福岡市保健福祉総合計画(障がい者分野)の進捗状況について(抜粋) 【基本目標1】地域で安心して生活するための支援の充実 障がいのある人もその家族も、地域で安心して生活し続けることができる支援の充実を図ります。 1 施策の方向性 ・地域での生活を支援するため、在宅サービス、グループホーム、外出・移動などの支援の充実  を図るとともに、身近な場所で相談支援を受けることのできる体制を強化します。 ・重度の障がいがある人に対する障がい福祉サービスの充実を図り、社会参加の支援や生活の質  の向上をめざします。 ・地域で安心した生活を継続できるよう、相談、体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対  応、地域での支援体制づくりなど、総合的な支援を検討します。 ・施策の推進にあたっては、社会情勢やニーズの変化に合わせた施策への再構築を図ります。 2 進捗状況・課題・今後の方向性 (1)相談支援体制(施策1-1) (進捗)  市内14カ所に24時間対応の相談体制として区障がい者基幹相談支援センターを設置し、障がい者本人やその家族からの、自立や社会参加などの在宅生活全般に関わる相談に応じ、サービスの調整を支援するほか、特定相談支援事業所従事者の人材育成に係る研修を実施。  また、区障がい者基幹相談支援センターがアウトリーチや地域団体などと連携して障がい者を地域で見守るパーソナルネットワークの形成など地域福祉の基盤づくりを推進。  触法障がい者への支援として、福岡市障がい者等地域生活支援協議会に専門部会として触法障がい者部会を設置し、司法関係者等と連携した取組みを進めるとともに、障がい福祉サービス事業所などを対象とした講演会を開催し、触法障がい者に関する理解の促進に取り組んでいる。 (課題と今後の方向性)  区障がい者基幹相談支援センターでは、すべての障がいに対応するため、コーディネーター が幅広い専門的な知識や支援スキルを身に着ける必要があり、同センターの人材育成の指針等 を作成し、研修の充実を図る。  また、区障がい者基幹相談支援センターが中心となり、地域福祉の基盤づくりを引き続き推進していく。 (2)重度障がい者に対する支援(施策1-2、1-4) (進捗)  重度訪問介護や、生活介護、医療型短期入所、重度障がい者等包括支援など、利用者の増加に対応しサービスを実施した。平成29年7月から意思疎通が困難な重度障がい者に対する入院時コミュニケーション支援事業を単身者以外の利用も可能となるよう拡充したことで利用者も増加している。  強度行動障がい者の支援について、平成27年度以降14人が集中支援事業を利用し、問題行動が軽減され、生活介護サービスやグループホーム利用へ移行している。 (課題と今後の方向性)  医療的ケアに対応できる短期入所事業所は依然として少なく、平成30年度の法改正に伴い、 報酬体系や加算の新設・改定が行われており、引き続き、その周知を図り、医療的ケア児・者の受け入れ促進に努めていく。  強度行動障がい者への支援については、新たな拠点施設(移行型グループホーム)を活用し、民間障がい福祉事業者や地域への移行を促進する。 (3)障がい者の地域生活支援機能強化(施策1-4) (進捗)  平成29年度から、障がい者の緊急時の受け入れ・対応拠点を、医療的ケア、強度行動障がい、虐待その他の類型別に計3か所を整備した。 (課題と今後の方向性)  緊急時受け入れ・対応を円滑に進めるため、区障がい者基幹相談支援センターとの連携体制の強化を図るとともに、受け入れ事業所の拡充を検討する。 (4)地域生活への移行の推進(施策1-2、1-7、1-14) (進捗)  障がい者の地域生活への移行にあたって、生活の場となるグループホームの設置促進を図るため、民間賃貸物件の情報提供や、設置費の補助を実施。 ・「グループホーム開設応援サイト」を市ホームページ上に設置 ・不動産協力店登録制度の運用 ・グループホーム設置促進事業の補助上限額の増額  グループホームの開設にあたり必要となる共用備品、敷金、事業開始前家賃及び改修費などを補助 (課題と今後の方向性)  事業報酬体系や人材の不足等により、重度障がい者向けのグループホームの設置が進んでい ない現状があり、障がい者の地域生活への移行を推進するため、地域生活移行専門部会を設置したところであり、現状を調査した上で新たな手法について検討していく。 【基本目標5】差別解消のための施策の推進 障害者差別解消法の趣旨を踏まえながら、差別解消の推進に取り組みます。 1 施策の方向性 障がいの有無によって、分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、平成25年(2013年)に制定された障害者差別解消法などに基づき、障がいを理由とする差別の解消の推進に取り組みます。 2 進捗状況・課題・今後の方向性 (1)差別解消のための施策の推進(施策5-1) (進捗)  平成30年6月に福岡市障がい者差別解消条例を制定し、平成31年1月から施行している。 同条例制定後は、市政だより、ホームページ、パンフレット・ポスター・チラシ、出前講座などを通じた、条例の周知活動を行っている。  障がいを理由とする差別に関する相談窓口については、障がい者110番に加え、市内14ヵ所の区障がい者基幹相談支援センターにも窓口を設置した。 同条例に基づく附属機関として、福岡市障がい者差別解消推進会議及び福岡市障がい者差別解消審査会を設置し、会議を開催している。 (課題と今後の方向性)   障がい、障がい者及び障がいを理由とする差別の解消に対する理解を深めてもらうため、障 害者差別解消法や福岡市障がい者差別解消条例について広く市民や事業者に対し周知していく必要があり、福岡市障がい者差別解消推進会議などを通じて、障がいのある人をはじめとする関係者の意見を聞きながら、相談対応や紛争の解決などに取り組むとともに、効果的な啓発活動について検討していく。