○福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例

平成25年12月26日

条例第65号

(目的)

第1条 この条例は、犯罪のない安全で住みよいまちづくりの実現に関し、基本理念を定め、市民、地域団体及び事業者の役割並びに市の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、より多くの市民等の参加又は参画を得た地域防犯活動の活性化を図り、もって市民生活の安全の確保及び市民の安心感の醸成に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者をいう。

(2) 地域団体 町内会、自治会その他の市内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体及び地域における犯罪のない安全で住みよいまちづくり(以下「防犯のまちづくり」という。)に関する活動(以下「地域防犯活動」という。)を行うNPO、ボランティア団体その他の団体をいう。

(3) 事業者 事業を行う法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。

(4) 関係機関 防犯のまちづくりに関する施策(以下「防犯施策」という。)を実施する国及び地方公共団体の機関をいう。

(5) 学校等 学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する幼稚園、小学校、中学校及び高等学校並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設その他これらに類するものをいう。

(6) 少年 少年法(昭和23年法律第168号)第2条第1項に規定する少年をいう。

(基本理念)

第3条 防犯のまちづくりは、次に掲げる基本理念に基づき行うものとする。

(1) 市民、地域団体及び事業者(以下「市民等」という。)は、自らの安全は自らで守り、地域の安全は地域で守るという防犯意識のもとに、地域防犯活動に主体的に取り組み、地域社会の絆の強化を図ること。

(2) 市は、関係機関との連携のもと、市民等が行う地域防犯活動の促進を始めとした防犯施策を推進すること。

(市民の役割)

第4条 市民は、防犯のまちづくりについて理解を深め、日常生活において、自らの安全を確保するとともに、地域防犯活動に参加するよう努めるものとする。

(地域団体の役割)

第5条 地域団体は、市民の防犯意識の高揚に努める等地域防犯活動に積極的に取り組むとともに、当該地域における地域社会の絆の強化を図るよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、その事業を行うに当たっては、従業員及び顧客等が犯罪の被害を受けないようにするための措置を講じるとともに、地域社会を構成する一員として地域防犯活動を推進するよう努めるものとする。

(市の責務)

第7条 市は、第3条に規定する基本理念にのっとり、市民等及び関係機関との連携のもと、防犯のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するための体制を整備し、防犯施策を実施するものとする。

(推進本部)

第8条 市は、市民等及び関係機関との連携のもと、防犯のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するため、福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進本部(以下「推進本部」という。)を設置するものとする。

(推進計画)

第9条 推進本部は、防犯のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を策定するものとする。

2 推進本部は、推進計画を策定し、又は変更するに当たっては、市民等の意見を聴くとともに、当該推進計画の策定等について公表するものとする。

3 推進本部は、推進計画に基づく防犯のまちづくりの進捗状況を管理し、当該進捗状況を公表するものとする。

(広報及び啓発)

第10条 市は、市民が防犯のまちづくりについて理解を深め、並びに地域団体及び事業者が行う地域防犯活動の積極的な取組みを促進するため、広報及び啓発を行うものとする。

(地域防犯活動の支援)

第11条 市は、市民等が地域の実情及び特性に応じた地域防犯活動に取り組むことができるよう、情報の提供、助言その他必要な支援を行うものとする。

(防犯上の配慮を要する者の安全の確保)

第12条 市は、市民等及び関係機関との連携のもと、子ども、高齢者その他特に防犯上の配慮を要する者が犯罪の被害を受けないようにするための情報の提供、啓発その他必要な措置を講じるものとする。

(サイバー空間における安全の確保)

第13条 市は、学校等を設置し、又は管理する者(以下「学校等設置管理者」という。)及び事業者並びに関係機関との緊密な連携のもと、児童及び生徒に対する情報モラル教育(情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方及び態度を身に付けさせる教育をいう。)を行うとともに、市民がサイバー空間(情報通信技術を用いて情報がやり取りされるインターネットその他の仮想的な空間をいう。)を利用して行われる犯罪の被害を受けないようにするための広報及び啓発を行うものとする。

(地域の実情及び特性を踏まえた施策の推進)

第14条 市は、市民等及び関係機関との連携のもと、地域の実情及び特性を踏まえ、当該地域に必要な防犯施策を推進するものとする。

(少年の規範意識の向上等)

第15条 市は、少年の非行を生まない社会の実現に向け、学校等設置管理者、少年の保護者を始めとした市民及び地域団体並びに関係機関との緊密な連携のもと、少年の規範意識の向上及び非行の防止を図るための措置を講じるものとする。

(非行を起こした少年の立ち直りの支援)

第16条 市は、学校等設置管理者、少年の保護者を始めとした市民及び地域団体並びに関係機関との緊密な連携のもと、非行を起こした少年の立ち直りについて支援するものとする。

(道路等における犯罪の防止)

第17条 市長は、道路、公園、自動車駐車場及び自転車駐車場(以下「道路等」という。)について、犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関する指針を定めるものとする。

2 道路等を設置し、又は管理する者は、前項の指針を踏まえ必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(住宅における犯罪の防止)

第18条 市長は、住宅(共同住宅を含む。以下同じ。)について、犯罪の防止に配慮した構造、設備等に関する指針を定めるものとする。

2 住宅の建築主、住宅を設計し、建築し、又は供給する事業者及び住宅を所有し、又は管理する者(以下「建築主等」という。)は、前項の指針を踏まえ必要な措置を講じるよう努めるものとする。

3 市は、建築主等に対し、当該住宅の防犯性の向上のための情報の提供その他必要な措置を講じるものとする。

(学校等における犯罪の防止)

第19条 市長及び教育委員会は、共同して、学校等における乳児、幼児、児童及び生徒が犯罪による被害を受けないようにするための学校等の施設の構造、設備等に関する指針を定めるものとする。

2 学校等設置管理者は、前項の指針を踏まえ必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(指針の公表)

第20条 市長及び教育委員会は、第17条第1項第18条第1項及び前条第1項の指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく公表するものとする。

 抄

(施行期日)

1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。ただし、第17条第1項第18条第1項第19条第1項及び第20条の規定は、公布の日から施行する。

福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例

平成25年12月26日 条例第65号

(平成26年4月1日施行)