資料2 1ページ 委員意見 1 第6条への新規追加について 委員名:友廣委員(令和4年度第7回推進会議終了後) 改正案 ※第6条第9号に以下を新規追加。現行第6条を第10号とする。 (9) インクルーシブ教育及び共生社会実現のために、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り共に教育、保育及び療育を受けられること、及び多様な学びの場の選択も含め条件整備に努めるものとする。 理由 「障害者権利委員会からの日本政府へ勧告(2022年9月)」において、分離された特別な教育をやめる目的で〜障害のある子どもがインクルーシブ教育を受ける権利を認識すること。 「文部科学省の新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議報告(2020年1月)」で、インクルーシブ教育において、障がいのある子どもと障がいのない子どもが可能な限り同じ場で共に学ぶことを追求することが明記されている。 条例をつくる会、差別をなくす会が把握した教育、保育、療育の領域において多くの差別事例が寄せられている。 2ページ 2 第3章に「何人も障がいを理由とする差別を行ってはならない」規定を追加することについて 委員名:國府委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 7条 何人も、障害を理由とする不当な差別的取扱いにより障害者の権利利益を侵害してはならない。 2 (現行第7条1項)・・・ ※8条2項に市民を対象とした合理的配慮提供の努力義務規定を追加する点については8条で記載する。 ※14条の相談は市民からの差別事案であってもできるようにしなければならないが、指導、助言、勧告、公表までは市民からの差別事案にはなじまないのではないかと思われるため、15条以下が適用されないように、前回会議に向けた15条にかかる友廣委員の意見に記載のような改正が必要であると考える。 理由 行政、事業者以外の市民も不当な差別的取扱いはしてはならないことを追加すべき。 8条 略 2 何人も、障害者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、又は意思の表明がない場合であっても、その障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をするよう努めなければならない。 3 略 理由 ・7条1項に不当な差別的取扱いについて市民を対象とした文言を追加したこととの関係で、合理的配慮の不提供についても、「障害を理由とする差別」であることから新設すべきであると考えるが、市民に対してはいきなり法的義務を課すのではなく、努力義務とした上で、個別の事案の相談活動における啓発がすすむことも期待する。 3ページ 委員名:友廣委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 (障がい者に対する差別の禁止) 第7条 何人も障がいを理由とする差別をしてはならない。 (不当な差別的取扱いの禁止) 第8条(現行7条) 1 変更なし 2 市民はその日常生活において障がい者に対する不当な差別的取扱いにより、障がい者の権利利益を侵害してはならない。 (合理的配慮の提供) 第9条(現行8条) 1 略 2 市民は、その日常生活において、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮の提供に努めなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 障がい者110番、条例を作る会、差別をなくす会の事例においても、地域住民や公共交通機関利用者、親族など市民間の差別事例が多くある。基本理念の第6条2項に基づき、市民について、不当な差別的取り扱いはしてはならないことを明記し、合理的配慮については、し、事業者については義務、市民については努力義務とし、できる合理的配慮は自然に行うという市民も含む社会的慣行の醸成に寄与する条例となるよう期待する。 改正案 (市長への申出) 第16条(現行15条) 個別相談をした障害者及びその家族その他の関係者は,前条第2項の対応により解決が図られない事案について,市長に対し,必要な措置を講じ,又は指導若しくは助言をするよう申出をすることができる。ただし,当該申出は私人間の事案及び、当該申出をすることが当該障害者の意思に反することが明らかであるときは,当該障害者の家族その他の関係者は,当該申出をすることができない。 理由 現行第15条については、市民については、勧告、公表につながりうる指導、助言の対象としない。 4ページ 向井委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 第2章 基本理念 第6条 (1) すべての障がい者が、障がい者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること、及びその権利の実現のため障がい者は差別を受けることがあってはならない。 理由 論点で指摘された「重複」を避け、「障がい者」を主語として条例の目的を明確化するため。 改正案 第3章 障がいを理由とする差別の禁止 (障がい者に対する差別の禁止) 第7条 何人も障がいを理由とする差別をしてはならない。 理由 論点で「より具体的に規定する必要がある」との指摘があり、当規定を置くことにより、明確に具体化する。 改正案 (不当な差別的取扱いの禁止) 第8条  1 変更なし 2 市民はその日常生活において障がい者に対する不当な差別的取扱いにより、障がい者の権利利益を侵害してはならない。 (合理的配慮の提供) 第9条 略 2 市民は、その日常生活において、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮の提供に努めなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 理念では市、事業者、市民について規定があるが、実体化・ルール化する第3章では市民については規定がないため。市民についてルールを明確にし、併せて啓発の強化に資するため。 5ページ 改正案 第2章 基本理念 第6条 (1) すべての障がい者が、障がい者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること、及びその権利の実現のため障がい者は差別を受けることがあってはならない。 理由 論点で指摘された「重複」を避け、「障がい者」を主語として条例の目的を明確化するため。 第3章 障がいを理由とする差別の禁止 (障がい者に対する差別の禁止) 第7条 何人も障がいを理由とする差別をしてはならない。 (不当な差別的取扱いの禁止) 第8条  1 変更なし 2 市民はその日常生活において障がい者に対する不当な差別的取扱いにより、障がい者の権利利益を侵害してはならない。 (合理的配慮の提供) 第9条 略 2 市民は、その日常生活において、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮の提供に努めなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 論点で「より具体的に規定する必要がある」との指摘があり、当規定を置くことにより、明確に具体化する。 理念では市、事業者、市民について規定があるが、実体化・ルール化する第3章では市民については規定がないため。市民についてルールを明確にし、併せて啓発の強化に資するため。 6ページ 改正案 第4章 障がいを理由とする差別を解消するための施策等 第1節 基本的な施策 (市長への申出) 第15条 個別相談をした障がい者及びその家族その他の関係者は、前条第2項の対応により解決が図られない事案について、市長に対し、必要な措置を講じ、又は指導もしくは助言をするよう申出をすることができる。ただし、当該申出は私人間の事案及び、当該申出をすることが当該障がい者の意思に反することが明らかであるときは、当該障がい者の家族その他の関係者は、当該申出をすることができない。 理由 私人間については、罰則的規定を適用しないとの考えに基づき、第16条の指導又は助言以降の指導、助言、勧告、公表等の手続きを適用しないため。 6ページ 3 意思表示が明確でない障がい者への合理的配慮の提供について 國府委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 8条 市及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者その家族その他関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、又は意思の表明がない場合であっても、その障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をしなければならない。 2 何人も、障害者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合、又は意思の表明がない場合であっても、その障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をするよう努めなければならない。 3 合理的配慮を提供するに当たっては、情報保障を行い、当該障害者の意向を十分に尊重した上で建設的対話を行わなければならない。 理由 ・意思の表明がない場合の合理的配慮提供義務・努力義務と、合理的配慮の提供にあたって留意すべき点についての条文を分けて整理した。 ・本人の意向の尊重、情報保障、建設的対話は合理的配慮には不可欠な要素であることから(nothing about us without usの観点、合理的配慮は健常者からなされる「お情け」ではなく、その不提供は差別であり、きちんと建設的対話を行って差別状態を解消すべきであるから。)、「建設的対話を働きかけるように努めなければならない」というあいまいな規定ではなく、はっきりと行わなければならないこととして規定する。 7ページ 友廣委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 (合理的配慮の提供) 第9条(現行8条) 1 市及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をしなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供を行わなければならない。 2 市民は、その日常生活において、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮の提供に努めなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 合理的配慮の意思の表明について、家族や支援者等の介助者不在時に、心身の機能やその時の状況や環境下で、自らの意思の表明がしたくてもできない人がいる。周囲が明らかにその状況を認識できる場合には、合理的配慮の提供がなされるべきである。ただ、関わる人がその認識ができるかどうかは、障がい理解や置かれた状況によって一概には決められず建設的対話と事例、意思決定支援の理解などを積み上げ、啓発や働きかけが行われるべきである。 8ページ 向井委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 (合理的配慮の提供) 第9条 市及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をしなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供を行わなければならない。 2 市民は、その日常生活において、障がい者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思表示があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障がい者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮の提供に努めなければならない。なお、障がいのある人が社会的障壁の除去を必要としている場合であって、意思の表明がない場合においても、そのことを認識し得る場合においては、建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 @法改正に伴う改正および意思表示が明確でない障がい者の合理的配慮の提供について定める必要があるため。 A理念は市、事業者、市民について規定があるが、実体化・ルール化する第3章では市民については規定がないため。市民についてルールを明確にし、併せて啓発の強化に資するため。 9ページ 吉住委員(令和4年度第8回推進会議終了後) 改正案 第2条 この条例において使用する用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1)〜(8) 略 (9) 建設的対話 障害者にとっての社会的障壁を除去するための実現可能な対応策を障害者及び市又は事業者がお互いの状況の理解に努めるために対話し、対応策を柔軟に検討すること 理由 2条9号は、事務局の調整案を採用しました。 改正案 第8条 市及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者及びその家族その他の関係者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、合理的配慮をしなければならない。ただし、建設的な対話を通して、その実施に伴う負担が過重であることが明らかになった場合はその限りではない。 2 市及び事業者は、その事務又は事業を行うに当たり、社会的障壁の除去について、障害者の意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を必要としていることが明白である場合には、当該障害者に対して建設的対話を働きかけ、合理的配慮の提供に努めなければならない。 理由 8条1項は、「建設的対話」の重要性から、第8回推進会議での馬男木委員の案を参考にし、採用しました。ただし、「意思の表明」は近代法の原則であるため、「意思の表明」は要件としました。 8条2項は、第8回の意見では、「意思表明」が無い場合に、まずは合理的配慮の提供に向けた「建設的対話」をはたらきかける努力で充分と考えていました。ただ、各委員の意見の中で、あくまでも「合理的配慮の提供」の実施が目的であることが必要との意見が多くありましたので、認識の「明白性」と「努力義務」ということから、このような下記ぶりにしても市や事業者に過度な負担にならないと考えました。