資料7 障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)について 1 市基幹相談支援センターの主な業務 (1)総合的・専門的な相談支援の実施及び相談支援の人材育成 ・区障がい者基幹相談支援センター(以下、区基幹センターと称す)の困難事例に関する相談等について、相談支援スーパーバイザー等の派遣による専門的な助言 (2)福岡市の相談支援体制の強化の取り組み ・区基幹センター職員の資質向上のため、相談支援に関する各種研修の実施 ・区基幹センターの平準化や情報交換等を図るため主任コーディネーター会議の開催 ・各区部会事務局会議、区部会に出席して各区の課題や運営状況の確認 ・行政や地域の相談機関等との連携強化の取り組みによる区内のネットワーク構築の支援 (3)ライフステージを通じた支援体制の構築 ・乳幼児期から成人期までの各ライフステージを通じて一貫した相談支援を実施できるようにするため、専門機関と区基幹センター等との連携が円滑化するように、必要な調整を実施 (4)地域移行・地域定着の促進の取組 ・障がい者支援施設や精神科病院等に対し、地域移行に向けた普及啓発 (5)福岡市内のGH(グループホーム)に関する情報集約業務(空室状況) ・障がい者GH等の基本的な情報(所在地、建物の構造、間取り、家賃等の実費負担、利用者の状況等)及び空室状況等(空室状況、体験利用の可否等)の情報を整理・集約、福岡市及び区基幹センター等並びにGH等の運営法人に対して、毎月情報提供 (6)福岡市障がい者等地域生活支援協議会の事務局業務の一部 ・開催準備、事務局業務の一部を担当 ・区部会事務局会議に参加、事務局合同会議を開催し、各区部会からの課題の精査を実施 ・事務局合同会議調整会議を開催し、事務局合同会議で検討する地域課題の精査を実施 ・ホームページの更新(協議会、事務局合同会議、区部会、専門部会の活動報告等) 〇事務局合同会議 協議会事務局(福岡市障がい者支援課)が開催する会議で、すべての区の区部会の事務局が一堂に会し、協議会運営に関する調整、区部会及び専門部会の運営状況の把握、事例に基づく課題の取り扱い等を協議する。行政と区部会及び専門部会の事務局との連携等を図る場となっている。年3回、協議会の開催の前に本会議を開催している。 〇主任コーディネーター会議 各区基幹センターの主任コーディネーターが参加し、各区部会から出された事例に基づいて課題の精査をする、各区部会で進めている地域とのネットワーク、地域作りについて、それぞれの区の進捗状況を確認、促進するなどして各区の間で事業に差が出ないように協議している。 2 虐待防止センターの業務について (1)養護者、障害者福祉施設従事者等、使用者による障害者虐待に関する通報又は届出の受理(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律 第32条第2項第1号) (2)養護者による障害者虐待の防止及び養護者による障害者虐待を受けた障害者の保護のための相談、指導及び助言(同条第2項第2号) (3)障害者虐待の防止及び養護者に対する支援に関する広報・啓発(同条第2項第3号) 障がい者基幹相談支援センター(虐待防止センター)事業実績 1.総合的・専門的な総合相談の実施 (1)委託相談実数 (単位:人) 年度 新規相談者 継続相談者 合計 元年度 新規相談者 121 継続相談者 44 合計 165 30年度 新規相談者 90 継続相談者 54 合計 144 (2)委託相談対応内訳 (単位:件) 年度 電話・メール 来所 訪問 その他 合計 元年度 年度 電話・メール 1,021 来所 41 訪問 234 その他 0 合計 1,296 30年度 年度 電話・メール 770 来所 31 訪問 257  その他 0 合計 1,058 (3)スーパーバイザーによる区基幹センターへの専門的な助言 (単位:件) 訪問  電話 メール 合計 事務局会議への参加 元年度 訪問 2 電話 2 メール 0 合計 4 事務局会議への参加 36 30年度 訪問 12 電話 0 メール 0 合計 12 事務局会議への参加 26 2.相談支援に関する研修 (1)区基幹センターコーディネーター研修 (単位:人) 回数 種別 開催日 研修内容 受講者数 回数 第1回 種別 基礎 開催日 6月13日 研修内容 対人援助技術 受講者数 20 回数 第2回 種別 基礎 開催日 7月3日 研修内容 ソーシャルワークの基本 受講者数 19  回数 第3回 種別 基礎 開催日 7月12日 研修内容 障がいの理解(身体・知的・精神 受講者数 21 回数 第4回 種別 専門別 開催日 10月31日 研修内容 強度行動障がい 受講者数 29 回数 第5回 種別 基礎 開催日 12月9日 研修内容 介護保険 受講者数 36 回数 第6回 種別 体験 開催日 12月17日 研修内容 障がい者スポーツ体験会 受講者数 40 回数 第7回 種別 専門別 開催日 1月20日 研修内容 地域移行支援 受講者数 27 回数 第8回 種別 専門別 開催日 2月7日 研修内容 権利擁護 受講者数 29 回数 第9回 種別 専門別 開催日 2月14日 研修内容 差別解消法 受講者数 34 延べ人数 255 (2)福岡市医療的ケア児等コーディネーター養成研修 (単位:人) 時間数 受講者数 時間数 講義:2日間(14時間) 1日目 受講者数 元年度 85 30年度 76 2日目 受講者数 元年度 80 30年度 75 演習:2日間(14時間) 3日目 受講者数 元年度 85 30年度 76 4日目 受講者数 元年度 38 30年度 36 ※講義・演習28時間受講者には修了証書を発行 3.グループホーム等情報集約業務と情報提供 (単位:件または回) 元年度 基本情報調査事業所数 164 基本情報提供機関数 16 空室情報提供機関数 105 情報集約数(グループホーム数) 164 空室情報提供回数 12 空室情報提供件数 1,167 新規利用件数(入居に至った件数) 127 ※基本情報提供先 本庁所管課 各区基幹相談支援センター ※空室情報提供先 本庁所管課 区福祉・介護保険課、区健康課 各区基幹相談支援センター、グループホーム運営法人 特別支援学校 30年度 基本情報調査事業所数 134 基本情報提供機関数 16 空室情報提供機関数 91 情報集約数(グループホーム数) 134 空室情報提供回数 12 空室情報提供件数 1,056 新規利用件数(入居に至った件数) 103 ※基本情報提供先 本庁所管課 各区基幹相談支援センター ※空室情報提供先 本庁所管課 区福祉・介護保険課、区健康課 各区基幹相談支援センター、グループホーム運営法人 特別支援学校 4.基幹相談支援センター・虐待防止センター事業に関する諸会議の開催・出席状況 (単位:回) 元年度 運営会議 1 企画会議 12 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 2 福岡市障がい者等地域生活支援協議会区部会 34 福岡市障がい者等地域生活支援協議会区部会事務局会議 77 障がい者等地域生活支援協議会事務局合同会議調整会議 2 障がい者等地域生活支援協議会事務局合同会議 2 その他(会議名;触法障がい者部会) 6 その他(会議名;地域生活支援拠点等整備検討部会) 3 その他(会議名;精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会) 4 区基幹センター主任コーディネーター会議 8 虐待対応に関するコアメンバー会議 57 虐待対応に関する個別ケース会議 143 30年度 運営会議 1 企画会議 12 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 3 福岡市障がい者等地域生活支援協議会区部会 36 福岡市障がい者等地域生活支援協議会区部会事務局会議 75 障がい者等地域生活支援協議会事務局合同会議調整会議 3 障がい者等地域生活支援協議会事務局合同会議 3 その他(会議名;触法障がい者部会) 6 その他(会議名;地域生活支援拠点等整備検討部会) 6 その他(会議名;精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会) 4 区基幹センター主任コーディネーター会議 9 虐待対応に関するコアメンバー会議 57 虐待対応に関する個別ケース会議 148 5.虐待通報・届出の状況 (単位:人) 区分 養護者による虐待 令和元年度 人数 56 うち休日・夜間 3 計 113 30年度 人数 58 うち休日・夜間 9 計 131 区分 障がい者福祉施設職員従事者等・使用者による虐待 ※ 令和元年度 人数 24(23) 計 113(112) 30年度 人数 23(16) 計 131(124) ※障がい者福祉施設職員従事者等・使用者による虐待は,令和元年度1人重複,30年度7人重複あるため,()内が実人数。 区分 虐待以外の相談 令和元年度 人数 33 うち休日・夜間 50 計 113 30年度 人数 20 うち休日・夜間 30 計 30  6.虐待通報・届出対応の延べ件数 (単位:件) 区分 電話 令和元年 本人 93 家族 124 行政 504 関係機関 938 その他 26 合計 1,685 30年度 1,791 区分 メール・FAX 本人 3 家族 15 行政 150 関係機関 52 その他 0 合計 220 30年度 202 訪問・同行 本人 342 家族 159 行政 166 関係機関 501 その他 36 合計 1,204 30年度 825 来所 本人 1 家族 4 行政 0 関係機関 4 その他 0 合計 9 30年度 13 合計 本人 439 家族 302 行政 820 関係機関 1,495 その他 62 合計 3,118 30年度 2,831 事業名 福岡市の相談支援体制の強化の取組 取組根拠(課題) 福岡市全体の障がい者等に係る相談支援体制が円滑に機能するように、各種の支援が必要である。 事業計画 ○身体障がい者相談員、知的障がい者相談員、民生委員・児童委員、高齢者、児童、保健・医療、教育・就労等に関する各種の相談機関との連携会議の開催等、連携強化の取組みを行うことにより相談支援事業の周知を行い、区基幹センター等が区内のネットワークを構築するための支援を行う。 実施内容 〇区基幹センターの困難事例に関する相談等について、相談支援スーパーバイザーの派遣による専門的な助言を行ってきたが、3障がい一元化に伴い、区基幹センターの力量が高まり、障がい種別による相談が減った。地域体制整備に関する助言等が求められるようになり、相談支援スーパーバイザーに区部会や事務局会議への参加を依頼し、説明等を実施した。 〇市基幹センターからも、区部会や事務局会議に参加し、地域のネットワークづくりや地域課題整理等への助言を行った。また、区基幹センターのネットワーク構築を支援するための取り組みとして、以下の課題に関して行政機関との協議を実施した。 ○区基幹センターが、児童の相談対応を行うようになり、児童の短期入所先の不足、児童福祉との連携、障がい児の緊急受け入れ体制の不足という地域課題が上がってきており、市協議会へ報告した。所管課を通して、児童相談所と子育て支援課との連携のあり方や役割の確認について協議を行った。 ○所管課を通して、市民局防災・危機管理課から主任コーディネーター会議に参加してもらい避難行動要支援者名簿等について説明を実施した。災害発生に備え、障がい児者や高齢者等を対象に避難行動要支援者名簿への登録が進められており、区基幹センター等が関わっている障がい児者も対象となっており、登録の勧奨を行った。 実施結果 ○児童の緊急時支援についてのフローチャートを作成することとなった。児童相談所と子育て支援課で最終確認を行っており、方向性が示されることとなった。 〇区基幹センターが地域の民生委員・児童委員の会議やカフェに参加する等、地域との連携づくりに取り組み、校区によっては、障がい児者へ積極的に関わっているところもあり、相談を受けることも少しずつ増えてきた。区部会において、避難行動要支援者名簿について区社会福祉協議会の職員から高齢者に関する取り組みについて紹介してもらい、障がい児者にどのように広めていくと良いか検討を行ったところもあった。 今後の課題 ○障がい者を対象に実施している「緊急受け入れ対応拠点」の機能を既存の障がい児入所施設などに依頼し、障がい児の緊急時の受け入れ拠点を整備することを検討する場が必要である。 ○地域で暮らす障がい児者を地域住民とともに支援していく仕組みを整備し、災害発生時に共に助け合う関係性を作っておくことが必要である。民生委員・児童委員、自治協議会、社会福祉協議会など地域との関係性をどの様に構築していくのか協議の場を設けることが必要である。また、地域の助け合いだけでは難しく、公的支援が必要となる重度心身障がい児者や医療的ケアが必要な方たちへの支援の在り方についても検討の場が必要である。 事業名 権利擁護・虐待の防止 取組根拠(課題) 障がい者虐待防止の取組強化及び障がいの理解を深めてもらうため広報啓発活動等に取り組んでいく必要がある。 事業計画 ○障がい者虐待防止センターとしての以下の役割を担う。(障害者虐待防止法第 32 条) @養護者,障がい者福祉施設従事者等,使用者による障がい者虐待に関する通報又は届出の受理 A養護者による障がい者虐待の防止及び養護者による障がい者虐待を受けた障がい者の保護のための相談,指導及び助言 B障がい者虐待の防止及び養護者に対する支援に関する広報・啓発 実施内容 ○24時間365日の通報に備え,休日・夜間は職員が携帯電話を持ち緊急時に対応できる体制を整えている。養護者による虐待通報に対しては,虐待対応が終結するまで行政と共同で一連の支援を行い,虐待の解消と被虐待者の保護又は支援を実施した。 全通報件数113件のうち養護者による虐待通報が56件,そのうち分離が必要と判断した4件(措置2名,契約2名)に対し緊急対応を実施した。 ○障害者虐待防止法における行政機関の役割や,成年後見制度について,行政職員を対象とした研修を2回,また区障がい者基幹相談支援センターの虐待対応への関わりについて,区障がい者基幹相談支援センターを対象とした研修会を1回実施した。 ○虐待防止の考えを広く周知するために,内部・外部機関から依頼を受けて,虐待防止に関する研修会の講師として協力した。 実施結果 ○他関係機関との連携が増える中で,DV対応と障がい者虐待対応との考え方,対応の流れについて整理をする必要性を感じ,こども未来局こども家庭課DV担当係長を研修講師に招聘し研修を実施した。また、区家庭児童相談室の会議に参加し、障がい者虐待防止センターの役割と課題について共有した。 ○行政職員を対象とした研修を2回開催し,延べ33名の参加があった。また区障がい者基幹相談支援センター対象の研修会では,23名の参加があった。 ○外部の障がい者福祉施設4か所において,虐待防止に関する研修講師を延べ4回務めた。 今後の課題 ○夫から虐待を受けていた妻が障がい者の場合,DV対応と障がい者虐待対応で重なる部分があり,どちらで対応したほうが適切なのか整理する場が必要である。 ○成年後見の申し立てが必要な被虐待者に対し,申し立てが進みやすくなるような体制を整える必要がある。 ○引き続き、行政と障がい者虐待防止センターのそれぞれの役割の,共通認識を図っていく場が必要である。