(20ページ) 第2 各論 1  ハード面のバリアフリー化 (1)  重点整備地区のバリアフリー化 ①  設定の必要性 地域において、高齢者、障がい者等が自立した日常生活や社会生活を営むためには、日々利用する旅客施設、生活関連施設※1及びこれらの施設をつなぐ生活関連経路※2について、一体的なバリアフリー化に取り組む必要があります。 ※1)生活関連施設:相当数の高齢者、障がい者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院、文化施設、商業施設、学校等 ※2)生活関連経路:生活関連施設相互をつなぐ経路を構成する道路、駅前広場、通路その他の施設 このようなバリアフリー化を効果的に進めていくためには、生活関連施設が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区を重点整備地区として定め、バリアフリー化のための各種事業を関係機関とも連携し、重点的かつ一体的に推進することが必要です。 福岡市においては、これまで「福岡市交通バリアフリー基本方針」と同方針を継承した「福岡市バリアフリー基本計画」において重点整備地区を設定し、重点整備地区内のバリアフリー化については一定の進捗を見たところですが、旅客施設の乗降客数の増加や新たな生活関連施設の立地等を踏まえ、引き続き着実な取組みが必要です。 以上を踏まえて、本計画においても、バリアフリー化をさらに推進していくために、重点整備地区を追加設定し、生活関連施設や生活関連経路等のバリアフリー化を重点的かつ一体的に進めていきます。 ②  移動等円滑化促進地区と重点整備地区 バリアフリー法においては、各自治体において基本構想の策定に努め、生活関連施設候補が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区について、特に移動等円滑化の促進を図る事業を実施する地区を「重点整備地区」として位置付け、バリアフリー化を進めることとされています。 平成30年度のバリアフリー法改正で、重点整備地区と同様に生活関連施設候補が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区について、移動等円滑化の促進を図る必要が高い地区を「移動等円滑化促進地区」と位置付け、段階的に重点整備地区への移行を図る規定が設けられました。 (21ページ) 福岡市においては、これまで、生活関連施設候補が集積した地区は、すべて重点整備地区として設定し、重点的かつ一体的なバリアフリー化の進捗を図っており、本計画においても、引き続き重点整備地区として設定するとともに、移動等円滑化の必要性を示す移動等円滑化促進地区も兼ねています。 なお、今後、生活関連施設候補が集積し、その間の移動が通常徒歩で行われる地区について、関係者間での共通認識の醸成が十分でないことなどにより、速やかな事業実施が困難な地区が生じた場合には、まずは移動等円滑化促進地区のみの設定を行い、関係者間での共通認識の醸成に取り組み、地区内の事業実施の見込みが立ち次第、段階的に重点整備地区への移行を図ることとします。 【 参 考 】 バリアフリー法及び国の基本方針による定義 〈 移動等円滑化促進地区とは 〉 ・ 生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区(生活関連施設がおおむね3以上集積) ・ 生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について、移動等円滑化を促進することが特に必要な地区 ・ 移動等円滑化の促進が、総合的な都市機能の増進に有効かつ適切な地区 〈 重点整備地区とは 〉 ・ 生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区(生活関連施設がおおむね3以上集積) ・ 生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について、移動等円滑化のための事業が実施されることが特に必要な地区 ・ 移動等円滑化のための事業の重点的かつ一体的な実施が、総合的な都市機能の増進に有効かつ適切な地区 (22ページ) ③  設定の考え方 ■生活関連施設候補の抽出×選定 ア 施設用途の選定 9種類の施設用途を選定 イ 生活関連施設候補の絞り込み 施設の規模や利用実態を踏まえて、相当数の高齢者、障がい者等が利用する施設に絞り込み ■重点整備地区の設定要件、設定 ア 設定要件 特定旅客施設又は生活関連施設候補が概ね直径1kmの徒歩圏内に3つ以上集積している地区 イ 地区の設定 抽出した生活関連施設候補の分布を確認し、移動等円滑化促進地区として設定。さらに、具体の事業実施が見込まれる地区は重点整備地区にも設定 ■生活関連施設の設定 重点整備地区内に立地する抽出施設を生活関連施設として設定 ■生活関連経路の設定 重点整備地区内に以下の視点から生活関連経路を設定 ・生活関連施設相互の連絡に配慮し、重点整備地区内のネットワークを構成する ・利用頻度が高い経路や歩行者交通量の多い経路、特定道路指定済み経路を優先的に選定 ・旅客船ターミナルや乗降客数が多いバス停からの経路を設定 ・隣接する設定地区や隣接自治体との連続性を確保 (23ページ) ④  生活関連施設候補の抽出 ア 施設用途の選定 以下の9種類の施設用途を選定します。 (ア)旅客施設又は特別特定建築物のうち、高齢者、障がい者等が日常的に利用する施設として、旅客施設、官公庁施設、福祉施設、病院、文化施設、商業施設、特別支援学校を選定します。 (イ)福岡市独自に、市民の利用ニーズが高い公園と、観光・集客のまちづくりの観点から観光施設を追加します。 図表9 福岡市において選定する生活関連施設の種類 生活関連施設の選定 A 特定旅客施設 B 官公庁施設 C 福祉施設 D 病院 E 文化施設 F 商業施設 G 特別支援学校 H 公園 I 観光施設 ※1)特別特定建築物:不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障がい者等が利用する建築物で、バリアフリー法施行令第5条に定める建築物(誰もが日常的に利用する官公庁施設、商業施設や主として高齢者、障がい者などが利用する福祉施設など) イ 生活関連施設候補の絞り込み 上記9種類の施設総数は膨大な数にのぼるため、施設の規模や利用実態を踏まえて、相当数の高齢者、障がい者等が利用する施設に絞り込みを行います。(参照:62~68頁) ⑤ 移動等円滑化促進地区・重点整備地区の設定要件、設定 ア 重点整備地区の設定要件 国の基本方針等を踏まえるとともに、高齢者、障がい者等の利用状況やニーズ等、福岡市の実態を勘案して、次のとおり移動等円滑化促進地区・重点整備地区(以下、「設定地区」という。)の要件を設定します。 特定旅客施設又は生活関連施設候補が概ね直径1kmの徒歩圏内に3つ以上集積している地区 (24ページ) イ 地区の設定 絞り込んだ生活関連施設候補の分布を確認し、概ね直径1kmの徒歩圏内に生活関連施設候補が3つ以上集積している地区を 移動等円滑化促進地区として設定します。さらに、具体の事業実施が見込まれる地区は重点整備地区にも設定します。 設定地区の境界は、原則として、町界や道路、河川、鉄道施設等によって明確に表示可能な箇所で定めます。 設定地区は、従前の重点整備地区に、海の中道公園地区、和白地区、九州大学箱崎キャンパス跡地地区の3地区を新たに加え、下図のとおり25地区です。また、従前の重点整備地区についても、新たな生活関連施設の立地した8エリアを区域拡大します。 図表10 移動等円滑化促進地区・重点整備地区 (25ページ) 図表11 移動等円滑化促進地区・重点整備地区一覧 重点整備地区名 ※ ☆は区域拡大地区 ★は追加地区 1香椎花園周辺地区 2香椎地区 3箱崎地区 4吉塚地区☆ 5雑餉隈地区 6博多・中央ふ頭地区☆ 7都心部地区☆ 8赤坂地区 9大濠公園地区☆ 10唐人町地区 11地行浜地区 12高宮地区 13大橋地区 14別府地区 15西新地区 16藤崎地区 17百道浜地区 18姪浜地区☆ 19伊都地区 20千早地区☆ 21橋本地区☆ 22アイランドシティ地区☆ 23海の中道公園地区★ 24和白地区★ 25九州大学箱崎キャンパス跡地地区★ ⑥ 生活関連施設の設定 重点整備地区内に立地する生活関連施設は、下表のとおりです。(参照:69~91頁) なお、生活関連施設については固定化するものではなく、社会情勢の変化等必要に応じ、追加や削除を検討します。 図表12 福岡市において選定する生活関連施設の数 用 途 A 旅客施設 生活関連施設候補数 82施設 生活関連施設数 52施設 B 官公庁施設 生活関連施設候補数 37施設 生活関連施設数 25施設 C 福祉施設 生活関連施設候補数 51施設 生活関連施設数 25施設 D 病院 生活関連施設候補数 22施設 生活関連施設数 10施設 E 文化施設 生活関連施設候補数 72施設 生活関連施設数 55施設 F 商業施設 生活関連施設候補数 51施設 生活関連施設数 39施設 G 特別支援学校 生活関連施設候補数 13施設 生活関連施設数 2施設 H 公園 生活関連施設候補数 34施設 生活関連施設数 12施設 I 観光施設 生活関連施設候補数 63施設 生活関連施設数 46施設 計 生活関連施設候補数 425施設 生活関連施設数 266施設 (26ページ) ⑦  生活関連経路の設定 設定地区内に以下の視点から生活関連経路を設定します。 ・生活関連施設相互の連絡に配慮し、重点整備地区内のネットワークを構成する ・利用頻度が高い経路や歩行者交通量の多い経路、特定道路指定済み経路を優先的に選定 ・乗降客数が多いバス停からの経路を設定 ・隣接する重点整備地区(や隣接自治体)との連続性を確保 なお、既にバリアフリー化されている経路についても、生活関連施設との一体的なバリアフリー化を図る上で必要と考えられる場合は経路に位置づけるほか、当面、バリアフリー化のための事業実施の見込みがない経路であっても、長期的展望を示す上で必要な範囲で位置づけることとします。 ※特定道路:重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路等で国土交通大臣が指定した道路 (2) 施設のバリアフリー化 不特定かつ多数の人が利用する旅客施設や建築物等については、新設や増改築、大規模な修繕や模様替(以下、「新設や改修」という。)を行う際に、条例等の整備基準への適合とその維持が義務付けられています。 一方で、新設や改修の計画がない既存施設については、施設の構造等の制約条件もあることから、条例等の基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めることとされています。 本計画においては、国の基本方針も踏まえつつ、施設毎にバリアフリー化推進の方向性を定めて、資金面や空間的・物理的な制約等にも配慮しながら、可能な限りバリアフリー化に取り組み、誰もが安心して利用できる施設を目指します。 (27ページ) ①  施設のバリアフリー化に関する主な基準等 生活関連施設や生活関連経路のバリアフリー化にあたっては、下記の基準等に沿って整備を推進します。 図表13 施設のバリアフリー化に関する主な基準等 移動等円滑化基準 公共交通 移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準(公共交通移動等円滑化基準) 国土交通省【省令】令和7年9月改正 道路 移動等円滑化のために必要な道路の構造及び旅客特定車両停留施設を使用した役務の提供の方法に関する基準  国土交通省【省令】令和3年3月改正 移動等円滑化のために必要な道路の占用に関する基準  国土交通省【省令】令和3年1月改正 公園 移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準(都市公園移動等円滑化基準) 国土交通省【省令】平成24年3月改正 建築物 移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する基準(建築物移動等円滑化基準) 国土交通省【政令】令和7年6月改正 高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準(建築物移動等円滑化誘導基準)  国土交通省【省令】令和7年6月改正 交通安全 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準  国家公安委員会【規則】平成18年12月 駐車場 移動等円滑化のために必要な特定路外駐車場の構造及び設備に関する基準(路外駐車場移動等円滑化基準) 国土交通省【省令】平成18年12月 ガイドライン等 公共交通 公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインバリアフリー整備ガイドライン〔旅客施設編〕  国土交通省 令和7年9月改訂 公共交通機関の車両等に関する移動等円滑化整備ガイドラインバリアフリー整備ガイドライン〔車両等編〕  国土交通省 令和7年9月改訂 公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドラインバリアフリー整備ガイドライン〔役務編〕 国土交通省 令和7年9月改訂 道路 道路増補 改訂版 道路の移動等円滑化整備ガイドライン  国土交通省 令和6年1月改訂 公園 都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン  国土交通省 令和4年3月改訂 建築物 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準  国土交通省 令和7年5月改訂 条例等 公共交通・道路・公園・建築物等 福岡市福祉のまちづくり条例 福岡市 平成10年4月 福岡市福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル  福岡市 令和7年12月改訂 道路 福岡市移動等円滑化のために必要な道路の構造の基準を定める条例  福岡市 平成25年4月 都市公園 福岡市公園条例 福岡市 令和6年4月 駐車場 福岡市建築物における駐車施設の附置等に関する条例  福岡市 令和8年4月改正 (28ページ) ②  旅客施設 ※1 ※1)旅客施設:鉄道駅及び軌道停留場、バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナル施設のこと ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆3,000人以上/日の鉄道駅及び重点整備地区内の2,000人以上/日以上3,000人未満/日の鉄道駅は、原則100%バリアフリー化 ◆2,000人以上/日のバスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナルは、原則100%バリアフリー化 ◆上記以外の施設についても、可能な限りバリアフリー化 ◆鉄道駅のホームドア・可動式ホーム柵については 全体:4,000番線を整備 10万人以上/日の駅:900番線を整備 ◆駅施設、車両の構造に応じて、鉄道駅のプラットホームと車両乗降口の段差・隙間を縮小 全体:4,000番線を整備 新たな整備内容 ◆鉄道駅の障がい者対応型券売機、拡幅改札口の設置を追加 イ  福岡市の現状と課題 〇福岡市の1 日当たりの平均的な利用者数が3,000 人以上及び重点整備地区内の2,000人以上3,000人未満/日の鉄道駅については、整備対象の69駅のうち48駅のバリアフリー化が完了しています。 〇福岡市の一日当たりの平均的な利用者数が2,000人以上のバスターミナル、旅客船ターミナル、空港旅客ターミナルについては全てバリアフリー化が完了しています。 〇ホームドア・可動式ホーム柵については、福岡市地下鉄全線及びJR 筑肥線の市内全駅、西鉄福岡(天神)駅で整備が完了しています。 〇引き続きバリアフリー化に取り組むとともに、国の基本方針において、新たな指標として追加された鉄道駅の障がい者対応型券売機、拡幅改札口の設置に取り組む必要があります。 ウ  バリアフリー化推進の方向性 (ア)新設・改修時 : 条例等の整備基準に適合させることにより バリアフリー化を強力に推進していきます。 (イ)鉄道駅・バスターミナル : 国の基本方針を踏まえ、1日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上である鉄道駅及び重点整備地区内で2,000人以上3,000人未満の鉄道駅、1日当たりの平均的な利用者数が2,000人以上であるバスターミナルにおいては、国の基本方針に掲げられた次の項目に取り組みます。 (29ページ) 項目 段差の解消  備考・例 エレベーター又はスロープの設置等 転落防止設備の整備   備考・鉄道駅のみ 例:内方線付点状ブロック※1 又はホームドア・可動式ホーム柵の設置等 ※1)内方線付点状ブロック:4辺の1つにホームの内側を表示する線状突起(内方線)があるブロック 視覚障がい者用誘導ブロック 案内設備の設置  備考・例:運行情報提供設備の設置等 障がい者対応型便所の設置 備考 ・便所がある場合 障がい者対応型券売機の設置  備考・鉄道駅のみ 拡幅改札口の設置  備考・鉄道駅のみ また、今後、1 日当たりの平均的な利用者数が3,000 人以上になった鉄道駅については、随時優先的にバリアフリー化に取り組みます。さらに、これ以外の旅客施設についても、地域の実情を鑑みて、利用者数のみならず、高齢者や障がい者等の利用実態を踏まえて、可能な限りバリアフリー化を推進していきます。 なお、鉄道駅のホームドア・可動式ホーム柵の整備及びプラットホームと車両の段差・隙間の縮小については、国の基本方針を踏まえて、鉄道駅や車両の構造等に応じて、可能な限り取り組みます。 施設や設備を撮影した写真が6枚あります。 ■写真1  駅新設によるバリアフリー化 ■写真2  エレベーターの設置(段差解消) ■写真3  運行情報提供設備 ■写真4  ホームドア、視覚障がい者誘導用ブロックの設置(転落防止) ■写真5  障がい者対応型券売機 ■写真6  拡幅改札口 (ウ)旅客船ターミナル : 福岡市有の旅客船ターミナルについては、1日当たりの平均的な利用者数は2,000人未満ですが、福岡市の重要な海上交通機関であることから、(イ)に掲げた事項の整備に取り組んでいきます。 (エ)その他 : 旅客施設については、福岡市が管理する施設以外の施設に関しても、各公共交通事業者に対し、本計画の周知及び理解、協力を求め、連携・共働のもとバリアフリー化を推進します。 (30ページ) ③  車両等 ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆鉄軌道車両については、総車両数のうち約80%をバリアフリー化 ◆旅客船については、総隻数約700隻のうち約70%をバリアフリー化 ◆乗合バスについては、総車両数約5万5千台から移動円滑化基準の適用除外認定車両約一万台を除いた約4万5千台のうち、約90%をバリアフリー化(ノンステップバスとする) ◆貸切バスについては、可能な限りバリアフリー化 ◆ユニバーサルデザインタクシーを含む福祉タクシーを約9万台導入 ・各都道府県における総車両数の約25%を、ユニバーサルデザインタクシーとする ◆新幹線車両及び特急車両については、可能な限り車椅子用フリースペースの整備 イ  福岡市の現状と課題 ○車両等については、車両等の買い換え等の際に、バリアフリー化を図っているほか、鉄道や船舶の既存車両等の改善については、改修により可能な範囲でのバリアフリー化に努めています。なお、福岡市地下鉄七隈線は、ホームとの段差や隙間が小さいなど、よりバリアフリー化が進んでいます。 ○バス車両については、これまでも低床バスの導入を精力的に進めてきましたが、更なるバリアフリー化推進のため、国の基本方針の整備目標においても、ノンステップバスの導入拡大が示されており、車両等の買い替え等の際に、順次ノンステップバスの導入を進めています。 ウ  バリアフリー化推進の方向性 (ア)全般 〇車両等の買い換え等の際に、順次移動等円滑化基準 ※1への適合を図ります。 ※1)移動等円滑化基準:バリアフリー法に基づき、施設毎に省令で定められたバリアフリー化基準のこと 〇既存の車両等については、車いすスペースの確保や、スロープの設置による段差の解消など、可能な範囲で改修によるバリアフリー化に取り組みます。 (31ページ) (イ)バス車両 〇高齢者や障がい者等にとって重要な移動手段であるバス車両については、国の基本方針を踏まえ、引き続きノンステップバスの導入促進に取り組みます。 (ウ)ユニバーサルデザインタクシー 〇国の基本方針等を踏まえ、引き続き導入促進に取り組みます。 (エ)その他 〇車両等については、福岡市が管理する車両以外の車両等に関しても、各公共交通事業者に対し、本計画の周知及び理解、協力を求め、連携・共働のもとバリアフリー化を推進します。 車両および車両内の設備の写真が10枚あります。 ■写真7  鉄道車両のバリアフリー化(車いすスペース、手すりなど) ■写真8  福岡市営渡船(車いすスペース、乗船スロープ) ■写真9  路線バスの外観 ■写真10  ユニバーサルデザインタクシー (32ページ) ④  道路 ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路の約77%をバリアフリー化 ◆生活関連経路を構成する道路に設置されている信号機など全てバリアフリー化 ◆生活関連経路を構成する道路のうち、道路又は交通の状況に応じ必要な部分に設置されている ・信号機は原則として全て音響機能付加信号機とする ・道路標示は原則として全てエスコートゾーンとする イ  福岡市の現状と課題 ○福岡市バリアフリー基本計画で定めた生活関連経路については、令和7年度までに対象延長53.9kmのうち52.1kmのバリアフリー化が完了しています。 ○福岡市道路整備アクションプラン等において、バリアフリー化に配慮した道路整備の取組みを推進しています。 ○バスは、高齢者、障がい者等にとって身近な移動手段として高いニーズがあるため、歩道とバス乗降口の段差の解消や、バス待ちのための上屋やベンチの整備も推進しています。 〇生活関連経路のバリアフリー化に引き続き取り組むとともに、重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する横断歩道に設置された信号機のバリアフリー化、エスコートゾーンの設置、踏切部の誘導表示の設置に取り組む必要があります。 道路の改良状況を撮影した写真が新旧の並びで4枚あります。 ■写真11  歩道の整備(歩道拡幅、誘導ブロックの設置) ■写真12  歩道のバリアフリー化(マウントアップの改善、誘導ブロック設置) (33ページ) ウ  バリアフリー化推進の方向性 (ア)歩道 : 重点整備地区内の主要な生活関連経路は、優先的に次の項目のバリアフリー化に取り組みます。 項目 歩道のフラット化 歩道の有効幅員2メートル以上の確保 水はけがよく滑りにくい舗装 視覚障がい者誘導用ブロックの敷設など 備考 ・踏切部の誘導表示含む (イ)信号機等 : 重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路に設置されている信号機等については、音響信号機、高齢者等感応信号機、歩行者用道路であることを表示する道路標識、横断歩道であることを表示する道路標示の設置等のバリアフリー化に取り組みます。 また、道路又は交通の状況に応じ、視覚障がい者の移動上の安全性を確保することが特に必要であると認められる部分に設置している信号機等については、音響信号機やエスコートゾーン※1の設置に取り組みます。 ※1)エスコートゾーン:視覚に障がいのある人が道路を横断する際の、安全性及び利便性を向上させるために横断歩道上に設置され、横断時に横断方向の手がかりとする突起体の列のこと (ウ)バス停 : 重点整備地区内のバス停について、マウントアップ※2によるバス乗降口と歩道の段差の解消、広幅員歩道における上屋やベンチの設置など、官民連携によるバス停の利用環境の改善を図ります。 ※2)マウントアップ:歩道が車道よりも一段(15~20㎝)高くなっていること。これにより、バス乗降口と歩道の段差が改善される (エ)道路案内標識 : 外国人旅行者にもわかりやすいものとなるよう、英語表記の改善に取り組むとともに、「認知症の人にもわかりやすいデザインの手引き」に基づいた、認知症の人にもわかりやすい道案内の検討に取り組みます。 (オ)道路 : 福岡市のみならず、国道の道路管理者や福岡県警、各公共交通事業者に対し、本計画の周知及び理解、協力を求め、連携・共働のもとバリアフリー化を推進します。 (カ)その他 : 生活関連経路以外の特定道路や幹線道路等についても、バリアフリー化に努めます。 (34ページ) ⑤ 公園 ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆規模の大きな概ね2ha以上の都市公園について ・園路及び広場の約70%をバリアフリー化 ・駐車場の約60%をバリアフリー化 ・便所の約70%をバリアフリー化 イ 福岡市の現状と課題 ○規模の大きな2ha以上の都市公園については、令和7年度までに国の示した目標値をそれぞれ達成しています。 ○新規整備や再整備等に合わせて、条例等の整備基準への適合を図ることによりバリアフリー化を進めています。 ○公園の駐車場については、整備対象公園全てのバリアフリー化が完了しています。 ○園路及び広場や障がい者対応型便所の整備については、公園の新規整備や再整備等にあわせて、取り組みを進めています。 〇整備未了施設のバリアフリー化に引き続き取り組む必要があります。 ○あらゆる子どもや親子が楽しめる「インクルーシブな子ども広場」を、各区1箇所に整備しています。 ウ  バリアフリー化推進の方向性 〇公園の新設などを行う際には、引き続き、福岡市公園条例の整備基準に適合させることにより、バリアフリー化を推進していきます。 〇既設の公園については、緊急性・必要性の高い公園から再整備(部分的な改修を含む。)に取組んでいくこととし、可能な限り、福岡市公園条例の整備基準に適合させることにより、バリアフリー化を推進していきます。 ○園内サインや看板等により公園のルールを周知するなど、公園におけるモラル・マナーの向上を図ります。 (35ページ) ○インクルーシブな子ども広場が、さらに誰もが訪れやすい広場となることを目指し、管理運営の充実に向けた取り組みを進めます。 ○公園トイレについては、既設トイレの構造に応じた改修や更新により洋式化を進め、バリアフリー化と利便性の向上を図ります。 (参考)公園の新設又は再整備における主なバリアフリー化の項目 ・園路及び広場のバリアフリー化(有効幅員の確保、段差の解消など) ・駐車場がある場合は、駐車場のバリアフリー化(車いすスペースの確保など) ・便所がある場合は、障がい者対応型便所の設置 公園の全景と設備の写真が6枚あります。 ■写真13 桧原桜公園 ■写真14 西南杜の湖畔公園(触知図) ■写真15 百道中央公園(スロープ) ■写真16 障がい者対応型便所 ■写真17 駐車場(車いす使用者用駐車スペース) ■写真18 インクルーシブな子ども広場 (36ページ) ⑥  路外駐車場 ※1 ※ 1)路外駐車場:道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって一般の用に供されるもの。 ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆特定路外駐車場※2の約35%をバリアフリー化※3 ※ 2)特定路外駐車場:駐車面積(駐車マスの部分の面積の合計)が500㎡以上の一般公共の用に供する駐車場で、その利用にあたり駐車料金を徴収するもの(道路法第2条第2項第7号に規定する自動車駐車場、都市公園法第2条第2項に規定する公園施設、建築物又は建築物特定施設を除く) ※ 3)バリアフリー化 :令和7年に改正された移動等円滑化基準に適合した特定路外駐車場について、改修や新設を考慮して令和12年度末時点までに約35%を目指す。(車椅子使用者用駐車施設の設置数の最低基準を従来の「1以上」から「駐車施設の数が200以下の場合は当該駐車施設の2%以上」「200超の場合は当該駐車施設の数の1%+2以上」とした。) イ  福岡市の現状と課題 ○駐車場法第12 条による届出が必要な路外駐車場を新たに設置する場合においては、条例等の整備基準への適合を図ることによりバリアフリー化を進めています。 ウ  バリアフリー化推進の方向性 ○駐車場法第12条による届出が必要な路外駐車場を新たに設置する場合には、引き続き、条例等の整備基準に適合させることにより、バリアフリー化を進めていきます。 ○既存の福岡市営駐車場については、条例等の整備基準への適合に努めます。 (37ページ) ⑦ 建築物 ※1 ※1)建築物:福岡市福祉のまちづくり条例で定める特定施設で、病院、官公庁舎、スポーツ遊戯施設、教育文化施設、百貨店など、不特定かつ多数の人が利用する施設 ア 国が示した目標等 国が示した目標 ◆2,000㎡以上の特別特定建築物の総ストックの約70%をバリアフリー化 ◆床面積の合計が2,000㎡未満の特別特定建築物等についても、条例に適合した整備の働きかけ、ガイドラインの作成及び周知によりバリアフリー化を促進 ◆公立小学校※2については、文部科学省において目標を定め、バリアフリートイレやスロープ、エレベーターの設置などバリアフリー化を実施 ※2)公立小学校等:小学校、中学校、義務教育学校又は中等教育学校(前期課程に係るものに限る)で公立のもの 新たな整備内容 ◆当該年度に着工した2,000㎡以上の国等※3の公共特別特定建築物の建築工事のうち、着工前の段階(基本構想~実施設計)で当事者参画を実施した工事の割合 ・原則100% ※3)国等:国、都道府県、政令市 イ  福岡市の現状と課題 ○新設や改修を行う場合は、条例等の整備基準に適合させることにより、床面積の合計が2,000㎡未満の特別特定建築物等も含め、バリアフリー化を推進しています。 〇条例等に基づくバリアフリー整備を促進するため、当事者や学識経験者等からの意見を踏まえた「施設整備マニュアル」を作成・活用しており、令和7年度に改訂を行っています。 ○新設や改修時を除く既存建築物のバリアフリー化については、資金面や空間的・物理的な制約等により、全ての整備基準についての適合を図ることは困難な状況ですが、様々な機会を捉え、段階的に改善に努めています。 〇延床面積が2,000㎡以上の公共特別特定建築物を新築・改築する際、着工前の段階(基本構想~実施設計)で当事者からの意見を聴取し、相互理解を深め、多様なニーズに配慮した施設整備を進める必要があります。 〇公立小学校等については、文部科学省の目標に基づきバリアフリー化に努めています。 (38ページ) ウ  バリアフリー化推進の方向性 (ア)新設・改修時 : 引き続き、条例等の整備基準に適合させるとともに、公共建築物においては可能な限り誘導基準を適用した施設整備を図り、新たに追加された「認知症の人にもやさしいデザイン」をはじめ、更なるバリアフリー化を進めていきます。 (イ)2,000 ㎡未満の建築物 : 床面積の合計が2,000 ㎡未満の不特定かつ多数の人が利用する建築物等についても、引き続き、施設設置管理者に対して条例等の整備基準への適合の働きかけや啓発・情報発信に努めます。 (ウ)事業者参画 : 整備地区内の生活関連施設や福岡市が施設設置管理者である施設については、必要に応じて、高齢者、障がい者等の利用者や施設設置管理者等の参加による「まち歩き」の実施や多様な利用者の声も踏まえて、バリアフリー化の推進の方向性や整備内容等を検討していきます。 (エ)2,000 ㎡以上の建築物 : 延床面積が2,000㎡以上の公共特別特定建築物については、令和7年5月に国において示された「建築プロジェクトの当事者参画ガイドライン」を参考に、高齢者や障がい当事者の参画の場を設け、全ての利用者にとって使いやすい施設整備を進めていきます。 (オ) 学校 : 小学校等について、バリアフリートイレやスロープによる段差解消をすすめるとともに、要配慮児童生徒等※4が在籍している学校において、エレベーターの設置を進めていきます。 ※4)要配慮児童生徒等:円滑な移動等に配慮が必要な児童生徒及び教職員 (カ)既存建築物 : バリアフリー化の推進を図るため、バリアフリー改修工事に係る支援についての検討を進めていきます。 建築物内の設備の写真と小学校の外観を撮影した写真があります。 ■写真19  認知症の人にもやさしいデザインを導入したバリアフリートイレ ■写真20  小学校でのバリアフリー化 (39ページ) (3) ベンチ等休憩施設の設置推進 福岡市では、すべての人が安全で快適に利用できるバリアフリーのまちを実現するための施策の一つとして、高齢者や障がい者、妊産婦や子ども連れの人などの休憩需要に応えるため、平成28年度から、歩道上や市有地・民有地の道路沿いの場所へのベンチ等休憩施設の設置推進に取り組んでいます。 休憩施設を必要としているのは、高齢者や身体障がい者だけではありません。内部障がい者は、臓器の働きが原因でとても疲れやすく、また、知的障がい、精神障がい及び発達障がい等の人は、知覚面や心理面の働きが原因で、疲れやすさや喉の渇き等を発現するため、外出する際の大きな負担や制約になっています。 様々な人に必要とされる場所に休憩施設が整備されることにより、外出や目的地間の移動が容易になり、運動時間や目的地滞在時間が延びることで、市民の健康増進にも繋がるほか、休憩施設が持つたまり機能により、新たな交流や賑わいが生まれ、市民生活の活性化も期待できます。 高齢者、障がい者をはじめとしたすべての人が安心して日常生活や社会生活を送ることができる環境を整えるために、歩道上や市有地・民有地の道路沿いの場所へのベンチ等休憩施設の設置を推進します。 ①  福岡市の現状と課題 ○福岡市では、バス事業者や道路管理者によるバス停への上屋・ベンチの設置のほか、バス停付近やウォーキングコース沿いなどの市有地へのベンチ設置や、地域や企業、団体等が民有地の道路沿いの場所に設置するベンチへの購入費補助等により、市民が気軽に休憩できるスペースの設置推進に取り組んでいます。 ○一方で、高齢者・障がい者等が望む休憩施設の設置間隔は100m から200m 程度※1 と言われており、また、令和7年度に実施した福岡市高齢者実態調査においては、高齢者が徒歩や公共交通機関で外出する際、「バス停に屋根やベンチなどの待合い施設が少ない(16.5%)」、「歩道にベンチなどの休息施設が少ない(12.0%)」ことに困っているとの意見が依然として多くなっているなど、ベンチ等休憩施設のより一層の増設が求められています。 ※1)休憩施設の設置間隔:財団法人国土技術研究センター編集・発行「増補改訂版 道路の移動等円滑化整備ガイドライン」(2011 年8 月)において、高齢者等が望む設置間隔が「100~200m程度」であるとの研究例が示されています。 (40ページ) ○ベンチ等休憩施設の設置にあたっては、歩道上は歩行者が安全に通行するためにスペースが限られており、休憩施設を単独で設置することが困難な場合が多いため、植栽桝とベンチの兼用等により限られた道路空間を有効に活用するほか、道路に隣接する市有施設や市有地、民有地への設置など、官民連携しながら進めていく必要があります。 ②  取組みの方向性 高齢者、障がい者等、誰もが安心して外出できる環境をつくるため、バス停付近をはじめ市内全域でベンチ等休憩施設の設置を官民連携しながら推進します。 なお、設置にあたっては、地域から望まれる、より需要が高い場所として、バス停付近及びバリアフリー重点整備地区内の生活関連経路を優先し、市が設定したウォーキングコースや、生活関連施設候補、公民館、老人いこいの家などの 人が集まる施設及びその周辺についても、設置可能なスペースや利用しやすさなど周囲の状況を踏まえ、歩道、市有地、民有地いずれかの敷地において設置を推進します。 また、ベンチ等休憩施設を設置する際には、道路法などの関係法令や関係条例を遵守しながら、人の動線や歩道の幅員を確保するとともに、車いす使用者や視覚障がい者誘導用ブロック使用者の通行を阻害しないよう適切な離隔を確保するなど、周囲の安全性を確保します。 ベンチに貼り付けているプレートの図と設置されている事例写真が4枚あります。 ■写真21  広報用プレートの例 ■写真22  標準的な設置例(バス停付近の公園) ■写真23  標準的な設置例(歩道) ■写真24  植栽桝を座れる形で整備した例 ■写真25  植栽の間に設置されたベンチの例 (41ページ) 前のページから引き続きベンチ設置事例写真が3枚あります。 ■写真26  補助金を活用し、民有地に設置されたベンチの例 ■写真27  交差点ベンチの例 ③  設置場所別の取組み 〇公共建築物や公園等の市有施設においては、各施設設置管理者が、施設等の新設や改修を行う際に、施設の用途・設置目的や利用者属性を踏まえて、道路沿いにベンチ等休憩施設の設置を検討し、安全性や周辺状況に配慮の上設置に取り組みます。 〇緑道、遊歩道等の市有地においては、各施設設置管理者が、地域からの要望等を踏まえて、改修等を行う際に、ベンチ等休憩施設の設置を検討し、安全性や周辺状況に配慮の上設置に取り組みます。 〇歩道においては、「福岡市道路整備アクションプラン2028」に基づき、バス停付近やバリアフリー重点整備地区内の生活関連経路などの横断距離・信号待ち時間が長い交差点への設置について、バス事業者と道路管理者が連携しながら、安全性や周辺状況に配慮の上設置に取り組みます。 〇民間開発により新設・改修されるセットバック空間等が休憩施設、たまり空間等としても機能するよう、市が民間事業者等と連携・共働し、民間事業者等による設置の促進に取り組みます。 〇その他、地域団体等が民有地の道路沿いの場所やバス停付近の歩道に設置する場合においては、市がベンチ購入費を補助し、賠償責任保険を付保することなどによって、官民一体となって設置の促進に取り組みます。なお、バス停付近の民有地については、バス事業者と共同で補助するなど、連携して設置を促進します。 (42ページ) 図表14 ベンチ等休憩施設の設置例があります。