資料 6 地域課題の事例報告 18−1 概要 「退院支援に当たっての医療ソーシャルワーカー(MSW)との連携」 医療機関に入院している間に福祉サービスの利用申請を行えば再入院を防ぐことができたと思われた事例。同様の事例が数件あり.、医療ソーシャルワーカー向けの啓発活動を行うことが必要。 情報共有 ・MSWが気が付いて対応が始まったところ ・MSWの集まりや社会福祉士の研修会などで事例を取り扱ってもらう ・勉強会を共催で実施する ネットワーク ・医療従事者への周知活動 ・介護保険での連携にヒントを得る ・医師会での関係機関の相談窓口あり ・医療機関への周知を行政担当部署等通して行政から実施(福祉サービス利用にあたっての条件、必要な機関等)→区基幹で小回り ・いきいきセンターやケアマネとのネットワーク 人材育成 ・区基幹職員も病院の持っている機能の違いの勉強が必要 まとめ ・報告後の成果 (1)通信を通しての情報発信を行った。 (2)医療ソーシャルワーカーとの連携について、相談支援部会においても課題共有ができた。 ・残った課題 医療ソーシャルワーカー向けの啓発活動の具体的計画。 18-2 概要 「行動障がいのある方々のか〜む利用後の出先確保、支援員等のスキルアップ」 生活介護に通所している。いろいろな問題行動があり様々な対処を実施しているが自宅での日常生活が困難な状況。 ネットワーク ・施設支援課が関わっている「強度行動障がい者支援調査研究会」に関する研究など行政間での課題を共有する必要有 ・親の会の組織化、当事者の連携も必要 人材育成 ・行動障がいの特性を理解し、それに合わせた対応ができる職員の育成 社会資源の改善開発 ・新しい施設ができない原因はなにか、福岡市としてどう取り組むか検討必要。 ・か〜むの環境 人員配置(グループホームや入所施設より手厚い)何らかの加算要。外部からの支援者受入等。  環境面(個別化したもの)例)マット(費用補助等)受入の検討も必要。 ・ハード面への調整が必要。 行動障がい者に特化したグループホームの立ち上げ(人員・環境)への加算等の検討 ・モデル施設、国立のぞみの園で研究などしているが移行支援の難しさは全国的な課題。 ・市長会などを通し、厚労省へ上げるのはどうか まとめ 「福岡市強度行動障がい者支援事業」を利用するも、対応できる支援者の確保や定着が進んでいない。 また、「障がい者行動支援センター」への登録・利用待機は行えたが、利用ができにくい状態が続いている。たとえ利用できたとしても、有期限での利用のため、「両親と距離を置いた生活環境(=市内での出先の施設)が見つかるかは不明。そもそも、現段階で支援対応可能な施設があれば、「障がい者行動支援センター」の利用を経ずとも良い。 18-3 概要 「ニーズに合う放課後等デイサービス(放デイ)の利用」 知的遅れのない発達障がい児。学齢・特性に応じた専門性のある事業所が地域にない。 情報共有 ・中央区に不登校児の無料塾あり ・放デイで学齢で分けて活動している事業所を探す。普段ゲームにはまっているので運動系活動の事業所の利用検討 ・ゲームを通し人とのコミュニケーション方法を学ぶ、終了の仕方の工夫等を検討 ・放デイではない図書館等へ移動支援で行く、本人が好きなことに目を向ける ・外出時の目的をはっきり伝えると本人にわかりやすいのではないか ネットワーク ・ゆうゆうセンターのコンサル事業利用 ・博多区で放デイ事業所ネットワーク会議実施。高校生向けで博多区千代にある放デイでは不登校児に対応。他にも不登校児受入放デイ有 ・放デイ事業所に知的遅れのない発達障がい、不登校児の対応等ニーズがあることを発信し、特色を生かした事業展開の提案をする ・放デイのホームページに事業所の特徴をアピールして掲載してもらう まとめ ・放課後等デイサービス事業所は増えているが、知的障がいを伴わない発達障がい児、高学齢の児童向けに合った事業所が少ない。 激増する放課後等デイサービスにも、発達障がい児のニーズ、不登校児のニーズを発信し、専門性のある事業所展開などを提案する。 ・不登校児の支援において、インォーマルな社会資源の情報も共有し活用を検討する。 不登校や進路選択に悩む障がい児・家族への支援において、学校を主軸にした関係機関との連携が課題。 18-4 概要 「触法障がい者、反社会的行動を示す障がい者に対応できる社会資源」 広汎性発達障がい者。福岡市内へ単身での転入の際、県外在住の家族から相談依頼を受け対応。 情報共有 ・寂しさは人とのつながりを求めているサイン。居場所づくり、信頼できる人との関係性を作る。自己肯定感を感じられる日中活動への参加。楽しく、明るい、キラキラなどプラス思考の取り組み SSTできる事業所で人とのコミュニケーションや社会性を学ぶ機会を作る ・地活T型のはしご ・定員に空きがある就労系事業所で、発達障がいに理解があり、マンツーマン対応に近い関わりができるところを探す ・自立訓練の活用を検討してはどうか ・パソコンの画面だけのやり取りという形の就労もある ネットワーク ・ゆうゆうセンターのコンサルを受ける。 ・ゆうゆうセンターと就労支援センターが一体化した時に、この様な事例に対し仕事や職場体験で正の評価を受ける機会を作る。 人材育成 就労系の事業所で知的遅れのない発達障がい者に理解ある職員や人材の育成に取り組む。 社会資源の改善開発 地域生活移行個別支援特別加算を拘留犯罪対象者だけではなくこの様なケースにも利用できるよう検討できないか。 まとめ 本人の求めるニーズに寄り添った居場所や、思いを受け止めてくれるような安心できる人材の育成など、「就労の前段階」の取り組みを行っていく必要がある。 そのために、矯正・更生機関などの協力も得ながら、地域の支援者向けの触法障がい者支援研修や触法障がい者対応事業所登録など検討し支援体制を構築する。 18-5 概要 「現行制度で移動支援対象とならない下肢障がい者の外出支援」 両下肢障がいで車いす使用。 移動支援対象外のため外出にはボランティアを月1回利用しているが、それでは遠距離の外出できず、排尿パック処理や対人トラブルへの対応が困難である。 情報共有 ・移動支援の利用者で本人の現状にあっていない場合もある ・上肢の筋力低下が生じているが、身障手帳には該当しない場合もある ネットワーク ・他事例では、ヘルパーを使いたいが使えず、相談支援事業所が対応した。ヘルパー事業所が制度から外れた部分で好意で支援を実施 人材育成 ・本人が入居している施設の協力を得られないか 社会資源の改善開発 ・上肢障がいが基準に該当しなくても屋外自走が困難で、環境上一人で外出困難なケースは、認定調査の再調査等で判断してもらい個別に特例で移動支援の支給を認められないか。 ・難病患者の場合には適用する等、要件の緩和を検討できないか。 ・相談支援専門員が行政へ相談した際に、協議できる場を設けられると良いのではないか。 まとめ ・ボランティアの利用も近隣スーパーのみ、道路の問題もあり2名確保ができないと利用できない等があり、本人が望んでいる文化活動参加や日常的な買物のための外出ができない状況が続いている。 ・障がいが基準に該当しなくても、本来の移動支援の目的に沿って、外出の困難性を考慮し、適用できるよう、特例の基準や判断材料(認定調査)について検討が進むことが期待される。 18-6 概要 「日常生活に介護が必要な身体障がい学生の修学支援」 重度身体障がいのある大学生で、生活動作全般で介助が必要。家族が毎日大学へ赴き、排泄・食事介助等しているが、他の支援者から介助を受けられないかの相談あり。学内ボランティア組織等構築しづらい。食事介助は友人に依頼できるが、排泄介助は本人は抵抗感あり。 情報共有 ・理解がある大学は、入学前に面談を実施し、どのような支援が必要か情報を共有し、大学内での支援を実施している 人材育成 ・大学内の学生ボランティアサークルの立ち上げやボランティアを募る。ホームページやLINE活用など。学校を越えたつながりを作る。他校ボランティアサークルから話を聞いてみる等 【参考:他事例での取り組み】・学校の職員へ介助の方法を伝達する。介助や支援の役割を担う職員配置等検討してもらう。 社会資源の改善開発 ・学校内で介護受けられるよう支給決定を認めてもらうと良い→「重度訪問介護利用者の大学修学支援事業」があるが、30分だけの介助でよいケースであり、重度訪問介護だけでなく身体介護利用者にも適用されると良い。 ・移動支援で、通院上乗せのように通学証明で学内で介護を受けられるようにしてはどうか。 ・修学機会を奪っているのが大問題。国全体の問題ではないか。介護給付のみで実施することか。 ・就労も視野にし検討必要。身体障がいで働く場が制限され、本人の力生かせず、生産性の機会を奪っていないか。 ・理系大学の強みで、福祉用具開発等を行う。 まとめ ・次年度より実施が検討されている重度訪問介護利用者の大学修学支援事業を本人が通学する大学で受ける事が出来る様、大学に情報提供、働き掛けを行う。 ・学内で友人・大学職員からの排泄介助等の支援を受ける事について抵抗感がある本人、家族に対して今後の事を見据え前向きに検討する事が出来る様働きかける。 ・上記事業が実施される事で学内での課題は解決されるが、卒業後社会人になった際には課題が再燃となる。 18-7,18-8 概要 「成年後見開始までの支援」 ・重度知的障がい者。親族の申立で成年後見利用予定であったが、親族の手続きが滞り利用できない状態が続いている。本人が契約行為難しく、日常生活自立支援事業を利用できない。 ・精神障がい者。衝動的な購入等でお金のやりくりができず。手持ちがなくなると家族に小遣いをもらっていたが、徐々に家族も金銭管理できなくなり、本人やGHでも管理が難しい。 情報共有 ・類似事例は各センター経験あり、基幹でやむを得ず金銭管理を実施 ・期間限定や複数人での管理体制等工夫して実施 ・大きなお金と日常的生活費の二種の管理方法の検討必要 ・本人のわからない場所に隠したり、本人に開けられない金庫に入れる等の工夫 ・日常的なお金はプリペイドカードにするのはどうか ・生活保護受給者は、保護課との連携で助言がもらえるのではないか  ネットワーク ・サービス提供者と協力し自宅管理。 ・訪看やヘルパー等日常の金銭管理の手伝い実施。 ・通帳管理等は後見人に依頼する。 ・有料の民間サービスあり。 ・本人申立で手続きしてはどうか。 ・契約能力がある場合は、受任決定まで、契約をして弁護士・司法書士が金銭管理を実施。 ・候補者がいれば、決まるまで後見候補者と契約し預かりを依頼する。 まとめ ・本人が金銭管理を身に付けていくような取り組みをセンターで行えるのではないか