資料3 基本理念について ○ 条例検討会議委員の想いについて 条例検討会議報告書において,「条例検討会議委員の想い」として以下の5項目が挙げられております。条例検討会議では,各委員の意見が一致しなかったものもありましたが,これら5項目は,委員全員が一貫して抱いていた共通の想いをまとめたものです。 「何人も合理的配慮をしなければならない」との規定を置くかどうかといった条例の骨格をなす本質的内容については,この5項目を十分に踏まえて検討する必要があると考えられます。 @ 障がいを理由として不当な差別的取扱いを行うことは重大な人権侵害であること。 A 障がい者との交流を通じた相互理解を深めること。 B 障がい者への合理的配慮の考え方を広く事業者や市民に啓発することが重要であること。 C 差別をする側とされる側とに分けた対立構造とするのでなく,相互の立場を踏まえた建設的な対話を行うことが重要であり,それを踏まえた相談体制を構築すること。 D 差別に関する紛争が発生してしまった場合に備えて,実効性のある紛争解決手段を構築すること。 1 趣旨 合理的配慮に関する条例検討会議の条例原案第2条第3号の規定については,条例検討会議において,下記3のとおり意見が分かれ,一致しなかったため,本専門分科会で特にご議論いただきたいと考えております。 条例検討会議の条例原案第2条第3号  (3) 社会的障壁の除去のためには,合理的配慮を行うことが促進される必要があること 2 論点 ・ 何人も合理的配慮をしなければならないとの規定を置くべきか。 ・ 他の理念規定の条文とは独立させて,第7条の前に「何人も障がいを理由とする差別をしてはならない」との理念規定を置くべきか。 3 条例検討会議委員意見  (1) A意見(報告書5頁) 条例は法で解決できないものを解決するために規定すべきであり,メッセージ性が重要である。また,早期に合理的配慮の考え方を浸透させるためにも,本条(注:第2条(基本理念))に「何人も合理的配慮を行う必要がある」旨を規定するべきだ。 (2) B意見(報告書6頁) 障害者差別解消法では,個人の思想や言論を規制するおそれのあるため,一般私人については法による規制対象とはしておらず,本条例でも同様に考えるべきだ。合理的配慮は,何らかの作為を求めるものであり,それは個人の思想や言論に入り込むおそれのあるものである。何人も合理的配慮をすべきであることはそのとおりだが,それは道徳的にそうであるということであり,法と道徳とは区別すべきである。 4 事務局の考え方 前回いただいたご意見を踏まえ,条例のメッセージ性を強めるため,「何人も,不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならないこと。」としていた条文を,合理的配慮の不提供の禁止もあわせた規定にすることとし,「何人も,障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならないこと。」といたしました。また,基本理念の章を独立させ,第3章の前に「第2章 基本理念」の章を置いております。 修正案第6条第2号・第3号 (2) 何人も,障がいを理由とする差別により障がい者の権利利益を侵害してはならないこと。 (3) 社会的障壁の除去のためには,合理的配慮を行うことが促進される必要があること