資料4 ■ 福岡市保健福祉総合計画(原案) 障がい者分野計画 に係る パブリックコメント結果の概要 1 市民意見募集概要 (1)意見募集期間    平成28年3月1日(火)〜平成28年3月30日(木) (2)意見の提出状況    障がい者分野計画に対する意見件数  89件(全体161件) 2 福岡市保健福祉総合計画(原案) 障がい者分野 に対する市民意見(主なもの) (1)原案を修正した意見 (6件)  ア.障がい者の国際交流やその基盤整備などにも備えるまちづくりをうたってはどうか  イ.海外からの障がい者来訪にも備える基盤づくりを打ち出されてはどうか  ウ.障害者基本法では手話は言語と定められており,通常のコミュニケーションである話し言葉,書き言葉と異なるコミュニケーションを用いる市民への配慮等について掲載が必要ではないか  エ.障がい者スポーツセンターの事業概要は,「場の提供」の記述だけでは不十分ではないか  オ.「差別禁止条例」の制定の意向を示してもらいたい  カ.障害者差別解消法施行に伴う対応として,地方公共団体においては「不当な差別的取扱いの禁止」「合理的配慮」に関しては義務,職員対応要領に関しては努力義務となっているにも関わらず,全体を「努める」という表現でまとめてよいのか (2)計画案どおりとしたもの (83件)  @事業実施や施策の推進の参考とする意見  ○区役所の窓口には,障がい者全般のことがわかる詳しい人を配置してほしい  ○「精神障がい者施策の充実」を追加してほしい。(てんかん・高次脳機能障害を含めた相談支援の強化,配食サービスなど)  ○障がい者の地域移行に必要なグループホームの福岡市独自の運営費補助をしてほしい  ○「避難行動要支援者名簿」と「災害時要援護者台帳」は違うものなのか。大切なことなので,周知を徹底してほしい  ○公的機関から郵送される視覚障がい者へのお知らせなどは,内容がわかるよう点字での通知をしてほしい  ○駅ホームの稼動柵の設置や音響信号機の設置など,交通バリアフリーを推進してほしい  ○「視覚障がい者家庭生活訓練事業」及び「視覚障がい者生活訓練事業」の継続を望む  ○障がい児の療育・相談支援等の人材育成・確保を図ってほしい  A今後の事業見直しを検討する際に参考とする意見  ○困ったことが起きた時に安心して相談できる窓口やグループホーム,いつでも誰でも入れる場があるとありがたい  ○施策の再構築を考えるのであれば,ぜひとも医療ニーズの高い方でも活用できる短期入所をはじめとする福祉サービスを充実させてほしい  ○福岡市重度心身障がい者福祉手当は本当に必要か。この予算を医療ニーズの高い人たちへ使ってほしい  ○親亡き後についての取り組みが形になっていくことにとても期待している。今後取り組みに当たって,必要な支援や機能,地域生活拠点について,当事者の意見を聞いてほしい  ○あいあいセンターでの発達障がい児診断のタイムリーな受診,優先的な転園制度,小学校の発達障がい児クラスの設置など,発達障がい児に対する支援を充実してほしい (3)国に要望すべき意見 (1件)  ○介護・福祉従事者の給料を上げて,より良い人材の確保を図ってほしい (1)原案を修正した意見(詳細) ア.障がい者の国際交流やその基盤整備などにも備えるまちづくりをうたってはどうか 【意見要旨】 P.47の「10年後のあるべき姿」にある「福祉におけるアジアのモデルとなる社会」の記載に対応して,P206基本目標2就労支援・社会参加支援の充実の現状と課題の第2パラグラフで、パラリンピックや障がいを持った海外の人々のツーリズムに対応して、障がい者の国際交流やその基盤整備などにも備えるまちづくりをうたってはどうか。 イ.海外からの障がい者来訪にも備える基盤づくりを打ち出されてはどうか 【意見要旨】 P.47の「10年後のあるべき姿」にある「福祉におけるアジアのモデルとなる社会」の記載に対応して,P208の<施策の方向性>で再掲になるかもしれないがユニバーサル・デザインやソーシャル・インクルーシブネスについて触れ、海外からの障がい者来訪にも備える基盤づくりを打ち出されてはどうか。 【修正案】   修正箇所:原案P142 (地域分野 施策5-4) 施策5-4 ユニバーサルデザインの理念による地域づくり 施策5−4 ユニバーサルデザイン*の理念による地域づくり ○高齢者や障がいのある人をはじめ,すべての人が安全かつ快適に暮らしていけるように,「福岡市バリアフリー基本計画*」に基づく公共交通機関等の整備や,公共交通や住宅のバリアフリー *化など誰もが暮らしやすい環境整備を推進していきます。また「福岡市バリアフリー基本計画」に基づく,重点整備地区においては,生活関連施設や生活関連経路のバリアフリー化を重点的かつ一体的に進めていきます。 ○歩道のバリアフリー化等に加え,バス停や公園などで休憩できるベンチ等の設置の拡充について検討します。 ○日常生活や社会生活におけるバリアを取り除くことで,高齢者や障がいのある人,妊産婦やベビーカーを使用する人,外国人などが,円滑に移動したり,施設の利用ができることなどの重要性について,市民一人ひとりが理解を深め,支え合うことができるよう「心のバリアフリー」を推進します。 ○情報障がい者といわれる視覚・聴覚障がい者に対する情報提供の方法として,テキスト訳,音訳,点訳,拡大写本などのボランティア活動を支援します。 ? ウ.障害者基本法では手話は言語と定められており,通常のコミュニケーションである話し言葉,書き言葉と異なるコミュニケーションを用いる市民への配慮等について掲載が必要ではないか 【意見要旨】 障害者基本法で手話は言語と定められており、通常のコミュニケーションである話し言葉、書き言葉と異なるコミュニケーションを用いる市民への配慮等について、計画内では一切触れていない。 コミュニケーション的少数者(手話を日常コミュニケーションとする者)の存在について、配慮のある掲載が必要ではないか。 【修正案】   修正箇所:原案P211 (障がい者分野 施策2-4) 施策2-4 意思疎通支援 施策2−4  意思疎通支援 ○日常のコミュニケーションに困難を抱えた障がいのある人や,言語である手話などについての啓発を進め,市民の理解の促進に努めます。 ○合理的配慮*の観点から手話通訳者・要約筆記者の派遣対象の拡大を図ります。 ○区役所の設置手話通訳者の確保に努めます。 ○重度障がい者に対する意思疎通支援のあり方については,国の動向も踏まえ,検討します。 【現在の主な事業】 事業名 事業概要 重度障がい者入院時コミュニケーション支援【再掲】  入院中の意思疎通が困難な重度の障がい者に対し,医療従事者との意思疎通を円滑化し,適切な治療が受けられるように支援を実施 手話通訳者の養成・派遣【再掲】  手話通訳者を養成し,聴覚障がい者が公的機関などに赴くときに円滑な意思の疎通が困難な場合に派遣 要約筆記者の養成・派遣【再掲】  要約筆記者を養成し,聴覚障がい者が公的機関などに赴くときに円滑な意思の疎通が困難な場合に派遣 盲ろう者通訳・介助員の養成・派遣【再掲】  盲ろう者通訳・介助員を養成し,盲ろう者が公的機関などに赴くときなどに移動及びコミュニケーション支援を行うために派遣 ろうあ者相談員・手話通訳者の配置【再掲】  各区福祉・介護保険課に,聴覚障がい者の各種相談に応じるろうあ者相談員又は手話通訳者を配置 点字図書給付事業  視覚障がい児・者に対し,点字本と墨字本(原本)の価格差を助成 市政情報の点字化等  市政だよりなどで点字版や音声版などを作成 エ.障がい者スポーツセンターの事業概要は,「場の提供」の記述だけでは不十分ではないか 【意見要旨】 障害者スポーツセンターの事業は「場の提供」の記述だけでは不十分であり,@各種のスポーツ教室・大会・行事の実施,Aスポーツ指導及び指導者派遣,B障がい者スポーツに関する相談及び情報提供を追加してほしい。 【修正案】   修正箇所:原案P212 (障がい者分野 施策2-6) 施策2−6 スポーツ・文化・レクリエーション・社会参加の推進 ○障がい種別や状況に応じた社会適応訓練の実施や相互理解を向上させる力を持つ文化芸術の活用により,障がい者の社会参加を促進します。また,社会情勢やニーズの変化に対応しつつ,障がいのある人の健康の増進や社会参加の促進のために,引き続きスポーツ・文化・レクリエーション活動の振興を図ります。 【現在の主な事業】 事業名 事業概要 社会適応訓練  音声機能障がい者に対する発声訓練や,ストマ用具装着者に対するストマ用具の使用法の指導や相談を実施 障がい者社会参加推進センター  障がい者の結婚相談や生活訓練,出前講習を実施し,社会参加を促進 在宅重度障がい者レクリエーション  外出の機会に恵まれない在宅の重度身体障がい者に野外活動訓練の場を提供 在宅障がい児親子レクリエーション  外出の機会に恵まれない在宅の障がい児と保護者を対象に野外活動の機会を提供 福岡市立点字図書館  点字図書,録音図書,CD図書の郵送貸出などを実施 市立障がい者フレンドホーム  文化教室(絵画・陶芸など),更生相談,会議室提供を実施 福岡市市民福祉プラザ【再掲】  市民の福祉への理解や福祉活動への参加を支援し,相互に助け合い,支え合う豊かな福祉社会を実現することを目的として,市民福祉の総合センターを設置 障がい者スポーツセンター(さん・さんプラザ)  水泳・バスケットボール・卓球・トレーニングなどの機会場の提供,障がい者スポーツの指導,指導者派遣,相談対応及び情報提供 福祉バス【再掲】  老人クラブや心身障がい者,母子団体などを対象に,研修やレクリエーションなどの活動参加を助成 福岡市障がい者スポーツ大会  障がい者スポーツ大会の開催 全国障害者スポーツ大会  全国障害者スポーツ大会への福岡市選手団の派遣を実施 障がい者ボウリング大会  福岡都市圏障がい者ボウリング大会,全国障がい者ボウリング大会を実施 エイブル・アート事業等  NPOと共働*した障がい者による美術などの作品の制作展示など。障がい者関連イベントへの後援 オ.「差別禁止条例」の制定の意向を示してもらいたい 【意見要旨】 「差別禁止条例」制定の意向を示してもらいたい。 カ.障害者差別解消法施行に伴う対応として,地方公共団体においては「不当な差別的取扱いの禁止」「合理的配慮」に関しては義務,職員対応要領に関しては努力義務となっているにも関わらず,全体を「努める」という表現でまとめてよいのか 【意見要旨】 障害者差別解消法施行に伴う対応として、地方公共団体においては「不当な差別的取り扱いの禁止」「合理的配慮」に関しては義務、職員対応要領に関しては努力義務となっているにも関わらず、全体を「努めます」という表現でまとめて良いのか。 【修正案】   修正箇所:原案P219 (障がい者分野 基本目標5) 【基本目標5】差別解消のための施策の推進 〈 現状と課題 〉 ○国連の「障害者権利条約」の批准に向けた国内法制度の整備の一環として,障害者差別解消法が公布され,平成28年(2016年)4月に施行されました。この法律では,障がいを理由とした不当な差別的取り扱いはもちろん,社会的障壁*を除くための合理的配慮*を提供しないということについても,差別に当たるとされています。また,差別を解消するための支援措置として,相談体制の整備,啓発活動,関係者によるネットワークの構築などについて定めています。 ○福岡市では,法施行に合わせ,障がいを理由とする差別の禁止に関して職員が適切に対応するため,合理的配慮*の提供の具体例などを示す職員対応要領を作成しました。 ○また,差別に関する紛争の防止などに向け,関係者からの相談等に的確に応じるため,障がい者差別に関する相談窓口を設置するとともに,関係機関との連携を図るため,「福岡市障がい者差別解消支援地域協議会」を組織しました。 ○この法律に関連し,福岡市のほぼすべての障がい者団体で構成される「福岡市に障がい者差別禁止条例をつくる会」から,「障がいを理由とする差別の禁止を目的とする条例」の制定を求める要望が出されています。 ? 【修正案】   修正箇所:原案P221 (障がい者分野 施策5-1) 施策5-1 障害者差別解消法施行に伴う対応 施策5−1 障害者差別解消法施行に伴う対応 ○市役所内での合理的配慮*の提供の具体例などを示す職員対応要領を作成するなど,障がいを理由とする差別の禁止に関して福岡市役所の職員が率先して,適切に対応することができるように努めます。 ○差別に関する紛争の防止などに向け,関係者からの相談等に的確に応じるため,福岡市の実情に応じた相談窓口・紛争解決などの体制を検討します。 ○地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークとして,「障害者差別解消支援地域協議会」を組織し,関係機関との連携を図ります。 ○障害者差別解消法の円滑な施行に向けた取組みを着実に進めていくとともに,当事者のご意見等をお聞きしながら,条例の制定を含め,より効果的に差別解消の取組みが進められる方策を検討します。 ○障害者差別解消法の周知・啓発を進めるためのフォーラムの開催など,法の円滑な施行に向けて取り組みます。 ○また,福岡市の実情を踏まえ,障がいを理由とする差別の解消に向けて,障がいのある方をはじめ関係者の意見を聞きながら,差別の解消を目的とする条例の制定に取組みます。