○福岡市自転車の安全利用に関する条例

平成24年12月27日

条例第81号

(目的)

第1条 この条例は、自転車の安全利用の推進及び促進に関し、基本理念を定め、市、市民等その他の主体の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、自転車の安全利用に関する普及啓発及び環境の整備を図るための諸施策を推進し、もって市民等の交通安全の確保及び自転車の利用促進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 自転車 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する自転車をいう。

(2) 市民等 市内に居住し、若しくは滞在し、又は市内を通過する者をいう。

(3) 地域等 地域、学校、家庭又は職場をいう。

(4) 灯火 道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)第18条第1項第5号に規定する灯火をいう。

(5) 自転車損害賠償保険等 自転車の利用に係る事故により生じた他人の生命又は身体の損害を賠償するための保険又は共済をいう。

(6) 関係機関 自転車の安全利用に関する施策を実施する国及び地方公共団体の機関をいう。

(7) 関係団体 交通安全に関する活動を行うことを主な目的として組織された団体及び自転車の安全利用に関する活動を行う団体をいう。

(8) 専修学校等 学校教育法(昭和22年法律第26号)第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校をいう。

(令和2条例5・一部改正)

(基本理念)

第3条 自転車の安全利用の推進及び促進は、市民等一人ひとりが自転車の安全利用について理解を深め、交通事故を防止するよう心がけ、他人を思いやり、互いに譲り合う精神を醸成するとともに、市その他の主体が自転車を安全に利用することができる環境の整備に努め、もって人に優しく安全で快適なまち福岡の実現を目指すことを基本理念として行うものとする。

(市の責務)

第4条 市は、第1条の目的を達成するため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 自転車の安全利用に関する教育、啓発及び指導

(2) 地域等における自転車の安全利用に関する活動の支援

(3) 自転車への灯火の備付け、自転車の両側面への反射器材の備付け、自転車の定期的な点検整備並びに自転車損害賠償保険等その他の自転車の利用に係る事故により生じた損害を賠償し、及び傷害を補償するための保険又は共済への加入の促進

(4) 自転車の安全利用を促進するための道路環境の整備

(5) 前各号に掲げるもののほか、第1条の目的を達成するために必要な施策

2 市は、前項各号に掲げる施策の実施に当たっては、関係機関及び関係団体と緊密な連携を図り、必要な協力を求めるものとする。

(令和2条例5・一部改正)

(市民等の責務)

第5条 市民等は、自転車の安全利用について理解を深め、交通事故の防止に努めるとともに、地域等において自転車の安全利用の促進に寄与するよう努めなければならない。

(自転車利用者の責務)

第6条 自転車利用者は、道路交通法その他の法令を遵守しなければならない。

2 自転車利用者は、歩道においてその利用する自転車の進行が歩行者の通行を妨げるおそれがあるときは、あらかじめ当該自転車を押して歩く等、歩行者の交通安全の確保に十分に配慮するよう努めなければならない。

3 自転車利用者は、その利用する自転車に灯火を備え付けるとともに、当該自転車の両側面に反射器材を備え付けるよう努めなければならない。

4 自転車利用者は、その利用する自転車を定期的に点検し、必要に応じ整備するよう努めなければならない。

5 自転車利用者(当該自転車利用者が未成年者である場合を除く。以下この項及び次項において同じ。)は、その利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車利用者以外の者が、当該利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しているときは、この限りでない。

6 前項に規定するもののほか、自転車利用者は、その利用に係る事故により生じた他人の財産の損害を賠償し、及び傷害を補償するための保険又は共済に加入するよう努めなければならない。

7 自転車利用者のうち道路交通法第84条第1項に規定する運転免許を現に受けている者は、自転車の利用において、特に他の者の模範となるよう努めなければならない。

(令和2条例5・令和4条例1・一部改正)

(保護者等の責務)

第7条 (15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者に限る。以下同じ。)の保護者は、当該子に対し、自転車の安全利用に関する教育及び指導に努めなければならない。

2 保護者は、子が自転車を利用するときは、乗車用ヘルメットを着用させるよう努めなければならない。

3 保護者は、子が降雨時に自転車を利用するときは、レインコートを着用させるよう努めなければならない。

4 保護者は、子が利用する自転車を定期的に点検し、必要に応じ整備するよう努めなければならない。

5 保護者は、その監護する未成年者が自転車の利用をするときは、当該利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該保護者以外の者が、当該利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しているときは、この限りでない。

6 前項に規定するもののほか、保護者は、その監護する未成年者の自転車の利用に係る事故により生じた他人の財産の損害を賠償し、及び傷害を補償するための保険又は共済に加入するよう努めなければならない。

7 高齢者の家族は、当該高齢者に対し、乗車用ヘルメットの着用その他自転車の安全利用に関する助言に努めなければならない。

(令和2条例5・令和4条例1・一部改正)

(自動車等の運転者の責務)

第8条 自動車及び原動機付自転車の運転者は、自転車の側方を通過するときは、当該自転車との間に安全な間隔を保ち、又は徐行するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第9条 事業者は、自転車通勤をする従業員その他事業活動に従事する者に対し、自転車の安全利用に関する教育、啓発及び指導に努めるとともに、事業活動を通じて、自転車の安全利用の促進に努めなければならない。

(自転車販売業者等の責務)

第10条 自転車販売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、第6条及び第7条に定める責務の周知並びに第4条第1項第3号の保険又は共済に関する情報の提供に努めなければならない。

2 自転車販売業者は、自転車の販売に当たっては、道路において利用する自転車を購入しようとする者に対し、灯火を備え付けていないもの、両側面に反射器材を備え付けていないもの及び道路交通法第63条の9第1項に規定する制動装置を備え付けていないものを販売しないよう努めなければならない。

3 自転車販売業者は、事業活動を通じて、自転車の安全利用に関する啓発に努めなければならない。

4 自転車貸出業者は、貸し出す自転車に灯火を備え付け、当該自転車の両側面に反射器材を備え付けるよう努めなければならない。

5 自転車貸出業者は、その貸出しの用に供する自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車貸出業者以外の者が、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しているときは、この限りでない。

6 前項に規定するもののほか、自転車貸出業者は、その貸出しの用に供する自転車の利用に係る事故により生じた他人の財産の損害を賠償し、及び傷害を補償するための保険又は共済に加入するよう努めなければならない。

7 自転車貸出業者は、貸出しを受けて自転車を利用しようとする者に対し、自転車の安全利用に関する啓発に努めなければならない。

(令和2条例5・一部改正)

(学校の長の責務)

第11条 小学校、中学校及び高等学校(市立の小学校、中学校及び高等学校を除く。)の長は、児童又は生徒に対し、当該各学校における教育活動として、自転車の安全利用に関する教育、啓発及び指導に努めなければならない。

2 市立の小学校、中学校及び高等学校の長は、児童又は生徒に対し、当該各学校における教育活動として、自転車の安全利用に関する教育、啓発及び指導を行わなければならない。

3 中学校及び高等学校の長は、生徒の自転車通学を認めるときは、当該生徒に対し、必要な教育を行うとともに、自転車の安全利用を条件に自転車運転免許証(当該各学校の長が自転車通学を認めることを証明する書類をいう。)を交付する等、自転車の安全利用を確保する措置を講じるよう努めなければならない。

4 大学及び専修学校等の長は、学生又は生徒に対し、自転車の安全利用に関する教育、啓発及び指導に努めなければならない。

(市の施策への協力)

第12条 市民等、事業者及び学校の長(小学校、中学校、高等学校、大学及び専修学校等の長をいう。)は、市が行う自転車の安全利用に関する施策に協力するよう努めなければならない。

(教育及び啓発)

第13条 市は、自転車の安全利用について市民等の理解を深めるよう、関係機関及び関係団体と相互に連携協力し、自転車の安全利用に関する教育及び啓発を積極的に行うものとする。

2 市は、自転車の安全利用に関する教育及び啓発を行う者に対し、関係機関及び関係団体と相互に連携協力し、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(押し歩き推進区間)

第14条 市長は、歩行者の交通安全を確保するため特に必要があると認める歩道の区間を、押し歩き推進区間として指定することができる。

2 前項の規定による指定は、終日又は時間帯を限って行うことができる。

3 自転車利用者は、押し歩き推進区間を通行するときは、自転車を押して歩くよう努めなければならない。

4 市は、関係機関及び関係団体と連携し、押し歩き推進区間における自転車の押し歩きが推進されるよう、啓発及び指導を行うものとする。

5 市長は、押し歩き推進区間を指定し、変更し、又は解除したときは、規則で定めるところにより、その旨を告示するものとする。

(指導員)

第15条 市長は、この条例の規定に違反して自転車を利用する者又は利用させる者(以下「違反者」という。)に対し、必要な指導を行うことができる。

2 市長は、前項に規定する指導を行うため、市職員のうちから自転車安全利用指導員(以下「指導員」という。)を任命することができる。

3 指導員は、歩行者の交通安全を確保するため特に必要があると認めるときは、違反者に対し、歩道における徐行、自転車からの降車、灯火の点灯その他交通安全の確保に必要な措置をとるよう求めることができる。

(推進員)

第16条 市長は、地域等における自転車の安全利用に関する活動を促進するため、自転車安全利用推進員(以下「推進員」という。)を委嘱することができる。

2 推進員は、地域等において自転車の安全利用に関する教育及び啓発を行うとともに、自転車利用者に対し、必要な指導を行うことができる。

3 市は、推進員の活動が円滑かつ効果的に行われるよう、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

(灯火の備付け等の促進)

第17条 市は、自転車への灯火の備付け、自転車の両側面への反射器材の備付け、自転車の定期的な点検整備及び第4条第1項第3号の保険又は共済への加入を促進するため、必要な啓発を行うものとする。

(令和2条例5・一部改正)

(道路環境の整備)

第18条 市は、自転車の安全利用を促進するため、関係機関と相互に連携協力し、自転車を安全に利用することができる道路環境の整備に関する事業を推進するものとする。

(自転車安全利用の日)

第19条 市は、自転車の安全利用について市民等の関心と理解を深めるため、毎月8日を自転車安全利用の日とし、その趣旨にふさわしい取組を実施するものとする。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

 抄

(施行期日)

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。ただし、第14条の規定は、公布の日から施行する。

(令和2年3月26日条例第5号)

この条例は、令和2年10月1日から施行する。

(令和4年3月28日条例第1号)

この条例は、令和4年10月1日から施行する。

福岡市自転車の安全利用に関する条例

平成24年12月27日 条例第81号

(令和4年10月1日施行)