資料2 条例施行後の課題について 1 広報・啓発について 以下を踏まえ、広報・啓発に取り組む必要がある。 (1) 特定の障がい種別や差別分野における相談を踏まえた広報・啓発について @特定の障がい種別における相談について ・不当な差別的取扱いにおける「聴覚・言語」、合理的配慮の不提供における「視覚」「聴覚・言語」「難病」など、障がい種別によって相談件数の構成割合が高い。 A特定の分野における相談について ・不当な差別的取扱いにおける「商品・不動産」、合理的配慮の不提供における「情報の提供及び意思表示の受領」など、差別分野によって相談件数の構成割合が高い。 (2) ガイドラインの周知や合理的配慮の提供等に関する広報・啓発について ・相談事例から、各管轄の省庁のガイドラインの内容を踏まえた合理的配慮の提供について周知・理解が必要な事例や、事業所内の職員に周知が必要な事例が見受けられ、ガイドラインの周知や事業所内の取組みの周知を行う必要がある。 ・事業者から合理的配慮の提供方法について相談窓口に問合せがあること、合理的配慮の不提供の事例において、相談対応の結果「当事者間で解決に向けて取組み」が増加傾向にあることから、合理的配慮の提供の手順に関し、啓発等を行う必要がある。 ・建設的な対話ができておらず合理的配慮の提供不足となっている事例が見受けられ、障がいの理解促進や建設的な対話に関する啓発・周知を行う必要がある。 ・令和2年度に実施した市政に関する意識調査では、合理的配慮の不提供などの条例の考え方に関する認知度が低く、周知に取り組む必要がある。 【参考】市政に関する意識調査(抜粋) ・「障がい者差別解消条例」を知っていますか。 全体(N=2,410) 条例も内容も知っている 5.1% 条例は知っているが内容は知らない 21.0% 条例も内容も知らない 72.0% 無回答 2.0% 合計(※) 100.1% ・「合理的配慮の提供」という言葉や、考え方を知っていますか? 全体(N=2,410) 言葉も、考え方も知っている 8.6% 言葉は知っているが、考え方は知らない 8.5% 言葉は知らないが、考え方は知っている 18.0% 言葉も、考え方も知らない 62.0% 無回答 3.0% 合計(※) 100.1% ※回答は、回答者数を基数とした百分率(%)で表し、小数点以下第2位を四捨五入している。このため、百分率の合計は100%にならない。 ※調査地域:福岡市全域 ※調査対象者:福岡市内に居住する18歳以上の男女 2 相談について 政令指定都市の相談体制については、ワンストップ相談窓口(※)を設置している政令指定都市は20政令指定市中8市となっている(参考1)。また、8市中、相談受付から事案の終結までの一貫した対応・調整を行う政令指定都市は5市となっている(参考2)。また、都道府県においても、ワンストップ相談窓口の設置等を行っていない場合や、ワンストップ相談窓口を設置している場合でも、相談受付から事案の終結までの一貫した対応・調整を行っていない場合がある。 福岡市においては、障がい者110番において、障がい者差別に関する相談をワンストップ相談窓口としており、かつ、相談受付から最終的な解決まで一貫した対応を行っている。 また、相談対応の結果については、いずれも未解決で市申出となった事案はなく、不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供における相談についても、個々の相談の状況に応じた解決が図られている。 ※「ワンストップ相談窓口」は、原則として、障害者差別に関する相談について、分野を問わず一元的に受け付ける相談窓口を指す。相談受付から最終的な解決まで一貫して対応する窓口だけでなく、相談受付後に内容に応じた関係機関につなぐ窓口も含む。 【参考1】相談対応を行う体制(内閣府調査より抜粋) ワンストップ相談窓口を設置又は指定 都道府県 数 35 割合 75% ワンストップ相談窓口を設置又は指定 政令指定都市 数 8 割合 40% 障がい者差別に関する相談員を配置 都道府県 数 35 割合 75% 障がい者差別に関する相談員を配置 政令指定都市 数 11 割合 55% 統一的な解釈・判断を行う部局等を指定 都道府県 数 14 割合 14% 統一的な解釈・判断を行う部局等を指定 政令指定都市 数 11 割合 55% 上記以外 都道府県 数 2 割合 4% 上記以外 政令指定都市 数 3 割合 15% 母数 都道府県 数 47 割合 100% 母数 政令指定都市 数 20 割合 100% 【参考2】ワンストップ相談窓口の主な枠割(内閣府調査より抜粋) 関係機関への対応引継ぎまでの一次的な調整 都道府県 数 13 割合 37% 関係機関への対応引継ぎまでの一次的な調整 政令指定都市 数 2 割合 25% 相談受付から事案の終結までの一貫した対応・調整 都道府県 数 20 割合 57% 相談受付から事案の終結までの一貫した対応・調整 政令指定都市 数 5 割合 63% その他 都道府県 数 14 割合 14% その他 政令指定都市 数 1 割合 13% 計 都道府県 数 35 割合 100% 計 政令指定都市 数 8 割合 100% ※「その他」に関しては「相談内容に応じて」等の回答があった。