(ナレーション) 愛する人が突然認知症に、あなたはその時どうしますか。 [画面:画面左中央にハリー杉山と父親がベッドの上で顔を向き合わせている写真があり、画面右中央に斉藤ふみと父親が笑顔を浮かべながら並んでいる写真が表示されている。 画面左上に、ナレーター宮本啓丞の文字が表示されている。画面右下に、突然、愛する家族が認知症にという文字が表示されている] (ナレーション) 「家族が認知症になりました そこにあったらいいねユマニチュード」 [画面:画面中央に、家族が認知症になりました そこにあったらいいねユマニチュードと書かれた番組ロゴが表示される] [画面:福岡市認知症フレンドリーセンター内の映像に切り替わる。 画面中央に置かれた丸テーブルに、左から、ハリー杉山、斉藤ふみ、党一弘の順で並んでいる。 画面左上に番組タイトルが横書きで書かれたロゴが表示されている] (斉藤ふみ) 認知症に関して、相手の心に寄り添うケア技法「ユマニチュード」というものがあるわけなんですが、党さん、4つの柱をもう一度教えてください。 [画面:画面中央に、椅子に座った高齢の人物と目の前で目線を合わせてかがんだ男性が手を取り合っているイラストが表示される。 画面下部に四角い青い枠があり、ユマニチュード 人間らしさと優しさに基づいた認知症ケア技法と表示される。 画面左上のロゴの下に、イラスト提供:日本ユマニチュード学会という文字が表示される] (党一浩) そうですね。ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つがございます。 [画面:画面下部に、ユマニチュードの4つの柱 見る 話す 触れる 立つという文字が表示される。画面右上に、4つの柱『見る』 1分間目を見つめるという文字が表示される] (斉藤ふみ) はい。そして今日は、その中で何をお話しするんでしょうか。 (党一浩) まずは「見る」からお話ししていきたいと思います。 [画面:映像が切り替わり党一弘をズームアップで映す。 画面下部に四角い緑色の枠があり、福岡市認知症フレンドリーセンター 党一弘さんという文字が表示される] (斉藤ふみ) お願いします。 (党一浩) 認知症になっていくと、人によっては視野が狭くなる方がいらっしゃいます。 (斉藤ふみ) ハリーさん、頷いてらっしゃいますね。 [画面:画面がハリー杉山をズームアップで映す。画面下部に四角い青色の枠があり、ハリー杉山 2012年に父親が認知症を発症という文字が表示される] (ハリー杉山) これは僕は父を通してものすごく実感したんですけれども、彼が座っているところへ斜め上から「ヘンリー」と呼んでも、あまり反応しないんです。強い大きな声で話しかけると、急に体が委縮して縮まってしまう。 だけど、視線をまずは座っているヘンリーと目線を合わせるぐらいまで自分の重心を落として、 [画面:画面がハリー杉山と父親がベッドの上で顔を向き合わせている写真に切り替わる] 目と目を合わせてゆっくり喋って。喋って伝わらないと、目と目が合った状態でカンペを書いて、こうなんだよねって。 [画面:ハリー杉山が顔の横で手を動かし、文字を書くジェスチャーをしている。画面下部に、同じ目線で文章を見せていたという文字が表示される] (斉藤ふみ) 気づかない間に、ハリーさんもやってらっしゃったことがあるということですよね。 (ハリー杉山) たくさんあったかもしれませんね。 [画面:画面が斉藤ふみをズームアップで映す。画面下部に四角いピンク色の枠があり、斉藤ふみ 2019年に父親が認知症を発症という文字が表示される] (斉藤ふみ) 私の場合は、正直な話、父の目を見るということがなかったように思います。 [画面:画面が斉藤ふみと父親が笑顔を浮かべながら並んでいる写真に切り替わる] 目を見るというよりも、存在そのものを最初から厳しく見てしまっていたし、どこか否定してしまっていた部分もあったから。 ユマニチュードを学ぶまで、「父の目をちゃんと見てあげる」ということは、もうなかったかなという反省があります。 (党一浩) だから、ただでさえ不安を抱えている方々に対して、より不快な思いをさせるというのは、コミュニケーションの技術としてはNGなんです。 (ハリー杉山) うん、だめですね。 [画面:画面が淡い緑色の背景に切り替わり、画面中央に、見るを実践 大切な人を正面から見つめるという文字が表示される] (ナレーション) あなたは、大切な人の瞳を正面からじっと見つめたことはありますか。 (党一浩) 今からやってもらうのは、1分間見つめ合っていただくことです。 (斉藤ふみ) 誰かと1分間見つめ合うって、子どもともないかもしれないです。 (ハリー杉山) 子どももないし、父親、母親、恋人とも、なかなか1分間はないですよ。 [画面:画面下部に四角い白い枠があり、相手の瞳に自分の姿が映る距離で1分間見つめるという文字が表示される] (党一浩) よーい、スタート。 [画面:ハリー杉山と斉藤ふみが向かい合って座り目を見つめあっている] (ハリー杉山) なんか、自分の反射も見えるぐらいですもん。 (斉藤ふみ) そう。ハリーさんの目の中に私が映っています。 (党一浩) そうですね。相手の黒目の中に、自分のシルエットが映るぐらい。 (斉藤ふみ) でも、その方の表情とか優しさとか、「今、自分を見ようとしてくれている」という気持ちがとっても伝わります。 (ハリー杉山) 目を見ていると、この人は閉ざしているのか、それとも開いているのか。 聞こうとしているのか、知ろうとしているのか。すぐ分かりますね。 なんか結構、究極のコミュニケーションだと思いました。 (斉藤ふみ) 本当にそう思いました。 ハリーさんの優しさがまず伝わりましたし、目を見ていると「大丈夫だよ」と言われているような気もしました。 [画面:画面中央にイラストが表示される。 横になった高齢の人物に対して、介護者が目線を合わせて「おはようございます!」「今日もお会いできてうれしいです!」と伝えている。 画面下部に、同じ目線で「見る」平等な存在であることを伝えられるという文字が表示される] 誰かをこんなふうに長く見つめることがないので、いい意味で、そこから何かが始まるなというのはすごく感じました。 (党一浩) そうですね。 [画面:画面左下に四角いピンク色の枠があり、見つめて思いを届けるという文字が表示される] 思いをしっかりと相手に届けるということからすると、目を見つめ合いながら自分の思いを伝えていくことがとても重要になっていきます。 (斉藤ふみ) 確かに、恋人でもそんなに長い時間見つめ合うことってないかもしれないですね。 でも、それはとても大切なことなんですね。 [画面:画面中央に、横になっている人に対して顔を近づけて向き合っている人のイラストが表示される] (党一浩) 良好なコミュニケーションを取っていく上では、目と目を合わせていきながら、必要に応じて距離も詰めていきながら、相手の真正面から向き合って、相手の視界の中に自分を入れていって。 見つめ合っていきながらコミュニケーションをすることが大事なんだというのが、ユマニチュードです。 (ナレーション) 「見る」は、相手に親密さを届けることができます。 [画面:画面がイラストに切り替わる。様々な年齢、性別、職業の人々が15名並んで描かれている。画面下部に四角い緑色の枠があり、見る「不安」を「安心」に変える技法という文字が表示される] (ナレーション) 次回、「話す」を詳しく。 [画面:画面が淡い緑色の背景に切り替わる。 画面中央に、次回 ユマニチュード 話すという文字が表示されている。 画面左下に、協力:福岡市という文字が表示される。画面右下に、制作:という文字が表示されKBCとKBCMoooVのロゴが表示される]