資料1 福岡市が策定する次期保健福祉総合計画に 対する意見書(案) 平成27年7月 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 目次 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 <意見項目> T 福岡市保健福祉総合計画総論に対する意見について 1 重度障がい者に対する施策について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (1) 地域生活支援拠点の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (2) 成年後見制度利用支援の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (3) 医療的ケアが必要な障がい者への支援の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (4) 障がい者の重度化・高齢化への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 (5) 障がい児への支援の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (6) 就労支援の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (7) その他(地域生活支援等について) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 2 移動支援施策について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 3 発達障がい児・者への支援について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 U 新たな相談支援体制の構築にむけた相談支援体制の見直しについて 1 現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 2相談支援体制の見直しの取り組みについて ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (1) 相談支援部会の設置 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (2) 相談支援部会における協議内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (3) 相談支援部会からの報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 3 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 参考資料1 福岡市障がい者等地域生活支援協議会について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 参考資料2 福岡市の相談支援体制と障がい者等地域生活支援協議会との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 参考資料3 福岡市の相談支援センター体制についての提言書 (相談支援部会) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 参考資料4 委員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 はじめに 1 福岡市障がい者等地域生活支援協議会について福岡市では,平成 18年度の障害者自立支援法の施行に伴い,地域における障がい福祉関係者のネットワーク構築という主旨から,平成19年6月に,福岡市内を4つの地域に分けて自立支援協議会を設置することとし,それぞれ独立した組織として運営してきた。 しかし,平成22年度の法改正により,自立支援協議会の設置が法定化されたこと,そして自立支援協議会が市の定める障がい福祉計画に対して意見を述べる機能が追加されたため,その機能に見合うように組織体制の見直しを進め,従来の自立支援協議会の組織を再編し,全市域を対象として1か所,福岡市障がい者等地域生活支援協議会(以下,「協議会」という。)が,平成24年8月に設置された。 この協議会には,支援の現場関係者が集い,個別の事例検討などを通じてネットワークを強めるための部会を区ごとに設置するほか,専門的な調査・研究等を行う専門部会を必要に応じて設置する組織としている(13ページの参考資料1のとおり)。 協議会は,支援の現場から上がってきた,障がい児・者が直面するいろいろな地域課題に対し,関係者が協議を行っていくことにより,障がい福祉の様々な関係機関とのネットワーク機能を高めるほか,人材育成を図ることなどを通じて,課題解決に結びつける大変重要な役割を担っている。 また,もう1つの重要な役割として,障害者総合支援法第88条第8項に規定されるとおり,市が市町村障害福祉計画を策定又は変更する場合には,協議会の意見を聴くこととなっている。 そのため,協議会は支援の現場に立脚している強みを十分に活かし,地域で直面している障がい児・者の福祉課題にフィットする取組について意見を述べるようにしており,平成26年7月には,第4期福岡市障がい福祉計画策定に対する意見書をとりまとめた。 なお,協議会は,障害者総合支援法第89条の3第1項の規定に基づき設置された法定機関であるため,福岡市附属機関等の設置及び運営に関する要綱第2条第1項に規定される附属機関でもある。 2 次期保健福祉総合計画に対する意見書の作成について現在,福岡市では次期保健福祉総合計画の策定が進められており,今後の福岡市の障がい福祉施策の方向性を定める重要な計画であるため,協議会委員の保健福祉総合計画に対する意見や新たな相談支援体制の構築にむけた相談支援体制の見直しについて協議した結果をまとめ,市へ意見書を提出することとした。 T 次期福岡市保健福祉総合計画に対する意見について 1 重度障がい者に対する施策について (1)地域生活支援拠点の整備 「地域生活支援拠点」とは,障がい者の高齢化・重度化や「親亡き後」を見据え,居住支援のための機能(相談,体験の機会・場,緊急時の受け入れ・対応,専門性,地域の体制づくり)を強化することを目的としており,「多機能拠点整備型(GH併設型,単独型)」と「面的整備型」が想定されている。第4期障害福祉計画策定にかかる基本指針においては,平成29年度までに市町村又は各圏域に少なくとも1か所整備することが基本とされている。 地域での暮らしの安心感を担保し,親元からの自立を希望する者に対する支援等を進めるために,今後整備を進める際には,以下を考慮し検討してほしい。 @各区への整備 Aショートステイ,ホームヘルプ,相談支援等,総合的な機能を併せ持つ拠点の整備 B様態の変化や緊急時の一時利用が可能なGH併設型や入所施設併設型の多機能拠点の整備 C発達障がいに特化した整備 D市独自の補助金の創設 地域生活支援拠点整備に関連した意見 地域生活支援拠点は、緊急対応機能と住まいの機能強化の2面性があり、面的な整備とはこれらを担う事業所や関係機関のネットワークと考えられる。 重度障がい者の住まいと支援のあり方について明確化し、緊急対応できる仕組みを検討してほしい。 相談支援支援センターの見直しにおいて、地域生活支援拠点の緊急対応機能を含めて相談支援のあり方を検討してほしい。 地域生活支援拠点の面的な整備は、現行制度で拡充していくものと考えられるが、高齢障がい者や医療ケアの必要な障がい者、強度行動障がい者に関しては、 現行の制度における居住支援(グループホーム・ヘルパー派遣)や通所サービスを利用しつつ、様態の変化等や緊急時に一時的に利用する専門施設が必要。 国が示すグループホーム併設型や入所施設併設型の多機能拠点を整備してほしい。 国において検討されている地域生活支援に必要なホーム、ショートステイ、ホームヘルプ、相談支援等の総合的な拠点機能を併せ持つ、機能強化型施設を各区に1 ヵ所整備してほしい。 地域生活支援拠点の整備について1 か所以上の設置がほしい。 発達障がい者は精神の事業所を利用するようになっているが、増加の傾向がある中で、発達障がいに特化した地域生活支援の拠点となる地域活動支援センターを設置し、それを中心に広げてほしい。 地域生活支援拠点の整備の重要性に鑑み、市独自の補助金を創設していただきたい。 (2)成年後見制度利用支援の充実 成年後見制度は,自身の判断の能力が十分ではない精神・知的障がい者等が不利益を被らないよう保護し支援する制度である。 障がい福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められるにも関わらず,その利用が進んでいない現状がある。 利用が進まない原因は様々あると思うが,まずは,制度の周知を図る必要があると考える。 また,後見人等の報酬等必要となる経費の一部について、補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められる者に対する支援のため,現在の補助要件の見直し・拡充が必要である。 成年後見制度に関連した意見 成年後見制度利用に関する利用支援事案における市長申立てに限定している状況を改正してほしい。市長申立ての限定を外してほしい。 成年後見制度の充実とさらなる制度周知がほしい。 発達障がい者の中には成年後見制度の対象外の当事者が多いが、生活のしづらさを持っている実情から、地域で単身生活をする際「見守りさん」的な支援で後見制度を補完する施策をしてほしい。 後見人に発達障がい者への理解を促進してほしい。 (3)医療的ケアが必要な障がい者への支援の充実 医療的ケアが必要な障がい児・者が利用するサービスとして,医療型短期入所サービスがある。 医療型短期入所サービスとは,主に療養介護の対象となる障がい者又は重症心身障がい児(重度の知的障がい及び重度の肢体不自由が重複している障がい児を言う。)に対し, 医療法第1条の5第1項に規定する病院等で実施する短期入所サービスを指している。 市内には医療型短期入所施設が少なく,受入が難しい状況にあるが,福岡市が,各区1施設を目標に療養病床を有する医療機関を対象に新規参入を勧奨していった結果,医療型短期入所は市内7施設まで増えている。 引き続き,医療機関や老人保健施設への働きかけを実施するともに,介護士等が実施できる医療的ケアを拡充するため,研修を受講できる機会を計画し,人材の育成に努めてほしい。 医療的ケアに関連した意見 重症心身障がい者とその中で医療ケアが必要な方、またこれから医療ケアが必要になる方の把握と予測をしてほしい。 医療型短期入所の拡充を図るため、医療機関や老人保健福祉施設に働きかけてほしい。 介護士等が実施できる医療的ケアを拡充するために、喀痰吸引研修を受講できる機会を福岡市としても計画してほしい。 療養介護等、医師を配置する障がい者施設はあまりにも不足しているので、必要な範囲での設置を計画してほしい。 (4)障がい者の重度化・高齢化への対応 医療施策と福祉施策の向上により,障がい者の高齢化が進んでいると考えられ,重症心身障がい者においては初めて,親よりも長生きする時代に入ろうとしている。 これまで,想定されてこなかった極めて大きな課題として捉えなければならない。 高齢化への対応としては,現行では,65歳以降は介護保険サービスの利用が優先されるが,スムーズなサービスの移行と,必要性があれば障がい福祉サービスの継続利用への配慮等が必要である。 また,重度化への対応としては,強度行動障がい者拠点支援センターモデル事業を検証し,質量ともに充実した事業となるよう,継続・強化を図る必要がある。 国および自治体の財政問題も大きいことから,予算の再配分も踏まえ,緊急性の高い,あるいは生命にかかわる問題への政策転換を図り,今ある資源を活用した「仕組みづくり」を進める必要がある。 障がい者の重度化・高齢化に関連した意見 国および自治体の財政問題も大きいことから,予算の再分配も踏まえ,緊急性の高い,あるいは生命にかかわる問題への政策転換が必要で,今ある資源の活用と事業者の努力も相応に重要。 障がい者の高齢化と重度化に関しては,「箱づくり」ではなく「仕組みづくり」の観点で,施策の補強をおこなっていく視点が重要になる。 今後、どれくらいの高齢障がい者数になるのかを把握・予測してほしい。 介護保険施設にスムーズに移行できるよう、老人ホームやデイサービス等に高齢障がい者の受入を働きかけてほしい。 本人と家族のニーズや相談支援専門員の見立てがあれば、65歳以降に継続して、また新規に障がい福祉サービスを利用できるように配慮してほしい。 高齢になった障がい者の支援に関し、専門的な研究事業を実施してほしい。 真に手厚い支援が必要な行動障がい者数を把握してほしい。 旧子供病院の敷地内に設置した「障がい者行動支援センターか〜む」について、集中支援機能だけでなく、緊急対応機能をそなえてほしい。 福岡市独自の先駆的事業である強度行動障がい者拠点支援センターモデル事業を検証し、質量ともにより充実した事業となるよう年度ごとの計画的検証を踏まえ、継続、強化してほしい。 障がいの重い方々がグループホームを利用できるよう、夜間、休日の火災や事故対応、同性介助などの支援のためにホームヘルプ等も活用しスタッフを確保してほしい。 (5)障がい児への支援の充実 障がいのある子どもへの支援については,障がいの早期発見と早期療育が重要である。 専門施設での療育体制の強化を図るとともに,多くの子どもたちが生活している地域の中で支援する仕組みづくりが必要である。 地域啓発はもちろん,専門の支援員の配置や各園で専門施設とのネットワークを担う人材を育てるといった取り組みが必要である。 障がい児支援に関連した意見 多くの子どもたちは「地域の中で支援する仕組み」が必要である。 地域啓発は勿論であるが、様々な子どもの場に専門支援員が配置されたり、巡回したりするシステム、幼稚園や保育園の中で専門的な研修を受けた職員に市が「障がい児アドバイザー」といった認定をして、各園で専門施設とのネットワークを担う人材を育てるといった取組など、今後目を向けていって欲しい。 とくにアドバイザー認定制度などは予算もかからない制度なので、検討の余地はあるのではないか。 通学・通園支援に福岡市の緊急一時介護を利用できるようにしてほしい。 地域で知り得た人のつながりで成り立っている、この事業は、これからの社会に必要であり、幼子も高齢者も障がい者も手をつなぐ社会につながると考えられる。 (6)就労支援の充実 平成25年の障がい者法定雇用率改定により,企業の障がい者雇用への理解や障がい者の就労意欲の高まりなども背景に,企業における雇用障がい者数,障がい者実雇用率の割合は着実に上昇している。 一方では,福岡県での実雇用率(平成 26年 6月 1日現在)は 1.8%と法定雇用率未達成の状況である。 また,発達障がい者,精神障がい者への就労支援については,平成30年に精神障がい者の雇用の義務化及び雇用率の改定が予定されていることから,企業の障がい者雇用への取り組みが活発化することが予想されており,引き続き充実されていくことが必要である。 現状と課題を踏まえ,以下のような取り組みが必要である。 @相談支援者の人材の育成・確保と労働条件の整備 A就労する障がい者の人材育成(職業観まで含めた職業教育) B個々のレベルによって細かな段階に応じた支援の提供 C福祉サービス事業所(特に就労継続支援A型)の質の確保 D触法障がい者の社会参加・更生の手段としての就労支援の検討 就労支援に関連した意見 発達障がい者、精神障がい者への就労支援については、平成30年に精神障がい者の雇用の義務化、及び雇用率の改定が予定されていることから、企業の障がい者雇用への取り組みが今後も活発化することが予想されており、引き続き、充実させていくことが必要である。 ただ、障がい者が安心して就労及び雇用されるには、当事者の就労準備性を高めること、企業の理解を促進すること、継続した定着支援が必要であることなどの課題もある。 その課題解決の為には、人的資源である相談支援者の能力の如何に依るところが大きいと思われる。 真に就労支援のノウハウを有し、それに則っての支援ができる人材は依然不足しており、その人材の養成、育成が急がれる。 福祉サービスの充実の為には人的支援の充実が合わせて必要である。 さまざまなケースに対応できる人材、質・量ともに考える必要があり、今後、増加する障がい者からの相談に確実に応じていくことが、将来的にも福祉サービス人材の育成につながり、的確なサービスの提供につながっていくのではないか。 長く,安心してサービスを提供できるよう支援者の労働条件の整備も併せて行えれば、経験豊富な福祉サービスを提供する人材の確保につながると思われる。 よりよい雇用が更なる雇用を生み出すことからしても、障がい当事者の職業観を含めた職業教育が必要である。 就労支援継続A型事業所が急激に増え、障がい者雇用を進めたい企業があるにも関わらず応募がないといった状況がある。 A型求人の増加が、本来一般企業で働くべき障がい者が労働市場に出て行かないといった問題も顕在化しつつある。 このまま、福祉サービス事業所が増え続けることは、障がい者にとっては選択肢が増えることで良いことではあるが、質のよい事業所ばかりでは無いために、結果として当事者の自立を阻むことになりかねないのではないかと危惧する。 福祉サービス事業所が、その本来の使命に基づき業務を担うことができるよう、設置のあり方について検討することや、また事業所に対しては、その事業運営について改めて研修、指導が必要なのではないか。 在宅就労ができる障がい者も、企業の理解が進むことで就労の機会が広がる可能性もあることから、福祉サービス事業所等での在宅就労に向けた準備トレーニングは出来ないものだろうか。 障がいのある人も、その当事者にできる精一杯の力で社会での役割を担うことができる社会、一人でも多く一般企業等で戦力となり働くことができる社会、当事者の方が自分の望む自立を実現できる社会などを目指していくことができるよう、その実現の為の社会資源を整備し、 それに携わる人材の確保、養成に努め、その支援力を高めることが肝要ではないか。 就労移行支援などの方策を具体的に示してほしい。 就労移行支援までいけない人は行き場なども含めた自立訓練(生活訓練)の場が必要だが、発達障がい者が利用しやすい事業所が少ないので、モデル事業所を中心に広げる取り組みをしてほしい。 就労移行支援について,発達障がい者の場合,様々なレベルがあり,すぐさま就労に進めるものもあれば,集団に入ること自体が難しい者もいる。 最終目標は就労であっても多くの段階や居場所が必要であることを理解してほしい。 特別支援学校高等部等の卒業生の主要な進路先である生活介護や就労継続支援B型事業所については、区や地域によって大きな偏りがある。 居住地域における通所の安定性の確保の観点から、地域偏差を解消する施設整備を行ってほしい。 (7)その他(地域生活支援等について) 地域で安心して暮らし続けるためには,グループホーム,ホームヘルプ,ショートステイ等の福祉サービスの充実や災害時の避難支援等に加え,周囲の理解・協力が不可欠である。 障がい者差別禁止条例を制定するとともに,広報・啓発活動を積極的に行うことが必要である。 その他(地域生活支援等)に関連した意見 ・身体介護について 事業所が業務量にみあった報酬でないと、結局利用者にしわ寄せがきてしまうので、事業者が継続可能な制度であってほしい。 例えば、知的障がい者の家事援助で本人がヘルパーに同行する場合、安全確保や「考える部分の支援」が実際は必要になるので、身体介護として認めてほしい。 ・グループホーム、ホームヘルプ、ショートステイの充実について 福岡市の次期プランにおいて、重点課題とされている障がい者の地域生活支援の充実を図るために、グループホーム、ホームヘルプ、ショートステイ等の在宅サービスを強化してほしい。 特に市内で受け入れ先が不足している短期入所、日中一時支援のショートステイの充実を図ってほしい。 ・相談支援について 地域の障がい児者のサービス調整と権利擁護を図るために、27年度から義務化されるサービス等利用計画の実施及び相談支援体制の見直しと計画的整備を行ってほしい。 特定相談事業所並びに相談支援専門員の質量を確保してほしい。 行政文書を読み込むことの不慣れな一般家庭や利用者にわかりやすい周知、啓発を行ってほしい。 ・災害時の対策について 地震、風水害等の大規模災害時、自力で避難することが困難な地域の障がいのある方々が、一時的に避難退避できる福祉避難所のマニュアル、体制整備を図ってほしい。 また、地域の防災計画に障がい者に対する対策を盛り込むようにしてほしい。 ・差別禁止条例について いまだに多くの差別事例があるので,地域性有効性のある障害者差別禁止条例の制定を望む。 障害者差別解消法に加えて地域性も踏まえた条例を制定してほしい。 障がい者視点からの条例を制定してほしい。 ・触法障がい者について 制度の仕組みや触法犯の状況に関する知識がない。対応を進めるために研修を実施してほしい。 触法障がい者の就労に関しては、その犯罪の内容にもよるかと思われるが、社会参加し、社会に貢献する人材に更生させていく手立ての一つに、就労は確かにあると考える。 ただ、現実の問題として、犯罪歴がある障がい者の就労は、障がいをオープンにするにしてもなかなか厳しい状況である。 何らかの実績として、福祉サービス事業所等で一定期間、日常生活の安定、社会参加や就労のトレーニングなどの経験を積むことができれば、企業に信用を得る材料となり就労への近道となるのではないかと思われる。 ・その他 民生委員・児童委員の取り組みの中で、「障がい者」の位置づけを強めてほしい。 在宅の知的障がい者、特に中・軽度の知的障がい者、高齢の障がい者の施策を生活実態を踏まえて充実させてほしい。 「福岡市障がい者等地域生活支援協議会」で議論の場を設けてほしい。 グループホーム等の認可に際して、地域住民の理解に向けて、差別解消法の観点から積極的な啓発活動をしてほしい。 2 移動支援施策について 移動支援事業とは,重度の脳性まひ者等全身性障がい者・児,重度の知的障がい者・児,精神障がい者・児が,区役所や病院,買い物や習い事などへ出かける際に付き添う人がいない場合,公共交通機関を使ってガイドヘルパーによる移動の介護を行うものである。 障がい者の社会参加の促進には,不可欠なサービスの一つであり,障がい者団体やサービス提供事業者からの利用方法,サービス内容の拡充についての要望も多数出されている。 本施策が,より実用性実効性の高い事業となるよう,団体からの要望等も踏まえ,以下の検討が必要である。 @利用範囲の拡大(散歩や通学での利用) A目的地での支援 B利用対象者の拡大(療育手帳Bの利用) Cグループホーム入居者の利用 移動支援に関連した意見 グループホームも重度障がい者の住まいとなることから、社会参加の保証が必要。 世話人や生活支援員の配置があっても、個別の外出ニーズに対応することは難しいと考えられるので、居住支援の強化として、ガイドヘルプを日常的に利用できるようにしてほしい。 障がい者手帳の等級や身体の状況だけで対象者を決めるのではなく、移動の支援の必要性で判断する支給決定に改めてほしい。 利用内容において、移動支援が必要な障がい者は、目的地での支援も必要であることから、利用の起点から終点までの外出全般をガイドヘルプのサービスとして位置づけてほしい。 ガイドヘルプは、福岡市の障がい福祉分野で最も他市より遅れている分野だと考えられることから、対象者や利用内容に関して早急に改善してほしい。 切れ目のない支援が必要なため、活動中の支援を認めてほしい。 特に病院での診察室の中での支援は知的障がい者にはとても必要。病院という特に緊張する場に、病院側の支援にまかせることは、無理がある。 診療に支障をきたすことになると、本人の負担は非常に重くなり、二度と病院へは行けなくなる可能性もある。 一緒に診察室に同行し、医師等とコミュニケーションがとれるように支援が必要である。 通学や通勤に移動支援が訓練として利用できると、地域で生活できたり、社会参加ができる人が多くなり、有意義な制度となると考える。 ショートステイ利用中でも移動支援が利用できると、ショートステイという環境の変化に対する負担が軽減できる。 療育手帳のA とB で、使えるか使えないかの判断をするのは、おかしい。 サービス等利用計画が始まったこともあるので、必要な人に必要な支援が受けられるようにしてほしい。 移動支援について利用範囲の拡大(散歩や通学での利用)、利用対象の拡大(療育手帳B)を検討してほしい。 通学等の保護者の送迎の負担や、本人の自立訓練の為にも利用できるようにしてほしい。 療育手帳Bの児童においては放課後デイサービスにおいて学校から事業所,事業所から家庭への送迎が認められている。 しかし,散歩や通学等では移動支援を使うことができず,支援が偏り,安易に障害のある子どもを放課後デイサービスに預ける要因となっている。移動支援の利用範囲の拡大を望む。 3 発達障がい児・者への支援について 発達障がいに関する相談は毎年著しく増加している。発達障がいは,表現・言葉の理解・使い方が不自然やコミュニケーションの障がいや,極端に不器用など,その障がい特性から周囲の理解が得られにくく,また本人や家族も障がいの受容をしづらい現状がある。 発達障がい児・者及びその家族に対し,障がいの特性を踏まえ,乳幼児期から成人期までのライフステージに応じた一貫した支援と,教育,福祉,医療,就労など関係機関の垣根を越えた連携強化が必要である。 発達障がい児・者への支援に関連した意見 放課後デイサービスの目的は療育・訓練だが、事業所によってはばらつきがあるように思う。支援の専門性をお願いしたい。 障がい児の在宅サービスについては、大切な発達期の支援という観点から、療育的な視点にも留意し、教育、児童福祉、障がい福祉、医療、労働機関等の垣根を越えて、 教育行政と福祉行政が連携して関係者の情報の共有及びトータルな支援が可能になるよう、特別支援学校区福祉ネットワーク会議を設置してほしい。 発達障がい者が地域で生活する場合、支援(相談窓口)は精神の相談支援センターとなるので、事業所の理解の促進をしてほしい。 発達障がい者は高齢に伴い、グループホームや単身の生活になる。グループホーム利用については受け入れる事業所が少ない状況なので、受け入れの促進に向けて対策をしてほしい。 地域で単身生活をする際、孤立化を防ぐ、「見守りさん」的支援等の施策や必要なサービスを充実してほしい。 必要な人に必要な支援が届いていないのではないか。そのためにも手帳制度の導入を検討してほしい。 発達障がいの人の数が把握しにくいので困り感が分かりにくい。必要な人に必要な支援が届いていないことに繋がっている。 コミュニケーション支援事業の充実の発達障がいへの対応が必要である。 成年後見制度の充実とさらなる制度周知がほしい。 発達障がい者の中には成年後見制度の対象外の当事者が多いが、生活のしづらさを持っている実情から、地域で単身生活をする際「見守りさん」的な支援で後見制度を補完する施策をしてほしい。 後見人に発達障がい者への理解を促進してほしい。 U 新たな相談支援体制の構築に向けた相談支援体制の見直しについて 1 現状 現在の福岡市の支援体制は、福岡市障がい者基幹相談支援センター、各区の障がい者相談支援センターと障がい者生活支援相談室、療育センター、指定特定相談支援事業所、障がい児相談支援事業所があり、障がい別、児・者別に分かれ相談者にとって分かりづらいものとなっており、 障がい当事者や家族から「ライフステージを見通し一貫した相談支援ができる体制を構築する必要がある」との声が出されて久しい。 身近なところに相談窓口がある、相談窓口を選べるといったアクセシビリティの高さはあるものの、それぞれの機関が対象とする障がい種別や、対象年齢、役割が機能的に整理されていない。 このような状況を踏まえ,新たな相談支援体制の構築に向けた相談支援体制の見直しが必要となっている。 2 相談支援体制の見直しの取り組みについて (1)相談支援部会の設置 本協議会は,平成26年度第2回協議会において,新たな相談支援体制の構築に向けた現在の相談支援体制の見直しについて協議するため,新たな専門部会として「相談支援部会」を設置した。 (2)相談支援部会における協議内容 この部会では,相談支援センター,福祉関係者を中心に,各委員とも大変多忙な中,短期間集中的に主に以下の3点について熱心な議論を行っていただいた。 @地域と障がい者(児)をつなぐ地域福祉の基盤づくりの担い手となる相談支援体制づくりに関すること。 A全障がいの相談支援を一元化し、児・者一貫した相談支援体制づくりに関すること。 B指定特定相談支援事業所(障がい児相談支援事業所)と、各区の知的・精神障がい者相談支援センター、障がい者生活相談支援室、福岡市障がい者基幹相談支援センターの役割に関すること。 (3)相談支援部会からの報告(詳細は 15ページの参考資料3を参照) 部会においては,相談支援体制のあり方として,『中央一元化型』ではなく『拠点分散型』を基本的方向性とし,全障がいを一元化し,児・者一貫した相談支援体制づくりに向けた「基幹相談支援センター,委託相談支援事業所,指定特定相談支援事業所,それぞれの役割・業務内容と関連性」,「委託相談支援事業所の体制と質の評価」を主たる論点として協議を進めた。 @ 見直しの方向性 委託相談支援事業所を区の基幹相談支援センター(以下、「相談支援センター」という。)として機能拡大を図る。 相談支援センターは、全障がい、児・者の一次総合相談窓口とし、必要に応じてさらに高い専門相談(こども療育相談窓口、発達障がい者支援センター、権利擁護のための相談窓口等)につなぐ機関。 A区の基幹相談支援センターについての考え方 ・相談対象者 学齢以上の全障がい児・者 障がい者もしくは障がいが疑われる人で、必要な社会資源に結び付いておらず社会から孤立していたり、サービスにつながっているが適切な利用がされておらず、本人が抱えている課題の解決につながっていない人 ・業務内容 現在の委託相談支援事業所が行う業務に加え,下記の新たな役割を担う。 学齢以上の障がい児の一次相談窓口 指定特定相談支援事業所や指定一般相談支援事業所とのネットワーク構築による当該事業所の支援体制づくり 基本相談に長期間を要する等困難事例の指定特定相談支援事業所が行う計画相談支援業務のサポート 地域へのアウトリ−チによる,地域団体と連携した障がい者を地域で見守るパーソナルネットワークの形成 障がい者生活支援相談室が行っている業務のうち,相談に応じた情報の提供や保健・医療・福祉関係機関との連絡・調整,障がいのある人の交流会や仲間づくりのための学習会の実施については、相談支援センターに移管 ・相談支援センターの体制 (ア) 人員配置主任コーディネーターの役割を担う監督者を含めた専任の職員を4名以上配置 (イ)必要な人材と専門性の確保 ケースワークの経験がある相談支援専門員の資格を有する人で,受託法人から推薦を受けた職員を配置 専門性を確保するため,相談支援専門員の一定期間の配置及び必要な研修受講を義務付け ・相談支援センターの設置数 地域包括支援センターの配置を参考に、各区の障がい者数に応じた設置数を試算し,下記のとおり設置する。 東区3箇所,博多区2箇所,中央区1〜2箇所,南区3箇所,城南区1〜2箇所,早良区2箇所,西区2箇所 ・運営評価 運営上の課題を改善するため,運営評価を実施する。 評価項目は相談支援センターの運営面に関する項目と、業務に関わる技術的な側面に関する項目で構成し,相談支援センターが自己評価及び第三者評価機関による評価を行う。 B 福岡市障がい者基幹相談支援センターの役割 ・現在の基幹相談支援センターが行っている業務 相談支援センターの後方支援 総合的・専門的な相談支援センター業務実施 人材育成 相談支援体制の強化 相談支援体制の構築 権利擁護 虐待の防止 ・新たに望まれる機能 相談支援センターの運営面での基準作り 触法障がい者への対応のためのネットワーク構築 C引き続き検討が必要な項目 地域福祉の基盤づくりの担い手となる相談支援体制づくりや,相談支援センターの専門性の担保,相談支援センターの評価の仕組み作りなど,新たな相談支援体制の円滑な運営及び相談支援の質の向上に向けた検討を引き続き行う必要がある。 3 まとめ 本協議会としては,今後の福岡市の取り組みとして,ライフステージを見通し一貫した相談支援ができる体制を構築するとともに,障がい者(児)が地域で生活する住民の1人として地域に受け入れられ,障がいのない人と普通に顔を合わせ, 日常会話を交わすことができるように,さらにそうした近隣住民との関係が定着することによって,地域における災害時の救援にもつながるように,地域づくりを進めることが必要であると考えた。 新たな相談支援体制の構築にあたっては,相談支援部会の提言のとおり,市及び区の基幹相談支援センターを設置し,全障がい一元化,児・者一貫した相談支援窓口を整備するとともに, 積極的な地域へのアウトリーチ及び地域団体等と連携した障がい者の見守り体制づくりを行うなど,地域福祉の基盤づくりを推進することが必要である。 福岡市の相談支援センター体制についての提言書 平成27年6月 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 相談支援部会 目次 1.はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.検討の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3.協議結果の取りまとめ・・・・・・・・・・・・・・ 3 4.今後引き続き検討が必要な項目・・・・・・ 6 検討体制等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 はじめに 現在の福岡市の相談支援体制は、福岡市障がい者基幹相談支援センター、各区の障がい者相談支援センターと障がい者生活支援相談室、療育センター、指定特定相談支援事業所 指定一般相談支援事業所、障がい児相談支援事業所があり、障がい別、児・者別に分かれ相談者にとって分かりづらいものとなっており、 障がい当事者や家族から「ライフステージを見通し一貫した相談支援ができる体制を構築する必要がある」との声が出されて久しい。 身近なところに相談窓口がある、相談窓口を選べるといったアクセスビリティの高さはあるものの、それぞれの機関が対象とする障がい種別や、対象年齢、役割が機能的に整理されていない。 このような状況を踏まえ、平成26年度第2回福岡市障がい者等地域生活支援協議会(以下、「協議会」という。)において、新たな相談支援体制の構築に向け、現在の相談支援体制の見直しについて協議することを目的とし、 「相談支援部会」(以下、「部会」という。)を設置することが承認された。 当部会では、相談支援センター、福祉関係者を中心に平成27年4月〜6月の間に計6回の協議を行い、今回はその検討結果を取りまとめ、提言(案)として提出するものである。 検討の経緯 部会が協議会から負託された検討事項は、「地域と障がい者(児)をつなぐ地域福祉の基盤づくりの担い手となる相談支援体制づくりに関すること」、「全障がいの相談支援を一元化し、児・者一貫した相談支援体制づくりに関すること」、「指定特定相談支援事業所(障がい児相談支援事業所)と、 各区の知的・精神障がい者相談支援センター、障がい者生活相談支援室、福岡市障がい者基幹相談支援センターの役割に関すること」の3点であった。 「相談支援体制のあり方として、『中央一元化型』ではなく『拠点分散型』を基本的方向性とし、全障がいを一元化し、児・者一貫した相談支援体制づくりを目指すとなれば、 委託相談支援事業所を区の基幹相談支援センター(区の総合相談センター)として位置づけ、機能拡大を図るという考え方になるのではないか。」という認識の下、具体的検討を行った。 時間の制約があり短期集中的な論議により一定の内容をまとめることが部会に求められたことから、既述の基本的方向性を相談支援体制見直しの基軸として、「基幹相談支援センター、委託相談支援事業所、指定特定相談支援事業所、それぞれの役割・業務内容と関連性」、「委託相談支援事業所の体制と質の評価」を主たる論点として協議を進めた。 協議結果のとりまとめ 全障がいを一元化し、児・者一貫した相談支援体制づくりに関する考え方は、以下のとおりである。 1 見直しの方向性についての確認 (1)相談支援体制見直しの基軸を、区の基幹相談支援センター(以下、「相談支援センター」という。)として委託相談支援事業所の機能拡大を図るという方向性に置く。 (2)相談支援センターは、全障がい、児・者の一次総合相談窓口とし、必要に応じてさらに高い専門相談(こども療育相談窓口、発達障がい者支援センター、権利擁護のための相談窓口等)につなぐ機関といったイメージとする。 2 区の基幹相談支援センターについての考え方 (1)相談対象者 @学齢以上の全障がい児・者を相談対象者とする。 A障がい者手帳の取得の有無にかかわらず、障がい者もしくは障がいが疑われる人で、必要な社会資源に結び付いておらず社会から孤立していたり、サービスにつながっているが適切な利用がされておらず、本人が抱えている課題の解決につながっていない人とする。 (2)業務内容 @相談支援センターとして引き続き行う業務 委託相談(サービス利用援助、社会資源の活用、生活力の向上、権利擁護)、区単位での事業所とのネットワークと、指定特定相談支援事業所とのネットワークの構築 区部会の事務局業務 緊急対応(宿泊を伴うような緊急時) 人材育成 A新たな役割 学齢以上の障がい児の一次相談窓口として、関係機関と連携しながら対応する。 指定特定相談支援事業所や指定一般相談支援事業所の要請に応じて、サービス等利用計画に関するアセスメントへの同行やサービス担当者会議へ出席し、 サービス等利用計画作成へのアドバイスや、地域課題の解決に向けて当該事業所を支援する体制づくりを行う。 相談支援センターは、基本相談に長期間を要する等の困難事例のサービス等利用計画の作成により自らのケアマネジメント能力を担保し、指定特定相談支援事業所が行う計画相談支援業務のサポートを行う。 地域へのアウトリ−チを行い、社会福祉協議会、民生委員児童委員、自治協議会、自治会・町内会などの地域団体と連携し、社会的に孤立している障がい者を地域で見守るパーソナルネットワークを形成する。 (3)相談支援センターの体制 @人員配置等 各相談支援センターの職員は、主任コーディネーターの役割を担う監督者を含めた専任の職員を4名以上配置することが望ましい。 A必要な人材と専門性の確保 配置する職員は、相談支援専門員の資格を有する者でケースワークに関わったことがあり、受託しようようとする法人から推薦を受けた者とする。 配置した相談支援専門員が十分に育成される前に、法人の配置換え等により相談支援専門員が短期間に交代するようでは専門性が担保できないことから、委託仕様書で在任期間について一定の制約を設けるほか、必要な研修の受講を義務付ける必要がある。 現在、相談支援専門員の研修は、基幹相談支援センターが年間を通じて実施しており、スーパーバイザーを活用するシステムも作られているが、どのように活用するかは委託相談支援事業所(委託法人)により差があり、相談窓口の重要性と専門性についての意識を高める必要がある。 B設置個所数と障がい者数 東区3箇所20,000人,博多区2箇所14,530人,中央区1〜2箇所9,543人,南区3箇所17,315人, 城南区1〜2箇所8,489人,早良区2箇所14,226人,西区2箇所13,571人 ※設置箇所数は、地域包括支援センターの配置基準を参考に、試算している。 C運営評価 運営評価によって明らかになった課題を改善していくことを、評価の目的とする。 評価項目については、相談支援センターの運営面に関する項目と、業務に関わる技術的な側面に関する項目とが考えられる。 運営面に関する項目は、個人情報の取扱い等の遵守事項として整理し、技術的な側面に関する項目は、同意書を取っているか否か等の遵守事項と、スキルの向上に関する項目に整理することが望ましい。 評価項目の詳細は、福岡市が相談支援センターに委託する業務の内容と役割により構成することとなる。 評価方法は、まず事業所が自己評価を行い、その結果を第三者評価機関が考課者として評価し、相談支援センターと第三者評価委機関が面談によりフィードバックを実施する手順とする。 D障がい者生活支援相談室 現在身体障がい者を中心に障がい者生活支援相談室(以下、「相談室」という。)が行っている業務の内、相談に応じ情報の提供や保健・医療・福祉関係機関との連絡・調整を行う業務と、障がいのある人の交流会や仲間づくりのための学習会の実施については、相談支援センターに業務を移管する。 なお、福祉用具や住宅改造などの専門的な相談については相談支援センターが単独で対応することが困難であることから、相談者の不利益とならないような仕組みをつくる。 E指定特定相談支援事業所について 相談支援センターは引き続き指定特定相談支援事業所(以下、「特定事業所」という。)が行う計画相談支援業務のサポートを行うが、相談支援センターが全障がい、児・者の一次総合相談窓口として機能するためには、特定事業所の量的拡大とともに質の担保が不可欠となる。 そのためには、特定事業所の指定を受ける動機づけを工夫すること、相談支援センターが特定事業所にプランの作成を引き渡すための仕組みをつくること、特定事業所が作成するプランを評価する仕組みにより、質の高いプランは適切な評価を受けるという好循環をつくる必要がある。 F福岡市障がい者基幹相談支援センターの役割 福岡市障がい者基幹相談支援センターの業務には、相談支援センターを後方支援する役割があり、主な業務内容としては、総合的・専門的な相談支援の実施および人材育成、相談支援体制の強化、地域移行・地域定着の促進、権利擁護・虐待の防止などがある。 新たに望まれる機能として、委託相談支援センター(以下、相談支援センターと言う)の運営面での基準作り、いまだ不足している触法障がい者への対応のためのネットワーク構築についての取り組みが必要である。 4.今後引き続き検討が必要な項目 地域福祉の基盤づくりの担い手となる相談支援体制づくりに関すること 相談支援事業所の再編・強化と併せて、障がいのある人やその家族を支える地域づくりが重要であることから、「横浜市障害者後見的支援制度」や「宇治市社協のコンタクト・パーソン活動(友人兼助言者)」等を参考に、障がい者を見守り支える人的支援の仕組み、暖かで生き生きとした地域生活の基盤をつくる仕組みを検討する必要がある。 また、大規模災害時も見据えて、地域社会から孤立している障がい者等を発見するために、どのような手法でアプローチしていくか、具体的な方法についても検討する必要がある。 相談支援センターの専門性の担保について 障がい児相談の質の担保、発達障がい児・者の一次相談窓口の考え方、従来の知的・精神といった障がい種別の専門性を一部残した相談支援体制についての考え方、成年後見に対するニーズへの対応のあり方等、全障がい、児・者の一次相談窓口としての専門性をいかに担保するのかという課題についての論議は不十分であり、より具体的な検討が必要である。 相談支援センターの評価の仕組み作りについて 相談支援センターの評価の仕組みについては、評価項目、評価の方法、第三者評価機関の設置に関する内容を具体的に定めなくてはならず、相談支援センターを公募するまでには確定できるよう取り組む必要がある。 相談支援センターのケース移管について 現在相談支援センター、相談室で作成している、サービス等利用計画の対象者を特定事業所へケース移管することについて、移管の時期や方法について利用者の不利益とならないように検討が必要である。 地域活動支援センターT型について 現在の精神障がい者相談支援センターは地域活動支援センターT型に委託されているが、両センターの相談機能の役割が明確になっていないため、新たな相談支援体制整備に向けて役割を整理する必要があるとともに、両センターの管理者を一人が兼務するという形態が既に限界にきているという事情も勘案し、地域活動支援センターT型の機能を検討する必要がある。 地域移行・地域定着の促進について 福岡市において病院等からの地域移行が進んでいない現状がある。その要因について明らかにしていき、対応策を検討していく必要がある。課題を明確にするためには、相談支援センターの委託業務の内容についても併せて検討していく。 緊急時の対応について 家族の急な病気等により、緊急的に短期入所等の利用の調整を行う必要がある場合、入所施設等を利用しての調整が非常に困難な状況があり、相談支援センターが大変苦慮している。 緊急時の受け入れ先の整備も含め検討する必要がある。 相談支援センターの設置について 地域にアウトリーチする役割等、地域に密着した相談を行っていくために、地域包括支援センターと同様に担当校区を決めることが望ましいと思われる。 そのため、担当校区の考え方や相談支援センターの設置場所などを検討し、将来的に相談者が増えた場合は設置個所数についても検討が必要である。 サービス等利用計画の評価について 個別給付であるサービス等利用計画は、どのような事業所でも標準的な計画書を作成することが重要である。 そのため提出された計画書が適切かどうかを判断し、その結果を相談支援事業所にフィードバックする仕組みづくりを検討する必要がある。 検討体制等 この「相談支援部会」は福岡市障がい者等地域生活支援協議会設置運営要綱に基づき,協議会の専門部会として設置され,次のとおり協議を行った。 期日 協議内容 第1回 平成27年4月6日 新たな相談支援体制を検討するうえでの、基本的な理念についての講義と、福岡市社会福祉協議会の「地域福祉ソーシャルワーカー」についての説明 第2回 平成27年4月20日 相談支援センターで受け入れるべき対象者等 第3回 平成27年5月8日 相談支援センターの役割等 第4回 平成27年5月18日 相談支援センターの運営評価等 第5回 平成27年6月1日 協議会への提言書骨子(案)の提案と協議 第6回 平成27年6月8日 修正版提言書骨子(案)の提案と協議 委員名簿 区分 委員名 役職 福祉関係 藤田博久 福岡市社会福祉協議会地域福祉部長 指定特定相談支援事業所 中嶋啓詩 指定特定相談支援事業所glfe管理者 委託相談支援センター 岩見景子 中央区知的障がい者相談支援センター長 友廣道雄 城南区知的障がい者相談支援センター長 大畑邦広 東区精神障がい者相談支援センター長 鷹尾和顕 早良区精神障がい者相談支援センター長 古屋智也 障がい者生活支援相談室管理者 相談支援機能強化専門員 池田顕吾 東区知的障がい者相談支援センター主任コーディネーター 基幹相談支援センター 西村大一 障がい者基幹相談支援センター所長 事務局 山田隆行 障がい者在宅支援課 相談支援係長 福岡市障がい者基幹相談支援センター 福岡市障がい者等地域生活支援協議会 委員名簿 (平成27年7月現在) (敬称略 区分は要綱第3条第1項の記載順,区分内は50音順) 区分 委員名 役職 学識経験者 野口幸弘(会長) 西南学院大学人間科学部教授 障がい当事者(家族を含む)団体等 浅田実 福岡市知的障害特別支援学校保護者会連合会顧問 磯田重行 福岡市精神保健福祉協議会 今里昭宣 福岡市身体障害者福祉協会 奥野幸子 福岡市成人期高機能自閉症・アスペルガー症候群等親の会「あすなろ」会長 下山いわ子 福岡市手をつなぐ育成会 福岡市の相談支援事業の委託事業者 岩見景子 福岡市中央区知的障がい者相談支援センターセンター長 大畑邦広 福岡市東区精神障がい者相談支援センターセンター長 中満達郎 福岡市社会福祉事業団福岡市発達障がい者支援センター所長 宮ア千明 (副会長) 福岡市社会福祉事業団福岡市立心身障がい福祉センターセンター長 福岡市の児童発達支援センター事業の委託事業者 小川弓子 福岡市社会福祉事業団福岡市立西部療育センターセンター長 障がい福祉サービス事業者 末松忠弘 福岡市民間障害施設協議会重度重複部会長 中村隆 福岡市障がい者生活支援事業所連絡会会長 保健・医療関係者 長谷川浩二 福岡県精神科病院協会副会長 教育・雇用関係者 黒田小夜子 福岡市社会福祉事業団福岡市障がい者就労支援センター所長 日徹 福岡市立若久特別支援学校校長 山本英毅 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構福岡支部福岡障害者職業センター主幹障害者職業カウンセラー 権利擁護関係者 古賀美穂 福岡県弁護士会 地域福祉関係者 常岡和臣 福岡市社会福祉協議会事務局長 吉田恒代 福岡市民生委員児童委員協議会副会長