（H27）　42　38　80
　2020（R2）　47　55　102
　2025（R7）　45　74　119
　2030（R12）　47　90　137
　2035（R17）　54　100　154
　2040（R22）　65　111　176

　2015年までは実績値。2020年以降は推計値。
　出典：「国勢調査（平成27年度）」（総務省）、「福岡市の将来人口推計（平成24年3月）」（福岡市）

24ページ
（3）要介護認定者数と認知症の人の数の増加（【図表11，12，13】）
○高齢者人口の増加に伴い，介護が必要となる方も増えていきます。2010年度（平成22年度）の要介護認定者数約4万7千人が，2025年度（令和7年度）には約9万人（1.9倍），2040年度（令和22年度）には約13万7千人（2.9倍）になると推計されます。
○なお，女性の平均寿命は男性より長く，高齢者の人口は女性の方が多いことから，要介護認定を受けている人のうち，要介護3～5の認定者の男女比は，年齢が高くなるほど女性が多くなります。
○また，認知症の人の数も，2015年度（平成27年度）の約3万3千人が，2025年度（令和7年度）には約4万7千人（1.4倍），2040年度（令和22年度）には約7万2千人（2.2倍）になると推計されます。

【図表11】要介護認定者数・認定率の推移と将来推計
　以下、年度、要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5、計（千人）、認定率の順。
　2010（H22）　8　6　9　8　6　5　5　47　19.1
　2015（H27）　14　8　12　10　7　6　5　62　20.4
　2020（R2）　14　11　15　11　9　7　5　73　21.1
　2025（R7）　15　15　20　13　12　9　5　90　23.7
　2030（R12）　17　18　25　15　14　11　6　106　26.1
　2035（R17）　19　20　29　18　17　12　7　123　27.8
　2040（R22）　20　22　34　20　19　14　8　137　28

　2015年までは実績値。2020年以降は推計値。
(注)要介護認定者数及び認定率は，2010年度（平成22年度）・2015年度（平成27年度）は実績値，2020年度（令和2年度）・2025年度（令和7年度）は第7期介護保険事業計画の計画値，2030年度（令和12年度）以降は2025年度（令和7年度）の同計画値を基に推計した値。
　出典：福岡市

25ページ
【図表12】要介護認定者数（要介護3～5）
　グラフの概数を記す。
　40～64歳　男600人、女500人。65歳　男200人、女180人。その後、徐々に増加し、86歳　男1000人、女2700人。その後、徐々に減少し、99歳　男50人、女350人。100歳以上　男80人、女600人。

　出典：福岡市（平成31年3月末時点）

【図表13】認知症の人の数の推移と将来推計
　以下、年度、認知症高齢者数の順。
　2015（H27）　33,188
　2020（R2）　38,802
　2025（R7）　47,446
　2030（R12）　56,324
　2035（R17）　64,957
　2040（R22）　72,415

　2015年は実績値。2020年以降は推計値。
(注)認知症の人の数は，福岡市の要介護認定者に占める日常生活自立度Ⅱ以上の人の数について，2015年度（平成27年度）は年度末の値，2020年度（令和2年度）・2025年度（令和7年度）は第7期介護保険事業計画の計画値，2030年度（令和12年度）以降は図9の要介護認定者数を基に推計した値。
　出典：福岡市

26ページ
（4）障がいのある人の推移（【図表14】）
○福岡市の障がい児・者数（身体障害者手帳，療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳の所持者数，重複含む）は，いずれも増加傾向にあり，1995年度（平成7年度）の約2万9千人から，2016年度（平成28年度）には約7万6千人（2.6倍）に増加しています。
○また2016年度（平成28年度）の人口に対する出現率は5.0％であり，市民の約20人に1人が身体，知的，又は精神障がいがあるという状況です。
○発達障がいについては，全国的に見ても正確な人数が把握できていない状況ですが，福岡市発達障がい者支援センターの相談者数をみると近年1,400人前後で推移しており，そのうち約半数が成人となっています。

【図表14】障がい児・者数及び人口に占める割合の推移
　以下、年度、身体障がい、知的障がい、精神障がい、出現率（障がい児・者）の順。
　1995（H7）　25,268　3,818　0　29,086　2.3
　2000（H12）　32,296　4,998　1,929　39,223　3.0
　2005（H17）　39,413　5,881　4.633　49,927　3.7
　2010（H22）　48.526　8,101　7,747　64,374　4.5
　2013（H25）　51,557　9,306　10,333　71,196　4.9
　2016（H28）　51,831　10,764　13,290　75,885　5.0

（注）平成17年度調査までの統計は手帳未所持者を含んでいたため，未所持者を除外して再集計を行っている。
（注）精神障害者保健福祉手帳は，平成7年10月から開始。7年度は未集計
　出典：「平成28年度福岡市障がい児・者等実態調査」（福岡市）

①身体障がい児・者（【図表15】）
○2016年度（平成28年度）の身体障がい児・者数（身体障害者手帳所持者数）は約5万2千人で，そのうち60歳以上が約3万9千人と，全体の7割強を占めています。
○2013年度（平成25年度）までは，60歳以上を中心に身体障がい児・者数は急激に増加していましたが，平成2016年度（平成28年度）から，その伸びは鈍化しています。

27ページ
【図表15】身体障がい児・者の年齢構成別の推移
　以下、年度、29歳以下、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上、計の順。
　1995（H7）　2,295　1,897　3,670　5,256　12,380　25,498
　2000（H12）　2,083　1,351　2,683　6,070　20,179　32,366
　2005（H17）　2,395　1,658　2,520　5,984　26,980　39,537
　2010（H22）　2,382　1,876　2,874　5,793　35,601　48,526
　2013（H25）　2,438　1,716　2,890　5,228　39,285　51,557
　2016（H28）　2,462　1,800　3,201　5,014　39,354　51,831

（注）年齢別人数については，平成17年度調査までの統計は手帳未所持者を含む。
　出典：「平成28年度福岡市障がい児・者等実態調査」（福岡市）

②　知的障がい児・者（【図表16】）
○2016年度（平成28年度）の知的障がい児・者数（療育手帳所持者数）は約1万1千人で，このうち，29歳以下が約5千8百人，30歳以上が約5千人であり，身体障がいに比べて29歳以下の占める割合が高く，全体の5割強を占めています。

【図表16】知的障がい児・者の年齢構成別の推移
　以下、年度、29歳以下、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上、計の順。
　1995（H7）　3,341　581　571　250　250　4,993
　2000（H12）　3,494　1,054　613　508　336　6,005
　2005（H17）　3,908　1,126　552　558　372　6,516
　2010（H22）　4,458　1,456　935　621　631　8,101
　2013（H25）　5,258　1,590　1,057　623　778　9,306
　2016（H28）　5,817　1,596　1,517　825　1,009　10,764

（注）年齢別人数については，平成17年度調査までの統計は手帳未所持者を含む。
　出典：「平成28年度福岡市障がい児・者等実態調査」（福岡市）

28ページ
③精神障がい児・者（【図表17】）
○2016年度（平成28年度）の精神障がい児・者数（精神障害者保健福祉手帳所持者数）は約1万3千人で，2007年度（平成19年度）と比較すると，すべての年代においておよそ2倍から3倍程度に増加しています。

【図表17】精神障がい児・者の年齢構成別の推移
　以下、年度、29歳以下、30歳代、40歳代、50歳代、60歳以上、計の順。
　2007（H19）　522　1,268　1,289　1,326　1,210　5,615
　2010（H22）　721　1,671　1,972　1,543　1,840　7,747
　2013（H25）　1,089　2,049　2,740　2,000　2,455　10,333
　2016（H28）　1,535　2,265　3,377　2,804　3,309　13,290

　出典：福岡市

29ページ
（5）福岡市の財政状況（【図表18，19】）
○福岡市の財源の使途が特定されない一般財源については，市税収入の増加等に伴い微増の傾向にありますが，扶助費（高齢者，障がいのある人，生活困窮者などに対して市が行う支援に要する経費）などの義務的経費が年々増加傾向にあります。
○福岡市の保健福祉費の予算額も年々増加を続けており，一般会計の約4分の1を占めるに至っています。

【図表18】一般財源の推移（当初予算ベース）
　以下、年度、一般財源総額、うち義務的経費（億円）、義務的経費の占める割合の順。
　2010（H22）　3,776　2,161　57.2
　2011（H23）　3,855　2,208　57.3
　2012（H24）　3,882　2,237　57.6
　2013（H25）　3,910　2,245　57.4
　2014（H26）　3,950　2,224　56.3
　2015（H27）　3,952　2,221　56.2
　2016（H28）　3,965　2,242　56.5
　2017（H29）　4,494　2,751　61.2
　2018（H30）　4,540　2,761　60.8
　2019（R1）　4,625　2,801　60.6

　出典：「平成31年度版　ふくおかしの家計簿」を基に作成（福岡市）

【図表19】当初予算額の推移
　以下、年度、一般会計予算額、保健福祉費予算額、一般会計に占める割合（％）、経常的経費、政策的経費の順。金額の単位は、億円。
　2011（H23）　7,662　1,723　22.5　1,672　51
　2012（H24）　7,662　1,813　23.7　1,763　50
　2013（H25）　7,596　1,881　24.8　1,835　46　
　2014（H26）　7,763　1,960　25.2　1,927　33
　2015（H27）　7,820　1,985　25.4　1,951　34
　2016（H28）　7,845　2,047　26.1　2,013　34
　2017（H29）　8,328　2,026　24.3　1,999　27
　2018（H30）　8,388　2,039　24.3　2,019　20
　2019（R1）　8,666　2,084　24.0　2,055　29

　出典：福岡市

30ページ
（6）生活保護世帯数の推移（【図表20】）
○2018年度（平成30年度）の生活保護世帯数及び保護費は，約3万4千世帯，約783億円となっています。2008年度（平成20年度）以降，雇用情勢の悪化に伴い生活保護世帯は急増していましたが，ここ数年は，ほぼ横ばいで推移しています。
○一方で，生活保護世帯数のうち，高齢者世帯数が特に増加傾向にあります。

【図表20】世帯類型別被保護世帯数と保護費の推移
　以下、年度、高齢者世帯、母子世帯、障がい者世帯、傷病者世帯、その他、計（百世帯）、保護費（億円）の順。
　2004（H16）　88　15　17　41　14　174　500
　2005（H17）　84　15　19　45　17　180　503
　2006（H18）　85　15　21　46　17　185　504
　2007（H19）　90　15　22　46　18　191　503
　2008（H20）　94　15　24　49　19　201　533
　2009（H21）　101　17　26　55　36　235　614　
　2010（H22）　109　19　28　61　57　274　703
　2011（H23）　115　21　30　65　64　295　750
　2012（H24）　122　23　32　68　66　311　784
　2013（H25）　131　23　34　66　66　320　795
　2014（H26）　140　23　35　64　64　325　804
　2015（H27）　150　23　35　60　63　331　812
　2016（H28）　157　21　35　58　62　333　795
　2017（H29）　165　20　37　54　59　335　797
　2018（H30）　170　19　38　49　58　335　783

（注1）世帯には停止中を含まない（現に保護を受けたもの）。
　出典：福岡市

31ページ
（7）医療費の推移（【図表21，22】）
○福岡市国民健康保険の一人当たり医療費は，2017年度（平成29年度）に33万2,313円となっており，年々増加しています。一方で，医療費総額は被保険者数の減により2016年度（平成28年度）以降減少傾向となっています。
○また，福岡市の後期高齢者医療制度の一人当たり医療費は，増減して推移する中，2017年度（平成29年度）は120万5,757円となっています。一方で，医療費総額は，被保険者数の増により年々増加し，2017年度（平成29年度）には，約1,758億円となっています。

【図表21】福岡市国民健康保険医療費の推移
　以下、年度、医療費総額（億円）、1人あたりの医療費の順。
　2009（H21）　1,046　293,812
　2010（H22）　1,073　297,441
　2011（H23）　1,107　303,628
　2012（H24）　1,120　306,738
　2013（H25）　1,133　310,803
　2014（H26）　1,142　317,322
　2015（H27）　1,154　326,932
　2016（H28）　1,134　331,232
　2017（H29）　1,100　332,313

　出典：福岡市

【図表22】福岡市後期高齢者医療費の推移
　以下、年度、医療費総額（億円）、1人あたりの医療費の順。
　2009（H21）　1,307　1,189,256
　2010（H22）　1,404　1,227,923
　2011（H23）　1,471　1,239,228
　2012（H24）　1,528　1,240,285
　2013（H25）　1,576　1,241,576
　2014（H26）　1,615　1,236,417
　2015（H27）　1,681　1,244,809
　2016（H28）　1,702　1,210,809
　2017（H29）　1,758　1,205,757

　出典：福岡市

32ページ
（8）医療費に占める生活習慣病の割合（【図表23】）
○福岡市の国民健康保険及び後期高齢者医療費の約4割を生活習慣病関連の疾患が占めています。
○悪性新生物（がん），心疾患，高血圧，糖尿病などの生活習慣病は，運動や食生活，休養，喫煙，飲酒などの生活習慣によってもたらされ，症状を自覚する頃にはかなり進行していることが多くなっています。一度発症してしまうと，治療をしても完治が難しかったり，後遺症を残してしまったりするケースも少なくありませんが，日常生活の中で，適度な運動，バランスの取れた食生活，禁煙など生活習慣の改善により，発症や重症化を予防することができるため，若い頃から生活習慣を見直し，改善することが重要です。

【図表23】福岡市医療費の内訳（国民健康保険及び後期高齢者医療費のみ）
　以下、項目、割合の順。
　悪性新生物　11.0
　循環器系の疾患　6.7
　高血圧性の疾患　5.1
　脳出血・脳血管の疾患　8.2
　糖尿病　2.9
　腎不全　5.1
　その他　61.0

　出典：福岡市（平成30年5月分）

（9）医療環境（【図表24】）
○福岡市は，人口10万人当たりの医療施設数が政令市の中でも上位であり，暮らしの身近なところに医療機関が存在している環境にあります。

【図表24】政令指定都市における人口10万対医療施設数（上位7位）
○病院
1位　熊本市　12.7
2位　札幌市　10.3
3位　北九州市　9.6
4位　岡山市　7.8
5位　福岡市　7.4
6位　神戸市　7.2
7位　広島市　7.0
（参考）
福岡県　9.0
全国　6.6
○一般診療所
1位　大阪市　125.8
2位　京都市　107.8
3位　神戸市　103.5
4位　北九州市　100.4
5位　福岡市　99.2
6位　広島市　98.4
7位　岡山市　95.7
（参考）
福岡県　91.4
全国　80.1
○歯科診療所
1位　大阪市　82.0
2位　北九州市　69.1
3位　福岡市　65.3
4位　名古屋市　62.8
5位　札幌市　62.6
6位　神戸市　61.4
7位　新潟市　61.3
（参考）
福岡県　60.6
全国　54.1

　出典：「平成29年医療施設調査」（厚生労働省）を基に作成

33ページ
第2章　市民の意識
　本計画を策定するにあたり，2018年度（平成30年度）から2019年度（令和元年度）にかけて，市民などを対象とした「保健福祉に関する意識調査」，「高齢者実態調査」，「障がい児・者実態調査」，「市民の健康づくり関するアンケート」を実施しました。各調査の特徴的な結果を次に記載します。

1　保健福祉に関する意識調査（実施時期：2018年度〔平成30年度〕）
○福岡市に居住する20歳以上の住民の保健福祉に関するご意見や日頃の暮らしや身近な地域について状況を収集・分析し，今後の保健福祉施策の向上に資することを目的に調査を実施しました。

（1）保健福祉の満足度
○保健福祉全体の満足度について，「満足」(5.1%)，「おおむね満足」(39.8%)をあわせた『満足している』人の割合は44.9%となっています。

【図表25】保健福祉全体の満足度
　以下、項目、割合の順。
　満足　5.1
　おおむね満足　39.8
　やや不満　15.6
　不満　5.0
　どちらでもない　32.6
　無回答　1.9
　（回答数：1,399）
　「満足」＋「おおむね満足」割合＝44.9％
　「やや不満」＋「不満」割合＝20.6％

出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

34ページ
○日ごろの暮らしの保健福祉について満足している内容の上位には，「健康づくり・介護予防の推進」（28.2%），「公共施設・公共交通機関のバリアフリー化」（26.1%），「医療体制・健康危機管理体制，生活環境の向上」（23.3%）が挙がっています。

【図表26】日ごろの暮らしの保健福祉について満足している内容
　回答数：1,399（複数回答）
　以下、項目、割合の順。
　特にない　38.6
　健康づくり・介護予防の推進　28.2
　公共施設・公共交通機関のバリアフリー化　26.1
　医療体制・健康機器管理体制、生活環境の向上　23.3
　誰もが住み慣れた地域で暮らせる居住環境の整備　17.7
　福祉サービス等の利用に関する情報提供・相談体制、生活の自立・経済的な自立の支援　17.2
　地域での支え合い　17.2
　社会参加活動の支援　16.4
　持続可能な社会保障制度の維持　12.1
　障がい特性等に配慮した総合的な支援　10.9
　認知症への対応　8.8
　社会的に弱い立場にある方々に対する差別解消への取組み　8.7
　権利擁護　6.4
　人材育成　5.0
　保健福祉分野におけるICT等の利活用　4.2
　無回答　1.8

　出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

35ページ
○一方で，不満を感じている内容については，満足している項目でも上位になった「公共施設・公共交通機関のバリアフリー化」（18.2%），「持続可能な社会保障制度の維持」（17.7%），「福祉サービス等の利用に関する情報提供・相談体制，生活の自立・経済的な自立の支援」（15.8％）及び「誰もが住み慣れた地域で暮らせる居住環境の整備」（15.8%）が挙がっています。

【図表27】日ごろの暮らしの保健福祉について不満を感じている内容
　回答数：1,399（複数回答）
　以下、項目、割合の順。
　特にない　39.8
　公共施設・公共交通機関のバリアフリー化　18.2
　持続可能な社会保障制度の維持　17.7
　福祉サービス等の利用に関する情報提供・相談体制、生活の自立・経済的な自立の支援　15.8
　誰もが住み慣れた地域で暮らせる居住環境の整備　15.8
　医療体制・健康機器管理体制、生活環境の向上　15.4
　認知症への対応　12.7
　人材育成　12.6
　地域での支え合い　12.2
　社会的に弱い立場にある方々に対する差別解消への取組み　11.0
　障がい特性等に配慮した総合的な支援　9.6
　権利擁護　9.4
　無回答　7.9
　保健福祉分野におけるICT等の利活用　7.4
　健康づくり・介護予防の推進　7.1
　社会参加活動の支援　5.7

　出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

36ページ
（2）行政に望むこと
○今後福岡市が力を入れていくべきと思う内容については，「持続可能な社会保障制度の維持」（38.9％）が最も多く，次いで「医療体制・健康危機管理体制，生活環境の向上」（37.0％），「福祉サービス等の利用に関する情報提供・相談体制，生活の自立・経済的な自立の支援」（34.2％）などとなっています。

【図表28】今後福岡市が力を入れていくべきと思う内容
　回答数：1,399（複数回答）
　以下、項目、割合の順。
　持続可能な社会保障制度の維持　38.9
　医療体制・健康機器管理体制、生活環境の向上　37.0
　福祉サービス等の利用に関する情報提供・相談体制、生活の自立・経済的な自立の支援　34.2
　誰もが住み慣れた地域で暮らせる居住環境の整備　31.8
　認知症への対応　30.5
　公共施設・公共交通機関のバリアフリー化　30.2
　健康づくり・介護予防の推進　26.1
　地域での支え合い　24.6
　人材育成　23.8
　障がい特性等に配慮した総合的な支援　20.3
　権利擁護　19.6
　社会参加活動の支援　19.2
　社会的に弱い立場にある方々に対する差別解消への取組み　18.1
　保健福祉分野におけるICT等の利活用　12.1
　特にない　10.0
　その他、無回答など　6.5

　出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

37ページ
（3）地域活動の参加状況と参加意向
○これまでに参加した地域活動の参加内容については，「参加したことはない」と答えた人の割合が44.0％となっており，参加したことがある人については，「地域清掃活動」（38.2％），「地域交流」（21.7％），「地域防犯活動」（13.7％）などが上位になっています。

【図表29】これまでに参加した地域活動の内容
　回答数：1,399（複数回答）
　以下、項目、割合の順。
　参加したことはない　44.0
　地域清掃活動　38.2
　地域交流　21.7
　地域防犯活動　13.7
　見守り・安否確認　10.7
　日常の話し相手　7.4
　ちょっとした力仕事　6.9
　悩みごとの相談相手　5.2
　健康づくり　5.1
　青少年の健全育成　4.2
　気軽に行ける自由な場所づくり　2.6
　買い物や通院などの支援　2.3
　日常的な家事支援　1.0
　その他、無回答など　4.8

　出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

38ページ
○これから参加してみたい地域活動の参加内容については，「参加しない」と答えた人の割合が28.2％となっている一方で，参加してみたいと思う人については，「地域清掃活動」（28.4％），「見守り・安否確認」（24.4％），「地域交流」（23.6％）などが上位になっています。

【図表30】これから参加してみたい地域活動の内容
　回答数：1,399（複数回答）
　以下、項目、割合の順。
　地域清掃活動　28.4
　参加しない　28.2
　見守り・安否確認　24.4
　地域交流　23.6
　健康づくり　18.7
　日常の話し相手　15.3
　気軽に行ける自由な場所づくり　13.9
　地域防犯活動　13.7
　ちょっとした力仕事　8.8
　悩みごとの相談相手　8.5
　買い物や通院などの支援　6.1
　青少年の健全育成　4.8
　日常的な家事支援　2.7
　その他、無回答など　5.3

　出典：「福岡市の保健福祉に関する意識調査報告書（令和元年度）」（福岡市）

39ページ
2　高齢者実態調査（実施時期：2019年度〔令和元年度〕）
【調査の目的】
○
・2019年度（令和元年度）に同調査を実施→2020年度（令和2年度）以降に記載

40ページ
3　障がい児・者等実態調査（実施時期：2019年〔令和元年〕）
【調査の目的】
○
・2019年度（令和元年度）に同調査を実施→2020年度（令和2年度）以降に記載

41ページ
4　市民の健康づくりに関するアンケート（実施時期：2019年〔令和元年〕）
【調査の目的】
○
・2019年度（令和元年度）に同調査を実施→2020年度（令和2年度）以降に記載

42ページ
第3章　前計画の振り返り

1　総論
（1）地域包括ケアの実現に向けた取組み
【主な取組み】
○誰もが住み慣れた地域で安心して生活を続けることができる「地域包括ケア」の実現に向け，地域ケア会議を開催し，地域や全市レベルなど各階層において，専門職や地域の関係者などが高齢者の個別支援の充実や，地域における地域課題への取組みについて検討し，実践につなげてきました。
○また，在宅医療と介護の連携体制構築のための取組みを進めました。
○さらに，在宅医療と介護の連携のためのICT を活用した情報通信基盤として，保健・医療・介護に関するビッグデータを一元的に集約・管理する「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」を構築し，地域ニーズや課題の“見える化”や医療・介護関係者等の負担軽減に取り組みました。
○加えて，高齢者人口の増加等の福祉・介護ニーズに対応するため，高齢者に関する健康や福祉，介護に関する相談窓口である「いきいきセンターふくおか」の体制強化，特別養護老人ホームや地域密着型サービスなどの基盤整備，介護人材の確保に向けた取組みを行いました。

【概要図】福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム
　図の説明。
　「福岡市地域包括ケア情報プラットフォーム」を中心に、「（1）データ集約システム（careBASE）」、「（2）データ分析システム（careVISION）」、「（3）在宅連携支援システム（careNOTE）」、「（4）情報提供システム（careINFO）」の4つが書かれています。
（1）データ集約システム（careBASE）：分析・共有・提供を実現するためのビッグデータを管理
（2）データ分析システム（careVISION）：エビデンスに基づく施策の企画・立案を支援
（3）在宅連携支援システム（careNOTE）：医療や介護事業者の負担を軽減しケアサービスの質を向上
（4）情報提供システム（careINFO）：生活していく上で必要となるサービスや資源を幅広く提供

【主な課題】
○市民一人ひとりが，その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう，自立支援や要介護状態の重度化防止により一層重点を置いた取組みを行っていく必要があります。
○また，住み慣れた自宅や介護施設等，本人や家族が望む場所で看取り介護を行うことができる体制を確保することも必要です。
○今後，在宅医療の需要が増加することが見込まれていますが，それに携わる医師の不足が懸念され，医療・介護関係者の連携体制や，在宅医療に関する市民の理解も十分とはいえません。
○いきいきセンターふくおかの職員や介護従事者など，地域包括ケアを支える人材を確保していく必要があります。
○いきいきセンターふくおかにおいては，個別相談対応では，複雑に絡み合う課題や困難事例に対応するための高度な支援技術が求められています。
○医療ニーズの高まりや，認知症高齢者，高齢者のみの世帯の増加等に伴い，介護ニーズの高度化・多様化に対応しうる介護人材の質的向上を図る必要があります。

43ページ
【図表31】地域包括ケアの姿
　図の説明。
　「住まい」を中心に、「介護が必要になったら・・・介護」（通所・入所）、「いつまでも元気に暮らすために・・・生活支援・介護予防」、「病気になったら・・・医療」（通院・入院）の3つの項目が書かれ、「住まい」と両向き矢印で結ばれています。
　また、「介護」と「医療」の間には、「相談・コーディネート等」（区保健福祉センター・地域包括支援センター・ケアマネジャー等）と書かれています。
※おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域（具体的にはおおむね中学校区）を単位として想定

（2）中間評価結果について
○2018年度（平成30年度）に実施した前計画の中間評価においては，全体的に概ね順調に進んでいるとの評価を得られた一方で，全分野共通課題として，「支援が必要な人を支える人材の確保」や「支援が必要な人の受け皿や住まいの確保」，「効果的な情報提供・啓発の実施」が挙げられています。

【図表32】3つの方向性に基づく成果指標の中間評価結果
①自立の促進と支援
　成果指標：健康寿命の延伸（厚生労働省が発表する「日常生活に制限のない期間」の推移）
　初期値：男性　70.38年　女性　71.93年（H22年度）
　現状値：男性　71.04年　女性　75.22年（H28年度）
　目標値：1年以上延伸（R2年度）
　中間評価（※1）：a
②地域で生活できる仕組みづくり
成果指標：地域での暮らしやすさ（※2）（高齢者：地域での支え合いにより，子育て家庭や高齢者が暮らしやすいまちだと感じる市民の割合）（障がい者：障がいのある人が暮らしやすいまちだと感じている市民の割合）
　初期値：高齢者　37.3％　障がい者　34.3％（H26年度）
　現状値：高齢者　40.6％　障がい者　35.6％（H29年度）
　目標値：高齢者　58％　障がい者　57％（R2年度）
　中間評価（※1）：b
③安全・安心のための社会環境整備
成果指標：安全・安心のための社会環境整備ができていると感じている市民の割合（※2）
　初期値：39.6％（H28年度）
　現状値：37.9％（H29年度）
　目標値：上昇（R2年度）
　中間評価（※1）：b

　（※1）a：順調に進んでいる，ｂ：現状維持，ｃ：指標が悪化している
　（※2）出典：福岡市基本計画の成果指標に関する意識調査
　資料：福岡市作成

44ページ
2　各論
（1）地域分野
【主な取組み】
○地域における絆づくりの取組みを支援するとともに，地域住民が気軽に立ち寄れる「ふれあいサロン」や「地域カフェ」など，人と人とのつながりを豊かにする様々な集いの場の立ち上げや運営を支援しました。
○社会福祉協議会や民生委員・児童委員，社会福祉法人等との連携を図るとともに，地域住民（ボランティア）や地域団体，関係機関が連携し，支援を必要とする高齢者や子育て家庭などを対象に，見守りや声かけ，定期訪問などを行う「ふれあいネットワーク」や，ライフライン事業者等の企業が参画する「福岡見守るっ隊」等の取組みを進め，重層的な見守り体制の構築を図りました。
○高齢者の地域における生活支援・介護予防活動の充実等を図るため，いきいきセンターや区社会福祉協議会への生活支援コーディネーターの配置を進めたほか，企業の登録制度など，地域活動への参加促進を図る取組みや，誰もが気軽に外出しやすいまちづくりの実現に向けベンチの設置等を進めました。
○高齢者や障がいのある人，児童に対する虐待防止，配偶者による暴力防止のための活動を行うとともに，成年後見制度利用に関する普及啓発活動の実施や，身寄りがなく判断能力が不十分な高齢者などの市長申立ての実施や市民後見人の養成など，市民の権利擁護の充実に向けた取組みを進めました。

【主な課題】
○身近な場所における地域活動の拠点づくりや，地域活動の担い手や民生委員・児童委員などの人材の確保が必要です。
○また，災害時の避難等に支援を要する人々への総合的な支援の仕組みづくりが必要です。
○さらに，地域の多様な主体による生活支援・介護予防活動の充実や関係者のネットワーク化等を進めるため，生活支援コーディネーターの配置をさらに推進していく必要があります。
○権利擁護に関する各種相談体制の充実が必要です。また，高齢者人口の増加とともに成年後見制度の利用を必要とする人の増加が見込まれることから，後見人の育成・確保のほか，相談から利用に至るまでの支援体制の強化，潜在的需要に応えるためのさらなる広報・啓発が必要です。

45ページ
（2）健康・医療分野
【主な取組み】
○健康寿命の延伸を図るため，ライフステージに応じた食育の推進や，ウォーキングをはじめとした気軽な運動の習慣化など市民の自主的な健康づくりを支援しました。また，特定健診に係る効果的な個別勧奨の実施や，科学的根拠に基づく保健指導ツールの導入などによる生活習慣病の早期発見・発症予防，重症化予防に取り組みました。
○健康で安全・安心な暮らしを享受できる社会の形成を目指し，在宅医療と介護の連携体制構築のための取組みを進め，多職種連携研修会，在宅医療・介護に関する市民向けの講座や，認知症サポート医の養成などの取組みを実施しました。
○特に，歯科口腔保健においては，口腔保健支援センターを核に，福岡市歯科口腔保健推進協議会の開催や各種歯科健診の実施など歯科口腔保健事業を総合的・効果的に推進しています。

【主な課題】
○食習慣や運動習慣の改善など市民の健康づくり活動を推進するため，健康に関心のない人や働く世代なども含めて「自然に」「楽しみながら」健康づくりに取り組める様々な仕組みづくりや，特定健診や各種がん検診等の受診率が依然として低い水準にあるため，受診率の向上を図ることが必要です。
○また，在宅医療・介護における関係者の連携体制の強化や市民への啓発が必要です。
○特に，歯科口腔保健においては，関係団体，機関と連携して，歯・口腔に対する市民の関心を高め，生涯にわたった歯・口腔の健康づくりを支援するための環境整備を進める必要があります。

（3）高齢者分野
【主な取組み】
○高齢者が意欲や能力に応じ，生きがいをもって活躍することができるよう生涯現役社会づくりをめざすイベント「アラカンフェスタ」などを開催するとともに，働きたい高齢者と企業の多様な雇用をマッチングする仕組みや環境をつくり，高齢者の就業を応援する「シニア活躍応援プロジェクト」を推進しました。
○また，介護予防の推進に向けて，よかトレ実践ステーションの創出・継続支援や生活支援サービスの充実強化に取り組みました。

46ページ
○さらに，住み慣れた地域で安心・安全に暮らことができるよう，支援が必要な人を支える介護人材の確保に向けた取組みを強化するとともに，認知症施策の推進に向けて，「認知症フレンドリーシティ・プロジェクト」として認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを推進しており，認知症コミュニケーションケア技法の普及や認知症カフェの開設促進などの取組みを実施しました。

【主な課題】
○高齢者の就業に向けて，引き続き，働きたい高齢者の支援や企業の雇用促進等に取り組み，高齢者と事業者のマッチングの拡大を図っていく必要があります。
○また，地域の実情に応じた買い物支援の実施や生活交通の確保が必要です。
○さらに，支援が必要な人を支える介護人材の確保に向けた取組みをより一層推進していく必要があります。
○認知症の人や家族に対する支援を充実するとともに，自分らしく暮らせるよう認知症とともに社会参加できる場の創出が必要です。

（4）障がい者分野
【主な取組み】
○障がいの重度化，高齢化や「親なき後」の生活の安心も見据え，障がい者やその家族が地域で安心して生活を続けられるよう，24時間の相談対応や緊急時の受け入れ・対応，地域の支援体制づくりなど，地域生活支援拠点機能の強化に取組みました。

【概要図】地域生活支援拠点機能
　図の説明。
　「地域の体制づくり」（コーディネーター）を中心に、「体験の機会・場」（日中活動サービス事業所）、「専門性」（グループホーム、障害者支援施設、基幹相談支援センター）、「緊急時の受け入れ」（短期入所）、「相談」（相談支援事業所）の4つの項目が書かれています。

○また，2018年度（平成30年度）には，「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」（以下「福岡市障がい者差別解消条例」という。）を公布・施行し，障がいを理由とする差別を解消するための取組みを推進しています。

【主な課題】
○障がい者の「親なき後」の生活を見据えた，地域生活支援拠点機能の充実や，グループホームの設置促進などの取組みをさらに進める必要があります。
○また，多様な相談に応じるため，関係機関との連携強化等，相談支援体制のさらなる充実が必要です。

47ページ
○さらに，障がい，障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解を深めてもらうため，市民や事業者などへの福岡市障がい者差別解消条例の周知を進める必要があります。

3　福岡100プロジェクトの推進
○保健福祉総合計画で示している基本理念や施策の方向性を，スピード感を持って具現化していくため，2017年度（平成29年度）から，人生100年時代の到来を見据え，誰もが心身ともに健康で自分らしく暮らせる持続可能な社会の実現に向けたプロジェクト「福岡100」をスタートさせました。
○「福岡100」では，健康・医療・介護だけでなく，住まいや地域づくり，働き方なども含めた広い意味でのまちづくりに産学官民オール福岡で取り組んでいくもので，2025年度（令和7年度）までに100のアクションを実施することを目標としています。
【これまでの取組み事例】
・保健・医療・介護等に関するビッグデータを一元的に集約・管理し，地域ニーズの見える化や医療・介護における多主体間の連携などを実現する「地域包括ケア情報プラットフォーム」
・産学官民の共働により，楽しみながら自然に健康になれる新たなサービスの普及を促進する「福岡ヘルス・ラボ」
・認知症コミュニケーション・ケア技法「ユマニチュード」の普及をはじめとする「認知症フレンドリーシティプロジェクト」
・かかりつけ医の機能強化のための「ICTを活用したオンライン問診・診察」の実証と国家戦略特区を活用した「遠隔服薬指導」
★福岡100特設ホームページ　http://100.city.fukuoka.lg.jp/

48ページ
第4章　健康福祉のまちづくりに向けて
○高齢化の進展により，要介護高齢者や認知症高齢者が増加するとともに，加齢により身体機能が低下した結果，転倒・骨折により身体に障がいを負う高齢者が増加します。高齢化は，身体障がい者数にもその影響が見られ，60歳以上の身体障がい者数は，身体障がい者全体の約8割を占めるに至っており，高齢化は今後も進みます。また，知的障がい者や精神障がい者が増加するとともに，親の世代も含めた高齢化が進みます。そのため，支援を要する人の家族や介護者へのメンタルヘルスも含めた支援もより重要となります。
○高齢者や障がい者などが増加することで，医療機関や介護施設などの受け皿の不足や，それぞれの状況に応じた住まいが必要になるとともに，福祉ニーズが多様化する中で，スポーツ・文化・レクリエーション活動等，社会参加支援や福祉サービスの充実も求められます。
○高齢化の進展などに伴い，災害時の避難等に支援を必要とする人も増加します。
○少子化の進展により現役世代の人口が減少することで，福祉人材などの働き手・支え手の供給が先細りし，地域社会を支える人材も不足します。
○将来の担い手となる子どもや若者が，心身ともに健やかに育ち，自分らしく生きていけるよう，また，それぞれの家庭が安心して子どもを生み育てられるよう地域や社会全体で支援する必要があります。
○高齢者の単独世帯や共働きの核家族の増加など，暮らし方や社会環境が大きく変化しています。このような中，昨今，社会問題となっているひきこもりをはじめとした社会的孤立など既存の支援制度だけでは対応が難しい社会課題が顕在化するとともに，介護，障がい，子育て，生活困窮など様々な分野に及ぶ，複雑化・複合化した課題が浮き彫りになっていることから，包括的な支援に向けた取組みが重要です。
○高齢者や障がいのある人，児童への虐待など，市民生活の様々な場面で人権が侵害される状況が生じているため，誰もが自分の意志でその人らしい生活を送ることができる尊厳のある暮らしの実現に向けた，権利擁護の取組みが重要です。
○年齢や性別，国籍，障がいの有無など，地域社会に暮らす人々の多様化が進む中で，誰もが安全・安心に暮らし続けることができる環境づくりが求められます。

○このように支援を必要とする人が増加し，支える人材が不足していく状況においても，持続可能な社会保障制度を維持し，本計画の基本理念である誰もが住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続けることができる社会を実現するためには，誰もが意欲や能力に応じて活躍できるための施策や，支援が必要な人を社会全体で支え合う施策の充実が今後ますます重要となります。

49ページ
　第2編　総論

50ページ
第2編　総論
　総論では，本計画でめざす基本理念と「2040年のあるべき姿」を示し，その実現のために取り組む「施策の方向性」を示しました。
　また，「2040年のあるべき姿」の実現に向けた取組みの担い手である市民・地域団体等・民間企業等・行政がどのような役割を果たすのかを整理するとともに，計画を評価していくための成果指標を設定しました。

第1部　計画がめざすもの
　第1部では，前計画に掲げた基本理念を本計画に継承することを示し，基本理念を踏まえた近い将来の具体的な目標像として，「2040年のあるべき姿」を示しました。

第1章　計画策定の基本理念
○前計画に掲げた福岡市福祉のまちづくり条例に基づく基本理念は，今日でも普遍性を持つものであるため，本計画でも継承します。

基本理念
　『市民が自立し,かつ相互に連携して支え合うという精神のもとに,高齢者や障がいのある人をはじめすべての市民が一人の人間として尊重され,住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続けることができるハード・ソフト両面に調和のとれた健康福祉のまちづくり』
　※総論（基本理念や施策の方向性等）に記載する「自立」については，支援を受けながらも自分で考えて行動できることを指す「自律」の意味も含めています。

福岡市福祉のまちづくり条例
（基本理念）
第2条　福祉のまちづくりは,市民が自立し,及び相互に連携して支え合うという精神のもとに,次の各号に掲げる社会の実現を目指すことを基本理念として行うものとする。
（1）すべての市民が個人として尊重される社会
（2）すべての市民が生きがいをもてる社会
（3）すべての市民が地域での生活を保障される社会
（4）すべての市民が相互に支え合い連携する社会
（5）すべての市民が安全かつ快適に生活できる社会
（6）すべての市民が福祉のまちづくりに参加する社会
（7）すべての市民が積極的に福祉の国際交流を行う社会

51ページ
第2章　福岡市がめざす目標像
１　2040年にもたらされる状況
（１）客観的な事実に基づく予測
○福岡市では，高齢者１人に対する生産年齢人口の人数は，1975年（昭和50年）の11.6人から，2040年（令和22年）には1.9人に減少し，社会保障制度の需給バランスが大きく変わっていきます。

【図表33】高齢者人口と生産年齢人口のバランスの変化
　1975年（昭和50年）：65歳以上1人に対して，15～64歳は11.6人
　2025年（令和7年）：65歳以上1人に対して，15～64歳は2.5人
　2040年（令和22年）：65歳以上1人に対して，15～64歳は1.9人

　出典：1975年（昭和50年）は「国勢調査（昭和50年）」（総理府），2025年（令和７年）以降は「福岡市の将来人口推計（平成24年3月）」を基に保健福祉局で作成（福岡市）
　
【図表34】人口構造の変化

【1975年（昭和50年）】
　全体人口：100.2万人（①高齢者人口（65歳以上）：6万人　②生産年齢人口（15～64歳）：70.4万人　③年少人口（14歳以下）：23.6万人）　※年齢不詳は除く

　以下、年齢、男性人数（人）、女性人数（人）の順。
　0～4歳　47,872　45,379
　5～9歳　40,041　37,845
　10～14歳　33,221　31,837
　15～19歳　41,586　35,067
　20～24歳　58,596　49,631
　25～29歳　53,717　57,505
　30～34歳　42,153　45,279
　35～39歳　36,436　39,868
　40～44歳　35,090　36,707
　45～49歳　28,989　31,251
　50～54歳　20,505　25,798
　55～59歳　15,355　19,743
　60～64歳　13,729　17,351
　65～69歳　10,827　13,416
　70～74歳　7,458　9,877
　75～79歳　4,355　6,568
　80～84歳　2,033　3,528
　85～89歳　552　1,338
　90～94歳　119　337
　95歳～　10　54

【2025年（令和7年）】
　全体人口：159.2万人（①高齢者人口（65歳以上）：39.5万人　②生産年齢人口（15～64歳）：99.6万人　③年少人口（14歳以下）：20.1万人）

　以下、年齢、男性人数（人）、女性人数（人）の順。
　0～4歳　32,508　30,788
　5～9歳　34,561　32,659
　10～14歳　36,297　34,474
　15～19歳　36,156　34,849
　20～24歳　39,845　40,987
　25～29歳　42,349　48,483
　30～34歳　47,841　54,703
　35～39歳　51,378　58,861
　40～44歳　48,348　57,017
　45～49歳　53,829　60,647
　50～54歳　59,194　64,994
　55～59歳　50,164　55,215
　60～64歳　43,122　47,530
　65～69歳　38,559　43,252
　70～74歳　39,545　46,362
　75～79歳　39,125　49,577
　80～84歳　23,700　35,400
　85～89歳　14,500　26,800
　90～94歳　7,500　18,100
　95歳～　2,700　10,300

【2040年（令和22年）】
　全体人口：160.1万人（①高齢者人口（65歳以上）：49.7万人　②生産年齢人口（15～64歳）：93.7万人　③年少人口（14歳以下）：16.8万人）

　以下、年齢、男性人数（人）、女性人数（人）の順。
　0～4歳　28,116　26,628
　5～9歳　28,146　26,617
　10～14歳　29,971　28,472
　15～19歳　34,480　33,223
　20～24歳　41,453　42,280
　25～29歳　45,017　49,456
　30～34歳　41,647　46,265
　35～39歳　40,529　45,419
　40～44歳　41,322　48,197
　45～49歳　47,393　54,974
　50～54歳　50,930　59,387
　55～59歳　47,259　56,868
　60～64歳　51,109　59,376
　65～69歳　54,130　62,745
　70～74歳　43,791　52,546
　75～79歳　35,158　44,142
　80～84歳　28,100　38,100
　85～89歳　23,400　37,000
　90～94歳　16,400　33,000
　95歳～　6,800　21,400

　出典：1975（昭和50年）：昭和50年国勢調査（総理府）を基に保健福祉局で作成
　　　　2025（令和7年）以降：福岡市の将来推計人口（平成24年3月）[福岡市]

52ページ
○また，要介護認定者数や認知症の人の数，高齢者の単独世帯数が2015年（平成27年）から2040年（令和22年）で2倍以上に増加するとともに，障がい者数や生活保護世帯数のうち高齢者世帯数も増加する見込みです。そのため，医療費や介護費などの社会保障費も大幅に増加していきます。
○さらに，暮らし方や地域や家庭のあり方の多様化などにより，いわゆるダブルケアなどの複雑化・複合化した課題を抱える人や，ひきこもりなど既存の制度だけでは対応が難しい課題を抱える人，介護は必要ないが日常生活におけるちょっとした困り事を抱える高齢者なども増えていくため，福祉ニーズが多様化していきます。
○このように2040年（令和22年）は，高齢化と人口減少が進行し，社会保障制度の需給バランスの維持が危機的状況に陥る可能性があるとともに，地域で暮らす人々の暮らし方や家庭のあり方が多様化し，日常生活や経済面における個人や世帯ごとに異なる課題や，健康格差，所得格差などの様々な格差が生じることが見込まれています。
○このような危機的状況を少しでも回避し，地域で安心して暮らし続けるための制度や仕組みの持続可能性を高めるためには，様々な主体が一体となって，地域の実情にあった共生の仕組みを早い段階から構築していくことが必要です。

（2）将来的に見込まれる要素
○保健・福祉・医療に関する情報を一元的に集約したデータの分析や，エビデンス※（科学的根拠）の蓄積・活用が進み，より効果的な施策の企画・実施・評価が行われるとともに，ICT（情報通信技術）の利活用により，医療・介護関係者や地域住民間で適切な情報共有が図られ，個々人の状態にあった質の高い医療・介護サービスが，より切れ目なく効果的・効率的に提供されることが見込まれます。（※P54コラムを参照）
○また，AIやIoT，ロボットなどに加え，医療現場におけるAR（拡張現実）やVR（仮想現実）などの様々な最新技術の進展により，高齢者や障がいのある人などの支援に活用されていることが予測されます。
○医療・介護分野での外国人の受け入れや，医療・介護サービスや関連する産業を他の国々に展開していく取組みの進展が予測されます。
○世界で最も早く超高齢社会に突入した我が国における福祉のあり方は，急激なスピードで高齢化が進むアジア諸国のモデルとして注目され，アジアのリーダー都市をめざす福岡市においても，アジア諸国とその取組みや経験を共有し学び合っていることが期待されます。

53ページ
【図表35】先端技術が溶け込んだ2040年の社会における健康・医療・介護のイメージ
不安要素：地方部では，さらなる人口減少に伴って担い手不足も深刻化するため，医療・介護へのアクセスが困難になるおそれ。
先端技術が溶け込んだ2040年の社会における健康・医療・介護のイメージ
・住む場所やライフスタイルに関わらず，必要十分な医療・介護にアクセスできる。誰もが役割を担うことができる。
・例えば，離島で医療者の数が少ない場合でも，ローコストなモニタリングにより，急変を未然に防げる。そのうえ，何かあってもコミュニティと医療機関に知らせることで，医療者が到着するまでの間に，救急ドローンと隣人が到着し，応急処置できる。

不安要素：都市部への人口集中がさらに進み，医療・介護需要が爆発的に増加するため，供給が間に合わないおそれ。
先端技術が溶け込んだ2040年の社会における健康・医療・介護のイメージ
・医療・介護リソースの多寡に関わらず，専門職が人と向き合う仕事に集中し，価値を届ける事に専念できる。
・例えば，生活支援ロボットや，見守りセンサーネットワークによって，介護士は，要介護者とのコミュニケーションや，その人のよりよい生き方の支援に時間を使うことができる。

不安要素：人々の価値観が多様になり，社会の流動性も高まる中，自分が望む生き方を実現するために，どのような健康の選択肢があるか不明確。
先端技術が溶け込んだ2040年の社会における健康・医療・介護のイメージ
・日々の生活のあらゆる導線に，無意識に健康に導くような仕掛けが埋め込まれている。
・例えば，歩くだけで健康になる街，住むだけで健康になる住宅。
・ゆっくりと歩くことのできるレーンがある道路など，誰にとってもやさしい環境整備がされることで，足腰が弱くなっても安心して出かけることができ，自分の望む生き方ができる。

不安要素：ライフステージにおける変化に対して心身が対応できず，一度「自分はもう終わりだ」と思ってしまうと，そのまま社会の中で置いていかれてしまいかねない。
先端技術が溶け込んだ2040年の社会における健康・医療・介護のイメージ
・心身機能が衰えても，技術やコミュニティによりエンパワーされ，一人ひとりの「できる」が引き出される。
・例えば，年老いて体の動きが悪くなっても，アシストスーツによって，孫と一緒に遊ぶことができる。認知症の人も，体が動かない人も，人工知能やロボット等のテクノロジーの助けを借りて，社会参画することができる。

　出典：「未来イノベーションワーキング・グループ 中間とりまとめ（厚労省）」資料を基に保健福祉局が作成

54ページ
コラム：エビデンスの活用について
○エビデンスとは施策の効果があることを示す科学的根拠や検証結果であり，ピラミッドの上層であればあるほど，より信頼性が高くなっています。
○少子高齢化の進展や厳しい財政状況に直面する中で，市民にとって必要度の高い事業を実施するためには，限りある資源を最大限に活用し，健康寿命の延伸など具体的な成果を得られる施策を展開する必要があります。
○そのためには，より信頼性の高いエビデンスを，できる限り収集・活用して施策を行っていくことが効果的です。

エビデンスのピラミッド
　図の説明。
　ピラミッドの下から上へ行くほど信頼性が高くなっています。ピラミッドに書かれた項目を下から順に記します。
　権威の意見や理論・動物実験
　事例報告
　調査データの分析
　ランダム化比較実験
　系統的レビュー

＜3つの視点・施策の方向性に関連するエビデンスの例＞
　視点・方向性、エビデンス、調査の概要と結果の順。
（1）年4回以上の「サロン※」への参加で、認知症リスクが3割減少（2017年1月No095‐16‐25）：年4回以上のサロン参加は認知症リスクを3割低下させることが分かった。サロンを設置し、軽い体操やおしゃべり、すごろくなどのゲームに参加してもらうことが認知症の予防に結びつくことが示された。
※サロン：介護予防を目的に設置された交流の場
（2）地域活動に参加する人が多い地域では抑うつ傾向になる人が少ない（2019年1月No158‐18‐21）：地域の会・グループに参加している人の割合が6％多くなると、その後3年間で抑うつ傾向になる人が6～7％減少した。地域の市民活動を促進する環境整備が、高齢者の孤立を防ぎ、抑うつなどを予防できると考えられる。
（3）歩きやすさを考慮した道路のリニューアルにより、住民の徒歩移動が増加：リニューアルした道路の近隣住民において、リニューアル前と比べ、通勤時徒歩移動の割合が25％→35％、非通勤時徒歩移動の割合が36％→50％に増加した。
※エビデンスのピラミッド
「保健福祉局事業評価ガイドライン（平成30年度）」より抜粋
（「Ackley,　B.　J.,　Swan,　B.　A.,　Ladwig,　G.,　&　Tucker,　S.　(2008).　Evidence-basednursing　care　guidelines:Medical-surgical　interventions.(p.7).」，「Greenhalgh,Trisha.How　to　Read　a　Paper:the　Basics　of　Evidence　BasedMedicine<ttp://library.lvc.edu/uhtbin/cgisirsi.exe/x/0/0/5?searchdata1=0727915789>.London:BMJ,2000.」，「Glover,　Jan;　Izzo,　David;Odato,　Karen　&　Lei　Wang.　EBM　Pyramid<ttp://www.ebmpyramid.org/>.　Dartmouth　University/Yale　University.　2006.」を基にDVSHLコンソーシアムが作成）
※エビデンスの事例
・（1）～（2）：一般財団法人日本老年学的評価研究機構（JAGES)　プレスリリース資料より抜粋
・（3）：平成30年度保健福祉局調査報告書（「今後における健康づくり施策への提言」）より抜粋
（「B. B. Brown et al., “A Complete Street Intervention for Walking to Transit, Nontransit Walking, and Bicycling: A Quasi-Experimental Demonstration of Increased Use.”J. Phys. Act. Health, vol. 13, no. 11, pp. 1210?1219, 2016.」を基にDVSHLコンソーシアムが作成）

55ページ
２　2040年のあるべき姿
○基本理念やここまで述べてきた様々な観点を踏まえ，本計画では，「団塊ジュニア世代」全員が65歳以上を迎え，約3人に1人が高齢者となる2040年（令和22年）を見据え，「地域共生社会の実現」および「2040年のあるべき姿」を次のとおり示します。

＜地域共生社会の実現＞
○前計画においては，誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために，病気になったり介護が必要になっても，地域において，医療や介護，生活支援などが一体的に切れ目なく提供される「地域包括ケア」の実現をめざし，多職種連携や地域ケア会議による地域課題の発見及びその解決に向けた検討などを進めてきました。
○一方で，全国的に，さらなる少子高齢化や人口減少の進展により，地域・家庭・職場という人々の生活領域における支え合いの基盤が弱まっている中で，昨今，「社会的孤立」など既存の支援制度だけでは対応が困難な社会課題が顕在化するとともに，介護・障がい・子育て・生活困窮などの分野で「複雑化・複合化」した課題などが浮き彫りになっています。
○このような社会状況の変化や「地域包括ケア」の理念を普遍化するという国の方針を踏まえ，本計画でも，高齢者・障がい者・子どもなど地域で暮らすすべての人が住み慣れた地域で安心して暮らし，生きがいを共に創り，高め合うことができる「地域共生社会」の実現をめざします。

【図表36】地域共生社会とは
◆制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が『我が事』として参画し,人と人,人と資源が世代や分野を超えて『丸ごと』つながることで,住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会
　以下、図の説明。
○支え・支えられる関係の循環～誰もが役割と生きがいを持つ社会の醸成
　居場所づくり。社会とのつながり。多様性を尊重し包摂する地域文化。←→生きがいづくり。安心感ある暮らし。健康づくり、介護予防。ワークライフバランス。
○地域における人と資源の循環～地域社会の持続的発展の実現
　「すべての人の生活の基盤としての地域」と「すべての社会・経済活動の基盤としての地域（農林、環境、産業、交通・・・）」の間に、社会経済の担い手排出。地域資源の有効活用、雇用創出等による経済価値の創出。←→就労や社会参加の場や機会の提供。多様な主体による、暮らしへの支援への参画。と書かれている。
　出典：「第1回　地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会（厚労省）」資料より抜粋

56ページ
＜2040年のあるべき姿＞
①いつまでも健康で生きがいを持ちながら活躍できる社会
○市民がそれぞれのライフステージに応じた健康づくりや生活習慣の改善を実践し，社会全体で健康寿命の延伸に取り組み，誰もが健康で生きがいを持ちながら地域社会で活躍しています。
②様々な主体がともに関わり合い,地域課題の解決に向け,力を発揮できる社会
○地域全体で課題を共有し，様々な主体がその解決に向けて互いに助け合っています。民間企業などもそれぞれの特色を活かし，市民生活を支えるため，積極的に社会貢献を行っています。
③福祉におけるアジアのモデルとなる社会
○高齢者や障がいのある人をはじめ，支援が必要な誰もが安心して地域で自立した暮らしを営める社会づくりを進め，高齢化が進むアジアの国々のモデルとなっています。

57ページ
第2部　施策の基本的方針
　第2部では，本計画でめざす「2040年のあるべき姿」を実現するために必要な視点と取り組む施策の方向性を示しました。
　また，市民・地域団体等・民間企業等・行政の役割をそれぞれ整理し，総論の最後に，計画を評価するための成果指標を設定しました。

第1章　施策の方向性
1　基本的な考え方
○福岡市は超高齢社会の進展や社会構造の変化により，支援を必要とする人の増加と支え手の不足，地域課題の複合化・複雑化など，様々な課題に直面しています。また，今後も人口構造や社会環境の変化がますます進んでいくと考えられ，このままでは保健医療・福祉サービスの需給バランスや社会保障制度そのものの維持が困難となるおそれがあります。
○一方で，現在，市民の平均寿命が延びるとともに，高齢者の体力・運動能力や60歳以上の人の社会参加意欲が向上傾向にあるなど，従来の高齢者像が大きく変わりつつあり，これまで支援される側と捉えられがちだった人たちも，それぞれのできる範囲で活躍できる場面が見られるようになっています。
○これらの状況を踏まえ，「2040年のあるべき姿」を実現するためには，限りある資源を有効に活用しながら，市民一人ひとりをはじめとして，行政や民間企業などの様々な主体が柔軟に対応し，時代に応じた，人生100年時代を見据えた持続可能な制度や仕組みを構築する必要があります。
○そのため，年齢等を条件に一律に「支えられる側」として施策を実施するのではなく，年齢や性別などに関わらず，誰もが生涯にわたって生きがいを持ち，意欲や能力に応じて役割を持って活躍するための施策や，支援が必要な人を社会全体で支え合う施策など，「支え合う福祉」に重点を置いた施策を推進します。
○また，施策の推進にあたっては，行政だけでなく市民・企業・大学など，幅広い主体の参画を得ながら，その新たな発想や手法を取り入れるとともに，最新技術やエビデンス・データなどを積極的に収集・活用し，より効果的に施策を推進します。
○こうした「支え合う福祉」をはじめ，最新技術・エビデンス等を活用した施策の内容や効果については，情報を整理し，高齢化問題に取り組むアジアの国々と共有し，学び合うことが重要です。
○なお，国の動きに留意しながら，国民健康保険や介護保険，国民年金，生活保護などの社会保障制度を適切に運営するとともに，医療体制の確保や各種感染症対策の実施，公衆衛生の向上などの基盤整備を進めます。

58ページ
2　支え合う福祉の充実
○「1　基本的な考え方」を踏まえ，本計画の基本理念及び「2040年のあるべき姿」を実現するため，次の「ひとづくり・しくみづくり・まちづくり」を柱として「支え合う福祉」の充実を図ります。
①誰もが意欲や能力に応じて役割を持ったり様々な活動に取り組めるよう支援する“ひとづくり”
②支援が必要になっても地域で暮らし続けることができる仕組みをつくる“しくみづくり”
③ユニバーサルデザインの視点に立った誰もが共生しているまちづくりを進める“まちづくり”

○この「支え合う福祉」の3つの柱に基づき，本計画における施策の実施に向けた視点と施策の方向性を定めます。

◆◆◆支え合う福祉の充実◆◆◆
「2040年のあるべき姿」を実現するために，従来の「支える側」と「支えられる側」という枠組みに捉われることなく，誰もが様々な場面でできる範囲で担い手として活躍できる機会をつくり，支援が必要な人を社会全体で支え合うことができる「支え合う福祉」に重点を置いた施策を推進します。

　図の説明。
　「ひとづくり」「しくみづくり」「まちづくり」と書かれた円が重なっており、その3つの円が重なった部分に「支え合う福祉」と書かれています。それぞれの内容は以下の通りです。
　ひとづくり：誰もが意欲や能力に応じて役割を持ったり様々な活動に取り組めるよう支援する
　しくみづくり：支援が必要になっても地域で暮らし続けることができる仕組みをつくる
　まちづくり：ユニバーサルデザインの視点に立った誰もが共生しているまちづくりを進める

59ページ
ひとづくり　～誰もが意欲や能力に応じて役割を持ったり様々な活動に取り組めるよう支援する～
視点
○「健康」とは，WHO（世界保健機構）によると，「病気でないとか，弱っていないということではなく，肉体的にも，精神的にも，そして社会的にも，すべてが満たされた状態にあること」と定義されています。
○誰もがいつまでも健康で住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続け，望ましい最期を迎えるためには，市民一人ひとりが若い頃からの健康づくりへの取り組み方，ワーク・ライフ・バランスを意識した働き方，隣近所や様々な地域団体をはじめとした地域との関わり方，定年後に役割を持つなど生きがいを感じられる人生の過ごし方，人生最期の迎え方など，様々な場面での望ましいあり方を考え，選択する必要があります。
○また，少子高齢化の進展に伴う，医療・介護などの様々な分野における働き手・支え手の不足や福祉ニーズの多様化に対応するため，地域社会において支援が必要な人を支える人材の確保に向けた取組みが必要です。

施策の方向性
○市民一人ひとりがそれぞれの意欲や能力に応じて自立し，生きがいを持ちながら，人生の最期まで安心して暮らすことができるよう，若い頃からの健康づくりや介護予防，社会参加活動，地域活動等の取組みを支援します。
○これらの取組みにあたっては，行政・民間企業・大学等が連携し，エビデンス（科学的根拠）やデータも活用しながら，健康に対して関心のない層も含めた市民の行動変容を促すための意識啓発や情報・サービスの提供を行います。
○子どものころから，高齢者や障がいのある人，認知症の人，外国人など支援が必要な人と関わり合う機会や学ぶ機会を設けることにより，共に生きる心を育み，支え合う意識の醸成を図るとともに，外国人を含めた保健医療・福祉分野の専門職の人材育成などを進め，支援が必要な人を支える人材の確保につなげます。
○民間企業や介護・福祉施設などにおいて，メンタルヘルスも含め人材が活動しやすい環境を整備するなど，担い手が活動しやすいよう社会全体で支援します。

60ページ
しくみづくり　～支援が必要になっても地域で暮らし続けることができる仕組みをつくる～
視点
○人口構造や社会環境の変化により，ひきこもりなどの従来の社会保障制度だけでは対応が困難な社会課題が顕在化するとともに，ダブルケアなど，様々な分野で複雑化・複合化した課題など，これまでに経験したことのない新たな課題が顕在化しており，こういった課題に対応していくための支援の方法を検討し，時代の変化に応じた新たな仕組みづくりを行うことが必要です。
○例えば，これまでの対象者ごとやライフステージごとの支援の仕組みに加え，地域における住民同士の支え合い・助け合いの仕組みや，関係機関や多職種の連携等の仕組みを構築していくことで，切れ目のない包括的な支援を可能にします。
○そのうち，地域における住民同士の支え合い・助け合いの仕組みの構築にあたっては，市民のつながりの強化が重要です。それにより，地域づくりの分野だけでなく，健康や教育，防災，治安などの分野においても良い影響が期待されます。
○また，より効果的な支援を行うため，最新技術やあらゆる社会資源の活用，専門知識や技術を地域社会で役立てるボランティア活動の推進などを図る必要があります。

施策の方向性
○関係機関や多職種の連携を推進し，地域課題の相談体制の充実など，包括的な支援体制の構築に向けた取組みを進めます。
○災害時の避難等に支援を要する人々への総合的な支援の充実に向けた取組みを進めます。
○介護者や支援を行う者が，障がいのある人，認知症の人，外国人などとより意思疎通が行いやすい仕組みづくりを進めます。
○障がいのある人のうち，特に女性が相談しやすい仕組みづくりとなるよう配慮が必要です。
○世代を超えた住民同士の交流を促進し地域のつながりの強化を図ることや地域活動の担い手の確保に向けた支援に加え，社会福祉法人や民間企業・大学等の多様な主体が連携することなどにより，様々な形で助け合い・支え合い活動が推進される仕組みづくりを進めます。
○AI，IoT，ロボットなどの最新技術のほか，福祉人材などの専門職や，民間企業，大学等の専門知識や専門技術など，あらゆる社会資源を活用した支援の仕組みづくりを進めます。
○アジア諸国と医療・介護・福祉分野での経験を共有し，介護人材をはじめとする福祉人材が還流する仕組みづくりを進めるなど，アジアのモデル都市をめざして，高齢化に伴う様々な課題に対して共に取り組みます。

61ページ
まちづくり　～ユニバーサルデザインの視点に立った誰もが共生しているまちづくりを進める～
視点
○年齢や性別，国籍，障がいの有無など，地域社会に暮らす人々の多様化が進む社会状況を踏まえると，ユニバーサルデザインの理念に基づく取組みを進めることにより，様々な障壁を取り除き，誰もが相互に人格と個性を尊重し合いながら共生しているまちづくりをさらに推進することが必要です。
○また，まちづくりは健康づくりを推進するうえでも重要です。例えば，日々の生活において健康づくりを後回しにする人に対しては，従来の健康に関する意識啓発や支援だけでなく，歩きやすい歩道の整備を行うことで市民の身体活動量を自然と増やす取組みなど，本人が無理なく意識せずに健康になる行動を取れるような環境づくりを行うことが効果的です。
○その環境づくりのためには，保健福祉施策による基盤整備だけではなく，住まいや地域づくり，働き方など，市民生活を取り巻くあらゆる分野を含む，広い意味でのまちづくりとして取り組むことが必要です。

施策の方向性
○ユニバーサルデザインの理念に基づき，ハード・ソフトの両面からバリアフリー化を推進し，施設や設備，サービス，制度，情報などがより利用しやすい
環境づくりを進めることや，居住の安定確保を図ることなど，高齢者や障がいのある人をはじめ誰もが安全・安心な生活を送るためのまちづくりを進めます。
○また，健康に対して関心のない層も含めた健康づくり・介護予防を推進するため，保健福祉分野だけでなく，住まいや地域づくり，働き方などの分野も含めて，各局区等がより連携し取り組むとともに，民間企業・大学等とも連携しながら，「暮らしの中で自然と健康になるまち」づくりを進めます。

62ページ
第2章　担い手のあるべき姿
1　担い手の役割
(1)市民
○いつまでも元気で自立した生活を送り，自らが望むライフスタイルを構築することができるよう，健康づくりへの取り組み方や働き方，地域との関わり方，定年後の人生の過ごし方，人生最期の迎え方など，様々な場面において望ましいあり方を考え，選択します。
○特に，運動・食生活・休養など生活習慣を改善するほか，定期的な健康診断やがん検診の受診など，若い頃から自身の健康づくりを心掛けるとともに，いつまでも生きがいをもって活躍できるよう，学び直しの機会などを活用します。
○また，ある場面では支援を受ける立場であっても，別の場面では意欲や能力に応じて支援を行ったり，主体的に地域福祉活動等に参加したり就業したりするなど，お互いに支え合い，助け合います。

(2)地域団体等
○住民に最も身近な自治組織である自治会・町内会をはじめ，校区を運営していく住民自治組織である自治協議会や，地域福祉活動に取り組む校区社会福祉協議会，地域住民からの相談に応じて必要な援助を行う民生委員・児童委員，老人クラブ，PTAなどの地域の任意団体やNPO，ボランティアなどの様々な主体が，支援が必要な人がみな住み慣れた地域で安心して暮らせるように連携します。

(3)民間企業等
○地域において市民の健康づくりや生活上の課題を抱えた人などを幅広く支えていくため，地域社会を構成する一員として，企業や社会福祉法人などの法人も，それぞれの専門性や先進的なアイディア，技術などを生かして活動を行うとともに社会的責任を果たします。
○地域活動の多くを担っている高齢者だけでなく，働いている世代の参加を促進するため，民間企業や法人においては企業・法人活動を行うだけでなく，社員の地域活動への参加を支援し，地域と共存していく役割を果たします。また，支援を受けた社員はその知識や能力を地域社会に活用することが望まれます。
○さらに，保健福祉分野のあらゆるニーズに対し，民間企業をはじめ，大学・研究機関等が新たな発想や手法・アイデアなどを市民・地域へ提供することで，様々な課題解決が図られることが期待されます。

63ページ
○また，医療・介護・福祉関係者をはじめその他の分野においても，ロボットなどの最新技術の活用などにより，効率的・効果的な体制を整え，サービスの質の向上を図ることが望まれるとともに，介護・福祉施設においては，市民の在宅生活を支援する施設として，地域に開かれた住民福祉の拠点となっていくことが期待されます。

(4)行政
○保健福祉施策を推進していくため，保健福祉分野以外の分野も含めた情報の共有や課題解決に向けた方策の検討などを，保健福祉局を中心として各局区等がより連携して行います。さらに，これらの取組みを加速させるため，市民や民間企業等の新たな発想や手法なども取り入れながら，健康・医療・介護だけでなく，住まいや地域づくり，働き方なども含めた広い意味でのまちづくりに，産学官民オール福岡で取り組みます。
○より多くの市民が自分ごととして，また，意欲や能力に応じて健康づくりや社会参加活動，地域課題解決に向けた取組み等が行えるよう支援するとともに，地域に必要な人材の育成や，情報格差に配慮した効果的な広報・啓発などを実施します。
○さらに，地域において課題を抱えた人について，地域住民等が適切にその課題を把握し，関係機関と連携しながら課題解決が行えるよう，総合的に相談に応じ，関係機関と連絡調整等を行う包括的な支援体制の構築に向け，誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりを進めます。

２　担い手の創出
○支援を必要とする人の増加や福祉ニーズの多様化などを踏まえ，引き続き，保健医療・福祉分野の専門職や地域活動の担い手などの人材確保につながるよう，支援を行います。
○また，認知症の人や障がいのある人など，支援される側と捉えられがちな人たちも，できる範囲で様々な担い手となることができ，また，高齢者の体力・運動能力や60歳以上の人の社会参加意欲が向上傾向にあります。これらを踏まえ，従来の「支える側」と「支えられる側」とを固定化して捉えず，誰もが様々な場面に応じてできる範囲で担い手として活躍できる機会をつくり，社会全体で支え合うことができる「支え合う福祉」の充実を図ります。

64ページ
3　担い手の共働
○「支え合う福祉」を充実し，誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる社会を実現するためには，行政だけでなく，地域の住民はもちろん，事業者やＮＰＯ，ボランティアなど地域社会を構成する多様な主体が，様々な取組みを主体的に実践していくとともに，相互に連携を図り，共働していくことが必要です。
○そのため，それぞれの主体の取組みに関する情報発信に努めるとともに，地域課題を把握し，その解決に向けた多様な主体の共働について，それぞれの主体の持つ強みや得意分野を生かしながら推進します。

【図表37】誰もが支え合う関係づくり
　図の説明。
　「市民」を中心に、「行政」、「地域団体等」、「民間企業等」の4つの主体それぞれがその他のすべての主体と両向き矢印で結ばれています。


第3章　成果指標
　検討中