7障がい児の主な福祉制度・サービス サービス受給者証について 障がい児について、例えば児童発達支援センター等を利用して、通所・入所により療育や必要な保護を受けるためには、利用したい施設や事業所と契約を結ぶ前提として、その利用の資格決定を証するための「受給者証」の交付を受けることが必要です。福岡市の場合、交付決定までの主な流れは以下のとおりです。 (1)就学前児童(児童発達支援・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援利用) 保護者(相談)→ 療育センター(あいあいセンター・東部・西部) アセスメント・施設との調整・障がい児支援利用計画案の作成、案内等(申請)→こども相談センター サービス支給決定・受給者証作成、交付(受給者証、利用計画)→保護者がサービス事業者(施設)と契約→サービス利用(通園)開始 (2)就学児童(放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援利用) 保護者(相談)→ 各区福祉・介護保険課または健康課(申請)→各区福祉・介護保険課または健康課 サービス支給決定・受給者証作成、交付(受給者証、利用計画)→保護者がサービス事業者(指定事業所)と契約→サービス利用(通園)開始 保護者(相談)→ 各区福祉・介護保険課または健康課(案内)→障がい児相談支援事業所 アセスメント・障がい児支援利用計画案作成(契約)⇔保護者 ・原則として身体・知的障がいの人については福祉・介護保険課、精神・発達障がいの人については健康課が窓口となります。 (3)就学前児童及び就学児童(在宅サービス利用をご確認ください) (4)就学前児童及び就学児童(障がい児入所支援利用)については、こども総合相談センターに相談ください。 受給者証で利用できる福祉サービス ○障がい児通所支援【児童福祉法】 (1)児童発達支援・医療型児童発達支援(児童発達支援センター)(P119) 小学校入学前の障がい児が、家庭から通い、生活指導や集団生活への適応訓練などを通じて、独立生活に必要な知識を学ぶところです。 (2)居宅訪問型児童発達支援(P120) 重症心身障がい児等の重度の障がい児であって、児童発達支援等の障がい児通所支援を受けるために外出することが著しく困難な障害児に対して、居宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与等の支援を行います。 (3)保育所等訪問支援(P120) 保育所や小学校等、児童が集団生活を営む施設に通う障がい児、今後利用予定の障がい児に対して、障がい児支援の経験を有する支援員が訪問により、保育所等における集団生活の適応のための専門的な支援を提供し、保育所等の安定した利用を促進します。実施に当たっては、事前に保育所等の了解が必要です。 (4)放課後等デイサービス(P121〜P127)) 小学生〜18歳の就学している障がい児が、授業の終了後または学校の休業日に通い、生活能力向上のために必要な訓練を行うところです。 ○障がい児入所支援(P119)【児童福祉法】 障がい児を家庭では養育できないときに、障がい児入所施設において、必要な支援を行います。 ○在宅サービス【障害者総合支援法】 (1)居宅介護 (2)短期入所 (3)日中一時支援(日中預かり) (4)重度障がい者入院時コミュニケーション支援 (5)移動支援 (6)同行援護 (7)行動援護 ※障がい児支援利用計画(サービス等利用計画)とは 児童福祉法に基づき、市町村が指定する指定障害児相談支援事業所が、障がい児の通所サービス利用について作成するものです。平成26年度以降、障がい児通所サービスを支給決定する際には、この利用計画の策定が必須となりました。在宅サービスを利用する場合に、障害者総合支援法に基づき指定特定相談支援事業所が策定する「サービス等利用計画」と同趣旨です。 児童発達支援等(受給者証のサービス)の利用者負担について (1)負担上限月額※ 障がい児の属する世帯の所得等に応じた利用者負担上限月額が定められています。ただし、利用者負担上限月額よりもその月のサービスに必要な費用の1割の方が低い場合は、低い方の額が負担額となります(上限額は、障害者総合支援法の場合と同じです)。また、児童発達支援、医療型児童発達支援利用については、福岡市ではさらに児の年齢や通園頻度に応じて軽減した上限額が設定されます。 (2)高額障がい福祉サービス費(P37)※ その月に支払った利用者負担額の世帯合計が、基準額を超えた場合に、その超えた額について、払い戻しが受けられる制度です(申請月の過去最長5年分まで)。ただし、世帯で合算できる費用の範囲は、障害福祉サービスや補装具、介護保険、一部の地域生活支援事業など、一定の事業が定められています。 (3)就学前児童についての負担軽減制度※ サービスを受けるごとの利用者負担額は原則としてサービスに要する費用の10%の額と負担上限月額を比べて低い方の額ですが、児童発達支援・医療型児童発達支援・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援を利用する就学前児童については、次のような負担軽減制度があります。 ●多子軽減制度(児童発達支援・医療型児童発達支援・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援) 同一世帯内に、就学前のきょうだい児がいる場合、保育所等に通う就学前児童の中で、年齢の高い順に数えて、第2子については、サービスに要する費用の5%の額と負担上限月額を比べて低い方の額を利用者負担額とし、第3子以降については、負担額が全額免除されます。また、世帯の年収約360万円未満相当(市町村民税所得割77,101円未満)の世帯については、同一世帯内のきょうだい児が就学前かどうかにかかわらず、年齢の高い順に数えて、第2子については、サービスに要する費用の5%の額と負担上限月額を比べて低い方の額となり、第3子以降については、負担額が全額免除されます。 ●幼児教育・保育の無償化(児童発達支援・医療型児童発達支援・保育所等訪問支援・居宅訪問型児童発達支援) 「小学校入学前の3年間」の期間にある児童について、負担額が全額免除されます。 ※令和6年1月から利用者負担が軽減されます。 障がい児が利用するサービスの利用者負担について、令和6年1月から、就学前児童は無償に、学齢期の障がい児は毎月の上限月額が一律3,000円に軽減されます(非課税世帯は引き続き無償)。 その他の主なサービスについて (1)医療等 ●自立支援医療(育成医療) 身体に障がいがある18歳未満の児童で、障がいを軽減・除去する手術や治療を指定自立支援医療機関で受ける場合に、費用の1割を自己負担とします。(所得等に応じた上限額があります。) ●重度障がい者医療費助成制度 健康保険の診療対象となる医療費の自己負担相当額を全額助成します。ただし、精神障がいの人(中学校3年生まで(令和6年1月診療分からは高校生世代まで)を除く)は、精神病床への入院にかかる医療費は助成の対象となりません。対象者は、市内にお住まいで、健康保険に加入しており、重度(身体障害者手帳1・2級など)の障がいがある人。(所得要件があります)※「中学校3年生まで」…15歳の誕生日前日以後最初の3月31日まで ※「高校生世代まで」・・18歳の誕生日前日以後最初の3月31日まで(学生でない人も対象になります) (2)難病 ●小児慢性特定疾病医療費助成事業(難病の子どもに対する医療費助成) 指定医療機関を通じて、医療の助成をうけることができます。世帯の所得に応じた自己負担があります。対象者は、18歳未満で特定の疾患に罹患している児童。なお、疾病の状態が本事業の対象となる可能性に関しては主治医にご相談ください。 ※18歳到達時点において本事業の対象となっている場合、20歳未満まで延長することができます。 (3)手当関係 ●特別児童扶養手当 精神又は身体に障がいがある児童を監護・養育している人に対し、手当を支給します。20歳未満で、法令で定める程度以上の障がいがある児童を監護する父母、又は父母に変わって児童を養育している人。ただし、児童が施設に入所している場合、障がいを支給事由とする公的年金を受給している場合、本人・扶養義務者などの所得が限度額以上の場合は支給されません。 ●障害がい福祉手当 日常生活に常時の介護を要する20歳未満の重度障がい児に支給。法令に定められた基準以上の重度の障がいを有する20歳未満の人。ただし、児童が施設に入所している場合、他の公的年金を受給している場合、本人・扶養義務者などの所得が限度額以上の場合などは支給されません。 ●福岡市重度心身障がい者福祉手当 身体障害者手帳の1級又は療育手帳のA1・A2を所持する人など重度の心身障がい児の福祉増進のために、市独自で実施している手当です。 ・障がいのほか、市内居住や施設入所などの要件があります。 (4)生活用具関係 ●補装具 身体上の障がいを補うための補装具の購入・借受け・修理にかかる費用の支給を行います。原則として費用の1割が自己負担となりますが、所得等に応じた自己負担の上限があります。 ●日常生活用具 障がい児の日常生活の利便を図るために、日常生活用具の給付をしています。原則として費用の1割が自己負担となりますが、所得等に応じた自己負担の上限があります。 ●緊急通報システム 重度身体障がい児に、急病などの緊急事態の発生時にボタン一つで受信センターに通報することが可能な緊急通報装置を貸与又は給付します。世帯の市民税額に応じた自己負担があります。 ●点字図書給付 市内に居住する身体障害者手帳の交付を受けた在宅の視覚障がい児(原則として学齢児以上)で、主に点字によって情報を入手している人に、点字本と墨字本(原本)の価格差を助成します。 (5)保育 ●さぽ〜と保育(特別支援保育)事業 福岡市では、保育が必要で、特別な支援を必要とする(発達に遅れがある、または心身に障がいを有する、医療的ケアを要する)お子さんを対象として、全保育施設でさぽ〜と保育(特別支援保育)を実施しています。 保育施設での特別な支援の必要性、支援区分については、学識経験者や医師、こども総合相談センター、あいあいセンター、西部療育センター、東部療育センター等の専門職員で構成される「特別支援保育協議会」での意見を参考に決定します。対象となった場合、利用される保育施設に保育士雇用費を助成し、保育の充実を図ります。また、専門機関と連携しながら、お子さんに応じた配慮や個別支援を行い、お子さんの発達を援助していきます。入所手続きの際は、希望される保育施設をお子さんと一緒に訪問していただき、「利用申し込み状況確認票」を記入し、同時に、「さぽ〜と保育利用申請書(様式第1号)」と「さぽ〜と保育調査票(別添第1号)」を保育施設または各区子育て支援課へ提出してください。 (6)交通等 ●福祉乗車券・福祉乗車証の交付 重度障がい児に対して、交通機関の乗車券を交付し、乗車料金の一部を助成します。(所得要件あり) ●福祉タクシー料金助成 在宅の重度心身障がい児がタクシーを利用する際、そのタクシー代の料金の一部を助成します。交付枚数は、申請月によって異なります。(所得要件あり) (7)住宅 ●障がい者等住宅改造助成 住宅を障がい児向けに使いやすく改造する際、工事費を助成します。助成額は、世帯の所得や障がい状況によって異なります。また、助成対象となる工事は、障害状況によって異なります。 ※住宅改造助成を受けるには、事前協議が必要です。工事着工前に、必ずお住まいの区の福祉・介護保険課に申請してください(所得制限あり)。 (8)その他独自事業 ●特別支援学校放課後等支援事業 特別支援学校に通う児童・生徒へ放課後等の活動の場を提供するとともに、保護者の就労とレスパイトの時間の確保に資することを目的として、放課後や、土曜・長期休暇中にお子様をお預かりします。市内に居住し、市の特別支援学校(博多高等学園を除く)に通う児童・生徒を対象とします。 ●医療的ケア児在宅レスパイト事業 在宅の医療的ケア児の看護や介護を行う家族の負担軽減を図るため、医療保険の適用を超える自宅利用や医療保険の適用外となる自宅以外での訪問看護を提供します。 ※事前に本市への利用登録が必要です。 ※このまとめの記載以外でも、障がい児も対象とした事業もありますので、詳細につきましては、各事業の担当窓口へお問い合わせください。