行財政改革プラン はじめに 我が国では,本格的な人口減少社会の到来,長引く景気の低迷,都市間競争の激化など,社会経済情勢が大きく変化しています。 福岡市においては,将来人口は当面増加していくことが予想されているものの,少子高齢化の進展などにより人口構造は大きく変化し,働き手・担い手は減少し逆に高齢者など支えられる世代が増加していきます。これを財政運営の面から捉えると,市税収入等の一般財源の大幅な伸びが期待できない一方で,社会保障関係費は増嵩していくことになり,加えて,公共施設等の大量更新期の到来に伴う財政需要の増大など,市政運営を取り巻く環境は厳しさを増していくものと見込まれています。 このような状況においても,「住みやすいまち」と評価される福岡市の魅力や活力を維持し,将来にわたり発展させていくためには,市民生活の質を高め,そのことが人と投資を呼び込むことにより,都市の成長と税収の増加を図り,さらに生活の質が高まるという好循環をつくっていくことが必要です。 これを実現していくためには,市民生活の質の向上と都市の成長にとって,より必要性が高い施策事業に重点化を図りながら,今の時代に合わなくなったものや優先度が低いものを見直すなど,徹底した行財政改革によって必要な財源を確保し,効率的で筋肉質な市役所に生まれ変わることが求められています。 このため,今後4年間に重点的に取り組む事業を示す「政策推進プラン」,行政運営の仕組みや手法の見直し,財政健全化の取組みを示す「行財政改革プラン」を策定し,相互の連動により,将来にわたり持続可能な市政運営に取り組み,市民の納得と共感を得ながら,「人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市・福岡」の実現をめざします。 1 行財政改革プラン策定の趣旨 平成7年の「地方分権推進法」の施行以降,一貫して,住民に最も身近な基礎自治体が自立的に行政運営にあたることが必要となっています。 福岡市は,かつて社会資本整備を集中的に行った結果,市民生活の向上に寄与する多くの資産が形成された反面,今日,多額の市債残高を抱えることになり,財政の硬直化の一因となっています。このような状況の中で,少子高齢化がいよいよ本格化するとともに,社会資本の老朽化による大量更新期を迎えることとなります。 もはや,既存事業の予算額を一律削減して対処するような見直しでは対応困難となりつつあり,このままでは都市の活力は失われ,職員の意欲も減退する負のスパイラルに陥ってしまいます。 そのため,量的改革だけでなく質的改革を推進し,スクラップ・アンド・ビルドではなくビルド・アンド・スクラップ の精神で,市民生活に必要な行政サービスの確保と,福岡市の成長戦略を実現するために必要な財源を確保するとともに,社会経済情勢や市民ニーズに的確かつ迅速に対応するために,これまでの行政運営の仕組みや発想,手法を抜本的に見直します。 また,職員一人ひとりが部分最適の思考から脱却し,組織として全体最適が図れるようなガバナンス 改革を行います。 これらを通じ,自治体運営の観点からも九州をけん引する都市となるよう,自立分権型の行財政改革に取り組みます。 2 計画期間と推進体制 計画期間  平成25年度から平成28年度までの4年間 推進体制 市長・副市長のトップマネジメント のもと,各局区室長がリーダーとなり,各局区室が自律的に改革を推進します。 具体的な取組み内容を定めた改革実行計画の実施状況を調査・検証・分析し,毎年公表するとともに,随時,見直しを行います。 脚注 ビルド・アンド・スクラップ 取り組むべき施策事業を定め,その事業に必要な財源について,既存事業の中で優先順位の低いものの見直しを進めながら手当していく,という姿勢を示したもの。 ガバナンス 組織を構成するメンバーが主体的に関与する,意思決定・合意形成のシステム。 トップマネジメント 組織の最高経営者層が,総合的観点から,組織の基本方針や目標などの重要事項を意思決定すること。 3 行財政改革の現状と課題 (1)近年の行財政改革の取組みと成果 福岡市は,他都市に先駆けて民間活用に取り組むとともに,組織の統廃合及び外郭団体の着実な削減により,組織のスリム化を行ってきました。 その結果,平成24年4月1日における人口あたり職員数,平成23年度における歳出総額に占める人件費の割合及び委託も含めた人件費等の割合は,いずれも政令指定都市において最少となっています。 平成12年度から全国に先駆けて取り組んだ業務改善運動「DNA運動」は,全国の自治体業務改善運動のモデルとして,その取組みが広がり,自治体業務改善改革の先進地としての地位を確立しました。同時に,職員からの改善提案を速やかに検討・実施する「プロポーザル運動」や,職員が地域に出向いて市の取組みなどを説明する「出前講座」が始まりました。 平成15年度の自治法改正後には,公の施設の管理に民間の能力を活用する「指定管理者制度」の導入を積極的に進め,サービスの向上を図ってきました。 平成16年度には,住民主体の自治の確立,地域と行政の共働 によるまちづくりを推進するために「自治協議会制度」を導入しました。 平成19年度以降は,職員の改善改革を推進するための職員表彰「改善改革部門」の創設,事業の企画段階からNPO と共働するための「共働事業提案制度」の創設,事務事業の有効性や効率化を検証する行政評価(事業仕分け)などを実施してきました。 脚注 共働 相互の役割と責任を認め合いながら,対等の立場で知恵と力を合わせて共に行動すること。 NPO(nonprofit organizathion) 政府・自治体や企業とは独立した存在として,市民・民間の支援のもとで,医療・福祉,環境,国際協力・交流など社会的な公益活動を行う民間非営利組織・団体。法人格を持たない団体,ボランティア団体を含む。 市債 については,平成16年度に財政健全化プランを策定して以降,段階的に発行抑制を図り,近年は600億円〜700億円台としています。この結果,市債残高は,平成16年度の2兆7,000億円余をピークとして、平成23年度決算で2,400億円程度の縮減となっています。 また,財政の健全化を示す指標のひとつである実質公債費比率 は,平成20年度以降,起債にあたり国の許可が必要となる18%を下回り,平成23年度決算で15.7%まで改善しています。 予算編成手法については,事務事業の企画立案・見直しにおける創意工夫や市民ニーズの反映をねらいとして,平成17年度に予算原案の作成権限を移譲する局予算制度を導入,平成18年度には区にも拡大しています。 脚注 市債 道路や学校など長期間使用する施設建設などの財源として市が借り入れる長期借入金。 実質公債費比率 標準的な収入に対する借入金返済額(元利償還額)の割合を示すもの。 ●市債発行額の推移(一般会計,決算ベース) 平成5年度  臨時財政対策債を除く市債  998億円 平成6年度  臨時財政対策債を除く市債 1,349億円 平成7年度  臨時財政対策債を除く市債 1,195億円 平成8年度  臨時財政対策債を除く市債 1,195億円 平成9年度  臨時財政対策債を除く市債 1,286億円 平成10年度  臨時財政対策債を除く市債 1,319億円 平成11年度  臨時財政対策債を除く市債 1,131億円 平成12年度  臨時財政対策債を除く市債 1,023億円 平成13年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 76億円 臨時財政対策債を除く市債 940億円 計1,016億円 平成14年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 172億円 臨時財政対策債を除く市債 821億円 計993億円    平成15年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 303億円 臨時財政対策債を除く市債 723億円 計1,026億円 平成16年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 217億円 臨時財政対策債を除く市債 692億円 計909億円 平成17年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 167億円 臨時財政対策債を除く市債 545億円 計712億円  平成18年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 153億円 臨時財政対策債を除く市債 538億円 計691億円 平成19年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 139億円 臨時財政対策債を除く市債 506億円 計645億円 平成20年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 130億円 臨時財政対策債を除く市債 436億円 計566億円 平成21年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 202億円 臨時財政対策債を除く市債 484億円 計686億円 平成22年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 342億円 臨時財政対策債を除く市債 388億円 計730億円 平成23年度  臨時財政対策債(地方交付税の代替) 396億円 臨時財政対策債を除く市債 380億円 計776億円 ●市債残高の推移(全会計・会計区分ごと,決算ベース) 平成5年度 一般会計 5,902億円 特別会計 1,187億円 企業会計 8,450億円 市債管理 0 計15,539億円 平成6年度 一般会計 6,899億円 特別会計 1,482億円 企業会計 8,616億円 市債管理 0 計16,997億円 平成7年度 一般会計 7,818億円 特別会計 1,787億円 企業会計 8,794億円 市債管理 0 計18,399億円 平成8年度 一般会計 8,721億円 特別会計 1,968億円 企業会計 9,031億円 市債管理 10億円 計19,730億円 平成9年度 一般会計 9,679億円 特別会計 1,983億円 企業会計 9,268億円 市債管理 31億円 計20,961億円 平成10年度 一般会計 10,598億円 特別会計 2,098億円 企業会計 9,485億円 市債管理 104億円 計22,285億円 平成11年度 一般会計 11,198億円 特別会計 2,193億円 企業会計 9,623億円 市債管理 248億円 計23,262億円 平成12年度 一般会計 11,717億円 特別会計 2,251億円 企業会計 9,827億円 市債管理 434億円 計24,229億円 平成13年度 一般会計 12,140億円 特別会計 2,304億円 企業会計 9,998億円 市債管理 675億円 計25,117億円 平成14年度 一般会計 12,461億円 特別会計 2,374億円 企業会計 10,185億円 市債管理 869億円 計25,889億円 平成15年度 一般会計 12,774億円 特別会計 2,395億円 企業会計 10,211億円 市債管理 1,103億円 計26,483億円 平成16年度 一般会計 12,928億円 特別会計 2,676億円 企業会計 10,277億円 市債管理 1,211億円 計27,092億円 平成17年度 一般会計 12,901億円 特別会計 2,511億円 企業会計 10,148億円 市債管理 1,131億円 計26,691億円 平成18年度 一般会計 12,816億円 特別会計 2,350億円 企業会計 10,011億円 市債管理 1,156億円 計26,333億円 平成19年度 一般会計 12,684億円 特別会計 2,228億円 企業会計 9,844億円 市債管理 1,241億円 計25,997億円 平成20年度 一般会計 12,472億円 特別会計 2,193億円 企業会計 9,691億円 市債管理 1,144億円 計25,500億円 平成21年度 一般会計 12,496億円 特別会計 2,042億円 企業会計 9,449億円 市債管理 1,171億円 計25,158億円 平成22年度 一般会計 12,372億円 特別会計 2,129億円 企業会計 9,132億円 市債管理 1,301億円 計24,934億円 平成23年度 一般会計 12,289億円 特別会計 2,124億円 企業会計 8,889億円 市債管理 1,393億円 計24,695億円 ●実質公債費比率の推移 平成18年度 23.0% 平成19年度 18.4% 平成20年度 17.8% 平成21年度 16.8% 平成22年度 16.4%  平成23年度 15.7% 脚注 臨時財政対策債 国が地方交付税として交付する代わりに,地方に自ら市債を発行させ財源を調達するもの。その償還(返済)にあたっては,後年度に国から全額,地方交付税で措置される。 ●近年における行財政改革の取組み ◎平成7年度 行財政改革大綱 実施期間/平成8年度〜平成10年度  主な内容 (1)行政組織・機構の整備 (2)行政運営システムの見直し (3)人材の育成・活用と職員定数の適正管理 (4)外郭団体の見直し ◎平成9年度 行財政構造改革基本指針 実施期間/平成10年度〜平成14年度 主な内容 (1)類似事業の再編統合 (2)的確なニーズの把握と施策の選択 (3)市民と行政の相互協力と役割分担の明確化 (4)官民の役割分担の明確化 (5)適切な施設整備や地域施設の活用 (6)投資の重点化・効率化 主な実施項目 ・民生局と衛生局の統合(保健福祉局の設置) ・保健所の区役所への編入 ・区役所課長の地区担当者制の導入 ・外郭団体 4団体削減 ◎平成11年度 第2次行財政改革大綱 実施期間/平成12年度〜平成14年度 主な内容 (1)自律した行財政運営の推進 (2)市民が主役の市政の推進 (3)行政の透明化の推進 (4)民間活力導入の推進 主な実施項目 ・保健所と福祉事務所の統合(保健福祉センター設置) ・経営会議の設置 ・職員定数を157人純減 ・外郭団体 5団体削減 ◎平成12年度 DNA2002計画 実施期間/平成12年度〜平成18年度 主な内容 ・DNA運動 ・プロポーザル運動 ・民間型経営システム ・行政評価 ・市民自治体制 ・コミュニティの自律経営 など 主な実施項目 ・DNA運動発表大会「DNAどんたく」の実施 ・プロポーザル運動の実施 ・「出前講座」の導入 ・市民視点での案内表示改善 等 ◎平成16年度 行政経営改革プラン 実施期間/平成16年度〜平成19年度 主な内容 (1)自らを律する,スリムで透明な行政 (2)行政の役割や関与のあり方の見直し (3)地域コミュニティへの分権と共働 (4)仕事のやり方の改革 (5)改革にチャレンジする職員の育成・支援 など 主な実施項目 ・自治協議会制度の導入 ・地域支援部の新設及び校区担当係長の配置 ・指定管理者制度の導入 ・庁内ベンチャー制度の導入 ・人材育成活性化プランを策定 ・庁内報「ふく・よか通信」を創刊 ・職員表彰「改善改革部門」を創設 ・職員数を240人純減 ・外郭団体 8団体削減 ◎平成16年度 財政健全化プラン 実施期間/平成16年度〜平成19年度 主な内容 目標1 市債依存度10%〜12% 目標2 プライマリーバランスの堅持 目標3 経常経費の縮減 主な実施項目 ・市債依存度は,平成17年度以降,12%以下へ。 ・プライマリーバランスは,平成12年度以降,連続して黒字を堅持。 ・平成17〜19年度の3年間で,経常経費を179億円縮減。 脚注 プライマリーバランス 歳出から公債費を除いた額と,歳入から市債収入を除いた額を比較したもの。プライマリーバランスを黒字に保つことは,借入を増やさず,後の世代への負担を抑制する効果がある。 ◎平成20年度 行政改革プラン 実施期間/平成20年度〜平成23年度 主な内容 目標1 市民から信頼され,市民と向き合う市役所 目標2 簡素で効率的な市役所 目標3 風通しのよい市役所 主な実施項目 ・平成23年度職員数9,784人となり,平成26年度の約9,800人とする目標を3年前倒し達成 ・技術系組織の再編 ―アセットマネジメント及び技術分野の組織を財政局に設置 ―都市整備局と建築局の統合(住宅都市局の設置) ―土木局と下水道局の統合(道路下水道局の設置) ・NPO共働事業提案制度導入 ・行政評価(事業仕分け)実施 ・市立病院の地方独立行政法人化 ・外郭団体 4団体削減 ◎平成20年度 財政リニューアルプラン 実施期間/平成20年度〜平成23年度 主な内容 目標1 市債発行の抑制 平成23年度における一般会計の市債発行額を450〜500億円程度に抑制することを目標として段階的に縮減する。 目標2 財源不足の解消 「中期財政見通し」により見込まれる566億円(平成21〜23年度)の財源不足について,行財政改革に取り組むことにより,確実に解消する。 市民にとってわかりやすい財政情報の提供 主な実施項目 ・市債発行額は,平成20年度566億円から平成23年度510億円(臨時財政対策債の増加分を除く)へ段階的に抑制。 ・市債残高(全会計)は,平成20年度から平成23年度にかけ,805億円縮減。 ・実質公債費比率は,市債発行に国の許可を要する18%以下へ。(平成23年度決算で15.7%) ・臨時財政対策債を含む地方交付税等の増加や。毎年度の事業見直し等により,財源不足を解消。 ・パンフレット「ふくおかしの家計簿」,「財政のあらまし」の発行 ・予算見積や調整の概要をホームページで公開。 (2)今後に向けた課題  @財政の見通し 消費税率の引き上げに伴う地方消費税交付金の増加により,一般財源 の緩やかな伸びは見込まれるものの,一方で今後,社会保障関係費や,公共施設等の老朽化に対応するための維持保全・長寿命化のための経費の増加などにより,一般財源の伸びを上回る経費の伸びが見込まれるため,このままでは重要事業の推進や新たな課題への対応のために使える財源は減少する見込です。 ○大幅な伸びが見込めない一般財源 ・市税はGDPの伸びを前提に微増,地方消費税交付金は消費税率の引き上げにより増加するものの,地方交付税等は減少 ○伸び続ける社会保障関係費 ア 医療や介護保険への公費負担の増加(繰出金) ・今後,老年人口は引き続き増加し,特に75歳以上(後期高齢者)の人口は今後10年間で約1.4倍に ・これに伴い,後期高齢者医療や介護保険事業への公費負担も増加 イ 経済的支援など福祉サービスに必要な公費負担の増加(扶助費) ・近年,生活保護世帯,障がい者(児)福祉サービスの利用者が増加,待機児童解消の取組みにより保育所入所児童も増加。 ・この傾向が続けば,福祉サービスに必要な公費負担はさらに大きく増加。 脚注 一般財源 市税収入など,使途が特定されておらず,どのような経費にも使用することができる財源。 地方交付税等 地方公共団体間の財源の不均衡を調整することによって,どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう,国税の一定割合の額を,国が地方公共団体に交付するもの。現金で交付される地方交付税と,市債で配分される臨時財政対策債からなる。 ●生活保護世帯・保育所入所児童数の推移 ・保育所入所児童数 平成17年度 23,844人 平成18年度 23,860人 平成19年度 23,929人 平成20年度 24,385人 平成21年度 25,048人 平成22年度 25,913人 平成23年度 26,732人 ・生活保護世帯数  平成17年度 18,038世帯 平成18年度 18,460世帯 平成19年度 19,118世帯 平成20年度 20,096世帯 平成21年度 23,525世帯 平成22年度 27,403世帯 平成23年度 29,549世帯 ●障がい関連の手帳所持者数の推移 ・身体障がい者手帳 平成17年度 42,926人 平成18年度 44,577人 平成19年度 45,894人 平成20年度 47,176人 平成21年度 48,160人 平成22年度 49,269人 平成23年度 50,441人 ・療育手帳 平成17年度 6,631人 平成18年度 6,986人 平成19年度 7,336人 平成20年度 7,684人 平成21年度 8,002人 平成22年度 8,365人 平成23年度 8,777人 ・精神障がい者手帳 平成17年度 4,446人 平成18年度 5,226人 平成19年度 5,615人 平成20年度 6,115人 平成21年度 6,876人 平成22年度 7,747人 平成23年度 8,550人 ○公共施設等の維持保全・長寿命化にかかる経費の増加(アセットマネジメント経費) ・高度経済成長期や政令市移行期にかけて大量に整備した公共施設等の老朽化が進行 ・今後,公共施設等の改修・修繕にかかる経費は大きく増加 ○退職者の増加によりピークを迎える人件費 ・政令市昇格前後に大量採用した世代の定年退職が平成26年度にピーク ・これに伴い,退職手当を含む人件費も平成26年度にピーク ○高止まりを続ける公債費 ・過去に発行した市債償還が続くため,1,000億円程度で高止まり ○重要施策の推進や新たな課題に対応するために使える財源の減少(政策的経費に使える一般財源) ・経常的経費の増加により,改革を怠れば,重要施策の推進や新たな課題に対応するために使える財源は,今後3年間の合計で300億円程度に減少 脚注 アセットマネジメント 公共施設の管理水準を一定に維持するとともに,計画的な施設の整備,維持管理,大規模修繕などを実施することにより,施設を延命化し,コスト縮減を実現するための資産管理方法。 公債費 市債の元利償還(返済)費と一時借入れ金の利息の合計 ●一般財源総額と経常的経費の見通し ・一般財源総額 平成25年度 3,910億円 平成26年度 3,908億円 平成27年度 3,939億円 平成28年度 4,056億円 平成29年度 4,084億円 平成30年度 4,079億円 平成31年度 4,102億円 平成32年度 4,111億円 平成33年度 4,153億円 平成34年度 4,168億円 ・経常的経費  平成25年度 3,626億円 平成26年度 3,787億円 平成27年度 3,858億円 平成28年度 3,962億円 平成29年度 3,944億円 平成30年度 3,980億円 平成31年度 3,995億円 平成32年度 3,994億円 平成33年度 4,003億円 平成34年度 4,062億円 ●中期的な財政収支の見通し(一般財源ベース)  〜現行制度,現状推移を前提とした姿〜 ・市税収入   平成25年度 2,686億円 平成26年度 2,715億円 平成27年度 2,699億円 平成28年度 2,736億円 ・地方交付税等 平成25年度  781億円 平成26年度  743億円 平成27年度  715億円 平成28年度  740億円 ・その他    平成25年度  443億円 平成26年度  450億円 平成27年度  525億円 平成28年度  580億円 ・一般財源総額 (1) 平成25年度 3,910億円 平成26年度 3,908億円 平成27年度 3,939億円 平成28年度 4,056億円 ・人件費    平成25年度  775億円 平成26年度  781億円 平成27年度  771億円 平成28年度  767億円 ・公債費    平成25年度  877億円 平成26年度  891億円 平成27年度  914億円 平成28年度  916億円 ・扶助費    平成25年度  605億円 平成26年度  628億円 平成27年度  645億円 平成28年度  663億円 ・医療・介護保険繰出金  平成25年度  366億円 平成26年度  378億円 平成27年度 392億円 平成28年度  404億円 ・公共施設等の改修・修繕 平成25年度  124億円 平成26年度  158億円 平成27年度 160億円 平成28年度  221億円 ・補助費等    平成25年度  323億円 平成26年度  345億円 平成27年度  352億円 平成28年度  354億円 ・その他物件費等 平成25年度  556億円 平成26年度  606億円 平成27年度  624億円 平成28年度  637億円 ・経常的経費計(2)平成25年度  3,626億円 平成26年度 3,787億円 平成27年度 3,858億円 平成28年度 3,962億円 ・政策的経費に使える一般財源 (1)−(2) 平成25年度 284億円 平成26年度 121億円 平成27年度 81億円 平成28年度 94億円 ※改革を怠れば,重要施策の推進や新たな課題に対応するために使える財源は,今後3年間の合計で300億円程度に減少 〈試算の前提〉 ・市税収入等の推計に用いる名目経済成長率は平成24年8月「経済財政の中長期試算」(慎重シナリオ)の成長率を適用(26年度 2.6%,27年度 1.8%,28年度 2.2%) ・地方交付税等は,27年度に調査予定の国勢調査人口を,28年度に反映している。 ・臨時財政対策債は一般財源(地方交付税等)に計上 ・一般財源のその他は,地方譲与税・交付金,財政調整基金繰入金等(財政調整基金繰入金は,26年度以降計上していない) ・歳出は全て一般財源ベースであり,国県支出金や地方債などの特定財源を,事業費から差し引いた金額 ・人件費,扶助費等の経常経費は,過去の伸び率等を考慮し推計 ・地方債は26年度以降,800億円で推移するものと仮定 A質的な改革の必要性 これまでの職員削減の結果,組織力の低下が懸念される一方で,厳しい財政状況を踏まえつつ,社会経済情勢や市民ニーズに的確かつ迅速に対応するため,組織力の最大化を目指す改革が必要となっています。 また,限りある経営資源をより効果的・効率的に活用するために,より一層,下記のような課題を解消する「質的な改革」に取り組む必要があります。 ・市民に必要な情報の確実な伝達 ・区役所での待ち時間の短縮・混雑解消,より身近な場所での利便性向上 ・行政手続のオンライン化に係る費用に対する利用率の向上 ・市職員の共働 への意識向上 ・市としての経営理念や方針,政策分野ごとの課題認識の一致 ・局区長の権限や裁量の拡充 ・予算編成(財源の配分)等に活用される行政評価制度 ・業務改善の取組みに対する幹部職員の関与 ・職務に必要な専門能力の向上,仕事に対するモチベーションの向上,人事に対する納得性の向上,チームワークの向上,管理監督者のマネジメント力の向上,女性職員の活躍促進 ・市の方針や幹部職員の考えの浸透,職員のモラルのさらなる向上 ●市の行政は信頼できると思っている市民の割合 (※市民を対象とした市政アンケート調査にて,「信頼できる」又は「どちらかといえば信頼できる」と回答した方の割合) ・平成18年度 35.1% 平成20年度 38.0% 平成21年度 46.4% 平成22年度 41.0% 平成23年度 55.9% 平成24年度 55.1% ●市の方針やトップの考え方が職場で共有されていると思う職員の割合 (※職員を対象とした「職員意識調査」にて,「市の方針やトップの考え方が,あなたのところまで伝えられていると思いますか」という質問に対して,「そう思う」又は「少しそう思う」と回答した職員の割合) ・平成19年度 41.9% 平成20年度 48.3% 平成21年度 44.6% 平成22年度 41.1% 平成23年度 48.9%  ●職場で業務改善が続けられていると思う職員の割合 (※職員を対象とした「職員意識調査」にて,「あなたの職場では,市民からの苦情や要望に対して迅速・的確に対応するため,常に市民ニーズを把握し改善を続けていると思いますか」という質問に対して,「そう思う」又は「少しそう思う」と回答した職員の割合) ・平成19年度 75.9% 平成20年度 78.1% 平成21年度 77.7% 平成22年度 79.8% 平成23年度 81.6%  4 主な具体的取組みと数値目標 【取組1】市民の納得と共感 市政に関する情報を,課題も含め,多様な手法で分かりやすく,かつ効果的に発信するとともに,市民の声を真摯に受け止め,双方向のコミュニケーションによる対話を重ねます。そのうえで,市民の視点に立ち,ICT を活用しながら,手続きの利便性を改善・向上するとともに,社会構造の変化に対応した地域との共働,NPO などとの共働によるまちづくりを推進します。 ●数値目標 ・市の行政は信頼できると思っている市民の割合  現状値(平成24年度) 55.1% 目標値(平成28年度) 60% ・市の情報発信に対する満足度  現状値(平成24年度) 28.4% 目標値(平成28年度) 55% ・共働事業提案制度による共働事業数(新規採択数の累計件数) 現状値(平成24年度) 24件 目標値(平成28年度) 40件       〔推進項目(1)〕市民との情報受発信と対話の推進 ○市民とのコミュニケーション手法・媒体の多様化への対応 ・市政だより多メディア化の検討 ・広報効果の調査・分析・活用 ・フェイスブック等のSNS を活用した各種施策情報の情報受発信機能の強化 ・オープンデータ の活用推進   など ○重要な施策における意思決定過程の透明性の拡充と,市民との対話の場の設置 ・市政運営会議 の積極的な情報提供 ・公文書管理制度の検証・見直し ・ワールド・カフェ 等の新たな対話手法を活用した,市民同士,また市民と職員との対話の場の設置 ・区長と市民との対話の場の活用   など 脚注 ICT(Information and Communications Technology) 情報通信技術といい,情報・通信に関連する技術一般の総称。技術そのものだけでなく,情報通信技術を利用した製品・サービス,それらが普及している状態をいう場合もある。 SNS(Social Networking Service) 個人間のコミュニケーションを促進し,社会的なネットワークの構築を支援するインターネットを利用したサービスのこと。趣味,職業,居住地域などを同じくする個人同士のコミュニティを容易に構築できる場を提供するサービス。 オープンデータ 市民生活の利便性向上や企業活動の活性化を目的として,利用・再掲載できるように公開された行政や企業が有する統計情報等のデータのこと。 市政運営会議 市長・副市長及び関係局長による重要施策の方針決定等を行う会議。 ワールド・カフェ 簡単な手順でリラックスした雰囲気を作り出し,自由に意見を出し合えるようにする話し合いの手法。 ○市の方針や取組みに加え,市政運営上の課題についての積極的な提供 ・市民目線の情報発信の推進 ・附属機関等の会議の公開 など ○市民からの提案や意見等への迅速な対応 ・職員の広聴マインド 向上のための研修実施 ・各施設等における来庁者アンケート,満足度調査等の実施 など 〔推進項目(2)〕行政手続きの利便性向上 ○区役所での待ち時間の短縮や手続きの簡素化等の窓口機能向上による利便性の向上 ・待ち時間の短縮の取組み ・郵送請求事務の集約化,委託化の推進 ・各種申請の際の添付書類削減 ・接遇の向上,施設環境の改善 など ○ICTの活用による行政サービスへのアクセス向上 ・導入効果の高い手続のオンライン化 推進 ・オンライン化済み手続の利用率向上 ・個人情報に留意した,コンビニエンスストアでの証明書自動交付の推進 ・市営駐輪場におけるICカード決済の導入 など 〔推進項目(3)〕市民との共働 ○社会構造の変化に応じた地域コミュニティ支援 ・高齢化社会の進展等に応じた支援の仕組みづくり など ○事業の各段階における、多様な主体との共働促進 ・共働事業提案制度の推進 ・市民同士の情報交換の場の創設 ・計画策定時における市民との対話手法の導入 ・地域との共働による安心安全のまちづくり,地域の魅力づくり,環境啓発,環境保全 など                                               ○市職員の共働への理解と意識の向上及び連携強化 ・様々な現場での活動等を通した,職員の育成の充実 など ○市民の市政への関心向上のための取組み ・企業の地域活動を促進する仕組みづくり など 脚注 広聴マインド 広聴の重要性,意義を再認識し,市民の声を真摯に受け止める姿勢 オンライン化 ICTを使って手続きなどを行うこと 【取組2】健全な財政運営 限られた財源の中で事業の「優先順位の最適化」を行い,市民生活に必要な行政サービスを確保しつつ,重要施策の推進や新たな課題に対応するために必要な財源を確保します。 ●数値目標 ・重要施策の推進や新たな課題に対応するために使える財源(政策的経費に使える一般財源) 現状値 300億円程度(平成26〜28年度の合計,「中期的な財政収支の見通し」により確保が見込まれる額) 目標値 750億円以上(平成26〜28年度の合計,政策推進プランの実施や,新たな課題に対応するために必要と見込まれる額) 〈財源確保方策〉 歳入の確保(財源対策を含む) 195億円以上  ・収入,収納率等の向上 ・市有財産の有効活用等 経常的経費の見直し 255億円以上 ・行政運営の効率化 ・役割分担,関与の見直し ・行政サービスの見直し ・公共施設等の見直し 合計 450億円以上 ■事業の「優先順位の最適化」を図る上での視点 ・社会経済情勢や市民ニーズ,課題認識の変化に伴い,「必要性」は変化していないか。 ・より必要性の高い対象,対象者に向けた,より効果的な方法となっているか。 ・企業,市民,NPO,国,県など他の主体との役割分担,本市の関与の程度は適切か。 ・行政サービスの利用者負担は,その受益の程度や他の納税者との関係で,公平な負担となっているか。 ・競争性の導入等により,さらに費用対効果を高めることはできないか。 将来世代への過度な負担を残さないよう,市債残高を縮減します。 ●数値目標 ・一般会計における市債発行額(臨時財政対策債を除く) 現状値 1,689億円(平成20年度〜平成23年度の合計) 目標値 1,600億円以下(平成25年度〜平成28年度の合計) ■市債残高の縮減を図る上での視点 ・必要性や効果の高い事業を厳選した上で,民間ノウハウと資金等の活用を検討する。 ・臨時財政対策債は,国が示す発行可能額に対して可能な限り抑制する。 ・臨時財政対策債を含む各年度の市債発行額全体を元金償還額以下とし,残高を増加させない。 〔推進項目(4)〕歳入の積極的な確保 ○収入・収納率等の向上 ・市税,保育料,市営住宅使用料,学校給食費 など ○市有財産の有効活用等による税外収入の確保 ・未利用地の売却・貸付,広告事業の拡大 など 〔推進項目(5)〕行政運営の効率化 ○人件費の抑制及び組織のスリム化 ・施設の民営化,職員配置の見直し,技能労務職関係業務の見直し(退職不補充) ・退職手当の支給水準の見直し,持ち家にかかる住居手当の見直し,市長・副市長の給与減額 など ○企業会計・特別会計における見直し ・経営改善による収益の確保,基準外繰出の見直し など ○外郭団体等の見直し ・事業の必要性・外郭団体等で事業を行うことの妥当性を視点とした見直し など 〔推進項目(6)〕役割分担,関与の見直し ○補助金の見直し ・情報公開,公募化,終期設定等に関するガイドラインの策定 ・協会,組合など団体運営補助金の見直し,施設運営にかかる補助金の見直し など ○国・県との財政負担及び財源の適正化 ・超過負担の解消,他都市との格差是正 など 〔推進項目(7)〕行政サービスの見直し ○個人給付の見直し,受益者負担の見直し,減免制度の見直し ・対象者が増え続ける中,持続可能な制度とするため,個人給付から事業への転換など,選択と集中の観点から見直しを検討(高齢者福祉,障がい者福祉) ・国における新たな子ども・子育て支援制度の開始にあわせた,本市独自の減免制度や助成制度などの再構築(子育て支援施策) ・使用料の適正化,自己負担の見直し など 〔推進項目(8)〕公共施設等の見直し ○施設の維持管理コストの縮減 ・民間活力の導入(指定管理者制度の活用など),高額な家賃物件からの移転 など ○公共施設等の老朽化に向けた適切な対応 ・既存施設の有効活用とアセットマネジメントの実施 ・大量更新期に向けた計画的な対応 など ○施設の必要性・あり方の見直し ・施設の管理運営費や維持保全,更新に伴う負担が重くなるなか,真に必要な施設サービスを安全かつ安定的に提供していくため保有施設の総量を減量 ・社会環境の変化により役割を終えた施設の見直しや,事業手法としてのあり方の見直し 〔推進項目(9)〕市債残高の縮減,市債発行の抑制 ○長期的な市債残高の縮減に向けた発行抑制  【取組3】チャレンジする組織改革 トップマネジメントのもと,局区の自律経営が発揮されるよう,ガバナンス改革を行うとともに,職員間のコミュニケーションを活発にし,職員の力を組織の力として最大限に発揮します。 職員一人ひとりの仕事に対する意欲を向上させ,職員の力を高め,引き出すとともに,法令遵守や公務員倫理の確立・徹底を図り,不祥事が発生しない組織づくりを行います。 ●数値目標 ・市の方針やトップの考え方が職場で共有されていると思う職員の割合(職員意識調査) 現状値(平成23年度)48.9% 目標値(平成28年度)60% ・職場で業務改善が続けられていると思う職員の割合(職員意識調査) 現状値(平成23年度)81.6% 目標値(平成28年度)85% ・自分の適正や進みたい職務分野についての考えが上司と共有されていると思う職員の割合(職員意識調査) 現状値(平成23年度)61.3% 目標値(平成28年度)70% 〔推進項目(10)〕ガバナンス改革 ○市長・副市長が局区長と議論できるシステムの構築と経営理念の確立 ・市長・副市長・全局区長による「幹部職員トップ会議」の設置 など ○トップマネジメントシステムの確立 ・市長・副市長・局長・区長の責任分担の明確化 ・行政評価の再構築とトップマネジメントによるPDCAサイクル の確立 ・市長・副市長を補佐する「自律経営補佐組織」の設置 ・外部からの視点の確保 ・多様な職員の意見を反映する場の設置 など ○予算・人員の権限移譲による局区の自律経営の推進 ・予算・組織編成権限の移譲と新たな編成手法の導入,人事権の一部移譲 ・局区長の補佐体制の充実 ・「政策別事業本部」や「施策別推進プロジェクトチーム」の設置などによる全体最適化 ・各局区室内幹部職員による対話の場の設置 など ○効果的なICT(情報通信技術)活用のためのBPR (業務プロセス改革)推進 脚注 PDCAサイクル 政策の企画立案,実践・執行,評価・点検,改革・対策の実施の繰り返しにより経営管理を行う手法。マネジメントサイクル。 BPR 業務効率化や生産性を高めるため,業務内容や業務の流れ,組織構造を分析し,最適化すること。 〔推進項目(11)〕業務改善イノベーション ○市長・副市長をはじめ,職員一人ひとりの主体的な関与による業務改善 ・業務改善運動の実施,全国都市改善改革実践事例発表会開催 ・職員提案制度の再構築 ・臨時的任用職員に関する事務の集約化 など ○職員間コミュニケーションの活性化 ・所属を超えた職員同士の対話の場の設置 ・全庁的,また局区室内の課題について組織横断的プロジェクトチームによる検討 など 〔推進項目(12)〕人材育成・活性化 ○職員一人ひとりが,自らのキャリアを考え,主体的に自分の強みとなる能力を伸ばす仕組みの構築 ・キャリア・デベロップメント・プログラム(CDP)の全職員を対象とした本格実施 ・ベテラン職員が培ってきた知識や技術をスムーズに継承できる仕組みづくり ・専門技術職員(建築主事・建築士,鉄道設計技士等)の育成 など ○自らの成長が実感できる職場づくり,お互いを高め合う職場づくり ・管理監督者のマネジメント支援を強化する研修体系の見直し ・各局区室内における職場体験研修の実施 など ○女性職員のチャレンジ支援や仕事と家庭の両立支援の取組みなどによる女性職員の活躍推進 ・育児休業からのスムーズな職場復帰など,特に育児期への支援策の充実 など ○職員のやる気を高める評価制度及び職務と責任に応じた給与制度の構築 ・多面評価の導入 ・勤勉手当への成績率導入拡充 ・給料表の構造の見直し   など 〔推進項目(13)〕コンプライアンスの推進 ○不祥事防止対策に係る推進体制の充実 ・コンプライアンス推進員に対する定期的な研修 など ○「飲酒運転等不祥事再発防止アクションプラン」の推進 ・各局区による自主的な取組みの推進  など ○管理監督者に対する研修の充実などによる組織マネジメント力の強化 ・管理監督者のマネジメント支援を強化する研修体系の見直し(再掲)  など ○法令を駆使する職務執行体制の構築 ・法曹有資格者の活用検討   など 脚注 イノベーション ここでは,業務改善によって,行政運営に新しい切り口や視点が生まれること。 キャリア・デベロップメント・プログラム(CDP)(Career Development Program) 職員が自分なりの価値観やポリシーを持って,主体的に仕事に取り組み,自分らしいキャリアを形成していけるよう,組織がサポートしていく仕組み。 多面評価 これまでの評価者(上司)に加え,部下,同僚などが評価する仕組み。 コンプライアンス 法令等や社会的な倫理,規範を守って行動するという考え方。 ◎ICT戦略に係る基本的考え方 @将来のICTの普及を踏まえた業務プロセス改革の推進 ○将来のICTの普及を踏まえ,自立分権型行財政改革の目的に資するように,業務フローの一本化等,業務・システムの集約や標準化を進めるなど,業務プロセス改革を進める。 A基幹系情報システムの刷新と共通基盤システムの整備 ○業務プロセス改革を踏まえ,業務効率化・高度化を図り,運用コスト・将来の導入コストを抑制するため,システム検証及び費用対効果等に基づき,基幹系情報システムについて必要な刷新を行うとともに,共通基盤の整備に取り組む。 BCIO制度の導入によるICTガバナンスの確立 ○フレキシブルかつ適正なシステム環境の維持,運用コストの抑制などを図るため,ICTに係る最適な資源配分などの権限を有するCIO制度を導入する。 ※上記の項目については,システムライフサイクルや投資効果を十分に考慮しながら,将来的な経費節減も念頭に実施することが必要。 ※ICTにかかる具体的な取組み内容については,情報化推進プランの中で整理。 脚注 基幹系情報システム 住民基本台帳,市税,保健・福祉・医療など市民サービスの根幹となる業務の情報システム。 共通基盤システム 職員認証やデータ連携など複数の情報システムで共通に利用する機能を1つにまとめて構築したシステム。 CIO(Chief Information Officer) 役所や企業などにおいて,経営理念に合わせてシステム開発や情報化施策を統括する情報化戦略の責任者・担当役員。 ICTガバナンス ICTに関する投資と効果のバランスを適正に統制すること。また,そのための全庁的な体制や仕組みを確立すること。 オープンな 「市民にも市職員にも身近で開かれている」という意味を込めたもの。 スマートな 「効率的で簡素な,また分かりやすく,便利な」という意味を込めたもの。 ノンストップサービス 時間や場所にとらわれず,市民がさまざまな行政サービスを利用できるようにするもの。 シームレスな 継ぎ目のない行政サービス。ここでは,「時間や場所の制約がなく,いつでも,どこでも,誰でも,簡単に行政サービスを提供する」という意味を込めたもの。