令和元年度第2回福岡市障がい者等地域生活支援協議会 議事録 令和元年12月26日 開催 【事務局】定刻になりましたので、ただいまから令和元年度第2回福岡市障がい者等地域生活支援協議会を開催いたします。私は本協議会の事務局を担当しております福岡市保健福祉局障がい者支援課長の正田でございます。年末のお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。  本日は委員総数21名のところ、16名の方が今時点でご出席でいらっしゃいまして過半数に達しておりますので、本協議会要綱第5条第2項の規定によりまして、本協議会は成立しておりますことをご報告いたします。  また、本日の会議では個人情報は扱いませんので、福岡市情報公開条例に基づき、公開としております。よろしくお願いいたします。  次に会議資料の確認をお願いいたします。まず、委員の皆さまに事前にお送りしております、事前送付の資料でございますが、会議次第でございます。それから、資料の2、3、4、5でございます。  次に、本日お手元にお配りしております資料でございますが、委員名簿、座席表、本協議会の要綱、資料1−1、1−2、1−3。そして令和元年度第3回協議会日程調整票でございます。不足の資料がございましたらお知らせください。  それでは本日の会議次第についてご説明いたします。お手元の会議次第をご覧ください。まず2の「説明事項」でございますが、福岡市保健福祉総合計画策定にかかるスケジュールについてでございます。次の「議事」でございますが、3つ議題がございます。1つ目は、精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会の意見提言について、2つ目は地域生活移行部会の意見提言について、3つ目は地域生活支援拠点等整備検討部会の意見提言についてでございます。  次に4の「報告」でございますが、福岡市障がい者基幹相談支援センターの事業実績について、ご説明をいたします。最後に「事務連絡」でございます。ここでは次回の日程調整等についてのご説明をさしあげます。  時間配分でございますが、2の説明事項に10分程度、3の議事に100分程度、4の報告に30分程度、事務連絡に5分程度としておりまして、会議全体の終了予定時刻を17時25分としております。ご協力をお願いいたします。  会議に先立ちまして、今回1名の委員が交代されておりますのでご紹介いたします。委員名簿をご覧ください。福岡市民生委員児童委員協議会の永柄委員でございます。吉田委員の後任でいらっしゃいます。  本協議会の議長は要綱第5条第1項の規定によりまして、会長が務めることとなっておりますので、野口会長、会議の進行をよろしくお願いいたします。 【会長】それでは早速でございますが、説明事項から説明を事務局のほうからよろしくお願いいたします。 【事務局】保健福祉局障がい者支援課地域生活支援係長をしております橋本です。よろしくお願いします。私のほうから福岡市保健福祉総合計画策定にかかるスケジュールについて、ご説明をさせてもらいます。  まず資料のほうは1−1になります。こちらの資料は「次期保健福祉総合計画策定にかかるスケジュール」になってございます。左のほうから地域生活支援協議会、福岡市障がい者保健福祉専門分科会のスケジュールを記載してございます。計画期間が令和3年度から始まる次期保健福祉総合計画は、障がい者保健福祉専門分科会で審議が進められておりまして、障がい者分野の各論部分の素案原案作成を令和2年3月ごろから行う予定としております。  次期計画の策定に当たりまして、本協議会から意見を述べることになっております。本協議会からは、意見は大きく2つの要素で構成されることになります。1つ目は本日の協議会で後ほどご審議いただきますが、3つの専門部会からの提言書案に基づく意見となっております。2つ目は専門部会からの提言以外の意見になっております。  お手元に、資料1−2としまして、現行の保健福祉総合計画の障がい者分野を抜粋したものをご用意しております。この現計画に対して、幅広くご意見をお願いしたいと思っておりますので、ご意見のほうは資料1−3に意見を書いていただく用紙、記入シートをご用意しております。ご記入いただきまして1月31日までに事務局のほうにご提出お願いしたいと思っております。  ご提出いただいたご意見は、提言書に基づくご意見と合わせまして、来年3月に第3回の協議会を予定しておりますので、こちらで次期保健福祉総合計画に対する意見書として市に提出することとなっております。その後、市において本協議会の意見書などを踏まえまして、総合計画の障がい者分野の素案を作成いたします。それを専門分科会でご審議いただくとともに、予定としては5月ぐらいの予定をしております令和2年度第1回協議会で報告する予定となっております。説明のほうは以上となっております。 【会長】事務局の説明で何かご意見、ご質問等がある方はおられますでしょうか。  今言われましたように、総合計画策定においてすごく重要ですので、今日出すのは難しいでしょうけど、ぜひご意見を記載して提案を出していただくと助かります。よろしくお願いいたします。  ほかにありませんでしょうか。よろしいですか。  それでは3の議事のほうに入ってまいりたいと思います。これから3つの提案が部会からありますので、議事の「(1)精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会の意見提言について」、よろしくお願いいたします。 【部会長】精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会、部会長の内野と申します。よろしくお願いいたします。  福岡市における精神障がいに対応した地域包括ケアシステム構築につきましては、平成30年度より専門部会を設置して検討しており、福岡市における保健・医療・福祉関係者の協議の場として、精神障がい者が地域の一員として自分らしい暮らしをすることができるために必要な取り組み等について、協議・検討を行ってまいりました。今回はその検討結果を取りまとめ、精神障がいに対応した地域包括ケアシステム構築に関して協議会の提言案を作成しておりますので、委員の皆さまにご審議いただき、協議会の提言としてまとめていただきたいと考えております。  それでは資料2の「精神障がいに対応した地域包活ケアシステム構築に関する提言(案)」と記載した資料をご覧ください。  資料の1ページ目には「はじめに」として、平成29年2月に「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会報告書」において、地域生活中心という理念を基軸としながら、精神障がいに対応した地域包活ケアシステムの構築を目指すことが新たな理念として明確にされたこと、国の第5期障害福祉計画において、精神障がいにも対応した地域包活ケアシステム構築推進のために、平成32年度末までに市町村ごとに保健・医療・福祉関係者による協議の場を設置することが成果目標として設定されたことなどから、福岡市においても協議会内に本専門部会を設置し、検討を開始したこれまでの経緯などを記載しております。  次に資料の2ページ目で、「2.精神障がいに対応した地域包活ケアシステム構築推進における福岡市の課題」について、記載しております。まず、福岡市の現状として、精神保健福祉手帳の所持者の数や区障がい者基幹相談支援センターの相談件数が増加していることについて、グラフ等を用いて記載しております。  3ページ目より、6つの項目を掲げ、項目ごとの課題等について記載しております。1つ目に、地域住民の理解促進についてです。住まいの確保時や精神障がい者を対象とした事業所の設置時などの場面において、地域住民の理解が得られないことがあり、精神障がい者が地域の一員として暮らしやすくなるように、地域住民に対して理解促進への働きかけが必要と考えられます。  2つ目は住まいの確保についてです。退院先として本人の希望にあったグループホームがなかなか見つからず探している間に、本人の退院意欲の低下につながってしまう人も少なくないことなど、精神障がい者の住まいの確保における現状や課題を挙げております。  3つ目は、地域生活につなぐ相談支援体制についてです。ここでは一般相談支援事業所が精神障がい者の退院支援において地域移行支援、地域定着支援の事業を活用し支援を行うことは可能であるが、実施している事業所は少ない現状を踏まえ、区障がい者基幹相談支援センターがその役割の大半を担っており、的確な対応ができるように相談支援の力量を高めていくことも課題と挙げております。  4つ目はピアサポートの活用についてです。福岡市は各区の地域活動支援センターT型それぞれにピアスタッフが雇用されていたり、グループホームや就労系の事業所等にも雇用されていたりと、全国的に先進的な当事者の活動が行われているという現状もありますが、ピアサポートの専門性への理解不足やピアサポートの活用に当たっての養成の場や雇用の保障などの支援体制がないことなどの課題もございます。  5つ目は福祉サービスなどの地域への支援体制についてです。障がい福祉サービスの申請から利用開始となるまで時間を要することや、申請や決定までが煩雑であり、制度の利用について分かりやすい説明や周知が必要であることなどが課題となっております。  6つ目は、措置入院者退院後の支援についてです。厚生労働省より出されたガイドラインに基づき、福岡市でも平成30年9月から運用が開始されており、関係機関の連携強化がますます重要となっておりますが、このガイドラインに基づく支援については本人の同意を前提とした支援ということで、医療機関側から見て支援が必要と考えられても本人の同意が得られず、退院後支援に至らない場合もあるという現状がございます。  次に「3.当面取り組むべきこと」として、現実の課題等を受けて、今後当面必要な取り組みについて8つの項目に分けてまとめております。まず1つ目として地域の理解促進についてですが、福祉サービスや訪問看護などのフォーマルなサービスのみならず、民生委員や近隣住民の支えも不可欠であるため、日ごろからの声掛けや橋渡しなどを行い、啓発活動や理解を進めていく取り組みを行っていくこと。また、地域で居場所づくりを推進していくことが必要としております。  2つ目として、住まいの確保について。グループホーム等の受け皿の整備をしていく上で、どのような地域にどのようなグループホームが必要なのかを運営側へ情報提供していくことが必要としております。また、新たに整備していくことに加え、今あるグループホームを有効活用していくことも必要としております。  3つ目として、地域生活につなぐ相談支援体制について。指定特定相談支援事業所に対し、指定一般相談支援事業の制度の全容について周知や啓発を行い、事業所の数を増やしていくことや区障がい者基幹相談支援センターの体制整備、および精神障がいの特性に応じた相談支援の力量を高めることが必要としております。  4つ目として、ピアサポートの活用について。ピアサポートの養成面での取り組みやピアサポートへの信頼度が保障される制度創設の検討、ピアスタッフが安心して働ける環境づくり等の体制整備についての検討も必要としております。  5つ目として、福祉サービスなどの地域での支援体制について。まず、関係者や地域住民に対して研修やフォーラムを開催し、精神障がいに関する偏見や差別をなくす取り組みを行っていくことで、共に暮らすことを当たり前とする社会の基盤を作っていくことが必要としております。また、精神障がい者への支援を行っていく上で、関係機関同士で切れ目のないつなぎの部分が重なりあった連携体制を構築していくことも必要としております。  6つ目として、措置入院者退院後支援について。退院後支援の同意が取れない人に対しても、保健所は関係性を持てるよう病院と連携しつつ支援していくことを必要としております。また、関係機関がそれぞれの役割の理解を相互に行い、本人の意向を丁寧に汲み取り、切れ目のない退院後支援を行えるような体制を市として整え、区ごとに実施していくことも必要としております。  7つ目として、医療との連携について。医療機関外において多職種の職員が地域の支援者と連携し、多くの患者にアプローチできるような体制づくりや、退院後の不安軽減のため退院前から地域での生活に詳しい相談員等が本人や家族にかかわっていく仕組みも必要としております。また、医療中断時に早期対応できる体制、アウトリーチチームの充実なども必要としております。  最後に8つ目として、人材育成について、保健・医療・福祉関係者に対する精神障がいに関する正しい知識と理解、対応方法、支援の制度などについて、実践的に学べるような研修の実施が必要としております。  次に、「4.中期的に取り組みや検討を進めるべきこと」とし、前述の取り組みなどよりも中長期的な目で見た場合に必要な取り組みや検討について、3つにまとめております。  まず、地域住民の精神障がいへの理解促進として、日中活動の場から地域住民の中へ入っていく取り組みで日ごろからの触れ合いを大切にするとともに、行政としても啓発活動の先頭に立つ、理解促進を図っていく役割を果たしていくことが必要としております。  次に、保健・医療・福祉等の連携によるきめ細やかな対応として、地域で暮らす精神障がい者の症状の変化に的確に対応できるよう、保健・医療・福祉の緊密な連携による支援体制を整備する必要があります。また未治療や医療中断等の精神障がい者に対しては、アウトリーチ支援により地域で安定した生活の確保を図る必要があり、各関係機関の連携のあり方を検討していく必要があるとしております。  最後に社会参加支援の充実として、精神障がい者が地域で安心して生活できる環境づくりのために、ピアサポートが生かせるシステムづくりを進める必要があります。また、既存の福祉サービスや社会資源につながらない人も多くいるため、そのような人たちの社会参加の場を充実させることも必要としております。  資料の9ページ以後は、福岡市における精神障がいに対応した地域包活ケアシステムの構築についてのイメージ図、この提言の検討体制や部会およびサポートの活用に関するワーキンググループの名簿などの資料となっております。なお、提言案のうちピアサポート活用に関するものにつきましては、このワーキンググループにて検討されたものでございます。説明は以上でございます。ありがとうございました。 【会長】ただいまの精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会の意見提言について、何かご質問、意見等ありましたらどうぞよろしくお願いします。何かないでしょうか。 【委員】2ページ目と3ページ目のところなんですが、福岡市の課題2のところで、背景が2つこっちで書いてあるんですけれども、グラフと文章の順番がちょっと合っていないというのを最初思いました。  それで例えば2ページのグラフなんですけれども、これは精神障がい者の方からの相談が年々増加をしているというところを見せるグラフというふうに思ったんですが、年々増えているようにはちょっと見て取れない。そして精神障がいの方が右に書いてあるんですけれども、増えているのは1.45倍、前年との比較で増えているということなので、年々増加しているというふうには見てとれないというのが1つです。  それと3ページの「精神通院医療」のところは、3ページには「自立支援医療(精神)」と書いてありますので、この言葉に合わせるか何かしたほうが見やすいと思います。  それで2ページのグラフは3ページに移して、3ページの精神通院医療と精神障がい者保健福祉手帳の所有者数、この表は2ページに移したほうが、2の精神障がいに対応した事業やシステムの構築推進における福岡市の課題の文章と、順番が合うというふうに僕は感じました。  それと例えば6ページの6の措置入院者対応支援についての2行目に、関係機関というのが書いてあるんですけれども、関係機関はどういう団体とか機関を指すのか、私には分かりづらく感じます。これは7ページの(6)のところにもあります。  8ページの4の(2)保健・医療・福祉等の連携によるきめ細かな対応というところの下から2番目の段に、病院・診療所・保健所うんぬんということで、関係機関の連携のあり方というふうに記載されて、具体的に関係機関が記載されているので、こういったところを指すのだなということが分かりやすいと思うので、そこら辺の関係機関の示し方というのを工夫していただきたいというのが私の感想でございます。ありがとうございます。 【会長】ありがとうございます。どうでしょうか、今の意見について何かお答えはありませんか。 【事務局】貴重なご意見、ありがとうございます。参考にさせていただいて、記載方法を検討させていただきたいと思います。 【会長】ほかにありませんでしょうか。 【委員】よろしいでしょうか。  4ページをお願いします。地域生活につなぐ相談支援ということで、例えば精神科病院からの退院後に地域移行を進めるという相談支援の対応のことで、ここに書いてあることはさっと読んでも理解が難しい感じかなと思うんです。  要するに、計画相談というのは皆さんお分かりだと思うんですけど、計画相談で入っても、あとに福祉サービスの利用がないと計画相談にも報酬が発生しないので、無報酬で働かなければいけないケースが出てきているということが書かれています。ですから地域移行支援というサービスがあるんです。これは退院したあとの住まいを探すとか、あるいは宿泊の体験をするとか、そういうお手伝いをするということで、地域移行支援というサービスが少ないというのは確かに問題で、増やしていく必要があるとは思うんです。  けれども、地域移行支援サービスを利用するにも、その前にやっぱり計画相談が必要なんです。地域移行支援というサービスを利用しますという気持ちになってもらうまでにも相当な月日がかかる可能性があって、なので計画相談に最初に入っても、いつになったらお金が入るか分からないという、そういうスキームになっているものですから、地域移行サービスを増やすことは大事なんだけれども、増えれば介入がしやすいかといえば、制度の仕組み上難しいと考えられるということなので、委託相談という年間で委託費を受けてフリーで動けるような相談員が増えないと、なかなか介入しにくいだろうと思っています。  (3)の中ポツ3つ目に、基幹相談支援センターが担っていると書いてあるんですが、大半を担っているというのは、わずかに退院できている方の中では大半になっているのかもしれないけど、地域移行のニーズ自体が長期の方に対しては非常に少ないみたいです。そんなにたくさん基幹センターが担っているわけではないということを1つ申し上げたくて、とにかく基幹センターというのは在宅の方の対応で目いっぱいという状況です。  29年度からスタートした時点ではあまり想定をしていなかった引きこもりの方の相談がどんどん増えているという状況もあって、中には手帳を持っていない方の対応も区基幹センターが担っていて、ものすごいニーズになってきているという意味では在宅者の対応で目いっぱいなので、本格的に精神科病院から介入をどんどん求められても、これはなかなか難しいだろうと思います。  この関連で7ページに、じゃあどうするという話が書かれていて、一番上の(3)ですけど、「地域生活への支援体制」、中ポツ2番目に「区基幹センターが適切な相談支援を行えるような体制整備と力量を高める」と書いてあって、最後が力量を高めるなので、ここを読むと質を高めればいいだけに思われてしまうんです。研修ももちろん大事なんですけど、人を増やしていかないと実質は対応できていかないということなので、体制整備と書いてあるところは黒太文字にするぐらいのことで考えていく必要があるのかなと。修正を求めるものではありませんが、体制整備というのは、人員のことも含めたことであるということで確認をさせてもらいたいなと思います。  もう1点だけ。8ページの一番最後のところなんですけれども、一番下です。「既存の福祉サービスや社会資源につながらない人の社会参加の場が必要」だということで、就労系サービスのほうにもつながらないということが書いてあります。  確かに通所サービスは、何となく大まかに言うと就労か介護かという二者選択のような感じがあって、精神の方はどちらかといえば就労系を求められるし、「A型、B型どっちがいいですか」といえば、当然、給料の高いA型がいいとおっしゃる方が多いんだと思うんですけれども、実際には見学に行っても、「ちょっと難しいです」と。体験をしたって3日で、「厳しいです」となってしまうところがあるので、やっぱり就労に行く前のところでちゃんと通いたくなるような活動メニューの開発が大事だと思っています。  サービスも、民間障がい施設協議会で年明けから対象者をもっと広げて考えていきましょうと、新しい活動も考えていきましょうという話し合いをしていこうかと考えております。昨年6月に、例えば「障害者による文化芸術の推進に関する法律」ができて、国も文化庁も補助金を出して活性化をしようとしているという意味では、通所サービスも文化・芸術活動を、福岡市はもともと基盤が強いところなので、精神障がいの受け皿をつくるという意味でも、活動しやすいような、いいなと思えるようなものを用意していけば、まだまだ通所サービスの中でも帰りたいと思うところをつくることができるんじゃないかと思っています。以上です。 【会長】今の委員の意見等について、何かありますか。 【委員】今の委員の話も含めての兼ね合いになるかと思うんですが、相談支援の入り口の計画を立てる時に地域生活の支援体制、7ページのところに入ってくるかと思うんですけど、そこの部分で居宅介護というところの文言がないんです。恐らくは、相談支援、必要な社会資源というところに入ってくるのかもしれませんが、今、居宅介護で精神障がいのある方たちの支援はほぼ家事援助サービスという福祉サービスで担っているところがあります。  家事援助サービスというのは、30分1000円未満の単価でサービスが行われているという現状があって、ヘルパー自身の人材不足も含めて、実際に担えるという人材が少ないということで、恐らく相談支援のほうもかなり苦労をしているんじゃなかろうかと感じているところです。  実際、私どもはヘルパー事業所のほうでも、精神障がいのある方たちの支援で担える人材そのものが限られているといったらいいのか、専門性は担保しなくてはいけないんだけど単価が低いという、何というか非常に軽視されているんじゃなかろうかと感じているところです。 【会長】いかがでしょうか。今、委員2人が言われたことは、多分現場で相談を担当されている人とか当事者と接点がある人たちが抱えている、具体的な、業務をしていく上とか支援をしていく上での課題だと思うんです。そういうことが課題としてもうちょっと具体的に出てきて、四苦八苦しているんだけどこういうふうになったら解決するんだけどというのを提言として挙げてもらえると、もっと委員の方たちも分かりやすいのかなという感じがしました。そういう流れにはあまりいかなかったのでしょうか。余計なことを言ってしまいましたけど。  例えば、地域住民の理解というのは最終目標のような気がします。この協議会からいいますと、地域の人たちがみんな障がいのある人たちの問題を分かってくれていれば、こういうふうにならないわけですね。現状を一人ひとりに分かってもらうには、どういうふうに変えていけばいいのかというのが、われわれの仕事のような気がするんです。委員が今言われたのは、そういうところをぜひ提案として挙げてもらえたら、それも1つじゃないかなと。  その辺については何か具体的にありませんか。こういうふうに考えておりますとか、提言みたいなのは。さっきの相談の部門だけでもいろいろ課題があって、整理されていないということもありましたし、ただ相談が増えていると言われているだけでは何も解決していかないんじゃないかなと思いますけど、いかがでしょうか。 【会長】何かありますか。 【委員】2点ほどですけど、住まいの確保についてのところ、6ページです。この中で「グループホームだけでなく、次のステップへの移行を支援する中間施設としての役割を担う通過型グループホームを選択できるような仕組みをつくることが必要」と、こういうのがあります。  地域生活移行部会でも精神の方とか、発達もですけれども、なかなか経済的な自立というのが難しくて、年金の2級ぐらい、6万いくらで生活をしている人はグループホームは何とかそれで賄えるけれども、一人暮らしというのはなかなか年金だけでは賄えない。仕事的にもなかなか続かないという経済的自立、そこがすごく弱いところがあります。そういうような時に、地域生活移行部会では所得保障みたいなものが出てきておりますけれども、この中ではそういう具体的なところは提案として出てこなかったんでしょうか。ただ、次のステップに行けるような仕組みを作るということだけが出てきていますけど、もっとその人たちが本当にいけるような、具体的なものは何が必要かというのは出てこなかったのかなというのが1点です。  もう1点は、7ページです。ほかのページにも出てきておりますけれども、「精神障がいの特性に応じた相談支援の力量を高める」とあります。2ページに精神障がいの内訳は、精神障がいと発達障がいと高次脳機能障がいというのがその内訳になっておりますが、この精神障がいというグループでは例えば研修会等も、精神障がいの中でも発達も高次脳機能も別のいろいろな特性を持っていますので、そういうことも含めて力量を高めるというものも考えていかれるんでしょうか。以上です。 【会長】いかがでしょうか。 【事務局】所得保障については、今回の協議の中では特には出てきておりませんので、今回の部分には入れておりません。なお、発達障がいと高次脳機能障がいも、精神障がいと捉えて記載しているものでございます。 【部会長】貴重なご意見ありがとうございます。また部会のほうに今日頂いたご意見等を含めまして、今後のところでいろいろ協議をさせていただきたいと思っております。  グループホームに関する中間のところという話なんですけれども、実際、グループホームで、そこから次にご本人さん自身が進みたくないと言われる方が結構多い現状があるんです。そういうところでご本人さんの意欲を高めて、また次のアパートとかへ進んでいただくことができれば、また受け皿としてのグループホームの機能が、数を増やすばかりではなくて、今あるグループホームの有効活用というところにつながるのではないかと。  これは実は、東京都の取り組みの中でもそういったものがございまして、移行型グループホームと滞在型グループホームに棲み分けをしてやっているというのを、参考にさせていただいたところでございます。以上でございます。 【委員】今の委員のお話と重なるんですけれども、精神医療をしている立場で言うと、精神科の病院から出たあとの人のケアというのは、それも大事なんだけれども、現場では、一番大事なのは長期にご家族の世話になっている、在宅で生活をしている方のケアですよ。どんどんその方が「8050」、もう「9050」みたいになっているけど、そこの支援がないんです。  ですからグループホームの次に一人暮らしというシェーマができているけど、選択肢がないんです。精神障がい者の方全てが人嫌いとは言わないけれども、人とのコミュニケーションが非常に苦手な方が多いわけです。そういう人がグループホームに入るというのは、集団生活ですから一番苦手なところです。  だから一人暮らしなら一人暮らしをして、専門家の支援を受けていけば生活ができそうな方、あるいは高齢者でもそうですけど、だんだん年を取ってくると一軒家に住んでいる方というのはなかなか厳しくなって、アパートに移られる方がおられます。福岡もかなりそういう方が増えたんじゃないかと思うんですけど、精神障がいの方も両親に世話になって一軒家に住んでいる方がおられるんです。ただ、両親が亡くなってしまうととても自分でケアできるような能力というか、力はない。だからそういう方がアパートへ入ったらどうかというんだけれども、先ほどの話のお金の問題、お金がないし入れない、保証人がいないと入れないとか、いろいろあって、そこのところが病院から出してケアをするということだけに問題がすり替えられている気がして僕はならないんだよね。  もちろんそれもあるけれども、精神障がいの新しい方は最初からそういう計画をこちらも立てていただいているので、ご家族の世話にあまりならないというとおかしいけど、長期にはなっていないので、グループホームをうまく利用できたりする方はおられるんだけど、今、国が言っているのは長期に入院した人を出しましょうという話になっている。これはかなり重症な方なので、よほど費用をかけないと、できないことはないと思うんですけど、相当の基盤がないとお世話ができないと思うんです。ですから一番大事なところのフォーカスがやっぱり抜けているような感じが現場としてはするんですけど。  グループホームもいいんですよ。でも、選択肢がないとおかしいじゃないですか。グループホームしかないという、アパートに住みたいんだけどグループホームしか入れないというのは問題なんじゃないかなと思うので、そこら辺の支援。  例えば古いおうちだと、いくら家があったとしても、なかなかそれをお金に換えることは非常に厳しいわけです。そういう問題の支援とかいろいろあると思うんで、特に在宅で、通院はしてらっしゃるんだけれども主な生活をかなり家族の支援に頼っている方々の今後のそういうケアというのが、一番重要な気がするんですけど、そこの項目をもう少し分かるように書いていただきたいなと僕は思います。 【会長】いかがでしょうか。 【部会長】ありがとうございます。当然、長期の方の退院にさまざまな選択肢だったり、ご本人さんに合った支援の方法というところで、この文面からそこら辺がちょっと読み取りにくかったところはあるかと思いますけれども、今おっしゃっていただいたところもまた持ち帰って、検討させていただければと思います。ありがとうございます。 【会長】ほかにありますか。 【委員】子どもの障がいが精神ではないので、ちょっと遠慮してたんですけれども、言わせていただこうかと思って発言します。  検討部会委員の皆さんの話なんですけれども、ここにずらりと専門家の方が名を連ねていらっしゃって、当事者が1人しかいらっしゃらない。ピアサポート活用に関してはワーキンググループで当事者がたくさんいらっしゃるけれども、本体のほうにはいらっしゃらないということで、専門家の方々が考えられることが当事者のニーズに本当に合致しているかというところでいうと、少しそこは考える必要があるのではないかと思います。  もう部会も終わってしまっていますが、支援協議会で部会の設置に関しては協議してくださいますけれども、委員に関してはお任せという形になってるので、もう少しこの辺もそういう当事者たちの意見が本当に反映されるような委員の構成も検討課題に挙げていただけるといいのではないかと思います。  それともう1つ、4ページの下の四角です。いろんな方たちが、1人の地域移行に関して用語解説が要るようなこのようなたくさんの部署がかかわるというふうに理解してよろしいんでしょうか。とすれば、当事者にしては大変なんじゃないかなと思うんです。シーンが変わるたびに相談員さんが代わる。そういうことではなくて、ずっと伴走型で、入院をした時から地域生活移行ができるまで同じ方が、もちろん相性とかいろいろあると思うんですけれども、相性の合う方と二人三脚でずっと相談支援を続けていけるような、そういう仕組みにならないと当事者はとても混乱するのではないかと思いますので、その辺、専門家の方のご意見もいただきたいところです。以上です。 【会長】貴重な意見だったと思います。どうぞ。 【委員】「8050」問題が全て精神障がいにかかわるとは思っていませんけど、かなりいろんな関係があるんじゃないかと、発達障がい含めて。という発言がほかの委員さんからも出てるので、あえてちょっと言いたいんです。  この前、農林水産省の事務次官の事件について裁判の結果が出ました。その時、検察が「なぜあなたは息子を殺す前に警察に相談しなかったのか」というようなことを裁判の過程の中で聞いてるんですけど、今、日本の社会でこういう事件に対応できるほど、警察が敏感に敏速に動けるとはとても私も思えないんです。そういう質問をされても本人も答えにくかったと思うし、多分答えは出ないでしょう。  それと彼の立場が、なかなか他人に相談をさせなかった問題もあるのかもしれませんけど、この深刻な問題をあの事件だけで終わらせるんじゃなくて、僕はどこにでも起き得る非常に普遍的な事件だと思ってるんです。福岡市で起きても全然おかしくない。そういうことを視野に、精神障がいに対応した地域包括ケアシステムというのが論議されたのかということを、非常に危惧してます。全く視野にも置かなかったんじゃないのかなと。もしそうなら、こういう提言は僕に言わせるとあまり意味がないです、はっきり言って。  確かにグループホームだと何とかという問題、地域の住民の理解も大切ですけど、非常に難しい在宅の引きこもり、発達障がい、精神障がいの方を含めたこの問題を、地域社会でどう取り組むのかというのがまさに突き付けられてるんですけど、どこもまだ具体的な対応はできないですよね。そこをやっぱり一生懸命考えるべきじゃないんだろうかと、私も含めてそう思ってます。ぜひそういう視点で、地域包括ケアシステムとは一体何なのかということを改めて論議していただきたい、検討していただきたいと思います。以上です。 【会長】ありがとうございます。 【委員】すみません、ちょっと意見を。  この検討部会ですけれども、この中で今おっしゃるように、精神障がい者の中に発達障がいも高次脳機能も入ってるということで協議してもらっておりますけれども、前に私がお願いしましたのは、発達障がいの専門センターでゆうゆうセンターがあるので、ゆうゆうセンターを入れてもらえないかということでした。それができなかったら、オブザーバーとしてどこかで参加をお願いしたいということをお願いしました。その後、この中に、オブザーバーとしてでもゆうゆうセンターの方が入られたんでしょうか。いかがでしょうか。 【事務局】委員につきましては3年を任期として考えておりますので、令和3年度に今までいただいた意見を踏まえまして、今後取り組む内容も踏まえて、また検討していきたいと思っております。今現在、ゆうゆうセンターの方に入っていただいたということはございませんが、必要時に入っていただくように検討してまいりたいと思います。 【委員】どうぞその点は、高次脳機能、発達も、精神とちょっと違うところもあるので、その点はよろしくお願いいたします。 【会長】当事者が入っていないとか、委員が言われましたような、もっと本当に地域で受け止める体制があるのかとかいう根本的な話、受け止められるのかも含めて。専門家の方たちもたくさん入ってらっしゃると思うんですけど、そんなに簡単じゃないことを皆さん指摘されていると思うんです。その辺をしっかりと、根本的なことを話して受け止めていくにはという視点で話されているという一貫性がもしおありなら、その辺もちょっと意見表明してもらえるとありがたいなと思いますけど。 【事務局】本当に今日は貴重な意見をたくさんいただいて、ありがとうございます。非常に大切な視点で、今ひょっとしたらそこが弱いところだと感じましたので、これからの議論はそこをしっかり入れて、もっと深めていきたいと考えています。ありがとうございます。 【会長】よろしくお願いします。 【委員】ちょっといいですか。  先ほどの委員の意見に対して一言。私も福岡県の引きこもり対策協議会というのも長年お話に参加していて、開設以来もう何年になるのか、年に数回あるんですけれども、そこでいろんな関係者の方々とお会いしてお話を聞くけれども、初めて聞くようなことばかりで勉強させてもらってるという感じなんです。  ちょっとこういう事件があると、精神障がいという感じのイコールがあって、どなたでも相談に乗ろうと思えば乗れちゃうのが精神科の医学なんです。精神障がいであろうとなかろうと、その人が相談したいと言えば。だからそういう特別性はあるんですけれども、引きこもりに関してももちろん精神障がいの方もおられるし、発達障がいではないだろうかという方もおられるんだけれども、そうじゃない方もおられて、それは国も気が付かれて、今度、就労の何か特別採用をしたじゃないですか。  自殺大綱も同じなんです。自殺の問題も精神障がいの問題はもちろんあるんだけれども、そうじゃないものもたくさんある。経済が悪くなってくると数字が増えるとか。だから先ほどの委員がおっしゃっているのは、国全体で大綱としてやらないと、この会だけでどうのこうのとやっても全然食い違うような話になってしまうので、自殺対策と引きこもりの対策は、ちょっと広いというか、そういう問題じゃないかなと思います。 【会長】かなり地域生活支援自体が、全ての人を含んだ場合には相当国の方針というか、全員考え方を本気で変えるというぐらいの気持ちでやらないと、簡単なものではない、変わらないということは皆さんご存じだと思います。それぐらい根本のところで、どんな重い障がいの人でも、どんなに精神障がいが大変な方でも、地域で支えていく視点を作ろうということがあるのかどうかというところがすごく重要だと思います。  それがあるからこうやってやっていけばいいんだというような、逆にそういう難しかった事例なんかを出してもらって、こうやって支えていくと可能なんじゃないかというのを一つ一つ積み上げていくやり方が必要じゃないかと思いますので、その辺りを部会でできるだけやってもらって、それをここで出してもらえるとありがたいなという感じがしますので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。  今日のテーマは全部そういうのに関係がありますので、次の2つ目のテーマも「地域移行」ということで、これこそ精神障がいの方は精神病院の長期入院からの移行も含みますし、全く同じ問題とつながります。それも含めて提案、提言を出してもらえると、また同じようなテーマにつながるのかなと思いますのでよろしくお願いします。 【部会長】地域生活移行部会の部会長を務めます向井と申します。よろしくお願いいたします。  「障がい者等の地域生活移行に関する提言(案)」ですけれども、資料3をお願いいたします。今回の提言は、障がい者の地域生活移行推進のための手法とか施策の基礎とするために、入所施設およびグループホームの事業者、利用者、ご家族を対象にアンケート調査を行いまして、その結果を基に地域移行に関する課題と、課題解決に向けた提案についてまとめたものであります。  1ページをご覧ください。「1.はじめに」です。そこに記載しておりますが、福岡市では保健福祉総合計画において、障がい者の高齢化・重度化や親亡きあとを見据えた施策に取り組んでいますが、現実的には障がい者の地域移行はなかなか進んでおらず、地域移行を推進するための新たな施策や手法について検討を行う必要があるとの認識の下、当部会が設置されたこと。また、ここで言う地域生活移行は、住まいを施設や病院から単に元の家庭に戻すということではなく、障がい者個人が自ら選んだ住まいで安心して自分らしい暮らしを実現することというふうに定義づけをして、議論を進めております。  その際に、委員自らアンケートの内容とかアンケート方法についても主体的に加わり、協議を重ねてまいりました。  資料の2ページをご覧ください。今回の調査、「福岡市障がい者の地域生活移行に関する調査」について記しております。(1)では調査の目的、(2)は調査対象数と回答数、(3)は調査内容・項目となっております。3ページの(4)は調査結果の概要をホームページにアップをしております。  調査結果の概要からいくつかご説明をします。アの「現在の暮らしとこれからの意向について」というところでは、施設の入所者あるいはグループホームの利用者と、そのご家族にアンケートをした結果を記しております。  傾向としまして、入所者やグループホーム利用者で「現在の暮らし」を「楽しい」と回答した方の中にも、やはり一方で「一人暮らしや家族と一緒に暮らしたい」など、その他の場所での生活を望まれる方が存在していることが結果として伺えます。  4ページをご覧ください。イは入所者の実態について記載をしております。入所者の平均年齢は52歳、最も高齢の方は女性の方で93歳となっております。また、入所期間が20年を超えている方は全体の47%、もっとも長い方で入所期間が59年という方がおられます。  次に5ページをお願いいたします。ウの「地域移行を進めるために必要な取り組みの優先度」についてお尋ねしました。回答結果については巻末の資料、恐縮ですが巻末のほうを見ていただいて、A3の折り込みで巻末資料@と巻末資料Aを付けております。巻末資料@が折れ線グラフで、Aが数字で表したものです。 巻末資料@の折れ線グラフについてご説明をします。そこに色ごとに、青の「入所施設入所者」から一番右の薄い緑の「グループホーム家族」まで、アンケートの結果を折れ線グラフにしております。  調査対象者によって優先度は異なりますが、この中で一番左の@の「グループホームを増やすこと」は共通して優先度が高い。ほかに、「C精神障がい者の受け入れが可能な住宅の確保」とか、あるいは「H働く場の確保」、それから「S本人が困った時・不安な時などに駆けつけられる体制(相談支援の体制の整備)」が平均して高くなっています。資料2につきましては、これを数字で表したものでございます。  恐縮ですが、資料の5ページに戻っていただきたいと思います。資料の5ページから9ページまでは3の「地域生活移行における課題と課題解決に向けた提案」でございます。それぞれの提案には、取り組みの主体として「福岡市」「福岡市社協」「事業者」「地域」「本人」といった表記をしております。項目としては5ページの下のほうの(1)住宅の確保についてこういう課題、現状があり、提案はこういう提案であるという整理をしております。  6ページにつきましては、「日常の生活支援の強化について」ですが、それが非常に細かく「見守り等」「保証人・緊急連絡先」「医療」というふうに、テーマごとに課題と考えられるものと対応策、課題解決の方策を書いております。  それから7ページには「入所施設の送り出す力、本人の踏み出す力」ということで、それぞれの役割に基づいた表現で、課題と提案を整理しております。  次に8ページについては(4)で「体験・訓練の場の確保について」、(5)は「働く場の確保・所得保障について」、以下、「権利擁護」「災害対策について」ということで、地域生活移行を決める場合の課題と課題解決に向けた提案をしております。  9ページをご覧ください。次は「グループホームの設置促進、利用者への支援についての提案」です。グループホームにつきましては、特に精神障がい者や発達障がい者の利用希望に対し、現状として数が不足しているということであります。一方で、アンケート結果からも、グループホームを増やすことの優先度が、先ほどの巻末資料@で現れているところでありますが、設置促進、利用者支援について提案を行うものです。  まず9ページの下のほうですけれども、(1)の「グループホームの開設」に関する項目として、@土地・建物の確保、それから次の10ページに飛びますが、A開設手続き、それからB近隣住民の理解という項目で課題と提案を挙げております。  続きまして、(2)は「グループホームの運営」について、同様に@人材確保、A人材の育成、B運営費、C近隣住民の理解、それから(3)では「グループホームの迎え入れる力」、これは事業者として迎え入れる力で、「グループホームでの生活の支援について」を項目として、さらに@の体験利用、それから12ページに移りましてA災害時の支援体制について、課題と解決策を提案しております。  それから12ページの上3分の1ぐらいのところに、5番「重度障がい者対応グループホームの設置促進、利用者への支援についての提案」。グループホーム自体の設置は福岡市では進んでおりますが、特に重度障がい者対応のグループホームの設置が進んでおりませんので、特にニーズが強いここの部分について、グループホームの設置促進、利用者への支援策について課題の整理と提案を行うものです。  項目としましては12ページの@土地の確保・初期費用の調達、A生活の場と日中活動の場、B運営費。13ページにまいりまして、C通院・社会参加のための外出支援、サービス支給量、D受入環境整備について、おのおの課題と提案を述べております。  13ページの下の6番「地域生活移行についての基本認識」ですけれども、これは部会の委員の皆さまからいただいた地域移行に関するご意見なりお考えを、大きく「地域社会での生活」、「制度の充実」「施策推進上の留意点」と、3つのテーマで整理をしております。  15ページの7番「まとめ」は提言のまとめになりますけれども、アンケート調査を実施分析して協議を進めていく中で、与えられたテーマに対する課題としては、概ねそこの3点に集約されたと考えております。  1つは上から4行目にございますが、住まいと日常生活支援の一体提供についての課題です。社会資源の不足や福祉サービス基盤の未整備が地域移行を阻害しており、行政、事業所、地域住民が連携、共働して課題解決に取り組んでいく必要があると言っております。  2点目は、先ほど申し上げましたが、重症心身障がい者、強度行動障がい者などの重度障がい者対応のグループホームの設置が進んでいないということ。原因として、報酬体系あるいは人材確保、人材育成の問題があって、運営費補助などの必要性が強調されたと言えます。  3点目は、地域生活移行の前提となる意思決定支援の取り組みが不十分であるという点です。施設入所から居宅生活やグループホーム、また家族同居から一人暮らし、それぞれ次のステージへ移る際の意思決定の支援が機能して初めて、障がいのある方が自らの選択に基づく地域生活移行が可能になるのではないかと思われますので、その旨を記しております。親の高齢化あるいは介護する家族、親族の減少など、障がい者を取り巻く環境は大きく変化しております。この提言が課題解決に向けた施策等を推進する一助となり、実効性のある展開につながると期待しております。  最後に8の「提言内容の全体像」ですが、次の次のページに右肩に別図ということで、大きく中央に円が描かれて、それぞれ行政、事業者、在宅の方、あるいは在宅の方でも家族同居の方、そういう方に求められる、あるいは相互に提供しあうと言いますか、そういう関係を整理した図を付けております。  説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 【会長】ただいまの提案について、何かご意見、質問等がある方はどうぞ。この部会は、本人というのは参加されてないですね。 【部会長】本人は参加されておりませんが、保護者の方が参加されています。 【会長】保護者は、本人の代弁を確実にやられているんですかね? 【部会長】はい。されていると思っております。委員2名には保護者として参加をしていただいております。 【会長】ありがとうございます。まとめの1、2、3の下のほうにフレーズで書かれているところがあります、最後に。願いのような文章ですけど、これが本人の意見というか、思いというふうに捉えればよろしいんでしょうか。私が確認したいのは、間違いないでしょうかねということです。 【部会長】やはりいろんなシステム、制度が進んで、支援の技術が進んでも、やはりどうしてもそこには本人の意思とか本人の気持ちを、それを100%満たすことはちょっとできないと、こういう気持ちがあるんではないかという。 【会長】それは入所施設では難しいということですかね。 【部会長】入所施設では難しいと、一概に100%できないとは思いません。入所施設にそれぞれいろんな努力をしていただいておりますので。ただ、一般的に言うとそういうことです。 【会長】この辺りは先ほどの精神障がいの方たちと、ちょっと違うところがあると思うんですね。精神障がいの人たちは、病気ということで、その人当事者自身が本当にちょっと一般的な生活ができにくい条件を持たれたり、逆に周りを巻き込んだりして、いろんな行動をされるということで、家族ではおられないというか一緒におられないようなのが先に走っているわけですけど、この知的障がいの人たち、重い障がいの人たちのほうは、家族で見れない人たちが入所施設に入っていたのか、それともそうじゃなかったのに入ってた人たちなのかということによっても、随分その対象者も利用者も状態が違うと思うんですね。  だから僕は先ほどの1題目の対象の人たちと一緒にできないものなのか、それともやっぱり一緒に考えていくべきかとかいうところも大事じゃないかなというのがあります。一緒に家族ではもう見られないというような人、そうなると強度行動障がいの人たちだったと思うんですけれども、そういう人たちを前提にこういうことが移行することの意味みたいなことを共通して探っていくべき問題なのかどうかを考えてみる必要があるのかなと思ったりしますので、先ほどのような意見を言ったわけです。そういう人たちも視野に入っているのかなというのがあって。 【委員】今の会長のご意見に関してですが、実はこの部分は私が書いた文章なんですけれども、3ページのグラフの一番下を見ていただくと、「このまま施設、グループホームで暮らしてほしい」という方が入所施設で92%、グループホームで73.9%あります。  これは精神以外で言いましたら、知的障がいの重い方、過去の施設ということで考えていただけたらと思うんですけれども、これまでは個人の自由ということよりも、とにかく収容してその方に最適の処遇を与えると。就寝時間も決まっている、食事も決まっている、同じアンケートの中にほかのところにあるんですけれども、外出も月に何回しかできない人もいるというような状況などもあったり、それから例えば重心なども家で見たいけれども見れない、過去は家族支援など何も、レスパイトもなく居宅介護もなく、その中で家事や農業や就業やというところで家で見られないという方が多分たくさんいらっしゃって、そういう方たちが入所施設に入ってらっしゃった状況が長く続いていたと思います。 最近でこそ人権意識、権利擁護という言葉が出てきましたけれども、過去はそういう状況だったと思います。  そういう状況を考えると、やはり幼少期から施設に入っている人たちは、多分「お母さんに会いたいな」とかそういうことがたくさんあったんだろうなと思うんですね。それから、提供されたものしか食べられない、外出も月に何回しかできないというようなことで、やっぱり厳しい状況があったんだろうなと思って、こういう文章を書きました。  それに関してのご意見はまた頂いていいと思うんですけど、別図の中に行政に求められるというところで「福祉施策の充実」というのがあるんですけれども、施策の中に具体的にお金をどれぐらい付けようかとか、補助金をどれぐらい付けようかということも含まれるのかどうかというのが、非常に気になっております。  先ほどの精神のところもそうですけれども、本気になっていただかないと、それこそ非常に厳しい精神障がい者の方の自立支援などもできないことだと思いますし、重心に関しては建物、ハード面からお金が要りますし、家庭では母親がマンツーマンで、ほぼ自分の時間もないぐらいのことで介護をしている状態です。それを福祉サービスで充実させようと思うと、生半可な費用では賄えないと思っています。それから強度行動障がいの方たちも同じような状況はあります。  なので、ここに福祉施策の充実とともに、それに見合う財政支出というのかどうか分かりませんが、そこも保障していただきたいなというふうに思います。  それとここには家族支援という言葉が入ってないんですが、やはり障がい児が生まれてから成人して、それからその人たちが親元を離れるまで、今までは家族がほとんど支援するという体制しかなかったんですけれども、最近になっていろいろ支援はできてきてますけれども、それも十分じゃないということもあります。なので家族支援がどこに入るか分かりませんが、そういうことも必要なのではないかなと思っています。ちょっと感情的になってすみません。 【会長】ほかに今の提言について、意見、感想等はありませんでしょうか。どうぞ。 【委員】丁寧に提言をまとめていただいてありがとうございました。  発達障がい者支援の立場で一言というところでお話をさせていただきますけれども、先ほどの話だったり、引きこもりの問題だったり、今苦しい状態になってある方をどうするかという視点と、もう1つ、ちょっと提言から外れてしまうかもしれませんが予防的な視点と言いますか、小さい頃からの、今ある支援体制をうまく使って厳しい状態にできるだけならないように二次障がいを防ぐというような視点が、発達障がいの支援の中では非常に求められております。  ご存じのとおり、周りの環境等の相互作用で適応状態が上がる方もあれば、二次障がいになるというのが発達障がいの方たちですので、予防的な視点、ライフスキルを小さい時から育てるという視点を、改めて支援にかかわる方たちに持っていただくと同時に、私たち発達障がい者支援センターも、そこの部分しっかり事業として進んでまいりたいと思いますので一言言わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 【委員】提言書を本当に丁寧に作られているなというふうに感想があるんですけれども、7ページ目の「入所施設の送り出す力、本人の踏み出す力について」というところで、課題が丁寧にまた書かれてるなというふうに思ってますが、それで実際の入所施設の、言ってみれば意識改革的なことがこれからやっぱり必要なんじゃないかなというふうに思うんですね。  言ってみれば通過型の生活施設と言ったらいいのか、そういうふうなイメージなのかなというところの中に、じゃあ一番最後の巻末資料Aの「地域移行を進めるための取り組みの優先度」というところでは、やはり実際に入所施設で暮らしている側の、そこで働いている職員も含めて意識改革というのが非常に優先度としては高いんじゃないかなというふうに、せっかく7ページで課題が出てるので、それをちょっと反映するようなものもあっても良かったんじゃないかと思います。  そういう意味では提言書の全体像で言えば、福岡市はそのものが1つ屋根の下というか、1つ屋根の下で障がいを持った方たちも多様な社会の中で生きていく暮らしというのがあって、権利擁護の立場でもきちっとされてるというイメージなのかなというふうに思います。  私も入所施設で働いていた経験があるんですが、権利擁護の立場で言えば、なかなか限界があるって言ったらいいんでしょうか。先ほども委員のほうからありましたけど、現場は非常に頑張っていると思うんですけれども、やはり集団生活の中での限界というのは非常にあるなというふうに思ってます。以上です。 【会長】委員の中に入所施設の関係者がどれぐらい入られてて、その人たちの意見って言うんですか、今の委員からの提案から言いますと、入所施設関係者から言うと自己改革というか、そういうのを含めて求められてる提案なのかなというように思います。その人たちが送り出す力というところにつながっていくと思うんですけど、あまりないんやったら、これをこっち側だけでわあわあ言っても、これは長い間そうだったんじゃないかなと思うんですよね。それが難しいのがやっぱり先ほどの精神障がいの方たちで。  精神障がいの病院の、先ほど委員が言われましたけど、関係者の人たちがそこは一緒にやろうぜというふうにならんと、解決しないしていかない問題じゃないかなと思うんです。その辺りも含めて、どうですか、そういう働きかけも含めて。 【部会長】委員が10名おりましたけれども、そのうち1名は入所の施設長でした。全体の大まかなイメージからすると、どちらかというと施設は非常に少数と言いますか、部会自体が地域生活移行という大前提で話が組み立てられておりますので、施設の施設長としては非常にある意味つらいと言いますか、そういう立場であられたかなとは思います。  ただ、この話をしていく中で、やはり入所施設でも、例えばさっき申し上げましたように長い方は60年近く入っておられるとか、本当は入所でなくてもいいんじゃないかという、例えば障がい程度から言えばグループホームでも生活できる方もおられるんじゃないかとか、支援をする職員の意思決定支援の勉強といったらあれですけれども、そういうところはやはり必要だなというのは、その方にもお分かりはいただけたと思います。そういう状況でございます。 【会長】ほかにはないでしょうか。どうぞ。 【委員】ありがとうございます。本当にとても丁寧に進めていただいて、ありがたく思っています。  ちょっと質問なんですけれども、グループホームの設置促進、利用というのは本当に希望が多くて、目で見て分かるんですが、その下のところで特に重度障がい者対応グループホームで、足りないのは重度心身障がいと強度行動障がい対応グループホームとなってるんですが、ここの根拠というか、どこからそういうのが導き出されているのかというのを教えていただきたい。  というのは、重度心身障がいでもなく強度行動障がいでもなくて、本当に重度の知的障がいのある人もグループホームに入れずに困っている方がいらっしゃるんですね。なのでそういう方たち、本当に数は少数だけれども、そこに入れない親子がいるというのも事実なので、そういう人たちはどうなるのかなっていうふうな気持ちがあるので、ちょっとお聞きしたいと思います。  それからこの図の中に相談と医療というところが書き込まれてないんですけれども、やはり相談というのはとても核になる、意思決定というのがとても強く謳われてますので、相談というところも入れてもらえるとありがたいなと思います。  あと、医療なんですけれども、7ページにあるんですが、医療機関に出かけられない会員もおりまして、その人はもう本当に「どうしたらいいんだろう」とずっと悩んでいて、精神科のほうは訪問医療を受けられたりとかするんですけれども、なかなか内科だったりとかが訪問医療を受けられずにいるとかいうのがあるので、医療機関にかかれない人についての支援みたいなのも何かあるといいなというふうに思っているところです。 【会長】いかがでしょう。 【部会長】別図の中に、相談体制の充実とか、おっしゃるように相談という文字そのものは見えませんが、提言の中でも相談は重要な役割です。 【委員】引きこもりの方がいらっしゃるんですけど、その方も「1人、本当に親身になって一緒に考えてくれる人がいるから私はやっていける」と、生きていけるという方もいらっしゃるので、やっぱり相談っていうところは大きいかなと思います。 【部会長】1つだけ、別図の一番下のほうですね。在宅(単身)という家の絵が書いて、「在宅生活に必要なこと」の3番目のポツで、「日常の相談支援の充実」というのは書いておりますが、ここに限らず相談というものは全体にかかわらないといけないという趣旨ですかね。分かりました。  それと、特に重度のグループホームについてこういう提言をしたことについてということですが、この部会での地域生活移行というのは、先ほどの1ページの「はじめに」のところにも書いておりますけれども、下から3分の1ぐらいのところに定義づけとして、「住まいを施設や病院から単に元の家庭に戻すことではなく、障がい者個人の市民として自ら選んだ住まいで、安心して自分らしい暮らしを実現することを地域生活に移行」というふうに、共通認識と言いますか、定義づけをしたところです。  確かに、グループホームそのものが不足しているという現状からいえば、提言書の目次をご覧になっていただければ分かると思いますが、提言書の考え方としては、3で地域生活全般に関する課題と課題解決に向けた提案を書いております。4番目にグループホームについて提案をしております。その中で、特に重度の方について、現状として特に重度の方は中にも書いておりますけれども、例えば建物を建てる際に既存の民家をお借りすることができないとか、いろんな制約がありますので、現実にほとんど少ないという状況がありますので、特に重度の方についてはある意味グループホームの中から取り出してでも提言すべきではないかという、そういう趣旨で全体を組み立てています。 【会長】ほかにないでしょうか。 【委員】8ページの権利擁護について伺いたいですが、「本人の自己決定と自己選択を支える仕組み(権利擁護システム)が整っていない」と書いてあります。障がいがあっても、地域で安心して豊かに暮らしていく上で、権利擁護の相談窓口へつないでいくための役割として、権利擁護部会の位置付けをぜひお願いしたいなと思っております。 【会長】この提案の中に一緒にということですか。 【委員】はい。 【会長】多分、3点目のまとめがそれに関係があることだと思うんです。意思決定支援の取り組みの不十分さ、これをどう補っていくのかというので、今の意見ですかね。それだとつながるんじゃないかなと思うんですけど。  ただ、権利擁護という言葉自体が、具体的にどういうことなのかというのを理解すること自体が非常に難しいじゃないですか。精神障がいの人たちもそうなんだけど、多分ここがしっかり本人の意思が通って、最後に書いてあった自分たちはみんなから信頼されて、愛情に満たされて、行きたいところに行ったりとか自分の意思が通ったりすることができていれば、あまり精神的にも弱くならないといいますか、行動問題も起きないというのはあるんじゃないかなと思いますので、そういうことも含めて権利擁護という視点で入れることはすごく重要だと思います。  じゃあその辺をどういうふうに支援者のほうに伝えていくかというか、どういうことが意思決定支援なんだというのは、これは非常に難しいんじゃないかなと思います。これは学校教育の問題から多分始まっているし、学校でも一緒にやらなきゃいけない、子どもの時からの問題かなという感じがしますので、非常に難しいです。「不十分さ」と書かれていても、みんな分かっているんだけど、具体的にどういうことをしたらこれが十分になるのかというのが、原田委員とか権利擁護委員会とかの委員の方たちにも委員として入ってもらって、決定してもらったほうがいいんじゃないかなというふうに思います。  非常に難しいです。重度の言葉のない子たちの意思の確認というのは。それがずっと社会の片隅に追いやられてきたような歴史があるんじゃないかなと思いますので、これはやはり難しい問題だなと思います。やはり意見を言わないと、なかなか聞こうという、気付かないですよね、われわれも。その辺が難しいと思います。ぜひその辺が表面化できるような、3番目をもうちょっと具体的に整理してもらえるとよりいい提案になるんじゃないかなと思います。よろしくお願いいたします。 【委員】今の権利擁護について私のかかわりもあるので発言したいんですが、ある福岡市内の入所施設に入っている身体障がい者の方から、時々私に相談の電話が入るんです。具体的な施設名とかは言いませんけど、僕は聞いていて施設の管理が強すぎるんじゃないか。そういう思いをいつもするんです。  例えば、入所者同士で「おはよう」「こんにちは」「おやすみなさい」、そういうあいさつ以外の私語はやってはいけませんと。あるいは、近くにコンビニがあって、その人は車いす生活だから行こうと思えば出れるんです。ところが、勝手に出て行って物を買ってはいけませんと。これは事故等もあるからブレーキをかけているんでしょうけど、あれも駄目、これも駄目。  そしてこんなことを言うんです。僕は実際に会ったことはないんですが、その人はちょっと頭髪が薄いようなんですが、職員が「おい、はげ、行くぞ」と。あるいは寝たきりの入所者のお年寄りに対して、お年寄りが食事中にちょっと鼻水をたらしたら「わあ、汚い」と言うんです、職員が。どうなっているのかなと。  ここに書いてあるように、本人の自己決定と自己選択を支える仕組みじゃなくて、もっとレベルの低い話、僕に言わせると。仕組み以前の話。施設で働く職員としてのモラルというか、基礎教育が全くなっていないんじゃないかなと。トイレも介助の必要があるので、そういう人のお尻を触るとか日常的に行われているんです。普通、「おい、はげ」なんて言いますか。その職員に言わせると、何でそんなことを言うかと言ったら、「ちょっと冗談で言った。親しい間柄だということを見せたかった」と。非常に当事者の入所者は不愉快なんです。  これを障がい者の相談電話に電話すると、「それは人権侵害じゃない」と門前払い、まともにも聞いてくれないという状況なんです、実際は。だから権利擁護、書いてあることは結構です。非常にいいんです。部会長が努力されていて、全体よくまとまっていると僕は思いますけど、実態の入所者がどんな思いで日々生活しているのかというかゆいところに、あるいは心の奥には届いていないんですね、残念ながら。  この最後のまとめのところの服部委員が思いを述べられた、ここです。ここの数行のところ、これは実は多分アンケートの回答じゃないだろうと僕は思って見てたんですけど、こういうことが大事なんですけど、残念ながら現実はそうはなっていないということをご報告して、今後の論議に生かしていただきたいと思います。以上です。 【会長】ありがとうございます。そういう現実起こっていること、差別委員会とかも部会長はやられているかと思います。そういう実態を経験された上でだと思いますので、そういう現実があって、その現実というのはこれまでの歴史が作ってきたものですので、これをまた作り替えていこう、いいほうに変えていこうというのには相当の覚悟とエネルギーが要ると思うんです。そういうのも含めて、先ほどから出ています提案をもう一歩前に進めてもらって、より具体的な提言にしてもらえるとありがたいなと思います。  では3番目の議事に移りたいと思います。よろしくお願いします。 【部会長】地域生活支援拠点等整備検討部会の部会長をしております池田と申します。どうぞよろしくお願いします。  福岡市の地域生活支援拠点等整備につきましては、平成28年度に福岡市障がい者等地域生活支援協議会の専門部会として地域生活支援拠点等整備検討部会を設置しまして、整備方針についての提言書を策定いたしました。この提言を踏まえて拠点の整備に取り組んでまいりまして、平成30年度までに拠点の整備に必要な5つの機能、「相談」「体験の機会・場」「緊急時の受け入れ対応」「専門性」「地域の体制づくり」というこの5つの機能について、機能強化をしてまいりました。  具体的な機能強化としては、1つは区の基幹センターの設置、もう1つは緊急受け入れの多機能拠点を3類型で設置をしてきたところでございます。  現在は、区障がい者基幹相談支援センターが中心となって、各機能の充実強化に取り組んでいるところですが、さらなる充実強化を図るために、平成30年の9月から検討委員会の委員を再編しまして、この部会を再開して各機能の現状の把握評価を行い、拠点等整備促進について協議を重ねてまいりました。その協議会の提言案としてまとめましたので、今日はそのご審議をいただきたいというふうに思います。  まず、資料4の1ページをご覧ください。この「はじめに」のところでは、地域生活支援拠点等整備について、国の基本方針を踏まえまして第4期福岡市障がい福祉計画において地域生活支援拠点等を整備すること、また福岡市保健福祉総合計画において障がいの重度化、高齢化や、親なきあとの生活の安心も見据え、障がい者および障がい児が地域で安心して生活を続けるための総合的な支援を検討することなどが明記されております。専門部会の設置の経緯等についてもここに記載をしているところです。  2ページをご覧ください。2ページの「福岡市における地域生活支援拠点等の整備」では、拠点整備に必要な相談、体験の機会・場、緊急時の受け入れ対応、専門性、地域の体制づくりの5つの居住支援機能について、福岡市における整備手法と整備の状況について記載をしております。拠点等整備というのは、この5つの機能をそれぞれの地域の実情に合わせて機能強化していくということが、拠点の整備というふうにご理解をいただけたらと思います。  続けて、3ページをご覧ください。ここでは地域生活支援拠点として位置付けるための基本要件について記載をしております。この事業所は地域生活支援拠点のこの機能を担う事業所であるということを位置付けていくための基本となる要件です。これらについては、令和元年度の1回目の本協議会でも報告をした内容となっております。  続いて、4ページをご覧ください。ここからは居住支援機能を拡充するための具体的な提案について、機能ごとに事業所等が検討していくことと、福岡市へ提案をすることに分けて整理をしてまいります。  まず1番目、「緊急時の受け入れ・対応」機能についてですが、緊急時の受け入れ・対応の機能を担う地域生活支援拠点事業所として位置付けることができる事業所を、菱形で記載をして案として整理をしております。これらの内容を踏まえて、提案内容をまとめております。1番目と2番目については既に設置がされているものでございまして、3番目以降が新規で必要だと考えているものでございます。  まず、事業者等が検討していくこととしましては、福祉サービスを運営する法人は短期入所事業の重要性を理解し、増床や新規開設に尽力することなど2点を挙げております。短期入所事業というのは、障がい者等の高いニーズがあるということを理解して、その事業の運営に尽力するということを挙げているところです。  続いて、5ページをめくっていただきまして、この機能の福岡市への提案としましては、重症心身障がい者や強度行動障がい者、または以下に書いてありますような専門性を要する重度の障がい、さまざまな家庭内のトラブルを抱える障がいを持たれている方々を短期入所事業所が緊急で受け入れた場合は、なかなか個別性の高い支援が必要になってまいりますので、現在の報酬単価では不十分ということで、独自の加算を行うということを1つの提案にしております。  それと2番目は、重症心身障がい者や強度行動障がい者の緊急時に、ヘルパーが自宅に行って支援をした場合に、緊急時に専門性の高い支援を提供した場合には福岡市の予算で対応することが必要ではないかということ、この2点を挙げております。  1点目の提案につきましては、短期入所事業所が重度障がい者等を緊急で受け入れた場合はかなり個別性が高く、負担が大きいということなど、2点目の提案につきましては、緊急時に短期入所の受け入れ先がない場合や、あるいは自宅からの移動が難しい、ご本人自身が事業所のほうに移動を拒否されるという場合もございますので、本人宅で支援を行うことが望ましい場合があるということを提案理由としております。  次に、6ページの「相談」機能の強化についてご説明を申し上げます。事業者が検討していくこととしましては、区の基幹センターが地域の課題を整理をして、地域生活支援協議会や関係機関との情報共有に努めることなどの4点を挙げております。相談機能については、1つは区の基幹センターがその機能強化の役割を担っておりますので、そこを中心にここに4点挙げさせていただいております。  福岡市への提案としましては、先ほどからも少し出てきておりますが、区の基幹センターの相談件数等の状況を踏まえて、各エリアの相談件数に応じた人員配置を加味した体制の強化を図ることと、7ページの障がい者の相談のニーズが多様化していることも鑑みて、特定相談支援事業所での対応が難しい障がい者に柔軟に対応・介入できるための相談支援体制の整備が必要ではないかということで、そういった相談支援の体制整備をしっかり協議をしていく場を設置することで2点挙げております。  1点目の提案につきましては、区の基幹センターへの相談件数が増加をしておりますし、相談内容が非常に多様化してきておりますので、総合相談の対応に追われていて地域の体制整備になかなか注力できないという現状もございます。  2点目の提案につきましては、特定相談支援事業所による介入が困難なケースですとか、非常に複雑な問題を抱えて包括的な相談援助を必要とするケースなどに対応するために、相談支援体制そのものをもう少し強化していく必要があるんじゃないかというふうに考えておりますので、その検討が必要であるということが提案理由となっております。  続いて、8ページをご覧ください。ここでは、「体験の機会・場」機能の強化についてご説明をしております。  事業所などが検討していくこととしましては、地域移行について適切な意思決定が行えるようにグループホーム、あるいは日中活動の体験の機会・場を提供することなどの3点を挙げております。やはり意思決定をしていくためには、しっかりそれに伴う体験をしていかないと、どちらがいいのか、どんな暮らしをしたいのかということは考えにくいですから、そういう場を提供できるということが重要だというふうに考えています。そのほか、空き部屋の利用とか対象拡大について以下3点を挙げております。  福岡市への提案としましては、福岡市と福岡市社会福祉協議会が実施しております「住まいサポート福岡」という事業がありますが、この対象を障がい者に拡大すること、引きこもりの方たちに対応するために地域活動支援センターT型の役割を改めて再評価をして、増設に向けた検討をすることの2点を挙げております。  まず前者、1点目についてなんですが、単身生活を希望する障がいを持たれている方たちの体験の場がないということで、住まいサポート福岡の事業そのものは、体験というよりはまさに住まいの場の設定ということになってまいりますが、この検討委員会の中で仮の場で体験をするよりも、実際に暮らしの場で生活をしてみること自体が重要であるというような委員からのご意見もありまして、ここに記載をさせていただいております。  既に住まいサポート福岡は、東区のほうではモデル的に事業を障がい者にも対象を拡大されて実施されているところですので、これを全市的に広げていく必要があるのではないかということの意見でございます。  2点目の提案につきましては、障がい福祉サービスの定期的な利用が難しい対象者が想定されますので、そういう方たちでもお迎えがしやすくて柔軟な利用方法が考えられる地域活動支援センターT型の役割は、非常に大きいのではないかということを提案理由としております。  続いて、9ページをご覧ください。9ページは地域の体制づくり機能の強化についてご説明をしております。この機能については、29年度に区の基幹センターが整備された時に、相談機能の強化と地域の体制づくりの機能強化を区の基幹センターが担うということになっておりましたので、基本的には区の基幹センターが取り組んでいくこととして記載をしております。  まず、短期入所事業所の不足に対しては、福岡市を3つのエリアに区分しまして、その3エリアを基盤にして区の基幹センターが軸となって、短期入所事業所の受け入れ促進や体験の機会・場の強化、対象拡大、空床利用といった、そういった事業所に対する情報発信を行って受け入れ対象の拡大を図っていくことなどの4点を挙げております。  この3エリアは、既にある短期入所事業所の箇所数が均等になるようなところでエリア分けをしています。  それと、福岡市への提案としましては、防災に関する障がい者への対応など地域で取り組む手法を福岡市として提示するとともに、区の基幹センターや各種福祉サービス事業所の役割を明確にすることや、区基幹センターの役割と実績を検証して地域の体制づくりを進めるための体制強化をすることの2点を挙げております。  1点目につきましては、地震などの災害時における障がい者の安否確認などの体制構築が進んでいないこと、2点目の提案につきましては、区の基幹センターが相談対応に追われて地域の体制づくりに注力することが難しい状況があるということなどを、提案理由としております。これは先ほどもご説明したとおりでございます。  続いて、11ページをご覧ください。ここでは、5つの機能のうちの「専門性」機能につきましてご説明をしております。  まず、専門性機能のところに@、A、Bという形で対象像を書いております。こういった対象の方々に対応できるスキルを、専門性として位置付けることとして整理をいたしました。その他につきましては、精神障がいや発達障がい等で地域の生活が困難な状況にある障がい者、あるいは引きこもり状態にある障がいの方、実際にコーディネート等の支援をしていくにあたって、相当のスキルを要する対象者を想定しております。  また、専門性の機能を持つ拠点事業所としての位置づけの手法については、その下に書いてありますとおり、@、Aで整理をしております。専門性を高めるために、人材を育成するための研修等を実施する事業所という位置付けと、もう1つは先ほど挙げた@、A、Bのような対象像の方々を受け入れて、支援をしていける高いスキルや経験を持っている事業所というところで整理をいたしております。  この専門性機能につきましては、これまでにご説明をしてきた4つの機能がございました。相談、体験の機会・場、緊急受け入れ・対応、地域の体制づくりの4つの機能がございましたが、この4つの機能に通底する機能ということで、この4機能がそれぞれこういった専門性機能を併せ持つことが望ましいというふうに考えているところでございます。  次に、事業所などが検討していくこととしまして、市の基幹センターは区の基幹センター等に必要な専門研修をさらに拡充していくことなどの5点を挙げております。  12ページでございますが、福岡市への提案としましては、医療的ケアを含む重症心身障がいの方や、あるいは強度行動障がいの方に対応できる居宅介護事業所を地域生活支援拠点事業所として位置付けること、ヘルパー事業所もしっかり地域生活支援拠点の事業所として位置付けていくということを書いています。  あるいは、医療ケアを含む重症心身障がい者などマンツーマンの支援が必要だと考えられる方たち、特性に応じた施設整備を必要とする障がい者の受け入れが可能なグループホームを設置していくことを推進すること、また市独自の運営費補助を検討することの2点を挙げております。  1点目の提案につきましては、喀痰吸引等を実施できる事業所や行動援護、行動障がいのある方たちの社会参加を促していく事業ですが、行動援護を実施する事業所が少ないことなど。2点目の提案につきましては、重症心身障がい者を対象とする療養介護事業所が少ないこと、あるいは行動障がいの受け入れ先がないことなどを提案理由として挙げております。実際にか〜むと連携をしながら、行動障がいのある方たちの支援を実施しておりますが、移行型ホームからの地域移行がなかなか進まないという現状もあって、こういった提案になってございます。  14ページをご覧ください。14ページは重度障がい者の住まいの確保についてということで、5つの居住支援機能とともに、障がいを持たれている方たちの住まいの場についても協議を行っておりますので、その内容についてまとめてございます。  事業者が検討していくこととしましては、市の基幹センター、および区の基幹センターは、グループホームや入所施設に対して重度障がい者の受け入れの必要性を啓発することなどの5点を挙げてございます。福岡市への提案としましては、常時介護が必要な障がいを持たれている方たちがグループホームに入居する場合、そのグループホームで必要な時間数の居宅介護を支給できること、あるいはバリアフリー化や特殊壁等の特別な環境整備を必要とする場合がございますので、新設あるいは改修時に独自の補助金を検討すること。グループホームの入居者に対して、在宅者と同様に移動支援を支給決定して、社会参加を促進していくことという2点を挙げています。  1点目の提案につきましては、最重度の障がい者を受け入れるにはなかなか現在の人員配置や報酬体系では対応が難しいという現状がございます。  2点目の提案につきましては、グループホーム入居者は特例を除いて移動支援は給付の対象になっていないために、グループホームの支援員だけではなかなか外出に対応できないため社会参加が進んでいないということが、提案理由として挙げられております。  最後に15ページですが、ここにまとめを記載しております。地域生活支援拠点等整備の充実強化を進めるに当たって、重度障がい者の住まいの場の不足という課題や、多様なニーズを持った障がい者からの相談への対応によりさまざまな課題が浮き彫りになってきております。地域生活支援拠点等整備をさらに推進していくためには、重度障がい者の緊急時の受け入れ施設や住まいの場の確保、また多様なニーズに応えるための相談機能の強化に向けた体制の見直しなどを、重点事項として取り組んでいくことが重要であるという結びになっております。  地域生活支援拠点等整備は、いわゆる住みやすい地域づくりということでございますので、第1期と申しますか、30年度までに整備してきた福岡市の拠点整備は厚生労働省のモデル事例でもホームページで公開されておりましたが、福岡市ではそれで拠点の整備が終わったということではなくて、またさらにそれを検証しながらより住みやすい地域を作っていくために常に評価をして機能強化を図っていくということが、これからも継続して取り組んでいくことが重要であるというふうに考えているところです。  説明は以上でございます。審議をお願いいたします。 【会長】具体的な提案がなされてましたけど、何かご意見等がありましたらどうぞ。 【委員】ありがとうございました。現状と言いますか、詳しく聞かせていただいてなるほどなと思ったんですけれども、やはり先ほどの繰り返しになって申し訳ないけど、精神の場合は病院から出すということしか書いてないのよ。これを何とかしてください。病院と協力して退院させるということしか、どう見ても書いてない。これはおかしい。  今お話を聞いたように、本当に困ってる人たち、親なきあとの問題というのが非常に差し迫っているわけです。実際にそれでお父さんたちが具合が悪くて倒れて、ご本人がものすごく具合が悪くなっちゃって、また何十年ぶりに入院するなんて方が最近ぞろぞろ出てきてるわけです。  だからそういう問題が起こるのをひしひしと感じるのよね。やっぱりそういう大事な、せっかく生活している方がまた病院に入らなくちゃいけないというようなとんでもないことになっているわけで、そこを何か把握して表現してほしいなという希望です。 【部会長】ありがとうございます。具体的には、例えば地域側の社会資源の充実ということですか。 【委員】そうですね。実際の受け入れをどうするかということの具体性と言いますかね。やっぱり精神科の場合は、先ほどシェーマがあったように、グループホームがあってそういった自宅があるって、一人暮らしがあるというのは必ずしもそうではないので、一人暮らしのほうがいい方もたくさんおられるのよね。  今日も僕はだいぶグループホームの文句を、きっかけをくれた患者さんがいたけど、「もう出たいんだ」とか言ってるけれども、お金をどうするんだとかいった話になっちゃって、そういうふうな話もゼロじゃないです。とてもグループホームを気になっていらっしゃる方ももちろんおられるんだけれども、やっぱり選択肢がないんです。  選択してグループホームに入るなら大いに結構だと思うんだけど、グループホームの方もそれで非常に協力しやすいと思うけど、あまり気に入ってないところに入ると、グループホームの方も対応も非常に困るだろうと思うし、そこ辺のところを。 【部会長】ありがとうございます。それでやはり精神障がいのある方がもし介護者が不在になった時に、短期入所事業あるいは病院を本人が利用して、介護者の方がまた自宅に戻って来られるまでの間、そういう選択をされる方はそういう選択が考えられるんですが、そこが難しくてやっぱり自分はそのまま自宅がいいんだという方もいらっしゃることを想定して、実際そういう方もいらっしゃいますので、そういう意味で居宅介護事業所、ヘルパーをそこに派遣していく、緊急時にもそこで派遣ができる事業所を拠点事業所として位置付けていこうということが、提案理由として入っています。 【委員】もちろんやっぱり自宅に長年住んでるから自宅に住みたいという方はおられるんだけど、客観的に見ると、かなりもう家ががちゃがちゃになっちゃって、その辺は精神科が訪問診療と看護はたくさんやっているので、そこでいろいろ長い間のお付き合いの中で「少しそろそろアパートのほうが住みやすいかもよ」みたいな話もしたりするので、そういった場合の移行先がなかなか難しいという今の現状があるわけ。 【部会長】それで何とか住まいサポート福岡を、障がい者に対象を拡大してそれを全市的に、今はモデル事業として実施されておりますけど、これを何とか全市的に支援していきたいと。 【委員】それは高齢者の場合は、ある地区では施設に入ったりとかマンションに入ったりとかいうための家を担保にお金を貸してくれる制度なんてあって、自分が生きて生活している間はそのお金で暮らして、亡くなられたらその土地を売却する制度もあるんですよね、高齢者の場合は。 【委員】9ページにあります地域活動支援センターT型の再評価というところに関して、これは私自身嬉しく思います。すごい大事なところだなと思うんですね。  実は私自身当事者でもあるんですけれども、精神障がいというのは就労支援とかやはり大きく取り上げられますけれども、まず就労することに対してのハードルってすごいんです。簡単に就労といっても、まず家から出ること自体がすごい大変ですし、まずは起きられるだろうか、そこに無事にたどり着けるだろうか、たどり着いてからちゃんと過ごせるだろうか、人とうまくやれるだろうか、かつ仕事ができるだろうか、いろんなハードルがいっぱいあるんです。  そういった中で地域活動支援センターのような、ふらっと行ってちょっと過ごして帰ってこれる場所とかいうのは、本当に私自身も助けられましたし、大事だと思うんです。家族の理解がないところだと、家にも身の置き場がない。どこか公園とか外に行っても、「あの人何してるんだろう」というような目で見られるようなことで、どこに行っても身の置き場がないというところで、地活のT型のような場所で本当に仲間たちと出会って、そこでありのままの自分で過ごせる場所というのは本当に大事です。  たまたま私は家の近くにあったのですごく助けられたんですけど、本当に区に1カ所となると、早良区なんて南北にすごく広くて、早良区の北のほうにあると南のほうからは全然やっぱり通って来れないんです。ある程度回復したらできるかもしれませんけど、公共交通機関を使うのもまず大変なんで、やっぱり理想を言えば何カ所も小さいのが、歩いて10分とか15分というところにいくつもあるのが、本当は理想は理想だと思うんですね。  なので、ほかの提言とかにもかかわってくるかもしれませんけど、福岡市のほうでは、今、U型、V型とか認められてないとは思いますけれども、U型、V型の許可もいただけると、すごく支援の幅が広がる。特に精神障がいの方は、第1歩目がすごく大変なので、ここの1歩目を何とか手厚い支援ができれば、そこからは車のギアと一緒で1速目が大変で、そこからは順調に行ける方は行けるんです。もちろんそこからは皆さん個人差があるのでいろいろありますけれども。  あと、先ほどもちょっと意見が出てましたけれども、居場所の大事さというのはあるんですけど、じゃあ別の何か生活訓練とかそういったところでもどうかという意見もありますけれども、障がい福祉サービスを使うとなるとやっぱり計画相談が必要で、そうするとまた事業所の支援者等も必要で、特に最初のうちは、いろんな方に合わせるというのは結構大変なんですね。なので、できれば精神障がいの方は少ない支援者の数で、できればピアサポートの力で回復していくというのが一番理想とは思います。  私自身もやっぱりいろんな方と3人も4人も支援者がいて、その中でそれぞれにやっぱり合わせなきゃいけなくて、そうなると自分自身も「こんなに支援を受けてるんだ、こんなに自分は今大変なんだ」ということを自覚せざるを得ないですし、サービスが増えることはいい面もありますけど、そういった面ではちょっとマイナスになってる面もあるというところも少し考えていただいて、今後検討していただけるとありがたいと思います。 【部会長】ありがとうございます。障がい福祉サービス、今委員からおっしゃっていただいたとおり、地域活動支援センターというのは地域生活支援事業の位置付けになってますので、地活だけを使おうと思ったら、計画相談も必要ないわけです。そうしますと本当におっしゃったように、じゃあ福祉サービスを使いたいとなった時に、じゃあ認定調査をやってください、計画ができるまで待ってください、その前に計画を作るところと顔合わせしましょうと、いろいろサービスを使うまでにハードルがあるわけです。そこでやっぱり疲れてしまうところもありますから、まずその第一歩を踏み出す時に地活というのは、社会と接点を作っていきやすい場ではないかなというふうに思ってまして、そこをしっかり役割を見直していくべきだということです。  そして地活の活動内容を、障がいを持たれてる方たちに合った、また社会参加しやすい活動内容を見直していくべきだというようなことが、検討部会の中でも各委員から提案されていたところでございました。ご報告いたします。 【委員】先ほど委員がおっしゃったように、私も昔、地活を立ち上げましたので、地活の役割って本当に大切だと思うんです。だんだん基幹ができたこともありますが、地活がいまだに一番底辺で支えてるのかなと思いますので、これをぜひ再評価していただき、ピアサポートもスタッフも頑張っておりますので、評価を高くしてできれば補助金も上げてほしいと思います。運営ができません。  それから区基幹の業務内容がもう本当に、先ほど言われてますけど煩雑で多様化しております。その上に求められることが多岐にわたって高度な専門性を必要とされる中で、やっぱり相談支援体制の見直しを早急に行っていただきたいなと思います。  でないと、どこもそうですが、スタッフが疲弊し、やっぱり辞めていかれることが多いんです。これでは本当の支援ができないと思いますので、ぜひそのところも考えていただきたいと思います。 【会長】具体的な見直しというのは、どういうことですか。 【委員】何もかもが今、基幹に下りてきている。だから相談の内容も本当に多岐にわたるんですね。  触法障がいの方たちの支援なんかにもつながっていきますので、これは寸断されるのではなくて、個々人に合った支援をしていくためには、あまりにもほかの仕事が多すぎて、疲弊につながっていってるところもありますので、支援体制の見直しを重点事項として取り組んでいくことが重要であるということをここで文字にしてるだけではなく、そういうことを本当に考えていただきたいなと思います。 【会長】そういうことを具体的に提案してもらわないと、例えば国の施策だったらこの相談機関にそういういろんな相談があるわけで、実態が分かるからということでいろんな課題が見えてくるので、そこが具体的提案を行政とかに上げていくような方向になっていると思うんです。そういうのがアップアップで難しいと言うのだったら、どこを整理して、こっち側にエネルギーを使わないかんのやからこっちはちょっとやめておいてほしいというような、具体的な提案をしてもらってもいいのかなと思います。  だから今日も出てましたけど、例えば基幹相談所は相談の場所が短期の受け入れ場所になるのが一番いいわけでしょう、本当は。だけどそれまでしよったら、もう倒れる、終わってしまうというような感じになる。そこの電話を受けた人がその人と話しながら仲良くなっていって、関係ができて、一緒に歩む形になるのが地活の役割だということですか。 【委員】そういう意味では、棲み分けをしていって。 【会長】だからそういうのを整理していくような方法を考えたほうが賢明じゃないかなと思うんですね。あるならそれを使うと。それが有効に働かなかったからこういう状態になってた可能性があるので、やっぱり課題が解決されないまま次の展開にいってるという問題があるんやったら、そこを含めてぜひ整理してもらって、提案してもらえるといいなという感じがします。  今回の提案では具体的によく出ていると思います。行動援護とか居宅介護事業所でいろんな事例が出てきて、すぐに入れるような関係ができてる利用者がおられるんやったら、そこの人に拠点になってもらうのはすごくいいことだと思うんです。ぜひそんなので増やしていって、あちこちでいろんな相談を受け支援に結び付く、そこが一番大事だと思いますので。相談だけ受けたって具体的な生活改善にならないわけですので、そこをやっぱり一番エネルギーを使っていくべきだと思います。そこに予算が投入されるような方向が非常にいいんじゃないかなと思いますので、ぜひそういうところをどんどん提案してもらえるとありがたいなと思います。 【部会長】障がい種別ごとに分かれて、大人だけを対応していた平成28年度までの相談支援体制から、区の基幹体制になってより身近なところで3障がい一元化で、ワンストップで1次相談を受けるという体制になったことで、それ自体は私は非常に良かったんじゃないかなと思うんですが、結果的に掘り起こしが進んで、非常に多様なニーズがそこに入ってくるようになってきました。  そういう意味で、今後どう相談の窓口を整理していって、その体制を強化していくのかということはこれからの課題で、今回はそういう場を、体制整備についてきちんと機能強化について検討する場を早急に設けて、そこでしっかり話し合いをしていくべきだというのが提案になっています。 【会長】すごくいいことだと思います。やっぱりここに出てましたように、強行と医療的ケアは国も出してきましたので分かりやすかったんでしょうけど、精神障がいのほうはそんなに具体的には提案してきてるわけじゃないので、そこが結構今模索しているところかなという感じもします、福岡市も。だからそこもそれこそ専門性をもっと入れていかないと、対応ができないんじゃないかなという感じがしますので、長谷川先生とかをもっと活用していろいろ意見を提案してもらって、具体的に当事者をより良くしていくという方向を目指さないと、なんか意味がないような気がします。  大変だ大変だと言ってたってこれは解決しませんので、それをもっと良く幸せにするにはどうしたらいいかというところまで含めて、いろんな方に協力してもらって、入ってもらって作っていって、基幹の人たちが一番そういうところのコーディネーターをする役割になってほしいというのがあると思いますので、よろしくお願いいたします。 【部会長】ありがとうございました。 【会長】それではいろいろとまだ言い足りないこともたくさんある方もおられると思いますけど、提言についてはまだまだこれからも深めてもらうということを含めて、今日の3つの提案はこれで終わりたいと思います。  それでは4番の報告にいきたいと思います。「福岡市障がい者基幹相談支援センターの事業実績について」、よろしくお願いします。 【事務局】よろしくお願いします。福岡市基幹相談支援センター・虐待防止センターの榎下です。どうぞよろしくお願いします。  それでは市障がい者基幹相談支援センターの平成30年度の事業実績について、説明させていただきます。  まず資料5の確認をお願いします。1ページ、2ページについては、障がい者基幹相談支援センター・虐待防止センターの主な事業を示しております。3ページについては、それぞれの事業実績をまとめております。そして今回は3つの事業について、事業報告としてそれぞれの事業内容、基幹センターが持っております課題について報告したいと思います。  では資料をお手元にお願いします。事業実績も参考にお願いします。福岡市障がい者基幹相談支援センターは平成26年1月に開設して、間もなく6年がたとうとしています。また29年度には、市内14カ所に区基幹センターが設置され、現在の福岡市の相談支援体制となっています。  まず市の基幹相談支援センターの主な事業についてご報告します。1つ目として、福岡市の相談支援体制の総合的・専門的な相談支援の実施、および人材育成があります。市全体の障がい者に係る相談支援体制が円滑に機能するように、各種の支援事業、区基幹センター職員の資質向上のため、相談支援に関する各種研修を実施しております。各区基幹相談支援センターのバックアップ、スキルアップへの取り組みを行っているところです。  また、各区基幹センター間の情報交換を図るために、区主任コーディネーター会議を毎月開催して、各区部会事務局会議や区部会にも出席しております。  平成30年度の新たな取り組みとしまして2点あります。まず区基幹センターのコーディネーターの人材育成のため、今まで実施してまいりました研修内容を見直して、区基幹相談支援センターコーディネーター研修として行いました。また、福岡市の医療的ケア児・者の地域での生活を適切に支援できる人材育成のため、福岡市医療的ケア児等コーディネーター養成研修を行いました。  2つ目です。地域移行・地域定着の促進の取り組みとして、障がい者支援施設や精神科病院等に対し、地域移行に向けた普及啓発として関係機関と情報交換を行ったり、研修を開催しています。  3つ目です。福岡市内のグループホームに関する情報集約業務です。障がい者グループホームの基本的な情報や空き室状況等の情報を毎月整理・集約して、福岡市や区基幹相談支援センター、グループホームの運営法人などに対して情報提供を行っています。  4つ目です。福岡市障がい者等地域生活支援協議会の事務局業務の一部として、開催準備、事務局業務の一部を担っています。区事務局会議に参加し、事務局合同会議を開催して、各区部会からの課題を整理し、事務局合同会議で検討する事例の精査に取り組んでいます。協議会や事務局合同会議、区部会、専門部会の活動報告等のホームページへの更新などを業務として行っています。  2ページをお願いします。協議会組織図を表記しておりますけれども、その中の専門部会については、触法障がい者部会、地域生活支援拠点等整備検討部会、精神障がいに対応した地域包括ケアシステム検討部会に、部会委員として参画しています。  次に障がい者虐待防止センターの業務についてですが、法律に基づいて以下の業務を行っています。  まず養護者、障がい者福祉施設従事者、使用者による障がい者虐待に関する通報、または届け出の受理、そして養護者による障がい者虐待の防止、および養護者による障がい者虐待を受けた障がい者の保護のための相談、指導および助言等の支援。また障がい者虐待の防止および養護者に対する支援に関する広報・啓発となっています。  これからは、先ほど申しましたけれども、3つの事業についてそれぞれ所長のほうから報告したいと思います。よろしくお願いします。 【事務局】福岡市障がい者虐待防止センターの松野でございます。虐待防止センターの平成30年度の事業につきまして、報告させていただきます。  資料4ページをご覧ください。ただ今説明がありましたとおり、事業計画につきましては障害者虐待防止法に定められております市町村障がい者虐待防止センターとして、先ほど説明したとおりの業務を行っております。  4段目になります実施内容から説明させていただきます。24時間、緊急時の虐待対応に備え、休日・夜間は職員が携帯電話を持ち対応できる体制を整えております。平成30年度当センターが受理しました全通報件数124件のうち、養護者による虐待通報が58件でした。そのうち6件について緊急一時保護が必要と判断され、5名を措置、1名を契約で一時保護いたしております。また6名のうち5名につきましては、休日時間外の対応でございました。  次に虐待対応を行う上での行政等の役割の共通理解と区基幹センターとの相談の対応ですとか、引継ぎをスムーズに行えるように研修会を行政向けに2回、区基幹センターを対象に1回実施いたしました。  広報・啓発につきましては、外部から虐待防止についての研修の依頼を受けまして、障がい者虐待についての研修を行っております。  続きまして実施結果です。虐待対応を行う上で高齢者虐待に対応する機関とDVの対応をする機関と、協力して虐待を対応する機会がございまして、それぞれの対応の考え方、あるいは対応の中身を整理する必要性を感じまして、平成30年度につきましてはまずは高齢者虐待の対応について各区の高齢者の権利擁護担当者と情報交換を行い、それぞれの虐待対応の流れ、虐待の事実確認の判断について相互の理解を図りました。  次に研修の実施結果につきましては、行政を担当とした研修会では延べ32名、区基幹センター対象の研修では31名の参加がありました。また、広報啓発の一環として、外部からの研修の依頼に対応した件数は7回となっております。  最後に今後の課題ですけれども、3点記載しております。1点目ですが、夫から虐待を受けていたケースで妻に障がいがある場合、DV対応と障がい者虐待対応で対応が重なる部分がございます。お互いにどのような協力ができるのか、どのような対応がより適切かを整理する場が必要だというふうに感じております。  2点目は被虐待者に対する成年後見制度の利用を検討することがありますけれども、その中で市長申し立てが適当ではないかと思われるケースがあります。今後、市長申し立てにつきましても利用しやすくなるような体制を整える必要性を感じております。  3点目です。障がい者虐待防止法では行政でしかできないことと障がい者虐待防止センターに委託できることが決められております。行政の担当の方は異動がございますので、行政と障がい者虐待防止センターそれぞれの役割につきまして、共通認識を図る場、あるいは対応した事例を検証するような場がございますと、ケースの対応への共通理解ですとか課題の共有ができるのではないかというふうに考えております。今後そのような検証を協議できる場が必要だというふうに感じております。  以上で虐待防止センターについての報告を終わります。 【事務局】続きまして、福岡市の相談支援体制の強化の取り組みについて、ご報告をいたします。福岡市障がい者基幹相談支援センターの加納でございます。  福岡市全体の障がい者等にかかる相談支援体制が円滑に機能するように、区基幹センターのバックアップを中心に取り組みを実施いたしました。機能強化専門員や相談支援スーパーバイザーの協力を得ながら、各区基幹センターの困難事例の相談対応や地域の体制整備について、助言やOJTによる支援を行いました。主任コーディネーター会議や事務局合同会議において、関係機関との連携構築を図りました。また、区基幹センターのコーディネーター研修を実施し、相談支援の基本的な知識の習得、各種専門性の向上、人材育成を目指した指導者養成の取り組みを実施いたしました。  課題といたしましては、基幹センターの周知が進み、先ほどから述べられておりますように多様な相談が寄せられ、総合相談に追われている現状があります。今後、相談支援体制のあり方について検討を行うとともに、従来の障がい種別で相談に応じておりましたスーパーバイザーの機能の見直しを行う必要があると感じております。また、区基幹センターに対する第三者からの客観的な評価機能も必要ではないかと考えております。  さらに、福祉事業所を含めさまざまな過度な要求への対応に苦慮している現状も少なからずありますので、事業所自体が相談できる検討の場も必要ではないかと考えます。  また、今後、区基幹センターのコーディネーターの資質向上のための現場のニーズを把握し、日常の相談支援や関係機関との連携づくりに生かせる研修の、企画運営を行っていきたいと考えます。  6ページをご覧ください。医療的ケア児等コーディネーター養成研修についてご報告いたします。平成29年度から国の事業として取り組まれ、平成30年度に地域生活支援機能強化事業として福岡市の委託を受け、実施しております。  医療、保健、福祉、学校、行政など、関係機関の調整役を担うコーディネーターには医療的な知識をはじめ、福祉制度の情報や関係機関との連携など、多様なニーズに対応することが不可欠となっております。相談支援専門員および医療機関等の職種とともに研修を行うことにより、医療的ケアについての学びを深め、地域で暮らす状況についても相互に情報を共有する連携の機会を作り、実際の支援に生かせる内容として考えております。  今後の課題といたしましては、研修終了後のフォローアップ体制の構築や、医療的ケア児・者が地域で暮らすに当たっての社会資源の不足に対するアプローチなどの検討が必要になってくると考えております。以上です。 【会長】何かご意見等ありませんでしょうか。 【委員】困難事例ということがありましたけれども、例えばこういう事例が困難事例に当たるのかどうか教えていただきたいのですけれども、今、社会資源の不足という話がありましたが、2つ事例があります。  1つは強度行動障がい気味の成人なんですけど、その方が引っ張ったり、つねったり、噛んだりするので、あらゆるところから断られて、ショートステイも利用できない状況がある。相談支援も、難しいですねということで困っている状況、これが1つです。  もう1つ、高等部の子どもさんなんですけれども、家庭内ですごく難しくなってきているのできょうだい児の避難という意味で、その子どもさんを家を一軒借りてお母さんがそこで介護し、両方を見ている。きょうだい児の世話もしないといけない、本人の世話もしないといけない。その時に、高校生なので居宅介護の支給量が80時間だと言われ、区役所に相談に行っても80時間しか出ないということで困っていらっしゃる。  こういう事例は、困難事例というふうに考えてよろしいんでしょうか。こういう方たちはどんなふうに困難の事態を解消できるのかということをちょっと教えていただけたらと思います。 【事務局】まず1例目の、強度行動障がいの成人の方の、他害行動があってなかなか対応できるところがないというご相談なんですけれども、強度行動障がいの話題は今日もたくさん出ておりましたけれども、まずその方の特性に応じた専門的な支援をされる体制とか、環境を整えればそこまでのそのような行動には及ばないこともあるというような支援ができる方なので、そこを今現在行っているか〜むであるとか、そこの共同支援とかを使っていただいたりして、支援者の支援力を高めていただくというような解決の方法はあるのではないかと思っています。 【委員】実はその方はほかのところにおつなぎできて、今はわずかですけれどもショートステイができるんですけれども、その方だけじゃなくて、リアルタイムで困っている方がいらっしゃるということで、こういうところでどういう困難事例が起きているのかというのを私たちは知りたいと思います。  2件目については、居宅介護の支給量が実際必要だけれども出ない、先ほども過度の要求も出ているというお話があって、その辺の見極めは難しいと思うのですけれども、実際に今困っていらっしゃる方に対してもう少し居宅介護量が支給できるとか、そういう解決策のようなことはあるんでしょうか。例えば、そういう事例が地域課題というか困難事例として見えてこないんですよね。そこのところが言いたいところです。 【事務局】ありがとうございます。今、委員がおっしゃっていただいたように、区の基幹のほうとも一緒に、今、いろんな事例を積み重ねていって、本当に市の中で何が課題になっているのかというところをもう少し整理をしていく必要があるのではないかという取り組みをしております。  やはりその強度行動障がいの方に対する社会資源の不足であるというところは、いろんな区からも課題意識を持って出されておりますので、そういう整理をして今やっています。  2例目の、きょうだいの方からも避難をして、ご本人と両方を支援していらっしゃるというご家族への支援も、時間数に関してはちょっと私どもでは判断できなくて、行政のほうでのご判断にはなるかと思うのですけれども、いろいろな特例などのご相談であったりとかを相談支援の指定特定さんたちと、地域でどんな方々が困っていらっしゃるのかというのを吸い上げて、やはりこれは市としても制度として考えていただきたいということを上げていけるように、今、課題整理をしているところではございます。 【委員】ありがとうございます。制度になるのはもちろんそれが望ましいのですけれども、日々リアルタイムで本当に困っている方がいらっしゃるというところには、それは特例なり何なりで対応できるように。相談支援の方も80時間までですと言われる、基幹に相談に行きましたかと言うと、基幹でも同じように言われたと、役所に基幹と計画相談の方が2人で行かれたけれども、区役所でもそのような対応だったということで、そういう事例が地域にはいっぱいある。その辺も、駄目だじゃなくて、そういう困難事例にはどのような解決策があるかというようなことを探っていくのが基幹相談ではないのかなと私たちは思っておりますので、その辺もぜひ改善していただけたらありがたいかなと思います。 【会長】どうぞ。 【副会長】虐待防止に関して2つあります。1つは事案の見直し作業です。障がい者虐待は歴史がまだ新しいですから、いろんなことをやっていかないといけない。障がい者虐待防止のための協議会があるはずなんですけど、これが最近開かれていないので、これを開いて、虐待防止の核になる方たちが定期的に、見直しを含めて情報を共有するという場をぜひ作っていただきたいというのが1点です。  それから先ほど委員から、施設従事者の心理的虐待と言っていいような事例が報告されていましたけれども、虐待防止センターは養護者による虐待に直接対応していきますが、施設従事者等の虐待は行政が対応することになっていて、これがどうなっているかはデータがなかなか出てこないので、福岡市での状況を行政の方から報告していただきたいのが1点です。  それから基幹相談の報告と、地域生活支援拠点等整備検討部会の報告にあったんですけれども、カスタマーハラスメントというのが報告書の中に書かれていて、そういう相談支援を担う人たちの負担をどうしていくかというのも、今後きちんと議論していただきたいと思っております。以上です。 【会長】先ほど委員から言われた相談みたいなものは、委員のほうに相談があっているわけですので、それを制限されたみたいなことを相談者は言われたわけですよね? 【委員】困っているということで。 【会長】困っていて、区とかに相談したけど、その事例はちょっと違いますみたいなことを言われたから回ってきたんですか。 【委員】居宅介護量の支給量が決まっているので、これ以上は無理ですと。 【会長】だからそういうのは相談機関は言わないですよね。 【委員】制限があってそこまでしか支給量が下りないんです。 【会長】下りないから支援ができませんということにつながるわけでしょう、それは。 【委員】結果としてはそうですね。 【会長】だからそういうことを分かった上で、相談機関は後回しにしたりするんですか。 【部会長】確かに、制度上今はこれが精いっぱいですというのは当然あります。だけど、それで「じゃあ仕方ありませんね」というわけにはいきませんから、例えば短期入所事業を組み合わせるとか移動支援と組み合わせるとか、今できる方法を一緒に考えながら、どうやったら生活が成り立つようにできるかということを、一緒に考えていくのが相談支援事業じゃないかなと思います。 【会長】ですよね。 【委員】そうあってほしいんですけれど、そうじゃないところもたくさんあるということです。 【会長】あるということですね。それは由々しき問題ですよね。もしそんなことを、相談した側の気持ちとか思いに寄り添ってないという原点がおかしいわけですよね。事実はそうかも知れないけど、今困っているわけですから、そこにまず寄り添うのが相談を受ける人の基本じゃないかなと思うんですけれども。こういう事例が違うところに回っていくということ自体が、福岡市の体制としては非常につらいことではないですか。それが指摘されたと思うんですけど。 【委員】内気な親御さんは、それで絶望的になりますよね。それが先ほどの殺人とか、親御さんたちはそういうところでそういう思いになって、ほとんどの方がそれはセーブできるところなんですけど。 【会長】絶対断っちゃいかんですよね。まずは受け入れるということ、これは基本だと思う。原則だと思います。そうしないとちょっとよくないと思う。絶対にそういうことはもの申したらいかんということを、全基幹センターの皆さんに周知しといてほしいなと思います。どんな相談かというのを、まず事実をきちっと聞くことが重要だと思います。そしてやれる範囲のことをアドバイスするなり、ぜひこちらに出かけてこられませんかと言って、まず会うこと。そういうのが前提じゃないかなと思います。  ほかに何かありませんでしょうか。よろしいでしょうか。また時間が過ぎてしまいまして申し訳ありません。今日も重要な議題がいっぱいあって、すみませんでした。事務局のほうからありますか。 【事務局】先ほどの虐待防止の対応の関係で、施設従事者の虐待の対応がどうなっているのかと、行政のほうの責任だということになっていますが、それについてのご説明です。  福岡市では虐待防止対策事業実施要綱を定めて、その中で虐待防止センターで対応するものと、それから行政で対応するものと役割分担をしています。施設従事者等による障がい者虐待については受付は虐待防止センターでもやりますが、実際の対応は行政の役割ということで、行政にその話がきまして、行政で対応をします。  対応としては、それを受理したらそれがどういうものか調査をしたり、コアメンバー会議を開くとか個別のケース会議を開催するとかいう形で具体的に対応をしてまいります。対応するメンバーは、それぞれの施設の所管部署の職員が入って、コアメンバー会議、個別ケース会議等をします。その中で、必要によっては福岡高齢者障がい者虐待対応チームに応援を求めるというようなことも行います。  具体的に言うと、先ほどの資料の中で2枚目に虐待防止センター事業実績があって、その4「虐待通報届出の状況」というのがございますけれども、そこの2段目に障がい者福祉施設職員従事者等による虐待というのがあります。30年度でいうと、虐待の届出が23あって、虐待として判断したのが1という形になっています。  これは、相談を受けると調査をして、それから必要に応じてコアメンバー会議をしてということで、さらにコアメンバー会議でこれは虐待だというふうに認定された場合は、その虐待の対応に入っていく。施設に実地指導に行って状況を確認する、施設の職員関係者それから利用者からいろいろ聞き取りをするということで、事実を確認していって、虐待であれば虐待と認定する。  認定すれば、その後の指導ということで、そこの施設に対して改善の取り組みを具体的にするように指導する、そこの研修なりをちゃんとしているかというようなことを継続的に見ていくという対応をしていく、そういうような流れになります。  30年度で言えば、そういうことで23件あって、1件が虐待ということで対応しているということでございます。ざっと言うとそういうことでございます。 【会長】分かりました。何かほかに言いたい方はおられませんでしょうか。 【委員】労働基準局でもそうなんだけれども、通報があるとまず現地に行って、聞き取り調査をして判断をするというのが普通の手順ですね。今のは、その前にコア会議でいろいろ話を決めて、虐待が疑わしいという時に聞き取り調査に行くというのは、僕は手順が違うと思います。もしそうだとすれば、今おっしゃったとおりだとすれば、全く不十分だと思います。 【事務局】通報があった分は、虐待だけではなくて、そこはまず誰から相談があったかっていうところも含めて言うと、匿名の場合もあります。それから非常に不確かな情報の場合もあります。そういうものは、まずそのコアメンバー会議なり担当者の中で、信ぴょう性を含めて、そして今後どういう調査をするのかというのをまず考えます。そして、調査に入らないといけない場所が分かって、誰に聞けばいいかが分かれば、そこから調査に入っていくという手順です。その辺が具体的に分かってくれば、調査をしてからそういった手順に入っていくということでございます。 【委員】匿名であれば仕方がないでしょうけれども、名前を言って事業主を報告すれば、調査官が来て関係者には全部聞き取りをするというのが労働基準局のやり方です。 【事務局】実際の虐待の現場では、虐待を受けている人が微妙な立場であって、すぐに調査に入れない場合とかいうのもあります。ただ、調査をしないといけないので入りますけれども、そのタイミングを図るだとか、本当にそうなのかの裏を取るとかいうようなことを事前にすることがあります。 【委員】それは難しいよ。だって精神科側から言えば、精神保健法で処遇困難、不当な処遇を受けているとか処遇が不適切であると電話で通報して、それは通報しますかということをすれば、精神審査会というところが必ず聞き取り調査に来て、ちゃんとお話を聞いた上で判断をするというふうになっているんです、電話だけでも。まずその聞き取りをするということは、われわれの世界では常識ではあるんだけど。 【会長】聞いてると、全部事後的な対応に聞こえるんですね。ここにこれだけ事例が挙がってきて、ここまでケースが挙がってきている。これを分析して整理して予防ができる。なぜ虐待が起こるか、起こしている人の共通点とかそういうのを調べて予防する。虐待をしなくても生活が成り立っていくような、虐待なんかにいかない関係性づくりみたいな方向を目指すための、予防という視点の資料の整理の仕方みたいなのはできないですかね。  せっかく事例があるんやから、そこからもうちょっと何か読み取って。これは差別の問題ともつながりますから。なぜ人間は差別をするんだ、何で虐待をするんだ、して当たり前だけど、したやつを裁こうみたいな話になっている流れがあるんじゃないかというのはあんまり良くない。その人がなぜ虐待を弱い人にしなければいけないかというところからの視点も、すごく重要じゃないかなと思うんですけれども。  これは結構精神障がい者の人たちとか、支援者との関係ってものすごく深く関係があるんです。関係性の問題だから。こちらはしているという自覚がないですよね。弱い人に向って投げかけた言葉とかそういうのは。だけど、されているほうはそう感じているわけです。 【委員】僕の感覚では少し消極的過ぎ、もうちょっと積極的にやっていただいてもいいんじゃないかなという、われわれの感覚から少しずれるようなイメージがありますということです。 【事務局】虐待が疑われるということで聞き取りをしないといけないということについては、すぐにそれは聞き取りに行きます。聞き取りが必要な時は聞き取りにすぐ入ります。  それから報告のパターンというのが、今こういう数字だけの情報でしかないので、予防を含めてというのはちょっとまた別の流れの整理かなというふうに思いますけれども、その辺はそういう視点が必要ということは認識したいと思います。 【会長】難しい問題なんですけど、すごい大事なデリケートな問題だから、そういうのが起こらない地域をつくろうというような視点もすごく大事かなと思うんです。そんなことはあんまり考えなくていいような福岡市を目指すためには、どういうことを小さい頃からやらなきゃいけないかというようなことを、この協議会なんかでも提案ができたらいいなと思ったりしますので、すごく重要なポイントです。そこまで掘り下げていく必要があるのかなと思ったりします。 【委員】虐待を受ける人が、自らの権利を自覚して表に出せる人はいいんです。出せない人がたくさんいるんですね。それはどういうことかと言うと、自分が虐待を受けるということを告発することによって、自分の居場所がなくなる。その施設から追い出されたらもうどこにもいけない、帰る家もない、支援してくれる家族もいない、そういう人が結構たくさんいらっしゃるんですね。だから言えないんです。  言える人は僕はまだいいと思うんです。言えない人が実はたくさんいらっしゃるということを、ちゃんと認識していただきたいなと思います。 【事務局】実際に虐待の相談を受けるパターンは、全体からすると本人からというのは少なかったりするんです。多いのは相談支援の方、それからヘルパーさん、それから施設の職員。そういったところから、疑いでまず電話が入ってくるというのが実態です。あざがあるとかこんなことを言ったとかいうことで入ってきて、そこから事情を聞き出してやるという形になります。  確かに、ご本人はなかなか言えない。そこを確認しても、実際の場面になると、言わないでください、行政にも言わないでくださいとかいう形になるので、それじゃいけないということでの対応を考えていくということになります。以上です。 【委員】ご本人が訴えた時に証明するのはすごく難しくて、1人いらっしゃったんですけど、すごく職員の人から暴言を吐かれているんだけれども、それはほかの人には分からなくて、本人だけが言われているって言っても、「いや、言ってない」というふうになってしまったりとかするんですけど、そういう時ってどういうふうに対応されているんでしょうか。 【事務局】実際は難しいので、周りの事情が分かる人とか普段見てある方とかいろんな方から聞き取りをして、そういう類似の事例がないか、何か気付いたことはないかということを調べていきます。  やっぱり調べていくと、違うというような場合もあるんですね。そこの見極めは非常に難しくて、実際に白黒付けられない。これは虐待じゃない、虐待だと認定するというだけじゃなくて、虐待と認定できないということで継続的というか、その辺は相談支援の方とかヘルパーさんに見守っていただきながらという形になるケースがかなりあります。 【委員】そうなんですね。その方もすごく訴えられていて、ある時お母さんがそこの場所を通ったら、バケツを持って立たされていたとかいうことがあって、それで本当だったんだというふうに証明ができたんですけど、なかなか知的障がいのある人が具体的に、あの時にこんなふうに言われたということが言えないので、難しい問題なんだなと思います。だからよく見てもらえたらなと思います。 【会長】この話になると、ものすごくこうやって熱くなってきますので、重要な問題ですよ。意志表示が難しい人たちの権利擁護、ここを福岡市はしっかり捉えるよというところから施策を考えていこうというのを、しっかり考えていってもらえるとありがたいなと思います。今日の事例全部そうですね。そこが根源じゃないでしょうか。  その人たちの声を、本心を聞けるかどうか。そして聞く耳をわれわれが持っているかどうかということが試されているような感じがしますので、それが施策にどう表れていくかということにつながると思います。  今日の話はちょっと時間が長くなって、申し訳ありませんでした。最後に事務局から報告をお願いいたします。 【事務局】最後に事務局のほうから連絡いたします。次回の協議会は来年の3月の下旬を開催予定にしておりますので、今日お手元のほうに日程調整票をお配りしております。お忙しいとは思いますけれど、年明けの1月15日水曜までに、事務局のほうまでご提出のほうをお願いしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。以上です。 【会長】今日の会議は全て終了したいと思います。事務局どうぞ。 【事務局】野口会長、ありがとうございました。また、委員の皆さまには活発なご議論、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。  次回の協議会は、先ほどご説明いたしましたとおり、来年3月下旬に開催したいと考えております。年度末のお忙しい時期で恐れ入りますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。  以上をもちまして、令和元年度第2回福岡市障がい者等地域生活支援協議会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。