第3回専門分科会 【事務局】 定刻になりましたので、ただ今から第3回福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会を開催いたします。私は事務局を担当いたします福岡市保健福祉局障がい者部長の平田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は委員総数22名のところ、16名の委員に出席いただいております。過半数の要件を満たしておりますので、福岡市保健福祉審議会条例第7条第9号の規定により、本専門分科会は成立しておりますことをご報告申し上げます。  また、福岡市情報公開条例に基づきまして、本専門分科会は原則公開となっておりますのでよろしくお願いいたします。また、報道機関のほうが入られております。審議会全体の写真を撮りたいという申し出でございますので、その点についてはご了承よろしくお願いいたします。  では、委員の皆さまに事前に送付しておりました資料を確認させていただきます。次第、委員名簿、座席表、資料としましては資料1「福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議報告書」、資料2「第2条(基本理念)について」、資料3「障がいを理由とする差別の解消を目的とする条例原案について」、資料3はA4の横になっております。資料4につきましては「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(原案)」でございます。  参考資料といたしまして、参考資料1「障害者差別解消法リーフレット」、参考資料2「第5期福岡市障がい福祉計画策定スケジュール(案)」、参考資料3「第5期福岡市障がい福祉計画(案)」、参考資料4「第2回障がい者保健福祉専門分科会における意見について」ということで、以上でございます。  足りない資料等ございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは本日の会議次第についてご説明いたします。お手元の会議次第をご覧ください。今回の議事につきましては、「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)」でございますけれども、こちらとなってございます。  これより先の会議進行につきましては、会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 【会長】 それでは分科会の皆さん、本日もどうぞよろしくお願いします。  議事に入りますが、議事として「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(仮称)(原案)について」、これをまず事務局のほうからご説明をよろしくお願いします。吉田課長、お願いします。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例の原案について、説明させていただきます。  まず、福岡市の保健福祉審議会の諮問内容についてご説明をいたします。特に資料はございませんが、平成28年7月27日、福岡市保健福祉審議会石田重森委員長、当審議会障がい者分科会長に諮問書をお渡しいたしております。内容といたしましては、障がいを理由とする差別の解消を目的とする条例制定に当たり、条例案に盛り込むべき内容について審議会の意見を伺いたく諮問いたしましたところでございます。  次に、参考資料1の「障害者差別解消法が制定されました」と規定されたリーフレットをご覧いただけますでしょうか。  まず、障害者差別解消法の概要について説明させていただきます。ページをめくっていただきまして、「障害者差別解消法とは」とございます。その中に「この法律は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項や、国、地方公共団体や民間事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置などについて定めることによって、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現につなげていくことを目的としています」としています。  法律の概要といたしましては、@国、地方公共団体や民間事業者による障害を理由とする差別を禁止すること、A差別解消の取り組みについて政府全体の方針を示す基本方針を作成すること、B行政機関ごと、分野ごとに差別の具体的内容等を示す「対応要領」・「対応指針」を作成することなどでございます。  次に、障がいを理由とする差別でございます。この法律では、国の行政機関や地方公共団体および民間事業者に対し、2種類の差別を禁止しております。  1つ目が「不当な差別的取扱い」でございまして、障がいを理由として正当な理由なくサービスの提供を拒否する、利用する時間帯を制限する、あるいは条件、例えば高い料金を設定するなど、不利益な条件を付ける行為を言います。  2つ目が「合理的配慮の不提供」でございます。障がいのある方から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことが求められます。例えば、車いすの方が乗り物に乗る際に手助けをすること、窓口で筆談や読み上げを行うなど、障がいの特性に応じたコミュニケーション手段で対応することなどが挙げられます。このような配慮を行わないことで、障がいのある方の権利利益が侵害される場合も差別に当たります。  社会的障壁という言葉が出てまいりましたが、社会的障壁とは、障がいのある方にとって日常生活や社会生活を送る上で障壁となるようなものを指します。これには@社会における事物、A制度、B慣行、C観念などが含まれ、絵にあるような、例えば街の中の段差は車いすを利用する方にとっては社会的障壁に当たります。  3ページをご覧ください。先ほど説明しましたように、この法律では不当な差別的取扱いと合理的配慮の不提供が禁止されております。不当な差別的取扱いについては、国・地方公共団体も民間事業者も禁止でございます。障がい者への合理的配慮につきましては、国・地方公共団体は法的義務とされておりますが、民間事業者は努力義務となっております。  その下にQ&Aがございます。1つ目として合理的配慮の具体例といたしましては、先ほどご説明しましたような典型的な例が挙げられますが、具体的にどのような配慮が合理的な配慮に当たるかは個別のケースで異なります。  2つ目として、この法律では一般の方が個人的な関係で障がいのある方と接する場合や、個人の思想・言論といったものは対象とされておりません。ここでは理由等は記載されておりませんが、内閣府が別に出してあるQ&A集によりますと、「事業者でない一般市民の行為や個人の思想・言論については、法により規定することは不適当と考えられることから対象にしていない。一般市民については、国や地方公共団体による啓発活動を通じて本法の趣旨の周知を図っていくこととする」ということが述べられております。  3つ目といたしまして、民間事業者による取り組みがきちんと行われるようにする仕組みとして、事業を担当する大臣から事業者に対して報告徴収、助言・指導、勧告を行うことができるとされております。  以上が障害者差別解消法の概要でございます。この法律につきましては、平成28年4月1日から施行されてございます。  このような法律がある中で、さらに福岡市が条例を制定する意義についてご説明をいたします。福岡市が条例を制定することにつきましては、市内の40を超える障がい者団体から条例制定の強い要望が出されるなど、障がいを理由とする差別を解消することが、障がい者の人権の観点からも施策を進める上で最優先に取り組むべき課題であること。また福岡市による相談対応に加え、助言・指導、勧告の実施などを条例に盛り込むことで、法の実効性を高める効果が期待できること。さらには、福岡市が市政の柱の1つとして推進している「ユニバーサル都市・福岡」にふさわしい効果的な施策を実施することにつながることから、条例制定に向けて取り組むこととしたものでございます。  次に、資料1をご覧いただけますでしょうか。資料1の「福岡市障がいを理由とする差別を解消するための条例検討会議報告書」でございます。平成28年8月から29年3月まで合計8回にわたり、障がいのある方、有識者、市民団体の代表などで構成する条例検討会議を開催いたしました。その中でさまざまなご意見をいただきながら、条例案に規定する基本的な事項について検討を進めてまいりました。この報告書では検討会議としての条例原案を示した上で、会議において条例原案のそれぞれの項目について各委員から示された意見や、それに対する考え方をまとめたものでございます。時間の関係上、主な点をご説明いたします。  ページをめくっていただきまして、会長の所感などを示しました「はじめに」というのがございます。その次のページから「条例検討会議の想い」として、3ページにわたり記載をいたしております。  検討会議ではさまざまな立場の方々から忌憚のないご意見をいただきながら、しっかりと議論を重ねてまいりました。条例原案の項目の中には各委員の意見が一致したもの、一致しなかったものがございます。しかし、いずれの項目につきましても、各委員において真摯に議論を重ね、多くの問題点や問題解決に有益な視点などを示すことができたのではないかと考えております。  これまでの8回の会議を通しまして、委員の皆さま方の中で一貫した共通の思いというのがございました。会議の中で共有した基本的な立場といたしまして、1つは障がいを理由として不当な差別的取扱いを行うことは重大な人権侵害であるということ。2つ目に、障がい者との交流を通じた相互理解を深めること。3つ目に、障がい者への合理的配慮の考え方を広く事業者や市民に啓発することが重要であること。  次のページに移って、4つ目に差別をする側とされる側とに分けた対立構造とするのではなく、相互の立場を踏まえた建設的な対話を行うことが重要であり、それを踏まえた相談体制を構築すること。5つ目に、差別に関する紛争が発生してしまった場合に備えて、実効性のある紛争解決手段を構築することといった項目を挙げております。特に、相談体制の充実を最も大切にしたいという思いがございました。  目次にいきまして、1ページからが条例原案の各条文についての記載でございます。構成としましては、枠で囲んでいるところが検討会議の条例原案の条文等で、その下に条文の考え方を検討会議としてとりまとめたものを記載いたしております。またその下に委員意見として、委員からいただいたさまざまなご意見を示しております。  以下、条例の特徴になりそうな点や、検討会議において最後まで意見が分かれた点を中心に、いくつかご紹介させていただきたいと思います。  まず、2ページの前文でございます。実は、福岡市では前文を規定した条例は数えるほどしかないのですが、この条例では差別解消に向けた福岡市の強い決意を示すということで前文を設けております。  続きまして、4ページをお願いいたします。第2条の基本理念の中で、9項目にわたり規定をいたしております。基本理念というのは条例全体に通底する基本原理を規定したものでございますが、ここは非常に重要ということで他都市の条例なども参考にしながら、充実した内容となっていると考えております。  第2条につきましては、不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する理念を記載いたしており、報告書の原案としては、2号に「何人も、不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならない」、3号に「社会的障壁の除去のためには、合理的配慮を行うことを推進される必要がある」といった記載になっております。  これにつきまして、検討会議の議論の中では次の5ページの一番下のような意見がございます。「条例は法で解決できないものを解決するために規定すべきであり、メッセージ性が重要である。また、早期に合理的配慮の考え方を浸透させるためにも、本条に何人も合理的配慮を行う義務がある旨を規定すべきだ」という意見がありました。  また一方で、6ページの一番上でございますが、「差別解消法では、個人の思想や言論を規制するおそれがあるため、一般私人については法による規制対象としておらず、本条例でも同様に考えるべきだ」との意見がございました。  2条の第3号につきましては、本日特にご議論いただきたいと考えているポイントでございます。後にまた資料2のほうで詳しく説明させていただきたいと思います。  続きまして、9ページをご覧いただけますでしょうか。第4条から第6条にかけて、「市の責務」「事業者の役割」「市民等の役割」とございますが、第6条の市民等の役割におきまして、市民だけでなく自治組織を含めて共生社会実現への努力を求めております。  10ページをご覧ください。第7条の不当な差別的取扱いの禁止でございます。障がい者との関係が深い分野につきまして、禁止される行為を例示列挙するという形をとっておりまして、詳細な規定となっております。  具体的な禁止事項を定める本条においては、対象を市および事業者としております。理由といたしましては、何人も不当な差別的取扱いをしてはならないということは理念としてはそのとおりでございますが、具体的に一般市民を対象として規定して既に一定の制約を定めている民法や刑法などの一般法以上に市民の行動を規制することは、他の法令とのバランスを欠くということが挙げられます。  7条についての主な意見といたしましては、12ページの2つ目の意見のように、「障がい者に対して差別をしてはならないことをすべての市民に共通のルールとして理解してもらうため、何人も差別をしてはならないと規定し、不当な差別的取扱いの禁止および合理的配慮の提供を義務規定とすべきだ」という意見もございました。また一方で、同じ12ページの一番下の意見でございますが、「あらゆる差別的取扱いによる人格権侵害は民法や刑法による制約を受けており、障がいを理由とする差別についてのみ上乗せした制約を受けることになり、バランスがとれないのではないか」との意見もございました。  次に13ページをお願いいたします。第8条の合理的配慮でございます。合理的配慮をする前提として、障がい者からの意思の表明が必要なのですが、差別解消法では明文上、障がい者だけが意思の表明の主体とされているところ、この条例では障がい者およびその家族、その他の関係者まで対象を広げている点が特徴ではないかと思います。  検討会議の報告書の原案としては、市民や事業者にも合理的配慮の提供を義務づけるような文言とはしておりません。理由といたしましては、事業者の法的義務については事業者における合理的配慮にはさまざまなものが考えられ、何をしなければならないかが具体的な場面等によって異なるため、一律に義務づけをすることは問題があるのではないかということが挙げられます。  また、「何人も」として市民に義務づけすることにつきましては、一般市民による障がい者への配慮に関して条例で強制することは、必ずしも適切かつ効果的な手法ではないということや、一般市民の思想信条に踏み込むことになるのは適当ではないということが挙げられます。  主な意見としましては、14ページでございます。まず1つ目、一番上の項目でございますが、「社会の重要な構成員である事業者については、市と同様のレベルの対応を求めるべきであり、事業者の合理的配慮の提供は一律に義務とすべきだ」というのがありました。  3項目目には、「障害者基本法で、何人も障害者に対して障害を理由として差別すること、その他の権利利益を侵害する行為はしてはならないということが規定されており、その範囲は福岡市で生業を営むすべての市民、事業者なのだから、「何人も」に対し合理的配慮を求める・促す文言にすべきだ」との意見がございました。  また一方で、14ページの下から4行目のご意見の中の部分にありますように、「法的に義務を課すとすれば、あらかじめどのような義務なのかを想定されなければならないところ、義務の内容を特定するのは困難である」といった意見もございました。  続きまして、17ページをご覧ください。第11条の「相談体制の充実」です。この報告書の冒頭の「条例検討会議委員の想い」で触れられておりますが、この条例で最も大切にしたいと考えておりますのが相談体制の充実です。検討会議でもかなり議論に時間をかけたところでございまして、条例にこれを明記することが特徴的であると考えております。  次は21ページをお願いいたします。その中の18条に「公表」の規定を置いております。差別解消法では事業者への指導としては勧告までが定められておりますが、悪質な事案が発生した場合、条例の実効性を図るために法に上乗せする形での公表の規定を設けております。なお、公表はあくまで例外的な手段であり、基本的には調整・あっせん、指導・助言等の段階で解決が図られるべきであると考えております。  23ページをお願いいたします。この条例では2つの附属機関を設置することとしており、その1つが福岡市障がい者差別解消推進会議でございます。その役割としましては、第20条に規定しております障がいを理由とする差別の解消に関し、必要と認められる事項についての調査審議、差別解消法に定められる差別解消支援地域協議会としての役割のほか、相談部会のようなものを作りまして、個別具体的な相談事例における対応の検討や課題の整理等を行い、市に対して助言等を行うことなどを想定しております。詳細につきましては、条例に基づき規則の中で定め、規定していくことになります。  25ページをお願いいたします。2つ目の附属機関として、福岡市障がい者差別解消審査会を設置することとしております。その役割としましては、相談者からの差別の相談案件に関し福岡市が指導や助言を行った場合に、その指導や助言に正当な理由なく従わない事業者に対して勧告を行うべきかどうかについて、福岡市の諮問に応じて調査審議をしていただくものでございます。  先ほどの推進会議との違いにつきましては、推進会議が障がい者の権利擁護について、有識者等を構成メンバーとして主に差別をなくすための施策等の検討をする場であるのに対しまして、審査会は法律または行政に関して優れた見識を持つ方を構成メンバーとして、勧告を行うべきかどうかの調査審議に特化するということが大きな特徴でございます。この審査会につきましての詳細は、条例に基づき規則で定め、規定していくことになります。  資料の順番が前後いたしますが、資料3の「障がいを理由とする差別の解消を目的とする条例原案について」というA4横1枚の資料をご覧いただけますでしょうか。福岡市の条例原案につきましては、先ほどの検討会議の報告書を基に作成し、その概要をまとめたものでございます。条例の名称につきましては、仮称として「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例」でございます。  まず経緯でございますが、平成28年4月に障害者差別解消法が施行され、7月に審議会へ諮問を行いまして、条例検討会議というのを開催いたしております。  次に、条例の基本的な考え方でございますが、これは先ほど検討会議の報告書の中で、「委員の想い」としてご説明した5つの項目と同じものでございます。福岡市が原案を作成するに当たっても、検討会議の委員の想いを基本的な考えとして作成いたしました。  次に、規定の概要についてご説明いたします。中ほどでございますが、基本理念というのがありまして、条例全体の基本理念として上記5つの基本的な考え方を踏まえ、9項目にわたり詳細に規定しております。また、前文と併せ、ユニバーサル都市・福岡の実現にも通じるメッセージ性の強い内容としております。  右にいっていただいて、交流を通じた相互理解でございます。福岡市は障がいや障がい者の理解を深めるための啓発活動を行うとともに、障がい者と障がい者でない者との交流の推進に必要な施策を実施することを規定しております。  左下にいっていただいて、不当な差別的取扱いの禁止でございます。まず理念として、何人も不当な差別的取扱いにより障がい者の権利利益を侵害してはならないことを規定しております。そして規制の対象を具体化して、市および事業者は不当な差別的取扱いをしてはならないと規定し、障がい者との関係が特に深い7分野、例えば福祉サービス、医療、教育、公共交通機関等につきましては、禁止事項を例示いたしております。  右にいっていただいて、合理的配慮でございます。理念といたしましては、何人も社会的障壁の除去のためには合理的配慮の促進が必要であることを認識し、その理解を深めていくことを規定しております。そして規制の対象を具体化いたしまして、福岡市は合理的配慮をしなければならない、事業者は合理的配慮をするように努めなければならないということを規定しております。なお、合理的配慮に関して功績のあった者には表彰を行うこととしております。  左下にいっていただいて、相談体制でございます。条例の基本的な考え方で申しましたとおり、条例に関する紛争の防止・解決のためには、建設的対話が重要でございます。このことを踏まえた相談体制とするため、身近さと専門性が両立するような相談体制を整備することとしております。また、建設的対話を実現するため、障がい者本人だけではなく家族や関係者、事業者の側からも相談が可能であるということを明記しております。  右にいっていただいて、指導・紛争解決体制でございます。専門的意見を聞きながら取り組みを進めるための附属機関を2つ設置することとしております。1つは障がい者差別解消推進会議で、障がい当事者を含めた構成として、差別を解消するための施策を調査審議していただくものでございます。2つ目は福岡市障がい者差別解消審査会で、正当な理由なく指導に従わない事業者に対して、福岡市が勧告を行うべきか否かを第三者の視点から専門的にチェックしていただくものでございます。  最後に、一番下に米印で1行書いてございますが、附則の中で3年後の条例の見直しの規定を置いており、社会における合理的配慮の浸透の状況を踏まえ、規定の見直しを検討していく予定としております。  続きまして、資料2の「第2条(基本理念)について」をご覧ください。これもA4の1枚の資料となっております。  今回、特にご議論いただきたいところでございますが、まず第1に趣旨でございます。合理的配慮に関する第2条第3号の規定については、条例検討会議において各委員の意見が分かれて一致しなかった箇所でございます。本専門分科会でも特にご議論いただきたいということで考えております。すぐ下に枠で囲っておりますが、条例検討会議の条例原案といたしまして、「社会的障壁の除去のためには、合理的配慮を行うことが促進される必要があること」と規定して、この条文についてございます。  2の論点でございますが、「何人も合理的配慮をしなければならない」との規定を置くべきかどうかでございます。  3の条例検討会議委員の意見でございますが、2つの異なる意見を記載しております。  まずA意見といたしまして、「条例は法で解決できないものを解決するために規定すべきであり、メッセージ性が重要である。また、早期に合理的配慮の考え方を浸透させるためにも、本条に何人も合理的配慮を行う必要がある旨を規定すべきだ」というものでございます。  次にB意見といたしましては、「障害者差別解消法では、個人の思想や言論を規制するおそれがあるため、一般私人については法による規制対象とはしておらず、本条例でも同様に考えるべきだ。合理的配慮は何らかの作為を求めるものであり、それは個人の思想や言論に入り込むおそれがあるものである。何人も合理的配慮をすべきであるということはそのとおりだが、それは道徳的にそうであるということであり、法と道徳とは区別すべきである」というものでございます。  4の事務局の考え方でございますが、条例検討会議において、合理的配慮につきましては新しい概念であり、市民等にはまだまだ浸透していない状況であります。広く事業者や市民に啓発すること、また差別する側と差別される側に分けた対立構造ではなく、建設的な対話を行うことが重要であることを基本的な考えとしております。このことを踏まえ、合理的配慮の条例における規定の仕方につきましては、さまざまなご意見があることも考慮し、直接的に義務づけをするような規定とはせず、第2条第3号を「何人も、社会的障壁除去のためには、合理的配慮の促進が必要であることを認識し、その理解を深めていくこと」とすることといたしました。  次は資料4でございます。「福岡市障がいを理由とする差別をなくし障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり条例(原案)」をご覧ください。ポイントだけご説明させていただきます。  1ページ目でございますが、検討会議の条例原案に追加した箇所がございます。下から3段目の「そのような中で」から始まる段落でございます。共生社会の実現のためには社会的障壁を社会全体で取り除く努力をしていくことが重要であり、そのことを福岡市の決意として強調するため、この段落を追加することといたしました。  2ページをご覧ください。第2条第3号でございます。先ほどの資料2の中でもご説明しましたように、第2条第3号を「何人も、社会的障壁の除去のためには、合理的配慮の促進が必要であることを認識し、その理解を深めていくこと」と修正しております。  7ページをご覧ください。第15条でございます。1行目の「当該申出に相当の理由があると認めるときは」のあとに、「福岡市障がい者差別推進会議の意見を聴いたうえで」という文言を追加しております。その趣旨としましては、障がい者等から相談を受けた福岡市が行政指導を行うに当たり、推進会議の意見を聞くことにより、障がい当事者等の意見を反映しながら進めていくということが明らかになると考えております。  8ページをご覧ください。第20条でございます。今ご説明した第15条の変更に伴い、推進会議の所掌事務を規定した第20条に、第3号といたしまして、「福岡市から求められた事案について意見を述べること」というのを追加しております。  条例についての説明は以上でございます。 【会長】 詳しいご説明どうもありがとうございました。  まずこの報告書に関しまして、条例検討会議のほうで8回にわたる審議を経て、立派な報告書を作成されたことに敬意を表したいと思います。  それを基にして、今、福岡市のほうからご説明がありましたけれども、資料4のような条例の原案がここに出されております。全体を通じてご質問ご意見等がございましたら伺いたいと思います。どういうことでも結構ですので、ご意見をいただければありがたいと思います。 【委員】 今、会長がおっしゃったように、8回という長きにわたり会議を重ねてこられた条例検討会議の委員の方々に、お疲れさまでございましたと敬意と感謝を申し上げたいと思います。  今回の条例案を作成するに当たって、行政の立場として重きを置いたところ、ポイントがありましたらお聞かせ願いたいと思います。また、条例の内容や構成など、参考にした都市はどこなのかを教えていただきたいと思います。 【会長】 それでは吉田課長、お願いします。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。条例についてのポイントといたしましては、1つは福岡市の条例において前文を規定しているのは少ないのですが、今回、当事者の思いを反映した福岡市の強い意思を示すということで、ボリュームのある前文を置いておるところが1つの特徴でございます。  それから今回、基本理念というのを厚く9項目にわたって規定しており、それは検討会議の中で、皆さまのご意見を深く反映するという形で規定しております。  そのほか、相談体制につきましては検討会議の中で意見も出たところでございますが、相談体制を充実するというところを、身近な相談窓口があることに加え、専門的知識を有する者が相談を受けること、そういった相談体制を作ることに取り組むというのを条例の中にしっかりと盛り込んでいるところでございます。  それから交流ということを条例に謳っております。障がい者と障がい者でない方が交流の推進をすることについて、福岡市が施策を実施するということで、それを条文の中に設けているところでございます。  それから参考にした他都市の条例はということでございますが、これまで20を超える自治体で障がい者の差別解消に関する条例を作っております。それぞれにいろんな各都市の条例を参考にいたしておりまして、特にここの都市の条例だけを参考にしたということではございません。広くいろんな条例の各所を見ながら、福岡市として検討したところでございます。以上でございます。 【会長】 ありがとうございます。それでいいですか。 【委員】 はい。ありがとうございます。  各都市、特徴を持った条例を作ってありまして、福岡市の場合は仙台市の条例に大変似ているなと感じております。基本理念もほぼ同じでありますので、仙台市を参考にされたのかなと思っております。  基本理念のところについての「何人も」というところが一番重要なんだろうと思うんですが、ここに入る前にちょっとだけお尋ねをいたします。報告書の冒頭にも、条例をつくる会の差別体験アンケートが記述されています。これは内閣府のホームページにも掲載されていますけれども、この差別アンケートは福岡市にとってどのような意味があるのかをお尋ねいたします。 【会長】 お願いします。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。障がい者差別禁止条例をつくる会の実施したアンケートでございますが、これは障がい者の差別の実例を把握するということで、それを生かして条例を作っていくということで、それを十分参考にしながらというものになっていると考えております。 【事務局】 障がい者部長でございます。私、昨年から条例検討会議にも入らせていただきました。つくる会からの最終のアンケートの報告書というのも検討会議の中で各委員さんに見ていただいて、こういう実態があるということをしっかり認識していただいた上で、福岡市としても今回条例を作るということになりましたし、検討会議の中でもこういう実態があることをしっかり把握した上で議論がなされたということで、かなり重要なアンケートだったということです。現在もこういった内容をしっかり見ながら、いろんな議論を進めているというものでございます。 【委員】 ありがとうございます。条例を作っている先進的な都市もすべて行政のほうで差別事例集を作成して、市民に公開をしているということがありますので、ぜひともこのアンケートを基本にいろいろ考えていただきたいなと思っています。  1つ理解ができないところがありましたのでお聞きしたいのですが、相談体制の流れがちょっと分からないんです。差別を受けたとか、あるいは合理的配慮がなかったとか、そういった関連した相談を身近なところで受けられるということで、また専門知識を持った相談員さんがいらっしゃるということでございますが、市長への申し出ができる事案は事業者だけが対象なんでしょうか。 【会長】 いかがでしょうか、吉田課長。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。相談体制につきましては、身近な相談をするところ、専門相談という形でございます。市長への申し出につきましては、条例原案の第14条に記載いたしておるところでございますが、一応この中で対象にするのは、事業所ということでございます。 【会長】 何かその点にご意見は? 【委員】 大いにあります。 【会長】 どうぞお願いします。 【委員】 なぜ事業所の事案に限って、ここに助言・あっせんを求めることができるのか。こういったのはとんでもないなと思っています。仙台市も新潟市もさいたま市もこんな項目は設けていません。事業者に限るなんていう、こういった条例は今まで見たことがないなと思っています。  相談をするのは、事業所であっても市の窓口であってもいろんな相談をするわけで、その中で解決できなかったときに助言・あっせんを求めることができるというふうに、どこの条例も立て付けになっています。なぜ福岡市だけが、事業者に限ってこういった助言・あっせんを求めることができるというふうになっているのか、まったく後退している条例の内容だなと思いますけれども、いかがですか。 【会長】 吉田課長、いかがでしょう。大事な点でしょうね。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。市長への申し出というところと相談というのは、条例の中で分けて考えております。  相談につきましては、相談を受けるということは、事業者にかかわること以外でも、すべての相談を受けるという形にしています。特に14条で規定しておりますのは、行政指導をするのを前提とした形での申し出をここで受け付けるという規定にしております。  それで事業所以外のところでのそういったのに対する訴えという形でございますが、例えば行政機関等がそういう差別対象に問題になるという場合には、行政不服審査法による不服申し立てというのが考えられます。  また、市の職員が本条例に反するような行為に至ったという場合につきましては、福岡市において職員対応要領というのを定めておりますので、その中で市の内部として最悪の場合には懲戒処分とか、そういう処分に科される可能性があるということで対応を考えております。  また、福岡市以外の行政機関につきましては、当該の行政機関等において定めました対応要領、その他の服務規律各法の仕組み等により是正が図られることになっていると考えているところでございます。 【事務局】 障がい者在宅支援課在宅サービス係長です。今のを補足しますと、まず第13条の規定がございまして、これが相談の規定でございます。この相談というものは事業者に限らず、一般市民の案件について、もしくは行政機関による差別の案件についても対象になりまして、相談に基づく調整あるいはあっせんといったもの、ここに書いてあるような業務の情報の提供といったようなことは行います。  その上で、相談が調整などによっても解決しない場合、そういったことが生じた場合は、第14条の市長への申し出につながる、そういう流れになります。以上です。 【委員】 先ほどなぜ私がアンケートのことを申し上げたかというと、アンケートの中に、行政窓口でもいろいろな差別案件があったと、これは福岡市だけじゃないんです。仙台市も新潟市もさいたま市も、行政サイドで作った差別事例集の中にもたくさん出てきました。ですので事業者だけではなくて、行政も含めた全般的な相談の中で、解決ができなかったときには助言・あっせんを求めることができるというふうに、仙台市も新潟市もさいたま市もちゃんと明記してあります。  そして、さいたま市は先ほど課長がおっしゃったように、行政の許認可の取り消しなどの行為はできないときちんと書いてあります。こういったことはできないんですけれども、差別アンケートに書いてあるような事案はすべて相談ができると明記されています。  ですので、先ほど係長さんがご説明したみたいに、13条の中で解決できなかった事業者を含めてすべての案件が、市長に対しての申し出ができる、助言・あっせんを求めることができると、他都市と同じ条例文にしていただきたいと強く要望いたします。 【会長】 どうですかね、この点は。 【事務局】 障がい者部長でございます。他都市との比較が今すぐ確認できませんですけれども、基本的には先ほど係長が申しましたように、まず相談というところはしっかりやっていきたいと思います。ただ、例えば福岡市の、先ほど課長のほうが申しましたけど、職員のほうがそういった差別的なことをすれば服務規定がございますので、その対応要領や服務規定の中で組織として懲戒処分等の対応をすることになろうかと思います。  先ほど委員がおっしゃったように、市自体が組織として差別的なことをしたということになった場合に、福岡市自体が市長に申し出るというところは少し、自分で自分に申し出るような形になってしまうところもございます。ちょっとこれは確認が必要ですが、県のほうの条例もありますので、福岡市組織として申し出をされる場合は、県のほうの申し出というか、そちらになるのではないかなと思っておるんですけれども、そこは市から市にということでようございますでしょうか。 【委員】 だから他都市では市長は審議会に諮問するわけでしょ?行政とか事業者とかすべての案件を、例えば行政のことで解決しない案件が出てきたときには市が市長をということになってしまうので、それで審議会に諮問しますというふうにちゃんと書いてあるんです。他都市では、そういった市に対する問題もちゃんと相談を受けますと書いてあるんですよ。他都市ではできて、何で福岡市ではできないのかなと思います。ですので、これはきちんともう1回検討していただきたいなというふうに思います。  次にいっていいでしょうか、委員長。 【会長】 ちょっと待ってください。そこははっきりさせとったほうがいいと思いますので。  まず、例えば福岡市の行政に問題があって、服務規定とかで解決が図られないような場合がもちろんある。そしてまた行政の服務規定に関することはここにないので、そういう状況もなかなか読めてこないような気もしますが、そういうところで相談があって行政のほうに問題がある場合にどうするかということは、どこかに入れないと何か分からないような気がします。服務規定というのもこの条文の中からは見えてこない気がします。それは1つ思います。  それともう1つ、流れのほうをちょっと確認させていただかないといけないんですが、例えば行政のほうに問題があったときに、市長に申し出て市長が推進会議、こちらのほうに諮問するという流れを委員は想定されているんですか。 【委員】 推進会議ではないですね。審査会。 【会長】 審査会に直接申し立てるんですね。市長を介してですか。 【委員】 これもすごく分かりにくい。 【会長】 そこがいまひとつ分からないんです。委員のご意見はどうなんでしょう。行政のほうの問題が解消しない場合、誰がどこに申し込むような、そこを考えるのか。ちょっとご意見をいただけますか。 【委員】 この条例の中身を見ますと、差別解消推進会議や部会の意見を踏まえてからというような文言の書き方になっているので、例えば相談があって解決しないときにはまずは推進会議を開かなくちゃいけないのかなと思ってしまいます。ですので、解決しないときには、すぐ審査会に諮問することができるというふうに分かりやすく記述されたらどうかなと思います。  当然、いろんな問題を進めていく中で、勧告はどういうふうにやったらいいのかとか、あるいは助言の内容はこれでいいのかとか、そういったことで課題が生まれたときには差別解消推進会議や部会に諮るということなら分かるんですけれども、進めていく中で推進会議や部会の意見を踏まえなくてはいけないという書き方になっているので、大変分かりづらいというふうに思います。なので、「事業所に限る」というこの文言だけは絶対にやめてもらいたいと思います。  市長への申し出ができることによって、市長がすぐさま審査会に諮問できるんですか。 【会長】 その点はどうですか。 【事務局】 障がい者部長でございます。検討会議の中での議論を少しご紹介したほうがよろしいかと思っております。  最終的な審査会の諮問に至る前までにできるだけ、先ほど委員も言われました相談体制、ここで解決する努力をまずする。そこで解決できないものに対して推進会議の意見を聞くだとか、内容によると思いますけれども、そういった機関の意見も聞きながら解決を図っていくというのが前提であります。いきなり審査会のほうにかけて勧告するとか公表するのかという段階というのは、最終的な手段というふうに検討会議の委員も言われましたけれども、そういう状況になりますので、そこの前までで解決していくというのが前提でございます。  それで先ほどから出ております市が差別をした場合の対応については、先ほど申しましたわれわれの認識では、市が市長にするというのはどうかということで今こういう形にしておりますけれども、それは他都市の状況も見て確認させていただきたいと思います。 【委員】 ぜひ確認をしていただきたいというふうに思います。なぜ福岡市だけが「事業所に限る」というような文言を記述しているのか、大変理解に苦しみます。ですので他都市の仙台市、新潟市、さいたま市も同じ政令市ですので、ちゃんとご意見を伺って検討していただきたいというふうに思います。  そしてこの事業所だけに限るということがまず一番引っかかっているんですけれども、その次の段階で、審査会の委員を、第27条なんですけれども、委員会の審査会でどういった方を委員に選ぶのかというところがありますけれども、これも全く一緒です。仙台市、さいたま市、新潟市は必ず委員さんの中に障がい者団体の代表の方を入れるようにちゃんと明記をされています。ですので、何のための条例なのかなと、誰を守るための条例なのかなというふうに思います。  最終段階として、当然ここは名前を公表したりとかそういったものになりますので、厳しくチェックはしなければいけませんけれども、当然、専門家の方も入れて、障がい者の団体の方も入れて委員を構成すべきだというふうに思っていますが、いかがでしょうか。 【会長】 どうでしょうか。 【事務局】 障がい者部長でございます。先ほど申しましたように、審査会にかかるまでに基本は解決をしてまいりたいと思っておりますが、審査会にかかった場合でございますが、最終的には勧告、委員もおっしゃいましたように勧告だとか公表というのは非常に事業者にとっては重たい話になろうかと思います。ですので審査会自体はやはり行政、法律に詳しい方に入っていただく。  ただ、おっしゃったように障がいに関する部分という専門知識の有識者の方も必要でございますし、一方で事業者側のどういう状況かということも把握した上でジャッジしていかないといけないと思っております。そういう内容であれば、専門委員会をやることもできるようになっておりますので、その委員会の中で意見を踏まえた上で、審査会で最終的な判断をしていただくという組み立てをわれわれも考えておりまして、今こういう規定にさせていただいております。 【委員】 その件に関しても、多分福岡市が参考にしたであろう仙台市の条例の中には、仙台市は「委員は、障害者及び福祉、医療、教育、雇用その他障害者の権利の擁護について優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する」というふうに書いてあります。どこの都市も同じなんですよ。何で福岡市だけは、専門的な人だけを入れて障がい者の団体の方は入れないなんて。これも再考の余地があると思いますので、ぜひ再考していただきたいと思います。以上、私ばっかり言ってるみたいで。 【会長】 いえ、重要な点ですから。 【委員】 「何人も」のときにまた。 【会長】 重要な点ですので。この推進会議の委員の方には、21条の2で障がい者および福祉、障がい者の方も含めたことが入ってるわけですけれども、その推進会議の委員の方と審査会の委員の方と専門委員の委員の方はそれぞれ別になるんですね?そこを別にしますと、審査会および専門委員の方がどういう方かというのは、いまひとつ分からない点は確かにありますね。どうでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。まず、障がい者差別解消推進会議のほうでございますが、こちらにつきましては障がいを理由とする差別の解消に関する必要と認められる事項について審議をするということで、広くいろんな相談を受け付けながら、まずここで審議をしていくということでございます。  その中で、障がいの関係者の方も入っていただいて、障がいおよび福祉、医療、教育、雇用、その他権利擁護に関する優れた知識を有する者、こういった方に入っていただいて深く審議していただくということでございます。一方で、審査会のほうにつきましては、これは実際指導に従わないような事業者等に対して勧告をするかどうかというところでございまして、少しここは技術的なところでもございます。当然、障がい者にかかわる部分につきましては、推進会議の中で差別の中身についてしっかり議論した上で、最終的にそこで勧告というところになりましたら、また次のもう1段階において専門的な法律なり行政の立場からも踏まえた上で、勧告という行政処分が正しいかどうかということを改めて審議した上で、行政処分、行政措置、そういった勧告を行っていく。そういった形で分けているものでございます。 【委員】 ちょっと分からなくなってしまったんですけど、相談をして相談が解決しなかったときは、まずは推進会議で審議するんですか。それを通って審査会にいくんですか。 【会長】 吉田課長、どうですか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。  相談の窓口について相談があった分で完全に解決できなかったものにつきましては、先ほど申し上げた推進会議のほうにそういう話が持ち込まれて、その中で審議するという形になります。 【委員】 だったら、それを明確に条例に記述するべきでしょ。この推進会議の中で、例えば助言とかあっせんをお願いするときには推進会議にお願いするんですか。 【会長】 そこを具体的に説明してください。 【事務局】 障がい者在宅サービス係長です。指導・助言を行うのは第15条の規定のとおり、市長になります。その前に第15条の規定にあるとおり、推進会議の意見を聞いた上で、その意見を尊重して指導を行う、助言するという規定にしております。  また、実際の運用の想定なんですけれども、推進会議に対して最終的に指導を行うか否か、そういった意見だけを聞くのではなくて、相談があった時点、市長への申し出があった時点で、その時点で適宜、推進会議に報告を行って対応について助言をいただきたいと、そういったことを考えております。その上で最終的に調査を行い、指導を行うべきかどうか、また新たな意見を聞くという流れを想定してます。以上です。 【会長】 委員。 【委員】 じゃあ推進会議で、市長の助言とか結論が出るということなんですか。そうじゃないんでしょ?推進会議の上にもう1つの審査会を通さなくちゃいけないんでしょ?違うんですか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長でございます。指導・助言につきましては、それについて審査会にかけるということではなくて、第15条に書いてございますとおり、推進会議の意見を聞いた上での必要な助言を福岡市がするということでございます。 【事務局】 たびたびすみません。在宅サービス係長です。審査会にかける場面ですけれども、第16条の規定になりますが、第15条で指導・助言を行ったあと、さらに指導・助言を受けた事業者が正当な理由なく指導・助言に従わなかったとき、そういったときに審査会が登場するという、そういった場面になります。以上です。 【会長】 そういうふうに従わなかったときに審査会が登場するときに、その中に障がい者団体の方が入っていないでいいのかどうかということですね。その点はいかがでしょう。 【事務局】 障がい者部長でございます。先ほど申しましたように、審査会自体には、ジャッジしていただくところは今の規定では行政あるいは法律に詳しい方としております。けれども具体的な案件によりましては、障がいに詳しい方、あるいは一方で事業者側に詳しい有識者の方ということを専門委員会という形で設置することができますので、必要に応じて入っていただけるような仕組みを今作っているつもりでございます。以上でございます。 【会長】 そこの専門委員の中に、障がい者の代表の方とかいうのを少しは書いたほうがよろしくはないですか。そういうのがないと、法律に詳しい方だけの間で決まってしまうような気がしますけど、いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者部長でございます。現時点では、先ほど私がご説明した形を今考えてはおりますけれども、今のご意見をどう捉えるかを即答というのは厳しいかと思います。ただ、繰り返しになりますけれども、検討会議の中ではそういった紛争というのがまず相談体制の中で相談をしっかりお聞きして、両方のご事情等を聞いて、その段階で解決する分はしっかり解決する。  そのあと指導等に移っていきますけれども、そういった指導の中でもしっかり事業者のほうにはご理解いただくような形になろうかと思います。それでもなおかつ、どちらかというと事業者は別ということで審査会にかかっていきますので、必ずしも障がいに詳しい有識者の方が必要かどうかというのは、常に必要かと言われますと、そこまでまず想定する前に解決するというのが大前提でございます。ジャッジするに当たっては、行政、法律ということで公平な立場で見ていただくというのを原則として、条例上はこういう書き方をしているというところでございます。ちょっとそこは即答できない部分もございますけれども、一応そういう考え方だということで、ご意見として承るような形にしたいと思います。以上でございます。 【会長】 推進会議のほうは、第21条の2で障がい者の方が入ってくるという理解でいいんですよね、ここは。 【事務局】 そうです。他都市によっては調整委員会というような形で、こういったところを全部まとめて1つの委員会にしているところもございますけれども、福岡市としましては推進会議の中には障がい者および福祉、医療ということで、各部門の権利擁護についての優れた見識の方に入っていただくということです。ここでしっかりまずは差別についてもご議論をいただくというところで、こちらをメーンに進めていきたいというふうな思いではございます。 【会長】 条例の中でなかなかそこは分かりにくいので、もうちょっと推進会議の中に障がい者の方も入っていただいて、きちんと議論するというところがもうちょっと分かりやすくなるとよろしいですね。  あと、その後に悪質といいますか、従わなかった事業者に対して行う審査会、そしてその審査会が諮問する専門委員の中にどういう方をお入れするのがいいか、もう少しご検討いただいたらよろしいかという感じがします。よろしくお願いします。  ほかにどうでしょうか。 【委員】 今、委員のご質問は非常に大切なところで、少しここのところをお尋ねしようかと思ったところです。特にフローチャート、31ページの最後の付録の相談体制の事案が発生した場合のフローチャートというのが付いてるんですが、ここのところで分かりやすく、どこに行ってどういう形で相談を受けて、どう対処するかというのを分かりやすく明記されると、割とどなたが見ても分かるんじゃなかろうかと。この説明をされるとどうかなと。  例えば、紛争解決手続きの括弧枠が付いてるんですけど、例えば真ん中の指導・助言とか、右に飛んで問題解決と、この問題解決はどこで解決するのか。例えば相談部会でこの辺で相談部会が入ってくるのか、それから特定相談のところにまたこれが行くのか、そういう流れをもうちょっと明確にされると非常に分かりやすいかなと。  それと委員がおっしゃったような、例えば21条のところで推進会議の2項のところに、「委員は障がい者および福祉、医療、教育、その他障がい者の権利の擁護について優れた識見を有する者のうちから、市長が任命する」というふうに明記はしてあるんですけど、今までいろんなところでこういう書き方の中で、例えば優れた識見って何をもって優れた識見かというところが非常に難しいところがあるんですね。  もちろん個人的にはすごく優れた識見のある方でしょうけど、じゃあこういう問題にかかわったことがある人かどうかというので、だいぶ違ってくると思うんですね。例えば、往々にして今まで実践がない方を選んで有識者とする場合が結構多くて、だから少なくともこういう大切な相談事例、ほとんどここのところでいろんな事例が解決に向かうことが多いと思うんです。過去にも現在にも、例えば委員になられる方はそういうところの経験が少なからずある方というところを明記しておかれると、ちょっと違うかなというふうに私は考えておるんですが、いかがでしょうか。 【会長】 条例は多分、文章だと思うんですけど、条例の説明みたいな付録でフローチャートを付けられたらいいというのは、僕も非常にいいんじゃないかなと、分かりやすいとは思いますね。2点、いかがでしょうか。 【事務局】 今の委員のご指摘で、条例の紛争解決、差別が与えてそれが解決するまでの流れが分かりにくいということでございました。条文で書いている部分が少し分かりにくいというところもあるかと思います。条例を制定して、それを周知する際につきましては、少し解説みたいな資料を作りながらやっていくというところと、あともう1つは少し細かな部分につきまして条例の中でそこまで細かくというよりも、そこは柔軟な形で規則であるとか要綱の中で決めていくということも今考えているところでございます。  それから、推進会議の障がい者の権利擁護等に優れた見識を有する者というのを、何をもってかというところでございますが、ここは市としてもそれなりに経験なりを持った方を想定しているところでございますが、実際そういう方を選ぶ際につきましては、障がい者の関係団体等の意見を伺いながら、どういった方がふさわしいのかということを決めさせていただきたいと考えているところでございます。以上でございます。 【事務局】 ちょっと補足でございますけど、推進会議は現在、差別解消支援地域協議会と兼ねるということで、既にメンバーになっていただいた方もいらっしゃいます。この協議会のメンバーの方、あるいは例えば条例検討会議のメンバーの方ということで、こういった差別関係のことでお詳しい方とも相談しながら、メンバーはしっかり決めていきたいというふうに思っております。以上でございます。 【委員】 そこのところはよく分かるんですけど、もう少し明確に、この推進会議の委員の中とか、例えば障がい者だけじゃなくて教育畑とか医療畑とか雇用のとことか、そういういろんなところで優れた識見を有する者のうちからと書いてある。ここのところはよく分かるんですが、何度も同じことを言うようでございますけど、本当にまったく現場の経験がないような方もいらっしゃることが結構あるんですね。だから、先ほども言いましたように、本当に識見が優れた方はいらっしゃるんですけれども、現場にある程度かかわった人をというような文言が明記されんかなと。今、委員の質問なんかでずっと私も思ってたんですが、これは条例の中には明示できないんですかね。 【会長】 いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者部長でございます。まず、条例にできるかできないかというのは、これは法制部門との協議にはなろうかと思います。適切な表現ができるのであれば条例に入れることも可能かとは思いますが、条例に全部書き込むというよりは、条例は骨格をしっかり作る、その方向性に基づいて規則あるいは要綱を設置して、具体的な運用の部分についてはそういった規則等で対応するというのが一般的でございます。条例に規定できるのか、あるいは規則ですべき内容かということについては、ちょっと法制部門と確認したいと思います。 【会長】 現場に詳しい方をというのはもっともなご意見と思いますので、少なくとも規則の中では入れていただくということでよろしいですか。そういう方が入ってこられるようなルールというか、それはあったほうがいいと思いますね。 【事務局】 ご趣旨はよく分かったつもりでございますので、表現については少し法制的な部分も含めて検討させていただきたいと思います。 【会長】 ほかに。委員から。 【委員】 私自身もつくる会に長年かかわっておりましたので、そういうことも含めて3点ほどお尋ねとお願いをしたいと思います。  1つは、まずこの条例の考え方なんですけれども、私も含め、この条例自体は決して差別をした人を罰するとかそういう視点で考える条例であってはならないと思っています。むしろ、福岡市民の方に広く障がい者に対する差別について理解をしていただいて、誰もが住みやすい、条例案のタイトルにあるような福岡市を実現するための条例であってほしいと、そういうのが基本的な考え方です。  ですから例えばヨットをとめちゃいけないとかいう河川管理条例、川の堤防を勝手に取り崩してはいけないという河川管理条例という、そういう条例とは全く質が違うものを目指しているということを、条例を考えるときに立場として持っておかなければならない。  もう1つは、今回のこの条例の取り組みについては、基本的には国連の障害者権利条約に源を発してるということです。もちろんこれは釈迦に説法であれなんですけれども、条例を考えていく中ではやはり基本的なことは障害者権利条約で、世界の標準がどういう形で、例えば医学モデルから社会モデルに変わっているとか、そういう社会の流れ、世界の流れ、それを踏まえた条例のあり方とか考え方とか取り組み方を考えていく必要があるのかなという、基本的にはそういうふうに個人として考えております。  そういう意味から言えば、まず現在の条例案について、1つは「何人も」という部分が落ちてるのではないか。つまり、差別をしていけないのは行政、事業者だけじゃなくて、市民だっていけないという基本的なメッセージはやはり送るべきだと思います。  そうしないと、確かにこの案を見ますと、市および事業者という文言が7条、8条に出てまいります。7条では、「市および事業者は不当な差別的取扱いをしてはいけない」、8条では、「市および事業者は合理的配慮をしなければならない」あるいは「合理的配慮をするように努めなければならない」、そういうふうに書いてあります。しかし、条約に遡れば、これは条約の中にもあります、はっきり。条約の4条の中に「いかなる個人、団体または民間企業による障害に基づく差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること」、はっきり「いかなる個人」という言葉が入っています。そういうスタンスを条例の中にも反映させていただきたいというのがお願いといいますか、お話です。  先ほど議論になりました報告書の19ページ、13条の相談ということがありますが、13条の相談はまさに市民の話なんですね。市民が出てきてるんです。条例の中にはっきり市民、障がい者およびその家族、関係者および事業者、ここはもう市民なんです。相談の主語の市民はほかの場面では、特に合理的配慮の場面では出てこないんです。ここはちょっと足りないというか、そこはやはり考えるべきではないかなと思います。  そういうのがあって、具体的にお話をすると、例えば7条は報告書の10ページですけれども、第2章「障がいを理由とする差別の禁止」の第7条に書いてあるのは、「市および事業者は不当な差別的取扱いをしてはいけない」というのは、これはこれで十分分かります。ただ、その前に「何人も」と、何人もというのは行政も事業者も市民も差別をしてはいけない。差別という意味は、不当な差別的取扱いと合理的配慮の不提供をしてはいけないというのを、きちんとメッセージとして市民に対して送るべきではないかと思います。  福岡県の条例が4月に施行されました。地元の福岡県。その福岡県の条例の第8条、これは県の条例です。県条例の8条の中には「不当な差別的取扱いの禁止および合理的配慮の不提供」という条文が入っております。要約しますと、第8条の1項では「何人も不当な差別的取扱いを行ってはならない」、第2項では「何人も社会的障壁の除去に可能な限り努めなければならない」、福岡県の条例でも入ってるんです。  それがどうして福岡市の条例で規定できないのか。そう単純に思います。県の条例の中でこういう、しかも県議会も通った条例の中で、福岡市の条例でそこがどうして書けないのかなと。実際に、13条で市民が相談するとはっきりと謳っている以上は、やはり市民も含めた条例ということをきちんとメッセージで伝える必要があるのではないかなというふうに考えます。それが第1点です。  それから第2点ですけれども、先ほど資料2で基本理念のお話がありました。条例の原案の中では、「社会的障壁の除去のためには、合理的配慮を行うことが促進される必要がある」と。今時点の結論としては、一番下の「何人もうんぬん」というふうに条例原案としてはなっております。つくる会としての中では、2番の論点の先ほどの流れとして、何人も合理的配慮をしなければならないという規定を入れていただけないかということでお願いをしたんですが、こういう形の結論に今現在ではなっております。  ただ、これもやはり合理的配慮について、もともと条約に遡れば合理的配慮は、B意見と書いてありますけれども、個人の考えではなくてはっきり条約の中に書いてあることなんですね。それは道徳でも何でもないです。ある意味、法なんです。法より上なんです。法と道徳とは区別すべきだと書いてあるけど。この条約を批准したわが国としては、やはりそこは条約の趣旨に従って、Bの論点のような形の規定にできないだろうかというのがお話です。以上です。 【会長】 相互に関連する2点、今お話がありましたけれども、福岡市のほうでいかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。まず、合理的配慮についての文言が、市民も対象にするということが入っていないということの意見でございますよね。この合理的配慮ということにつきましては、それを規制するということは個人の思想や言論ということを縛ることが、この同様の中で縛っていいのかということが1つ問題になるかと考えております。合理的配慮をしなければならないという規定をするところでは、少し慎重に考えるべきということで思っております。  併せて、今回、福岡市の案としましては、2条3項において合理的配慮の促進が必要ということを認識し、その理解を深めていくこと。その理解を深めるということで、まず段階的に合理的配慮というのを進め、障がい者差別の解消を図っていくと考え方に、そういう形で考えているところでございます。 【事務局】 補足をします。 【会長】 どうぞ。 【事務局】 障がい者部長でございます。検討会議の中でも、今、委員がおっしゃられたとおり、この条例で例えば取り締まるだとか何か対立関係でどんどん制裁を加えていくものではないということは、検討会議委員の一致したところだと思います。  それを踏まえたところで申しますと、どちらを向けて出すのがいいのかということになりますが、報告書の10ページでございます。委員がおっしゃったように、10ページの7条の前のところに、市民も含めて「何人も」というような、差別をしてはならないというような条文、確かに県のほうには入ってございます。  ただ、市民に関しては、それ以降は相談のところは出てまいりますけれども、規制的な勧告をするだとか公表するという流れにはなってないというのは事実でございます。検討会議の中でも申し上げたんですけれども、この2章以降というのは具体的な規制、どういう規制をやっていくのか、例えば先ほどありました指導を行うだとかあるいは勧告、公表という流れの中になっていきますので、ここで市民まで書いてしまうと、市民も何か規制されるのではないかということと分かりにくいのではないかということで、ここには挙げていないという状況です。  県に関しましては、確かにここに挙がっておりますが、後ろに県民を何か規制するような条項はありませんので、あくまでも理念規定と申しまして、こういう考え方で進めるという理念をここで県は書かれているというふうにわれわれは認識をしております。  市としましては、その理念については報告書のほうに戻っていただきまして4ページに、先ほど資料2で論点とさせていただきましたけれども、この基本理念の中に2号のところで「何人も不当な差別の取扱いにより権利利益を侵害してはならない」ということで、ここで理念を掲げたということ。  それと3号の合理的配慮、これはまさに論点でございますけれども、なかなか合理的配慮というのが浸透してない中で、市民も含めて合理的配慮をしなければならないとこの段階で言うのは非常にきついのではないかと。市民の立場からすると、まだ合理的配慮というのがどういうものか分からない。合理的配慮自体が、障がいのある方に対して特性に応じてその場その場で判断していかないといけないという内容でございますので、なかなかそこまでは書ききれないということで、検討会議の中ではここにありますように「社会的障壁の除去のためには合理的配慮が促進される必要がある」というふうに入れてございます。市側のほうにつきましては、これだと誰が主語なのかよく分からないというようなご意見もあって、何人もということで一人ひとりがしっかり認識していただきたいということで、そういった合理的配慮の促進が必要であることをしっかり認識していただいて、理解を深めていただきたいというような案になったところでございます。  ですので、そういった理念的な規定はこの第2条のところで書かせていただいております。7条以降については、具体的な規制にかかわる部分の条項という整理をさせていただくということで、こういう形になっているところでございます。以上でございます。 【会長】 委員、いかがでしょうか。今のご説明に関して。 【委員】 委員長いいですか、関連で。 【会長】 先にどうぞ。 【委員】 今、委員からありましたが、何人もという、これは大変メッセージ性が強い記述だなというふうに思っています。さいたま市と新潟市は、第2章に入ってからの差別をしてはいけませんという章の頭に、何人も差別をしてはなりませんという強烈なメッセージ性の強い条例の文言になっています。ここは特徴的なんですけれども、この2都市は。  それで、なぜこういった強いメッセージ性が他都市ではできて、福岡市ではできないのかなというふうに思っています。多分ご存じないと思いますので、説明文をちょっと読ませていただきます。なぜ、何人も差別をしてはなりませんというふうに書いているか、他都市は。市民に対して規範性を示すために、何人も差別をしてはなりませんと規定しています。当然、市も事業者も同じであります。  そのあとにどう書いてあるかというと、「一般私人の行為や個人の思想、言論については、個人の自由な意思に委ねられていることを認められている私的な領域、私的自治の原則です。そのため一般私人の関係における差別はこの条例の差別に含めていません」というふうになっています。ですので、先ほど委員がどうでしょうかと言われた回答に対して、他都市は「一切問題ありません」と言ってるんです。福岡市だけ問題があるんでしょ?だから、ここのところもぜひ再考をしていただきたいなと思います。  そして、ちょうど先ほど福岡市の条例にはうんぬんというふうにありましたけれども、福岡市は全く同じように第2章と章を新しくして、必ずどこの自治体の条例もそうですけれども、新しく章を立てて不当な差別的取扱いの禁止、差別の禁止というふうに項目を立てます。そして項目を立てた一番最初の頭に、差別することに対しての表明が述べられます。福岡県は、第2章の頭に差別の禁止の項目を立てて、差別に対する表明をしています。その差別の表明というのは何かというと、「何人も障害のある人に対してあらゆる分野において不当な差別的取扱いを行ってはならない。何人も合理的配慮の提供を誠実に行うことにより、社会的障壁の除去に可能な限り努めなければならない」というふうにきちんと1号、2号で書かれて、そのあとに実体的規定が設けられています。  これは福岡市と全く同じパターンです。なのに何でこれが書けないのか、これはぜひ再考していただきたいと思います。 【会長】 確かに、メッセージという点ではずいぶん弱いんじゃないかということだと思いますね。いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者部長でございます。ちょっと先ほどの説明が足りなかったのかもしれませんけれども、福岡市は2条のところでメッセージを出しているということで、ここに基本理念を掲げているという考え方で整理をさせていただいています。  この2号、3号、あるいは他の号の書きぶりがというのはまた別途あろうかと思いますけれども、先ほど委員がおっしゃった部分につきましては、2条の中で整理をして、7条以降についてはいわゆる規制にかかわる部分についての規定に整理したということで、福岡市が表明をしてないというわけではないです。2条という形で、ここにメッセージを9項目にわたって記載することでわれわれは同じような効果があるというふうに考えておりますが、いかがでございますでしょうか。 【会長】 構成の問題になりますけれども、ここで基本理念の中で何人もという形で、(3)は今から議論しますが、第2条の(1)(2)というところで記載はあると思うんです。あるいは(4)というところで。いかがでしょうか。 【委員】 先ほども申し上げましたけれども、条例というのは市民に対してどれだけのものをメッセージとして伝えられるかということが大事になってくると思います。第2条に書かれていることも、第2章の「不当な差別的取扱いの禁止」という新しく章が立つわけですので、ここで差別に対する表明をしても何らおかしくはないと思いますけれども。 【会長】 第2章の冒頭に書くと繰り返しみたいになりますけど、どうですか、そこは構わないんでしょうか。第1章の第2条で基本理念はかなり明確に書かれていると思うんですけれども、第2条はかなり禁止に関する事項を具体的に書いているような章になるかなと思うんですが、ここにもやっぱり最初に入れる必要がありますかね。ほかの委員の皆さんもいかがでしょうか。どうぞ、委員。 【委員】 検討委員会の副会長ですので、厳しい指摘があったあとですのでなかなかつらいところがあるんですけど。  基本的な考え方が5個ありまして、その中でも特に重要視しているポイントが一番最初に出ました相談体制のところです。相談体制は一番最初の窓口で、そこで出てきたいろんな事例なんかを想定しながら、こういう差別の実態があったときにどこが相談を受けて、どういうやり取りをしていく中で解決できる問題と、最初の窓口の段階と、それが難しかった場合の第2段階の受け入れ、それでも難しかった場合の3段階で、ちょっと前の話に戻りますけど、そういうところをかなり重視して実際に起こっている事柄をまずきちっと理解したり整理したりしていくことが、この条例を作ることの基本で大事なところじゃないかなというところで、1つ大きな軸で進んできたところがあります。  その前に、最初に出てきたときにそのところの整理があまりきちんとできていないんじゃないかという指摘があったところで、第2段階で出てます推進会議というのが、ここで出てます一般的に地域協議会ですか、これが既に福岡市にあって、それと推進協議会との違いみたいなところは十分に検討してきてないというのが事実としてあります。申し訳ないです。ここがきちっと機能してくれれば、この時点でかなりの差別の問題が解消するんじゃないかというような認識があったものですから、このあたりの流れがちょっとここの文面には書かれていないところがすごく弱かった。  それでも駄目な場合には、審査会でちょっと罰的なところが出てくるかもしれないけどという流れです。そこを、実際の現場で起こっていることをもっとやっていくのが、条例ができたところの一番のポイントじゃないかというところは認識があったんですね。その辺だけに重点がいってたので、委員とかそういうことでかなり何度も話し合ったんだけど、そこら辺では納得してもらえてないところが委員さんの中にたくさんあったというのが事実です。  そういう点では今日言ってもらうことは大いに結構だと思いますけど、相談体制をしっかりやるところの現場、これがないと、つくる会で出てきた実態を見たら、やっぱりつらいわけですね。だけどそれに対して、何も今までできてきてないということで終わってはということが一番基本にあったものですから、こういうところになったかもしれないと思います。すみません、少し言い訳っぽくなっていますが。 【会長】 いいえ、どうも大変ありがとうございます。解説していただいて、よく分かりました。第3章の交流とか相談窓口をきちんと書かれて、非常に意味があることで、そこが少し分かりにくかったというだけですから、そこはフローチャートなり何なりで補っていただければよろしいんじゃないかなと思います。  メッセージ性というもう1つの非常に重要な面について、第1章の「総則」、そして第2章の「障がいを理由とする差別の禁止」の条項みたいなところと、第3章が今の「具体的な施策」という大きな項目立てとしてはよく分かるんですが、第1章の「総則」の中に基本理念みたいなことが埋め込まれているので、ちょっとメッセージ性が弱いかなというところは僕も感じます。だからここの基本理念のところを、章を立てるなり何なりして、もう少し強く一般の市民の方に伝わるような方法で書けないかなということは感じます。  あとは、あんまり重複して何回も何回も出ても仕方がないような気が私はします。この総則の中に、基本理念を入れ込まないというか、もう少しここを工夫できるんじゃないかなと僕は思います。具体的な事項はもう少し話し合います。  どうぞ、委員。 【委員】 です。8回も会議を委員の皆さんにしていただいて、出ていないことがあるのもなんですけれども、私は教育とか福祉の現場にいまして、やはり差別ということで、障がい者のことを理解してほしいというのを常日頃思っておりました。  そのことを考えるときにまず第1条の目的ですけれども、ここの中で一体どんな主体が、市なのか、主体は何なのか。何がこの目的を達成するのか、主体はどこにあるのかというのがはっきりしてこないんですよね。  この中に「障がい者が社会を構成する主体の一員として自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画し政策の決定に関わることができる環境を構築し」と、これはまさにこういうことをするのは市でしかできないことですね。これは市がこれに対して責任を持つ。この一番の目的は、市が責任を持つという、主体を持つということで理解していいのかということを感じます。  それに関連して、4条なんですけれども、4条の市の責務のところがあります。「市は基本理念にのっとり、障がい及び障がい者に対する理解の促進を図るとともに、障がいを理由とする差別の解消に関する施策を策定し」とあります。このときに例えば施策というときに、いろいろな例えば地域の団体で住民自治の間には自由……とかありまして、かなり今までそういうふうな啓蒙啓発をやってますけれども、変わってない実態とか差別がある実態とは一体何なのか。もしかしてこの条例ができても変わらない実態が続くかもしれないということを思ったときに、ここに初めて市の施策が必要なんだと。現実的に。  そうすると抽象的よりも、市民や自治組織に対して差別のない地域社会を作るための現実的な政策をちゃんと作って、そうすることによってさっき言った施策に参加して、市議会とかそういうところに政策に参加するよりも、住民が住んでいる自治、町内会とかそういうところに実際障がい者の席の場があるのか、参加できてるのか、そういうふうな本当に足元のところからちゃんと参加できるような状況があるのかとか、そういうところじゃないでしょうか。  そういう皆さんの住んでいる、障がい者が住んでいるところに、ちゃんときちんと足場があって社会参加できているかどうか。社会参加ができるかどうかは、本当にこれが今ない中で、市の施策がきちっとこの中で生きてこない限りは、現実的に条例があっても、初めて施策があって世の中に条例が広がっていけば啓蒙もできていくわけで、皆さんが住んでる中で実践を広めていくということがなければ、この条例だけで差別してはいけませんと言っても、私はなかなか難しいんじゃないかなと思います。  それと合理的配慮のところがありましたけれども、特に教育場面のところで、何条でしたっけ、ちょっと分からなくなったんですけれども。実際に教育場面のところで、過重負担の場合は合理的配慮の必要はないというような、合理的配慮じゃなくていいというような表現のところがあったんですけれども、教育現場の合理的配慮に関しては、保護者や当事者の方に、なぜこの配慮ができないのかきちんとした説明を必要とするというような条項を入れてほしいと思います。  過重負担だったらできないよという終わりではなくて、そこに合理的配慮ができない理由はこうですよという説明を市はしなければいけない。そういうところがそこに入ってないと、過重負担だから終わりですというわけにはいかないと思います。  ちょっと何条か分からなくなったんですけれども、多分、過重負担のところにあったと思いますけど、とにかく今の障がい者のいろいろな問題というのは、自然発生的に世の中が良くなるというわけじゃないんですよね。やはり配慮、こういうふうな条例とかがあって初めて変わっていく。それを率先してやってもらいたいのが市の施策で、それが啓蒙になって啓発になって、そして条例そのものが市民に理解されていくのではないかなと思っております。  もちろん差別はいけないし、してはいけないし、それをする人に対して罰則もしくは公開ということも必要かもしれないけれども、それと反対に、皆さんに理解してもらうためのいろいろなことを市の責務としてやってもらいたいので、さっきの1条と4条、1条の主体は誰かということと、4条をもう少し具体的な形で書いていただきたいと思います。 【会長】 今、主な点は3つぐらいあったと思うんですが、1つ1つやっていかないと分からなくなっちゃいますので、第1条の目的のところは、確かにこれを読んで僕も非常に分かりにくいと思いました。ここはもう少し明確な書き方が必要かなということは感じますけど、いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。まず第1条の表現についてですが、これは主体が何かというところでございますが、第1条についてはこの条例自体の目的を定めたものでございまして、条例自体の実施につきましては中にいろいろ書いてございます。例えば市の責務であるとか、事業者の責務であるとか、市民等の役割であるとか、それぞれの果たすべき役割が市だけではなくてそれぞれあるところでございます。それをこの条例の中に定めたということを、この目的で書いているところでございます。 【会長】 第1条をちょっと済ませましょうか。  この第1条は、この条例の目的ということですね。そういうふうに書いていただいて、目的とは何の目的か分からないですね。そしてこれ全体で1つの文章になっているので、読んだだけでは分からないですよ。もう少し短く区切って、普通の読解力の人が分かるようにしてもらわないと、これは良くないと思います。ここはぜひ修正してください。お願いします。あくまでも条例の目的だということで分かる形にしてください。いいですか、そんなところで。  じゃあ第4条のほうをお願いします。 【事務局】 第4条の市の責務につきましてですが、具体的にどういったところに施策を打つのか、今おっしゃった市民とか自治体に対してのそういう施策をということでございました。  おそらく市が差別の解消に向けて取り組む施策というのは、いろんな形があるかと思います。そういう市民とか自治体向け以外にもいろいろある中で、特に条例の中でそこを細かく規定するという形よりは、少し大きな形で条例の中で定めて、具体的に進める中でより実情に合った施策をやっていくことが必要じゃないかということで考えているところです。 【事務局】 障がい者部長です。今回、条例を市長提案という形で議会のほうに諮っていきますので、こういった市長提案の条例を提案するということは、これは市としてしっかり施策を考えていって、いわゆる差別解消に努めていくというのは当然と言えば当然でございます。  ただ、施策の細かい内容については、推進会議の第19条にもありますように、重要な施策に関しては意見をいただくという場もありますし、それ以外のさまざまな場所でも意見をいただきながら具体的な施策は考えていかないといけないと思っております。当然、一般的にはこういう表現で市がしっかりやっていく。そして次の事業者の役割、市民等の役割、こういったところも踏まえて市のほうがしっかり施策をやっていくということを、何をやるかというのは条例が出来上がる過程と併せながら、具体的にはご相談しながらやっていこうかというふうに考えています。 【会長】 条例なので「障がいを理由とする差別の解消の施策を策定し実施する」というふうに明記しているので、施策の内容までかなり詳しくここに書くのは無理があるかなという気が私はしますが、いいですか、それで。 【委員】 やはり今までできてないことが原因で差別がずっと続いているもので、差別条例をするということは、どこか社会の中に変えていくものがあるとすれば本当に社会へ参加するということだと思うんですね、障がい者が。そうすると地域社会の参加ということを、住んでいるところに風穴を開けるようなところまで入り込まない限りは、私は何も変わらないというのを思います。いつも誰かするだろうとかその辺がはっきりしないままに、それは今度話し合ってするとかいうことをずっとやってるんじゃないかなと思います。そしてそれは絶対に手を付けられない課題となって、障がい者そのものが何も変わっていかないのじゃないかと思うのはこの部分ではないかなと思います。  市でないとできない部分は一体どこかというところに、きちっと目を当ててやるということが市の責務ではないかと思います。根幹は一体どこなのか、社会参加はできないとなっている。それから障がい者と地域ということがうまくいってないのはどういうことなのか。ここには障がい者団体とか事業者の方とか多いと思うんですけど、実際に今度は地域に住んでいる障がい者の目線で考えていくという条例でないといけないのかなとは思っております。その辺のところをよろしくお願いいたします。 【会長】 どうですか。 【事務局】 貴重なご意見ありがとうございます。そういった趣旨を踏まえて、施策の推進に当たりましては、そういったご意見を重々受け止めて考えていきたいと思います。  ここに表現としてどこまでできるものかというのは、法制部門と検討が必要かというふうに思っております。以上でございます。 【会長】 障がいをお持ちの方が社会参加できるような、そういう文言があったほうがいいような気がします。そこはちょっとお考えいただいたほうがいい。委員、どうぞ。 【委員】 僕が基本的に思っているのは、この前言われたように本当に当事者の人たちのことをしっかり何が起こっているかを知ったり、生活を見ていくような広がりが一般の人たちの中に入ってこない限り、これは無理ですよね、差別というものは。いくら理念で語っても。  そういう点では、先ほども身近なところで起こっている、最初はつらいかもしれないけど、差別を受けたような事例をもうちょっとそうじゃないところを、こういうふうにならないようにしていくような具体的なところでやっていく。相談体制という言葉で簡単にいかないかもしれないけど、そういうことが起こってこないとやっぱり無理なんじゃないかなと。そういう点では、大きくこの差別条例を作って、もちろん上からきちっと見ていかなきゃいけない視点もあるんでしょうけど、日常生活から見ていくような視点、これもさっき言った施策とかに具体的につながっていくんでしょうけど、それを念頭に置いてこの条例も進んでいって、3年後もう1回どんなことが起こってきたかみたいなことでやっていくような仕方じゃないと、ぽーんとまた花火を上げてやってたって、実態はあまり変わらないところはあるんじゃないか。3年後また同じようなことをやるよりも、ちょっとでも進めていくようなものになっていければなというふうに思っています。 【会長】 どうもありがとうございました。そういうことも踏まえて検討していただきたいと思います。  次に、最後に第7条の(3)のところです。過重な負担だからできないとか、そういうことについての説明というふうなお話があったと思うんですが、ここのところは市のほうではいかがでしょうか。 【事務局】 第8条の合理的配慮についてでございます。委員のおっしゃった合理的配慮ができない場合は,ちゃんとその旨を伝えなければいけないということの趣旨でございましたが、合理的配慮ができないということにつきましては、実は合理的配慮の考え方は障がい者の差別解消法の中にも合理的配慮がありまして、それに基づいて国が基本方針とかにも定めております。  基本方針の中で、できないという正当な理由があれば、それをしっかりと説明して理解を得るということを謳っているので、条例の中にも定めているところではございませんが、当然,説明していくことが求められているものでございます。  あと、具体的にはその辺の詳しい進め方なりにつきましては、特に要綱とかガイドブックなりマニュアル等で、しっかりその辺も周知していくという形を考えられるかなというふうに思っているところでございます。以上です。 【会長】 委員はいかがでしょうか。 【委員】 やはり保護者とかにきちんといろいろな問題があるときや、こうしていただければ自分の子どもはこの学級に入れるとか、いろんな問題があると思うんですね。それが過重負担でどうしてもできないというときに、医療的ケアの問題とかいろいろあると思うんですけど、やはり丁寧に説明することが公平性、平等性にもつながる。  また、一旦、市がそういうふうな説明をしたことが今後残っていくことによって、また今後の課題として残っていくし、その場をきちっと持って説明の場を設ける、丁寧な。そういうことを明らかにしていくことが必要じゃないかなと思います。その辺がはっきりしてないと、いろんな問題が起こったときに、もしかしてこういう問題って相談に行かないで教育委員会と保護者で終わるとか、学校と保護者で終わるとかうやむやになるようなこともあるかも知れない。なかなかそれが普通の市民のところに、どうしたらいいのっていうことが届いていかないので、やはりその辺も丁寧に説明ができることを市のほうで、教育委員会のほうで作っていただきたいと思います。 【会長】 多分、第7条の3のアとかイのところに、説明のことはここに記載されていますので、禁止に当たるというふうなことで文章がないわけではないと思います。  あと、具体的なマニュアルなんかは市のほうでまたお考えいただくようなことを、ぜひ検討していただきたいと思います。  よろしいですか、そういうことで市のほうは。 【事務局】 なかなか教育委員会等の現場でこういった考え方がしっかり周知されてない部分もあるかも知れませんので、市としても教育委員会や関連する部局には、こういったご意見があるので、例えば合理的配慮が負担が過重であるということについてもきちっと説明する必要もありますし、7条でも不当な差別の取扱いということで、そこも例えば不当ではなくて合理的な理由があるというようなことでできないということであれば、そういったところを真摯に説明する必要があろうかと思いますので、そこはしっかり各部門に周知徹底ということをまずやっていきたいと思っております。 【会長】 よろしいですか、ほかに。じゃあ委員。 【委員】  私はまず簡単に19ページの13条の文言のところですけれども、この相談は特定相談ということで、特定相談という名称を使うというのが1つ。特定相談事業所というのは既にあるわけですし、他の分野ならいざ知らず、障がい分野では既に特定相談という言葉を使っているので、ここで特定相談という言葉を使われると単純に混乱するんじゃないかなと思っております。ほかのうまい何か名称なり相談の名称なり、ないものだろうかと。おそらく検討委員会の中でも随分議論されたんじゃないかなと想像はするんですけれども、わざわざ特定相談事業所という名称で事業所もたくさんありますので、ここで特定相談と使われると単純にいろんな面で混乱が出てくるんじゃないかと思います。ですので、ここは文言を再考できないかなと思っております。  あと、相談の体制ということで非常に重きを置いてきたということでご説明があったと思うんですけれども、私がよく分からないのは、最初の相談を受ける窓口というのはどこになるのかというのは、これを読んでもよく分からない。そこをちょっと教えていただければというふうに思っております。それが2点目です。  それからずっと議論にもありました合理的配慮の件であるとか、2条の3項においても、理念規定であると言われるのであるならばこそ、何人も合理的配慮をしなければならないというふうな規定に置かれて、市民に対するメッセージという形で置くことはできないのかなというふうに思います。それが1つですね。  それと第7条のところで、市と事業者だけでなく、何人もというのを付けるのは難しいと。これは先ほど言われたみたいに、きちんと章立てをしてというか、項目を立てて「何人も差別をしてはならない」という項目を付けても、そこは二重になってもいいのではないかということです。やはりきちんとした、この条例が市民に対するメッセージであるということであるならば、そこを明確に打ち出すことが大事なことではないかなというふうに感じております。以上です。 【会長】 それでは以上の4点について市のほうからご説明をお願いします。 【事務局】 まず第13条の特定相談という表現でございますが、こちらは他都市の条例も参考にこういった表現にしているところでございます。ここは市としてもほかに適当な相談という表現がなかったものですから、こういう形にしておるところでございますが、適当な表現でこういった相談という言い方、表現がありましたら、それをまたご意見としていただきたいというふうに考えております。  次の一番最初の相談体制の相談窓口をどういったことかということでございますが、福岡市のほうで想定しておりますのは、今、福岡市にあります区の基幹相談支援センターを窓口とするということで考えております。ここで差別に対する相談に限らず、障がいにかかわるあらゆる相談を基幹相談センターのほうで受けるという形にしていますので、当然、差別にかかる相談につきましてもこちらの窓口で受けていくということで、今のところ考えているところでございます。  もちろん、その中でより専門的な具体的な中身になってきたところでは、より専門的な相談窓口ということが必要になってきますので、現在そこで今もやっております障がい者110番といった窓口とかを活用しながらやっていきたいと考えております。  あとは理念規定の「何人も」というところでございますが、これまでも何度も説明させていただいたところでございますが、やはり理念規定と「何人も」における実際の規定にかかる部分というのは、分けるという形でしていきたいというところでございます。理念規定の中で、よりその理念がメッセージ性が伝わるような見せ方については、少し検討をしていこうというふうに考えます。以上でございます。 【会長】 それだけでしたか、何か落ちてるような。それだけでしたか? 【委員】 窓口についてなんですけれども、市民の側からすれば、障がい者の立場でいけば基幹相談支援センターというのも1つだろうと思いますし、普通にぱっと考えたら保健所であるとか、窓口というのは多いに越したことはないのではないかというふうに思っています。  この窓口における調整・あっせんというふうに資料の20ページのほうにもあります。窓口のほうで調整・あっせんをやっていくという理解をしていいんですかね。  それとその下の段、20ページの5段落目のところで、「調整・あっせん、助言・指導を市が独断で行うものではなく」というふうな文言からすると、そこの調整・あっせんにおける主体というのはどこになるのかなというところ。基幹相談支援センターに任せますという話なのか、そういうところで専門性がより求められるのであれば110番のほうにということでも今ありましたけれども、やはり基幹相談支援センターとして調整・あっせん等で一般の事業者さん等に入っていくに当たって、何の権限も持ってないと思いますし、基幹相談支援センターが一般の事業者さんに認識されているとはあまり思えないところからすると、本当にそういった事例で「調整・あっせんに参りました。相談に参りました」と言っても、「お宅は誰なんですか」と言って追い返されるというか、どこまで真摯に受け止めてもらえるのかなと。  そういう意味では、ある程度公的な力と言いますか、そういったものが必要なのではないかというふうにも感じております。基幹相談支援センターの職員の顔が浮かびますので、彼らがどうやって企業の事業者さんに入っていくのかというのを見たときに、非常に困るのではないか。実際に動こうにも動けないというのが実態、あるいは対象となる事業者がどこまで話にきちんと対応してもらえるのかというところで、やはりある程度の公的な権力というか、力というものがそこに必要になってくるのではないかと感じております。 【会長】 相談窓口に関していかがでしょうか。それに関連したことでしょうか。じゃあお願いします。 【委員】 実際に私がよく相談を受ける人が、基幹センターに電話を入れても応じてくれないと。出かけてあったりとかいうことで、人手が少ないのではないかなと思うんですね。今でさえそういう状態があるのにもってきて、こういうことが増えるんだったら人の配置をもう少し考えていただきたいし、電話に出る人も1人ではなくてという体制にしてもらわないと、本当に相談したい障がい者が「電話をしたけど出かけていると言われた」とかと言って、うちのほうに電話をもらっている。  そのときは正直なところ、上から水漏れしてるんだけどどうしたらいいんだろうということだったんですけど、そういうことだって障がい者にとっては、1人で生活していればどうしても誰かに言わなきゃ解決しない問題です。結果的に、そのときはセンターの人は来てくれなかったみたいなことを言ってました。あとから電話があったけどということで。  私はそれを聞いたときに、その人が住んでいるところの管理会社に留守電を入れました。本人も、「電話をしたけど出ない。9時からでないと出ない」ということだったらしくて、私はその中に留守電を入れて、「こういう状態になっているので取りあえず対応してください」ということをお願いしてたら、9時ぐらいになって電話があったということです。  それまでは、上から漏れている水に対してどうしたらいいんだろうということだったから、バケツがあるならそういうものを下に置くとかバスタオルを置くとか、そういうことで応急処置をして業者に来てもらうようにしないとねということで対処したことがあるんですけれども。そういうときこそ支援センターとかっていうところがすぐに動いてくれないと、本人たちは本当に不安を持っている人たちなので。  台風だって「今度の台風はどうなんだろう」と言って電話してくれるような人なんですけれども、やっぱり自分たちが思ってないようなことを心配している人たちなので、そういうのにも対応してもらうためにはやっぱり人がたくさん必要なんじゃないかなと思います。この仕事をあそこに、この仕事はあそこにという前に、人を増やしてほしいと思うんですね。それがないと結果的には成り立っていかないんじゃないかなと思います。ぜひそういうところをお願いしたいなと思います。 【会長】 今の2つのことについて、福岡市のほうでいかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。まず委員からの意見でございまして、調整・あっせんというのを一体どこがやるのかということでございます。当事者間の調整またはあっせんというのを行うには、障がいと障がい者に対する専門的な知識だけではなくて、障害者差別解消法や今回作っている条例についての知識、それに幅広い知識がまた別途必要になるということでございます。  それで通常の業務として、そういう調整・あっせんに携わる専門の人がやっぱり必要なのかなというのは考えております。区の基幹相談支援センターにつきましては、もう少し相談窓口としての業務を担っていただきたいということを考えておりまして、具体的な調整・あっせんにつきましては、その次の段階の機関がやっていくということを想定しており、もちろんその中には福岡市もしっかりとそこに関わりながら行っていくということで、今のところは考えております。  それと関連しまして、基幹相談支援センターへの人員的な措置が必要じゃないかということでございます。もちろん今回条例ができることで、さらに相談というのが増えるということも想定されます。相談を十分に対応していくためには、それなりの人員配置というのも考えていく必要があるということでございます。  ただ、これにつきましては市の中の予算編成、組織編成の中でしっかり検討していきたいというところでございますが、やはりそこは財源、予算的な問題も絡んでくることでございますので、その辺を総合的に考えながら、必要なところには必要なものを付けるということでしっかり取り組んでいきたいと考えております。以上でございます。 【会長】 ちょっと今、調整・あっせんの主体が分からなかったですね。もういっぺん明確に言っていただけますか。 【事務局】 調整・あっせんを行いますのは、今考えておりますのは障がい者110番という形で専門の相談窓口というのを設けておりますので、そういった差別を専門に扱う窓口において調整・あっせんを行うということを想定しております。 【会長】 基幹相談窓口で相談を受けて、差別を専門とする方のところにあがるという意味ですか。 【事務局】 そこにつないでいくというような形で考えております。 【会長】 委員、そういうことでよろしいですか。  そしたら委員のご意見もございましたので、絵に描いた餅にならないように、しっかり予算のほうを考えていただきたいと思います。   【委員】 いくつか分からない点があるんですけれども、例えばベンツという言葉を知ってますか、行政の方。車のベンツから取った言葉みたいなんですけど。よく子どもたちの間で、ガイシャとかガイジとか、ガイシャという言葉が要は隠語としてベンツに変わっていったと僕は聞いてるんですけれども。  結構、これは障がいのある人を蔑む言葉というか、そういう言葉としてそういうのが子どもたちの間でずっと使われているみたいなんです。僕もちょっと地域の学校に通ってなかったので、小学校とか中学校。その言葉自体をこの取り組みをやるまで知らなかったんですけど、ちなみにこの言葉を子どもたちが発した場合、これは差別に当たるのかどうか、ちょっと教えてほしいんですけど。 【会長】 いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。まず今回の差別解消条例につきましては、直接、市民の方による差別は取り扱わないということなので、一応今回の条例等では規制の対象とはならないところではございます。  この発言が差別かどうかというのは、やはり受け取る側の考え方にもよるということです。そういう発言ということでそれに対して心理的に負担を強いるというものであれば、それは差別というふうに考えることも考えられるのかなと思います。 【委員】 今の発言、かなりびっくりしたんですけど、差別じゃないんですね。  何人も差別の取扱いをしてはならないということを謳っているんだけれども、合理的配慮が事業者、サービス提供をやっているような事業者とか行政ということで合理的配慮の問題がある。それで個人を外すというのは分かるんだけれども、何人も差別的取扱いをしてはならないという基本理念を謳ってますけど、じゃあこういった言葉を浴びせられたときに、相談しても動いてくれないということなんですね?  委員、これでいいんですか。 【会長】 じゃあ委員のほうからどうぞ。委員、ちょっと解説を。 【委員】 今のはちょっとまずいですよね。例えばガイシャとかガイジとか学校に行くたびに聞いたりしてショックを受けるんだけど、やっぱり差別というのは人間を類型化しているというところから始まるわけですよ。名称というか定義ですね、この人は身体障がい者だとか。個人じゃないじゃないですか。類型で起こる型。だからそういうのに使い慣れてたりすると、言っている人は意外と差別感がなかったりする。  だけどそういうこと自体にもっと意識をしたりすることが教育の重要なところで、だから「使っちゃいかん、使っちゃいかん」とかいうことに、なぜ使っちゃいけないかとか、そういうことを日常の中で教えてくれる人とかそういう人たちが周りにいっぱいいるかどうかということで、多分、小さいときはあんまり意識もしないで使ってるかもしれない。それが怖いんですよ。ということは、周りの大人たちというかそういう人たちも使っているということの裏返しですので、もう差別がはびこってるということですので、ちょっとそれは絶対違うと思います。 【委員】 これで相談対象として扱わないというのは、ちょっと違うんじゃないかなと。僕は何が言いたかったかというと、先ほどから一般市民というのは対象外であって、それは言論の自由とか思想ということを侵すからということで言ってるんですね。実は言論の自由って、すべてが自由に認められているわけではないんですよね。一定の社会のルール、一定の制約の中で言論の自由があるわけであって、それは弁護士もはっきりとこの取り組みの中で言ってたことなんですよね。  相談の条例の中身をちょっと読んだときに、対象者が事業者とか行政というような感じでしか読み取れなかったもので、こういったような問題が起きたときに何も動いてくれないのか。学校に対してちょっと働いてみるとか事実確認するとか、そういった取り組みすら何もないまま。  要は、今回のアンケート結果で結構そういったことで傷ついてる人がいっぱいおったわけです。それなのに泣き寝入りするしかないのかと。個人だからといって相談すらできないのか、何のための調整・あっせんなのかというのがちょっと分からないので、条例の対象外になって完璧に切り離されてるので、そうなるとこの条例自体がどうなんだという話に、根本からの話になっちゃうんじゃないかと思って、ちょっと気になったので。 【事務局】 障がい者部長です。ちょっと今、課長の表現が誤解があったかと思います。当然、相談のところは市民も対象ということで先ほども申し上げました。ただ最終的な公表だとか勧告だとか、そういったところが対象外ということになろうかと思います。相談のところについては、市民だから、一般の方だから受けないということではございません。 【委員】 罰則を僕は求めてるわけじゃないんだけれども、じゃあその紛争がある当事者、相手はもしかしたら子どもというのも十分あり得るかもしれないんだけれども、そういった場合に相談は受けるけど、そのあと動いてくれないんじゃ意味がないんじゃないかと思ったわけです。そこら辺というのはどうなんですか。 【委員】 あまり具体的に考えてないかもしらんけど、その辺はそういう事例、さっき言いましたように、小さな事例に見えたり今まで黙認されてきているような、もう仕方ないって、差別がされているのに慣れてきて言うことさえも言わないというような人たちもおられるわけです。そういうことになったらいかんわけで、やっぱりちょっとしたことでも言って、生きやすいというかそういう状況に変えていく役割で、事例というのを大切にしていきたい。そういう相談体制があって、それでも働きかけても具体的に動いてくれないという場合には推進会議とかで言ってもらわないと、なかなか相談所とかそういう窓口がきかない。だから事例検討をしたいというのがあるんですよね。そういうのの相談体制です。  そこまでだけど、実際にできるかどうかというのはこれから仕組みを作らなきゃいけないところはあると思います。 【委員】 一応そういった委員の考えの下である程度運営されるのであればいいんだけれども、個人は対象外だとばかり言われちゃったら、何のための条例か分からないなと思ってちょっと気になったところです。  あと、今、交流を促進するとかでいろんな施策をやっていくということを謳ってるんですけど、具体的なものはこれからやるとは思うんですけれども、おそらくこの施策って保健福祉局だけにとどまらない話だと思うので、このためにどういう施策を打っていったかというのは、今後こういった推進会議なり専門分科会とかでの報告はあるんですかね。 【会長】 じゃあ市のほうでお願いします。 【事務局】 そういった進捗については推進会議のほうで施策のご意見もいただきますので、済んだことについても、こういう進め方でいいのかというのは推進会議の中でご意見をいただこうという想定でございます。 【委員】 分かりました。 【会長】 よろしいですか。相談のところはやっぱり分かりにくいと思います。ですからもうちょっとマニュアルでもなんでもいいんですけど具体的な形で、今、委員が言われたようなことが一般の皆さんにも分かるように示される必要があると思います。そこは市のほうでよく解説というか、そこを工夫していただきたいと思います。  では委員。 【委員】 私からは2点質問があります。  1点目は、今までも何度もあった相談の話で、先ほど基幹相談が最初の窓口で、そのあとに専門相談として障がい者110番が窓口になるということだったんですが、基幹相談が今のお話だとなかなか人手もいないとか、ちゃんと対応できるのかというかなり不安がある中で、そこから具体的に専門相談といったときに、専門相談の専門性というのはどういうことが担保されているのか、どういう人がどういう形で選ばれるのかというのが1つお聞きしたいと思います。  例えば、家庭裁判所の調停委員だとかそういった補助員とかは、一定の資格や応募を得て、トレーニング、研修を受けてそういったことに入っていったり、今、成年後見制度でも社会福祉士の方や司法書士の方いろんな資格がある方が応募されて、その中から研修を受けて任命を受けているというような、一定の資格、客観的な資格があり、その中でそれなりの研修を積むというのが一般的に行われるので、そういうことが障がい者の条例でも行われるのかどうなのかということが1点です。  もう1点は、条例の3条に、定義の使い方で「障がい」と「障がい者」というふうにあえて分けて定義されています。おそらく障がいのほうは、私はいわゆるインペアメントの心身機能の障がいということに区分して、障がい者というほうで、医学モデルから社会モデルに変わって新たに取り入れられた考えを少し含めたディスアビリティとしての障がいを使い分けてされたのかなと思うんですが。最初のこの条例の目的にもあったように、障がい者といってしまうと、障がい者と言われた人たちに対して健常者という言葉がイメージされるので、そうすると障がい者という人種がいて、それと違う健常者という人がいてという感じで、対立関係というか二律背反的なイメージを想起させる。  やっぱり障がいのある人という、この条例の最初のタイトルにもなっているように、「障がいのある人もない人も共に生きるまちづくり」というように、障がいの中にはディスアビリティとしての障がいを含めた書き方のほうが分かりやすいんじゃないかなというふうに思います。そのことは障害者権利条約や障害者基本法での障害という概念とも一貫性があるので、そういうことでなぜここであえて分けたのかというのが、少し違和感を感じたので質問をさせていただきました。 【会長】 今、2点ご質問ございましたが、いかがでしょう。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。実際に専門的な相談を受ける窓口の、その専門性の確保ということでございますが、現在、特に専門的な資格を持つ人を配置しているというところではございません。しかし、今後より具体的な専門の相談が多く、より専門的な高度な判断を要する相談が出てくることも想定されるので、そこはある程度そういう資格を持った人も対応できるような形でということを検討していきたいというふうに考えております。  もう1つは、障がい者と障がいを分けて定義した理由をということでございます。障害者差別解消法では、普通に障がい者という定義の中で障がいを定義しているという形でございますが、福岡市の条例案の中では一応、障がいというのを分けております。今回、障がいという言葉を検討委員会議の中で定義してはという意見もございまして、障がいの定義というのは、心身の機能ではなくて社会障壁の制限を受けるということを含めて障がいにすべきだと、そういった不具合をしっかりと中に定義すべきだというご意見もありましたものですから、障がいというのをちょっと分けて書いているところでございます。 【会長】 2点の説明がありましたけれど、委員どうでしょう。 【委員】 専門相談において、障がいのある人の相談の中には、例えば法的な素養のある障がいのある方が相談することもあります。やはり障がいというのは誰もがなり得る状況ですので、それを想定して公的な専門性を担保するようなシステムをちゃんと作っておくというのは当然のことだと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。 【会長】 その点、宿題ですよ。いいですか。 【委員】 それから2点目の、今回の障がいの概念の中に、ディスアビリティ、心身機能の障がいのインペアメントではなくて社会的な障壁、ICFの生活機能分類ではそういったいろんな相互作用というか流動的な概念が入ってきます。けれども、そういうことを含めて、新たに”障がい”ですよということも多くの市民に知ってもらうためには、最初の「障がい」の定義において、後の「障がい者」の定義で書いてある内容を示せば十分事足りるんじゃないのか。「障がい」の定義に最初はインペアメントの異味の障がいを示しておきながら、「障がい者」の定義では、それに社会との相互作用を含めた制限状態も「障がい」と、二つ書く必要は、かえって紛らわしいというか、ばらばらというような感じがする。この条令で扱う障がいというのは、単に生物学的なそういった心身機能の障がいだけではなくて、それにまつわる社会との相互関係の中で、”社会的な意味合いの障がい”というのが立ち上がるんだというふうな理解を、まさにこれを通じて市民に啓蒙していくことが大事じゃないかなと思いますので、これは1つに絞ったほうが私としては分かりやすいのではないかと思います。 【会長】 どうですかね。いかがでしょう。この条例全体を通じて、障がい者という言葉を何回か使うわけですね。ですから、そういう障がい者という言葉を使う場合は、ここの(2)というのはあったほうがいいと思います。でも障がい者という言葉を使わなくて、障がいのある人という言葉で全部押し通すとしたら、(2)は要らなくて(1)の中に今の社会生活に社会的な障壁のことを入れることはできると思います。  ですから、障がい者という言葉をずっと使うかどうかというところが1つあると思います。障がい者と健常者と2つに分けられるような、対立的な概念が出てくるのはまずいんじゃないかという最初のご意見もあったと思います。よく考える必要があると思います。 【委員】 差別すると言ったら、社会モデルのほうでしょうからね。 【会長】 委員、どうですか。先生が一番お詳しいでしょうから。 【委員】 社会モデルが前提に出てくるから、それを強調しているわけですよね。そういう点で、逆に(1)が機能障がいのほうを言っているんですよね。この分類が逆に要るかどうかになってますね、そういう意味では。だから社会モデルという、「障がいがある人」に変えたほうがいいですかね。社会モデルみたいな言葉を入れたほうがいいですか。 【委員】 いや。結局、障がいといったときに、障がいと障がい者と2つあるので、多くの場合はこの条例での心身機能の障がいを障がい者というふうに一般の方は思いがちなので、今から条例で進めていく障がいというのは、単に生物学的な医学的な障がいだけではなくて、社会との関係、社会モデルの一部を取り入れた考えなんですよということも一緒に啓蒙するためには、「障がい」という定義に、後の「障がい者」に書かれてあることを書いたらいいんじゃないかと。1つにしたほうがすっきりしている。条例の中では、障がいのあるとか障がいのないというふうに書いたほうがすっきりするのかなと。  欧米の差別禁止法でも全部、Americans with Disabilities Actとか、Convention on the rights of persons with disabilitiesとか、ディスエイブルとせずディスエイブルドとかいうのも使ってないですからね。なので、あえて多くの人に、この条例を作ることによって障がいの差別のない社会を作るという意味では、もうちょっとメッセージという意味でもあえて2つにせずに、障がいの中にそういう社会的な意味合いも含めるんですよということを定義で明確化して、障がいということはそういうことを含みますよということも、今からいろいろ市民の方にも知っていただくというふうにしたらいいと思います。 【委員】 あえて(1)、(2)を分けないでいいと? 【委員】 そうですね。そのほうが、よく意味が分かると思います。このままだと、「障がい」と「障がい者」で障がいの中身が違うので、市民が「どう違うの?」というふうにこんがらがるんじゃないかと正直思いました。 【会長】 福岡市のほうでどう思われますか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。2つのものをうまく1つにまとめられるかどうかというと、少しそこは法律的な表現のことで、もう1回検討した上で表現を考えたいと思っております。この場ですぐどうしますというお答えはできませんが、そこは検討させていただきます。 【会長】 では検討課題として残させていただきます。 【委員】 短くお話申します。報告書の13ページです。13ページの第8条、合理的配慮の第2項。現在、「事業者は合理的配慮をするように努めなければならない」という形になっております。考え方として、そこの5行目以降に、民間事業者についてもうんぬん、それから最終的には今後、事業者がなっていくことが明確になってきた段階では義務付けることを検討する必要がありますと、こういう考え方で2項が努力義務という形で今ここに書いてあると思います。  ここに書いてある4〜5行の中を見ると、もともと合理的配慮は、今日いただいた資料3の中にも書いてありますけれども、特定の障がい者に対して個別の状況に応じて講じられる措置のことなんです。今日いただいた資料の中にもそういう定義があります。つまり、はたしてここで書いてあるような合理的配慮の提供にさまざまなことが考えられる、これは別に特別なことでも何でもないのだと思います。  合理的配慮というのは、相手が変わる、こちらも変わる。つまりケースも変わる。だからある意味、こういうときはこうしなさいとかいうのは、定義づけとか指針とかなかなかこれは難しいものだと思います。そういう意味では、もともと合理的配慮は個別性が非常に高いものだと。  あるいは、現実的にほかの県では、例えば奈良県、富山県、沖縄県では、これも福岡市からいただいた資料の中で、事業者に合理的配慮を法的義務を課すのかという項目の中で、今言いました3つの県は法的義務を課しているんです、事業者にも。そういう状況がありますので、そこのところは考えていただけないかなと思ってます。  それともう1つ、法律が成立するときに付帯決議が衆参、衆議院参議院で付帯決議でこの法律に関する条例については上乗せはオッケーよという形で出ております。そういうことを考えると、例えばこの2項を法的義務、合理的配慮をしなければならないという形でもいいのかなと思うんですけれども。  ただ、一方で合理的配慮というのがどういうものかというのがなかなか行き渡ってない、周知されてないというのも、現実にそういう場面もあると思いますので、例えば3年後の見直しの際に、ここの部分については法的義務に向かって検討しますとか、何かそういう考え方を出していただけないかなと。  現状どうしても、繰り返しになりますが、合理的配慮はこういう場合はこういうふうには絶対できないと思うんです。100人相手が違えばこちらも100人違うわけで、それをルール化するというのはほとんど不可能だと思いますの。そういうことを踏まえれば、やはり努力義務はある意味努力する範囲で、法的義務とは全然レベルが違うし、浸透しないと思うんです。「できるならすれば良いっちゃろう?」ぐらいの感じで、法的義務とは全然メッセージ性が違うと思いますので、現段階で確かに法的義務というのは周知の状況とか考えれば難しいのかも分かりませんが、今後の見直しの際にぜひそこの部分をお考えいただければと思っています。以上です。 【会長】 とても大きなポイントですけれども、どうしましょうか。市のほうから少しご回答いただけませんでしょうか。 【事務局】 障がい者部長でございます。合理的配慮につきましては、委員もおっしゃったとおり、さまざまな場面さまざまな障がいなりの対応が必要ということで、この時点ですぐに義務化というのは非常に厳しかろうというふうに思っております。事業者もさまざまな事業所さんがいらっしゃいますし、大きな企業さんもいらっしゃって一定程度の周知も進んでいるところもあれば、小さい個人事業者さんはまだまだそこまで浸透してないという事情もありますので。市としては3年後の見直し、手を入れておりますこの中で合理的配慮をどう取り扱うかっていうのは、この3年間の状況をしっかり踏まえた上でやっていく、見直しをやっていくということ。資料3のほうの下に書いておりますけれども、そこはやはり優先的に取り組んでいく事項だというふうに考えております。以上でございます。 【会長】 よろしいですか。条例で踏み込んでいる県もあるということですから、3年後の見直しの時点での、ぜひそういう踏み込みも含めた検討をよろしくお願いします。 【委員】 相談体制の充実などを図っていく上で財政上の措置が大事になってくると思うんですけれども、この条例の中に財政上の措置が入ってない理由を教えてください。 【会長】 どうぞ、いかがでしょうか。 【事務局】 障がい者在宅支援課長です。財政措置の条項につきましては、福岡市のいろんな条例の書き方で同じようにしております。福岡市の条例の中で、財政措置を講じるという表現は特に入れておりません。  と言いますのは、条例に設定するということは市として施策を取り組むことでございますので、当然その中には財政措置というのは必ず付いてくるものでございますので、そこをあえて財政措置を講じるということを入れていないところでございます。  もちろん、だからといって全く予算を付けないという話ではございません。条例を作るに当たって、当然それに必要な、それを実行するための予算というのは確保していくということで考えております。 【委員】 今年施行されました中小企業振興条例というのは、これは市長提案で出されました。現在施行されてますけれども。この市長提案で出された中小企業振興条例には財政上の措置がきっちりと明記されています。直近です。  それで私、これを尋ねました。どうして市長提案なのに財政上の措置が記述されたんですかというふうにお聞きをしました。そしたら担当部局の方たちが言われたのは、「私たちが中小企業を振興していく上で、中小企業の方々に財政上の措置を示すことが大変大切なんです。ぜひとも入れさせてください」と強い要望を出されたというふうにお聞きしました。具体的な施策を記述されていれば財政上の措置の項目は必要ないと関係当局から強く言われたけれども、福岡市の姿勢を示すことが一番大事であるというふうに思いまして、関係部と関係課で強く訴えて、この項目が挙がったとお聞きをいたしました。  ですので、ぜひとも障がい者の権利を守るための大事な相談体制の充実ですので、財政上の措置を入れてくださいと訴えていただきたいと、強く強く要望いたします。以上です。 【会長】 どうぞ。 【事務局】 障がい者部長でございます。当然、市長提案の条例で提案してまいりますので、この条例ができあがれば予算措置あるいは財政の措置、あるいは民間の方、あるいは市民の方と一緒にやっていかないといけない部分もありますので、そこはしっかり、当然条例ができるので取り組んでまいります。  その中小企業の振興条例に関して、しっかり聞いていただいて非常にありがたいと思っておりますけれども、やはり中小企業全体の振興の条例と、この条例がちょっと全体のどこまで影響があるかというところ等もございます。市としましては、条例はもちろんしっかりとやってまいりたいと思いますし、ほかの施策も保健福祉総合計画をはじめいろんなところでご要望をいただいているところもございますので、そこは全体としてしっかり見た上で取り組んでいきたいと思っておりますので、これも法制部門との協議等になろうかと思います。施策としてはこの条例をしっかりやっていく、ほかの施策とのバランスも当然見ながらやっていきたいと思っておりますので、そこはぜひご理解をいただきたいというふうに思います。 【委員】 よろしいでしょうか。1度で結構ですので、要望を関係局に伝えていただきたいなというふうに思います。 【事務局】 もちろんでございます。 【会長】 中小企業と同じぐらい、あるいはもっと大事ですから、ぜひ要望を言っていただくのがいいと思います。財政措置のことをよく知りませんでした。ぜひよろしくお願いします。委員、どうぞ。 【委員】 さっき委員のほうから、他の部局との連携のことをおっしゃられたと思うんですけれども、私は市民の障がいの理解ということを考えたら、相談体制をしっかりと構築することは市のほうも言ってますけれども、それと同時に、触れ合ってない人たちとの接触。交流があって初めていろんな問題が起こる。その触れ合ってないところ、問題が起こる以前のことができていない。  そこをどうやって施策をするかという点が非常に大事で、これは福祉関係の部局だけではできないことです。市民局それから教育委員会のほうでしっかりと話し合いをして、そしてそこには必ず予算ができるものと思っております。その辺が、さっき委員が予算がなぜという部分ですけれども、他の部局とちゃんともってしないと、せっかくこの条例ができてもそれが生きていかないし、福岡市としての責務はここの部局だけの責務ではないと思うんですね。全部の関連部局と手を取り合ってちゃんと広めて、福岡市全体に市の中でも広めていくことが、せっかくの条例ができたことの広がりになると思いますので、よろしくお願いいたします。 【会長】 一言言ってください。 【事務局】 貴重なご意見ありがとうございました。先ほど私、障がい者部長としての立場だけで申しましたけど、おっしゃるとおり市全体としてどうするかという観点は大事だと思いますので、そういった旨も伝えて、法制部門との協議を再開したいと思います。以上でございます。 【会長】だいたい3時間ぐらいになったので、計画を修正すべき点が出てまとまらなかった場合というと変ですけれども、本日で決めようかなと思ってたんですけれども、ちょっと決まらないですね。いろんな修正意見が出たので。もう一度この会の委員の先生方の皆さんに、もう一度見ていただかないとちょっと無理かなというふうに、分科会長で決めるというのはちょっとやりすぎかなというのが僕の印象です。  それと1番の資料2にあった、何人も合理的配慮をしなければならないという、これのA意見とB意見と事務局の考え方と3通りあるんですね。ここをかなり議論しようかなと思ったんですけど、全然議論できなかったので、ちょっとここでは決められないと私は思います。  また私の印象では、事務局の考え方として、市民にまだ浸透していない状況なのでこういうふうにするというのは、あまり良くないのじゃないのかなと思います。啓発、知られてないということが一番の問題でしたら、やっぱりメッセージ性を強く出すということが大事ではないかと思います。  一方、B意見のほうの法との問題ですね。この点は本当に問題なのかどうかということが、いま一つこの5行ぐらいの説明文ではよく分かりません。本当に問題なのかどうか、そこをもう少し具体的に示していただいて、法的に問題でなければ、何人も合理的配慮をしなければならないという規定を置くべきだと思います。メッセージ性という点では。ですから、啓発が十分でないからこういうふうに書かないという考え方はよくないと思います。  ですので、ここはもういっぺんよく議論したほうがいいんじゃないかなと思います。もういっぺん議論する機会は持てないでしょうか。市のほうに。 【事務局】 障がい者部長でございます。もともとは第2回のときに少しご意見をいただいた上で本日を迎える予定でしたけれども、計画のほうでしっかりご議論をいただいた関係で、今回がちょうど1回目ということでございます。たくさんご意見もいただきましたし、これをまとめるのにもわれわれも少しお時間をいただく部分もあります。皆さまが日程調整をさせていただいて、1回追加でさせていただけるということであれば、ぜひ最初からもございました合理的配慮のところは、われわれも議論をぜひいただきたいところでございます。ですのでこの点で挙げておりますので、そこはぜひお願いしたいと思っております。ということでようございますか。 【会長】 それじゃ、そういうことで皆さんよろしいですね。それでは報告事項、これは簡単に済ませていただいて、お願いします。 【事務局】 報告事項でございます。まずは前回第1回、第2回の中で説明させていただきました福岡市障がい福祉計画の案でございます。  前回、議論させていただいたときには、目標のことについては、前回そのあたりで施設入所の件について議論いただきまして、その中で出た意見を基に修正をいたしているところでございます。  併せまして、一応これをその案として今後、障がい者、このあとパブリックコメントにいかしていただくという形で、今後の予定といたしましてはこの原案を公表しまして、11月から12月にかけてパブリックコメントを実施し、そこでまた市民の意見を踏まえた形で、その案として専門分科会のほうに諮らせていただき、最終的にこの審議会の答申案として市長に答申させていただくということで、3月末に策定と思っています。  もう一度、いろいろ前回ご意見が出てございましたが、それは別紙の参考資料4のほうに回答を付けております。これはまだ途中経過のところでございまして、現状だけを書いているところもございますが、こういった形で回答させていただいたのをご覧いただきたいと思います。  中に1点、少し専門部会等で、地域移行のあり方について検討すべきという意見がありました。そこはしっかり回答をどういうふうにしていくかということを検討していきたいと考えてございます。以上でございます。 【会長】 参考資料4のほうに、これまでご意見をいただいた中でまだ検討が不十分な点について、市のほうにまとめていただきました。もしここのご意見の中でやるべきことで漏れがありましたら、あとでご連絡をください。以上です。  では遅くなりましたので、議事はこれで終わりとします。 【委員】 時間もだいぶ過ぎましたので、一言だけ。もう1回この検討をやるということになりましたけれども、以前からこの条例を作るときに、当初、全国の条例の手本になるようなものを作るんだと福岡市はおっしゃいました。  そこでいろいろ各論的なことをずっと言って、他都市の条例とを比べていけば、なかなかこれは、これも入れてくれ、こういうふうに書き込んでくれというところがどんどん出てきます。それはいろんなことで難しいところもあるかもしれませんけど、やっぱり福岡市の条例はこれだという1つのメッセージ的なことを打ち出してほしいなと私は思っております。それがあればいろんなことがクリアできるかなと思っておりますので、もう1回のときにそれを明確に、福岡市の条例は基本的には特徴はこれだみたいなところを、できたら出していただければありがたいなと。  例えば明石なんかは、合理的配慮を提供するときに予算措置して各事業所に、例えばこういうところを改造するためにはこれだけの助成がしますという、そういう1つの特徴があるんです。それによってどんどん進められてきたという実例もございますので、何か福岡市の特徴を明確に表記していただければありがたいなと思っております。以上です。 【会長】 そういう意見も参考によろしくお願いします。ではお返しいたします。 【事務局】 本日は本当にありがとうございました。