○福岡市空家等の適切な管理に関する条例

平成28年12月26日

条例第68号

福岡市空き家の倒壊等による被害の防止に関する条例(平成25年福岡市条例第63号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この条例は、市民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図るため、空家等の適切な管理に関し、管理不全空家等に対する措置その他必要な事項を定めることにより、安全で安心なまちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する空家等をいう。

(2) 管理不全空家等 そのまま放置すれば倒壊等保安上危険となるおそれのある状態又は衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態(第4号において「管理不全な状態」という。)にあると認められる空家等をいう。

(3) 所有者等 法第3条に規定する所有者等をいう。

(4) 空家等の適切な管理 空家等の管理不全な状態に起因して他人(当該空家等の所有者等以外の者をいう。第8条において同じ。)の生命、身体又は財産に被害を生じさせることのないよう、これを適切に管理することをいう。

(空家等の所有者等の責務)

第3条 所有者等は、空家等の適切な管理を行わなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、所有者等による空家等の適切な管理の促進に関し必要な措置を総合的かつ効果的に講ずるよう努めなければならない。

(立入調査等)

第5条 市長は、空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関しこの条例の施行のために必要な調査を行うことができる。

2 市長は、前項の調査を行うに当たっては、所有者等の把握に資する情報を有すると思われる者に対し、報告を求めることができる。

3 市長は、次条から第8条までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所の敷地部分に立ち入って目視その他の軽易な調査をさせることができる。

4 市長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所の敷地部分に立ち入らせようとする場合において、当該敷地部分への立入りを拒む意思が明らかであると認められるときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。

5 第3項の規定により空家等と認められる場所の敷地部分に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

6 第3項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(管理不全空家等に対する措置)

第6条 市長は、管理不全空家等の所有者等に対し、当該管理不全空家等に関し、空家等の適切な管理のために必要な措置をとるよう助言又は指導をすることができる。

2 市長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該管理不全空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、空家等の適切な管理のために必要な措置をとることを勧告することができる。

(公表)

第7条 市長は、前条第2項又は法第14条第2項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 空家等の所在地

(2) 空家等の状況

(3) 所有者等の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

2 市長は、前項の規定による公表をしようとする場合には、あらかじめ、当該公表をされるべき者に対しその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(緊急的危険防止措置)

第8条 市長は、管理不全空家等について、他人の生命、身体又は財産に被害を生じさせる危険を防止するために緊急の必要がある場合において、所有者等を確知することができないときその他特別の事情があるときは、その危険の防止のために必要な最小限度の措置を講ずることができる。

2 前項の措置に要した費用は、原則として当該所有者等の負担とする。

(関係機関との連携)

第9条 市長は、空家等の適切な管理のために必要があると認めるときは、市の区域を管轄する警察署長その他の関係機関の長に対し、必要な情報を提供し、協力を求めることができる。

(福岡市空家等審議会)

第10条 この条例及び法の適正な運用を図るため、福岡市空家等審議会(次項及び第3項において「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、空家等に関する重要事項を調査審議する。

3 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日より施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前に改正前の福岡市空き家の倒壊等による被害の防止に関する条例(以下この項において「旧条例」という。)第6条の規定によってなされた助言又は指導は改正後の福岡市空家等の適切な管理に関する条例(以下この項において「新条例」という。)第6条第1項の規定によってなされた助言又は指導と、旧条例第7条第1項の規定によってなされた勧告は新条例第6条第2項の規定によってなされた勧告とそれぞれみなす。

福岡市空家等の適切な管理に関する条例

平成28年12月26日 条例第68号

(平成29年4月1日施行)