資料4別添1 福岡市障がい者地域生活支援拠点等整備事業実施要綱 (目的) 第1条 この要綱は,障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)(以下「障害者総合支援法」という。)第87条第1項の規定に基づく障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成18年厚生労働省告示第395号)(以下「基本指針」という。)に基づき,障がい者の重度化,高齢化や「親なき後」の生活の安心も見据え,障がい者若しくは障がい児(以下「障がい者等」という。)の地域生活への移行や地域生活の継続を推進し,障がい者等が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう居住支援支援機能の強化を図ることを目的として福岡市が実施する福岡市障がい者地域生活支援拠点等整備事業(以下「本事業」という。)の実施について必要な事項を定める。 (定義) 第2条 この要綱における用語の定義は,障害者総合支援法に基づく法令及び条例の定めるところによるものとする。 (実施主体) 第3条 本事業の実施主体は福岡市とする。ただし,実施に当たっては,福岡市内の指定障害福祉サービス事業者,指定障害者支援施設,指定一般相談支援事業者,指定特定相談支援事業者(以下「指定事業者」という。)に本事業の運営を委託して実施できるものとする。 (居住支援機能) 第4条 本事業において強化を図る居住支援機能は次の各号に掲げるものとする。 (1) 相談     障がい者等やその保護者又は障がい者等の介護を行う者からの生活全般に関する相談に対応し,必要な情報の提供や助言,障がい福祉サービスの利用支援,障害者等の権利擁護のために必要な援助を行うとともに,障がい者等の緊急時に24時間対応可能な相談支援を実施する機能。 (2) 緊急時の受け入れ・対応     介護者の事故や疾病など障がい者等の緊急時に,短期入所により一時的に受け入れ,必要な支援を提供するとともに,受け入れ後の地域生活継続に必要なサービスの調整などを提供する機能。 (3) 体験の機会・場の提供     障がい者等が親元からの自立や病院・入所施設からの地域移行に当たり,共同生活援助や日中活動事業所の利用など地域生活を体験する機会やその場を提供する機能。 (4) 専門性     医療的ケアや強度行動障害など,専門的な支援スキルを必要とする障がい者等の支援に対応可能な体制を確保するとともに,専門的な支援スキルを有する人材を育成する機能。 (5) 地域の体制づくり     障がい者等の様々なニーズに対応できるサービス提供体制の確保や指定事業者のネットワーク構築など地域の社会資源の連携体制の構築を行う機能。 (地域生活支援拠点等) 第5条 本事業における地域生活支援拠点等とは,前条第1項各号の全ての居住支援機能を確保した体制とする。 2 地域生活支援拠点等は,福岡市内のすべての区に整備する。 3 前条第1項各号の居住支援機能のうち,2つ以上の機能を有する指定事業者または1つ以上の機能を有するとともにその他の障害福祉サービスを提供する指定事業者を多機能拠点とする。 4 地域生活支援拠点等の整備にあたっては,前条の居住支援機能を多機能拠点に極力集約し,集約できない機能はその機能を担う指定事業者やその他の障がい者等の支援に関する事業者及び地域住民の団体などとの連携体制を構築して整備(以下「面的整備」という。)する。 (相談機能の確保) 第6条 相談機能の確保は,福岡市が実施する区障がい者基幹相談支援センター事業において区障がい者基幹相談支援センター(以下「区基幹センター」という。)の業務を行う指定事業者が実施する。 (緊急時の受け入れ・対応機能の確保) 第7条 緊急時の受け入れ・対応機能の確保は,福岡市内の指定短期入所事業者の事業所において,緊急時の受け入れ・対応を行う居室及び支援者を確保するとともに,受け入れを行う事業所内の準備や受け入れに係る障がい者等の保護者,介護者,障がい福祉サービス事業者及びその他の障がい者等の支援を行う者(以下「関係者」という。)との調整並びに受け入れ後の生活支援の調整を行うコーディネーター(以下「緊急対応コーディネーター」という。)を配置し,常時障がい者等の受け入れが可能な体制を整備する。 2 緊急時の受け入れ・対応機能における緊急時の受け入れとは,介護者の急病等やむを得ない理由により,受け入れを行う日の前々日以降に受け入れ要請があった場合とし,受け入れ期間は原則1週間とする。 3 緊急時の受け入れ・対応機能は,障がい特性に応じた適切な支援を行うため,受け入れ対象別の類型を次の各号のとおり定め,その類型ごとに市内に1ヵ所以上確保する。 (1) 主として重度身体障がい者(肢体不自由1・2級)及び医療的ケアを必要とする者を受け入れ対象とする緊急時の受け入れ・対応機能を類型Tとする。 ただし,医療的ケアを必要とする障がい者等は,原則として,たんの吸引,経管栄養等福祉型短期入所事業所で提供可能な程度の医療的ケアを必要とする障がい者等を受け入れ対象とする。 (2) 主として強度行動障がいを有する障がい者等(原則として行動援護の支給決定者)を受け入れの対象とする緊急時の受け入れ・対応機能を類型Uする。 (3) 虐待を受けた障がい者等またはその他の理由により緊急対応を必要とし,類型T及びUの受け入れ対象以外の者の緊急時の受け入れ・対応機能を類型Vとする。 4 前項2号及び3号は,福岡市内で施設入所支援又は共同生活援助を提供する事業所に短期入所を併設して実施する。ただし,施設入所支援又は共同生活援助を提供する事業所に短期入所が併設されていない場合であっても,施設入所支援又は共同生活援助と短期入所が一体的に提供できると認められる場合はこの限りではない。 (体験の機会・場の提供機能の確保) 第8条 体験の機会・場の提供機能の確保は,第4条第1項第5号に規定する地域の体制づくりにおいて,地域内の指定事業者との連携体制を構築し,日中活動及び共同生活援助のサービスの提供状況を随時把握するなどにより,体験の機会・場の提供を希望する障がい者等へ情報提供及び利用調整を行う体制を整備する。 2 第7条第1項の緊急時の受け入れ・対応を行う居室を,緊急時の受け入れ・対応に支障のない範囲で,体験の機会・場として活用する。 (専門性の機能の確保) 第9条 専門性の機能の確保は,第7条第1項の緊急時の受け入れ・対応を行う居室を確保する事業所へ医療的ケアが必要な者,強度行動障がいを有する者及び虐待その他の緊急事態に対応可能な専門的な能力を有する人材を配置する。 2 市内の1つ以上の指定事業者において専門的な支援能力を有する人材の育成に係る研修を行う。 3 一人の障がい者等に対し複数の指定事業者が同時に支援を行い,支援の個別性が高い障がい者等の支援方法を伝達する支援(以下「共同支援」という。)を専門的な支援能力を有する人材育成のための実地研修として実施する。 (地域の体制づくり機能の確保) 第10条 地域の体制づくり機能の確保は,区基幹センターが実施する。 2 区基幹センターは,福岡市障がい者等地域生活支援協議会(以下「協議会」という。)の区部会を中心として,保健・医療,福祉,教育,地域関係者(以下「関係機関」といる。)とのネットワークを構築し,地域全体で障がい者等を支援する体制の整備を行う。 (地域生活支援拠点等の整備状況の評価) 第11条 地域生活支援拠点等の各区の整備状況について次の各号に掲げる項目について定期的に評価を行い,福岡市の地域生活支援拠点等の整備及び居住支援機能の強化に努める。 (1) 各区の地域生活支援拠点等の面的整備の状況。 (2) 地域の体制づくりで行う関係機関とのネットワークの緊急時の支援における実効性。 (3) 緊急時の受け入れ・対応機能の受け入れ要請への対応及び受け入れ・対応状況。 (4) 地域生活支援拠点等の機能を担う指定事業者の専門的人材の確保・育成状況。 2 前項各号の評価は,福岡市が定期的に地域生活支援拠点等の機能を担う指定事業者の調査を行うとともに,協議会及び区部会において評価項目に関する実施状況の報告を行い,地域生活支援拠点等の充実・強化に必要な課題の抽出を行う。 (事業の委託) 第12条 本事業の運営を委託により実施する場合は,公募により受託者を選定する。ただし,事業の実施状況が良好な時は,4回を限度に委託契約を更新できるものとする。 (費用の支弁) 第13条 市長は,本事業の運営を委託により実施する場合は,運営に係る経費として市が算定した費用を,受託事業者に対して委託料として支弁するものとする。 (秘密の保持) 第14条 本事業の業務に従事する者は,職務上知り得た利用者に関する秘密を漏らしてはならない。また,その職務を退いた後も同様とする。 (その他) 第15条 この要綱に定めるもののほか,この要綱を実施するに当たり必要な事項については別に保健福祉局長が定める。   附 則  (施行期日)  この要綱は,平成29年9月1日から施行する。