令和元年度第1回福岡市障害者差別解消推進会議 ○事務局 皆さま,こんにちは。定刻になりましたので,ただいまから令和元年度第1回福岡市障害者差別解消推進会議を開催いたします。  私は本会議の事務局を担当いたします福岡市保健福祉局障害者支援課の正田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は,遅れていらっしゃっている委員の方もおられるようでございますけれども,委員総数23名のところ19名の方がご出席される予定となっております。また,本会議は原則公開となっておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。  次に,資料の確認をさせていただきます。本日配布している資料でございます。机の上に置かせていただいておりますが,会議次第,座席表,委員名簿でございます。また,事前にお送りいたしました資料は,資料1「令和元年度第1回福岡市障害者差別解消推進会議相談部会報告書」,資料2「福岡市障害者差別解消条例に関する研修・啓発等の実績」,そして参考資料「市政だより(平成30年12月1日号)抜粋」でございます。お手元に足りない資料はございませんでしょうか。もし足りなければ,スタッフにお知らせください。  それでは,本日の会議次第についてご説明を申し上げます。お手元の会議次第をご覧ください。  2番の「委員紹介」に続きまして,3番の議事に入ります。議事は,相談部会長からの報告と福岡市の啓発状況についてでございます。  それでは,お手元にお配りいたしております委員名簿をご覧ください。前回ご欠席の委員と,新しく就任していただきました委員をご紹介いたします。  まず,委員名簿4番,榎下委員でございます。恐れ入りますが,ご起立いただける方はご起立お願いいたしたいと思います。続きまして,前回ご欠席の7番の國府委員でございます。名簿9番の下川委員でございます。名簿10番の図師委員でございます。名簿17番の桝田委員でございますが,本日はご欠席でございます。  それでは,これより先の会議進行につきましては,中原会長にお願いしたいと存じます。中原会長,どうぞよろしくお願いいたします。 ○会長 それでは議事に移りたいと思います。  まず,議事1「相談部会長からの報告について」ということでございます。相談部会の会長からご報告をよろしくお願いします。 ○相談部会長 資料1の「令和元年度第1回福岡市障害者差別解消推進会議相談部会報告書」に基づいて報告いたします。よろしくお願いいたします。  5月に開催されました相談部会の概要について,資料に基づき報告をいたします。第1回の相談部会は,5月31日にあいあいセンターで開催いたしました。出席いただいた委員の数は,定足数8名のところ14人の委員に出席をいただきました。  相談部会の会議につきましては,会議の内容として個人情報等を取り扱いますことから原則非公開としておりますが,資料1の報告書の番号で申しますと,1から3(1)までは公開として,3(2)以降は非公開としております。  まず「1 部会長,副部会長の互選」につきまして,部会長として私,向井が,副部会長として,推進会議の副会長であります河谷委員が選出されております。  次に2番,「福岡市障害者差別解消推進会議相談部会について」です。本推進会議および相談部会の所掌事務について,事務局からご説明がありました。  次に「3 相談案件の報告・検討」についてですが,(1)相談件数として,2018〜2019年度の新規相談件数の分野別と障害種別との関係,条例施行後の新規相談状況について事務局から報告がありました。なお,相談件数について5月の相談部会の時点では2018年度が28件,2019年度が6件で,2018年度の28件のうち,差別解消条例施行後の相談件数は18件となっておりました。  (2)「個別事例について」ですが,会議当日時点で未解決の事例を中心に事務局から3件の報告がございました。  なお,条例第21条第1項第3号,および推進会議運営要領第4条第1項第2号に基づく意見はなかったと書いておりますけれども,これは相談の当事者等から申出がなされ,差別を行ったとされる事業者に対し,福岡市が指導助言を行うべきか否かについて相談部会から意見を述べる場合の意見のことを指しておりますが,これに該当するものは今回はございませんでした。  最後に,「4 意見交換」です。事務局から「差別事案が発生した場合で事案に対する相談部会の意見が緊急に必要とされる場合の対応について」という事項と,2番目に「差別解消条例の啓発活動について」という2つのテーマが提出されました。  前者につきましては,想定される状況などを事務局において整理をいただいた上で,次回以降引き続き検討することとなりました。後者については,委員から以下のような意見が出されました。「交流や啓発に関する研修を民間企業に委託するなど,事業者や子どもたちに日常的に啓発していくための予算措置を市にお願いしたい」「条例が施行されたことを知らない事業者も多いため,さまざまな業界団体にまずは声掛けをしていくべきだ」「公民館を使った認知症カフェのような,当事者と事業者が本音で語り合って理解を深めていくような場を設けてはどうか」,このような意見が提出されました。  資料1につきまして報告は以上です。よろしくお願いいたします。 ○会長 ただいま令和元年度の第1回の福岡市障害者差別解消推進会議の相談部会の報告がございました。これにつきまして,ただいまの内容につきましてご質問あるいはご意見をお伺いしたいと思いますが,よろしくお願いします。 ○委員 福岡市障害者差別解消の会議についてですが,報告ありがとうございます。その報告の内容の中で,ちょっと確認したいことがあります。差別解消条例施行前後の報告がありましたが,その内訳,例えばその内容が司法関係であるとか,教育関係であるとか,そのような内訳分類というのを教えていただきたいと思います。  それと相談に出した,例えば視覚障害なのか,聴覚障害なのか,内部障害なのかという,そういう細かい内訳も分かれば教えていただきたいと思います。 ○会長 よろしいでしょうか。 ○事務局 まず,相談件数の分野ごとの件数の詳細についてですが,2018年度,28件の内訳としては,福祉の分野が6件,教育・療育および保育の分野が2件,雇用の分野が7件,建物・公共交通機関の分野が4件,情報の提供および意思表示の受領の分野が2件,商品・不動産の分野が4件,その他の分野が3件です。  2019年度の相談6件の内訳としましては,福祉の分野が2件,商品・不動産の分野が2件,その他の分野が2件となっております。  次に,障害の種別ごとの内訳ですが,2018年度28件のうち,身体が14件ありまして,その内訳としては肢体が8件,視覚が3件,聴覚・言語が2件,内部が1件です。また,知的障害が5件,精神障害が6件,発達障害が1件,難病が1件,その他1件で,計28件です。2019年度が,身体が1件,内訳は視覚が1件です。精神障害が3件,発達障害が1件,その他1件の計6件であります。以上です。 ○会長 よろしゅうございますか。 ○委員 ありがとうございました。 ○会長 ほかにございませんでしょうか。もしご質問,ご意見がございましたら,お名前をお願いしたいと思います。 ○委員 今の報告をもう少しお伺いしたいんですけれども,今の相談件数の中で少し特徴があったこととか,事案の中でもう少し具体的な差別案件の様相が見えないかなという話と,併せてその内容として,例えば昨年度の28件で未解決だったとか,そういう対処のやり方での解決済みと解決できなかったといった部分と,今回3件が未解決で上がってきたということで,もしその内容等どういった意味合いで未解決になっているのか,もう少し具体的に教えていただけたらと。 ○事務局 今のご質問の内容ですが,相談部会で扱った情報に関しては個人情報を多く取り扱うことから,会議を原則非公開としておりまして,この場でも詳しい内容についてはお答えができない分です。  それと,先ほど未解決3件という話でしたが,相談部会の開催時点においては未解決でしたが,その後全て解決に至っております。以上です。 ○会長 解決したというわけですね,3点は。非公開でということでございますけど,その点につきましていかがでしょうか。 ○委員 今の非公開という,もちろん原則非公開は分かりますし,個人情報の問題も分かるんですけど,個人情報ということで個人を特定していった情報がオープンになっているということは良くないのは分かるんですけど,もう一方では,そこまで特定化されなくても,実際どういう事案が生じてどういった背景で生まれているかという具体例が分かっていかないと,実際に差別の実像というのが浮かんできません。  今日,会議にあたって,私もよその県の取組みをちょっと調べてみると,やはり報告書ということでいくつか出されている他県の報告書の文書を見ますと,詳しくは出ていないんですけど,ある程度差別案件の事例を紹介しながら,その内容と性格と取組経過ということで非常に分かりやすく,そしてこれが今後の宿題なり,もしくはこういった事業所の取組みで改善できましたという教訓が,非常に分かりやすく明示されていました。  ですから,個人情報を保護していくという前提の下で,もう一方では差別は事実をとおして私たち自身がちゃんと知り合って,どうやったらこれをなくしていけるかとか,そういったことを深めていくためにはある程度よその県も少し参考にしていただきながら,この場でも最大限可能な範囲で共有化していくのは大事なことじゃないかなと思います。もう少しこの辺を検討していただけたらと思います。 ○会長 今のご意見についていかがでございましょうか。 ○事務局 今のご指摘,検討の材料にしたいというお考えはそのとおりだと思っておりますけれども,この場でどの程度のものをお出しできるかということは,公開でこの会議をやっているとの兼ね合いがございますので,出し方については事務局の責任のみで行ってよいのか,部会長,副部会長とご相談させていただいてというような課題があるのかというふうなことを考えております。  1つのやり方といたしましては,相談部会で配布した資料や議事録を,推進会議の委員の皆さまに配布するような形で事例を共有するということも考えられるのではないかということを考えております。以上でございます。 ○会長 今,福岡市のほうからこういう意見がございましたけど,委員,それについて何かございますか。 ○委員 ぜひ検討していただけたら。実際,よその県の事例がありますので,報告書がたくさん出ていますので,ぜひ参考にしていただけたらと思います。 ○会長 前回の時もこれに似た話が出てきて,この推進会議ではどのように,どこまでどうするかという意見も交わされたと思うんですが,それにも絡んでくると思います。推進会議のあり方,それも含めて何か福岡市のほうからご意見がございましたらどうぞよろしくお願いします。 ○事務局 この件に関しましては,相談部会での議論も必要かと思っております。次回,相談部会は9月24日に開く予定でございますので,個別事例について推進会議にどのような形で報告を行うかということについても,検討をそちらでもさせていただきたいと考えております。以上でございます。 ○会長 分かりました。相談部会の中でもこれについてまたご相談するということと,推進会議の中でももう1回会長,副会長も交えてどこまでそれを報告していくかというふうにおっしゃったと思うんですが,そういう答えですけどよろしゅうございますか。ご質問いただいた委員,よろしゅうございますか。  ありがとうございます。ほかに。 ○委員 ちょっと教えていただきたいのが,相談があった件数を教えていただいたんですけれども,解決の仕方として相談員さんのところで終わったというか,請求事例ばかりなのか,そのあと条例に基づいて何か処理がされたりとかしたのがあったのかということと,相談員さんが相談を受けている中での悩みだとか,そういうのがあればお聞かせいただきたいなと思うんですけれども。 ○事務局 障害者110番差別解消相談窓口の専任の相談員です。どうぞよろしくお願いいたします。  まず条例は,相談から専任相談員のお仕事になっておりますので,全てが一応,外部とかいろんなところと調整をしながらということになります。その中で,条例の中の1項にあります「個別の調整・あっせん」というのがございます。それは条例施行後だけになりますので,2019年1月から4月までを相談部会のほうで報告させていただきまして,それは合わせて5件になっております。  悩みは,実際差別を受けたという感情が先にありますので,まず感情を整理することから入っていきます。そこで終わる場合もありますし,終わらない場合は事業者のほうに実際,現地確認に行って行っております。あまりにもこちらが強気で差別という言葉を使うと,向こうは「差別していません」の一言で解決までいきませんので,解決というかこれから先の予防にもいきませんし,啓発にもいきませんので,悩んでいるというよりかは気を付けていることとしては,事業所側の状況をよく聞くようにして,話をすることによって向こうが聞く耳を持ってくれた段階で,条例について詳しく職員の方々にご周知をくださいというふうにお願いすることが多いです。  ほかは,やはりなかなかまだ差別条例が施行されたことの周知がありませんので,一番最初によく言われるのが「前例がない」とか「先例がない」ということを言われた時が,「条例が始まりましたので,これから例を作っていきましょう」ということをご理解いただくのが,私の言葉もまだ語彙不足もあるんですが,そこが悩みかなというふうに思っております。以上です。 ○会長 今のお答えでよろしゅうございますか。 ○委員 というのも,日弁連のほうで2017年の9月に,自治体で実際に相談を一時的に受けておられる相談員さんにぜひ見ていただきたいということで,差別解消法の関係の相談対応マニュアルというのを作っていて,作った後にどういうことを弁護士としてしていけるかみたいなことを考えているところなんです。基本的に,相談員さんの相談のところでかなり事例が解決していただいているというふうにも聞いているので,弁護士がやっている法的思考なんかをマニュアルに示していたりとかするところですので,どういうことができるかなと思って,聞いてみました。 ○会長 ありがとうございます。 ○事務局 先ほど件数のことを聞かれましたので,件数をお答えしたいと思います。相談件数に関しましては,2019年1月以降の件数でしか集計しておりませんので,その件数で回答させていただきます。  2019年の1月から3月,2018年度は18件ありまして,そのうちヒアリングだけで終わったのが3件,必要な情報の提供や説明,関係機関の紹介などで終わった案件が12件,個別の調整・あっせんを行った案件が3件,以上合計18件です。2019年に関しましては合計6件ありまして,ヒアリングのみが2件,情報の提供や説明,関係機関の紹介で終わった案件が2件,あっせんが2件という内訳になっております。以上です。 ○会長 ありがとうございました。実際,件数もだいぶ伸びてきているようですね,条例が施行されまして。  ほかにございませんでしょうか。 (発言者なし) ○会長 ないようでございましたら,次の議事(2)の「福岡市の啓発状況について」というところに移りたいと思います。これにつきまして,事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 議事の2番目の「福岡市の啓発状況について」説明をいたします。福岡市障害者支援課差別解消・交流係長をしています御手洗です。よろしくお願いいたします。  それでは資料2の,「福岡市障害者差別解消条例に関する研修・啓発等の実績」と記載されたものをご覧ください。  まず,「1 研修等」です。福岡市障害者差別解消条例が制定された平成30年6月以降に実施した研修等について,(1)から(4)まで,外部向けの出前講座,出前講座以外のもの,市職員向けの講義形式の研修,講義形式以外のものという分類をして,それぞれ記載しております。詳細な説明は割愛いたしますが,対象者や参加者数などは記載の通りでございます。適宜ご確認ください。  4ページをお願いいたします。「2 啓発」です。(1)から(9)まで,条例制定後に行った主な啓発活動を記載しております。  まず,(1)ですが,市政だよりの平成30年12月1日号において,条例の特集記事を掲載いたしました。こちらは参考資料としてお配りしておりますのでご確認ください。  次に(2)ですが,市のホームページにおいて条例の制定や施行のタイミングに合わせて,条例の内容を掲載し,啓発を行っております。  (3)ですが,条例周知用のパンフレット,ポスター,チラシを作成し,区役所,障害相談窓口,事業者など,各所に配布をしております。配布数は記載のとおりでございます。  (4)ですが,条例周知用のパンフレット,チラシの点字版,デイジー版,カセットテープ版を作成し,各所に配布をしております。配布数は記載のとおりでございます。  (5)ですが,条例の施行前後に,七隈線を除く地下鉄駅構内の掲示板や天神の地下通路におきましてポスターの掲示をいたしました。  (6)ですが,この推進会議の前身として設置しておりました障害者差別解消支援地域協議会において,各関係機関に対し条例の説明を行っております。  (7)ですが,公民館長,校区人権尊重推進協議会等を対象とした人権啓発地域推進組織全市交流会において,条例の概要資料の配布をしております。  (8)ですが,市内の約700の企業が参加した人権同和問題企業セミナーにおいて,条例の説明をしております。  (9)ですが,人権啓発ラジオ番組「こころのオルゴール」において,条例をテーマにした内容の放送がなされております。  次に「3 イベント」ですが,毎年,障害者週間に合わせて開催しております「障害者週間記念の集い」において,障害当事者によるトークリレーを実施し,条例施行に向けた当事者の思いを語っていただきました。  最後に「4 今後の予定」としましては,出前講座,福岡商工会議所のご協力をいただいて会報誌への掲載,今年度も開催予定の「障害者週間記念の集い」,市政だよりへの掲載等を予定しております。資料2の説明は以上でございます。 ○会長 ありがとうございました。ただいまの福岡市の啓発状況について説明がございました。内容につきまして何かご質問,ご意見がございましたら,どうぞよろしくお願いいたします。 ○委員 人権啓発センターでは,さまざまな人権問題の啓発に取り組んでおりますが,併せまして今年の1月に施行されました障害者差別解消条例についても,周知を図っているところでございます。今,事務局のほうから人権啓発センター関連についてもご紹介いただきましたが,それ以外にも昨年の12月に市内7区の各市民センターで開催しました「人権を尊重する市民の集い」,7区で市民の方2741人ご参加いただいております。7区全ての主催者のあいさつに条例施行を盛り込むとともに,広報チラシを参加者全員に配布しているところでございます。  また,私ども人権啓発センターの機関紙で「ココロンセンターだより」というのを年4回発行しております。今年の3月発行のココロンセンターだよりを4000部発行しておりますけれども,こちらにつきましても条例の紹介記事を掲載しまして,市の情報プラザ,市民センター,区役所,公民館などの市の施設はもちろんですけれども,関係行政機関,市内の公立・市立の小中高・特別支援学校や,企業などに配布しまして,周知に努めているところでございます。  今後とも福岡市の人権啓発センターで実施します各種研修,講演会,セミナーなどを通しまして,市民,企業に対しましてしっかり条例の周知を図っていきたいと考えております。補足です。 ○会長 ありがとうございました。先ほど12月に7区の人権の市民の集い,この時にチラシを配ったということでございます。私もこれに参加したことがございますので,知ってはおりますので,その時の区長のごあいさつの中にも,こうして条例ができましたということをしっかり再周知した内容のお話をされてありました。以上でございます。  どうぞ。 ○委員 話の内容としては,4番の今後の予定の部分になりますけれども,資料の5ページです。今後の予定のところで,福岡県のほうが今回,合理的配慮に特化したパンフレットを作って,県内で2000部作って配布をしている。配布の対象としては,事業者の方,各企業とか業者の方を対象に合理的配慮のマニアルを作って配布している。  条例といいますか,差別解消の一番大きな肝は合理的配慮の提供だと思うんです。新しい考え方として,実際,今から事例を積み上げたり,いろんな場面で課題が出てくるんじゃないかと思うんですけど,もちろん県が事業者の方を対象にという合理的配慮に特化したパンフレットを作っています。できれば福岡市のほうでも,今までのパンフレットとかポスターやチラシは,全体的に条例ができましたと,その内容として,障害を理由とする差別の禁止だとか合理的配慮の提供というものは必ず入っておりますが,できれば一番市民とか周りで起こりやすいというか,難しいですけれど,合理的配慮の提供に特化した何かそういうパンフレットとかチラシを作っていただけないかなと思っております。  県の場合は21ページぐらいで,県のほうに1部いただきたいというお願いをしたら,事業者でないので配布できないと言われて,そういうこともあるんですけれども,できれば福岡市のほうでも,事業者に限らず,あるいは最初は具体的に一番ケースとして起こりやすいのは事業者の場面だと思いますので,そういう意味からでも結構ですので,合理的配慮に特化したチラシとかパンフレットを作っていただければと思っています。以上です。 ○会長 ありがとうございます。県のほうは,チラシというよりもガイド本ですね。いろんなたくさんの事例が書き込んであるようなガイド本だと思います。福岡市のほうはいかがでしょうか,今のご質問の件について。 ○事務局 福岡市におきましては,今年の1月に条例を施行したばかりでございますので,まずは条例施行についての啓発を進めてまいりたいと思っております。来年度以降につきましては,具体的に今後の予算編成過程において,どうやっていくのか,どういう展開にしていくのかというのを検討していくことになってまいります。この場でいただきましたご意見も参考に,検討してまいりたいと思っております。以上でございます。 ○会長 ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。 ○委員 委員からのご意見,本当にそうだと思います。特に企業に対する啓発というのは,本当に難しいと思っています。今,福岡市からもお話がありましたが,公民館とかそういうさまざまなところに対して啓発活動をやっていくのは,とっても大切なことでありがたいと思います。特に企業について,まだまだ周知はされていなく,そのような実情があると思います。  例えば,私はいつも西鉄バスを使用しております。そのバスに乗った時に,運転手さんがたまたまマスクをされていたんです。それで何を言っているのか分かりませんでしたので,「すみません。耳が聞こえませんので,マスクを外してください」とお願いしたんですけれども,マスクを着けたまま,パパパパーッと早口で言われて,何を言っているのか分からなくて困ったそのような事例もあります。  障害者差別解消条例がスタートした,それ以降もまだまだそういうことは解決できておりません。つまり,きちんと啓発がされていないということだと思います。そういう企業に対して,もっと差別解消条例がスタートしたこと,それにあわせて合理的配慮が必要であること,それに対する具体的な対応事例もきちんと併せて周知していっていただきたいと思います。今後の予定のところに,企業に対する啓発というのをぜひ設けて,チラシなどそういうものを作成していただきたいと思います。 ○会長 よろしいですか。ありがとうございます。これはお尋ねではなくて,もうそれでよろしいですか。 ○委員 はい。意見としてお願いいたします。 ○会長 ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。 ○委員 今,相談件数の話がありまして,相談は本人と家族だと思うんですが,事業者側がこれが相談できるようになればいいなと思っています。事業所がまだ啓発がうまくいってないので,そういう相談をすることまでいってないんだろうなと思っています。事業者も分からない点があると,この障害110番に相談ができる体制ができて,より障害者も事業者もお互いこの条例を理解できるようになれば私はいいなと思っていますので,啓発をどんどんやって,事業所も分からない点があったら相談に電話するシステムになればいいなと思っております。以上です。 ○会長 ありがとうございました。これについて福岡市のほうで何かありましたら。 ○事務局 ご意見ありがとうございました。福岡市障害者110番に関しましては,相談窓口に委託しておりますが,障害者および家族からのご相談は受け付けておりますが,それ以外にも福岡市にある事業主さんからの相談も受け付けております。そういったご相談があれば,障害者110番のほうにご連絡いただければ対応可能となっております。以上です。 ○会長 委員,今のお答えでよろしゅうございますか。 ○委員 はい。 ○会長 手が挙がりましたのでどうぞよろしくお願いします。 ○委員 今後の予定のところで,予定の組み立て方として,本当に今年度は啓発といいますか,条例ができたことをどれだけ広く浸透させていくかが一番大事な部分だと思います。  そういう意味でも,少しこの法令自体の組み立て方として,例えば今お話が出たように,民間事業者を1つの柱としてどうやっていこうとか,前回も出ましたが地域ということがキーワードですので,地域に向けてどうしていこうとか。  それと今回の報告のように,本当にまめに市の職員さんにもいろいろ研修の機会を組まれておられまして,私はインターネットで市の組織図を見させてもらって,市の機関って本当に大きなすごいいろんな部署があって,本当に大きな大きな組織だなと思いまして,これを市の職員さんに理解してもらうというのは,本当に1年で済む問題じゃないんじゃないかなと。だからもう少し計画的にやらないと,これだけの市の全体のところに浸透させていくには,本当に大変じゃないかなと思います。  そういう意味では,市の職員向けにどういうふうにやっていこうかとか,それを少し分野ごとといいますか,そういったところで合わせながら,どう1年間やっていくかという話と。  併せまして,これは今年度じゃないと思うんですけれども,先ほど出てました宣伝媒体を,今あるのはチラシとか先ほど出た民間の事業者向けとか,条例を作る時に当事者の方が言われたのは,やっぱり分かりやすいものにしてくれと。特に知的障害の方々とか発達の当事者の方々とか,当事者が分かりやすいものをぜひ作ってくれという文書をいただいたことがあったので,宣伝媒体をどうしていくかとか,そういったことを少し柱を整理してちょっと検討していただけたらと。  併せて,その時にやっぱりマスコミの力をどう借りるかというのは大事かなと思います。なかなか私たちだけでは,市民というのは大きな柱になりますので,これは時間がかかるかもしれませんけれども,そういう組み立てもしていただけたらと思います。 ○会長 これにつきましてのお話を市からいただけますか。意見でよろしゅうございますか。  では,意見交換の時にもしそういう意見が出れば,またよろしくお願いしたいと思っております。ほかにございませんか。 ○委員 2つあるんですけれども,1つは今日地下鉄に乗ってきました。ちょっとほっこりしたことがあったのでお話ししたいと思うのですが,地下鉄の中の中吊り広告にポスターがあって,それがいろんな困っている方への声掛けの啓発ポスターだったりとか,あと全車両に車いすとベビーカー専用のスペースを設けていますというポスターが掛かっていました。そういうふうなポスターを最近よく見かけることができるようになったのを,嬉しく思っているところです。  あと,地下鉄を出る時に改札口のところで車いすの方がいらっしゃったんですが,駅員の方が中腰になって丁寧に,そしてすごく良かったなと思ったのが,にこやかに笑顔だったんですね。サポートされてあったのがすごく嬉しく思ったところです。  あと1つ,発達障害の当事者団体でもあるので,ヘルプマークのカード,赤いのに白くなっているものですが,福岡市のほうではまだ配布はされてないのではないかというのを聞いたもんですから,それをしていただけたら嬉しいなと思っています。ある当事者の方が,ここではもらえないのでほかの地方のほうへ行ってわざわざもらってきたということを話していました。こちらでは名刺サイズよりちょっと大きい紙のものが用意してあって,それは持ち歩くのにとても不便だということを話してありましたので,ご検討をいただいたらと思っているところです。以上です。 ○会長 ありがとうございます。  最後のヘルプカードの件について,福岡市はいかがでしょうか。福岡市はある程度のカードを推奨しているという話なんですが。 ○事務局 福岡市の現状としては,ヘルプマークというのは東京都が作られて,今各地に広がっているという状況は知っております。ただ,ヘルプマークだけではちょっとよく分からないという声もありましたので,福岡市としてはカードの形で,手伝ってほしいことというのが書けるような形のものを現状お配りしております。  ヘルプマークというのは全国に広がってきておりますが,福岡市としては,今ヘルプマーク以外にもいろんなマークがありまして混在していますので,そういった統一のマークを作ってほしいと。いっぱいありすぎて分かりにくいので,統一したマークを作って,それを全国的に周知してほしいということを政令市の会議とかで意見がまとまりまして,今,厚生労働省のほうにそういった声を上げている状況です。  そういう状況ですので,そういった統一マークを作ってほしいということと併せて,ヘルプカードを福岡市としては使っているという状況になっております。以上です。 ○会長 福岡市の考えのお話ですけど,委員,よろしゅうございますか,今ので。 ○委員 はい。 ○会長 ありがとうございます。確かにいろんなところに行くと,このマークを持ってある方もたくさんいらっしゃるし,また欲しいと言われる方もたくさん声を聞きます。  実は,6月30日に福岡市もかかわってやったんですけれど,福岡トライアスロンといって,今度は2回目,東区志賀島・海の中道一帯でやったんですが,相当な数の方が全国から来られて,その時もこのマークを福岡市として皆さんに提供しようとしてお願いしたんですけど,マークがなくてカードということで,結構全国から取り寄せたんですけど,なかなか品物がないんですね。だから需要と供給で,欲しいという方になかなかいってないのが現状なところをまざまざと体験したような状態です。そこのところを整備されて,もしそのマークが必要であれば,やっぱりそこも考えていったほうがいいかなと。  いろんな全国の会議に行くと,当事者の人たちがやっぱりバッグに付けてあるんですね。ちょうどアクセサリーみたいな感じで,赤いマークに白でハートマークとか白抜きであって,デザイン的にも非常に良くて皆さんお付けになっています。そのところも含めて,福岡市もお考えいただければなと思っております。以上です。  それからまた1つこちらからのお願いなんですが,啓発に向けてやり方を今ここをずっと見ましたけど,ガイド啓発,それからいろんなところに啓発活動の運動をやっていただいておりますが,1つ非常に残念なことに,私は身体障害の当事者なんですが,意外とこのことについて当事者が深く知ってないんですね。  特に身体障害者の場合だけで私は申し上げますけど,自分たちでいろんな研修をいろんなところでやっているんですけど,自分たちでやるのと,そこに専門家の方,それから行政の方が来てお話しすると,やっぱりずいぶん違うと思うんです。だからそういう出前をお願いする時に来ていただくということを,ぜひお願いしたいなと思っています。  というのが,本当に当事者はみんな知っていると思うんですけど,ほとんどあまり関心がないというか,自覚がないというか,結構あるんですね。こうしていろいろかかわって活動している人はあれなんですけど,こういう民間の施設協議会が行かれたように書いてありますけれど,ここはほとんど職員の方なんです。熱心な職員の方ですけど,肝心の当事者がなかなかそういう機会が少ない。また,条例ができた,解消法ができた,即,差別がなくなるんじゃないだろうかとか,そういう単純な考えの人が非常に多いです。それをわれわれいろんなことで集めてお話しをさせていただくんですけど,それでもやっぱりそういうところに行政の方が来てきっちりお話をするとか,そういうのも今から啓発の中で組み立てていって,当事者と関係者と行政と一体となっていろんな啓発を進めていかなければ,本当の意味で啓発が進んでいくということじゃないかなと私は思っております。ぜひその時はよろしくお願いしたいと思います。以上です。  ほかにございませんか。ないようでございましたら,時間も来ましたのでこの次の意見交換に入らせていただきたいと思います。  この意見交換は,本日の議題に関することでも結構ですし,それ以外でも構いませんので,ご自由に意見を交換していただけたらというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。  それではただ今より意見交換に移らせていただきますので,何なりと意見を述べていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。 ○委員 1つ目はオープントップバスについてです。以前は,申込みは電話でしか予約はできませんでした。もしくは窓口に行って申し込む方法でした。それを改善してほしいということで,福岡市ろうあ協会から前組織の福岡市障害者在宅支援課に,意見を持っていきました。そのあと聞こえない人も予約ができる方法に改善していただきました。前と比較すると大変よく前進して,そのことについては評価いたします。  ただ,メールを持っていない聴覚障害の方もいらっしゃいます。問い合わせ方法は,電話番号だけ,ファックス番号が載っていない。その辺りはやっぱり障害者差別解消条例が施行されたことですので,ファックス番号を載せていただければ嬉しく思います。ハード面も変わっていないところがあるので,そういうところもきちんと福岡市のほうで,障害者団体,肢体不自由の方または視覚障害の方また内部の方などのそれぞれの団体の方にお伺いして意見を聞いて,そういうハード面も変えていただきたい。そのように一緒にやっていくという方法で,作っていただきたいというふうに思っております。  次に2つ目といたしましては,北九州市の場合は市政ニュースというテレビ番組があるんですけれども,そこには必ずワイプで手話通訳が付いております。福岡市の場合は条例が施行されたにもかかわらず,手話通訳のワイプが付いておりません。その辺りも含めてお考えいただければと思っております。  ほかにもいくつかありますが,どこにその意見を出せばいいのか,障害者110番に持っていけばいいのか,もしくはこういう会議の中で皆さんがお集まりになった時に意見として出せるそのような場があればもっと嬉しいと思っています。その辺りの検討をよろしくお願いいたします。 ○会長 これについて福岡市から何かお答えやご質問でもあれば。 ○事務局 まずオープントップバスの関係ですけれども,私どもも西鉄の自動車部のほうにお話をお伺いして,なぜファックスの対応がおできにならないのかというようなことは少しお話をお伺いしております。ファックスだとどうしてもやりとりをする時に間違いが起こったり,緊急な時のご連絡で行き違いがあったりするといけないというような,ほかにも理由はあるかと思いますが,というような理由で今のところはまだできていないというようなお話をお伺いしております。  それからハード面の整備につきましては,公共の関係でございますと福祉のまちづくり条例というのがございまして,そちらのほうにハード面の整備の基準みたいなものが決まっておりますので,そちらのほうとの整合性を取っていくということになっていくかと思います。具体的なご意見があれば,担当部署がございますのでお伝えできるかなというふうに考えております。  それから北九州市の広報番組では手話通訳が入っているという点でございましたが,その点については広報戦略室のほうにご意見をお伝えしたいと思っております。以上でございます。 ○委員 ぜひよろしくお願いいたします。 ○会長 ほかに何かございませんでしょうか。何でも結構ということでございますので。 ○委員 委員のほうからマスクで運転士のほうが分かりにくい案内をしたということでご指摘をいただきました。それとオープントップバスの件。社内でもいろんな研修啓発をやってるんですが,そこがまだ十分ではなかったということについては,今後引き続ききっちり研修を進めていきたいというふうに思います。  オープントップバスは,社内でも話してたんですけれども,やっぱりファックスではいろんなトラブルが現実に発生をしたという事例もあって,一般の方も含めてファックスでのやりとりというのは基本的には禁止しているというのが実態でございます。  従業員の啓発については,社内で毎年,人権啓発を行っております。その中ではヘルプカードにつきましては,社内では約1000人の啓発委員というのがおりまして,その啓発委員が各職場で啓発を行う,その中身で去年はヘルプカードと合理的配慮について話をしました。ヘルプカードについては福岡県のほうから少し資料をいただいたのと,東京が配布をしてましたので,ちょっと人手をかけて地下鉄の駅に何度も何度もヘルプカードの現物をもらいに,実際にはストラップ形式のヘルプカードですけれども,それを10何個か集めて,それを使って研修を行いました。  福岡県が出しているガイドブックにつきましては,県のほうとご相談をしたところ2000部しか作ってないと。私のほうが1500ほしいということで言ったら,駄目だということではじかれましたので,印刷屋さんと直接お話をして,県のほうから許可をもらって1500部を印刷して各事業所に配布をいたしました。それで人権のリーダーは割と一生懸命,すみません,これ言葉がちょっと変ですけれども,職場で啓発をやったんですが,やはり末端のところでは,全部が全部にはやっぱり行き届いてないというのが現状でございます。  今年も障害者に対する社内啓発を引き続きやっていきますので,継続してこの話は進めていきたいというふうに思います。すみません。嫌な思いをさせたことについてはごめんなさいというところで。 ○会長 ありがとうございます。先ほどちょっとお尋ねしたいんですけど。ヘルプカードですか,マークですか,どっちですか。今カードとおっしゃったんですけど。 ○委員 カードとストラップを東京都が配布してたので,それをちょっと人海戦術で飛び回って,見本だよということで各事業所に。ポスターも県からもらったんですが,100枚もらいましたけど,関連会社で80何社あるので各事業所までは正直行き届かなくて,会社に1枚貼っといてくれっていうような展開をしました。  だから両方やりました。ヘルプカードのダウンロード版と現物をできる限り配って,回覧をしてねという展開です。 ○会長 ありがとうございました。先ほど同じような質問が出てたんですけど,ヘルプカードってこれですよね。これを福岡市さんがずっと力を入れてやってあって,裏にいろんな,私がお手伝いしてほしいこととか書いてあって,書き込みができるようなものですね。  ヘルプマークというのは,ちょっと見えにくいと思いますけど,こちらの向かって右側に赤いストラップが,これはちょっと付いておりませんけど,ここに何て言いますかストラップみたいなのが付いて,バッグにちょっと掛けられるとか,そういうちょっとしたあれで,これだといつも外から見えるということで,両方ともそうなんでしょうけど皆さんが欲しがっている1つのあれですね。  特に知的障害の方とか精神障害の方とか内部障害の方っていうのは,やっぱりこれがものすごく必要だというようなお話も聞きます。私どもみたいに,身体障害者の場合で肢体障害者の場合は外見上である程度は障害の程度が見えますけど,内部障害の方とかは外見では全然分かりませんので,こういうのがあれば非常に便利だなということで今普及しているところでございます。以上です。  ほかにございませんでしょうか。 ○委員 ちょっと自己PRも含めてお話しさせていただきたいんですが,福岡にプロバスケットボールのライジングゼファーというチームがあるんですけど,そこと人権擁護委員がタイアップして,数年前から小学校のスポーツ人権教室をやっているんですね。  初めのほうはバスケットボールの基本,ドリブルとかパスの仕方とか,そして簡単なゲームをプロバスケットボールの選手が,あるいはコーチが指導しながらやって,最後の10分間ぐらいの時間をもらって「人権とは」とか「障害者スポーツとは」とか,あるいは来年のパラリンピックに向けてのいろんなお話をしながら,子どもの皆さんに障害者に限らず人権についての意識を持ってもらうような教室を,毎年県下で20校ぐらい選んで順繰り回してやってるんです。  それはそれで子どもたちは,例えばこんな話を私がしたことがあるんですけど,バスが停留所に来る時に,いわゆる健常者,目とか耳が不自由でない人とかそういう人は行き先を見て分かるけど,お年寄りあるいは障害者の中には何が書いてあるのかよく見えないということで,バス停に以前,バスの車内から運転士さんが「どこどこ行きですよ」というガイドをしていたことがあったんですね。  ところが周辺の住民から「うるさい」と。しょっちゅうバスの行き先案内がうるさいと,小さい子どもが昼寝が十分できないというような苦情があって,取りやめたんです。その後,西鉄さんは,白い杖を持ったような人がバス停にいらっしゃった時は,なるべく声を掛けるようにしてくださいという社員教育をなさっているようですが,僕が普段通っているバス停の近くで,残念ながらそういう光景あるいはサウンドを見たことも聞いたこともないです。なかなか徹底してないんじゃないかなと思ってます。  そういう話を子どもたちにすると,すごく役に立ちました。「君たちも,もしお年寄りとか目の不自由そうな人がバス停で困っているようなことがあったら,話し掛けて,今来そうになっているバスはどこそこ行きですよということを教えてあげてね」と言うと,「分かりました」と言って,やってくれるんですよね。こういう運動というのがとても大事なんだろうと。  条例についても,条例ができましたと,今日の資料を見ててもいろんなところに啓発の努力をなさっているのが分かりますけど,もっと身近な公民館とか学校とか地域の住民,それから事業者,そこにきちっと周知できる方法というのを,私たちはもう少し知恵を絞ってやっていく必要があるんじゃないかなということをやっぱり日頃考えてます。  人権擁護委員として,まず子どもたちにわれわれ独自に,そういうライジングゼファーと一緒にタイアップするのもいいんです。それからドコモと一緒にやっている人権教室もあるんですけど,これはインターネットの社会の問題でちょっと今日は割愛しますけど,そういういろんなところとタイアップした人権教室もいいんですけど,今度私たち自身が小学校の1時限,45分間ぐらいの授業を時間をもらって人権教室を作ろうとしてます。そこで子どもたちに「人権とは」とか,「障害者の問題はこういうことが今大事なんですよ,皆さん協力してくださいね」というようなのを,この1年で作ろうとしているんです。  いろんな障害者団体の皆さんにお知恵を拝借したいと思ってるんですが,ぜひ協力していただきたいと。それをずっと蓄積していきたいと思ってます。  それが1つと,さっきちょっと話が出ました県のガイドブックですね。あれは新聞でも紹介されたので,私,県のホームページからダウンロードして見てました。要するにポイントは,全体の話もあるんですが,今度できたのは「分野別」です。例えば教育とか福祉とか,それから公共交通機関とか,商品とか不動産とか,そういう分野別の合理的配慮のガイドブックが1冊10ページ前後ぐらい,多くて20ページぐらいでまとめられて,割とよくまとまってるなと思ってます。  ただ,この材料は,子どもにはちょっと分かりにくいですね。やっぱり大人向け,事業者向けなんです。だからストレートに子ども向けにはちょっと使いにくいなと思ってますが,将来,福岡市がもしそういう合理的配慮のガイドブックを作る時は,ぜひいろんな年齢層に分かるようなものにしていただきたいなというのを要望して,私の発言を終わりたいと思っています。以上です。 ○会長 ありがとうございました。これはご意見ということでよろしいですね。 ○委員 はい。 ○会長 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。 ○委員 私は地域のいろんなことに関わっておりますけれども,例えば地域人権講演会をよくいたします。今までの人権教育の中身は,障害者が入ってないんですよね。ですから先ほどいろんなことをお聞きして,私たちは結構年寄りが多い地域だったりしますので,子どももそうなんですけれども,一般の主婦とか若い方からお年寄りの方まで,そういうふうな人権に関する中で障害者の人権とか考えたこともない方が多いんじゃないかと思うんです。  こういう出前講座とかよく市のほうからとかいろいろ来てお話をいただくんですけれども,概念でお話をされると,もうみんな「聞いた聞いた」「知っとう知っとう」っていうことで流されてしまうんです。けれども,やはり会長のように実際当事者と言いますか,障害者の方が講師として来ていただいて,実際にあったことでこんなことで困っているとかこういうふうに皆さんのご理解をいただきたいとかお話をいただければ,皆さん聞いてる人はすごく感動しやすい人たちなので,先ほどのバスが止まった時に「これが天神行きですよ」っていうのがいつもあったとして,うるさいというのは知らないからそういうことを言うんですよね。でも知ってしまったら「今,障害者の人がいたんだ」とか,それがあったら便利なんだ,自分たちも年取ったら絶対目が薄くなる,遠くのものが見えなくなったりしますので,あったら便利だなというのが理解が深まると思います。ぜひそういう出前講座なんかに,当事者の方々のお声を入れたようなことを作っていただけたらありがたいなと思います。以上です。 ○会長 ありがとうございます。どうぞ。 ○事務局 出前講座の申込みがある時に,当事者の声を聞きたいといった内容の申込みがあります。その時には「なくす会」にお願いして,当事者の方に来ていただけますかというような形でおつなぎをして,今年度も数回そういった講座を予定されておりますので,もしそういった当事者の声が聞きたいと,単なる理念の話だけではなくてというようなご要望があれば,そういったことにもお応えして,できる範囲でなくす会のほうもご協力いただけると思いますので,そういったご要望,声があれば市のほうに言っていただければ対応させていただきたいと思います。そういったことができるというのまた周知していただければと思います。よろしくお願いします。 ○会長 ありがとうございます。これに関連してのお話なんですが,当事者団体もこういう啓発をやっております。  私が所属しております福岡市身体障害者福祉協会も,実は平成8年から,ほんとはもっと2年ぐらい前からなんですが,正式に福祉体験講座というちょっと長たらしい,普通は出前福祉と言ってるんですが,毎年やっております。  どういうところに行ってるかというと,小学校とか中学,高等学校,大学,それからまた学校としては専門学校,あと地域の公民館とか地域のこういうふうな集まりとか,それに一般企業,官公庁,そういうところに依頼があれば出前チームが,当事者でそれぞれその依頼の内容によって,チームを組んで行っております。これは身体障害者福祉協会は,一応ボランティアとして無料で行っております。  特に今,小学校が断トツで多いんですが,去年一昨年のデータまでしかないんですが,大体50校行っております。その中で特に4年のところが一番多うございまして,以前は低学年,高学年と多かったんですが,今はゆとり教育と言いますか,そういう教育ができまして,4年生のところでするということで依頼が一番多かったです。  どういうことをやるかというと,大体体験としては車いすとアイマスクをして,いろんな障害物のところに行って,車いすの段差とかがあれば行けないとか,そういう実感をするし,またアイマスクをして階段を上ったり下りたりして,ほんとに目の見えない方の危険な状態とかを体験して,そして後でディスカッションをやるわけです。その時に学校の先生とそれから保護者の方も入っていただいて,一緒に体験をするという,これが非常にいい実例なんです。  ということはどういうことかと言いますと,そういう体験を通じていろんなことを感じたことを,子どもさんと親とがいろんな共通の会話ができるし,またそういう一緒に体験することにおいて感じることも共通化ができる。  特に学校教育の中で,先ほどからもお話が出ておりますけれども,小学校の頃からの体験が一番成長にはいいみたいで,特にその頃の子どもさんの脳というのは,専門家ではありませんので分かりませんけど,私が感じたところではスポンジみたいに何でもどんどん吸収するという素晴らしい発育するとこでの脳でございますので,そういう方がだんだん今度は大人になってきて,初めていろんなことが理解できるという,ほんとにそういうところが非常にいいかなと思っています。  そしてまた体験はしなくても,先ほど委員のほうから言われましたように,障害当事者の声を聞くとか日常生活をどうしているかということを聞くということで,お話だけをするとかいろんなやり方がございますので,今そこをやってます。  それからまた手をつなぐ育成とかも知的障害者の方の理解ということで,いろんな体験を,疑似体験をしながらやっておられますので,そこはそれに応じてまた依頼があればそこに行ける準備はしております。だからちょっと宣伝が足らなかったんですけど,当事者として。そういうところにどんどん自分たちのこととしてみんな当事者は頑張っておりますので,ぜひそれを利用していただければ非常にありがたいなというふうに思っております。すみません。議長で申し上げて申し訳ございません。  もうそろそろ時間になってきましたけど,ほかに何かございませんでしょうか。短くということですけどいいですよ。 ○委員 今お話を伺ったので,それに付け加えてお話をしたいと思います。 福岡市ろうあ協会は,聞こえない体験,つまり今の世の中は音声の情報社会で,何でも音ですので,聞こえる人はそれが当たり前のように生活しています。でも聞こえない人,また聞こえにくい,高齢者の方で聞こえにくい方というのは放送とか分からない状況があります。そういうのを一般の人が,聞こえないことってどういうことなのかということを体験する機会はなかなかないと思います。視覚の方とか肢体の方,車いすの経験,また高齢者の経験などはいろんな機会があるかと思うんですけれども,聞こえない人の経験というのは,ヘッドホンをしっかり付けて本当に音のない状態にして,その時の気持ちはどうなのかということ,そういうのを去年からやっておりますので,ぜひ障害者差別解消条例の啓発と併せまして,ろうあ協会に依頼していただいて,聞こえない体験を味わっていただければと思っています。よろしくお願いいたします。 ○会長 ありがとうございました。  ほかにございませんでしょうか。よろしくお願いします。 ○委員 今の障害理解の問題で,多分もう1つ具体的な内容で,コミュニケーションを取ることがいろんな形で困難な方々が,だんだん地域の中でとか町に出る機会が非常に増えておられます。具体的に言いますと,知的障害の方や精神障害の方や発達障害の方々がご自身で町に出るということで,そこでのトラブルもあります。トラブルの中身とすれば,どうしても周りの方がご本人の困難さ以前に,表に出る行動をうまく理解できないという,またお互いの体験が協力体制が浅いものですから,そういった部分でやっぱり1つこれからの大きなテーマかなと思ってます。  こういったコミュニケーションが取りづらい人たちがどう受け止めていくかというのは,ちょっとまだどういうふうに理解してもらえるか,私たち障害者団体関係ももっと工夫していかないといけないと思うんですけれども,これも何とかこの会でいろんな工夫をお互いにしながら,支援をしてくれたらなと思ってますので,ちょっとそのことだけ。 ○会長 ありがとうございました。時間になりましたので,特別ご意見がないようでございましたら,以上で今日の議事は終了したいと思います。  それでは事務局にお返ししますけど,どうぞよろしくお願いします。 ○事務局 どうもありがとうございました。  以上をもちまして令和元年度第1回福岡市障害者差別解消推進会議を閉会させていただきます。  次回の推進会議の開催時期は,来年の3月頃を予定しております。詳細につきましては改めてご案内申し上げます。委員の皆さま,本日はどうもありがとうございました。お疲れさまでございました。