(資料4) 福岡市障害者差別解消条例について 福岡市障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も 共に生きるまちづくり条例 条例の概要について 条例の検討経緯 @H28.4 障害者差別解消法施行 AH28.7 福岡市保健福祉審議会へ諮問 BH28.8〜H29.3  福岡市障害を理由とする差別を解消するための条例検討会議(全8回)※有識者4名,当事者6名,事業者3名,市民等5名で構成 CH29.9〜11  福岡市保健福祉審議会障害者保健福祉専門分科会(全2回) DH29.12 福岡市議会(第2委員会)報告 EH30.1〜2 パブリック・コメント,タウンミーティング(2/2) FH30.4 福岡市保健福祉審議会障害者保健福祉専門分科会 GH30.5 福岡市保健福祉審議会総会 答申 HH30.6 福岡市議会 条例案可決 IH31.1 施行 条例の基本的な考え方 1 障害を理由として不当な差別的取扱いを行うことは重大な人権侵害であること 2 障害者との交流を通じた相互理解を深めること 3 障害者への合理的配慮の考え方を広く事業者や市民に啓発することが重要であること 4 差別をする側とされる側とに分けた対立構造とするのでなく,相互の立場を踏まえた建設的な対話を行うことが重要であり,それを踏まえた相談体制を構築すること 5 差別に関する紛争が発生してしまった場合に備えて,実効性のある紛争解決手段を構築すること 条例の規定の概要 【責務・役割】(第3条〜第5条関係) ・市:障害や障害者等に対する理解の促進を図り,差別解消施策を実施 ・事業者:差別解消の取組みを積極的に行い,市の施策に協力するよう努める ・市民:差別をなくし,共に生きる社会の構築に寄与するよう努める 【基本理念】(第6条関係) ・すべての障害者が,基本的人権を享有する個人としてその尊厳を重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること。 ・何人も,障害を理由とする差別により障害者の権利利益を侵害してはならないこと。 ・合理的配慮を行うことが促進される必要があること。 ・何人も,障害者との交流を通じて理解を深めていくこと。 ・建設的な対話を行うことにより紛争を解決することを基本とすること。 等 【不当な差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供】(第7条・第8条関係) ・市及び事業者は,不当な差別的取扱いをしてはならない ・市は,合理的配慮をしなければならない ・事業者は,合理的配慮をするように努めなければならない 【市の基本的な施策】(第9条〜第13条関係) ・障害や障害者等の理解を深めるための啓発活動等の実施 ・障害者と障害者でない者の交流の推進に必要な施策の実施 ・差別の解消に関する施策を実施するための必要な財政上の措置 等 【相談体制】(第11条・第14条関係) ・「身近さ」と「専門性」が両立するような相談体制を整備 ・障害者本人だけでなく,家族や関係者,事業者の側からも相談が可能 【指導・紛争解決体制】(第15条〜第31条関係) ・市による指導・助言等の実施 ・附属機関の設置  <福岡市障害者差別解消推進会議>   差別解消に関する施策の調査審議,市が指導・助言を行うべきか   否かの意見等  <福岡市障害者差別解消審査会>   市が勧告を行うべきか否かの意見 ※ なお,附則で「3年後の条例の見直しの規定」を置いており,社会における合理的配慮の浸透の状況等を踏まえ,規定の見直しを検討していく予定 障害を理由とする差別について 障害者とは ○条例における「障害者」の定義 身体障害,知的障害,精神障害,発達障害,難病その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって,障害及び社会的障壁により継続的,断続的又は周期的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。(条例第2条第1号) 社会モデル 障害とは,本人の医学的な心身の機能の障害を指すものではなく,社会における様々な障壁との相互作用によって生じるもの 「社会モデル」とは ○「社会モデル」の考え方 障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁(事物、制度、慣行、観念その他一切のもの)と相対することによって生ずるものとする考え方。 ○社会における様々な障壁=「社会的障壁」 とは 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような 社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。(条例第2条第2号)  @社会における事物(通行,利用しにくい施設,設備など)  A制度(利用しにくい制度など)  B慣行(障害のある方の存在を意識していない慣習,文化など)  C観念(障害のある方への偏見など)   など 「社会的障壁」 とは? 障害のある方にとって、日常生活や社会生活を送る上で障壁となるようなものを指します。 例 街なかの段差 3センチ程度の段差で車椅子は進めなくなります。 例 書類 難しい漢字ばかりでは,理解しづらい人もいます。 例 ホームページ すべて画像だと読み上げソフトが機能しません。 【社会モデルとは】 〇障害者差別解消法においては「医学モデル」ではなく「社会モデル」を取り入れています。 〇この社会モデルによると障害はどこにあると考えられているでしょうか? 〇例えば階段しかないと車イスでは2階に上がれません。 →障害がある 〇しかしエレベーターが設置されれば車イスでも2階に上がれます。 →社会モデルでは障害が解消された 〇この事例の車イス使用者は何も変わっていませんが,周囲の環境が変わったことで障害が解消されました。 〇社会モデルでは,障害とは,本人の医学的な心身の機能の障害を指すもの(医学モデル)ではなく,社会における様々な障壁(社会的障壁)との相互作用によって生じるものだと考えられています。 (平成29年11月 内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より) 〇社会モデルに基づくと誰にでも障害はあり得るとも考えられます。 〇断崖絶壁では,2階に上がれません。 →障害がある 〇ハシゴを持ってくれば,2階に上がれます。 →障害が解消された(合理的配慮の提供) 〇階段を設置すれば,いつでも2階に上がれます。 →障害が解消された(環境の整備) (平成29年11月 内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より) 〇このように障害のない人も,周囲の環境などの社会的障壁しだいで,できる事とできない事が変わってきます。 〇つまり社会モデルでは,程度の差があるだけで,障害のある人もない人も同じ前提なのです。 〇障害のない人に対しては,すでに多くの社会的障壁が取り除かれています。障害のある人に対しても,合理的配慮の提供や環境の整備などによって社会的障壁を取り除いていきましょう。 →障害の有無によって分け隔てられない共生社会の実現へ! (平成29年11月 内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より) 障害を理由とする差別の定義 ○障害を理由とする差別の定義 客観的に正当かつやむを得ないと認められる特別の事情がないにもかかわらず,不当な差別的取扱いを行い,又は合理的配慮をしないことをいう。(条例第2条第3号) 条例で(差別解消法でも)「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」を禁止 条例による規制の内容 理念:何人も,障害を理由とする差別(不当な差別的取扱いと合理的配慮の不提供)により障害者の権利利益を侵害してはならない →規制の対象を具体化(条例第7条,第8条) ・市及び事業者は,不当な差別的取扱いをしてはならない ・市は,合理的配慮をしなければならない ・事業者は,合理的配慮をするように努めなければならない 不当な差別的取扱い@−定義 ○「不当な差別的取扱い」とは 正当な理由なく,障害を理由として,障害者でない者と異なる不利益な取扱いをすることをいう。(条例第2条第4号) 正当な理由なく,障害を理由として,財・サービスや各種機会の提供を拒否,場所・時間帯などを制限,障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなど 市及び事業者について,不当な差別的取扱いをしてはならない旨を規定し,特に障害者との関係が深い分野について,禁止事項を例示列挙 (条例第7条) 障害を理由とする不当な差別的取扱い(例) 障害を理由として,サービスの提供や入店を拒否してはいけません。 不当な差別的取扱いA−「正当な理由」とは ○「正当な理由」の判断の視点 ● その取扱いが,客観的に見て正当な目的によって行われ,その目的に照らしてやむを得ないといえる場合は,正当な理由にあたる。 ● 個別の事案ごとに,障害者,事業者,第三者の権利利益(例:安全の確保,財産の保全,事業の目的・内容・機能の維持,損害発生の防止等)及び行政機関等の事務・事業の目的・内容・機能の維持等の観点にてらしあわせ,具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断。 ● 正当な理由があると判断した場合,その理由を説明するものとし、理解を得るよう努める。 不当な差別的取扱いB−例 ○不当な差別的取扱いにあたると想定される事例 ◆ 身体障害者補助犬法に基づく盲導犬、聴導犬、介助犬の帯同を理由として乗車を拒否する。【鉄道・タクシーなど】 ◆ 宅建業者が、賃貸物件への入居を希望する障害者に対して、障害があることを理由に、賃貸人や家賃債務保証会社への交渉等、必要な調整を行うことなく仲介を断る。【不動産業】 ◆ 障害者について、ツアー中の介助、補助その他の支援措置が必要ない、又は、支援措置が必要であるとしても、添乗員等において対応可能な医学的、専門的知識を要しない軽微な措置で足りるにもかかわらず、一律に、ツアーへの参加を拒否したり、旅程の一部に制限を加える、又は、介助者の同行をツアー参加の条件とする。【旅行業】 ○正当な理由があるため,不当な差別的取扱いにあたらないと考えられる事例 ◇ 車内が混雑していて車いすスペースが確保できない場合、車いす使用者に説明した上で、次の便への乗車をお願いする。【路線・高速バス】 ◇ 車いすからタクシー座席への移乗等にあたって、介助人がおらずタクシードライバーだけでは対応ができない場合は乗車を断る。【タクシー】 ◇ 車いす使用者に対して、最初の搭乗および最後の降機を依頼する。【航空】 (平成29年3月 国土交通省「国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」より) 合理的配慮@−定義 ○「合理的配慮」とは 障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じた社会的障壁の除去のための必要かつ合理的な現状の変更又は調整をいう。(条例第2条第5号) 具体的には 社会的障壁を除去するための必要かつ合理的な取り組みであり、その実施に伴う負担が過重でないもの。  事業者の事務・事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られる。  ※目的・内容・機能の本質的な変更には及ばない。  障害の特性や具体的場面・状況に応じて異なり,多様かつ個別性が高く,社会的障壁の除去の手段及び方法について,過重な負担であるかの要素を考慮し,代替措置の選択も含め,双方の建設的対話による相互理解を通じて,必要かつ合理的な範囲で,柔軟に対応がなされるもの。 合理的配慮A−「過重な負担」とは ○「過重な負担」の考え方 ● 個別の事案ごとに,以下の要素等を考慮し,具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断。   事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)   実現可能性の程度(物理的・技術的制約,人的・体制上の制約)   費用・負担の程度   事務・事業規模   財政・財務状況 ● 過重な負担にあたると判断した場合,その理由を説明するものとし、理解を得るよう努める。 障害者からの配慮の申出について,合理的ではないものや過重な負担があるものについては,その提供をお断りすることができます。 ・膨大な分量の資料の全文読み上げを求められた ・筆談で十分対応できる簡潔なやり取りに手話通訳者の派遣を求められた ・必要性がないのに買物中は常に店員が同行することを求められた ・個人的な外出予定に沿うよう公共交通機関の時間変更を求められた ・否定されるとストレスで症状が悪化してしまうからと過度な要望であっても否定せずに実行することを求められた など ←(平成29年11月 内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より) 合理的配慮B−例 ○合理的配慮の具体例 物理的環境への配慮 ● 車椅子利用者のために段差に携帯スロープを渡す ● 高い所に陳列された商品を取って渡す 意思疎通の配慮 ● 筆談や簡単な手話によるコミュニケーション ● 文字情報の読み上げ ● 分かりやすい表現を使った説明 ルール・慣行の柔軟な変更 ● 研修会などにおいて,障害の特性に応じた休憩時間の調整 ● 障害の特性に応じた座席の調整 ○事業者のための対応指針 ほか 【対応指針】主務大臣が所管分野ごとに,事業者の適切な対応・判断に資するため作成 【合理的配慮サーチ】内閣府のホームページにおいて,合理的配慮等の具体的な事例を紹介 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jirei/ 双方の建設的対話による相互理解を通じて必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応 合理的配慮(例) 筆談や読み上げなど,ちょっとした配慮で助かる人がいます。 合理的配慮C−対話の際に避けるべき言葉 合理的配慮の提供における留意点(対話の際に避けるべき言葉) 「先例がありません」 ⇒ 障害者差別解消法が施行されており、先例がないことは断る理由になりません。 「特別扱いできません」 ⇒ 特別扱いではなく、障害のある人もない人も同じようにできる状況を整えることが目的です。 「もし何かあったら」 ⇒ 漠然としたリスクでは断る理由になりません。どのようなリスクが生じ、そのリスク低減のためにどのような対応ができるのか、具体的に検討する必要があります。 「その障害種別ならば」 ⇒ 同じ障害種別でも程度などによって適切な配慮が異なりますので、一括りにしないで検討する必要があります。(盲/弱視、ろう/難聴、全身/半身 など) (平成29年11月 内閣府「障害者差別解消法【合理的配慮の提供等事例集】」より) 「対応指針」等 障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律) ○「対応指針」 : 事業者向け ・主務大臣が所管分野ごとに,事業者の適切な対応・判断に資するため作成 例 福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針 厚生労働省 「福祉事業者向けガイドライン」 ○「対応要領」 : 行政機関の職員向け ・行政機関の職員の服務規律の一環として作成 ・地方自治体の作成は努力義務 平成29年4月時点で全国の約65%の自治体で作成,指定都市は全て作成済 ○雇用の分野は別の法律 Q 雇用における障害のある方に対する差別も,この法律の対象になるのですか? A 雇用については,障害者雇用促進法に定めるところによります。   雇用の分野における差別については,相談や紛争解決の仕組みを含め,障害者雇用促進法に定めるところによります。 相談体制について 相談体制 条例の規定@ 差別に関する紛争の防止・解決のためには,建設的対話が重要 ・「身近さ」と「専門性」が両立するような相談体制を整備 ・障害者本人だけでなく,家族や関係者,事業者の側からも相談が可能 ○相談体制の充実 市は,第6条の基本理念にのっとり,障害を理由とする差別に関する相談に的確に応じるための体制の充実を図るものとする。 市は,前項の体制を整備するに当たっては,当該体制が次の各号のいずれにも該当するよう考慮するものとする。 (1)相談をする人にとって身近に相談窓口があること。 (2)障害及び障害者に関し専門的知識を有する者が相談を受けること。 (条例第11条) 相談体制 条例の規定A ○相談 障害者及びその家族その他の関係者又は事業者は,市に対し,障害を理由とする差別に関する相談(以下,個別相談)をすることができる。 市は,個別相談を受けた場合は,必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする。 (1)必要な説明,情報の提供その他の障害を理由とする差別を解消するために必要な支援 (2)個別相談に係る事案の関係者間の調整又はあっせん (3)関係行政機関に対する通告,通報その他の通知 (4)市長への申出をするために必要な支援 (1)は区障害者基幹相談支援センターでも対応 (1)から(4)まですべて福岡市障害者110番で対応 (条例第14条,要綱第2条) 福岡市障害者110番 社会福祉法人福岡市身体障害者福祉協会に障害者差別解消相談窓口業務を委託(平成28年度より) 福岡市障害者110番は、障害者の権利擁護にかかる相談や障害を理由とする差別に関する相談に対応するため、常設相談窓口を設置し、電話・FAX・面接等により無料で相談をお受けする相談窓口です。 ○対象者   福岡市所在の事業主及び福岡市在住の障害者及び家族等からの相談をお受けしております。 ○受付時間  9:00〜17:00(月〜金),第1・第3土曜日9:00〜12:00 一般 専任の相談員による相談です。 定期相談 弁護士・精神保健福祉士による相談です。 *精神保健福祉士:第1水曜日13:00〜15:00 *弁護士:第2・第3・第4木曜日13:00〜15:00(要予約) 場所:福岡市中央区荒戸3-3-39(福岡市市民福祉プラザ4階) 電話:738−0010,FAX:738−0010 E-mail:shougai110@c-fukushin.jp 相談の状況 ○障害者110番の相談件数(差別関係) 平成28年度 31件  平成29年度 22件 (対前年度▲9) 平成28年度 件数:総件数31(不当な差別的取扱い10 合理的配慮21) 110番の対応:事業者への助言14,関係機関の紹介0,相談者からのヒアリングのみ12,その他5 終結の態様:事業者による改善策の実施又は検討11,相談者への説明により納得5,相談者に説明したが納得せず10,その他5 平成29年度 件数:総件数22(不当な差別的取扱い15 合理的配慮7) 110番の対応:事業者への助言11,関係機関の紹介3,相談者からのヒアリングのみ7,その他1 終結の態様:事業者による改善策の実施又は検討8,相談者への説明により納得10,相談者に説明したが納得せず3,その他1 (分野)福祉 (平成28年度)総件数3 不差0 合配3 (平成29年度)総件数0 不差0 合配0 (分野)医療 (平成28年度)総件数2 不差1 合配1 (平成29年度)総件数1 不差1 合配0 (分野)行政 (平成28年度)総件数5 不差0 合配5 (平成29年度)総件数4 不差2 合配2 (分野)不動産・住まい (平成28年度)総件数6 不差3 合配3 (平成29年度)総件数1 不差1 合配0 (分野)交通 (平成28年度)総件数3 不差1 合配2 (平成29年度)総件数2 不差0 合配2 (分野)サービス(福祉を除く) (平成28年度)総件数3 不差1 合配2 (平成29年度)総件数10 不差8 合配2 (分野)労働 (平成28年度)総件数6 不差3 合配3 (平成29年度)総件数3 不差2 合配1 (分野)その他 (平成28年度)総件数3 不差1 合配2 (平成29年度)総件数1 不差1 合配0 計 (平成28年度)総件数31 不差10 合配21 (平成29年度)総件数22 不差15 合配7 相談対応の例@ ○ 事例1 補助犬同伴を理由とした入店拒否 (1)相談内容  福岡市内の居酒屋に補助犬を伴い入店しようとしたところ(補助犬であることの証明書を提示した上で),「お店のルールとして入店させることはできない」と断られた。障害者差別解消法の規定に違反するのではないか。 (2)障害者110番の対応  事業者に確認を行ったところ,身体障害者補助犬法や障害者差別解消法について把握しておらず,飲食店であるため衛生面を考えて断ったとのこと。法律について説明したところ理解を示され,今後は社内研修を行い周知徹底をしていただけることとなった。 相談対応の例A ○ 事例2 コンサート会場における合理的配慮 (1)相談内容  市内のコンサート会場で,入場開始前にスタッフが来場者を点字ブロック上に並ばせていた。これは障害のある方に対する配慮が足りないのではないか。 (2)障害者110番の対応  当該会場の管理部門へ問い合わせを行い,コンサート主催者へ合理的配慮の徹底を行ってもらうことを要望。 指導・紛争解決体制について 相談・紛争解決のフロー まず,差別事案が発生した場合,市の相談窓口に相談がなされます。この窓口では,説明・情報提供,調整・あっせん,関係機関への通知がなされます。ここで解決が図られる場合と,未解決となる場合とで分けられることになります。ここまでが第1の段階で,「相談対応」の段階といえます。 第1の段階で未解決となった場合,市長への申出がなされます。申出を受けた市長は,必要に応じて指導・助言などを行いますが,その前に,推進会議の意見を聴くことになります。この推進会議の意見をもとに,市長は指導・助言を行うかどうかの判断を行うことになります。ここで解決が図られる場合と,未解決となる場合とでまた分けられます。ここまでが第2の段階で,「行政指導」の段階といえます。 なお,相談窓口と推進会議の関係ですが,相談窓口から推進会議に対し相談内容の報告を行ったり,逆に推進会議から市相談窓口に対し対応策の助言を行ったりするなど,相談窓口と推進会議は,適宜,連携をしながら問題解決に当たっていくことになります。 第2の段階で未解決となった場合,つまり,指導や助言を受けた者が正当な理由なくその指導や助言に応じなかった場合は,市長が必要に応じて勧告を行うことになりますが,その前に,審査会の意見を聴きます。この審査会の意見をもとに,市長は勧告を行うかどうかの判断を行うことになります。ここで解決が図られる場合と,未解決となる場合とでさらに分けられます。未解決となった場合,市長が必要に応じて公表の措置をとることになります。ここまでが第3の段階で,「更なる行政指導等」の段階といえます。 なお,点線の矢印でお示ししておりますが,第2の段階の「指導・助言」の後の状況については,推進会議に対するフィードバックが,適宜,行われることになります。 指導・紛争解決体制 ・市による指導・助言等の実施(条例制定により,主務大臣にある行政指導の権限を市に付与) ・専門的意見を聞きながら取組みを進めるための附属機関を2つ設置  @福岡市障害者差別解消推進会議:差別解消に関する施策の調査審議,市が指導・助言を行うべきか否かの意見等  A福岡市障害者差別解消審査会:市が勧告を行うべきか否かの意見 ○福岡市障害者差別解消審査会の所掌事務 審査会は,第17条の規定による諮問(※)に応じ,当該諮問に係る事案について調査審議を行う。 ※第17条の規定による諮問:指導・助言を受けた事業者が正当な理由なく当該指導・助言に従わなかった場合に市長が諮問 (条例第27条。第26条〜第31条に「審査会」に関する規定)