資料3 各障害福祉施策における現状と課題及び施策の方向性について 第1章 障害者分野の基本理念等 1 基本理念 福岡市では、これまでも障害のある人とない人が等しく地域の中で自立し、社会の一員として共に生きる社会をめざし、障害保健福祉施策を進めてきた。今後、人口急減・超高齢社会といった、深刻な社会情勢の変化が予想される中、高齢障害者及び、親亡き後の地域での生活を見据えた総合的な支援など、障害のある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくりを目指す。 2 取り組みの視点(基本目標) 施策を推進するに当たり、次の6つの視点を踏まえ取り組んでいく。 1.自立の促進と支援(施策の方向性1) (1)障害のある人の自己決定の尊重及び意思決定の支援 障害のある人が社会の一員として尊重され、自らの考えに基づいた決定をし、その考えを表明したり、行動したりするための支援を行う。 また、障害の特性から、十分な判断を行うことや意思の表明が困難な場合に、その人の権利が損なわれることのないよう、権利擁護の推進に取り組む。 (2)当事者本位の総合的な支援 一人ひとりが主体的に歩んでいく人生において、生涯の全段階を通じて適切な支援を受けられるよう、教育、福祉、医療、雇用などの各分野の有機的な連携の下、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行う。 (3)障害特性等に配慮した支援 障害のある人への支援は、性別や年齢、発達障害や強度行動障害などの障害の状態、生活の実態などに応じ、個別の支援の特性を踏まえて実施するとともに、周囲の理解の促進に向けた広報・啓発活動の推進や人材の育成など施策の充実を図る。 2.地域で生活できる仕組みづくり(施策の方向性2) (1)地域社会における共生 障害のある人が地域で生活する一員として、あらゆる分野の活動に参加する機会や、どこで誰と住むかの選択の機会を確保し、障害が重度化したり、親が亡くなった後も、地域で安心した生活を継続できるよう、障害福祉サービスの充実を図り、相談、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなど、総合的な支援を推進する。 また、障害のある人の外出時のサービスの充実を図り、様々な人と交流することなどを通じて、地域生活に不可欠な周囲の障害への理解の促進につなげていく。 3.安全・安心のための社会環境整備(施策の方向性3) (1)差別の解消 障害を理由とする差別は、障害のある人が安心して日々生活したり、働いたりするうえで、その活動を制限し社会への参加を制約する大きな障壁となる。誰もが等しく基本的人権を有するかけがえのない個人として尊重されるよう、差別の解消に向けた広報・啓発活動を継続して実施するとともに、障害のある人の権利利益を侵害することとならないよう、個々の場面において社会的障壁を除去するための取り組みを進めていく。 (2)アクセシビリティの向上 アクセシビリティとは、階段のスロープ化や案内板への点字表示などの施設・設備の利用しやすさや、広報誌の点訳やホームページの読み上げ機能の充実などのサービス、情報、制度などの利用しやすさを意味する。 障害のある人の生活上の困難さは、障害そのものと社会的な要因の双方にあると考えられている。障害の状態、年齢、性別などに関わりなく、障害のある人の社会参加を実質的なものとし、安心して生活できるようにするために、アクセシビリティの向上を図る。 3 その他(障害者総合支援法の見直しとの関係について) 国は、平成28年における、障害者総合支援法の施行後3年を目途とした障害福祉サービスの在り方などについての見直しを進めている。この見直しに当たっては、障害のある人の自立や就労を支援するための効率的なサービス提供の在り方、必要な支援の度合いに応じたサービス提供の在り方、制度を支える財源・負担の在り方などについて幅広く検討を行い、制度の持続可能性の確保を図るべきであるとしている。 このような国の動向や社会情勢の変化も踏まえ、計画期間中においても必要に応じて本計画の見直しを行うものとする。 第2章 施策各論 福岡市は、平成25年5月に人口150万人を突破した。全国的な人口減少傾向にあって、福岡市は今後20年の間人口が増え続けると予想されている、元気で住みやすいまちである。一方で、全国平均を上回るペースで高齢化が進んでおり、平成37年には、将来推計人口159万人のうち、4分の1が65歳以上の高齢者になると予測されている。また、人口に占める障害者の割合も増加傾向にあり、身体障害者手帳の所持者数のうち60歳以上の所持者が75%以上を占めるなど高齢化が進むとともに、手帳所持者数が平成37年には現在の約1.2倍の約61,000人に上ると推計されている。手帳所持者数の増加とともに、障害福祉サービスの利用者数も増え、扶助費などの経常的経費が増加傾向にある。これに伴い、重要施策の推進や新たな課題に対応するために使える財源(政策的経費に使える一般財源)は限られていくことから、障害福祉施策全体を、社会情勢やニーズの変化を踏まえた、より効果的な施策体系にしていく必要がある。 障害のある本人や家族の高齢化が進む中、平成25年度に実施した「福岡市障害児・者等実態調査」において、多くのかたから親亡き後の生活への不安や障害の重度化、障害者及び介護者の高齢化に対する不安の声が聞かれた。特に、自身の判断能力が十分でない知的障害、精神障害、発達障害のある当事者の家族からは切実な声があがっている。 障害のある本人も、その家族も、安心していきいきと生活していくためには、将来自立して生活できる環境を整備することが重要であり、生涯における各段階に応じたこまやかな支援を充実させていく必要がある。 住み慣れた家庭や地域で安心して生活し続けることができる社会の早期実現を図るため、障害の早期発見・早期支援への取り組み、自立に向けた就労支援の強化、障害が重度化しても住み慣れた家庭や地域で生活を続けられる障がい福祉サービスの充実などを図るためには、さらに、生活の身近な場所に、緊急時にも相談でき、必要な対応が可能な体制を整備するなど,地域全体で支える仕組みを構築し,親亡き後の生活の安心にもつながる施策が求められている。 1.地域生活支援関連 (1)現状と課題 障害の有無にかかわらず、誰もが地域社会の中で安心して生活することができるよう、福岡市では「みんながやさしい、みんなにやさしいユニバーサル都市・福岡」をまちづくりの目標像に掲げ、その実現のためさまざまな取り組みを行っている。これまでも、短期入所や移動支援の充実、グループホームの設置促進などを行ってきたが、少子高齢化の進展や一人暮らし世帯の増加など、地域社会を取り巻く環境は大きく変化し、福祉サービスに対するニーズはますます複雑・多様化している。 在宅サービス 課題等  医療的ケアが必要な重度心身障害児・者が利用できる短期入所事業所が求められているが、受け皿となる事業所が少ない。 主な事業  居宅介護 重度訪問介護 短期入所 重度障害者入院時コミュニケーション支援など 移動支援 課題等  移動支援について、利用対象者やサービス内容の拡充についての要望が多数出されている。 主な事業  同行援護 行動援護 移動支援 福祉乗車券など 施設サービス 課題等  発達障害や強度行動障害者等に対応できる人材、事業所が少ない。 主な事業  生活介護 施設入所支援 就労移行支援など 相談支援 課題等  相談支援体制について、対象とする障害種別、年齢や役割が機能的に整理されていない。 主な事業  計画相談支援 知的・精神障害者相談支援センター 障害者基幹相談支援センター 発達障害者支援センターなど 生活用具 課題等  日常生活用具について、給付品目の追加や支給要件の緩和などの要望がある。 主な事業  補装具 日常生活用具 緊急通報システムなど 年金・手当 課題等  障害基礎年金等などによる所得保障のありかたについては、国において検討課題とされている。 主な事業  障害基礎年金 特別障害者手当 福岡市重度障害者福祉手当など 住宅支援 課題等  グループホーム整備の伸びが鈍く、見込み数に達していない。 主な事業  グループホーム 障害者等住宅改造相談助成事業など 保健・医療 課題等  相談の内容が、多様化、専門化してきている。 主な事業  精神保健福祉専門相談 精神障害者の退院促進事業 精神科救急医療システムなど 発達障がい 課題等  発達障害については、一見しただけでは障害があるとはわかりにくいことから、学校や職場での周囲の理解や障害特性に応じた配慮が十分でない。 主な事業  発達障害者支援センター 発達障害啓発週間など 難病 課題等  難病患者が障害福祉サービスの対象となったことの認知度が低い。難病患者の約半数が働きたい、働き続けたいと考えているが、就労に対する社会の理解及び配慮が十分でない。 主な事業  難病患者等訪問指導事業 難病患者相談会等など 災害対策 課題等  災害時の支援対策が十分でない。 主な事業  避難行動要支援者名簿の整備 サービスの質の向上 課題等  事業者の新規参入が進むなか、サービスの質の確保が必要である。 主な事業  集団指導 実地指導の実施 人材育成・研修 課題等  人材の確保や研修受講の機会の確保が不十分な状況にある。 主な事業  ピアスタッフスキルアップ研修 手話通訳者等の養成など (2)関連する主な実態調査結果 自宅や地域で生活するために必要なこととして、身体障害者手帳所持者のうち重度(1・2級)者、療育手帳所持者のうち重度(A1〜A3)者では、中度・軽度の方と比べ、昼間の介護を頼める人や夜間の介護を頼める人を望む割合が高く、療育手帳重度では、特に短期入所など緊急時に宿泊できるところを望む割合が高い。(調査結果資料1・2) 「施設事業所から見て不足している社会資源」を前回調査回答(平成22年度)と比較すると、強度行動障害に対応できる短期入所施設や医療ケアが可能な短期入所施設の割合が大きく伸びている。(調査結果資料3) (3)施策の方向性  地域での生活を支援するため、在宅サービス、グループホーム、外出・移動などの支援の充実を図るとともに、身近な場所で相談支援を受けることのできる体制を強化する。 特に、重度の障害がある人に対する障害福祉サービスの充実を図り、社会参加の支援や生活の質の向上を目指す。 地域で安心した生活を継続できるよう、相談,体験の機会・場の確保、緊急時の受け入れ・対応、地域の支援体制づくりなど、総合的な支援を検討する。 2.就労支援・社会参加関連 (1)現状と課題 障害のある人が、地域社会の一員として自立した生活をするために、就労は大きな柱となるが、とりわけ、対人関係に困難を抱えがちな発達障害や精神障害のある人は、就職が難しい状況にある。障害の特性に応じた支援の充実を図るとともに、幼児期から成人期までの一貫した支援が必要である。 また、地域行事への参加やスポーツを楽しむ機会など、障害のある人の社会参加の支援や、視覚障害・聴覚障害のある人へのコミュニケーション支援の充実が求められている。 就労支援関連 課題等  民間就労支援事業所の増加に伴う、支援に対するノウハウが十分でない事業所の存在。就職や職場定着の困難度が高い、精神・発達障害者への支援 主な事業  就労移行支援 就労継続支援 障害者就労支援センター 精神障害者社会適応訓練事業など 福祉的就労関連 課題等  商品力や販売力の向上が工賃向上につながっていない。 主な事業  ときめきプロジェクト ときめきグッズ受注・発注コーディネート事業など 交通関連 課題等  公共交通機関助成については、制度の複雑性や、利便性の地域格差を考慮した仕組みとなっていない。 主な事業  自動車改造費助成 福祉乗車券(再掲)など 意思疎通支援関連 課題等  手話通訳者、要約筆記者等へのニーズに対する、支援の範囲や人材確保 主な事業  手話通訳者・要約筆記者の養成・派遣(再掲) 点字図書給付事業など 環境整備関連 課題等  さまざまな情報にアクセスする手段の充実 主な事業  バリアフリーの推進 情報アクセシビリティの向上 社会参加支援関連 課題等  障害者差別解消法の趣旨に則り、各フレンドホームや障害者スポーツセンターに限らず、あらゆる場所で障害者の社会参加が進むような支援を行う必要がある。 主な事業  障害者フレンドホーム 障害者スポーツセンター 福祉バス 障害者スポーツ大会など ? (2)関連する主な実態調査結果 身体・知的障害児及び発達障害児・者では、地域で生活するために必要なこととして,仕事があることと回答した人の割合が5割程度ある。(調査結果資料4・5) 知的障害者・発達障害児・者では、仕事(作業)上の援助や本人・周囲への助言を行う者による支援を望む割合が高い。(調査結果資料6・7) 発達障害者では,発達障害の特性を踏まえた作業手順の視覚化などの配慮が第1位となっている。(調査結果資料7) (3)施策の方向性 民間の就労支援事業者と就労支援センター、ハローワークなどと連携して、障害のある人の雇用に対する理解促進や、企業とのマッチング、一般就労後の定着の促進などの支援を行う。 障害者施設で作られる商品の製作販売や請負作業などの情報を広く紹介するとともに、官公庁や企業からの受注をコーディネートするなど、売り上げの向上、工賃の向上を図る。 合理的配慮の観点から、意思疎通支援施策の充実を図る。 パソコン・スマートフォン等が普及している状況から、ホームページを活用した情報提供の充実を図る。 障害のある人のスポーツ・レクリエーション活動の振興を図るなど、引き続き各種社会参加活動の促進を図る。 3.啓発・交流,広報・情報提供関連 (1)現状と課題 障害のある人もない人も、お互いの人格と個性を尊重し合う共生社会を実現するためには、障害への理解は不可欠である。これまでも、「障害者週間」などを通じて、交流の機会を設けてきたが、障害への理解はまだまだ不十分である。 また、障害のある人は、障害の特性により、情報を得られる方法が限られる場合がある。必要な情報を得る方法の選択肢を増やしたり、機会を増やすことが求められている。 啓発関連 課題等  障害者週間では、当事者や支援者の団体が中心となって啓発を行っている。啓発活動への参加団体などが限られている。 主な事業  障害者週間 発達障害啓発週間 精神保健家族講座 補助犬啓発事業など 広報関連 課題等  広報媒体の充実や相談窓口における的確な情報提供を図る必要がある。 主な事業  市政だよりの点訳化・音訳化など (2)関連する主な実態調査結果 すべての障害において、地域から受けたい支援として「普段から定期的に声かけなどをする(見守る)」を望む回答が2割以上ある。(調査結果資料8) すべての障害において、福岡市の福祉施策情報については5割程度が「市政だより」を手掛かりとしている。(調査結果資料9) (3)施策の方向性 共生社会の実現にむけて、障害のある人と交流する機会を提供し、障害への理解を深め、偏見をなくしていく施策を推進する。 必要な情報が必要な人に届くよう、わかりやすい広報を行うとともに、点訳化や音訳化など、障害の特性に配慮した情報の提供や、情報利用のための手段についての選択肢の拡大に努める。 4.権利擁護関連 (1)現状と課題 障害のある人は、家庭内、学校、職場など、日常生活の様々な場面で権利を損なわれやすい状況にある。特に、知的障害、精神障害などは、その障害の特性から、意思表示能力が十分ではなく、誤解や偏見も生じやすいため、本人の意図しない状況になってしまったり、被害に遭ってもその状況を周囲に伝えられないこともある。自分で問題を解決することが困難な人に対する支援体制の整備が求められている。 権利擁護関連 課題等  高齢者施策、地域保健福祉施策との連携による充実が課題となっている。 主な事業  成年後見制度利用支援事業 あんしん生活支援センター 障害者110番など (2)関連する主な実態調査結果 すべての障害に共通して「人々の障害者に対する理解を深める機会が少ないこと」や「差別的な言動を受けること」などが上位5位以内にあがっている。(調査結果資料10) 発達障害者では「発達障害の特性から生じる困難さに対し、配慮がなされないこと」の割合が7割弱と高く、1位となっている。(調査結果資料10) (3)施策の方向性 障害福祉サービスに関する情報提供や、日常の困っていることなどを相談する窓口の充実を図る。 社会的に弱い立場になりがちな障害のある人も、個人としての尊厳を保ちながら、その人らしい生活ができるよう、自らが選択・決定するための支援体制の整備に努める。 5.差別解消関連 (1)現状と課題 国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、障害者差別解消法)が公布され,平成28年4月に施行される。 また、福岡市のほぼすべての障害者団体で構成される「福岡市に障害者差別禁止条例をつくる会」から、「障害を理由とする差別の禁止を目的とする条例」の制定を求める要望が出されている。 平成25年度に実施した「福岡市障害児・者等実態調査」において、「差別を受けたり、いやな思いをした経験がある」と回答した人は、身体障害者では約2割であるが、知的障害者や、身体・知的障害児、発達障害児・者では6割前後を占めている。特に、障害を理由とした差別は、障害のある人の自立や社会参加に深刻な悪影響を与えるため、解消するための施策を推進する必要がある。 (2)関連する主な実態調査結果 障害があるために差別を受けたり、嫌な思いをした経験がある人は、身体障害者では2割、精神障害者(通院)では3割強、難病患者では2割弱であるが、知的障害者や身体・知的障害児、発達障害児・者では6割前後を占めている。 差別を受けた内容では、すべての障害に共通して「近所の人たちの対応で不愉快な思いをした」や「相談機関・相談窓口に行ったとき、職員の対応で不愉快な思いをした」が上位5位以内にあがっている。 身体・知的障害児では「施設や園、学校の職員及び児童生徒の対応で不愉快な思いをした」が第1位となっている。 (3)施策の方向性 障害の有無によって、分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害者差別解消法などに基づき、職員の対応要領の策定や、相談及び紛争の防止等のための体制を整備するなど、障害を理由とする差別の解消の推進に取り組む。 6.障害のある子どもへの支援関連 (1)現状と課題 障害のある子どもへの支援については、東部療育センターの開所(平成23年4月)や特別支援学校放課後等支援事業の実施校の全校拡大など、取組を進めてきた。 一方で、「心身障害福祉センター」などを新規に受診する障害児が増加しており、特に発達障害に関する相談は10年前の3倍に上っており、さらなる療育体制の整備が急務になっている。 相談支援関連 課題等  「心身障害福祉センター」などを新規に受診する障害児や保護者等からの相談が増加しており、相談体制の充実が求められている。 主な事業  心身障害福祉センター 東部・西部療育センター こども総合相談センター 発達教育センターなど 療育・支援関連 課題等  児童発達支援センターへの通園希望者や幼稚園・保育園に在籍する障害児が増加しており、療育・支援体制の充実が求められている。 主な事業  心身障害福祉センター 東部・西部療育センター 児童発達支援センター 放課後等デイサービス 障害児保育など 発達障害関連 課題等  幼児期に発達障害と診断される児童や発達障害者支援センターへの相談者が増加しており、相談・支援体制の充実が求められている。 主な事業  発達障害者支援センター 発達障害者啓発週間など (2)関連する主な実態調査結果 障害の診断・判定を受けたころの苦労、悩み、不安としては、「障害のことや福祉の制度についての情報が少なかった」が5割を超えて最も多く、次いで「身近に相談できる相手がいなかった」、「保健所や福祉事務所、専門機関でもっと指導してほしかった」などとなっている。(調査結果資料11) 対象・範囲の拡大をしてほしい福祉サービスとしては、「移動支援」が最も多く、次いで「放課後等デイサービス」「短期入所」が上位にあがっている。(調査結果資料12) 通園・通学中の人のうち、通園・通学で困っていることとして「ひとりでは通えない」ことをあげた人が4割弱と最も多い。(調査結果資料13) 通園・通学先に望むこととしては、「能力や障害の状況にあった支援をしてほしい」が最も多く、「就学相談や進路相談などの相談体制を充実してほしい」や「個別的な支援を充実してほしい」が続き、次いで「関係機関などと連携を密にしてほしい」となっている。(調査結果資料14) (3)第4次福岡市子ども総合計画から(抜粋) (前計画での取組と成果) 障害児施策については、東部療育センターを開所するなどの取組を進めてきました。 (現状と課題) 「心身障害福祉センター」などを新規に受診する障がい児が増加しています。特に発達障害に関する相談は10年前の3倍に上っており、さらなる療育体制の整備が急務となっています。 (4)施策の方向性 障害のある子どもについては、「発達が気になる」など、障害の疑いが生じた段階から、早期の対応、支援を行っていくことが重要である。障害の早期発見と早期支援、そしてノーマライゼーションの理念のもとに、一人ひとりの自立を目指した支援・療育体制の充実を図る。 近年、特に発達障害児の新規受診や相談が著しく増加していることから、発達障害児とその家族への支援の充実に努める。