おうちで暮らそうプロジェクトの進捗状況 〜障がい児・者と家族の在宅移行・在宅生活充実をめざして〜 1前回までの経緯 ○医療型短期入所の拡充を目的の一つとして,共働事業提案制度を活用し,NPO法人ニコちゃんの会と「おうちで暮らそうプロジェクト」事業を開始した。 ○医療機関向けにアンケート調査及び訪問調査を行い,7件の医療機関から,本プロジェクトのお試し短期入所の利用承諾を得た。しかし,16歳未満の児童については,承諾を得られた医療機関はなかった。 ○パーソナルブックの原案を作成し,医療機関に提示し,好評を得ている。 2その後の進捗状況 ○利用者向けのアンケート調査及び訪問調査を行った。 ○また,5件の当事者からお試し短期入所の利用承諾を得た。 ○利用承諾を得た利用者についてパーソナルブックを作成中であり,完成次第,お試し短期入所の医療機関とのマッチングを進める。 3利用者向けアンケート調査について(調査結果集計は資料1-Aのとおり) ○配布数895件(重複送付有り),回答数233件(26.0%) ○10代以下が140件(60.0%) ○問2@〜I:何らかの医療的ケアが必要な人176件(75.5%) ○問15,今後利用したいサービスの1位が短期入所 ○問17,医療的ケアが必要な人で短期入所未利用者が123件(71.9%) ○問17−A未利用の理由:知らなかった20件,不必要32件,預けるのが不安24件 ○問18,今後利用したいが69件で最多 【考察】 医療的ケアが必要な人の大部分が短期入所を利用していない理由としては,医療型短期入所の制度の周知不足も一定あるが,「預けるのが不安」との理由で利用していないケースも多い。 この点については,医療型短期入所のお試し利用や,パーソナルブックの活用で,円滑な利用に結びつけられるケースがあると考えられ,本プロジェクトの進捗により,一定の成果が期待できると思われる。 また,「不必要」という回答の中には,日常は家族介護でできているが,急な利用ニーズの発生を想定していない回答もあると思われる。そのため定期的な利用の推奨など,利用方法の周知も重要となる。 しかし,医療機関のアンケート結果から,障がい児の受け入れが困難であることは明白である。医療機関が障がい児を受け入れない理由は,器材が成人用のものしかないこと,成人に比べて障がい児は状態が不安定なこと等であった。そのため,障がい児に関しては医療型短期入所を拡充しても,レスパイト不足の問題が解決しないケースが多数ある。 自由記載の記述からも,家族介護が限界に来ているケースが散見され,短期入所以外のレスパイト事業の必要がある。どのような所なら預けられるかという問い(問18の記述式部分)に対し,「普段から介護に関わっている人のいる所」という回答が多いことからも訪問系事業所の協力が必須であると思われる。 そのため,平成26年度の本プロジェクトでは,試行として,訪問系事業所において,重心児を宿泊付きで預かる事業を検討しており,共働事業提案制度の中で審査中である。