資料2−2 区障がい者基幹相談支援センターの事例から導かれる福岡市の地域課題(令和2年度第2回市協議会(R3年2月書面開催)報告・委員意見収受) テーマ1 内容 本人に困り感がなく、相談支援の介入が難しい。必要な医療や障がい福祉サービスの拒否があるため、生活の質の改善につながらない。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・各事業所が積極的に地域へのアウトリーチを出来るようにする。 ・一人の対象者について、情報共有を行うため、サポートブックのような情報集約されたものを共有できるようにする。 ・区基幹で把握した多様なニーズの情報発信を事業所に行う。必要に応じて、対象者の拡大や支援内容の再検討を求める。 ・往診できる医師、病院を増やす。 ・民生委員等地域の関係者が、行政や区基幹に気軽に相談できるよう、顔の見える関係を作る。 ・民生委員等地域の関係者が、見守り支援の協力対象者や対象者家族へ継続的な関わりを持てるような仕組みを作る。 ・コミュニティソーシャルワークが機能する地域を増やす為に、社協を中心とした関係者で、協議する場を作る。 ・行政の関係部署に対して、障がい特性やサービスについての研修を行う。 ・未受診訪問医の有効活用について検討する。 ・課題を抱える児童を対象としたアウトリーチ支援員(教員)の学校での配置を検討する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・訪問型福祉サービスの充実。 ・障がい福祉サービスの利用に至るまでの支援の拡充。 委員意見 (特になし) テーマ2 内容 家族が高齢又は障がいがあり(見立て含む)、家族まるごとの支援が必要。生活困窮を含む複合的な問題が見られ、様々な支援機関が関わるが、効果的な連携と支援の構築が難しい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・家族それぞれに関わる相談機関が丁寧なアセスメントと関係づくりに注力した上で、障がい、介護、児童、行政(複数の課)などの多機関(多職種)で情報を共有するネットワークを構築できるようにする。 ・家族支援が必要な世帯に関する研修(福祉事業者、医療、保育、教育向けの研修)や事例検討を実施する。 ・区基幹で把握した多様化するニーズを地域社会に発信する。 ・世帯の中で複数の障がいのある場合、医療機関で統一した見解で治療方針を持てる横のつながりが求められる。 ・地域の中で気になる家庭があれば、積極的に区基幹へつなぐ。 ・ヘルパーの業務開始ができるよう、専門業者やボランティアによる清掃や環境整備等を実施する。また、ヘルパー事業所は、育児支援を積極的に受け入れる。 ・家庭支援が必要な世帯への福祉サービス拡充(通院同行、通学支援、金銭管理サービスの民間事業化、特例的取扱の緩和)。 ・子育てについて、幼児期から就学後も相談できる場にて、親同士の交流、つながりがなく孤立することを防ぐ。 ・計画相談支援において、本人や家族との関係づくりや、家庭に踏み込む支援を行うためのモニタリング訪問頻度の設定が必要である。あるいは、地域定着支援の対象要件を柔軟に設定し、相談体制を整える。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・複合的な課題がある家族について、それぞれの家族に関わる関係機関で情報共有して支援できるネットワークの構築。 ・行政の各所管、各相談機関との調整を図る役割のあり方の検討。 ・自立生活援助の拡充。 委員意見 ・相談者の意思を尊重しながら基幹等と連携して、双方でこぼれおちる人が少なくなるように、協力したい。 ・支援機関の支援方針を尊重した上での支援が必要。多職種連携がスムーズにいくよう、情報の共有化、ケア会議への参加など就労支援センターも積極的に協力していきたい。 テーマ3 内容 障がいの特性や状況に対応できる社会資源や支援者が不足しており、サービスに繋がりにくい。または、サービスに繋がっても継続が難しい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・各種精神障がいや発達障がい等の特性、支援スキルを学ぶ機会をつくる。医師やMSWにも福祉サービスの現場を知ってもらい適切な助言や指導をしてもらう。 ・通所サービスにおいて、集団が苦手な人に対応できる仕組や特性に合った活動メニューを用意する。 ・就労系の通所サービスにおいては、在宅ワークを推進する。 ・自立生活援助や訪問型自立訓練などのアウトリーチサービスを提供する事業者を増やす。 ・地域住民への理解促進を図り、自治会や民生委員等による見守り体制を構築する。 ・最重度の障がい者や集団が苦手、または聴覚過敏症、各種持病がある障がい者など、個別ニーズに対応できるグループホームを充足させる。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・通所サービスにおける活動プログラム・環境整備の見直し。 ・アウトリーチサービスと就労支援事業所による在宅ワークの拡充。 委員意見 ・通所サービスにおいて、オンラインで参加できるシステムを準備する。 ・区基幹や相談支援事業所に寄せられた就労相談については、就労支援センターにおいても連携によりバックアップすることが可能。 ・区社協の校区担当CSWと基幹センターとが課題共有する。災害対応を切り口に、地域の具体的ケースへの対応を避難支援等関係者で検討することに協力することができる。 テーマ4 内容 障がい者の在宅生活支援で必要となる支援が現状のサービスでは不足している。また、ゴミ屋敷状態やペット飼育について問題を抱えている等、複合的な課題が生じ支援が難しい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・ヘルパーへの就業者が極めて少ない現状において、通所サービス等の職員が兼務する働き方を推奨する。複数法人の提携によって、職員が兼業する仕組を提案する。 ・居宅介護等の訪問系サービスに加え、自立生活援助や相談支援の地域定着支援等を兼務することで、ヘルパーの概念を 超えて、アウトリーチサービスの担い手として活躍できる業態に転換する。 ・計画相談のなかで、ヘルパーの利用から通所サービス等の利用へ切り替えることでのQOL向上を推進する。 ・社会福祉法人の地域貢献事業として、ゴミ屋敷の清掃費を出し合う団体を組織し、資金調達する。 ・社会福祉法人の存在意義を再確認し、最もニーズの高い一つである短期入所の実施を促す。 ・グループホームの新設の際に短期入所の併設を推奨する。 ・動物病院や動物保護団体に障がい者のペット問題を共有し、地域トラブルや飼えなくなった際の対応を協議する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・ヘルパー支援の供給体制の見直しと公的サービスを補完する支援(自立生活援助・地域定着支援)の構築。 委員意見 ・通所サービス等の職員に初任者研修受講促進のための助成金等の創出を検討してはどうか。 ・(ゴミ屋敷の清掃費について)ライフレスキュー事業の活用についても検討できる。 テーマ5 内容 障がいへの誤解や偏見などから、権利が守られず、差別を受け、生きづらさを解消しにくい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・サービス事業所においては詐欺被害、虐待(疑い含む)を確認した際の通報・関係機関への連絡連携を徹底する。 ・本人や家族の理解が困難な場合、意思決定支援会議を積極的に実施する。 ・訪問診療ができる医療機関を拡充する。 ・入院時の意思決定支援のため重度訪問介護、重度障がい者入院時コミュニケーション支援を活用する。 ・障がい者差別解消法について地域・企業等への普及啓発を行う。 ・当事者団体・事業所とも連携し、障がい者110番等の窓口を広く周知する。 ・ハイリスク世帯への介入を目的とし、自立生活援助の対象者を拡大する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・市民、社会参加の場である店舗、雇用する企業に対して、障がい者差別の啓発、相談窓口の周知。 ・医療、障がい福祉サービスにおける自己選択、自己決定、意思の表出の支援拡充。 委員意見 ・当会では人権講座として知的障がいや発達障がいについての疑似体験による体験型の啓発活動や、障がい者110番の周知、消費生活センターと協力しして障がいのある本人向け研修会を実施している。意思決定支援会議について、実施を検討する。 ・グループホーム(ワンルーム)やアパート暮らし希望の物件が、「身体・知的障害者はOKで、精神障がい者は断る」と何件も契約を拒否されることが続いている。普及・啓発のための研修会など、アウトリーチを行い、少しでも理解や協力が得られるよう働きかけたい。 ・就労相談に来所する障がい者について、虐待が疑われたり、犯罪に巻き込まれているようことが把握出来た際には、速やかに通報することを徹底する。また、就労支援センターではさまざまな啓発活動を行っている。 ・障がい者やそのご家族に対する詐欺被害に遭わないための、あるいは詐欺被害に遭った時に保護されるための情報について周知活動が重要かと思います。また、障がい者差別解消法の普及についても、私の方から弁護士会へ申し入れ、協力を求めることは可能かと思います。 ・障がい者差別解消法の普及啓発について、校区社協が実施する住民福祉講座の紹介など協力できる。 テーマ6 内容 精神障がい者の地域移行支援において、居住の場の確保が難しい。また、地域生活の体験の場や特性に対応できるサービスが不足している。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・地域定着支援、訪問型自立訓練、自立生活援助等アウトリーチサービスを拡充し、地域での見守り体制を整える。 ・精神障がいの理解のため、市民に対し研修・普及啓発活動を実施する。 ・グループホームの体験利用や宿泊型自立訓練など、地域生活の練習が出来る場を拡充する。 ・地域活動支援センターや地域のサロンなど、地域で気軽に過ごせる居場所を増やす。 ・医療機関においてはサービス事業所、相談支援事業所等への情報共有を行い、相互に連携し地域生活を支える体制を作る。 ・障害者差別解消法、福岡市障がい者差別解消条例の普及啓発及び「合理的配慮」に関する研修を実施する。 ・福岡市においては利用者の入院に対応できるようグループホームに対する家賃保証を検討する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・アウトリーチサービスによる伴走型支援体制の拡充。 ・病院や施設からのスムーズな地域移行を目指した体験の場の拡充。 ・障がい福祉サービスの普及啓発。 委員意見 ・精神障がい者が住居を借りられない問題はとても深刻な問題である為、重要かつ緊急の問題として扱い、しっかりと対策を取っていって欲しい。福岡市精神保健福祉協議会においても協力できることは積極的にしていきたい。 ・精神障害者の退院後の居住の場の確保については、困難性がある。地域定着のための社会資源も乏しい。引き続き検討してほしい。 ・その地域やサロンの状況を考慮したうえで地域にどのように相談するかなど、区社協の校区担当CSWと事前に課題共有の場が持てると良いと思う。 テーマ7 内容 発達障がいの特性に対応できる事業所が少ない。また、特性に合った支援を受けられず、生活の中で適応が難しいことが多い。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・ゆうゆうセンターもしくは療育センター、児童発達支援センターの機能を拡大し、保護者や学齢期の児童への支援に力を入れられるようにする。 ・事業所がゆうゆうセンターと連携し、個々の障がい特性に応じた支援を受けることができる環境を作る。また、対応できる事業所を増やす。 ・就労系事業所の在宅ワークや自立生活援助等のアウトリーチ型のサービスの拡充。 ・療育型の放課後等デイサービスを増やし、不登校児の対応を行う。 ・教育機関でもアウトリーチによる支援に対応できるよう、専門コーディネーターの配置等を検討する。 ・発達障がいについて積極的・専門的に受診対応を行っている医療機関が対応等を発信する機会を設け、各医療機関が発達障がい者の受診に活用することで、発達障がいに対応できる医療機関や関係者を拡充する。 ・地域生活、教育の場で発達障がいへの理解を深めてもらう機会を設け、地域全体での理解を高める。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・特性について理解を深めた障がい福祉サービス事業所による環境設定の工夫や支援メニューの工夫。 ・専門機関等との連携体制の構築。 委員意見 ・発達障がいを診察できる医療機関が不足している現状を踏まえて、会として、市独自の発達障がい対応可能な医療機関のリスト作成を要望している。 ・就労に向けた自己理解、就労実現に向けた準備訓練、最適な仕事の選択、職場定着に向けた支援、企業との調整など一連の就労支援サービスが就労系事業所には求められると思うが、それらの支援について就労支援センターでもバックアップをしていきたい。 ・「知的障がい・発達障がいについて学ぶ福祉教育プログラム検討委員会」を組織して作成したリーフレット「知的障がい・発達障がいについて学ぶガイドブック」と、手をつなぐ育成会保護者会と協働で開発したプログラムあり。校区社協が実施する住民福祉講座での提案ができる。 テーマ8 内容 強度行動障がい者の受入先を見つけることが極めて困難であり、安定した生活を築きにくい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・居住地域事業所において、強度行動障がい者の積極的な受け入れが進むよう、加算の見直し(強行体制加算でなく、サービス提供実績加算に変更)や受け入れ事業者に対する補助等を検討する。 ・強度行動障がい支援者養成研修受講者への実践機会の提供と、研修受講者がいる事業所での強度行動障がい者の受け入れ促進について検討する。 ・強度行動障がいや難治性てんかんを持つ利用者の受け入れ実績や経験のある事業所に、支援方法や運営についてのノウハウを発信する機会を作る。 ・専門的人材の育成や支援方針共有のため、積極的に共同支援を活用するなど、関わる事業所間において相互の連携体制を構築する。 ・医療機関において、往診や訪問看護等によるアウトリーチや緊急時や急性期の受け止めを行う等、地域生活の支えとなる体制を構築する。 ・医療法人による医療型グループホームや療養介護の設置と拡大。 ・学校、療育機関等が行動障害について理解を深め、2次障害を生み出さない環境作りと個に応じた柔軟な教育・療育を行う。 ・難治性てんかん発作のある重度知的障がい者に対応できる福祉サービス体制の検討。 ・他害、自傷の頻度が高い強度行動障がい者については、人的体制と環境、立地の面で受入が極めて難しいため、行政の施策により専門施設をつくる。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・強度行動障がい者を受け入れる障がい福祉サービス事業所を増やすための施策の検討。 ・専門研修受講者が積極的に強度行動障がい者への支援を行うため、共同支援の活用等、実践力の向上と受け入れ体制の強化を検討。 ・医療機関と障がい福祉サービスの連携強化。 委員意見 ・強度行動障がい者を受け入れる障がい福祉サービス事業所を増やすための施策の検討の具体策として、重度訪問介護の活用によって支える社会モデルの提案と検討を追加してはどうか。 テーマ9 内容 身体障がい者の就労先、日中活動の場が少ない。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・在宅で取り組めそうな作業を準備し、選択の幅を広げる。 ・オンラインを活用した講座や研修、交流イベントなどを実施する。 ・身障者用トイレを設置し、車椅子用の通路を確保するなど、バリアフリー化に取り組む。 ・通所が困難な方に対して、送迎を実施する。 ・通所困難な状態になっても対応ができるように、訪問型サービスを併設する。 ・リハビリ継続を希望する方が、訓練期間終了後もリハビリに取り組んでいけるように、支援や助言、訓練を行う場を提供する。 ・地域行事に身体障がい者も一緒に参加できるよう、会場のバリアフリー化に取り組む。 ・宅配サービスや、移動販売を増やす。 ・本人の状態や社会参加状況も考慮できるよう、移動支援の支給要件を見直す。 ・身障者用トイレを設置しやすくなるような、助成制度を検討する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・バリアフリーが整った就労継続支援事業所の拡充。 ・通所サービスにおける文化・芸術を含んだ多様なプログラムの展開。 ・能力に応じた多彩な就労形態の拡充。 ・通所できる機能訓練の拡充。 ・住宅改造や日常生活用具を検討して、車いす使用者が生活できるような住環境づくりを支援する機関の確保。 委員意見 ・障がい状況にもよるが、職場介助者の配置助成金(高齢・障害・求職者雇用支援機構)を活用する。中途障がいの身体障がい者の余暇活動の場では、障がい者フレンドホームの主催教室やサークル活動に参加を促す。また、交流の機会として当事者団体を紹介する。 ・当事者の状況にもよるが、身体障がい者の就労支援についてもバックアップすることが可能。 テーマ10 内容 身体障がい者、精神障がい者の外出や通院について、福祉サービス体制が十分に整っていない。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・本人の状態に応じて移動支援の対象、内容(通勤通学等)、条件等を緩和する。 ・コミュニケーションや理解に支援が必要な方について、通院等介助における院内介助の条件を緩和する。 ・外出付き添いボランティア等を拡充する。 ・医療機関において、退院後の生活環境のアセスメントを行った上でリハビリを実施する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・移動支援の要件や内容の緩和など、社会参加を促進するための施策の協議。 委員意見 ・ガイドボランティアサークル風車、外出ボランティアVoひまわりの支援を引き続き行い、ボランティアを増やしていきたい。 テーマ11 内容 医療ニーズが高いが、サービスの対象要件を満たさず希望する支援をうけられない。また、重症心身障がい者や医療的ケアに対応できる短期入所やグループホームGHが少なく、家族の負担が大きい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・重症心身障がい者のレスパイト入院の受け入れを柔軟に行う。 ・医療機関に併設する24時間体制のグループホームを設置する。 ・24時間対応の巡回型訪問看護など、訪問看護の柔軟な運用を検討する。 ・看護師資格を持つヘルパーは日常的な医療行為にも対応していけるようにする。 ・喀痰吸引研修修了者は確実に喀痰吸引を行えるように体制を整える。 ・医療的な行為に対して適切に評価する加算制度を整える。 ・事業所一覧に、喀痰吸引研修、24時間対応、年中無休などの情報を加える。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・レスパイト入院の受け入れ拡充、医療機関併設のグループホーム開設等、医療法人参入の促進。 委員意見 ・病院はこれ以上の負担は無理なので、民間の短期入所施設を増えるような補助金や誘致などインセンティブが必要。保育園の相談に乗れる小児の医療ケアに強い看護師を福岡市で雇用して、巡回相談で保育園を訪問して事業の安全性を確認したり、保育園が医療ケアについて相談できる医師も確保することが必要だと思う。そのためには、予算や人材確保が必要だと思う。 ・キーワードにレスパイトケアの充足をあげてはどうか。追加として、現状、家族に依拠している状況下だと捉え、単身生活を支える社会モデルとしての仕組みづくりの検討も入れてはどうか。 テーマ12 内容 ひきこもりの状態で、対人関係や外出に不安を抱え、障がい受容が難しい場合、医療機関や福祉サービスにつなげることができない。また、障がい疑い・障がい者手帳未所持方への介入が難しい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・ヘルパーや相談支援専門員は、「障がい」を受容してもらうための説明方法を考える。 ・日中活動については、「昼ごはんを食べに行く」など、はじめの一歩として通所できる環境を用意する。体験機会の確保。 ・地域活動支援センターは、契約等の事務手続きがなく、計画相談・個別支援計画も必要ないことをPRする。また、本人が主体的に取り組むスタイルなど、福祉サービスとは違う特徴をさらに活かしていく。 ・通所サービス事業所を含めて、柔軟な利用時間の仕組や空間の保証に努める。訪問型生活訓練を取り入れる。 ・児童において、それぞれの発達期に応じた専門性や障がいごとの専門性のある放課後デイサービスの構築も検討する。また、発達障がい児童の療育や不登校児の受け入れについても考えていく。 ・訪問診療による柔軟な対応、訪問看護による本人の困り感に応じた柔軟な支援、実施機関の増加。 ・サービスに繋がっていないが、ひきこもりをしている人に関する情報共有 ・未診断の方に対し、一定の条件(自宅にひきこもっている期間の長さや、就労経験など)のもと、暫定的な医療費減免制度や暫定的なサービス利用の緩和。 ・ひきこもり支援センターでの対応要件や基幹センターとの役割分担について、整理する。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・障がいの有無に関わらない、ひきこもりに対する専門機関の連携体制の強化。 ・訪問型の障がい福祉サービスの拡充、訪問診療の柔軟な対応。 委員意見 ・地域活動支援センターの果たす役割を評価し、予算をつけてほしい。法人の負担があまりにも大きく、このままでは運営できない。 ・家族支援が必要と思われる。必要があれば協力したい。 テーマ13 内容 罪を犯した障がい者への支援に対応する関係機関が少ない。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・本人の特性や傾向を理解し、重層的に粘り強く支援をする。職員への理解、啓発(研修、不安に思う職員へのサポート等) ・加算を活用した事業所運営。または、触法障がい者支援における加算の見直し。 ・対人関係や不適応等により通所が困難な方に対するアウトリーチサービスの実施(訪問型生活訓練・自立生活援助など) ・本人が犯罪を起こすプロセスを整理し、傾向や対策を関係機関と共有する場を持つ。(個別ケア会議等) ・出所後の継続した医療提供及び往診等アウトリーチサービスの実施。治療の方針や、適切な関りなどについての指導、助言。 ・障がい理解(障がい故の犯罪行為)や支援体制などの普及啓発。 ・地域での見守り体制の構築。 ・ヘルパー2人体制でのサービス等、本人の状態に応じた支給決定の柔軟化。 ・本人が不穏時の訪問等に警察OBのバックアップを受けられる体制づくり。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・本人の特性や傾向、犯罪に至るプロセスや背景などを関係機関で共有する場の検討。 ・対応する事業所を増やす取り組み(研修などの啓発、受け入れる事業所の加算の見直し)の検討。 委員意見 ・受け入れ可能となるための啓発、研修の機会を増やす必要がある。 ・センターのみの支援では十分でないため関係機関と連携し支援をしていく。また、職員の経験としては多くないため、研修の機会があれば積極的に参加させたい。 テーマ14 内容 日常的な金銭管理を必要としている障がい者は多いが、支援機関が不足し、支援体制も十分整っていない。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・訪問型自立訓練や自立生活援助等のアウトリーチサービスを提供する事業者を増やす。 ・サービス事業所において、保護課、社会福祉協議会と連携し部分的な金銭管理を担う。 ・特別支援学校において金銭管理の方法、成年後見制度について学ぶ機会を作る。 ・日常生活自立支援事業の人員を拡充する。 ・金銭管理、支給方法について保護課、社会福祉協議会との協議の場を作る。 ・成年後見制度の普及啓発を行う。 ・学習による知識の取得を促す取り組みの検討を行う。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・アウトリーチサービスを中心とした支援機関の拡充。 ・関係機関との課題の共有及び協議の場の設置。 ・障がい福祉サービス提供事業所が金銭管理を行うためのガイドラインの作成。 委員意見 (特になし) テーマ15 内容 異性関係や性への理解が難しいことで、想定外の妊娠・中絶、育児に対応できずに虐待につながるケースがある。売春、DVなど触法領域に及ぶ課題がみられる。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・異性交流や性交、出産、育児等について、分かりやすくレクチャーするスキームをつくり、説明機会を実施する。保健師の協力も有効。 ・幼少期から、学校や放課後等デイサービスで異性とのつきあい方を学べるようにする。 ・障がいのあるシングルマザーに焦点をあて、育児支援の活用を含めて利用できるサービスを明確化する。 ・アウトリーチサービスを実施する事業者を増やし、伴走型支援の拡充を図る。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・幼少期における性に関する学習機会の提供と性交・出産などのリスクに関する説明方法の検討。 ・育児支援を含めたアウトリーチ支援の拡充。 委員意見 ・事業所での学びも必要だが、家庭での学びも重要であるので、家庭での学びの機会を連携して行いたい。行えないだろうか。 テーマ16 内容 本人あるいは家族の性格や気性、障がい特性上、対応が難しく、引き受けられる障がい福祉サービス事業所や医療機関が見つからない。また、支援者の精神的負担が大きく、支援の継続が難しい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・事業者が苦情解決、権利擁護、接遇マナー研修を受講し、カスタマーハラスメントを受けたときの対応技術を身につける。 ・サービス提供内容が事業所や支援者によって異ならないように、事業所間や支援者間で支援内容の共有を徹底する。 ・医療機関と本人の情報を共有し、必要に応じて医療面からも本人に介入してもらう。 ・事業所が相談できる法律相談窓口を設置する等、事業所を守る仕組みを作る。 ・カスタマーハラスメントに対応できるよう、相談者・利用者に対する対応指針、ガイドライン等を制定する。 ・必要に応じて行政が福祉サービス事業者に対し、苦情解決体制や方法についての指導・助言を行う。 ・支援者用の相談窓口の設置やカウンセラーの派遣等、支援者のストレスケアを行う仕組みを作る。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・支援者や事業者が守られる仕組みについての検討。 ・事業者による苦情対応の向上、職員のメンタルケア。 委員意見 (特になし) テーマ17 内容 災害時、パンデミック状況下で、避難・安全確保が困難である。また、収束後においても影響が大きい。 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア ・避難マニュアルを作り、家庭、事業所それぞれが内容を確認しておく。 ・避難する時に必要な支援や本人の特性に合わせた事前準備、要援護者リストの作成、災害時連絡方法の確認、避難経路や避難場所の確認をする。 ・通所できない間、自宅や事業所以外の場所でも利用できるようなプログラムを事前にいくつか準備する。 ・病院にも相談し、医療器具の定期的なバッテリー寿命の確認や、外部電源の準備、非常用電源の場所や災害時受け入れ可能な医療機関、数日分の常備薬の確保など、災害に備えた準備をする。 ・災害発生後、専門職によるカウンセリングや障がい特性に関する相談支援を提供する。 ・地域での防災訓練に、事業所も参加する。 ・総合防災訓練を区単位ではなく中学校区ごとに実施するなど、より身近なエリアで災害シミュレーションを行う機会を作る。避難所の下見をする。災害用テントや非常用トイレ、段ボールベッドなどを実際に使い避難の体験学習ができる場を提供する。 ・福祉避難所の活用や、利用を希望する方への情報提供の流れについて事前に協議し、災害発生時に備える。 ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 ・地域住民を含めた災害時の対応、避難先、連絡体制などを確認。 ・障がい特性に合わせた避難先の拡充。 ・個別のケースにおける、障がい特性に合わせた避難計画の作成。 委員意見 ・当事者の意見の聞き取りや本人の避難訓練に協力することを検討する。他都市では、本人とその家族が実際に体育館に1泊2日の体験をしているところがあり、そこでの課題がマニュアル作成に活かされている。また地域の避難の場を利用して啓発活動を行う協力をしたい。 その他 内容 − 区基幹センターで検討した課題解決に向けたアイデア − ワーキンググループで検討した課題解決の方向性 − 委員意見 ・テーマを分けて整理されたことで、より課題が明確になった。今後多岐にわたる息の長い取り組みが必要と感じた。 ・今後、PTAをPTACのように地域との連携が、より必要となってくる。地域の民生委員等の関係者との関わり、お互いに気軽に相談等できるような関係をつくることが必要。