法務省委託事業「ココロンセンターだより」90号 発行:令和4年12月 発行元:福岡市人権啓発センター 所在地:〒810-0073福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号健康づくりサポートセンター(あいれふ)8階 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp 電話番号:092-717-1237(代表)、092-717-1247(人権啓発相談室) FAX番号:092-724-5162 CONTENTS「主な内容」 1ページ ココロンセミナー 2ページ 校区人権尊重推進協議会の紹介 3ページ 福岡市人権尊重週間、人権啓発推進指導員のコーナー 4ページ こころのオルゴール、新着図書の紹介 1ページ(ココロンセミナー) ココロンセミナー 考えてみませんか? あなたの人権 わたしの人権 ココロンセンターでは、人権問題を身近に捉えていただくための講座を年6回開催しています。 今回は、令和4年度後期の講座をご案内します。 あなたの身の回りにある「人権」について学んでみませんか? スケジュール 第4回障がい者の人権 日時:1月28日(土曜日)14時~16時 会場:福岡市市民福祉プラザ「ふくふくプラザ」ふくふくホール テーマ:災害と障がい 講師:熊本学園大学 社会福祉学部教授 東 俊裕(ひがし としひろ)さん 講演後、障がい当事者とその家族と東先生とのパネルディスカッションがあります。 定員:120人 第5回LGBT 日時:2月18日(土曜日)14時~16時 会場:福岡市健康づくりサポートセンター「あいれふ」10階 講堂 テーマ:LGBTQ の存在をもっと身近に 講師:NPO法人カラフルチェンジラボ 濱田 貴士(はまだ たかし)さん 定員:60人 第6回高齢者の人権 日時:3月18日(土曜日)14時~16時 会場:福岡市健康づくりサポートセンター「あいれふ」10階 講堂 テーマ:人間関係を良くするためには 講師:元北九州市教育委員会 社会教育主事 中嶋 正信(なかしま まさのぶ)さん 定員:60人 いずれも事前申込要(先着) 受講料無料 申込方法:ホームページの申し込みフォームから。 または電子メール・FAX・はがきの場合は、件名「ココロンセミナー第○回申し込み」とし、氏名・連絡先(電話番号・メールアドレス)を必ず記載してください。 1ページは以上です。 2ページ(校区人権尊重推進協議会の紹介) 「あたたかい長丘 すみよい長丘」を願って ~長丘校区人権尊重推進協議会~ 秋晴れの昼下がり、今日も、公民館には、隣接する長丘小学校の校庭で遊ぶ子どもたちの歓声が聞こえてきます。 長丘校区人権尊重推進協議会は、平成6年7月23日に設立され、スローガンを「心の通い合った、あたたかい長丘!住みよい長丘!」と決め、今日まで活動を続けてきました。このスローガンは現在「あたたかい長丘 すみよい長丘」として、受け継がれてきています。 ◇1年かけて1テーマを深める 人尊協の活動は年度のテーマを決めるところから始まります。福岡市の人権8課題をもとに、人権というテーマから、その時に問題になっていること、考えなければならないことを話し合い、時間をかけて1つに絞っていきます。 令和3年度は「ジェンダー平等を実現しよう~SDGsから考える~」としました。 このテーマをもとに、講演会を企画し、その内容を広報誌にも掲載し、テーマが深められるようにしています。ちなみに、昨年度はNPO法人福岡ジェンダー研究所理事倉富史枝様をお招きし、ジェンダー平等に関する講演会を催しました。さらに、毎年、小学校に依頼する人権標語のテーマの1つとして、「SDGs」を取り上げていただき、大人も子どもも1つのテーマについて考えが深められるようにしています。 実際の参会者の感想と長丘小学校6年生の人権ミニポスター(=写真)をごらんください。 講演会参加者の感想(令和3年度) 自分の意識や身近な地域の中にも知らず知らずのうちに「ジェンダー不平等」があるのではないかと考えました。反省です。身の回りから意識し直していきます。(70代以上男性) 人権ミニポスター(「ちかみち」59号掲載)の写真 写真の説明 額縁に入ったミニポスターが左右に2枚ある。 左側のポスターは、中央に地球のイラスト、地球の上に「SDGs」の文字。地球の下に「17GOALs」の文字 右側のポスターは、日本、アメリカ合衆国、スウェーデンなど様々な国旗のイラスト。「不平等を無くそう」の文字 写真の説明終わり ◇本年度は「ヤングケアラー」 本年度はテーマとして「知っていますか ヤングケアラーのこと~SDGsから考える~」を取り上げています。「ヤングケアラー」は、比較的新しい課題であるため、講演会の前に、7月に人尊協委員で「ヤングケアラーを支える地域を目指して」という研修会を催しました。ここで研修した内容を踏まえ、12月に、校区全体に向けての講演会を催す予定です。 ◇小学校との絆~人権標語・ミニポスター~ 毎年、長丘小学校の4~6年生に人権標語・ミニポスターの作品募集にご協力いただいています。 その年度の人尊協のテーマを意識したもの、日ごろ、その子が感じている友達関係に関することなどを子どもたち自身の言葉や絵で表してくれています。応募率は80%以上と高く、先生方のご協力も得られ、うれしく思っているところです。 応募された作品は、数点を広報誌に掲載するとともに、4か月にわたって、全作品を6回に分け、公民館のロビーに掲示しています。クラスごとにすべての作品を掲示いたします。 中には、我が子の作品を見に親子で来館される姿もあり、ほほえましく思っているところです。掲示が長期間に渡りますので、小学校からメールで、クラスごとの掲示期間を保護者にお知らせいただいています。 ◇広報誌「ちかみち」に寄せる想い 設立当初から広報誌は発行され「人尊協だより」というタイトルで不定期に発行されていたようです。平成12年の第15号から紙面がA3になり読みやすくなりました。そのタイミングでタイトルを「ちかみち」としました。広報誌を通して、人権について広く校区の方に考えてもらい、あたたかい校区になるための「ちかみち」になろうという考えでした。広報誌を手にとっていただくために、「ちかみち」には、第18号から手作りの「人尊クロスワード」を掲載し、ご好評を得ています。 その年度のテーマをもとに、キーワードを決め、クロスワードを人尊協広報委員が作成します。正解者の中から毎号10人に図書カードを進呈しておりますが、応募の際に、「ちかみち」の感想を寄せてくださる方もおられます。「紙面が明るく読みやすい。」「勉強になった。」などの声をいただき、委員一同励みにしています。 「あたたかい長丘 すみよい長丘」。コロナ禍の終息を願いつつ、これからも校区の方々のお力を借り、支えていただきながら人尊協の歩みを進めて参ります。 (長丘校区人権尊重推進協議会会長 田中 美紀さん、長丘公民館主事 大隈美也子さんの話により構成) 田中会長と大隈主事の写真 人尊クロスワード(「ちかみち」59号掲載)の写真 2ページは以上です。   3ページ上部(福岡市人権尊重週間) 福岡市人権尊重週間 12月4日~10日 福岡市では、12月4日~10日を「福岡市人権尊重週間」と定め、その期間中に、皆様から応募ありました「人権尊重作品」の入選作品を各区市民センタ-で展示します。 ◇人権尊重週間ポスター ポスターの説明 横一列に肩を組み合う男女5人の後ろ姿 5人の上に「違いを認め合う社会へ」の文字 5人の下に「福岡市人権尊重週間 12月4日~10日」の文字 ポスターの説明終わり 令和4年度福岡市人権尊重週間作品 福岡市立高宮中学校1年生 岩本 和佳奈(いわもと わかな)さんの作品 ◇標語 きめないで ぼくにも好きな 服がある 令和4年度福岡市人権尊重週間作品  福岡市立西高宮小学校 6年生 寺本 陽(てらもと はる)さんの作品 3ページ上部は以上です。 3ページ下部(人権啓発推進指導員のコーナー) 人権啓発推進指導員のコーナー ◇隣人としての日本人 爽やかな秋晴れのある日のこと。13時前に銀行に着くと、昼休みでシャッターが閉まっていた。その前に東南アジア系の若い女性が1人立っている。「待ってるんですか?」と聞いて、私も一緒に並んで待つことにした。 隣同士、自然と話し始めた。ネパールから出てきたと聞いて、思わず、2年間ネパールで生活していた娘の話をした。「ネパール人はとても親切だった。また行きたい」と話していたことを伝えると、「うれしい」と笑顔になった。逆に「日本はどう?」と聞いたときは「うーん」と間があって、「日本の良いところは安全なところ。バイトが遅くなって夜1人で歩いても大丈夫です」と答えた。 シャッターが開き始めると、彼女はにこにこしながら「話してくれてありがとうございました」と頭を下げた。「私の方こそ楽しい待ち時間でしたよ」と応えながら、彼女の言葉が妙に気になった。「ネパールではたくさんの人が日本に出稼ぎに行った一方で、帰ってきた人からは二度と日本に行きたくないと話す人も多い」という娘の話を思い出した。彼女も同様の思いをしているのではと不安な思いが胸をよぎる。 日本に観光で来ている外国人へのアンケートでは、「日本人は親切」という人がほとんどである。それが日本に住むとなると、日本人からの差別や冷淡さに苦労している外国人が多いという現実がある。 隣人としての日本人はどうなのか。日本から帰った彼女が「日本人はとても親切。また行きたい」と話してくれるような国でありたい。(吉田) ◇路線バスでの光景から 先日、路線バスに乗りました。その日の車内は少し混んでいました。このような状況の中で、お年寄りの方に席を譲る姿を見ました。 そのときの会話は、「どうぞ」「ありがとう」です。そのような光景を見ると爽やかな気持ちになります。 ある日には、優先席に座り、スマホに熱中しているのか、前に立っている妊娠されている方をチラッと見ても、何も感じていないように見える方もおられます。 私は「こちらにどうぞ」と声をかけてみました。「ありがとう」と返ってきました。 この言葉のキャッチボールにより私自身も心地よく感じました。 心は「言葉」と「態度・行動」で表すことができるのではないでしょうか。「どうぞ」は思いやり。「ありがとう」は感謝の心を表しています。 日常の生活や職場・学校など、さまざまな場面で、自分の周りのことに気を配って、人の困りごとや痛みを感じ取ること。共生社会の実現のために大切なことだと思います。 遠慮したり無関心な自分から、自分に何ができるかを考えてみること。 そして、「言葉」や「態度・行動」で表すこと。そのことが最初の一歩になると思います。 「どうぞ」「ありがとう」素敵な言葉です。(堀内) 3ページ下部は以上です。 4ページ上部(こころのオルゴール) 令和4年度福岡市人権啓発ラジオ番組「こころのオルゴール」 5分間のラジオ番組「こころのオルゴール」では、3人のナレーター(=写真)が、身近な人権問題をオルゴールの音色に乗せてお伝えします。人権作文も紹介します。 過去の放送音源とシナリオは、市ホームページ(「福岡市人権啓発センター」で検索)に掲載しています。 放送局:クロスFM 放送日時:12月1日(木曜日)~12月21日(水曜日) 午後4時53分~、令和5年2月1日(水曜日)~2月21日(火曜日) 午前7時52分~※土・日曜は除く 写真の説明 HKT48松岡はな、岡澤アキラ、こはまもとこの写真 「私たちがお届けします」の文字 写真の説明終わり 4ページ上部は以上です。 4ページ中部(新着図書の紹介) ココロンセンターライブラリー 人権問題に関する書籍、まんが、絵本、DVDを入荷しました。貸出を行っています。ぜひ、ご利用ください。 新刊紹介 書籍「やさしい猫」 著者:中島 京子 発行所:中央公論新社(2021年8月刊) パステルカラーの装画に不思議なタイトル。物語の冒頭、練乳に熱々の濃い紅茶を注いでスリランカのミルクティーを作る場面が描かれ、思わず物語に引き込まれます。 女子高校生の「わたし」こと「マヤ」が語り手となり、彼女の母シングルマザーである「ミユキさん」が年下のスリランカ人「クマさん」と恋に落ち、葛藤しながらも3人で家族になっていく様が描かれます。ところが、クマさんはビザの更新ができず、不法残留で東京入国管理局に収容されてしまいます…。 日本の入管行政における人権侵害を家族の視点から描き、静かに告発している作品です。令和3年3月のスリランカ人のウイシュマさんが名古屋の入管施設で死亡した事件、外国人技能実習生に違法に労働させ、搾取し、失踪に追い込む日本の外国人労働の在り方―。 そういう重いテーマを、日本人の家族の視点から、マヤの成長を織り込みながら読みやすく書かれた本です。(第65回吉川英治文学賞受賞) 4ページ中部は以上です。 4ページ下部 人権擁護委員が表彰されました 下記の方が、人権擁護委員として、永年その職にあり、職務上の功績が顕著であるとして、令和4年10月24日に、法務大臣表彰を受けられました。 法務大臣表彰 森川 晴(もりかわ はるひ)様 4ページ下部は以上です。 これで「ココロンセンターだより」90号は終わりです。