福岡市保健福祉総合計画【概要版】 福岡市 (1ページ) 福岡市 保健福祉総合計画について 福岡市保健福祉総合計画とは?  皆さんは、「福岡市保健福祉総合計画」を知っていますか。  この計画は、1998年(平成10年)に公布施行された「福岡市福祉のまちづくり条例」に基づき策定している福岡市の保健福祉行政のマスタープランです。  福岡市も2017年(平成29年)に「超高齢社会」に突入しており、今後もさらに高齢化は進んでいきます。また、人口構成だけでなく、暮らし方や地域のつながりなど、人々を取り巻く環境も変化しているため、人々の困り事も様々な形になって現れています。  新たな計画には、このような課題を踏まえ、将来も見据えた様々な支援のあり方や取組みの方向性について示します。  詳しくは2から4ページへ 健康福祉のまちづくりを進めよう  新たな計画では、「2040年のあるべき姿」を実現するための基本的方針として、「ひとづくり・しくみづくり・まちづくり」を柱とする「支え合う福祉の充実」を掲げ、それぞれの分野で注力すべき点を整理しています。  こうした社会の実現に向けては、行政だけでなく、市民の皆さんや関係機関と連携を図り、共働していくことが必要です。ともに福岡市の健康福祉のまちづくりを進めていきましょう。  詳しくは5から14ページへ (2ページ) 1 福岡市保健福祉総合計画について ●計画の趣旨  この計画は、「福祉が充実し、生活の質の高いまち」を実現するため、その具体的な目標像として、2040年(令和22年)を見据えた「2040年のあるべき姿」を示し、その達成に向けた今後の道筋を示すものです。  計画期間は2021年度(令和3年度)から2026年度(令和8年度)までの6年間とします。 2040年にもたらされる状況  福岡市の人口推移や保健福祉に関する現状から、2040年(令和22年)にもたらされる状況を次のとおり整理しました。 <1>少子高齢化の進展  高齢化率は一貫して上昇し、2040年(令和22年)には約3人に1人が高齢者となると予測されます。そのため、要介護認定者や認知症の人などが増加し、医療費や介護費などの社会保障費も大幅に増加していきます。一方で、生産年齢人口の割合は低下していくため、社会保障制度の需給バランスの維持が困難となる可能性があります。 図表 高齢者数の推移 グラフ  以下は、年 65から74歳 75歳以上 合計人数(千人)の順。 2015年(平成27年) 170 143 312 2025年(令和7年) 168 228 396 2040年(令和22年) 213 284 497  2040年(令和22年)の合計人数は、2015年(平成27年)の1.6倍になっている。 (注)千人未満を四捨五入しているため、必ずしも合計値は一致しない。 出典:「国勢調査(平成27年度)」(総務省)、「福岡市の将来人口推計(平成24年3月)」(福岡市) 図表 要介護認定者数、認知症の人の推移 グラフ  以下は、年度 要介護認定者数(千人) 認知症の人の数(千人)の順。 2015年度(平成27年度) 62 33  2025年度(令和7年度) 82 44 2040年度(令和22年度) 124 69  2040年度(令和22年度)の要介護認定者数は、2015年度(平成27年度)の2.0倍になっており、2040年度(令和22年度)の認知症の人の数は、2015年度(平成27年度)の2.1倍になっている。 資料:福岡市 <2>社会環境の変化  高齢者の単独世帯や共働きの核家族の増加など、家庭のあり方が変化するとともに、年齢や性別、国籍、障がいの有無など地域で暮らす人々の多様化が進んでいます。  また、ダブルケアやヤングケアラーなどの複雑化・複合化した課題を抱える人や、ひきこもりなど既存の制度だけでは対応が難しい課題を抱える人も増え、福祉ニーズも多様化していくことが考えられます。 (3ページ) ●基本理念・2040年のあるべき姿について  基本理念を踏まえた近い将来の具体的な目標像として、「地域共生社会の実現」及び「2040年のあるべき姿」を次のとおり示しました。 基本理念  『市民が自立し、かつ相互に連携して支え合うという精神のもとに、高齢者や障がいのある人をはじめすべての市民が一人の人間として尊重され、住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続けることができるハード・ソフト両面に調和のとれた健康福祉のまちづくり』 地域共生社会の実現  支え・支えられる関係、地域における人と資源の循環を通じて、地域で暮らすすべての人が住み慣れた地域で安心して暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる「地域共生社会」の実現をめざします。 図  以下は、図の説明。 <1>支え・支えられる関係の循環:誰もが役割と生きがいを持つ社会の醸成  「すべての人の生活の基盤としての地域」と以下のような循環がある。  居場所づくり  社会とのつながり  多様性を尊重し包摂する地域文化  生きがいづくり  安心感ある暮らし  健康づくり、介護予防  ワークライフバランス <2>地域における人と資源の循環:地域社会の持続的発展の実現  「すべての社会・経済活動の基盤としての地域」(農林、環境、産業、交通)と以下のような循環がある。  社会経済の担い手輩出  地域資源の有効活用、雇用創出等による経済価値の創出  就労や社会参加の場や機会の提供  多様な主体による、暮らしへの支援への参画 出典:「第1回 地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会(厚生労働省)」資料より抜粋 2040年のあるべき姿 <1>いつまでも健康で生きがいを持ちながら活躍できる社会  市民がそれぞれのライフステージに応じた健康づくりや生活習慣の改善を実践し、社会全体で健康寿命の延伸に取り組み、誰もが健康で生きがいを持ちながら地域社会で活躍しています。 <2>様々な主体が共に関わり合い、地域課題の解決に向け、力を発揮できる社会  地域全体で課題を共有し、様々な主体がその解決に向けて互いに助け合っています。民間企業などもそれぞれの特色を活かし、市民生活を支えるため、積極的に社会貢献を行っています。 <3>福祉におけるアジアのモデルとなる社会  高齢者や障がいのある人をはじめ、支援が必要な誰もが安心して地域で自立した暮らしを営める社会づくりを進め、高齢化が進むアジアの国々のモデルとなっています。 (4ページ) 2 2040年のあるべき姿に向けた基本的方針 ●支え合う福祉の充実  「2040年のあるべき姿」を実現するためには、限りある資源を有効に活用しながら、市民・行政・民間企業などの様々な主体が柔軟に対応し、時代に応じた、人生100年時代を見据えた持続可能な制度や仕組みを構築する必要があります。  そこで、年齢などを条件に一律に「支えられる側」として施策を実施するのではなく、年齢や性別、国籍、障がいの有無などに関わらず、誰もが生涯にわたって生きがいを持ち、意欲や能力に応じて役割を持って活躍するための施策や、支援が必要な人を社会全体で支え合う施策など、「支え合う福祉」に重点を置いた施策を推進します。  「支え合う福祉」とは? 図  以下は、図の説明。  3つの輪(下記)の中心に「支え合う福祉」が重なっている。 <1>ひとづくり:誰もが意欲や能力に応じて活躍し支え合えるひとづくりを進める  ○健康づくりや社会参加活動などの支援  ○支え合う意識の醸成  ○専門職の人材確保、育成  ○支援を行う人材を社会全体で支援 <2>しくみづくり:支援が必要になっても地域で支え合いながら暮らし続けることができる仕組みをつくる  ○相談体制の充実や関係機関との連携  ○地域の助け合い・支え合い活動の推進  ○最新技術や専門職など、あらゆる社会資源の活用  ○福祉人材が還流する仕組みづくり <3>まちづくり:ユニバーサルデザインの視点に立った誰もが支え合いながら暮らすことができるまちづくりを進める  ○ハード・ソフト両面からのバリアフリー化の推進  ○支援を要する人の状況に応じた居住の安定確保  ○暮らしの中で自然と健康になるまちづくり (5ページ) 3 各分野での取組みについて  各論では、総論に定める「2040年のあるべき姿」や施策の方向性を踏まえ、地域分野、健康・医療分野、高齢者分野、障がい者分野の4つの分野別に次のとおり具体的な取組みを示します。次の7から14ページで、各分野の主な取組みを紹介します。 ●施策体系図 地域分野 【基本目標1】地域福祉活動推進のための基盤づくり (1-1)地域福祉活動を推進する団体への支援と連携 (1-2)共生の意識の醸成 (1-3)ユニバーサルデザインの理念による地域づくり 【基本目標2】身近な地域における絆づくり・支え合い活動の推進 (2-1)絆づくりの推進 (2-2)校区・地区における主体的な福祉のまちづくりへの支援 (2-3)見守りと支え合い活動の推進 (2-4)見守りと災害時の助け合いの連携 (2-5)地域と連携した様々な分野の課題解決の取組み 【基本目標3】人づくりと拠点づくり (3-1)地域で活躍できる人づくり・福祉教育 (3-2)地域活動の促進に向けた環境整備 【基本目標4】多様な主体との連携・共働による地域づくり (4-1)社会福祉法人・NPO・企業等への支援と連携 (4-2)ICT(情報通信技術)等の先進技術の利活用 【基本目標5】包括的な相談支援ネットワークの充実 (5-1)地域との連携による課題把握の仕組みづくり (5-2)権利擁護の体制充実とサービスの利用支援 (5-3)生活困窮者への相談支援体制の充実 (5-4)複合的な課題解決に向けた連携強化 健康・医療分野 【基本目標1】健康づくりの推進 (1-1)超高齢社会に対応する健康づくりの推進 (1-2)生活習慣病対策の推進 (1-3)女性の健康づくりの推進 (1-4)次世代の健康づくりの推進 (1-5)こころの健康づくりの推進(精神保健対策の推進) (1-6)地域や職場などでの健康づくりの推進 (1-7)健康づくり支援の仕組みと環境づくり 【基本目標2】医療環境の整備 (2-1)在宅医療・介護連携の推進 (2-2)救急医療体制・災害時の保健医療体制の充実 (2-3)難病対策の推進 (2-4)がん対策の推進 (2-5)市立病院等の充実 (2-6)医療安全等対策の推進 (2-7)外国人にもやさしい保健医療環境の推進 【基本目標3】健康で安全な暮らしの確保 (3-1)感染症対策の推進 (3-2)薬物乱用及び薬物依存症の対策の推進 (3-3)食品衛生の推進 (3-4)環境衛生の推進 (3-5)動物の愛護・適正飼育の推進 (6ページ) 高齢者分野 【基本目標1】地域包括ケアの推進 (1-1)地域包括支援センター(いきいきセンターふくおか)と各種相談機能の充実 (1-2)地域ケア会議の推進 (1-3)ICT(情報通信技術)やロボット等の利活用 【基本目標2】安心して暮らせる基盤づくり (2-1)住まいの確保と住環境の整備 (2-2)日常生活の支援等 (2-3)支え合う環境づくりと福祉・介護人材の確保 (2-4)災害対策の推進 【基本目標3】いつまでもいきいきと活躍できる環境づくり (3-1)社会参加の促進 (3-2)就業の支援 (3-3)介護予防の推進 (3-4)活動の場づくり 【基本目標4】要支援・要介護高齢者等への支援体制の充実 (4-1)持続可能な介護保険制度の運営 (4-2)介護サービス基盤の整備 (4-3)介護サービスの質の向上 (4-4)生活支援サービスの提供 【基本目標5】認知症フレンドリーなまちづくりの推進 (5-1)認知症に関する理解促進 (5-2)適切な医療・介護サービスの提供と予防の推進 (5-3)認知症の人や家族への支援の充実 (5-4)認知症とともに生きる施策の推進 障がい者分野 【基本目標1】安心して地域で暮らせる基盤づくり (1-1)住み慣れた地域で生活を続けられる体制づくり (1-2)良質な福祉サービスの推進と福祉を支える人づくり (1-3)日常生活の支援による自立促進 (1-4)重度障がい・発達障がい・難病等に関する施策の推進 (1-5)家族支援に関する施策の推進 (1-6)災害対策の推進 【基本目標2】多様性を認め合い、大切にし合うまちづくり (2-1)障がい理解・差別解消の推進 (2-2)権利擁護・虐待防止の推進 (2-3)ユニバーサルデザインの理念に基づくまちづくり・情報提供の推進 【基本目標3】誰もがいきいきと暮らせる環境づくり (3-1)就労支援 (3-2)スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動の推進 (3-3)移動・外出の支援 【基本目標4】子どもの健やかな成長 (4-1)早期発見・早期支援 (4-2)療育・支援体制の充実強化 (4-3)発達障がい児への支援 (4-4)特別支援教育の推進 (7ページ) ●地域分野 【基本理念】  住民参加と自治を基盤とし、様々な主体が地域を構成する一員として相互に連携し、支え合う福祉コミュニティの形成を通して、すべての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる「地域共生社会」の実現をめざします。 基本目標1 地域福祉活動推進のための基盤づくり ○地域福祉推進の柱である社会福祉協議会や民生委員・児童委員への支援、連携を進めるとともに、あらゆる世代において、共に生きる心を育み、「支え合う共生の意識」の醸成を図ります。 ○ユニバーサルデザインの理念に基づき、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりを進めます。 【主な取組み】 <1>共生の意識の醸成  高齢者や障がいのある人、子ども、外国人などと関わり合いや学ぶ機会を設けることにより、共に生きる心を育み、支え合う共生の意識の醸成を図ります。 基本目標2 身近な地域における絆づくり・支え合い活動の推進 ○住民に身近な圏域において、世代を超えた住民同士の多様な交流を促進し地域のつながりの強化を図ることや地域活動の担い手の確保に向けた支援を図るなど、様々な形で支え合い・助け合い活動に参画できる仕組みづくりを進めます。 【主な取組み】 <1>見守りと支え合い活動の推進  高齢者や障がいのある人など地域において支援を要する人々に関する情報交換と日常的な見守り活動ができるよう、ふれあいネットワークの拡充や、企業との連携などにより、重層的な見守り体制を構築します。 基本目標3 人づくりと拠点づくり ○地域で活躍できる人づくりや福祉教育の推進を図るとともに、市民ボランティアの養成に取り組みます。また、地域福祉活動の拠点づくりを進めます。 【主な取組み】 <1>地域活動の促進に向けた環境整備  他者や社会とつながるきっかけとなる場づくりを促進するため、公民館や老人福祉センター等の活用のほか、空家の福祉的な活用を支援するなど、地域福祉の拠点づくりを進めます。 (8ページ) 基本目標4 多様な主体との連携・共働による地域づくり ○社会福祉法人・民間企業・大学や福祉人材などの専門職、NPO等の専門知識や専門技術など、あらゆる社会資源を活用した支援の仕組みづくりとともに、ICTの利活用や、AIやIoT、ロボットなどの最新技術の活用に向けた取組みを進めます。 【主な取組み】 <1>社会福祉法人・NPO・企業等への支援と連携  企業等の地域への参加による地域活動の活性化を図るため、セミナー等の開催や、企業等と地域とのマッチングなどの支援を実施します。 基本目標5 包括的な相談支援ネットワークの充実 ○地域と連携して支援を届けるため、地域特性に応じた多様な支援ネットワークの充実を図るほか、関係機関や多職種の連携を推進するなど、包括的な支援体制の構築に向けた取組みを進めます。 【主な取組み】 <1>権利擁護の体制充実とサービスの利用支援  関係機関や地域住民と連携しながら、高齢者や障がいのある人、児童に対する虐待、配偶者による暴力などの未然防止や早期発見、成年後見制度の利用促進など、権利擁護の取組みの充実を図ります。 <2>複合的な課題解決に向けた連携強化  各専門相談機関等が抱える複合化・複雑化した地域生活課題に対応するため、分野を超えた多機関協働の機能強化に向けた検討を進めます。 (9ページ) ●健康・医療分野 【基本理念】  すべての市民が早い段階から積極的に健康づくりに取り組み、健康寿命の延伸を図るとともに、家庭や地域で自分らしい生活を安心して送ることができる社会及び子どもから高齢者までが健康で安全・安心な暮らしを享受できる社会の形成をめざします。 基本目標1 健康づくりの推進 ○子どもから高齢者までそれぞれのライフステージに応じた健康づくりを社会全体で推進し、市民の健康寿命の延伸を図ります。 ○市民が子どもの頃から健康づくりに関心を持ち、積極的に取り組める環境づくりを進めます。 【主な取組み】 <1>生活習慣病対策の推進  栄養・食生活、運動・身体活動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康などの生活習慣の改善に向け、ライフステージの特性に応じた取組みを進めます。また、生活習慣病の早期発見に向け、特定健診やがん検診の受診率向上に取り組みます。 <2>健康づくり支援の仕組みと環境づくり  健康づくりに関心を持ち、「自然に」「楽しみながら」取り組むことができるよう、健康づくり支援のための仕組みづくりや環境整備に取り組みます。 (10ページ) 基本目標2 医療環境の整備 ○様々なニーズに応じた医療環境の充実が求められるため、限られた医療資源の中で、市民に良質な医療を継続して提供できるよう、取り組みます。 図表 2025年における在宅医療を必要とする患者数(推計) グラフ  以下は、年 1日あたりの患者数の順。 2013年(平成25年)(注1) 8724 2025年(令和7年)(注2) 21679  2025年(令和7年)の1日あたりの患者数は、2013年(平成25年)の約2.5倍になっている。 (注1)2013年(平成25年)は、訪問診療を行っている患者数を示す。数値としては、地域医療構想における推計値の「在宅医療等のうち訪問診療分(医療機関所在地ベース)」の値を用いている。 (注2)2025年(令和7年)は、病床等から在宅医療へ転換する需要を含んだ患者数を示す。数値としては、地域医療構想における推計値の「在宅医療等(患者住所地ベース)」から、老人保健施設の需要(定員数)を除いた値を用いている。 出典:平成28年度福岡県地域医療構想資料「回復期、慢性及び在宅医療等の医療需要」(福岡県) 【主な取組み】 <1>在宅医療・介護連携の推進  医療や介護が必要になっても、住み慣れた地域で自分らしい生活ができるよう、関係機関と連携し、在宅医療提供体制の構築や、医療と介護が一体的に切れ目なく提供される体制づくりを進めます。 <2>救急医療体制・災害時の保健医療体制の充実  市立急患診療所を設置し、休日・夜間における診療体制の確保に取り組みます。また、災害時における医療の提供のため、医療体制の検討や関係機関との協力体制構築に取り組みます。 基本目標3 健康で安全な暮らしの確保 ○国際化に伴う感染症危機管理体制の強化や薬物乱用、依存症対策に取り組みます。 ○市民の健康で安全な暮らしを確保するため、食品衛生や環境衛生などに関する施策を推進するとともに、動物の愛護・適正飼育に関する取組みを進めます。 【主な取組み】 <1>感染症対策の推進  感染症発生動向調査などの情報管理の充実、市民一人ひとりの知識や意識の向上をめざした普及啓発、防疫体制の強化等を図るとともに、新型インフルエンザ等感染症の発生時には、関係機関と連携の上、全庁的な危機管理体制により迅速に対応し、感染拡大を可能な限り抑制し、市民の生命及び健康を守ります。 (11ページ) ●高齢者分野 【基本理念】 高齢者が年齢に関わらず、意欲や能力に応じ、生きがいをもっていきいきと活躍することができ、医療や介護が必要になっても、できるだけ住み慣れた地域で安全・安心に暮らすことができる社会を実現します。 基本目標1 地域包括ケアの推進 ○高齢者をはじめとして、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つの分野のサービスを一体的に提供する「地域包括ケア」を推進し、「地域共生社会」の実現につなげることをめざします。 【主な取組み】 <1>地域包括支援センター(いきいきセンターふくおか)と各種相談機能の充実  高齢者人口に応じた職員配置を進めるとともに、地域や医療・介護・法律等の関係機関などとの顔の見える関係づくりを基本とした多職種間の連携や、相談対応・支援力の向上に取り組みます。 基本目標2 安心して暮らせる基盤づくり ○高齢者の暮らしの基盤となる住まいの確保、日常生活に不可欠な買い物などの生活支援、そして支え合えるコミュニティや人材の確保に取り組みます。また、災害等が発生した場合に、高齢者の安全・安心を確保できる仕組みづくりを進めます。 【主な取組み】 <1>支え合う環境づくりと福祉・介護人材の確保  地域の特性に応じた住民同士の支え合い・助け合いの仕組みづくりへの支援に取り組むとともに、介護サービスの担い手を確保するため、労働環境・処遇の改善や新規人材の参入促進などに総合的に取り組みます。 基本目標3 いつまでもいきいきと活躍できる環境づくり ○高齢者が社会に参加することは、生きがいや介護予防、ひいては健康寿命の延伸にもつながります。高齢者一人ひとりが、年齢を重ねても、意欲や能力に応じて様々な形で社会に参加し、いきいきと活躍できる環境づくりを進めます。 【主な取組み】 <1>社会参加の促進、就業の支援  高齢者の地域活動やボランティア活動、趣味や健康づくりの活動、就業など、社会参加にかかわる様々な活動を促進・支援します。特に、高齢者の意欲が高い就業については、高齢者の多様なニーズを踏まえた就業支援や年齢を重ねても働き続けられる環境づくりに取り組みます。 (12ページ) 基本目標4 要支援・要介護高齢者等への支援体制の充実 ○介護や支援が必要な高齢者が適切な介護サービスを利用できるよう、介護保険制度を円滑に運営するとともに、制度の持続可能性を確保するための取組みを推進します。介護サービスについては、人材の確保と質の向上に取り組むとともに、市民ニーズに対応した介護サービス基盤を整備します。さらに、高齢者本人や家族などの介護者への支援のため、介護サービスに加えて様々な在宅支援サービスを提供します。 【主な取組み】 <1>介護サービス基盤の整備  住み慣れた地域での生活を支える小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスを拡充するとともに、入所ニーズに対応するため、特別養護老人ホームなどの施設サービスも必要数の整備を進めます。 基本目標5 認知症フレンドリーなまちづくりの推進 ○認知症の人が認知症とともに住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らせるよう、関係機関との連携を図りながら認知症の人や家族に対する支援の充実を図るとともに、市民や企業が認知症に関する理解を深める取組みや認知症の人や家族が自分らしく認知症とともに社会参加できる取組みを進めるなど、産学官民オール福岡で認知症フレンドリーなまちづくりを推進します。 【主な取組み】 <1>認知症に関する理解促進  地域や企業、小・中学校などにおいて、認知症の人とその家族を支え温かく見守る認知症サポーターの養成や認知症コミュニケーション・ケア技法「ユマニチュード」の普及に取り組みます。 (13ページ) ●障がい者分野 【基本理念】  福岡市では「障がいのある人とない人が等しく地域の中で自立し、社会の一員として共に生きる社会」をめざし、高齢障がい者及び、「親なき後」の地域での生活を見据えた総合的な支援など、『障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくり』をめざします。 基本目標1 安心して地域で暮らせる基盤づくり ○障がいのある人自身が自立して生活できる環境を整備するなど、障がいのある人の「親なき後」の支援の充実を図ります。 ○障がいのある人もその家族も、地域で安心して生活し続けることができる支援の充実を図ります。 ○重度の障がいや発達障がいがある人、難病患者等に対する社会資源の充実を図り、社会参加の支援や生活の質の向上をめざします。 【主な取組み】 <1>住み慣れた地域で生活を続けられる体制づくり  区障がい者基幹相談支援センターにおいて、24時間対応の一次相談窓口として支援するとともに、訪問による相談対応や地域団体などとの連携により、障がいのある人を地域で見守る仕組みづくりを推進します。 図 地域生活支援拠点等のイメージ 以下は、図の説明。  【地域の体制づくり】が中心にあり、その周りに【体験の機会】グループホームなど、【緊急時受入れ】短期入所、【専門性】【相談】障がい者基幹相談支援センターがある。 資料:厚生労働省 (14ページ) 基本目標2 多様性を認め合い、大切にし合うまちづくり ○障がいのある人の権利や尊厳を守るための施策を推進します。 ○障害者差別解消法や福岡市障がい者差別解消条例の趣旨を踏まえながら、差別解消の推進に取り組みます。 ○物理的な障壁や心理的な障壁、伝達手段による情報面での障壁、その他あらゆる障壁を取り除き、すべての人が互いに尊重し、支え合う共生社会の実現をめざします。 【主な取組み】 <1>障がい理解・差別解消の推進、権利擁護・虐待防止の推進  子どもの頃から障がい当事者との交流を重ねることなどにより、障がいに関する理解を進めるとともに、障がい者110番や区基幹相談支援センターにおいて、権利擁護に関する相談等を行います。 基本目標3 誰もがいきいきと暮らせる環境づくり ○自己決定が尊重され、自己実現を図ることができる共生社会の実現をめざします。 ○障がいのある人が必要な支援を受け、より豊かに、生きがいを持って、人生を送れる社会の実現をめざします。 ○社会参加及び社会貢献をとおして、誰もが幸福を実感できる社会の実現をめざします。 【主な取組み】 <1>就労支援  障がい者就労支援センターと民間の就労移行支援事業所等、ハローワークなどとの連携を図り、障がいのある人の雇用に対する理解促進や、企業とのマッチング、一般就労後の定着の促進などの支援を行います。 基本目標4 子どもの健やかな成長 ○ノーマライゼーションの理念のもとに、一人ひとりの自立をめざした支援・療育体制の充実を図ります。 ○子どもとその家族に対し、乳幼児期から成人期までのライフステージを通じた一貫した支援や、成長段階に応じた支援の充実を図ります。 ○子どもの社会的自立や就学に向けた相談や支援をおこなうとともに、地域交流の支援、理解の促進などに取り組み、共生社会の実現をめざします。 【主な取組み】 <1>発達障がい児への支援  療育センターを中心に、各専門機関との連携を図り、障がいの早期発見・早期支援や、一人ひとりの障がい特性やニーズに応じた支援・療育体制の充実強化、ライフステージの変化に合わせ、切れ目のない支援に取り組みます。 福岡市保健福祉総合計画(原案)【概要版】 <発行年月>令和3年3月 <編集・発行>福岡市保健福祉局総務企画部総務課 〒810-8620 福岡市中央区天神1-8-1 電話番号:092-711-4810 FAX:092-733-5587