資料1 第4期福岡市障がい福祉計画 素案 第4期福岡市障がい福祉計画(案) 平成27年3月福岡市 目次 第1 計画の概要 1 計画策定の趣旨 2 計画の位置付け 3 計画の対象者 4 計画の期間 5 計画期間中の見直しについて 第2 障がい保健福祉施策をめぐる現状 1 障がい者の現状 2 障がい保健福祉施策関連事業費の現状 第3 障がい福祉サービス等の数値目標及び見込量 1 計画策定の趣旨及び位置付け 2 障がい福祉サービスに関する数値目標 3 障がい福祉サービスに関する各サービスの見込量 4 地域生活支援事業に関する各事業の見込量 第4 計画の推進体制 1 計画の進行管理 2 国・県への要望 3 障がい者等地域生活支援協議会との連携 第5 資料編 1 福岡市障がい福祉計画の策定体制 2 計画策定の経緯 3 福岡市保健福祉審議会障がい者保健福専門分科会委員一覧 4 福岡市保健福祉審議会諮問及び答申 5 市民意見募集 第1 計画の概要 1 計画策定の趣旨 「第4期福岡市障がい福祉計画」(以下,「本計画」という。)は,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下,「障害者総合支援法」という。)の「全ての国民が,障害の有無にかかわらず等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものである」との理念を実現するため,障害者総合支援法第88条に基づき,国の定める基本指針(平成18年厚生労働省告示第395号,平成26年5月15日改正)(以下,「基本指針」という。)に即し,地域において必要な「障がい福祉サービス」及び「相談支援」ならびに「地域生活支援事業」の各種サービスが計画的に提供されるよう,平成29年度における障がい福祉サービスに関する数値目標の設定及び各年度のサービス需要を見込むとともに,サービスの提供体制の確保や推進のための取り組みを定めるものです。 2 計画の位置づけ (1)本計画の位置づけ 本計画は,障害者総合支援法に基づく「市町村障害福祉計画」として策定するものです。 (2)他の計画との関係 本計画は,国及び福岡県の計画との整合性を図りながら,福岡市基本計画に即した「福岡市保健福祉総合計画」及び,その障がい者福祉分野計画である「福岡市障がい者計画(障害者基本法に基づく市町村障害者計画)」との整合を考慮し,策定するものです。 3 計画の対象者 この計画の対象となる「障がい者」とは,障害者総合支援法に規定された,身体障害者福祉法第四条に規定する身体障害者,知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条に規定する精神障害者(発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号)第二条第二項に規定する発達障害者を含み,知的障害者福祉法にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるものをいいます。また「障がい児」とは,児童福祉法第四条第二項に規定する障害児をいいます。 4 計画の期間 市町村障害福祉計画は3年ごとの計画策定が基本方針により定められています。このため,本計画の計画期間は,平成27年度から平成29年度までの3年間としています。 5 計画期間中の見直しについて わが国は,平成26年1月に「障害者の権利に関する条約」を批准し,条約の締約国となりました。この条約の批准までには,障害者基本法や障害者総合支援法の改正,及び障害者差別解消法の制定など国内法令の整備が行われてきましたが,これからも障害者権利条約の完全実施に向けて,新たな制度改革や取り組みが一層進められていく予定です。このような動向も踏まえ,必要に応じて計画期間中においても本計画の見直しを行うものとします。 第2 障がい保健福祉施策をめぐる現状 1 障がい者の現状 (1)障がい児・者の手帳所持者数の推移 福岡市の身体・知的障がい児・者数(身体障害者手帳,療育手帳または精神保健福祉手帳の所持者,重複含む)は,平成25年6月30日現在(精神保健福祉手帳所持者は3月31日現在)で71,196人,人口に対する出現率は4.9パーセントであり,市民の約21人に1人が身体,知的又は精神障がいがあるという状況です。 また,人口に占める身体・知的・精神障がい者の割合はいずれも増加傾向にあり,特に精神障がい者の割合は,高い伸び率を示しています。(平成22年度から平成25年度の伸び率33.4パーセント) 精神障害者保健福祉手帳の所持者数は10,333人であり,平成12年度から25年度までの13年間で,約5.4倍となっています。 (2)身体・知的障がい者の年齢構成別の推移 平成25年6月30日現在の身体障がい児・者数(身体障害者手帳所持者)は51,557人で,20歳代以下2,438人(身体障がい児・者全体の4.7パーセント)に対して,30歳以上は49,119人(同 95.3パーセント)となっており,30歳以上がほとんどを占めています。 一方,知的障がい児・者数(療育手帳所持者)は9,306人で,このうち,20歳代以下が5,258人(知的障がい児・者全体の56.5パーセント),30歳以上が4,048人(同 43.5パーセント)であり,身体障がいに比べて20歳代以下の占める割合が高く,全体の6割弱を占めています。 (3)現住所が福岡市にある精神障がい者数の推移 総数は35,650人で,内訳は入院者3,603人,通院者32,047人でした。診断名別の精神障がい者数をみると,「気分(感情)障害」が12,836人と全体の36.0パーセントを占めて最も多く,次いで「神経症」が8,391人(23.5パーセント),「統合失調症」が7,670人(21.5パーセント)と続いています。 過去の調査における精神障がい者数の推移をみると,平成17年度から平成25年度までの8年間で入院者数はほぼ横ばいですが,通院者数は1.6倍に増加しています。 (4)発達障がいの状況 発達障がいについては,身体・知的障がいのように手帳制度がないため,全国的に見ても,正確な人数が把握できない状況ですが,福岡市発達障がい者支援センター(ゆうゆうセンター)の平成24年度の相談状況をみると、成人(19歳以上)の相談が6割弱を占めており、平成20年度からの推移をみると、成人の相談は特に増加傾向にあります。 (5)難病の状況 難病について,特定疾患医療受給者証所持者数の年次推移をみると,平成21年度から平成24年度までの3年間で全体・女性・男性いずれにおいても1.2倍の増加となっていますが,平成23年度から平成24年度には若干減少しています。 性別にみると,平成21年度から平成24年度までのいずれの年においても,男性が約4割,女性が約6割となっています。 (6)障がい福祉サービス(居宅系)利用決定者数・実利用者数の推移 居宅系の障がい福祉サービスの利用決定者数及び実利用者数の推移を見ると,いずれも増加傾向にあり,3年間で約1.5倍の伸びを示しています。 2 障がい保健福祉施策関連事業費の現状 福岡市の障がい保健福祉施策関連事業費は,障がい者数の増加に伴いサービスの利用が毎年増加しており,平成21年度と平成24年度の事業費を比較すると約57億円増加しています。その主な原因としては,地域移行による日中活動系の施設サービス利用者数の増加やホームヘルプサービス利用者数の増加,障がい者医療費助成対象者数の増加が挙げられます。 第3 障がい福祉サービス等の数値目標及び見込量 1 策定の趣旨及び位置付け 本項目では,国が定める基本指針に即して,平成29年度の数値目標を設定します。また,数値目標及びこれまでの実績等を踏まえ,平成27年度から平成29年度までの3か年における障がい福祉サービス等の見込み量を定めて福岡市におけるサービス提供体制の計画的な整備を図ろうとするものです。 2 障がい福祉サービスに関する数値目標 法の基本的な理念である(1)「すべての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重され」(2)「相互に人格と個性を尊重しあいながら共生する社会を実現」するため,「地域生活への移行」及び「就労の支援」について,国が定める「基本指針」に基づき,「施設入所者の地域生活への移行」,「福祉施設から一般就労への移行」等に関する平成29年度における数値目標を定めます。 (1)施設入所者の地域生活への移行 1 平成25年度末時点の施設入所者のうち,地域生活に移行する者の数 平成29年度末の目標値 155人 目標値設定に当たっての考え方 下記国指針を踏まえ,平成25年度末時点の福岡市の施設入所者(1,288人)の12パーセントである155人を地域生活に移行する者の数として設定。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 平成29年度末における地域生活に移行する者の目標値を設定する。 当該目標値の設定に当たっては,平成25年度末時点の施設入所者数の12パーセント以上が地域生活へ移行することとする。 2 平成25年度末時点と比較した施設入所者の減少数 平成29年度末の目標値 52人 目標値設定に当たっての考え方 下記国指針を踏まえ,平成25年度末時点の福岡市の施設入所者数(1,288人)の4パーセントである52人を施設入所者の減少数として設定。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 平成29年度末の施設入所者数を平成25年度末時点の施設入所者から4パーセント以上削減することを基本として,これまでの実績及び地域の実情を踏まえて設定する。 (2)入院中の精神障がい者の地域生活への移行 平成29年度末の目標値 下記の考え方に基づく 目標値設定に当たっての考え方 国指針に基づき(今後示される福岡県障害福祉計画に基づき 7月9日現在,福岡県においては未確定とのこと)実施。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 第4期市町村障害福祉計画において入院中の精神障がい者の退院に関する目標値を以下のように設定。 1 入院後三か月時点の退院率を平成29年度における目標値を64パーセント以上とする。 2 入院後一年時点の退院率を平成29年度における目標値を91パーセント以上とする。 3 長期在院者数については,平成29年度6月時点の長期在院者数を平成24年の同時点の長期在院者数から18パーセント以上削減する。 (3)地域生活支援拠点等の整備 平成29年度末の目標値 1か所 目標値設定に当たっての考え方 国指針を踏まえ設定。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 地域生活を支援する機能の集約を行う拠点等を,各市町村又は各圏域に少なくとも1つを整備。 (4)福祉施設から一般就労への移行等 1 就労移行支援事業所等を通じて,平成29年度中に一般就労する者の数 平成29年度末の目標値 276人 目標値設定に当たっての考え方 下記国指針及び過去の実績等を踏まえ,平成24年度の一般就労への移行実績(138人)の2倍である276人を就労移行支援事業所等を通じて一般就労する者の数として設定。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 福祉施設の利用者のうち,就労移行支援事業等を通じて,平成29年度中に一般就労に移行する者の目標値を設定する。 当該目標値の設定に当たっては,平成24年度の一般就労への移行実績の2倍以上とすることを基本とする。 2 就労移行支援事業の利用者数等 ア 就労移行支援事業の利用者数 平成29年度末の目標値 780人 目標値設定に当たっての考え方 下記国指針及び過去の実績を踏まえ,平成25年度末における利用者数(460人)の約7割増加の780人を就労移行支援事業の利用者数として設定。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 平成29年度末における利用者数が平成25年度末における利用者数の6割以上増加すること。 イ 就労移行支援事業所ごとの就労移行率 平成29年度末の目標値 50.0パーセント 目標値設定に当たっての考え方 下記国指針どおりとする。 国指針(目標値設定に当たっての指針) 就労移行支援事業所のうち,就労移行率が3割以上の事業所を全体の5割以上とすること。 第4 計画の推進体制 1 計画の進行管理 障害者総合支援法においては,計画に定める事項について,定期的に調査,分析及び評価を行い,必要があると認めるときは,計画を変更することその他の必要な措置を講じること(PDCAサイクル)とされています。 (障がい福祉計画におけるPDCAサイクルのプロセスのイメージ) 「PDCAサイクル」とは,さまざまな分野・領域における品質改善や業務改善などに広く活用されているマネジメント手法で,「計画(Plan)」「実行(Do)」「評価(Check)」「改善(Act)」のプロセスを順に実施していくものです。 基本指針 障がい福祉計画策定にあたっての基本的考え方及び達成すべき目標,サービス提供体制に関する見込み量の見込み方の提示 計画(Plan) 「基本指針」に即して成果目標及び活動指標を設定するとともに,障がい福祉サービスの見込量の設定やその他確保方策等を定める。 実行(Do) 計画の内容を踏まえ,事業を実施する。 評価(Check) 成果目標及び活動指標については,少なくとも1年に1回その実績を把握し,障がい者施策や関連施策の動向も踏まえながら,障がい福祉計画の中間評価として分析・評価を行う。 中間評価の際には,障がい者保健福祉専門分科会の意見を聴くとともに,その結果について公表する。 活動指標については,より頻回に実績を把握し,達成状況等の分析・評価を行う。 改善(Act) 中間評価等の結果を踏まえ,必要があると認めるときは,障がい福祉計画の見直し等を実施。 (1)計画におけるPDCAサイクル 基本指針に即して定めた数値目標を「成果目標」とし,各サービスの見込量を「活動指標」としています。 PDCAサイクルに沿って,事業を実施し,各事業の進捗状況及び数値目標の達成状況などについて,少なくとも年1回,福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会から点検・評価を受けるとともに,その結果について福岡市ホームページ等で公表します。 (2)点検・評価結果の反映 福岡市保健福祉審議会障がい者保健福祉専門分科会から,計画の進捗状況や,計画を推進していくための方策について意見・提案等を受け,計画の見直し等,施策に反映します。 2 国・県への要望 国や県の動向に留意しながら福岡市の施策を進めていきます。また,事業の安定的な運営のため,国や県に対する制度改善や財政措置の充実を求める事項について検討し,必要に応じて他の政令市等とともに要望していきます。 3 障がい者等地域生活支援協議会との連携 本計画における障がい福祉サービスによる取組を推進するに当たり,障害者総合支援法に基づき,障がい者等地域生活支援協議会からの意見を踏まえ,事業を実施していきます。