【資料3】 現福岡市保健福祉総合計画各論(障がい者分野)の進捗状況について 目次 1 基本目標1 1ページ 2 基本目標2 23ページ 3 基本目標3 34ページ 4 基本目標4 39ページ 5 基本目標5 42ページ 6 基本目標6 45ページ 基本目標1 地域で安心して生活するための支援の充実 目標の内容 ○障がいのある人もその家族も、地域で安心して生活し続けることができる支援の充実を図ります。 施策の方向性 ○地域での生活を支援するため、在宅サービス、グループホーム、外出・移動などの支援の充実を図るとともに、身近な場所で相談支援を受けることのできる体制を強化します。 ○重度の障がいがある人に対する障がい福祉サービスの充実を図り、社会参加の支援や生活の質の向上をめざします。 ○地域で安心した生活を継続できるよう、相談、体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなど、総合的な支援を検討します。 ○施策の推進にあたっては、社会情勢やニーズの変化に合わせた施策への再構築を図ります。 ≪施策事業の体系≫ ●施策1-1 相談支援 ●施策1-2 在宅サービスの推進 ●施策1-3 移動・外出支援 ●施策1-4 施設サービス等の推進 ●施策1-5 生活用具等の給付 ●施策1-6 年金・手当等 ●施策1-7 住宅支援 ●施策1-8 保健・医療・リハビリテーション ●施策1-9 発達障がい児・者への支援 ●施策1-10 難病に関する施策の推進 ●施策1-11 災害対策の推進 ●施策1-12 事業所におけるサービスの質の向上 ●施策1-13 人材の育成・研修 ●施策1-14 「親なき後」の支援 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○市内14カ所に、区障がい者基幹相談支援センターを設置し、24時間体制での相談対応を行うとともに、障がい福祉サービスを適正に提供できるよう、国の制度に基づき、障がい福祉サービス事業所に対し、集団指導や実地指導を実施し、必要に応じて指導や助言を行っている。また、平成29年7月に移動支援の対象者要件及びサービス内容を一部拡充し、令和2年には新たにグループホーム入居者や、共働き世帯の障がい児の通学時利用について、所得に関わらず対象とするなど外出支援の充実を図った。 ○重度訪問介護や、生活介護、医療型短期入所、重度障がい者等包括支援など、利用者の増加に対応しサービスを実施した。また、平成29年7月から意思疎通が困難な重度障がい者に対する入院時コミュニケーション支援事業を単身者以外の利用も可能となるよう拡充した。 ○障がい者が地域で生活するために必要な場であるグループホームについては、「グループホーム開設応援サイト」を市ホームページ上に設置し、不動産協力店登録制度の創設や設置費補助金の増額、重度障がい者を受け入れるグループホームへの運営費補助金の創設など、設置促進を図っている。 ○障がい者の地域生活への移行を進めていくための新たな手法やグループホームの設置促進策などを検討するため、地域生活支援協議会に「地域生活移行部会」を設置し、協議を行った。 ○地域で安心した生活が送れるよう、医療的ケア、強度行動障がい、虐待その他の類型の3つに分類した緊急時の受入拠点を整備した。 【課題】 ○障がい者からの多様な相談に応じていくためには、相談支援体制のさらなる充実が必要である。 ○障がい者が地域で生活するために必要なグループホームについては、報酬体系や設置に適した物件の不足により設置が進んでいないことから、地域生活へ移行するにあたっての有効な手法を検討する必要がある。 ○医療的ケアが必要な重度障がい者を受け入れることができる短期入所施設が不足している。 ○成果指標について、相談窓口の認知度 【今後の方向性】 ○障がい者の地域生活への移行を進めるため、地域生活移行部会で検討した内容を踏まえ次期保健福祉総合計画への反映を図るとともに、新たな取組みを検討していく。 ○緊急時の受入拠点の体制強化を含め、地域生活支援拠点等の課題の抽出、また改善施策の検討を進めるなど引き続き地域生活支援拠点等整備に努めていく。 ○引き続き、地域生活支援の強化や社会参加の促進を図り、障がい者が必要な支援を受けながら、地域や家庭でいきいきと生活できるまちづくりをめざしていく。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>まちの暮らしやすさ(暮らしやすいまちだと感じている人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※3) 初期値:41.6%(平成28年度) 目標値:50.0%(令和元年度) 現状値:42.3%(令和元年度) <2>相談窓口の認知度(困ったときに相談できる窓口を知っている人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※3) 初期値:35.9%※2(平成25年度) 目標値:45.0%(令和元年度) 現状値:33.9%(令和元年度) <3>災害時の孤立度(「頼る人がいない」と回答した人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※3) 初期値:8.1%(平成25年度) 目標値:5.0%(令和元年度) 現状値:10.7%(令和元年度) <4>安全・安心のための社会環境整備ができていると感じている人の割合(福岡市障がい児・者等実態調査※3) 初期値:33.0%(平成28年度) 目標値:40.0%(令和元年度) 現状値:32.6%(令和元年度) <5>将来の暮らし方(将来、家族と同居できない場合に、希望する暮らし方として「一人暮らし」「共同生活できるところ」と回答した人の割合)※1(福岡市障がい児・者等実態調査※3) 初期値:51.9%(平成25年度) 目標値:60.0%(令和元年度) 現状値:52.7%(令和元年度) ※1 「将来の暮らし方」は、障がい児についての数値 ※2 平成25年度の数値は、主要な各相談窓口(福祉事務所・保健所、あいあいセンター、障がい者110番、民生委員・児童委員、就労支援センター、社会福祉協議会)を知っていると回答した人の平均値を参考値として記載 ※3 実態調査は3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <2>相談窓口の認知度(困ったときに相談できる窓口を知っている人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 35.9 H28 34.3 R1 33.9(目標値は45.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 <3>災害時の孤立度(「頼る人がいない」と回答した人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 8.1 H28 11.7 R1 10.7(目標値は5.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調 <5>将来の暮らし方(将来、家族と同居できない場合に、希望する暮らし方として「一人暮らし」「共同生活できるところ」と回答した人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 51.9 H28 49.8 R1 52.7(目標値は60.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策1-1 相談支援 取組みの方向性 <1>相談支援に関わる人材育成やネットワーク構築については、福岡市障がい者基幹相談支援センターが中心となって進めます。また、障がい種別に関わらず、指定特定相談支援事業所のバックアップや困難事例への対応、サービス未利用者への支援などを行う区の基幹相談支援センター設置を検討します。 <2>きめ細かく継続的な支援を行うため、指定特定相談支援事業所や相談支援専門員の増加など、相談支援体制の充実に向けた取組みを検討します。 <3>聴覚障がい者からの相談については、区役所や聴覚障がい者情報センターにおいて対応します。 <4>障害者手帳の取得の有無に関わらず、障がい者もしくは障がいが疑われる人で、必要な社会資源に結びついておらず社会から孤立していたり、サービスの適切な利用がされておらず、本人が抱えている課題の解決につながっていない人に対する支援や、触法障がい者の生活基盤づくりの支援を検討します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>平成29年度から各区に区障がい者基幹相談支援センターを設置している。 <主な事業> ○区障がい者基幹相談支援センター  全障がい一元化した、学齢以上の障がい児・者の24時間対応可能な一次相談窓口 で、地域の障がい福祉サービス事業所等関係機関との連携を図るなど、地域の体 制づくりも実施  ・設置数:市内14カ所(R2年8月末) <2>区障がい者基幹相談支援センター従事者の人材育成に係る研修の実施及び訪問等による指導を実施している。 <主な事業> ○区障がい者基幹相談支援センターコーディネーター研修(H29年度まではサービス等利用計画作成研修)  ・開催回数:H30年度 8回→R元年度 8回→R2年8月末 3回 ○区障がい者基幹相談支援センター訪問指導の実施  ・実施回数:H30年度 12回→R元年度 36回→R2年8月末 15回 <3>平成28年度から各区の福祉・介護保険課の窓口に手話通訳者を嘱託員として配置し、窓口の手話通訳及び相談対応を行った。また、ろうあ者相談員を東区、博多区、早良区に配置した。 <主な事業> ○ろうあ者相談員・手話通訳者の配置  各区福祉・介護保険課に、聴覚障がい者の各種相談に応じるろうあ者相談員又は手話通訳者を配置  ・相談件数:  設置手話通訳者(7区) H30年度 5323件→R元年度 6105件  ろうあ者相談員(3区)  ※1名定年退職につき、R元年度からは2区(東区、博多区)427件(H30年度)→335件(R元年度) <4>区障がい者基幹相談支援センターがアウトリーチや地域団体などと連携して障がい者を地域で見守るパーソナルネットワークの形成など地域福祉の基盤づくりを推進している。福岡市障がい者等地域生活支援協議会に専門部会として触法障がい者部会を設置し、司法関係者などと連携した触法障がい者の支援に取り組んでいる。また、障がい福祉サービス事業所などを対象とした講演会を開催し、触法障がい者に関する理解の促進に取り組んでいる。 【課題】 <1>障がい者からの相談件数の増加やニーズの多様化により、各区障がい者基幹相談支援センターの地域の体制づくりの取組みに差が生じており、平準化を行う必要がある。 <2>平成29年4月の区障がい者基幹相談支援センターの設置に伴い、すべての障がいに対応するため、コーディネーターが幅広い専門的な知識や支援スキルを身に着ける必要がある。 <4>触法障がい者の支援については、地域福祉の基盤づくりを推進するため、民生委員など地域福祉関係者も含めた連携体制の構築が必要である。 【今後】 <1>福岡市障がい者等地域生活支援協議会に専門部会として相談支援部会を設置し、コーディネーターの人材育成等を含め、市全体の相談支援体制のあり方について検討を進めていく。 <2>引き続き、市障がい者基幹相談支援センターの企画会議などでコーディネーター向けの研修内容や区障がい者基幹相談支援センターへの訪問計画などについて機能強化専門員やスーパーバイザ−らと協議し、コーディネーターの効率的な人材育成を計画・実践していく。 <4>区障がい者基幹相談支援センターが中心となり、地域福祉の基盤づくりを引き続き推進していく。触法障がい者の支援については、支援が進まないものについて、触法障がい者部会の中で支援計画を検証し、社会資源の開発改善に向け検討を行っていく。また、関係機関を対象とした講演会などを行い、連携体制構築に取り組んでいく。 ●施策1-2 在宅サービスの推進 取組みの方向性 <1>障がいのある人とその家族が安心して生活できるよう福祉サービスを継続して実施するとともに、短期入所など重度障がい者に対する支援や居宅介護などのさらなる充実に努めます。 <2>施設入所者や入院中の精神障がい者の地域移行を進めていくため、障がい者が在宅で生活するために必要な支援などの充実を図ります。 <3>国に対しては、引き続き他の政令市と共同して確実な財源措置を求めていきます。 <4>また、市としても、施策の再構築や、事業所指導・監査などを通じたサービス適正化により財源確保に努めます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>-1 障がい福祉サービスのうち、短期入所については、介護者のレスパイトや緊急時に短期入所事業所が利用できるよう、事業所の拡充などに努めている。 <主な事業> ○短期入所  介護者の疾病などのため一時的に介護ができない場合に、施設、病院で宿泊を 伴った預かりを実施  ・サービス利用実績:H30年度 福祉型 4227人日、医療型 775人日→R元年度 福祉型 4696人日、医療型 806人日 <1>-2 重度障がい者に対する支援については、平成29年7月から重度障がい者入院時コミュニケーション支援事業の制度を拡充し、単身世帯以外の利用も可能とした。 <主な事業> ○重度障がい者入院時コミュニケーション支援  入院中の意思疎通が困難な重度の障がい者に対し、医療従事者との意思疎通を円滑化し、適切な治療が受けられるように支援を実施  ・利用人数[利用回数]:H30年度 27人[72回]→R元年度 26人[56回]→R2年8月末 2人[4回] <2>福岡市障がい者等地域生活支援協議会に専門部会として、地域生活移行部会を設置し、障がい者の生活の場のあり方、グループホーム設置促進方策、地域生活を支援する施策との連携等について協議を実施した。また、精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会を設置し、精神障がい者が地域の一員として自分らしい暮らしをすることができるための保健・医療・福祉の取組みについて協議を進めている。 <3>二十一大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議において、国への財源措置の要望を他都市と共同で行っている。 <4>障がい福祉サービス事業所に対し、集団指導や実地指導を実施し、必要に応じて指導や助言を行うことにより、適正なサービスの提供に努めている。 <主な事業> ○事務所への指導・助言  ・集団指導(定期):H30年度 695件(参加率89.0%)→R元年度 691件(参加率93.1%)→R2年度 715件(参加率94.5%)  ・実地指導:H30年度 113件[うち抜き打ちの数4](実施率15.0%)→R元年度91件[うち抜き打ちの数5](実施率12.7%)→R2年8月末0件(実施率0.0%)※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため実施を見送り  ・監査:H30年度4箇所→R元年度4箇所→R2年8月末0箇所 【課題】 <1>医療的ケアが可能な施設に対するニーズが高いが、本体施設が医療機関であったり看護師の配置が必要であるなど対応できる事業者は限られている。 【今後】 <1>平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定において、福祉型短期入所事業所で医療的ケアが必要な方の受け入れを積極的に支援するため、看護師配置にかかる新しい報酬体系や加算の新設・改定が行われており、引き続き、事業所の指定相談時や集団指導の時などに、この改定の周知を図り、医療的ケア児・者の受け入れ促進に努める。 ●施策1-3 移動・外出支援 取組みの方向性 <1>重度の知的障がいがある方などの外出の機会の確保を図るため、行動援護について、利用者の増加に対応したサービス提供体制の確保に努めます。 <2>移動支援については、国の制度の動向に留意するとともに、必要な財政負担も考慮しながら、より一層利用しやすいものとなるよう制度のあり方を検討します。 <3>地下鉄料金助成や福祉乗車券などについて、外出支援のあり方を検証し、わかりやすく、使いやすい制度へ組み替えるなど、施策の再構築を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>行動援護の指定事業所が少ないため、居宅介護などの指定相談の際に、行動援護事業所の開設の働きかけを行っている。 <主な事業> ○行動援護  知的・精神障がいにより行動が著しく困難な常時介護を要する障がい児・者が外出する際に、必要な援助を実施  ・行動援護事業所数:H30年度26カ所→R元年度26カ所 <2>移動支援については令和2年度より、共働き世帯における障がい児の通学時利用、グループホーム(GH)入居者の利用対象の拡充を行った。 <主な事業> ○移動支援  一人での外出が困難な障がい児・者の目的地までの移動の介護を実施  ・サービス利用実績:H30年度1130人→R元年度1138人 <3>平成29年度から福祉乗車証と福祉乗車券を統合して、新たな福祉乗車券として再構築した。  ・福祉乗車証交付実績:H29年7月まで1051人  ・旧福祉乗車券交付実績:H29年7月まで643人  ・新福祉乗車券交付実績:H30年度18319人→R元年度18812人 【課題】 <1>行動援護事業所の開設の働きかけを行っているが、居宅介護に比べ資格要件が厳しいため、事業所数の増加が進んでいない。 【今後】 <1>引き続き、事業者説明会や実地指導、事業所指定などの機会に、関係法人に対し、行動援護事業開始や法人内従業者の行動援護従業者養成研修受講の働きかけを行い、事業所及び従業者の増加につなげる。 ●施策1-4 施設サービス等の推進 取組みの方向性 <1>集団指導・実地指導を通じて良質な障がい福祉サービスの確保に努めます。また、就労移行支援及び就労継続支援A型に関しては、福岡労働局など関係部署との連携を図ります。 <2>地域活動支援センター(U型・V型・W型)については、施設経営の安定及び利用者処遇の向上のため、障がい福祉サービス事業への移行を支援していきます。 <3>強度行動障がいのある方に対し、拠点施設において24時間体制で支援員を配置し、3か月を目途に集中支援を行うことにより、個々の障がい特性に応じた支援方法を検討・作成し、行動問題の軽減を図るとともに、民間障がい福祉サービス事業者と協力して、受け入れ事業所の拡大を図ります。 <4>障がい者が地域で安心して生活が継続できるよう、相談、体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなど、総合的な支援を検討します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>事業所に対し、集団指導や抜き打ちを含めた実地指導を行い、適正なサービスの提供に努めている。また、就労継続支援A型事業所の新規指定相談については、国の通知に基づき、収益性の確保について厳しく審査を行っている。  ・集団指導:H30年度373件→R元年度 425件  ・実地指導:H30年度168件[うち抜き打ち25件]→R元年度109件[うち抜き打ち10件]  ・監査:H30年度1カ所→R元年度0カ所 <2>地域活動支援センターについては、運営などの実態を踏まえながら、障がい福祉サービス事業への移行を支援している。 <3>強度行動障がい者の支援については、平成27年度から令和元年度までに14人が集中支援事業を利用しており、行動問題が軽減された結果、生活介護サービス利用をはじめ、グループホームへの移行及び利用準備ができるまでになっている。(令和元年度は3人が利用) <主な事業> ○強度行動障がい者支援事業  地域での安定した生活をめざし、障がいの軽減及びサービス利用機会の拡充を図るため、共同支援、支援研修、支援拠点での集中支援事業を実施 <4>相談、体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなどの機能を確保する地域生活支援拠点等整備の方針について、福岡市障がい者等地域生活支援協議会の提言を踏まえて平成29年度から地域生活支援拠点等整備に取り組み、同年度中に「強度行動障がい」「虐待・その他」に対応する緊急時受入れ・対応拠点を整備し、平成30年11月に「重度身体障がい者(医療的ケアを含む)」に対応する緊急時受入れ・対応拠点を整備した。平成30年度に地域生活支援拠点等の機能を全て確保し、地域生活支援拠点等の整備が完了した。 <主な事業> ○障がい者の地域生活支援機能強化事業  緊急時の受け入れ・対応拠点を医療的ケア、強度行動障がい、虐待その他の類型の3つに分類し各1カ所整備 ○区障がい者基幹相談支援センター事業  ・区障がい者基幹相談支援センターを14カ所設置し、緊急時に24時間対応可能な相談支援体制を整備  ・障がい福祉サービス事業者や地域関係者を含めたネットワークの構築など地域の支援体制づくりを実施 【課題】 <1>事業所における良質な人材確保・定着が課題である。 <3>強度行動障がい者への支援については、集中支援終了後の受入れ先となるグループホームなどの確保が必要であり、また、地域移行後の支援においては、民間事業所における専門知識・技能の拡充が必要である。 <4>地域生活支援拠点等の整備においては、必要な5つの機能の連携体制を構築するとともに、緊急時の受け入れ・対応等円滑に行うための運用やニーズに応じた必要な事業所数の検討が必要である。 【今後】 <1>経験・技能のある職員の確保・定着につなげていくため、令和元年10月の障害福祉サービス等報酬改定において、従来の処遇改善加算・処遇改善特別加算に加え、特定処遇改善加算が新設されており、集団指導の時など、事業所に対して加算の取得を促進するとともに、良質なサービス確保を図るため、引き続き実地指導などにおいて必要に応じて改善指導などを行っていく。 <3>強度行動障がい者への支援については、引き続き新たな拠点施設(移行型グループホーム)を活用し、民間障がい福祉事業者や地域への移行を促進する。 支援拠点での支援や研修事業により、支援方法の開発,支援技術の向上,ノウハウ蓄積を図るとともに、支援人材の育成や集中支援のあり方を検討していく。 <4>福岡市障がい者等地域生活支援協議会の「地域生活支援拠点等整備検討部会」において、地域生活支援拠点等について定期的に評価するとともに、今後のあり方について検討し、その機能の充実・強化を検討していく。 ●施策1-5 生活用具等の給付 取組みの方向性 <1>補装具や日常生活用具の給付を行うとともに、福祉用具に関する情報提供を行います。また、日常生活用具については、ICT(情報通信技術)の進展や、利用者ニーズに応じた内容となるよう給付品目の見直しを継続して検討します。 <2>民間事業者によるサービスの充実などの、社会情勢の変化に対応した施策の再構築を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1><2>-1 補装具の給付実績については、横ばい傾向となっている。 <主な事業> ○補装具費の支給  身体上の障がいを補うための補装具の購入・借受け・修理にかかる費用を支給  ・支給件数:H30年度2798件(交付1738件、修理1060件)→R元年度3078件(交付1852件、修理1226件) <1><2>-2 日常生活用具の給付実績については、排せつ管理用具が全体の9割を占めている。また、給付品目の見直しについては、平成29年7月から、人工鼻と視覚障がい者用音声ICタグレコーダーを追加し、令和元年11月から、人工内耳の対外器の修理・交換を追加した(令和2年4月から人工内耳の修理は補装具制度に移行)。 <主な事業> ○日常生活用具の給付  在宅の障がい児・者に対し、日常生活がより円滑に行われるための用具を給付  ・給付実績:  介護・訓練支援用具 H30年度116件→R元年度133件  自立生活支援用具 H30年度340件→R元年度305件  在宅療養等支援用具 H30年度289件→R元年度320件  情報・意思疎通支援用具 H30年度466件→R元年度593件  排せつ管理支援用具 H30年度27479件→R元年度27480件  難聴児補聴器 H30年度26件→R元年度30件 【課題】 <1>・<2> 日常生活用具への品目追加要望、耐用年数の短期化、対象者の拡大などの拡充要望が各方面から上がっている。一方、汎用化にともない給付件数が極端に減少している品目、短時間に使用不能となり放置されている品目もあり、見直しが必要である。 【今後】 <1>・<2> 引き続き、日常生活用具の品目追加や見直しについては、障がい児・者の利用状況などの把握、国の動向や他都市の状況を確認し、日常生活用具検討委員会の意見を参考として、随時進めていく。 ●施策1-6 年金・手当等 取組みの方向性 <1>引き続き国の所得補償制度を実施する中で、制度の周知や円滑な事務手続きに努めます。 <2>「『親なき後の生活の安心』『障がいの重度化、高齢化への対応』のための施策を強化するには、財源確保の観点から、個人給付事業なども含め、再構築の必要がある」との意見もあることから、障がい者や関係者の意見を伺いながら、福岡市重度心身障がい者福祉手当など、そのあり方について検討を行います。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>障害基礎年金や特別障害給付金については、国が主催する研修や、日本年金機構から講師を招いた独自の研修などをもとに、円滑に事務手続きを行っている。所得審査が必要な受給者に対しては、所得情報を日本年金機構へ報告している。また、障害者手帳等関係部署と連携しながらパンフレットの設置などを行い、制度の周知を図っている。 <主な事業> ○障害基礎年金  一定納付要件を満たしている人が、国民年金法に定められた1級又は2級の障がいの状態になった場合に支給(なお、市区町村の窓口は書類の受付のみを実施) ○特別障害給付金  国民年金に任意加入していなかったことにより障害基礎年金を受給できない人で、国民年金法により定められた1級又は2級の障がいの状態になった場合に支給(なお、市区町村の窓口は書類の受付のみを実施) <2>福岡市重度心身障がい者福祉手当については、市内に居住し、住民登録のある身体障害者手帳1級及び療育手帳Aの方に、毎年12月に在宅者20000円、施設入所者15000円を交付している。 <主な事業> ○福岡市重度心身障がい者福祉手当  重度の身体又は知的障がい児・者に対し手当を支給  ・支給実績: H30年度19830人→R元年度19726人 【課題】 <1>毎年増加傾向である障害基礎年金の裁定請求は、専門的な知識が必要なため、職員の知識の向上を図る必要がある。また、特別障害給付金については、対象者は少ないが障害基礎年金と同様、専門的な知識が必要なため、職員の知識の向上を図る必要がある。また、初診日や納付要件の確認など、年金機構と十分に協議の上、事務処理を進める必要がある。 【今後】 <1>昨年度は日本年金機構から講師を招き、障害基礎年金などについての研修を実施しており、本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインでの研修を予定している。今後も研修などの実施により、知識の向上に努める。 <2>障がい者や関係者の意見を聞きながら、引き続き、手当のあり方について検討する。 ●施策1-7 住宅支援 取組みの方向性 <1>障がい児・者本人の自立の促進や、家族など介護を行う方の負担を軽減するために、住宅改造相談助成を継続して行います。 <2>障がい者グループホームに関しては、開設時に必要な敷金や備品などの経費を補助するとともに、市営住宅を計画的に活用するなど設置促進に努めます。また、グループホームの報酬体系について、利用者への良好な処遇の確保や安定的運営に資するよう、他都市と連携し、機会を捉えて国に要望していきます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>障がい児・者本人の自立の促進や、家族など介護を行う方の負担を軽減するため、住宅改造助成を行った。 <主な事業> ○障がい者等住宅改造相談助成事業  在宅の身体障がい児・者がいる世帯に対し、住宅を障がい児・者の居住に適するように改造する場合に、費用を所得に応じて助成  ・助成件数:H30年度55件→R元年度51件 <2>-1 「福岡市障がい者グループホーム開設応援サイト」の設置  同サイトを市ホームページ上に設置しており、法人向けに開設に役立つ情報を提供している。また、不動産物件の紹介や物件オーナーへの説明などに協力可能な宅地建物取引業者を「不動産協力店」として登録、紹介するとともに、開設希望法人が求める物件情報を紹介することで、宅地建物取引業者と開設希望法人のマッチングの場を提供している。 <2>-2 設置費補助(市単費)の上限額の見直し及び重度障がい者受入運営費補助の創設  消防法改正に伴う消防用設備設置義務化への対応や重度障がい者の受け入れ促進を目的に上限額を増額し、開設法人に交付している。また、重度障がい者の受け入れを行う運営法人に、運営費に対する補助金を交付し、重度障がい者の受け入れ促進を図っている。 <主な事業> ○障がい者グループホーム設置促進事業  グループホームの開設にあたり必要となる共用備品、礼金、事業開始前家賃及び消防設備設置費などを補助 ○重度障がい者グループホーム受入促進事業  障がい支援区分6に該当する重度障がい者を受け入れるグループホームに対し、生活支援員などの職員加配費用相当分を補助 【課題】 <2>経営実態を把握していない報酬体系や人材の不足などにより、特に重度障がい者向けのグループホームの設置が進んでいない。 【今後】 <2>引き続き、市営住宅をはじめとした市有財産の活用を進めるとともに、補助制度の活用状況や効果を検証のうえ、補助制度の再構築を検討するなど、事業者や関係局と連携しながらグループホームの設置促進に取り組んでいく。また、グループホームの経営実態を反映した報酬体系とするよう国に対し要望する。 ●施策1-8 保健・医療・リハビリテーション 取組みの方向性 <1>アルコールを含む依存症やひきこもり、発達障がい、性同一性障がいなどの専門性が高いニーズに関して、相談事業を行っています。また、アルコールを含む依存症やひきこもりに関しては、認知行動療法を用いた回復プログラムに沿った内容の教室を開催し、本人や家族に向けた支援を行います。 <2>国・県への財源措置を要望するとともに、医療費助成制度の優先順位などを適正化することにより、財源確保に努めます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>-1 アルコールを含む依存症やひきこもり、発達障がい及び性同一性障がいに関する電話相談を毎週火曜日と木曜日、第1・3水曜日に実施している。また、市内の病院に協力を得て専門医による面接相談を行うほか、精神保健福祉センター医師による面接相談も行っている。 <1>-2 依存症対策事業として、各保健所や精神保健福祉センターにおいて、専門相談を実施しているほか、精神保健福祉センターにおいて家族教室を実施した。 <主な事業> ○精神保健福祉専門相談、依存症対策事業  ・各種相談件数、開催回数・参加者数  【各保健所】  依存症に関する相談件数: H29年度290件→R元年度239件  アルコールに関する相談件数: H29年度253件→R元年度127件  【精神保健福祉センター】  依存症(アルコール、薬物、ギャンブル等)専門相談件数:H30年度492件→R元年度443件→R2年8月末115件  家族教室:H30年度 全20回71名→R元年度 全18回98名→R2年9月末 8回46名  薬物依存症者回復支援プログラム: H30年度 全24回72名→R元年度 全21回84名→R2年8月末 7回33名  依存症市民講演会: H30年度 1回148名→R元年度 1回119名→R2年9月末 未実施 <2>自立支援医療(精神通院医療)については、障害者総合支援法に基づく国負担金が2分の1のため、毎年度国へ財源措置を要望している。また、現在の制度では通院医療のみであるが入院費用についても対象とするよう毎年国へ要望書を提出している。 【課題】 <1>依存症やひきこもり状態にある方などは、地域で孤立しやすく支援につながりにくい傾向があるため、早期に支援につながるよう取組みを進める必要がある。また、多様化するニーズに対応するため、職員の資質の向上及び、関係機関との連携強化が必要である。 【今後】 <1>講演会や依存症啓発週間等での啓発、ホームページ等での情報発信などにより、相談窓口の周知を図るとともに、地域の関係機関や関係職種の知識や対応力の向上を図り、相談支援体制の充実を図っていく。 ●施策1-9 発達障がい児・者への支援 取組みの方向性 <1>発達障がい児・者への支援については、発達障がいへの理解が進んでいないことや、一人ひとりの障がい特性に応じた支援が十分ではないことなどにより、精神障がいなどの二次障がいの発生が指摘されています。 <2>幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援を進めるため、発達障がい者支援センター、療育センター、障がい者就労支援センター、発達教育センター、精神保健福祉センターなどの発達障がい関連施設の有機的な連携のあり方(既存の社会資源の集約再編、機能強化、利便性向上を図ることなど)を検討します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>発達障がい者支援センターについては、発達障がい児(者)に対する支援の総合窓口として、各種関係機関と連携を図りながら、相談対応や普及啓発、情報提供などを行っている。また、発達障がい児(者)の支援を行う事業所の職員を対象に、定期的に研修や支援方法の助言などを行っている。発達障がいへの市民の理解と認識を深めるため、毎年4月2日の世界自閉症啓発デー及び4月2日から8日の発達障がい啓発週間にあわせて、自閉症をはじめとする発達障がいへの広報啓発活動を行っている。 <主な事業> ○発達障がい者支援センター(ゆうゆうセンター)  ・相談者数、延相談対応回数:H30年度1404名3224回→R元年度1331名3186回  ・関係機関連携・支援回数:H30年度1499回→R元年度1452回  ・普及啓発・研修実施回数、のべ受講者数:H30年度243回5856名→R元年度130回3827名 ○世界自閉症啓発デー・発達障がい啓発週間  世界自閉症啓発デー・発達障がい啓発週間にあわせて、啓発イベント、福岡タワーブルーライトアップ及び発達障がいのある方の美術展の開催などを実施 <2>幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援を進めるため、平成30年3月に策定した基本構想をもとに、福岡市発達障がい者支援・障がい者就労支援センター(仮称)基本計画を策定した。令和元年度は、基本計画に基づき基本設計を行った。令和2年度は実施設計を進めるとともに、発達障がい者支援センター及び障がい者就労支援センターの現状を踏まえ、運営内容や他機関との連携について検討を進めている。 【課題】 <1>発達障がいに関するすべての相談が発達障がい者支援センターに集中しており、医療機関の紹介など他機関でも対応可能な一次相談まで対応している。 <2>ライフステージを通じた一貫した支援体制を構築する中で、発達障がい者支援センターの狭隘化による、研修や面接の会場確保の困難さや、発達障がい者に向けた就労支援のニーズの高まりへの対処など、個々の課題への対応が必要である。 【今後】 <1>引き続き、区障がい者基幹相談支援センターとの連携などにより、相談体制の強化を図っていく。 <2>区障がい者基幹相談支援センターとの連携などにより、発達障がいに係る相談体制の強化を図る。また、福岡市発達障がい者支援・障がい者就労支援センター(仮称)の整備とあわせて、発達障がい関連施設の連携体制についても検討を進め、引き続きライフステージを通じた一貫した支援体制を構築していく。 ●施策1-10 難病に関する施策の推進 取組みの方向性 <1>難病患者とその親など家族が地域で安心して生活できるよう、安定した療養生活の確保と生活の質(QOL)の向上を図ります。 <2>難病患者への訪問事業、難病医療講演会・相談会を開催するなど、疾病の理解や療養の支援・患者間の交流を促進し不安の軽減を図るとともに、難病(指定難病)の医療費助成や障がい福祉サービスを提供します。 <3>慢性疾患等長期療養児などを持つ親に対し、医療費の助成とあわせて、適切な情報提供を行います。また、身近な地域において、慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の充実を進めます。 <4>難病患者からの相談体制の充実を図るため、地域の実情等を把握し、福岡県難病相談・支援センターと連携しながら、ピアスタッフの地域での活動を支援します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>・<2> 各区保健福祉センターで医療講演会・相談会を開催するとともに、福岡市難病相談支援センターを開設(福岡県と共同運営)し、難病患者とその家族のニーズ把握に努めながら、オンラインでの相談会や交流会を開始するなど相談支援の充実を図った。平成31年4月には地域における難病患者への支援体制に関する課題について情報を共有し、地域の実情に応じた体制の整備について難病患者支援に携わる関係機関などで協議を行う福岡市難病対策地域協議会を設置し、関係機関などの相互連携の緊密化を図っている。 <主な事業> ○難病患者相談会など  ・講演会・相談会の開催回数、参加者数:H30年度32回、1123人→30回、R元年度756人※→R2年8月末12回、60人※ ※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一部を開催中止(R元、R2年とも一部中止) <3>難病相談支援センターに小児慢性特定疾病児童等自立支援員を配置し、患児や家族からの相談対応や関係機関向けの理解促進のための研修会を実施した。平成30年1月より小児慢性特定疾病医療費助成を受けている児童を在宅で介護している家族などの負担を軽減するため、人工呼吸器等装着者等を対象に「小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業」を開始し、介護者が安心して在宅医療を継続できる環境を整備した(実施主体:福岡県、北九州市、福岡市、久留米市)。 <4>福岡市難病相談支援センターと連携しながら、ピアスタッフの養成・ピア相談の実施・ピアサポーターの派遣などを行い、相談者のニーズを踏まえた相談対応ができるよう、相談支援体制の充実を図った。 【課題】 <4>難病患者の長期にわたる療養と社会参加への支援をより実効性のあるものとするため、福岡県や関係機関、団体などとより緊密に連携しながら、相談支援事業をはじめとした総合的な対策を講じる必要がある。 【今後】 <1>・<2>・<3>・<4> 難病患者とその家族の安定した療養生活の確保と生活の質(QOL)の向上を図るため、患者のニーズに合わせたよりきめ細かい相談支援が行えるよう、各区保健福祉センターと難病相談支援センターを連携させながら、相談支援事業の充実を図る。また、福岡市難病対策地域協議会において、関係機関や患者団体などと協議を重ねながら、難病対策推進を図っていく。 ●施策1-11 災害対策の推進評価 取組みの方向性 <1>避難行動要支援者名簿の周知を進め、災害時における避難行動に支援が必要となる方に、名簿への登録を促し、日頃の声かけなど地域で支える取組みを進めます。 <2>特別な支援を必要とする障がい者(人工呼吸器使用者、人工透析者、視覚障がい者、聴覚障がい者、精神障がい者、難病患者等)については、医療機関との連絡、搬送、ホームヘルパー、保健師、手話通訳者の派遣依頼を行うほか、状況により社会福祉施設への緊急入所等、適切な配慮がされるよう努めます。 <3>災害時に避難所での生活が困難な障がい者などの災害弱者のため、2次避難所として設置する福祉避難所について、指定している福祉施設との協議を進め災害に備えます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>避難行動要支援者名簿については、平成28年度から市民局において、一定の要件を満たした者に対しDMによる通知を行い、地域への情報提供について意向の確認を行っている。  ・同意者名簿登録者数:H30年度 15105人(うち障がい者の数8430人)→R元年度 15188人(うち障がい者の数8549人)→R2年度 18570人(うち障がい者の数10914人) <2>平成30年6月の福岡市地域防災計画の改定により、一時避難所における福祉避難室の設置や民間の宿泊施設の活用などについて避難対策マニュアルに盛り込まれた。 <3>新型コロナウイルス感染症に対応するため、福祉避難所運営マニュアルの見直しを行い、協定締結法人へ送付した(令和2年6月改定版送付)。 【課題】 <1>市民局からのDMだけでは周知が不十分であり、要支援者への個別アプローチを検討する必要がある。 <2>特別な支援が必要な障がい者の把握については、避難行動要支援者名簿への登録と地域で支える仕組みが不可欠である。また、大規模広域災害発生時については、連絡、搬送などに従事する行政職員や関係職員にかかる負担が大きく、また、医療機関や入所施設などへの受入れ対応についても現状では困難であるため、今後新たな仕組みづくりが必要である。 <3>福祉避難所については、運営マニュアルを整備するなど有事に備えてはいるものの、実際に受入れの実績がないため、災害時の運営経験などに基づいた検証等ができていない。 【今後】 <1>災害時に支援が必要な人については、引き続き市民局からのDM送付に加え、障がい者手帳取得時などに区役所窓口においても避難行動要支援者名簿への登録を促し、地域で支える取組みに繋いでいく。 <2>避難対策マニュアルに沿った対応を行い、適宜内容の見直しを行う。 <3>福祉避難所については、国の考え方や他都市の事例、研究者の見解を整理するなど、福祉避難所の充実に向けた調査を行い、本市における福祉避難所のあり方について検討していく。 ●施策1-12 事業所におけるサービスの質の向上 取組みの方向性 <1>事業所間での協議会設置を後押しすることにより、サービス事業所自ら質の向上に努める仕組みを構築していきます。 <2>事業者説明会(集団指導)の実施や、各事業所における、運営方法やサービスの提供状況に関する確認(実地指導)を行います。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>福岡市民間障がい施設協議会の加入会員相互に各分野ごとの意見交換が行われており、現在の課題などについて情報共有が図られている。 障がい福祉課 <2>良質な障がい福祉サービス等の確保に向けて、事業者への集団指導・実地指導などを適宜、実施している。  ・集団指導:H30年度1245件→R元年度1263件  ・実地指導:H30年度285件[うち抜き打ち29件]→R元年度216件[うち抜き打ち15件]  ・監査:H30年度7カ所→R元年度4カ所 【課題】 <1>現在、福岡市民間障がい施設協議会に加入している法人は、民間事業所全体の半数程度にとどまっている。 <2>良質な障がい福祉サービス等を確保するために、新規指定の段階で審査を厳格化するとともに、適切なサービスの提供が行われていない事業所については、継続的に指導をしていく必要がある。 【今後】 <1>行政と同協議会のより一層の連携を図るとともに、引き続き情報共有及び障がい福祉サービスの向上に資する取組みを行う。 <2>国の指針に基づくサービスの質の維持・向上を目的とした従来の実地指導を行いつつ、新規指定の段階で審査を厳格化していくことで、不正の防止とともに、サービスの質のより一層の向上に努める。 ●施策1-13 人材の育成・研修 取組みの方向性 <1>障がい者(難病を含む)の多様化するニーズに対応した適切なホームヘルプサービスを提供するため、必要な知識、技能を有するホームヘルパーを養成します。 <2>聴覚障がい者などの福祉に理解と熱意を有する方を、手話通訳者、要約筆記者や介助員として養成するための講座を開催し、人材の育成と技術の向上を図ります。 <3>精神保健福祉業務に従事する職員やピアスタッフに対して、人材育成を目的に研修会を開催します。 <4>支援者の育成・確保をめざし、県とも協力して研修の機会の確保に努めます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>障がい児・者(難病を含む)へのサ−ビスの質の向上を図ることを目的とした、ホームヘルパースキルアップ研修を実施し、障がい者支援体制の充実とホ−ムヘルパーの技術向上に努めている。 <主な事業> ○ホームヘルパースキルアップ研修  ・研修開催回数:H30年度8回→R元年度9回  ・研修参加人数:H30年度196人→R元年度198人 <2>聴覚障がい者情報センターにおいて手話通訳者、要約筆記者の養成を行った。 <主な事業> ○手話通訳者・要約筆記者の養成・派遣  手話通訳者・要約筆記者を養成し、聴覚障がい者が公的機関などに赴くときに円滑な意思の疎通が困難な場合に派遣  ・手話通訳者養成:H30年度11人→R元年度10人  ・要約筆記者養成:H30年度9人→R元年度13人  また、聴覚障がい者情報センターにおいて、福岡市、福岡県、久留米市と合同で盲ろう者通訳介助員の養成を行った。 <主な事業> ○盲ろう者通訳・介助員の養成・派遣  盲ろう者通訳・介助員を養成し、盲ろう者が公的機関などに赴くときなどに移動及びコミュニケーション支援を行うために派遣  ・盲ろう者通訳介助員養成:H30年度19人→R元年度17人 <3>・<4> 精神保健福祉業務に従事する職員などの技術水準の向上を図るため、基礎知識や専門知識などの習得を目的に研修会を実施した。 <主な事業> ○精神保健福祉に関する教育研修  ・各保健所における事例検討会  回数、参加人数:H30年度427回、2967人→R元年度484回、3528人  ・精神障がいに対応した地域包括ケアシステム構築に関する研修会(支援関係者研修)  回数、参加人数:H30年度1回、69名→R元年度 開催中止※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため  ・精神保健福祉センターにおける研修会(精神保健福祉従事者研修)  回数、参加人数:H30年度6回、439人→R元年度6回、308人  ・精神障がい者支援体制の構築推進事業(出前講座)  回数、参加人数:H30年度4回、210名→R元年度2回、90人  ・ピアスタッフスキルアップ研修  回数、参加人数:H30年度2回、のべ50名→R元年度 開催中止※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため 【課題】 <2>聴覚障がい者の社会参加の機会が増えたことなどから、派遣依頼は増加しているが、対応可能な手話通訳者などが不足している。 <3>・<4> 精神保健福祉に関する教育研修については、各関係機関との連携体制構築のための具体的な研修を進めていく必要がある。 【今後】 <1>引き続き、障がい者(難病含む)の多様化するニーズに対応した適切なホームヘルパーサービスの提供に向けて、必要な知識・技能を有するホームヘルパーを養成する講座を実施するとともに、研修の周知を行い、受講者の増加を図る。 <2>引き続き、手話通訳者などの養成講座の効果的な周知広報を行い、受講者を増やすとともに活動可能な通訳者を増やす。 <3>・<4> 引き続き、精神保健福祉業務に従事する職員などが経験や必要に応じた知識の習得ができるよう研修などの計画や情報提供を行う。また、新たなピアスタッフの養成や活躍の場の開拓など、活用のためのシステムづくりを進める。 ●施策1-14 「親なき後」の支援評価 取組みの方向性 ○障がいのある人の生活を支えている要素として、様々な障がい福祉サービスとともに、家族の存在は大変大きな部分を占めています。障がいのある人や家族が抱えている大きな不安の一つに、「親なき後の生活の不安」がありますが、障がいのある人も、その家族も安心して生活していくためには、早期から、親や家族が障がいのある人の介護などができなくなった場合どのように支援を継続していくかという後見的支援策とあわせて、障がいのある人自身が将来自立して生活できる環境を整備することが重要です。 ○そのため、「親なき後」の支援については、早期からの取組みも含め、施策の再構築など、財源の確保も見据えながら、各施策の効果的な実施と連携を推進し、基本理念に掲げる「障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくり」の実現に向けて取り組みます。 ○障害者手帳の取得の有無に関わらず、障がい者もしくは障がいが疑われる人で、必要な社会資源に結びついておらず社会から孤立していたり、サービスの適切な利用がされておらず、本人が抱えている課題の解決につながっていない人に対する支援を検討します。(再掲:施策1-1) ○障がいのある人とその家族が安心して生活できるよう福祉サービスを継続して実施するとともに、短期入所など重度障がい者に対する支援や相談支援などのさらなる充実に努めます。(再掲:施策1-2) ○施設入所者や入院中の精神障がい者の地域移行を進めていくため、障がい者が在宅で生活するために必要な支援などの充実を図ります。(再掲:施策1-2) ○障がい者が地域で安心して生活が継続できるよう、相談、体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなど、総合的な支援を検討します。(再掲:施策1-4) ○「『親なき後の生活の安心』『障がいの重度化、高齢化への対応』のための施策を強化するには、財源確保の観点から、個人給付事業なども含め、再構築の必要がある」との意見もあることから、障がい者や関係者の意見を伺いながら、福岡市重度心身障がい者福祉手当など、そのあり方について検討を行います。(再掲:施策1-6) ○障がい者グループホームに関しては、開設時に必要な敷金や備品などの経費を補助するとともに、市営住宅を計画的に活用するなど設置促進に努めます。また、グループホームの報酬体系について、利用者への良好な処遇の確保や安定的運営に資するよう、他都市と連携し、機会を捉えて国に要望していきます。(再掲:施策1-7) ○障がいのある人が社会の一員として尊重され、自らの考えに基づいた決定をし、その考えを表明したり、行動したりするための支援のあり方を踏まえながら、成年後見制度の利用促進に向けた検討や、相談窓口などの充実を図ります。(関連:施策4-1) 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 ○平成29年度から市内14カ所に、区障がい者基幹相談支援センターを設置し、24時間体制での相談対応を行うとともに、障がい福祉サービスを利用していない障がい者の家庭訪問や地域の障がい福祉サービス事業所などの関係機関との連携体制構築に関する取組みを行っている。 ○緊急時の受け入れ・対応拠点を医療的ケア、強度行動障がい、虐待その他の類型の3つに分類し、各1カ所整備しており、利用者の受け入れ調整を円滑に行えるよう、事前登録を進めている。 ○障がい者が地域で生活する場であるグループホームについては、「グループホーム開設応援サイト」を市ホームページ上に設置し、不動産協力店登録制度の創設や設置費補助金の増額、重度障がい者を受け入れるグループホームへの運営費補助金の創設など、設置促進を図っている。 【課題】 ○医療的ケアが必要な重度障がい者を受け入れることができる短期入所施設が不足している。 ○障がい者からの多様な相談に応じていくためには、相談支援体制のさらなる充実が必要である。 ○経営実態を把握していない報酬体系や人材の不足などにより、特に重度障がい者向けグループホームの設置が進んでいない。 【今後】 ○引き続き、福岡市障がい者等地域生活支援協議会の各専門部会を活用し、地域生活支援の強化の議論を進め、障がい者が必要な支援を受けながら、地域や家庭でいきいきと生活できるまちづくりをめざしていく。また、グループホームの経営実態を反映した報酬体系とするよう国に対し要望する。 基本目標2 就労支援・社会参加支援の充実 目標の内容 ○生きがいのある、充実した生活の実現をめざし、支援の充実を図ります。 施策の方向性 ○民間の就労支援事業者、就労支援センター、ハローワークなどと連携して、障がいのある人の雇用に対する理解促進や、企業とのマッチング、一般就労後の定着の促進などの支援を行います。 ○障がい者施設で作られる商品の製作販売や請負作業などの情報を広く紹介するとともに、官公庁や企業からの受注をコーディネートするなど、売上げの向上、工賃の向上を図ります。 ○社会参加を支援するため、合理的配慮の観点に基づく、意思疎通支援施策の充実を 図ります。 ○障がいのある人のスポーツ・レクリエーション活動の振興を図るなど、引き続き各種社会参加活動の促進を図ります。 ○施策の推進にあたっては、社会情勢やニーズの変化に合わせた施策への再構築を図ります。 ≪施策事業の体系≫  ●施策2-1 就労支援 ●施策2-2 福祉的就労の底上げ ●施策2-3 交通支援 ●施策2-4 意思疎通支援 ●施策2-5 障がい者に配慮したまちづくりの推進 ●施策2-6 スポーツ・文化・レクリエーション・社会参加の推進 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○障がい者に対する個別支援のほか、企業に対する啓発活動、就労移行支援事業所などへの技術的支援などの取組みを行った。 ○ときめきプロジェクト事業として、障がい者施設商品のコンクール「ときめきセレクション」や障がい者アート関連事業を実施するほか、広報誌などを活用した広報活動を行うとともに、平成29年度から、就労継続支援B型事業所における生産活動・工賃の実情調査・分析などを行っている。また、商品情報の整理集約、発注側への提供とともに、コーディネートによる受注・発注のミスマッチを解消するとともに、区役所などでの出張販売も実施するなど障がい者施設商品の販売促進を図っている。 ○平成28年度から各区の福祉・介護保険課の窓口に手話通訳者を嘱託員として配置し、窓口の手話通訳及び相談対応を行った。また、ろうあ者相談員を東区、博多区、早良区に配置した。令和元年度からは東区、博多区にのみ配置している。 ○障がい者スポーツセンターや障がい者フレンドホームなど、障がい者の健康増進や社会参加推進のため、12施設を運営している。また、スポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図ることを目的として、スポーツ大会や文化事業などを実施した。 さらには、社会適応訓練としてオストメイト社会適応訓練、音声機能障害発声訓練・指導者養成を実施している。 【課題】 ○民間の就労移行支援事業所などは増加しているが、支援スキルが不十分な事業所も多く、事業所のスキルアップが必要である。 ○障がい者就労施設(就労継続支援B型事業所)における福岡市の平均工賃は全国の平均値を下回っているため、工賃のさらなる向上のための取組みを行う必要がある。 ○聴覚障がい者の社会参加の機会が増えたことなどから、派遣依頼は増加しているが、対応可能な手話通訳者・要約筆記者・盲ろう通訳介助員が不足している。 ○利用者から、施設の老朽化や利用者が増加したことによる利用のしづらさなどについて要望がある。また、スポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図るための事業について、より多くの障がい者に参加してもらうための取組みや、また、広く市民に知ってもらうための広報を充実させる必要がある。 ○視覚や聴覚に障がいのある方など情報を得ることが困難な方々への確実な情報提供をする必要がある。 【今後の方向性】 ○就労支援センターでは、障がい者への個別支援とともに、企業や民間の就労支援機関に対する技術的支援や研修を実施するなど充実を図る。 ○障がい者就労施設の工賃向上に向けたセミナー・勉強会の開催や個別支援などを引き続き実施するとともに、庁内や企業等への障がい者施設商品・サービスに関する情報発信や大量受注が可能となるように複数施設での受注のコーディネートをするなど、受注・発注のミスマッチを解消することにより、受注機会の拡大を図る。 ○引き続き、手話通訳者・要約筆記者・盲ろう通訳介助員養成講座の効果的な周知広報を行い、受講者を増やすとともに活動可能な通訳者等を増やしていく。 ○引き続き、障がい者支援を行っているNPO団体や大学等と連携し、より多くの障がい者の参加を促進していく。また、様々な広報手段により市民への周知に努めていく。 ○視覚や聴覚に障がいのある方がどのように情報を入手しているのか実態を把握し、情報提供有効な方法を検討し、安全・安心な社会環境整備を進める。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>障がいのある人の就労に対する社会の理解度(理解があると感じている人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:28.7%(平成25年度) 目標値:40.0%(令和元年度) 現状値:33.0%(令和元度) <2>外出の頻度(週に3回以上外出している人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:64.6%(平成25年度) 目標値:75.0%(令和元年度) 現状値:66.4%(令和元度) <3>コミュニケーションで困っていることの有無(困っている人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:18.0%(平成25年度) 目標値:10.0%(令和元年度) 現状値:36.2%(令和元度) ※実態調査は、3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <1>障がいのある人の就労に対する社会の理解度(理解があると感じている人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 28.7 H28 33.0 R1 33.0(目標値は40.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 <2>外出の頻度(週に3回以上外出している人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 64.6 H28 62.9 R1 66.4(目標値は75.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 <3>コミュニケーションで困っていることの有無(困っている人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 18.0 H28 37.4 R1 36.2(目標値は10.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策2-1 就労支援 取組みの方向性 <1>就労支援センターを中心に、関係機関と連携しながら、就労移行支援事業所のスキルアップや企業の開拓を進めます。 <2>就職への困難度が高い、精神・発達障がい者への支援の充実を図るなど、社会情勢や雇用情勢の変化に応じた柔軟な施策の実施を図ります。 <3>障がいのある人を雇用する企業へのサポート体制を構築し、障がいのある人も企業も安心して働くことのできる環境整備を実施します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>福岡市障がい者就労支援センターにおいて、障がい者に対する個別支援のほか、企業に対する啓発活動、就労移行支援事業所などへの技術的支援などの取組みを行った。 <主な事業> ○福岡市障がい者就労支援センター  ・相談件数:H30年度6270件→R元年度6429件  ・就職者数:H30年度119人→R元年度94人  ・企業セミナー参加企業数:H30年度166社→R元年度189社  ・就労移行支援事業所研修会参加事業所数:H30年度85事業所→R元年度119事業所 <2>・<3> 特別支援学校高等部の生徒や福岡市障がい者就労支援センターに登録している方を対象に、市庁舎や区役所などで障がい者インターンシップを実施した。また、夢ふくおかネットワークを通して、特別支援学校高等部生徒の就労を促進している。 <主な事業> ○特別支援学校卒業生の就労促進  生徒の自立と社会参加を進めるため、学校、企業関係者、行政、学識経験者、保護者などで構成する「夢ふくおかネットワーク」において、関係団体・機関などとの連携を図り、企業などへ知的障がい特別支援学校卒業生の就労を促進  ・登録 配信企業・事業所数:H30年度294社→R元年度340社→R2年9月末453社  ・知的障がい特別支援学校卒業生数:H30年度171人→R元年度167人  ・知的障がい特別支援学校企業就労者数:H30年度51人→R元年度57人  ・就労率:H30年度29.8%→R元年度34.1%  ・知的障がい特別支援学校卒業生卒業半年後の定着率:H29年度卒90.6%→H30年度卒94.1% 【課題】 <1>民間の就労移行支援事業所が増加する中、精神障がい者や発達障がい者の就労支援を適切に実施出来るスキルが不十分な事業所なども多く、事業所のスキルアップが必要である。また、県内の障がい者雇用率は上昇している一方で、県内の半数の企業が法定雇用率未達成であり、啓発や支援が必要である。 <2>・<3> ・インターンシップの受け入れ先が十分に確保出来ない。 ・博多高等学園を除く特別支援学校高等部卒業生の多くは、入学時に就労希望をしていても学年が進行するにつれ希望をしなくなる傾向が顕著である。そのため、高等部の授業「職業」の学習内容の充実や高等部を中心とした学校全体での進路指導の工夫改善が必要である。 【今後】 <1>障がい者就労支援センターのあり方については、引き続き検討を行う。また、引き続き、障がい者就労支援センターを中心に雇用率未達成企業等に対して、障がい者雇用の啓発支援を行うほか、就労移行支援事業所への技術的支援を実施し、精神障がい者や発達障がい者等への適切な支援ができる事業所を育成する。 <2>・<3> 引き続き、夢ふくおかネットワーク事業におけるセミナーや高等部での学習を通して、生徒の就労意欲を高め、保護者・教員には就労の可能性に気付くことができるようにする。また、企業に対しては、障がい者雇用の理解啓発とともに、より一層、学校と企業の連携が深まるよう取り組んでいく。 ●施策2-2 福祉的就労の底上げ 取組みの方向性 <1>障がい者施設商品の商品力・販売力強化、市民への情報発信を目的として、障がい者施設商品の販売・PRイベントなど、様々な取組みを行います。 <2>ときめきウェブにおいて、障がい者施設商品の製作販売や請負作業などの諸活動を広く紹介し、売上げの向上、工賃の向上を図ります。 <3>障がい者施設商品のアンテナショップとして「ときめきショップ」を設置し、売上げの向上を図ります。 <4>ときめきグッズ受注・発注コーディネート事業において、障がい者施設商品の情報を整理集約し、発注側(福岡市・企業など)に提供するとともに、コーディネートすることにより、受注・発注のミスマッチを解消し、障がい者施設商品の販売促進を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>ときめきプロジェクト事業として、障がい者施設商品のコンクール「ときめきセレクション」、商品販売やPRを行う「ときめきマーケット」、障がい者アート関連事業を実施するほか、広報誌等を活用した広報活動を行っている。また、平成29年度から、就労継続支援B型事業所における生産活動・工賃の実態調査・分析やセミナー・勉強会を実施するとともに、平均工賃が高い他都市の取組み・実例の研究を行っている。 <主な事業> ○ときめきプロジェクト  障がい者施設商品の商品力・販売力の強化や、魅力的な障がい者施設商品や作品の紹介イベントなどを実施 <2>「ときめきウェブ」での障がい者施設商品の製作販売・請負作業などの諸活動を広く紹介し、売上・工賃の向上を図っている。 <3>障がい者施設商品のアンテナショップ「ときめきショップ」を設置し、売上の向上を図っている。 <4>商品情報の整理集約、発注側への提供とともに、コーディネートによる受注・発注のミスマッチを解消するとともに、区役所などでの出張販売も実施するなど障がい者施設商品の販売促進を図っている。 <主な事業> ○ときめきグッズ受注・発注コーディネート事業  障がい者施設商品の情報を整理・集約して発注側(福岡市・企業など)に提供するとともに、施設と企業などをつなぐコーディネートを実施 【課題】 <1>取組みは着実に浸透してきているが、市民・企業とのさらなる共働を進め、地域社会全体での取組みに発展させていく必要がある。障がい者就労施設(就労継続支援B型事業所)における福岡市の平均工賃は全国の平均値を下回っているため、工賃のさらなる向上のための取組みを行う必要がある。 <2>障がい者施設の新設・廃止、販売製品や請負作業などの変更があるため、変更内容について確認し、随時最新の情報に修正する必要がある。 <4>個々の障がい者施設がそれぞれ企業などから受注をしており、大量の受注ができない場合や納期の問題から、受注に至らないケースがある。 【今後】 <1>障がい者施設商品や障がい者アートを活用した啓発活動について、より効果的な方法を検討するとともに、障がい者就労施設の工賃向上に向けたセミナー・勉強会の開催や個別支援などを引き続き実施する。 <2>引き続き、ときめきウェブへの掲載希望について障がい者施設に適宜確認し、登録施設を増やしていくとともに、障がい者施設で実施している作業内容などに変更があった場合は、市へ届出をしてもらうことで変更内容を把握し、適宜情報の更新を行っていく。 <4>引き続き、庁内や企業などへの障がい者施設商品・サービスに関する情報発信や大量受注が可能となるように複数施設での受注のコーディネートをするなど、受発注のミスマッチを解消する。 ●施策2-3 交通支援 取組みの方向性 <1>地下鉄料金助成や福祉乗車券などについて、外出支援のあり方を検証し、わかりやすく、使いやすい制度へ組み替えるなど、施策の再構築を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>平成29年度から福祉乗車証と福祉乗車券を統合して、新たな福祉乗車券として再構築するとともに、重度心身障がい者がタクシーを利用する場合にタクシー利用券を交付し、料金の一部を助成するなど、障がい者の外出の支援を行っている。 <主な事業> ○公共交通機関費用助成事業  重度障がい者などに対し、公共交通機関の運賃を助成  ・福祉乗車証交付実績:H29年7月まで1051人  ・旧福祉乗車券交付実績:H29年7月まで643人  ・新福祉乗車券交付実績:H30年度18319人→R元年度18812人 ○福祉タクシー料金の助成  経済的支援が必要な重度心身障がい者がタクシーを利用する場合に料金の一部を助成  ・交付人数:H30年度8518人→R元年度8312人 ○自動車改造助成  身体障がい者が使用する自動車の改造費用の一部を助成  ・助成人数:H30年度30人→R元年度31人 ○運転免許取得助成  障がい者が運転免許を取得した場合に、取得費用の一部を助成  ・助成人数:H30年度45人→R元年度43人 【課題】 <1>福祉乗車証については、障がい者団体から継続及び拡充の要望が寄せられている。 【今後】 <1>福祉乗車証については、令和2年度も引き続き交付を行っている。 ●施策2-4 意思疎通支援 取組みの方向性 <1>日常のコミュニケーションに困難のある障がいの特性や、言語のひとつである手話についての啓発を進め、市民の理解の促進に努めます。 <2>合理的配慮の観点から手話通訳者・要約筆記者の派遣対象の拡大を図ります。 <3>区役所の設置手話通訳者の確保に努めます。 <4>重度障がい者に対する意思疎通支援のあり方については、国の動向も踏まえ、検討します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>全国ろうあ者大会にあわせ、手話ハンドブックを作成し、配布を行った。 <2>-1 聴覚障がい者情報センターにおいて、手話通訳者・要約筆記者の養成、派遣を行った。 <主な事業> ○手話通訳者・要約筆記者の養成・派遣  手話通訳者・要約筆記者を養成し、聴覚障がい者が公的機関などに赴くときに円滑な意思の疎通が困難な場合に派遣  ・手話通訳者養成(修了者):H30年度11人→10人  ・手話通訳者派遣(延べ人数):H30年度2649人→R元年度2214人  ・要約筆記者養成(修了者):H30年度9人→R元年度13人  ・要約筆記者派遣(延べ人数):H30年度497人→R元年度465人 <2>-2 聴覚障がい者情報センターにおいて、福岡市、福岡県、久留米市と合同で盲ろう者通訳介助員の養成を行った。また、聴覚障がい者情報センターから盲ろう者通訳介助員の派遣を行った。 <主な事業> ○盲ろう者通訳・介助員の養成・派遣  盲ろう者通訳・介助員を養成し、盲ろう者が公的機関などに赴くときなどに移動及びコミュニケーション支援を行うために派遣  ・盲ろう者通訳介助員養成(修了者):H30年度19人→R元年度17人  ・盲ろう者通訳介助員派遣(延べ人数):H30年度266人→R元年度292人 <3>平成28年度から各区の福祉・介護保険課の窓口に手話通訳者を嘱託員として配置するとともに、ろうあ者相談員を東区、博多区、早良区に配置し、窓口の手話通訳及び相談対応を行った。 <主な事業> ○ろうあ者相談員・手話通訳者の配置  各区福祉・介護保険課に、聴覚障がい者の各種相談に応じるろうあ者相談員又は手話通訳者を配置  ・対応件数  設置手話通訳者(7区):H30年度5323件→R元年度6105件  ろうあ者相談員(3区):H30年度427件→R元年度335件※R元年度からは2区(東区、博多区) <4>重度障がい者入院時コミュニケーション支援については、平成29年7月に制度を拡充し、単身世帯以外の利用も可能としている。 <主な事業> ○重度障がい者入院時コミュニケーション支援  入院中の意思疎通が困難な重度の障がい者に対し、医療従事者との意思疎通を円滑化し、適切な治療が受けられるように支援を実施  ・利用実員[利用回数]:H30年度27人[72回]→R元年度26人[56回]→R2年8月末2人[4回] 【課題】 <2>・<3> 障害者差別解消法の施行に伴い、聴覚障がい者の社会参加の機会が増えたことなどから、派遣依頼は増加しているが、対応可能な手話通訳者・要約筆記者・盲ろう通訳介助員が不足している。 <4>重度障がい者入院時コミュニケーション支援の対象者は在宅の障がい者であるが、施設入所者の入院時利用の要望がある。 【今後】 <2>・<3> 引き続き、手話通訳者・要約筆記者・盲ろう通訳介助員養成講座の効果的な周知広報を行い、受講者を増やすとともに活動可能な通訳者などを増やしていく。 <4>引き続き、利用者のニーズを的確に把握し、制度を適切に運用していく。 ●施策2-5 障がい者に配慮したまちづくりの推進評価 取組みの方向性 <1>障がいのある人もない人も、すべての人が安全かつ快適に社会参加していけるように、「福岡市バリアフリー基本計画」に基づき、誰もが暮らしやすい環境整備を推進します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>-1 旅客施設、車両、歩道、公園などのハード面のバリアフリー化は、バリアフリー基本計画(H25からR2年度)に基づき、概ね順調に進んでいる。 <主な事業> ○ハード面のバリアフリー化  ・バリアフリー化が完了した駅数(一日当たりの平均利用者数が3千人以上)  目標:R2年度 64駅  現状:R元年度 64駅  ・重点整備地区内の歩道のバリアフリー化延長(km)  目標:R2年度41.7km  現状:R元年度38.4km <1>-2 施設の改修などの際、障がいのある人の視点を生かし、よりきめ細かなバリアフリー化を進めるため、バリアフリーのまちづくりサポーター制度を設けるとともに、出前講座などの機会を捉えた「心のバリアフリー」広報誌の配付・啓発などに取り組み、ソフト面のバリアフリー化を推進している。 <主な事業> ○ソフト面のバリアフリー化  ・小学校でのバリアフリー教室の年間開催数(九州運輸局と協力開催含む)  目標:R元年度4校  現状: R元年度4校  ・バリアフリー関連市民向け講座の開催数:H30年度6件→R元年度6件→R2年8月末0件 【課題】 <1>施設ごとのバリアフリー化は着実に進められているが、心のバリアを取り除き、多様な人々の存在をお互いに理解し、支え合う「心のバリアフリー」は、浸透に時間を要するため、今後も継続的に普及・啓発をする必要がある。 【今後】 <1> ・引き続き、学識経験者・利用者・行政などで構成するバリアフリー推進協議会での意見を踏まえながら、関係者と連携して、バリアフリー基本計画に基づくハード面のバリアフリー化を推進する。 ・「子ども向けバリアフリー教室」の開催や、「車いす利用者おでかけマップ」を用いたモニターツアーの開催、障がい当事者からアドバイスをいただく「バリアフリーのまちづくりサポーター制度」の働きかけなどを行い、心のバリアフリーの定着を図る。 ●施策2-6 スポーツ・文化・レクリエーション・社会参加の推進 取組みの方向性 <1>障がい種別や状況に応じた社会適応訓練の実施や相互理解を向上させる力を持つ文化芸術の活用により、障がい者の社会参加を促進します。また、社会情勢やニーズの変化に対応しつつ、障がいのある人の健康の増進や社会参加の促進のために、引き続きスポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>-1 障がい者スポーツセンターや障がい者フレンドホームなど、障がい者の健康増進や社会参加推進のための事業を行っている。 <主な事業> ○障がい者スポーツセンター(さん・さんプラザ)  水泳・バスケットボール・卓球・トレーニングなどの機会の提供、障がい者スポーツの指導、指導者派遣、相談対応及び情報提供を実施  ・障がい者スポーツセンター利用者数:H30年度114180人→R元年度103099人 ○市立障がい者フレンドホーム  文化教室(絵画・陶芸など)、更生相談、会議室提供を実施  ・主催事業(教室、相談等)参加者数(延べ人数):H30年度29640人→R元年度24249人 <1>-2 障がいのある人の健康の増進や社会参加の促進のため、スポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図ることを目的として、スポーツ大会や文化事業などを実施した。 <主な事業> ○福岡市障がい者スポーツ大会  ・参加人員等:H30年度55団体、974人→R元年度47団体、941人 <1>-3 社会適応訓練としてオストメイト社会適応訓練、音声機能障害発声訓練・指導者養成を実施している。 <主な事業> ○社会適応訓練  音声機能障がい者に対する発声訓練や、ストマ用具装着者に対するストマ用具の使用法の指導や相談を実施  ・オストメイト社会適応訓練  実施回数:H30年度12回→R元年度11回  受講人数:H30年度285人→R元年度238人  ・音声機能障害発声訓練・指導者養成  実施回数:H30年度90回→R元年度82回  受講人数:H30年度1450人→R元年度1153人 【課題】 <1> ・利用者から、施設の老朽化や利用者が増加したことによる利用のしづらさなどについて要望がある。 ・スポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図るための事業について、より多くの障がい者に参加してもらうための取組みや、また、広く市民に知ってもらうための広報を充実させる必要がある。 【今後】 <1>障がい者支援を行っているNPO団体や大学等と連携し、より多くの障がい者の参加を促進していく。また、市政だよりや記者発表などの広報手段により、引き続き市民への周知に努めていく。 基本目標3 障がいに対する理解の促進 目標の内容 ○障がいのある人もない人も、互いに尊重し合う共生社会の実現をめざします。 施策の方向性 ○共生社会の実現に向けて、互いの多様なあり方を尊重し、障がいへの理解を深め、偏見をなくしていく施策を推進します。 ○必要な情報が必要な人に届くよう、わかりやすい広報を行うとともに、点訳化や音訳化など、障がいの特性に配慮した情報の提供や、情報利用のための手段についての選択肢の拡大に努めます。 ≪施策事業の体系≫  ●施策3-1 啓発・交流の推進 ●施策3-2 広報・情報提供の充実 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○障がい者に対する理解促進を図るため、啓発イベント「障がい者週間記念の集い」や精神障がい者理解促進の為の普及啓発を実施している。また、学校に対してふくせき制度の更なる周知を図るため、ふくせき制度ガイドブックを配布した。 ○障がい保健福祉施策に関する広報については、必要に応じ、冊子やチラシ、市ホームページ、市政だよりなどで周知するほか、点字版の作成や冊子に音声コードを付加するなど、障がい特性に配慮した広報物の作成を行っている。また、市ホームページにおいては、PDF版とテキスト版を掲載し、音訳化を行っている。 【課題】 ○成果指標について、初期値と比べても現状は思わしくなく、啓発イベントについては、より啓発効果が高いものとなるよう検討していく必要がある。また、精神保健福祉に関しては、各区保健福祉センターや精神保健福祉センターが相談窓口であることを今後も継続して周知していく必要がある。なお、ふくせき制度については、入学式での紹介の希望は増加しており、参加と紹介を含めて考えていく必要がある。 ○障がい福祉施策を市民向けにまとめた「福岡市の障がい福祉ガイド」について、点字版の作成や音声コードの付加について検討する必要がある。 【今後の方向性】 ○啓発イベントについては、引き続き、実施主体となる団体などと連携し、事業内容を検討していく。また、精神保健福祉に関しては、案内ポスター「こころの健康ガイド」の配布先を増やし、相談窓口の周知のために更なる広報強化に努めていく。 なお、ふくせき制度については、特別支援学校に在籍する児童生徒が地域とのつながりが深められるよう更なる充実に努める。 ○「障がい福祉ガイド」については、市民からの要望を踏まえ、引き続き障がい特性に応じた情報提供に努める。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>啓発・交流の頻度(「障がい者に対する理解を深める機会が少ない」と回答した人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:19.7%(平成25年度) 目標値:10.0%(令和元年度) 現状値:21.0%(令和元年度) ※実態調査は3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <1>啓発・交流の頻度(「障がい者に対する理解を深める機会が少ない」と回答した人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 19.7 H28 20.2 R1 21.0(目標値は10.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策3-1 啓発・交流の推進 取組みの方向性 <1>障がいのある人もない人も、共に交流する機会を提供するなど、様々な場面で障がいに関する市民の理解を促進するための取組みを進めます。特に、子どもの頃から、体験学習や障がい当事者との交流を重ねることにより、障がいに関する理解や関心を持てるような環境づくりを進めます。 <2>障がい児や特別支援教育に対する認識や理解を促進し、地域において障がい児が育まれるよう、特別支援学校の児童生徒と地域の小・中学校の児童生徒との交流活動を推進するとともに、障がい児と同じ地域に住む子どもたちとの交流に取り組んでいる団体の活動を支援します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>-1 障がい者に対する理解促進を図るため、啓発イベント「障がい者週間記念の集い」を実施した。 <主な事業> ○障がい者週間  障がいについて市民の理解と認識を深めるため、「障害者週間(12月3日から9日)」を中心として各種広報啓発活動を実施  ・障がい者週間記念の集い  来場者数:H30年度7854人→R元年度11133人 <1>-2 精神障がい者理解促進の為の普及啓発のため、各保健所において、精神保健家族講座、健康展を実施している。また、相談窓口周知のため、案内ポスター「こころの健康ガイド」を3000部作成、医師会、歯科医師会、薬剤師会へ毎年度に送付し、掲示を依頼するとともに、各保健所や精神保健福祉センターにおいて啓発資料を常時配布している。 <主な事業> ○精神保健家族講座  家族への障がいの理解、相互交流を促進  ・各保健所における精神保健家族講座の開催回数、参加人数:H30年度 全61回、732名→R元年度 全57回、675名 ○健康展  自殺予防、うつ病予防の啓発コーナーを設置  ・各保健所における健康展の参加人数:H30年度1593名→R元年度2014名 ○精神保健福祉啓発交流事業  講演会や啓発映画上映、精神障がい者当事者による作品展、コンサート、バザーなどの啓発イベント(ハートメディア)を実施  ・参加人数:H30年度1836名→R元年度1546名 ○心の健康づくり等市民講演会  ・ひきこもり市民講演会の参加人数:H30年度144名→R元年度140名  ・依存症市民講演会の参加人数:H30年度148名→R元年度119名 <2>学校及び入学児童生徒の保護者に対して,ふくせき制度の周知を図っている。 <主な事業> ○ふくせき制度(交流及び共同学習)  特別支援学校に在籍する児童生徒と居住する地域とのつながりを深めるため、居住する地域の小・中学校に副次的に籍を置き、交流を実施  ・入学式への参加(紹介を含む)率:H29年度27.3%→H30年度22.8%→R元年度23.0% 【課題】 <1>障がい者週間記念の集いについては、事業内容について、より啓発効果が高いものとなるよう検討していく必要がある。また、社会情勢や地域の状況に応じた取組みを検討していく必要がある。 <2>居住地校の入学式への参加希望は年度により増減がある。 ※R2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、入学式への参加は行っていない。 【今後】 <1>障がい者週間記念の集いについては、引き続き、実施主体となる団体などと連携し、事業内容を検討していく。また、職域や様々な世代を対象に今後も継続して啓発事業を行っていく。 <2>ふくせき制度については、入学式の参加だけでなく、紹介を含めて周知していく。 また、特別支援学校に在籍する児童生徒が地域とのつながりが深められるようふくせき制度の更なる充実に努める。 ●施策3-2 広報・情報提供の充実 取組みの方向性 <1>ICT(情報通信技術)の進展に対応しながら、わかりやすい広報を行うとともに、点訳化や音訳化など、障がいの特性に配慮した情報手段の提供に努めます。また、必要な情報が必要な人に届くよう、より効果的な情報提供の手法を検討します。 <2>パソコン・スマートフォンなどが普及している状況から、ホームページを活用した情報提供のさらなる充実を図ります。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>・<2> 障がい保健福祉施策に関する広報については、必要に応じ、冊子やチラシ、市ホームページ、市政だよりなどで随時、周知している。また、障がい福祉計画や障がい児・者等実態調査報告書を作成する際に、点字版の作成や冊子に音声コードを付加するなど、障がい特性に配慮した広報物の作成を行っている。なお、市ホームページにおいては、PDF版とテキスト版を掲載し、音訳化を行っている。 【課題】 <1>障がい福祉施策を市民向けにまとめた「福岡市の障がい福祉ガイド」について、点字版の作成や音声コードの付加について、検討する必要がある。 【今後】 <1>「障がい福祉ガイド」については、市民からの要望を踏まえ、引き続き障がい特性に応じた情報提供に努める。 基本目標4 権利擁護の推進 目標の内容 ○障がいのある人の権利や尊厳を守るための施策を推進します。 施策の方向性  ○社会的に弱い立場になりがちな障がいのある人も、個人としての尊厳を保ちながら、 その人らしい生活ができるよう、自らが選択・決定するための支援体制の整備に努め ます。 ○虐待によって障がいのある人の権利や尊厳がおびやかされることを防ぎ、安定した生活や社会参加を支えるため、障がい者虐待の防止、養護者に対する支援などに関する施策を推進します。 ≪施策事業の体系≫  ●施策4-1 権利擁護・虐待防止 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○常設相談窓口を設置し、権利擁護に関する相談対応を実施するとともに、内容に応じて専門相談を行うほか、必要に応じて専門機関への依頼などを実施している。 ○市障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)において、障がいに関する研修などを実施するとともに、区保健福祉センターと連携して虐待を受けた障がい者及びその養護者に対する支援を行っている。 【課題】 ○福岡市障がい者差別解消条例の施行に伴い、増加している障がい者差別に関する相談への対応能力の向上を図る必要がある。 ○養護者による障がい者虐待に係る対応件数が増加しており、職員の対応能力向上や対応方法の共有を図る必要がある。 【今後の方向性】 ○障がい者110番など障がい者差別に関する相談窓口の充実に向けた検討を行う。また、障がい者虐待の防止については、研修などの実施や事例集の作成などにより、虐待の防止・早期発見のための啓発活動や再発防止のための養護者及び被虐待者への適切な支援に取り組む。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>障がい者の人権に関する問題点(「障がい者の意見や行動が尊重されないこと」と回答した人の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:17.1%(平成25年度) 目標値:8.0%(令和元年度) 現状値:14.2%(令和元年度) ※実態調査は3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <1>障がい者の人権に関する問題点(「障がい者の意見や行動が尊重されないこと」と回答した人の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 17.1 H28 12.7 R1 14.2(目標値は8.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策4-1 権利擁護・虐待防止 取組みの方向性 <1>障がいのある人が社会の一員として尊重され、自らの考えに基づいた決定をし、その考えを表明したり、行動したりするための支援のあり方を踏まえながら、相談窓口などの充実を図ります。 <2>成年後見制度については、国において見直しが進められており、その動向もみながら、利用促進に向けた検討を行います。 <3>障がい者虐待の防止及び早期発見のための啓発活動に取り組むとともに、虐待の通報・届出受理後は虐待再発防止のために養護者及び被虐待者に対し支援を行います。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>障がい者110番については、常設相談窓口を設置し、権利擁護に関する相談対応を実施するとともに、内容に応じて専門相談を行うほか、必要に応じて専門機関への依頼などを実施している。 <主な事業> ○福岡市障がい者110番  ・相談件数:H30年度369件→R元年度315件→R2年8月末157件 障がい者支援課 <2>判断能力が不十分な精神障がい者及び知的障がい者など当事者による申立てが期待できない状況にある者について、市長申立て及び市長申立てを行った低所得者に対して報酬助成を実施している。 <主な事業> ○成年後見制度利用支援事業  ・市長申立て件数:H30年度3件→R元年度1件→R2年8月末1件  ・報酬助成件数 :H30年度5件→R元年度6件→R2年8月末1件 <3>市障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)において、障がいに関する研修などを実施するとともに、区保健福祉センターと連携して虐待を受けた障がい者及びその養護者に対する支援を実施している。 <主な事業> ○基幹相談支援センター(虐待防止センター)  障がい者虐待の防止、養護者に対する支援などを促進  ・障がい者虐待防止に関する研修などの開催回数:H30年度8回→R元年度7回→R2年8月末2回  ・虐待対応件数(事実確認調査を行った事例):H30年度49件→R元年度51件→R2年8月末14件 【課題】 <1>権利擁護に関する相談のほか、生活に関する様々な相談が寄せられるため、関係機関と連携した対応が必要である。 また、障がいを理由とする差別に関する相談に効果的に対応するため、対応能力の向上を図る必要がある。 <2>福岡市では事業の対象者を市長申立案件に限定しているが、専門職団体などの関係機関から助成対象者の拡大が求められている。 また、障がいのある方やその家族の後見制度に関する理解が不足している。 <3>養護者による障がい者虐待に係る対応件数が増加しており、職員の対応能力向上や対応方法の共有を図る必要がある。 【今後】 <1>引き続き、区障がい者基幹相談支援センターなどの相談窓口と連携し、利用者のニーズに応じた相談支援を実施する。また、障がい者差別に関する相談窓口の充実に向けた検討を行う。 <2>引き続き、家庭裁判所や福岡市社会福祉協議会をはじめとする関係機関との意見交換を継続的に実施し、中核機関(成年後見センター)の令和3年度中の設置に向けた準備など、福岡市における権利擁護のネットワークを構築する。 また、成年後見制度を利用しやすく、利用者がメリットを感じられるよう、広報・啓発活動を行うとともに、高齢者の権利擁護部門と連携しながら総合的な支援体制のあり方について検討を行う。 <3>引き続き、虐待の防止及び早期発見に向けた啓発活動や職員の対応能力向上のための研修などを実施する。また、虐待事例への対応方法を共有するための事例集を作成する。 基本目標5 差別解消のための施策の推進 目標の内容 ○障害者差別解消法の趣旨を踏まえながら、差別解消の推進に取り組みます。 施策の方向性 ○障がいの有無によって、分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、平成25年(2013年)に制定された障害者差別解消法などに基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に取り組みます。 ≪施策事業の体系≫  ●施策5-1 障害者差別解消法施行に伴う対応 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○平成30年6月に福岡市障がい者差別解消条例を制定し、平成31年1月から施行している。同条例制定後は、市政だより、ホームページ、パンフレット・ポスター・チラシ、出前講座などを通じた、条例の周知活動を行っている。障がいを理由とする差別に関する相談窓口については、障がい者110番に加え、市内14ヵ所の区障がい者基幹相談支援センターにも窓口を設置している。同条例に基づく附属機関として、福岡市障がい者差別解消推進会議及び福岡市障がい者差別解消審査会を設置し、会議を開催している。 【課題】 ○事業者や市民の障がいを理由とする差別に関する理解を深めるため、広報・啓発に取り組む必要がある。 【今後の方向性】 ○福岡市障がい者差別解消推進会議などを通じて、障がいのある人をはじめとする関係者の意見を聞きながら、啓発活動や相談対応、紛争の解決などに取り組む。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>差別を受けた経験(差別を受けたりいやな思いをした経験の割合)(福岡市障がい児・者等実態調査※) 初期値:29.2%(平成25年度) 目標値:20.0%(令和元年度) 現状値:20.9%(令和元年度) ※実態調査は3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <1>差別を受けた経験(差別を受けたりいやな思いをした経験の割合) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 29.2 H28 23.0 R1 20.9(目標値は20.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策5-1 障害者差別解消法施行に伴う対応 取組みの方向性 <1>法施行に合わせ作成した職員対応要領に基づき、障がいを理由とする差別の禁止に関して、福岡市役所の職員が率先して取り組みます。 <2>差別に関する紛争の防止などに向け、障がい者差別に関する相談窓口を設置し、関係者からの相談等に応じるとともに、「福岡市障がい者差別解消支援地域協議会」において、差別事案の解決に向けて協議します。 <3>障害者差別解消法の周知・啓発を進めるためのフォーラムの開催など、法の円滑な施行に向けて取り組みます。 <4>また、福岡市の実情を踏まえ、障がいを理由とする差別の解消に向けて、障がいのある方をはじめ関係者の意見を聞きながら、差別の解消を目的とする条例の制定に取り組みます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>eラーニングにおける研修や区役所の市民相談担当課職員向けの研修会を実施するなど、合理的配慮の考え方などについて市職員の理解を深めるための取組みを行っている。 <2>障がいを理由とする差別に関する相談窓口の委託先と連携しながら対応に当たっている。また、当該窓口に寄せられた相談について、福岡市障がい者差別解消推進会議(相談部会)において、事例の共有や解決に向けた協議などを行っている。 <3>福岡市障がい者差別解消推進会議などを通じて、障がいのある人をはじめとする関係者の意見を聞きながら、効果的な広報・啓発について検討を行っている。また、出前講座などを通じ、市民や事業者に啓発を行っている。 <4>平成30年6月に福岡市障がい者差別解消条例を制定し、平成31年1月から施行している。 【課題】 <3>事業者や市民に対して、効果的な広報・啓発のあり方を具体的に検討する必要がある。 【今後】 <3>福岡市障がい者差別解消推進会議などを通じて、障がいのある人をはじめとする関係者の意見を聞きながら、効果的な啓発活動について検討していく。 基本目標6 障がいのある子どもへの支援の充実 目標の内容 ○早期からの支援や、成長段階に応じた支援の充実を図ります。 施策の方向性 ○障がいのある子どもについては、「発達が気になる」など、障がいの疑いが生じた段 階から、早期の対応、支援を行っていくことが重要です。障がいの早期発見と早期支 援、そしてノーマライゼーションの理念の基に、一人ひとりの自立をめざした支援・ 療育体制の充実を図ります。 ○また、近年、特に発達障がい児の新規受診や相談が著しく増加していることから、発達障がい児とその家族への支援の充実に努めます。 ≪施策事業の体系≫ ●施策6-1 早期発見・早期支援 ●施策6-2 療育・支援体制の充実強化 ●施策6-3 発達障がい児の支援 1 目標達成に向けた進捗状況 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗状況】 ○「障がいの疑いがある」とされた場合に、専門機関である心身障がい福祉センターや療育センターにおいて医学的診断などを行い、障がいの早期発見に努めるとともに、発達の気になる子どもやその家族の心配事に関する相談支援を行っている。 ○障がい児通所支援事業所の指定により支援体制の充実強化に努めており、相談については心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおいて未就学児への相談支援を、区障がい者基幹相談支援センターや民間の相談支援事業所において就学時の相談支援を行っている。また、発達障がいに係る相談については、発達障がい者支援センターにて相談を受け付け、関係機関とも連携しながら支援を行っている。 ○発達障がいの特性がある子どもを把握し、早期支援に努めるとともに、保護者向けの研修により、家庭での実践を支援している。また幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援をすすめるため、福岡市発達障がい者支援・障がい者就労支援センター(仮称)の整備と並行して検討を進めている。 【課題】 ○障がいのある子どもについては、早期の対応、支援を行うことが重要であるが、近年、発達障がい児の新規受診や相談が著しく増加している。 ○幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援を進める為に、ライフステージ間における障がい情報伝達体制の構築が必要である。 【今後の方向性】 ○「障がいの疑いがある」とされた場合に、専門機関である心身障がい福祉センターや療育センターにおいて医学的診断などを行い、引き続き、障がいの早期発見に努める。心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおいて、発達の気になる子どもやその家族の心配事に関する相談支援を行い、引き続き、支援の充実に努める。 ○一貫した支援を進めるために、発達障がい者支援センターや関係機関の機能の充実、強化を図るとともに、すでにあるツールを最大限活用することで、よりよい体制を実現していく。 2 成果指標の動向 <成果指標> <1>療育や訓練を受けた経験(「受けた」又は「受けている」人の割合」)※1(福岡市障がい児・者等実態調査※2) 初期値:82.6%(平成25年度) 目標値:85.0%(令和元年度) 現状値:86.2%(令和元年度) ※1「療育や訓練を受けた経験」は、障がい児についての数値 ※2実態調査は3年ごとの実施であり、直近は令和元年度実施。 <1>療育や訓練を受けた経験(「受けた」又は「受けている」人の割合」) グラフ  以下は、年度 割合の順。 H25 82.6 H28 83.3 R1 86.2(目標値は85.0) 出典:福岡市障がい児・者等実態調査 3 施策の進捗状況・課題と今後の方向性 ●施策6-1 早期発見・早期支援 取組みの方向性 <1>医療機関や乳幼児健康診査などの受診時に、「障がいの疑いがある」とされた場合に、専門機関である心身障がい福祉センターや療育センターにおいて医学的診断などを行い、障がいの早期発見に努めます。 <2>区役所(保健福祉センター)や心身障がい福祉センター、療育センター、こども総合相談センターが連携しながら、発達が気になった段階から、家族も含めた支援に取り組みます。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>「障がいの疑いがある」とされた場合に、専門機関である心身障がい福祉センターや療育センターにおいて医学的診断などを行い、障がいの早期発見に努めている。 <主な事業> ○障がいの早期発見  乳幼児健康診査などを通じ、障がいの疑いがあると判断された場合は、専門機関の受診につなぎ、障がいの早期発見に努めるもの  ・新規受診者数:H30年度1518名→R元年度1614名 <2>心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおいて、発達の気になる子どもやその家族の心配事に関する相談支援を行っている。また、各保健福祉センターやこども総合相談センターと連携し、必要な支援について調整を行っている。 <主な事業> ○心身障がい福祉センター、東部・西部療育センター  障がい児(未就学児)の相談・診断・療育支援などを実施  ・心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおける相談・診断・判定人数:H30年度29252名→R元年度31148名 ○こども総合相談センター  子どもに関する様々な問題に対して、保健・福祉・教育分野から総合的・専門的な相談・支援を実施 【課題】 <1>障がいのある子どもについては、早期の対応、支援を行うことが重要である。 <2>近年、発達障がい児の新規受診や相談が著しく増加している。 【今後】 <1>・<2> 「障がいの疑いがある」とされた場合に、専門機関である心身障がい福祉センターや療育センターにおいて医学的診断などを行い、引き続き、障がいの早期発見に努める。心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおいて、発達の気になる子どもやその家族の心配事に関する相談支援を行い、引き続き、支援の充実に努める。 ●施策6-2 療育・支援体制の充実強化評価 取組みの方向性 <1>障がいの重度・重複化や発達障がいの増加に対応するため、障がいのある子どもが、知的障がい・肢体不自由などの障がいの種別に関わらず、身近な地域で相談や訓練を受けることができるよう、障がい児の通園施設や放課後等デイサービスなどの療育体制や支援体制の充実強化に努めます。 <2>通園が困難な重症心身障がい児などに対する訪問療育を行うとともに、障がい児が通う保育所、幼稚園、認定こども園などへの支援や、障がい児施設などでの日帰りの一時支援や預かり時間の延長などにより、障がい児とその家族を地域で育む環境づくりを進めます。 <3>慢性疾患等長期療養児などを持つ親に対し、医療費の助成とあわせて、適切な情報提供を行います。また、身近な地域において、慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の充実を進めます。(再掲) <4>学校と行政、事業所などが連携し、就労に向けた取組みを推進します。 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>児童発達支援センターや放課後等デイサービスなどの障がい児通所支援事業所の指定により支援体制の充実強化に努めている。相談については心身障がい福祉センター及び西部、東部療育センターにおいて未就学児への相談支援を、区障がい者基幹相談支援センターや民間の相談支援事業所などにおいて就学児の相談支援をおこなっている。また、発達障がいに係る相談については、発達障がい者支援センターにて相談を受け付け、関係機関とも連携しながら支援を行っている。 <主な事業> ○児童発達支援センター  就学前の知的障がい児・肢体不自由児などを対象に、通園による訓練・保育などの療育を実施 ○放課後等デイサービス  学校通学中の障がい児に対して、放課後や長期休暇において、生活能力向上のための訓練などを継続的に提供することにより、学校教育と相まって障がい児の自立を促進するとともに、放課後などの居場所づくりを推進  ・事業所指定実績:  児童発達支援センター H30年度11カ所→R元年度12カ所  放課後等デイサービス事業所 H30年度184カ所→R元年度202カ所  障がい児相談支援事業所 H30年度66カ所→R元年度72カ所 <2>在宅障がい児の地域生活支援のため、訪問療育や外来療育、施設訪問などの各種サービスを社会福祉事業団へ委託し行っている。 <主な事業> ○障がい児等療育支援事業  外来療育、訪問療育、保育所・幼稚園などへの支援を実施  ・実施件数:  心身障がい福祉センター H30年度8390件→R元年度8962件  西部療育センター H30年度5843件→R元年度5894件  東部療育センター H30年度5889件→R元年度5398件 ○障がい児保育訪問支援事業  障がい児が入所している保育所などに対して、専門機関による訪問、助言などを実施 <3>難病相談支援センターに小児慢性特定疾病児童等自立支援員を配置し、患児や家族からの相談対応や関係機関向けの理解促進のための研修会を実施した。小児慢性特定疾病医療費助成を受けている児童を在宅で介護している家族などの負担を軽減するため、人工呼吸器等装着者などを対象に「小児慢性特定疾病児童等レスパイト支援事業」を実施した(実施主体:福岡県、北九州市、福岡市、久留米市)。 <4>就労支援センターを中心に在学中から職業相談、職場実習などの支援を行い、就職後についてもジョブコーチ支援などを行っている。 【課題】 <1>放課後等デイサービス事業所が急増しているが、支援の質が低く、適切な発達支援を提供できない事業所がある。また事業所及び利用の急増により、障がい児通所給付費増加の原因となっている。 <2>障がい児とその家族を地域で支援していく環境づくりを促進する必要がある。 <4>特別支援学校以外の高校や専門学校の生徒の支援ニーズを把握することが難しく、就労支援につながらないことが多い。 【今後】 <1>平成28年度に事業所指定及び指導を担当する主査を設置し、平成29年度に職員を増員するなど適切な支援が提供されるよう事業所を指導しており、引き続き指導体制の強化に取り組んでいく。 <2>障がい児とその家族の地域生活支援のため、訪問療育や外来療育、施設訪問などの各種サービスを実施しており、引き続き実施する。 <4>夢ふくおかネットワーク事業における各種セミナーや体験会を通して、生徒の就労意欲を高め、保護者教員には就労の可能性に気付くことができるようにする。また、企業に対しては、障がい者雇用の理解啓発とともに、より一層、学校と企業の連携が深まるよう取り組んでいく。 ●施策6-3 発達障がい児の支援 取組みの方向性 <1>発達障がい者支援センターを中心に、自閉症などの発達障がいのある子どもとその家族に対し、乳幼児期から成人期までのライフステージに応じ、障がいの特性を踏まえた相談や一貫した支援を行います。 <2>専門家や団体、事業者、保健・教育・福祉関係者などで構成する「発達障がい者支援協議会」などを通じて、関係機関・団体の連携を強化し、支援体制の充実を図ります。 <3>発達障がいへの理解を促進するため、啓発活動に取り組みます。(再掲) <4>発達障がい者への支援については、障がいへの理解が進んでいないことや、一人ひとりの障がい特性に応じた支援が十分ではないことなどにより、精神障がいなどの二次障がいの発生が指摘されており、幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援を進めるため、既存の社会資源の集約再編や、機能強化、利便性向上を図ることなどを検討します。(再掲) 進捗状況・課題・今後の方向性 【進捗】 <1>発達障がいの特性がある子どもを把握し、早期の支援開始を図っている。また、保護者向けの研修により、家庭での実践を支援している。  ・発達障がい者支援センター職員数:H30年度10名→R元年度10名 <2>発達障がい者支援地域協議会だけでなく、特別支援教育連携協議会や親の会との連絡会を通じて連携強化を図っている。 <3>毎年4月に、市内の親の会や当事者団体と協力して、啓発イベントを行っている。また、研修会、講演会を通して啓発を図っている。 <4>幼児期から学齢期、成人期までの一貫した支援をすすめるため、福岡市発達障がい支援・障がい者就労支援センター(仮称)の整備と並行して検討を進めている。 【課題】 <1>保護者向け研修など、実施拡大を望む声は大きいが、実施可能な職員数が限られており、今後職員の育成が必要である。 <4>一貫した支援を進める為に、ライフステージ間における障がい情報伝達体制の構築が必要である。 【今後】 <1>今後も発達障がい者支援センター職員や、関係機関の支援者の人材育成に努めるともに、人員の適正な配置についても検討していく。 <2>・<3> 共生社会実現に向けて、啓発活動は重要な取組みであり、今後も実施方法等検討しながら継続的に行っていく。また、関係機関との連携も引き続き強化していく。 <4>引き続き一貫した支援を進めるために、発達障がい者支援センターや関係機関の機能の充実、強化を図るとともに、すでにあるツールを最大限活用することで、よりよい体制を実現していく。