第4回障がい者保健福祉専門分科会 【事務局】 定刻になりましたので、ただ今から第4回福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会を開催いたします。  事務部門を担当いたします福岡市保健福祉局障がい者部長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は委員総数22名のところ、ちょっと遅れられるということでございますけど、現在17名の方がご出席されております。過半数の要件を満たしておりますので、福岡市保健福祉審議会条例の規定により本分科会は成立しておりますことをご報告申し上げます。  また、福岡市情報公開条例に基づき、本専門分科会は原則公開となっておりますのでよろしくお願いいたします。  では委員の皆さまに事前に送付しておりました資料の確認をさせていただきたいと思います。委員名簿、座席表、それと資料1「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例の原案修正に係る趣旨説明について」という資料、それと資料2「相談・紛争解決のフロー図」、それと資料3「基本理念について」、資料4としまして「条例(修正案)」を付けております。それと参考資料といたしまして、「福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議報告書」ということでお送りしております。  それと直接今日の議題の資料ではございませんけれども、第1回、第2回でご議論いただきました「福岡市障がい福祉計画(素案)」ということで、お手元のほうにパブリックコメントの資料も委員の方々にはお配りしておりますので、後ほど私のほうからご説明を差し上げます。  それとこちらは委員のみでございますけれども、委員からA4横の「あなたの一声が目の見えない人の命を救います」というペーパーがございます。こちらも配布しておりますので、これも後ほど委員からご説明いただくということになってございます。  資料等の漏れはございませんでしょうか。  それでは本日の会議次第についてご説明いたします。お手元の会議次第をご覧ください。今回は前回に続きまして「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」の1件となってございます。  それではこれより先の会議進行につきましては、会長のほうにお願いしたいと思います。会長、よろしくお願いいたします。 【会長】 それでは本日の第4回障がい者保健福祉専門分科会の議事を始めたいと思います。委員の皆さまには、本日は第4回ということで、第3回で議論が終わらなかったので特別においでいただいてどうもありがとうございます。本日は議事はこの条例の修正案1本だけです。実りのある分科会にしたいと思います。  それでは最初に、この修正案につきまして事務局のほうからご説明をよろしくお願いします。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。それでは議題を進めさせていただきます。座ったままでご説明させていただきます。  それではまず資料1の「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」原案の修正にかかる趣旨説明についてと記載されたものをお願いいたします。資料1でございます。  条例の原案につきましては前回のご議論でいただいたところでございますが、その際のご意見を踏まえて、前回お示しいただいた条例原案を修正しております。この資料はその修正の趣旨や理由を記載したものでございます。  それでは1ページ目をお願いいたします。まずこの資料における略称の説明をいたします。中にあります検討会議原案というのは、今回も参考資料として配布しておりますが、条例検討会議の報告書でまとめられた条例原案のことでございます。前回案というのは、前回の本分科会で提示しました条例の原案。では説明を続けさせていただきます。  まず資料1の1ページ目でございます。この中身についてでございますが、検討会議の原案、それから前回案から修正があった箇所について下線を引いてございます。  まず1ページ目、目次でございますが、第1章と第3章の間に第2章「基本理念」というのを第6条として新たに設けております。そこでこの1ページの一番下のところに、「修正の趣旨・理由」というのを示しております。変更前におきましては、基本理念は条例全体に通底する基本原理であることから総則のほうに規定しておりましたが、前回、基本理念を1つの章として独立させるべきとのご意見があったため、第2章として独立して規定をしております。  次の2ページをお願いいたします。定義の条文について修正をしております。一番下の枠囲みの中の修正の趣旨・理由をご覧ください。「障がい」および「障がい者」の定義について、前回、1つにまとめるべきだというご意見がありましたので、「障がい者」の定義に「障がいを含めること」という形で特記をしております。  次に3ページをお願いいたします。基本理念の条文について修正しております。一番下の修正の趣旨・理由をご覧ください。基本理念の第3号については、条例検討会議においてもさまざまな意見がございまして、「メッセージ性を重視して、何人も合理的配慮を行う必要がある旨の規定をすべき」との意見がある一方で、「個人の思想や言論を規制するおそれがあることを考慮して慎重に考えるべき」との意見がございました。  これにつきましては、前回の分科会におけるご意見を踏まえまして、条例のメッセージ性を強めるため、第2号を合理的配慮の不提供の禁止も併せた規定とすることとし、「何人も障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならないこと」といたしました。  また1ページのとおり、基本理念の章というのを独立させ、3章の前に第2章の基本理念の章という形で置いております。  4ページをお願いいたします。財政上の措置についての条文を新たに設けております。修正の趣旨・理由をご覧ください。財政上の措置に関する規定について、変更前の原案においては、福岡市の条例では一般的に規定を設けてないということや、財政上の措置に関する個別の規定を設けずとも条例が制定されれば一定の措置を講じるべきことが明らかになることから、規定は設けておりませんでした。しかし、前回、分科会において財政措置に関する規定を入れるべきとのご意見がございましたので、本条を新設しております。  5ページをお願いいたします。相談の条文について修正しております。修正の趣旨・理由のところでございますが、市に対してなされた障がいを理由とする差別に関する相談の名称につきまして、変更前の原案においては特定相談としておりました。前回の専門分科会において、「特定相談という表現が特定相談事業所と混同するため修正すべき」というご意見がありまして、今回、「個別相談」という形に修正をしております。  次に6ページをお願いいたします。市長への申出について修正しております。修正の趣旨・理由の枠囲みのところでございますが、どのような事案を行政指導を見据えた市長への申出の対象にするかについて、変更前の原案においては、相談の段階では市による差別事案と事業者による差別事案を区別することなく受け付けるとした上で、市による差別事案について市長に申出を行い、市に対して行政指導を求めるということは背理であるということから、解釈上の疑義が生じないようにするため、市長への申出の対象を事業者による差別事案のみとする規定としておりました。  そこで前回の専門分科会において、「事業者による差別事案だけを市長への申出の対象とするのは妥当ではなく、行政による事案も含めるべきである」とのご意見がありまして、対象を限定しない規定に修正する形にしております。この修正により、市による差別事案についても市長への申出の対象となります。この点につきましては、市長に対し必要な措置を講じること等を求めるという規定をすることにより、申出を行う人は市長が市に対し行政指導を行うことを求めるのではなく、市に対して必要な措置を求める規定という形にしております。  7ページをご覧ください。指導または助言の条文でございますが、こちらも修正をしております。修正の趣旨・理由をご覧ください。第15条で「必要な措置を講じること」という文言を追加した関係で、本条も同様に追加しております。障がい者差別解消推進会議の意見を聞いた上で、市長は行動に移るということでございます。  次は8ページをお願いいたします。推進会議の組織及び委員の条文について修正しております。修正の趣旨・理由のところでございますが、障がい者差別解消推進会議の委員の資格要件について、変更前の原案においては、「障がい者ならびに福祉、医療、教育、雇用、その他障がい者の権利の擁護について優れた見識を有する者」と規定しておりましたが、前回、「見識だけではなく、障がい者にかかわった経験を有することも委員の資格要件とすべき」とのご意見があったため、「実務経験」の文言を追加しております。  9ページ目をお願いいたします。審査会の組織及び委員の条文について修正しております。修正の趣旨・理由でございますが、障がい者差別解消審査会の委員の資格要件について、変更前の原案においては、「優れた見識を有する者」と規定しておりましたが、前回の議論の中で「実務経験を有することも委員の資格要件とすべき」とのご意見がありまして、「実務経験」の文言を追加しております。  また変更前の原案においては、障がい者差別解消審査会において差別事案に関し、福岡市が勧告を行うべきかどうかを第三者の専門的な見地から公正な判断をする機関と捉え、委員の資格要件を「法律または行政に関して優れた見識を有する者」と規定しておりましたが、前回の「推進会議の審査会の委員は、障がいにかかわった経験を有することを要件にすべき」とのご意見がございましたので、「障がい者の権利の擁護」という文言を追加しております。  10ページをお願いいたします。専門委員の条文について修正しております。修正の趣旨・理由をご覧ください。障がい者差別解消審査会、専門委員の資格要件につきまして変更前の原案、こちらにおいてはどのような専門事項が問題になるかは具体的事案に応じさまざまであることから、「専門の事項に関する優れた見識を有する者」とのみ規定していました。前回の分科会において「専門委員についても障がい者にかかわった経験を有する者を入れるべき」とのご意見がございました。そのため先ほどの審査会の委員の条文と同様に修正をしております。  続きまして資料2をご覧いただきますでしょうか。A4の横でカラーで印刷しているものでございます。  前回の専門分科会で、全体の流れが分かりにくいとのご意見をいただきましたので、このようなフロー図を作成しております。この資料を使って、差別事案が発生した場合の全体のおおまかな流れを説明してまいります。  まず差別事案が発生した場合、市の相談窓口に相談がなされます。この窓口では、説明、情報提供、調整・あっせん、関係機関への通知がなされます。ここで解決が図れる場合と未解決となる場合とに分けられることになります。ここまでの段階が第1段階で、これが相談対応の段階と言います。  この第1の段階で未解決となった場合、市長への申出がなされるという形になります。申出を受けた市長は、必要に応じて相談・助言などを行いますが、その前に推進会議の意見を聞くことになります。この推進会議の意見を基に、市長は指導・助言を行うかどうかの判断を行うことになります。ここで解決が図れる場合と未解決になる場合とでまた分けられます。ここまでが第2の段階で、行政指導という段階でございます。  この第2の段階で未解決となった場合、つまり指導や助言を受けた者が正当な理由なくその指導や助言に応じなかった場合、この場合は市長が必要に応じて勧告を行うということになりますが、その前に審査会の意見を聞きます。この審査会の意見を基に市長は勧告を行うかどうかの判断を行うことになります。ここで解決が図れる場合と未解決の場合とにさらに分かれます。未解決となった場合、市長が必要に応じて公表の措置を取るということになります。ここまでが第3の段階ということで、更なる行政指導という段階と言います。という3つの段階に分かれて、各人に対しての対応をしていく、これが全体の流れになります。  ちょっと資料3を説明させていただきます。資料3の基本理念について、この資料は前回の分科会の中で資料2としてお配りしたものを、ご意見を踏まえまして修正したものでございます。  まず初めに、条例検討会議委員の想いについて記載しております。今回、参考資料としてお配りしている条例検討会議報告書、こちらにて条例検討会議委員の想いとして以下の5項目が挙げられてございます。条例検討会議では各委員の意見が一致しなかったものもございましたが、5項目については委員全員が一貫して抱いていた共通の想いをまとめたものでございます。「何人も合理的配慮をしなければならない」との規定を置くかどうかといった条例の骨格を成す本質的な内容については、この5項目を十分に踏まえた上で検討する必要があると考えております。  次に1の趣旨ということでございますが、合理的配慮に関する条例検討会議の条例原案第2条第3号の規定につきましては、条例検討会議の中で下記3のとおり意見が分かれております。意見が一致しなかったということで、本専門分科会で特にご意見をいただきたいと考えております。  2の論点でございますが、論点といたしましては「何人も合理的配慮をしなければならない」との規定を置くべきかどうか、それから他の理念規定の条文とは独立させて第7条の前に「何人も障がいを理由とする差別をしてはならない」との理念規定を置くべきかが考えられているところでございます。  次の3の条例検討会議委員意見でございますが、異なる2つの意見を記載しております。この条例検討会議の中の意見として、まずA意見としましては、「条例は法で解決できないものを解決するために規定すべきであり、メッセージ性が重要である。また早期に合理的配慮の考え方を浸透させるために、基本理念の規定に、何人も合理的配慮を行う必要がある旨を規定すべきだ」というものでございます。  次にB意見といたしまして、「障害者差別解消法では、個人の思想や言論を規制するおそれがあるため、一般市民については法による規制対象とはしておらず、本条例でも同様に考えるべきだ。合理的配慮は何らかの作為を求めるものであり、それは個人の思想や言論に入り込むおそれがあるものである。何人も合理的配慮をすべきであることはそのとおりだが、それは道徳的にそうであるということであり、法と道理とは区別すべきである」というものでございます。  次の2ページ目に入りますが、事務局の考え方でございます。前回いただいたご意見を踏まえまして、条例のメッセージ性を強めるために「何人も不当な差別的取扱いにより、障がい者の権利利益を侵害してはならないこと」としていた条文を、合理的配慮の不提供の禁止も併せた規定とすることにしております。条文といたしましては、「何人も障がいを理由とする差別により、障がい者の権利利益を侵害してはならないこと」といたしました。  また繰り返しになりますが、基本理念の章を独立させて、第3章の前に第2章「基本理念」という章を置いております。修正した条文は以下のようになってございます。以上が資料3の説明でございます。  それから資料4につきましては、今回、資料1のほうで説明した修正点を修正させた形で条例の修正案を作っているものでございますので、ぜひご確認いただけたらと思います。資料の説明は以上でございます。 【会長】 どうもありがとうございました。前回第3回でさまざまなご意見が出てまとまらなかったので、市のほうに前回出たご意見について対応案を考えていただきました。その上で、委員の皆さんのご意見を大体入れたような形での修正案が今説明されたと思います。  どういうことでも結構ですから、ご意見やご質問を伺いたいと思います。いかがでしょうか。 【委員】 障がいの定義について前回私のほうから説明して、この定義であると障がいの意味が2つあって紛らわしいので、1つにしたほうがいいんじゃないかということで一本化していただきました。ただし、私の説明不足で、うまく伝わってなかったので、改めて説明させていただきます。  前回の案では、2つに分けて「障がい」というものと「障がい者」というものをそれぞれ定義されています。「障がい」が身体障がい、知的障がい等々の心身機能の障がいを言うということで、障害者権利条約でいうインペアメントをここで規定しているのだと思います。  「障がい者」といったときに、前段の「障がいがある者であって」の障がいは、この心身機能の障がい(インペアメント)のある者であって、後段の「障がいおよび社会的障壁により」とある、この障がいも心身機能の障がい(インペアメント)を表し、 その心身機能の障がい(インペアメント)「および社会的障壁により継続的、断続的または周期的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう」としています。  そのため、「障がい者」の定義の中に、心身機能障がい(インペアメント)の意味と、今から障がい者差別解消条例ではそれだけではなくて社会的な制限、社会モデル的な要素を含んだ意味の社会的意味の障がいをいうんですよと、2つ言っていることになります。  そこで、 そういったことが一般の市民の啓発にとっては2つあることはかえって紛らわしいので、障がい者差別解消条例の対象としているのは社会的な意味の障がいですので、この後段部分をシンプルに「障がい」として定義したほうがすっきりするのではないかということで提案させてもらいました。  福岡市が示されている「障がい者」の定義は、障害者基本法や障害者差別解消法での障がいの定義と同じ定義であり、福岡市はそれを採用するという形になりましたが、私が前回の会議でお伝えしたかった本来の趣旨はそういった社会的な意味での障がいに一本化したほうが、この条例の目的に適ってすっきりしていいんではないかということです。  なお、障がいの定義については、どういった人を障がいがある人として対象とするか、障がい認定という問題が出てきます。これは浦和福祉大の寺島彰先生、障害者制度改革推進本部の委員もされてましたが、障がい者を含む法律関係は500以上あります。その中で、全て障がい者の定義というのはそれぞれの制度で異なってますので、より法の趣旨、条例の目的に合った定義の仕方を採用するのが合理的だと私自身は考えます。  それから前回は、障がい者ということが健常者と障がい者というふうに対立的なイメージを想起するので、これも障がいのある人というふうに一本化したらどうですかということを提案させていただきました。今回はそれは見送られたわけですが、政府の障害者基本法や障害者差別解消法は障害者というふうに規定してますが、障害者権利条約やADAではPerson with Disabilities、Americans with Disabilitiesと、障がいがある人というのが正しい訳になります。  また、既に差別禁止条例、差別解消条例を施行している奈良県や和歌山市、松江市とも、文言上、「障がいのある人」あるいは「障がい」と定義されていますので、前例があり、何か不都合や差し支えがあるとは思いません。  そのため、改めて「障がいのある人」という言い方についても検討していただければと思っております。以上です。 【会長】 「障がい者」というのを「障がいのある人」で統一するという意味ですか。 【委員】 そうです。実際、ほかのところでもそれで統一した条例もあります。 【会長】 それが1点ですね。もう1点は社会的障壁というふうに明記されてますから、ここの分はもうこの修正でいいような気がしますが、いかがでしょうか。 【委員】 この条令では、社会的障壁により制約を受けていること等を含めたものが対象となる障がいですよというのが大事な点であり、障がいの意味が心身機能障がい(インペアメント)の意味と、社会的な意味の障がいと2つ今は並立している感じなので、後半の社会的な障壁も含めた社会的な意味の障がいに一本化するのが分かりやすいのではないかなというふうに個人的には思います。  ここは、委員皆さんの見方や見解を聞いて、議論いただければというふうに思っております。 【会長】 では最初のほうからいきますが、「障がい者」を「障がいがある人」に全て統一するかどうかですね。このあたりいかがでしょうか。福岡市のほうはどうですか。 【事務局】 福岡市の障がい者在宅支援課です。障がい者を障がいがある人という表現にした場合、条例の中の文言の言い回しにちょっとかかわってくるところがございますが、障がいがある人という形で全部通した場合、この条文の中ではほかにそれ以外の方を表わす表現もあって、障がいのない人を「障がいのある人でない人」とか、そういうちょっと難しい、かえって複雑な言い回しになります。ですので、ここは障がい者という形で統一させていただいているところです。  それから社会的障壁の部分についての障がいというのを、もう少しその意味だけに取り上げるべきだというご意見です。障がい者という定義につきましては、社会的障壁というのが、委員がおっしゃったインペアメントだけではなくて社会的障壁も併せて障がい者だというふうにみなすという考え方でございます。ただ、社会的障壁だけでそれで障がい者であるという形ではないので、やはりここは併せた形で障がい者という定義をしておるところです。こちらは障害者差別解消法、それから障害者基本法の中でも同じような表現をしておりますので、そこは同じ形でとさせていただいているところでございます。以上でございます。 【会長】 2つ話があるので、1つずつ片付けていかないといけないんですけれども、障がい者を障がいのある人というふうに全部置き換えた場合にどこが悪いんですか。もうちょっと、条文のここがおかしいということを教えていただいたら分かりやすいと思います。 【事務局】 資料4のほうを見ながら説明させていただきます。障がいのある人という形と、特に障がい者でない人、条文で言いますと資料4の2ページの第2条の第4号、この中に不当な差別的取扱いの中で、「正当な理由なく障がいを理由として障がい者でない者と異なる不利益な取扱いをする」ということがあります。ここは障がいのある人という言い方をすると、障がいのある人でない人という、言い回しとして少し引っ掛かる言い方になってしまうので、ちょっとそこが影響があるだろうと。  あと、同じように、障がい者でない者という表現がいくつかほかにも出てまいります。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。今申し上げているのは、「障がい者でない者」と出てくるところがほかにもございまして、さっき申し上げた第2条第2号と第6条の第1号です。「すべての障がい者が、障がい者でない者と等しく」とか、第7条第4号のイのところ、「労働条件について障がい者でない者」というのが出てきますし、第10条、6ページの交流の推進のところで「障がい者でない者」と出てきますので、ここで障がいのある人等と対比するためには「障がいのある人ではない人」という規定の仕方をしなくちゃならなくなるということでございます。 【会長】 「障がいのある人」と「障がいのない人」ではいけないんですか。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。ここは非常に技術的なところで、言葉で言ってもおそらく分かりにくいところだろうなと思うんですが、仮に「障がい」を社会的障壁を含めた定義とすると、第2条第2号で社会的障壁を定義してまして、「障がい」の定義の中で社会的障壁という言葉が出てくる一方で、社会的障壁の中にも障がいという言葉が出てくるので、定義が堂々巡りになって、いわゆる循環論法になってしまうという問題がございます。  それから「障がいのない人」と言ってしまうと、今の定義だと心身の機能障がいのない人という意味になっているのですが、この条例の「障がい者」というのは、心身の機能障がいプラス社会的障壁によって制限を受ける者という意味でございまして、そうすると「障がい者でない者」に含まれるはずの心身の機能障がいだけがある人が、「障がいのない人」と言ってしまうと含まれないことになってしまうとか、そういったいろいろ細かい問題が出てきます。 【会長】 分かりました。じゃあ障がい者というふうに定義したときには社会的な障壁というのが入っているので、ここは障がい者でないといけないということですね。 【事務局】 はい。そうです。 【会長】 ということですが、委員、今の議論でよろしいでしょうか。 【委員】 私も同じことを言ってるつもりなんですが、今、障がい者と言われたけど、障がいをインペアメントの障がいだけを指すので、ここでは障がい者と言ったときに社会的制限を含める人も入れるんですよと、今説明がありました。なので、それに一本化したらどうですかということを言っています。「障がい者」ではなくて、「障がいのある人」というのは、身体、知的等々の心身機能の障がいがある者であって、心身機能の障がいおよび社会的、日常生活的な制限を受ける状態の者をいうというふうに一本化すれば、ここでは心身機能の障がいであるインペアメントだけを問題にすることはないと感じた次第です。 【会長】 そうした場合に、まず今、障がいのある人という言葉で通すかどうかということを少し議論してるんですけれども、そういたしますと障がい者という形で一応定義をして、そこに社会的な障壁のある方を含めるわけですね。 【委員】 そうですね。 【会長】 ですからそういうふうな定義をそこで入れないと、障がい者と障がい者でない人というふうな形で出てきますので、障がい者の定義に社会的障壁というのを入れると、全体を通じて障がい者というふうな形で書かないと法律的にうまくない。  条例としてまとまらないというか、はみ出る人が出るということですね。要するに、社会的障壁がないけど心身機能の障がいがある、そういうタイプの方の位置づけがちょっとうまくいかないというのが市の趣旨ですね。 【事務局】 はい。 【会長】 それは確かにそのとおりだと思います。法律としてはそれが正しいような感じを受けますね。文章としては「障がいのある人」というふうに書きたいところですけれども、やっぱり条例ですから、ここは「障がい者」と書いてきちんと定義したほうが整合性が取れるかなというふうに思いますけれども。ほかの委員の方はいかがでしょうか、この点について。  委員はいかがですか。この条例の中では、やはり障がい者と障がい者でない人というか、者というか、そういう形のほうが条例としてはきちんとしているという説明に納得できそうな気がするんですが、いかがでしょう。 【委員】 すみません、私はちょっとそこが理解不足のようで、障がいと言ったときにはインペアメント、機能障がいを言っておいて、障がい者としたときには社会的障壁で制限を受ける人も含めますよというのが何かすっきりしないのです。この条例の目的は、広い意味での社会的な要素を含めた障がいのある人を対象にしますよと言ったときに、これまでのインペアメントの障がいを単純に「心身機能の障がい」と言い換えて、「障がいのある人」を定義するのは何かまずいんでしょうかね?ただの障がいじゃなくて、心身機能の障がいということにすれば、社会的障壁の説明でも心身機能の障がい以外のことを指し示すので、区別できそうなように私は思ったんですけど。 【会長】 この条例における「障がい者」の規定というところで、障がいがあってかつ社会的障壁でいろんな制限を受けている人たち、そういうふうに定義されていますので、福岡市のご意見では「障がい者」は、心身機能の障がいとか障がいがあるけれども社会的障壁で制限を受けない状態の方がおられると。そういう方を障がい者でない者とした場合に、うまく定義できないんじゃないかということですね。 【委員】 ああ、なるほど。 【会長】 ここでの障がい者というのは。 【委員】 インペアメントだけの障がいがある人を。 【会長】 社会的障壁がある方ですね。 【委員】 はい。ということは、その障がい者というのを2つの要素、インペアメントの要素と社会的要素の2つ含めて言っているわけですよね。 【会長】 ここではそうですね。 【委員】 はい。市が懸念されているのは、インペアメントがあるけれども社会的な制限がない人もいるだろうと。 【会長】 そうですね。いると思います。そこのところが、ここの「障がい者でない者」とした場合に、これは障がいが全然ない人も含まれますし、心身のそういう機能の障がいがあっても社会的な障壁による制限がない人というのも、ここに含まれるわけですね。福岡市はそうですね。 【事務局】 はい。そのとおりです。 【会長】 だけど、ここで障がいのない人と言っちゃうと、障がいのない人と障がい者でない者というのは違うわけですよね。イコールではないわけですね。 【委員】 社会的な側面が抜けているということですよね。 【会長】 そうです。だからここの条例における定義としては「障がい者でない者」としないと、やっぱり整合性が取れないように私は感じます。福岡市の説明のほうが、条例としてはよく当たっているかなと思いますけどね。「障がいがない人」というふうに、障がいのある人、障がいがない人というそれだけでは。 【委員】 私の趣旨は、障がいと言ったときにインペアメントだけでなくて社会的な意味も含めて、2つを含めた意味で「障がい」と定義すれば、シンプルにこの射程範囲をカバーできるのかなというふうに思ったのですが、それでは隙間ができるということですよね。 【会長】 福岡市が言われるような隙間は確かにあると思いますね。障がいのある人と一般的に言う場合と、障がい者と言う場合で、少し定義を変えているわけですね、福岡市の場合。 【委員】 はい。福岡市は、インペアメントの障がいがあって、まったく社会的な制限を受けない人がいるということを想定されているわけですね。 【会長】 そこのところの書き方の問題ですね。 【委員】 はい。 【会長】 福岡市のほうはいかがですか、そこは。工夫できますかね、何か。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。今回、条例の定義というところにかかるものでございますので、ここはあまり誤解や解釈の違いがなるべく少なくなるような表現にしたいという考えがございます。一般的な障害者基本法においても障がいというのと障がい者というふうに、障がい者というのは、障がいおよび社会的障壁という考え方がございます。そこに統一した考え方に合わせて、そこの定義について同じような考え方にしたほうが誤解がないのかなというのがございます。  ただし、条例は条例として実際に今後いろんな広報・周知を、それから啓発を行っていく中では、障がい者という言い方よりも障がいのある方という言い方をするとか、その辺は今後の周知の中では少し言葉は使い分けていくという形で、そういうふうにやっていこうとは思っております。以上でございます。 【委員】 分かりました。あまりこのことで時間を取っても、他に検討すべき事項がありますので、以上のことは了解いたしました。 【会長】 どうもありがとうございました。「障がいのある人」というのを、社会的な障壁も含めて定義するということももちろんできるんですけれども、そうすると「障がいのある人でない人」みたいな形になっちゃうので、文章としてはちょっとどうかなという気も確かにしますね。  ですから、ここはやはり今回は「障がい者」というふうに条例の中ではさせていただいて、一般的には「障がいのある方」ということでお話しできれば、ご説明できればと思います。ここはそういうふうにさせていただきます。で、障がい者のほうには、障がいおよび社会的障壁という、この文章でさせていただきと思いますのでぜひご了解ください。  ほかにご意見がございましたら、どうぞお願いします。 【委員】 2点だけお尋ねします。第15条ですね。今回新たに、条例は福岡市も対象に含むという表現に変わりました。結果として、資料4の7ページの15条の3項ですね。「事業者は、前項の調査が行われるときは、これに誠実に協力しなければならない」とあります。ここは行政は入らないんでしょうか。つまり、事業者および福岡市はという表現にはならないんでしょうかというのが1点です。  第17条以降には行政職は書いてありませんが、行政も当然に助言および指導はあくまで上に従うという考えで提供していただくんでしょうか。2点についてお伺いします。 【会長】 いかがでしょうか、この点は。福岡市のほうで。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。1点目ですが、15条の3項ですが、市が入らないのかというお尋ねです。市が調査を市に対して行って、それについて市が誠実に協力するというのは、自分でやることについて自分が協力するといことになって、ちょっと日本語としてどうかなと思いますので、ここは入れてないということでございます。  2点目は、もう1度よろしいでしょうか。 【委員】 16条の指導又は助言等には、必要な措置を講じることとありますね。17条以降、審査会への諮問とかあるいは18条、19条まで、そこには福岡市については行政にはまったく触れてありませんが、行政の場合は当然に16条で指導に従うという前提でされたと思いますが。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。市については、指導・助言ということではなくて、今回修正しておりますが「必要な措置を講じること」ということにしております。ですので指導・助言ではなくて、市が自分自身に対して必要な措置を当然講じるということになっております。以上です。 【会長】 よろしいでしょうか。後半の16条の部分で、必要な処置を講じることということで、市のほうの問題に対してはこの1行だけでよいということですね? 【事務局】 そうです。その先の諮問とか勧告とかになることはないということです。 【会長】 ここが、16条の上に書いてあるのは「指導または助言等」とある「等」のところに、必要な処置を講じることが含まれるんですか。 【事務局】 はい。そのとおりでございます。 【会長】 ということですが、委員、いいでしょうか。  第15条の3の「事業者は誠実に協力しなければならない」と、市のほうは、僕は文章は確かにおかしいと思うのですが、市のほうが誠実に協力するというのは当たり前というふうな格好なんですかね。 【事務局】 この場合の、申出があった場合の調査の実施主体は福岡市になりますので、当然、調査に対しては福岡市としてしっかり対応しなければなりませんので、ここは言わずもがなのところで、言ってしまうとかえっておかしいかなと思っています。 【会長】 委員はいかがでしょう。今のご説明でよろしいですか。じゃあそれで納得したということでお願いします。 【委員】 今の質問についてなんですけど、行政も審査会の対象になるということで前回なったと思うんですけど、行政がこういった事案が起こった場合に、公表はされないんですか。このまま審査会の中で終わっちゃうんですか。必要な措置を取るとは言ってるんですけれど、どういったことが起こったのかとか、そういうことは公開されないということですかね。 【会長】 なるほど。公表というところですね。いかがでしょう? 【事務局】 障がい者在宅支援課です。今回、一応この条例の規定としては、行政に対して指導・助言ということではなくて、適切な措置を講じるという形になります。そこでは審査会にかけて公表するという手続きは特にございません。  ただし、実際にそういう調査をやる主体が福岡市でございますので、そこはしっかりと調査をしつつ、それに対して適切な処置を講じるということは着実にやっていくべきことだと思っております。また、これは市で単独でそこを全部判断するわけではなくて、差別解消の推進委員会等にも諮りながら、そこでご意見を求めながら対応していくという形で進めたいと考えておりますので、そういうことでご理解いただけたらと思います。 【委員】 しかし、差別事案があって、このフロー図を見れば、結局、相談窓口で解決しない場合には推進会議で議論して対応策を考える。それでも解決しなければ審査会でということなんですけど、そうするとどのように問題解決したのか、何があったのかということが行政の部分だけは公表されないということになるんですか、最終的には。審査会にいく前にもう全部必ず解決するということですか。  というかもう1つ疑問があって、市が市に対して審査するのはおかしいみたいな言い方をするんですけど、例えば警察とか消防とか、これって県の管轄の行政機関なんですよね。そういった部分は、こういった差別議案があった場合にどのように解決をやっていくんですか。ちょっとそこが分かりにくいなと。 【会長】 具体的に今おっしゃられましたけど、大事な点だと思いますが、市はそのあたりはどうお考えでしょうか。 【事務局】 最後のご質問の、ほかの行政機関で差別が行われた場合の処理の話ですけれども、それぞれ行政機関はもちろん法律で差別の禁止を規定されているところですし、合理的配慮も義務付けられておりまして、相談窓口も設置されております。それでそれぞれで基本的には相談を受けて、禁止されている差別について問題がある状況であれば改善措置をしてもらうということになるのが基本かなと思っています。 【会長】 そこのところで、例えば県警とかで問題が差別があったときに、市の相談窓口に相談してもいいんですか。 【事務局】 相談対応は可能です。 【会長】 そこに相談がいった場合に、その次はどうなるんですか。 【事務局】 第14条の第2項第3号に書いてあるとおりで、関係行政機関に対する通告、通報その他の通知が基本の対応になると想定しているところです。 【会長】 委員、いかがでしょうか。ほかの行政に関することに関して。 【委員】 ちょっとそれと関連して、資料1の9ページ、審査会のことなんですけれども、前回の専門分科会では委員に当事者を入れるべきだという意見が結構出ていたと思うんですが、今回その部分は外れているんですよね。例えばさっき言ったように、行政に対するそういった苦情というか差別事案が起きた場合に、この5人というメンバーではちょっと想定が難しいんですけど、書いているのは行政の人か法律の専門家か、5人なのでかなり限られている中で行政の事案があがったときに、議論が内部だけで処理されてしまうんじゃないかという、何かちょっとそういったような不安があるというか。なぜ当事者を入れなかったのかというのを、改めて説明は何もないなと思ってですね。 【会長】 組織及び委員の、第28条のところの委員5人の、その次の2というとこですね。福岡市のほうではいかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。今回の第28条の審査会の修正案でございますが、今回の修正では「障がい者の権利擁護について優れた見識を持つ者及び実務経験を有する者」という形で、障がい者の権利擁護についての実務経験がある方をそこに入れるという形で修正させていただいているところでございます。 【会長】 ということは、ここは障がいがある人ということを想定しているんでしょうか。 【事務局】 この規定で言いますと、必ずしも障がい者がという話ではないのですが、そこに実務経験、理解のある方が、当然そこに障がいのある方が入ることも十分想定できると考えております。 【会長】 委員はいかがでしょうか。 【委員】 僕も詳しく知らないんですけど、他の市のこういった条例では審査会を設けずに推進会議一本でこういった機能を持っているところもあると、確か聞いているんですけど、違いますかね。 【委員】 今、多分27都道府県といいますか、条例を持っているところは27ぐらいあるかと思います。その中で今回の条例原案は推進会議という名称、あるいは審査会という名称を使っているところでも、推進会議と審査会の主な機能といいますか役割というんですか、2つあるといいますか、まったく同じ名前でなくても2つあるところでも少しずつ機能が違ったりするので、一概にどちらがどちらとは言えない。それぞれの団体での条例の仕立て方というか、見られ方によって変わると思います。どちらが良いとかどちらが悪いとかいう、そういう調べはありません。 【委員】 差別事例をアンケート収集したときに、事例の中には行政を対象とした意見というか実態もかなりの数があったので、審査会の仕組みというか、何かちょっとどうなのかなと。じゃあ、どういったことがあったのかとかしっかりこう、結局、推進会議においては基本的には守秘義務を課せられるので、基本的にはオープンにならないですよね?  また、行政のやることなので、基本的には全てオープンにしなければならないと。結局、担当部署に「気を付けてくださいね」と言って終わっちゃうんですかね。行政の大体そういうものは甘いような気がして。 【会長】 この点は公表という問題になりますので、ちょっと今は別に考えていかないといけないんですが、まず推進会議と審査会という2段階のシステムは、それぞれの段階での機能が違いますから、こういう形でよろしいんではないかと思います。28条の2の「障がい者の権利の擁護について優れた識見及び実務経験を有する者」という規定の中に、「障がいのある人」と明記されていないので、少し不安が残るかなというのはあると思います。  それから行政のほうの公表というのは規定が全然ないので、これは委員の言われるとおりで、何らかの公表、行政のほうに問題があったときの公表ということについて、きちんとしておいたほうがいいかなと感じます。  市のほうはいかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。福岡市が不当な差別的取扱いを行ったというような事例が生じた場合につきまして、必要な措置を講じることもあり得ることですけれども、その際に公表するか否かはケースバイケースです。確かに悪質なケース、福岡市として本当にとがめられるような悪質なケースであれば、それは公表することも十分あり得るかなと想定しているところです。事実上の行為として公表はあり得る話なので、そこはケースバイケースで判断していきたいと考えております。 【会長】 それはよく分かるんですけれども、「必要な措置を講じること」というところに、公表することもあるということを明記しておいたほうがいいのではないかという意味です。 【委員】 審査会の機能の中に、公表するかしないかということは含めることはできないんですか。全てを公表するかどうかというのは大変かなと思うんですが、そういう機能が審査会の中に公表という形で。  それか委員がおっしゃったように、私もやっぱり推進会議とか審査会に当事者の方が入るというのは、そのときの選ばれる委員の先生も、その専門によって事案の内容によって変わるとは思うんですが、そのときに当事者の方も含まれる可能性があるということは明記されてもいいと思います。 【会長】 審査会のほうには公表する機能は当然ありますけれども、行政の部分が審査会のほうにいかないと言われるので、行政の部分が公表されるということはこの条例の中に一言も記載されていないというのが、多分問題ではないかと私は思いますけど。そこのところはクリアにしとったほうがいいと思います。  もし行政のことに対して、必要な措置を講じるということで終わって審査会のほうにいかないというのであれば、悪質なケースを公表するということは記載がないので、どこかに記載しないといけないと思います。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。もちろんそういう悪質なケースについて推進会議なりで公表すべきだということになれば、市として、事実上の行為として公表していくことは十分あり得るかなと思っております。  ただ、この条例でそれを規定するとなると、公表という言葉が違う意味で2カ所使われることになって、それはまた全体の整合性を考えないと、公表という言葉を使うのはちょっと考慮する必要があるかなと思います。以上です。 【会長】 何か分かったような分からないような気がするけど、ほかの委員の先生方はどうでしょう。市で問題が起きたときの公表ということ、書かなくてもいいのかということですね。いかがでしょう、どなたかご意見がありましたら。  委員はどういうふうに思われますか。 【委員】 ちなみに、特別支援学校というのは行政機関なんですか。それとも事業者に当たるんですか。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。特別支援学校は、公立の場合は行政機関に当たります。 【委員】 じゃあ、今のは市立ということで、市の管轄ということでいいと思うんですけど、さっき言ったように警察であったりとか市が直接タッチしていないところの事案が来たら、それぞれの行政機関に「こういったことがあったから必要な措置を取ってくださいね」と言って、そこで終わっちゃうんですか。そこの対策がどうなっているか、ちゃんとバックがあるんですかね、推進会議のほうに。  行政関係の問題についてのクローズアップのあれが、なんか途中ですっぱり終わってしまう感じがしてすっきりしないんですけど。 【会長】 福岡市はどう思われますかね、その点。 【委員】 事案の流れ図からずっと見ていく上で、対象というのは市長にくるかもしれないけど、市の問題、行政の問題も当然入ってくるわけですよね。だからこの流れ図はそのまま使うというのが一般的な考えですかね。だから、それがしないかもしれないという何かあれがあるということですか。  そこまで自覚が行政にないですよね。事案、目的とのケースでやっていかないといけないことも疑問だという気がしますけどね。行政だけ別とすることはないでしょう。 【委員】 さっきの説明だと、審査会に上げるのは、そこまでは行政の事案についてはないという説明がありましたよね。 【会長】 そうです。 【委員】 ですよね。それはやっぱりおかしいんじゃないかと。 【委員】 さっきの流れでしょ? 【委員】 はい。どこから来てるんですか。 【会長】 これはなかなか難しいことになりましたけれども、行政の問題を審査会のほうに上げないという理由は、福岡市のほうではどういう理由でそこを説明しておられましたか。 【事務局】 審査会の機能は、市長が勧告あるいは公表を行うかどうかについて、その意見を伺うという機関になっております。これはあくまで市が行政指導を行うかどうかを尋ねるというものになっていますので、そこに市の事案は入ってこないということでございます。 【会長】 なるほど。ここの福岡市行政手続条例というか、事業者に対する行政指導というのが第3段階のここになるんですね? 【事務局】 そうです。指導・助言に従わない場合の、次の行政指導という形での勧告および公表という。 【会長】 そういう意味合いですか。だとしたら、市の場合はその前の第2の段階で完結するということなんですかね。 【事務局】 そのとおりでございまして、第16条で「福岡市は必要な措置を講ずること」としておりますので、基本的に必要な措置を講じて終わりということになります。正当な理由もなく、必要な措置を講じないことは想定されないし、もし必要な措置を講じなかった場合は、自分で自分のことを審査会に諮問しなくちゃいけないということになりますので、それも通常あり得ない話ではないかと考えられます。 【会長】 講じないというのは、誰が判断するかということになるね。  どうぞ。 【委員】 ちょっと分かったような分からんような、何か言いくるめられているような感じもするんですが。  例えば先ほど言われたように、特別支援学校の校長先生いらっしゃるのに申し訳ないんですけど、特別支援学校のほうで例えば差別があったと、職員の差別があったと。それで親が相談窓口に相談しに行った。なかなか解決せんで、推進会議とかそっちのほうにいったと。それでも解決しなかった場合にはそこで終わってしまうという、単純にそういう話ですか。解決せんままでも、もう次には行けないと。  市は市のことを、言い方は悪いけど、裁くということでいいんじゃないんですか。行政の人であれ誰であれ、障がい者に対する差別をすると、こういう流れでやっていくというものではないんですかね。市が市を裁くみたいな話になっているかもしれないですけど、それでもそういう差別をしてあるんだから、そういうふうにされないと、事業者だけというのはどうも腑に落ちないです。 【会長】 私も腑に落ちないんですけれども、行政指導というのは対象が事業者なので、第3段階の書き方はこうせざるを得ないと思うんです。ただ、推進会議に諮って、今言われたようになおかつ解決しないような場合、そんなときどうするかというのはここにははっきりとないですね。 【委員】 今先生が言われたように、意味はよく分かるんですよ。だけどそういう場合にどうするのかというところも必要かなという気がします。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。相談の段階で解決できない場合、民間の事業者につきましては次の段階で指導・助言、さらには勧告というのがございます。  行政の場合どうするかという形ですが、相談の段階で解決しなかった場合に対しては、それに対しての申出は受け付けておりますので、それを受け付けた段階でどう対応するか。行政の場合は「必要な措置を講じる」という言い方をしておりますが、行政単独でそれを決定していいわけではございません。中に書いてありますとおり、推進会議に諮って、こちらのご意見を踏まえながらやっていくということでございますし、その後も改善が見られない場合について、推進会議がやはり中心的になって、これが本当にこれで終わりなのか、もう少し対応が必要じゃないかというところは、そういったご意見はしっかりと受けながら、行政としてはそこに対する適当な対応をしていくという形だと思います。  あと、推進会議の中に、今おっしゃった公表ということで22条、19条の公表ではなくて、そういった推進会議に行政も含めた事例や何かを広く周知していくみたいな、そういった形の判断なり、そういったのをするような規定を盛り込むことも検討はできるかなと考えております。  おっしゃったように、行政側についてはこれより先に何もしないというわけではございません。当然、行政だけでそこを判断するわけでもございませんので、そこは推進会議の機能のところをもう少しそういったような盛り込める形の修正を検討したいと思います。 【会長】 確かに、行政で起こった差別のような問題については、推進会議の機能がとても大事だと分かりました。  例えば第20の3の「意見を述べることができる」というところに、うまく公表も含めた意見、公表させるようなことも含めてぜひ行政の問題を、悪質といいますか、そういうものを公表させることができるようなことがあったほうがいいような気がしますね。推進会議の機能をもうちょっと、もう一言書くとか、あるいはもう少しイクスパンド、広げるようなことがいいかなという気がします。そこは少し検討課題として、ここのところだけちょっと残させてください。  それでもう1つ、審査会のほうと推進会議もそうなんですけれども、障がいのある方が必ずしも入ることになっていないという、この文面では。こういう点が少し懸念されるんですが、その点はいかがでしょうか。 【事務局】 その点は条例検討会議でもかなり議論していただいたところですが、推進会議では22条2項で書いておりますとおり、「障がい者」ということで障がいのある方も入っていただくのですが、審査会については規定しておりません。  審査会の機能からして、勧告とか公表というものがそれを受ける事業者にとってはかなり大きな影響を与える恐れがあるということで、法的な観点から専門的なご意見をいただきたいという趣旨でございますので、そこはなるべく中立的なご意見をいただけるような形にするため、障がい者の方については入れていないということでございます。 【会長】 委員お二人からご質問があったところですが、それぞれよろしいでしょうか。 【委員】 個人攻撃するつもりはまったくないんですが、前回の専門分科会でかなり引っ掛かった点が2点あったんです。  1点は、委員のほうから財政措置について設けるべきじゃないのかと意見が出たときの返答として、中小企業振興の条例ではあるのになぜないのかという返答について、中小企業の振興はとても重要な条例だからという説明があったんですね。  もう1点引っ掛かったのは、僕が質問した外車、ベンツの話。あのときに受け取り側の問題でもあるという発言をされたので、かなりショックだったんですよ、正直。そういう認識なのかと。そういった中で、法律の専門家だけで本当にいいのかというのが大きな疑問なんです。  もちろん中立公正な判断をしなければならないというのは十分分かるんですけれども、別に審査会の委員の過半数を障がい当事者にしろなんてことは言わないんだけれども、しかも5人以内と定めているので、もうちょっと人数のバランスを取ってもいいのではないかと思ったんです。以上です。 【会長】 ほかの委員の方はいかがでしょう。この点について、ご意見ございましたらどうぞお願いします。 【委員】 先ほどの行政の事例でうまくいかなかったときというときに、推進会議の中の機能を強めるという市のお話があったんですが、推進会議の中に障がいのある人が入っておられれば、例えば審査会にいくようなケースは、推進会議の中でも多分また審議されていくという流れを取るのかなと思うので、そのときに推進会議のメンバーの中に障がいのある方がいらっしゃることが、審査会にいく事例に関してもかなり意見としては重要な位置を占めると考えればいいのかもしれないなと。その前の流れの、推進会議の役割がうまくいかなかったときの機能としてかなり機能してもらうという前提だと、そのお話がちょっと理解できたかなと思います。  そこに先ほどの行政あるいは市以外の公的機関のケースとか、そこがまず指導とか助言でうまくいかなかったときに、もう1回推進会議がそこをうまく機能していただければ、もしかしたら障がいのある方の意見も審査会のほうに届きやすくなるのかなと思います。 【委員】 先ほどから問題になっております審査会の委員の5人のうち、以前の会議のときにここもたくさん質問が出ておりまして、今、委員がおっしゃるとおり質問が出ておりました。  その中で福岡市の回答としましては、意見の中では福祉的な人は入らないのかとか、当事者はこの委員の中に入らないのかというご意見が出ておりました。福岡市からの回答は、必要な場合には入れる考えであるというようなことをおっしゃったのを記録しているんですけど、そこのところはいかがでしょうか。 【会長】 福岡市のほうでいかがですか。 【事務局】 障がい者部長でございます。当時、検討会議に入っていたのが私だけなので、今、委員のおっしゃったとおり、この議論の中では条例上はこういう形にしますけど、当然、事案によっては当事者の方、あるいはここに明記されていない方をメンバーに入れることを考えているとお答えしたと思っております。そういう想定を今もしておるというところでございます。 【会長】 ほかの委員の皆さんはどうでしょうか。 【委員】 これまでのお話だと推進会議が非常に重要な機能を果たすというふうに理解しました。しかし、フローチャートでは推進会議より審査会が上位に当たるような印象があります。そこで、推進会議が本条例での一番中心核を成すものと考えれば、審査会では推進会議のあとに受けた案件も必ず推進会議に報告するだとか、審査会と推進会議の流れをループさせるとよろしいのではないかと感じました。つまり、一方向で終わるんじゃなくて指導・助言したあとの報告をまた推進会議に戻させたり、必要な措置を講じたときも、その報告を推進会議に戻すとか。全体的な相談体制のフィードバックも含めて何かそういったループさせる仕組みを作ると、よりお互いに生かされるのかなと少し感じました。 【会長】 どうもありがとうございました。委員お二人とも同じようなご意見だと思いますが、市のほうでいかがでしょうか。フロー図をもう少し工夫できるのではないかなと思いますけど。審査会の決定を推進会議のほうにフィードバックするというニュアンスですね。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。今おっしゃられた委員、それから委員のほうからいただいた、推進会議の機能をしっかり充実させていく。今言ったように、ちゃんと指導なり対応をしたあとについて、その結果がどうだったのかというのを含めてやって、それでここまでで細かく書いておりませんでしたところですが、そこまで推進会議としてやるものとして、一応こちらは捉えております。ただ、この条例の中でどこまで書き込むかというのは、書きぶりはちょっと検討させていただきたいと思います。  ただ、推進会議から、1回指導なりで渡してしまったらおしまいということではなくて、当然、その前の相談段階についても推進会議の中で少し諮っていく場合もあり、審査会にかける直前に、推進会議に意見を聞いた上でということもあり得るかと思います。そこを細かく書きすぎると、かえってフローチャートが複雑なルートになって分かりにくくなるため、今回は少しシンプルな形で、細かなところを除いた形でちょっと紹介させていただいているところでございます。  実際の対応としてはそういったところも推進会議で担っていくという思いはこちらも持っておりますので、その辺の条例の書きぶりについては、少し検討させていただきたいと思います。 【会長】 そしたら、このフロー図にフィードバックする矢印を1本入れてください。そんなに複雑じゃないと思いますから。 【委員】 フローチャートの「未解決」というのが、多分、第1の段階の右にある調整・あっせんがうまくいかなかったという意味ぐらいでよければ、この2つの「未解決」というのをフローチャートでもちょっと場所を変えて、未解決の分がまた審査会、推進会議にフィードバックしてまた戻るとか、そういうフローチャートみたいにできないものでしょうか。 【会長】 それはあったほうがいいと思います。ぜひ工夫していただきたいと思いますし、条例の中に、あまり細かくなって書きにくいかもしれませんけど、書き込めないかどうか少し検討していただけたらよろしいかなと思います。  それでもういっぺん審査会の委員5人に、まだ未解決なので少し戻ります。例えば、推進会議のほうは「障がい者並びにその他障がい者の権利の擁護について優れた識見及び実務経験を有する者」と並列されていますので、こちらの文章が先に来ますから、「障がい者の権利の擁護について優れた識見及び実務経験を有する者」の中に、障がいのある方が含まれないような文章になっているのではないかなと私は感じます。  第28条2項においては、「法律、行政又は障がい者の権利の擁護について優れた識見及び実務経験を有する者」とこの3つが規定されていますので、やはり全体の流れからすると、障がい者はここに含まれないように思います。でもそれは必ずしも良いことと思わないので、「又は障がい者」というふうな文言をここにやはり追加すべきではないかと思いますけど、いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。審査会の条例の中身は、お読みいただくとおり、必ずしもここに障がい者が入るというわけではありません。障がいに対しての見識を有する方に障がい者というのはありますけど、必ず障がい者を入れているということではございません。  今のご意見を踏まえまして、そこに明確に障がい者をという皆さまのご意見でございますので、そこも入れるような形の表現をちょっと検討したいと思います。 【会長】 ぜひお願いします。このままの文章そのままだと、障がいのある方が排除されているような、審査会から。そういう文言に取られるので、ちょっと工夫されたほうがよろしいんではないかと思います。よろしくお願いします。  ほかの項目について、何かのご意見が委員の方であれば。 【委員】 附則部分であれなんですけど、資料4の11ページ、最終ページの部分です。3年後の見直しの話で、見直しにつきましてはここに書いてあるとおり、「市は、条例の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは」と書いてありますが、例えば前回の分科会、今日の分科会、あるいは私が属しておりますつくる会のほうからもいろんな提案をさせていただいた課題がまだ残っているかと思います。また、仮に今後、条例が施行されたときに、施行していくうちにいろんな課題が見えてくるのではないかなと思います。  そういうことで、当然、見直しは条例の実効性を保つために見直すわけでしょうから、見直しの際に「3年を経過した場合において」と書いてありますが、前回、確か委員からご指摘があったと思いますが、例えば3年といわず1年ごとに中間報告を提出する、あるいは見直しの中に障がい者あるいは障がい者団体を含めるということでの見直し、実効性を高めるという意味での見直しですね。そういうことで考えていただきたいと思っておりますけれども、いかがでしょうか。 【会長】 福岡市のほうでいかがですか。 【事務局】 附則に書いておりますとおり、見直しを条例制定後もやっていくということで考えております。附則の中では3年を経過後の見直しという形で、これに対してはそこで3年後に向けて、また条例の改定を含めて検討するという形でございます。  あと、そういった場合、実際の差別の事例や、その年ごとの状況を加えた形での報告、こちらは差別解消推進会議の中で、そういった事例の収集等も含めてやっていくという形にしております。その中で定期的に推進会議を開き、そういった今の条例と実際の今の社会情勢との違いであるとか、そういったことについては意見をもらうなり、今後の見直しについてのご意見をもらうなりというのをやっていきたいと考えております。  また、場合によってはこういった専門分科会の中で取り上げていくということも考えられますので、今後の見直しなり関係者の意見をどのように集めていくかを検討して進めていきたいというふうに思います。 【会長】 よろしいですか、委員。 【委員】 見直しをする際に、障がい当事者または障がい当事者団体をメンバーに入れていただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。 【事務局】 今、推進会議のメンバーの中には、障がい者ならびにそういった権利の擁護について優れた見識を有する者という形で入ってますので、この推進会議の中で議論させていただくという形で、広く障がい者の方を含めてご意見を伺うことができるんじゃないかと考えております。 【会長】 どうぞ。 【事務局】 障がい者部長でございます。今回の検討に当たりましては、検討会議という形で当事者の方も入っていただきましたし、事業者の方も入っていただいたということもございます。この枠組みの中で、次の見直しもしていかないといけないと思ってます。  ですので、まず推進会議を立ち上げて、その中で差別事案等の解決の方法をいろいろ検討等させていただいた上で、条例については直接、推進会議で検討するのか、あるいは再度、推進会議ではなくて検討会議でやるというところの推進会議のメンバーにお諮りしながらやっていきたいと思いますけれども、当然、当事者団体、当事者の方に入っていただくというつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。 【会長】 よろしいですかね。 【委員】 11条の「相談体制の充実」というところで、「市は、基本理念にのっとり、障がいを理由とする差別に関する相談に的確に応じるための体制の充実を図るものとする」ということが書かれています。前回も申し上げましたが、成年後見制度など他の制度の相談体制では、司法、法律に素養のある方が一定の研修を受けてかかわる制度があったりします。この中にそういった研修というものも含まれてるのかどうなのかというのが1点です。  それと(2)で、「障がい及び障がい者に関し専門的な知識を有する者が相談を受けること」とありますが、これは具体的にどういうことをイメージしてるのか。東京都の大田区では、障害平等研修(DET)という研修を実施しており、従来の障がい福祉の知識や経験だけではなく、障がいのある人の人権や障がい差別に特化した研修を行っています。ここでは、そういった研修も含まれた知識を持った方が相談に当たることを担保するような、何か手立てを考えられているのかということをお聞きしたいと思います。 【会長】 いかがでしょう、研修など。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。まず、1点目の研修、そういうふうな相談に当たる方について研修をしていくということでございますが、それについてそこを含めてやっていきたいというふうに考えております。  それから、専門的知識を有する方というのを具体的にどういう人なのかというところでございます。今現在、相談窓口として障がい者110番というところの窓口がございますが、この中に専門相談というところを設けておりまして、その中に弁護士を含めた専門家の相談対応という形をしております。そこは障がい者の権利擁護に対して研修を受けた方に来ていただいているところでございまして、そういった形の相談体制をしっかりと取っていくという形で考えております。 【事務局】 すみません。 【会長】 どうぞ。 【事務局】 障がい者部長でございます。昨年の検討会議の中でも、先ほどのフロー図がございますが、相談の段階でできるだけ問題解決していかないといけないということでございますので、相談体制の中では課長が申しましたような形を行政のほうで想定はしております。  ただ、やはり本当に解決できるというものは行政だけではできませんので、推進会議を早く立ち上げさせていただいて、その推進会議の中で議論して、当面はこういう形で立ち上げるけど、こういう事案があるのでこういう体制に変えたほうがいいんではないかというご意見をいただきながら、相談体制を充実していかなければいけないと思っております。そこは推進会議にしっかりお諮りしながら進めていただけると思っております。以上でございます。 【会長】 よろしいですか。 【委員】 専門相談というのは弁護士さんとか法的な資格の方がかかわられることも想定されてるとは思うんですが、多分マンパワー的に非常に少ないと思います。またそれより前の、身近な相談ができる窓口においてちゃんと障がいのある人の人権や差別に関して素養がある人がついて正しく推進会議のほうに上げていくというのを作っていくためには、やはりそれに相応しいしっかりした研修を並立してやっていくことが必要だと思います。ぜひ推進会議の中でそのことも議論していただければというふうに思っております。 【会長】 福岡市はよろしくお願いします。ほかにご意見は? 【委員】 先ほどの審査会への諮問というところで、行政に関する差別の事案はここには書かないということを今条例の文言を見て初めて分かったんですけれども、埼玉市、仙台市、新潟市の条例では勧告・公表も行政に対する差別事案もこれに含まれるというふうにきちんと明記されています。  前回申し上げた推進会議で行う指導・助言の中には、行政に関係する差別事案も入れていただきましたけれども、勧告・公表には行政が関する差別事案は入らないということでは、先に条例を定めた仙台市、埼玉市、新潟市と比べるとずいぶん遅れている条例になるのではないかというふうに思います。  この仙台市、埼玉市、新潟市の条例は、推進会議と審査会という福岡市は2段階になってますけれども、他都市はこれが1つの段階で全部行われるようになっています。別にこれは分かれてもいいんですけど、最後の勧告・公表までいくときに行政に関する事案がそこまでいかないというのは、これはもう遅れた条例になるんじゃないかというふうに感じます。私は仙台市にも埼玉市にも新潟市にも、担当部局の方に確認の電話を入れました。「行政に関する差別事案は、勧告・公表までいかないんですか」というふうにお尋ねしましたら、「そこまで必ずいきます。それは条例の文言に明記されています。説明文にも書かせていただいています」ということでございました。  ですので先ほど委員からもあったように、2段階に分かれてもいいんですけれども、勧告・公表まで行政が関する差別事案を入れていただきたいと思います。また、入れていただかなければ、あとから作る条例なのになんで先に作ってる条例よりも劣った条例になるのかというふうに思います。  ですので第17条のところは、「当該指導または助言を受けた事業者」と書いてありますけれども、この3都市には事業者なんていう言葉は1つもありません。「助言・あっせん案を受諾しなかったときは」というふうに書かれています。助言やあっせん案を受諾しなかった事業者それから行政関係は全て、福岡市で言えば審査会に諮ることができるというふうになるわけですので、あとから作る条例ですので先に作られた条例よりも勝る条例を作らなければいけないと思っておりますので、そこのところはもう一度再考していただきたいというふうに思います。  それと第13条の第2節の「差別に関する相談等」というのがありますけれども、19ページの第13条のところに、「市は、個別相談を受けた場合は、必要に応じて次に掲げる対応を行うものとする」という中に1番、2番、3番とありますけれども、「必要な説明または情報の提供」というのがございます。そのあとに「必要な説明または情報の提供、その他障がいを理由とする差別を解消するための必要な支援」という言葉をぜひ入れていただきたいというふうに思います。情報の提供とか調整とかあっせんという言葉が並んでますので、ぜひとも「差別を解消するための必要な支援」という文言を入れていただきたいと思います。これは先に作っていただいた仙台市、埼玉市、新潟市にも入っている言葉ですので、ぜひ入れていただきたいと思います。  それでもし可能であれば4項目目を作っていただいて、次が市長への申出になってますので、「次の条の規定による申出の求めを行うために必要な支援」ということも一項目入れていただければと思っています。そうすれば、せっかくこの相談体制が特徴的な条例になっていますので、そこまで書いていただくとありがたいなと思ってますので、よろしくお願いいたします。 【会長】 相談のところと審査会のところとありますが、相談のほうを先に、今2点相談についてご指摘がございましたので、福岡市のほうでいかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。13条のところでございます。こちらの相談等を受けて相談の中に、申出を行うための必要な支援を入れるということでございます。もちろん相談に向けて、あとでそれに関する必要な支援をしていくということは当然必要なことだと思います。どういう文言にするかというのは少し検討させていただきたいと思いますが、そこは何らかの文言を入れるという形で検討させていただきたいというふうに思っております。 【会長】 差別を解消するために必要な支援というのはどうですか。「その他の差別を解消するために必要な支援」という文言についても追加したほうがよろしいんじゃないかというふうなご意見があったと思いますが。 【事務局】 そうですね。追加の支援というのも併せてやるという形での文言を、表現をどうするかというのはありますが、そこは入れる方向で検討したいと思います。 【会長】 これは確かにあったほうがいいと思います。申出の支援というのは非常に大事だと思いますので、ほかの委員の方もよろしければぜひこれで、文言を付け加える方向で修正していただきたいと思います。  先ほどの審査会のことのご意見がまた出たんですが、福岡市のほうでいかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。福岡市の事案について、審査会に諮問して勧告という流れを想定してないということですけれども、第16条で福岡市の事案について申出があった場合については、「差別解消推進会議の意見を聞いた上で必要な措置を講じることとする」というふうに規定しておりますので、必要な措置を講じるとしているのに、講じないことを想定して「審査会に諮問する」という規定を入れるのは、やはり法令としては不整合ではないかと考えているところです。以上です。 【事務局】 障がい者部長でございます。おそらく委員がおっしゃってあるのは、このフロー図の流れの中で、これは事業者を想定して書いておりますので、指導あるいは勧告・公表という行政指導を中心に書いておりますので、市のほうの権限としてどうするかという書き方をしております。  ですので、委員がおっしゃったようにそのまま条文に入れていいかどうかというのはちょっとございますけれども、やはり先ほども議論がございましたが、市のほうもきちんと、例えば公表・勧告という言葉がいいのかどうかというのはございますけれども、市が差別事案に対してきちんと同じような対応をするという流れが必要だというご意見だと思います。行政指導というのは市が市にというのは法律的にどうかというのがございますので、先ほど課長も答弁しましたけれども、推進会議の中にそこをきちんと担保できるような仕組みを作るということにさせていただくことで、条例としての整合性は保てることになるのではないかと思っておりますので、推進会議の機能の検討の中で検討させていただきたいと思っております。 【会長】 ここはやはり審査会でなくてもいいと思いますので、第5章の第20条の推進会議の機能の中に、やはり行政の差別的な事案について、勧告という言葉がいいのか分かりませんが、公表というか、そういう機能をここにきちんと書き込んでいただくということで、委員,いいでしょうか。  では、ここはそうさせていただきたいと思います。 【委員】 学校現場ですけれども、法の施行前、28年1月の時点で、27年の秋に文部科学省から対応指針というのが出ておりまして、こちらを参考に「福岡市の市立学校等における障がいを理由とする差別の解消を推進するための対応指針」というものを設けております。そちらが特別支援学校だけでなく、小・中学校の先生方にも伝わるように、学校にお知らせの形で下りています。  内容としましては、合理的配慮の不提供につきましては、丁寧な説明および対案を提示して逐次求めていきましょうというようなこと。そしてもう1つが、不当な差別的取扱いにつきましては、校長等を中心とする校内支援会議等を通じまして、教育委員会に事例が上がる形になっております。そのあとですけれども、問題解決支援会議等に諮りながら、私ども学校現場としましては、教員の不祥事等と同じような扱いになっていくのではないかというふうに考えておるところです。  ですので、当然、不当な差別的取扱いがあれば研修をしたり、それから場合によっては公表されることもあるのかというところで対応しているところです。それに基づきながら、今現在、市立学校のほうはこういった事案が起こらないようにというところで指導があっているところです。  もう1点、委員の方からありましたガイジ等の発言ですけれども、学校現場でそのような事案が発生しましたら、こちらを報告する課がございます。その上で、そういったことが起きたあとの指導もありますし、そういうことができる限り起きてこないような指導はこのように人権的配慮で進めていくべきだということを進めており、学校現場にも指導というふうに聞いております。以上です。 【会長】 どうも情報提供ありがとうございました。大変参考になりました。  ほかに委員の方で。大体議論は出尽くしたでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。 【委員】 今、学校現場のことが出てきましたので、……という形でお話をさせていただきます。  私は保護者のほうの立場で出席していると思うんですけれども、法律のこととかは分からない状態です。差別条例の中で、合理的配慮という言葉がずっと何度も出てきまして、実際的には保護者が学校、病院、地域というところで合理的配慮という言葉を目にしたり聞いたりすると思うんですけれども、やはり身近に合理的配慮という言葉がなかなか聞かれない言葉だと思います。  強いて言えば、地域や学校や市が福祉イベントとかでその言葉を使ったり、もしくは事例を指し示してくださらないと、一般の方には身近な体験をするということはやはり理解につながっていかないことじゃないかと思います。差別事例や事件とかあったときだけこういう条例が生きてくるのではなくて、一般の市民の方にこの条例を知ってもらうことが障がい者の理解につながることだと思います。ぜひ福岡市に、福岡市としての責務としての事業や学校、自治会とかで、合理的配慮とはいったい何なのかということを実際に示していただきたいし、また市民に膚感覚で入っていくような何かをしていただきたいと思います。  合理的配慮というのは、障がい者一人ひとりにとってはとても個別的なことだと思います。皆さんが一緒のことではなくて、一人ひとりの障がい者にとっては違う形での配慮になると思いますので、当事者のためのものでありますし、事業を深めるためにも市民に浸透していただくためにも、これを皆さんに理解していただきたいと思うんです。最終的に、配慮をするということは障がいを理解していただくことになると思うんです、個別的に。ですので、障がいを理解してもらうということは、やはりかかわり方をどうするかというところに最後に行きつくところではないかと私は思っております。  ですので差別で審議会でいろいろなことがあったら、検討するだけじゃなくて、この条例が広く一般に広まることによって、争いごとや困ることが私はなくなっていくと思いますので、ぜひこれが一般市民に広まるような形のことをしていただきたいと思います。  4条にあることが現実的に、4条として「市の責務としての概要」がありますけれども、それをぜひやっていただくことと、それと事件が起こったときに審議会とかこういうふうなところで検討していくとありますけれども、何もやらないことに対しての審査ということはないんですね。例えば、事件が起こった、何が起こったということを審査するところだと思います。それから、こういうことをやってないからこそこういう問題が起こりそうだとか、そういうようなこともぜひ審査の中で、やはり市民の中とか当事者から挙がってこないと、こういうのが審査対象とか審議対象にならないのかということもぜひ今後考えていただきたいと思います。 【会長】 福岡市のほうでいかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課です。まず、啓発を含めた合理的配慮という考え方を広げていくということです。委員もおっしゃるように、単に合理的配慮という言葉を説明するだけではなくて、障がい者、障がいに対する理解というのを深めるということは大変重要だと思います。  この条例でいきますと、9条のほうに啓発活動等という形で記載させていただいておりますが、障がいに対しての理解を深めるということが、差別の解消に対しては重要なことだというふうに考えております。という形で、条例で規定していますとおり、啓発活動についてはしっかり取り組んでいくということで考えております。  それから、何もやってないという、そういう状態でのことに対して審査をしないのかということでございますが、一応、今回実際にそういった差別解消に対しての取り組みについての検討につきましては、ここは推進会議のほうに諮りながらしていくという形にしています。21条の推進会議の機能の中で、その他、4項では「障がいを理由とする差別が解消するために必要な事務」ということを記載しております。そういったことで、単に起こった事案だけを推進会議で検討する、対応するということではなくて、潜在的な差別が解消するために取り組みというのを推進会議の中で検討するような形でやっていきたいというふうに考えております。以上でございます。 【会長】 ほかにどなたかございますでしょうか。 (発言者なし) 【会長】 それでは時間になったんですけれども、今日また十分議論できたと思います。それで、今回は検討する項目も比較的限られておりますので、福岡市と私のほうで十分検討させていただいて、文言を詰めて、そして委員の皆さんのほうには書面でお渡ししますので、これ以上この会議は開かないということで、今回でこれは終わりにさせていただきたいと思います。最終的な文章は、委員の皆さんのほうに必ず送らせて、ご了解を取らせていただきますのでよろしくお願いします。  それでは、あと少し事案があります。第5期福岡市障がい福祉計画、こちらは福岡市のほうで説明されるんですかね。お願いします。 【事務局】 本日はご審議ありがとうございました。  2点ございますけれども、先に委員のほうから、お配りになられた内容についてご説明をいただいてもよろしゅうございますでしょうか。よろしくお願いいたします。 【委員】 今日はチラシのほうを皆さんにお渡しさせていただきました。すでにニュース等でご存じかと思いますが、先月、大阪のほうでまた視覚に障がいのある方が駅ホームから転落するという痛ましい事故が起きました。昨年度も東京のメトロ青山駅、それから大阪の駅、そして埼玉の蕨駅と1年間に3度こういった事故が起きて、国土交通省等も安全対策のキャンペーンを張ってやってますが、また今回大阪の駅で、しかも無人駅で起こりました。  福岡県ならびに九州も今どんどん無人駅が増えているということで、そういったときに視覚に障がいがある人の同行援護事業でのガイドヘルパーが付く時間というのは月40時間となってます。1日1時間ちょっとしか使えないという状況の中で、事実上単独で外出しなければななりません。しかも通勤や通学等では同行援護は使えませんので、通勤や通学の際に人で混雑した駅をどうしても一人で単独歩行しなければならない場面がほとんどです。今日議論した差別解消条例もそうですが、共生社会実現のためには、皆さんの一声が非常に大きな助けになります。ぜひこの視覚に障がいのある人の置かれている状況について皆さんの周囲に周知していただければと思っております。以上です。 【事務局】 ありがとうございました。ぜひ皆さま、今日お越しの、ご来場の方も含めて、皆さまご協力いただければと思います。よろしくお願いいたします。  では、お手元にございます第5期福岡市障がい福祉計画素案ということで、……をご審議いただきまして、議会のほうにご報告させていただきまして、その意見も踏まえて素案を作る予定でございます。  これにつきましては、表にありますように11月6日〜12月8日までパブリックコメントをさせていただきます。多くの方にぜひご意見をいただきたいと思っておりますので、冊子だとか必要ということであれば、下のほうに障がい者在宅支援課の連絡先がございますので、必要部数等があればお知らせいただければお配りもできますので、ぜひ多くの意見をいただけますようによろしくお願いします。説明は以上でございます。  以上をもちまして、第4回福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会を閉会させていただきます。4回にわたるご審議をいただきまして、ありがとうございました。また、パブリックコメントが終わりまして、最終的なとりまとめについてはご報告差し上げたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。