○福岡市特別養護老人ホームの設備及び運営の基準を定める条例

平成24年12月27日

条例第64号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準(第3条―第14条)

第3章 ユニット型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第15条―第19条)

第4章 地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第20条―第23条)

第5章 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準(第24条―第26条)

第6章 雑則(第27条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第17条第1項の規定に基づき、特別養護老人ホームの設備及び運営の基準を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、法の例による。

第2章 基本方針並びに人員、設備及び運営に関する基準

(基本方針)

第3条 特別養護老人ホームは、入所者に対し、健全な環境の下で、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇を行うよう努めなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。

3 特別養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って処遇を行うように努めなければならない。

4 特別養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

5 特別養護老人ホームは、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

(令和3条例21・一部改正)

(構造設備の一般原則)

第4条 特別養護老人ホームの配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等の入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。

(非常災害対策)

第5条 特別養護老人ホームは、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に職員に周知するとともに、定期的に避難、救出その他の必要な訓練を行わなければならない。

2 特別養護老人ホームは、前項に規定する具体的計画を立てる際には、想定される非常災害の種類及び規模に応じ、それぞれ立てなければならない。

3 特別養護老人ホームは、第1項に規定する訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。

(令和3条例21・一部改正)

(設備)

第6条 特別養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)でなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建ての特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建ての特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、次に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) 居室

(2) 静養室

(3) 食堂

(4) 浴室

(5) 洗面設備

(6) 便所

(7) 医務室

(8) 調理室

(9) 介護職員室

(10) 看護職員室

(11) 機能訓練室

(12) 面談室

(13) 洗濯室又は洗濯場

(14) 汚物処理室

(15) 介護材料室

(16) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 一の居室の定員は、1人とする。ただし、入所者へのサービスの提供上市長が必要と認める場合は、4人以下とすることができる。

5 前項に規定するもののほか、第3項各号に掲げる設備その他特別養護老人ホームの設備に関し必要な基準は、規則で定める。

(職員配置の基準)

第7条 特別養護老人ホームには、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、入所定員が40人以下の特別養護老人ホームにあっては、他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、第5号の栄養士を置かないことができる。

(1) 特別養護老人ホームの長(以下「施設長」という。)

(2) 医師

(3) 生活相談員

(4) 介護職員又は看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」という。)

(5) 栄養士

(6) 機能訓練指導員

(7) 調理員、事務員その他の職員

2 前項各号に掲げる職員に関し必要な基準は、規則で定める。

(入退所)

第8条 特別養護老人ホームは、入所予定者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第24項に規定する居宅介護支援をいう。以下同じ。)を行う者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(同項に規定する指定居宅サービス等をいう。)の利用状況等の把握に努めなければならない。

2 特別養護老人ホームは、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討しなければならない。

3 前項の検討に当たっては、生活相談員、介護職員、看護職員等の職員の間で協議しなければならない。

4 特別養護老人ホームは、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助を行わなければならない。

5 特別養護老人ホームは、入所者の退所に際しては、居宅サービス計画(介護保険法第8条第24項に規定する居宅サービス計画をいう。)の作成等の援助に資するため、居宅介護支援を行う者に対する情報の提供に努めるほか、その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

(平成28条例47・一部改正)

(処遇の方針)

第9条 特別養護老人ホームは、入所者について、その者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等に応じて、その者の処遇を適切に行わなければならない。

2 入所者の処遇は、入所者の処遇に関する計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行われなければならない。

3 特別養護老人ホームの職員は、入所者の処遇に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

4 特別養護老人ホームは、入所者の処遇に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

5 前項の緊急やむを得ない場合とは、身体拘束廃止委員会(施設長及び入所者の処遇を担当する者から構成され、身体的拘束等に係る判断、身体的拘束等の適正化のための対策その他必要な事項について検討を行う会議をいい、テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。以下同じ。)が次のいずれにも該当すると判断した場合とする。

(1) 入所者又は他の入所者等の生命又は身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと。

(2) 身体的拘束等を行う以外に当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するための手段がないこと。

(3) 身体的拘束等が一時的なものであること。

6 特別養護老人ホームは、身体的拘束等を行うに当たっては、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 前項の規定による身体拘束廃止委員会の判断の結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該身体的拘束等が必要な理由、その態様、時間その他必要な事項について入所者又はその家族に対して説明した上で、文書により入所者の同意を得ること。

(3) 当該身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに第4項の緊急やむを得ない場合の具体的内容を記録すること。

7 特別養護老人ホームは、身体的拘束等を行っている場合にあっては、その間、当該身体的拘束等が第5項各号に定める要件のいずれにも該当するかについて判断するため、身体拘束廃止委員会を必要に応じ随時開催しなければならない。この場合において、当該身体的拘束等が同項各号に定める要件のいずれかに該当しないと判断されたときは、直ちに当該身体的拘束等を廃止するものとする。

8 特別養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体拘束廃止委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

9 特別養護老人ホームは、自らその行う処遇の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(平成30条例42・令和3条例21・一部改正)

(緊急時等の対応)

第9条の2 特別養護老人ホームは、現に処遇を行っているときに入所者の病状の急変が生じた場合その他必要な場合のため、あらかじめ、第7条第1項第2号に掲げる医師との連携方法その他の緊急時等における対応方法を定めておかなければならない。

(平成30条例42・追加)

(施設長の責務)

第10条 施設長は、特別養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 施設長は、職員にこの条例及びこの条例に基づく規則の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

(秘密保持等)

第11条 特別養護老人ホームの職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 特別養護老人ホームは、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(苦情処理)

第12条 特別養護老人ホームは、その行った処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。

2 特別養護老人ホームは、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 特別養護老人ホームは、その行った処遇に関し、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 特別養護老人ホームは、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。

(事故発生の防止及び発生時の対応)

第13条 特別養護老人ホームは、事故の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。

(2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、その事実が報告されるとともに、当該事実の分析を通した改善策について、職員に周知徹底を図る体制を整備すること。

(3) 事故発生の防止のための委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)及び職員に対する研修を定期的に行うこと。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

2 特別養護老人ホームは、入所者の処遇により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。

3 特別養護老人ホームは、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。

4 特別養護老人ホームは、入所者の処遇により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(令和3条例21・一部改正)

(虐待の防止)

第13条の2 特別養護老人ホームは、当該特別養護老人ホームにおける虐待の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該特別養護老人ホームにおける虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該特別養護老人ホームにおける虐待の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該特別養護老人ホームにおいて、介護職員その他の従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

(令和3条例21・追加)

(暴力団員等の排除)

第14条 施設長は、福岡市暴力団排除条例(平成22年福岡市条例第30号)第2条第2号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は同条第1号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)若しくは暴力団員と密接な関係を有する者であってはならない。

2 特別養護老人ホームは、その運営について、暴力団、暴力団員及び暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する者の支配を受けてはならない。

第3章 ユニット型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第15条 前章(第7条を除く。)の規定にかかわらず、ユニット型特別養護老人ホーム(施設の全部において少数の居室及び当該居室に近接して設けられる共同生活室(当該居室の入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所をいう。以下同じ。)により一体的に構成される場所(以下「ユニット」という。)ごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(基本方針)

第16条 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者一人ひとりの意思及び人格を尊重し、入居者へのサービスの提供に関する計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

3 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その職員に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

(令和3条例21・一部改正)

(設備)

第17条 ユニット型特別養護老人ホームの建物(入居者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 ユニット型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該ユニット型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者へのサービスの提供に支障がないときは、次の各号(第1号を除く。)に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) ユニット

 居室

 共同生活室

 洗面設備

 便所

(2) 浴室

(3) 医務室

(4) 調理室

(5) 洗濯室又は洗濯場

(6) 汚物処理室

(7) 介護材料室

(8) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 一の居室の定員は、1人とする。ただし、入居者へのサービスの提供上市長が必要と認める場合は、2人とすることができる。

5 前項に規定するもののほか、第3項各号に掲げる設備その他ユニット型特別養護老人ホームの設備に関し必要な基準は、規則で定める。

(サービスの取扱方針)

第18条 入居者へのサービスの提供は、入居者が、その有する能力に応じて、自らの生活様式及び生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、入居者へのサービスの提供に関する計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。

2 入居者へのサービスの提供は、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。

3 入居者へのサービスの提供は、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。

4 入居者へのサービスの提供は、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

5 ユニット型特別養護老人ホームの職員は、入居者へのサービスの提供に当たって、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

6 ユニット型特別養護老人ホームは、入居者へのサービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

7 前項の緊急やむを得ない場合とは、身体拘束廃止委員会が次のいずれにも該当すると判断した場合とする。

(1) 入居者又は他の入居者等の生命又は身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと。

(2) 身体的拘束等を行う以外に当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するための手段がないこと。

(3) 身体的拘束等が一時的なものであること。

8 ユニット型特別養護老人ホームは、身体的拘束等を行うに当たっては、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 前項の規定による身体拘束廃止委員会の判断の結果について、介護職員その他の職員に周知徹底を図ること。

(2) 当該身体的拘束等が必要な理由、その態様、時間その他必要な事項について入居者又はその家族に対して説明した上で、文書により入居者の同意を得ること。

(3) 当該身体的拘束等の態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに第6項の緊急やむを得ない場合の具体的内容を記録すること。

9 ユニット型特別養護老人ホームは、身体的拘束等を行っている場合にあっては、その間、当該身体的拘束等が第7項各号に定める要件のいずれにも該当するかについて判断するため、身体拘束廃止委員会を必要に応じ随時開催しなければならない。この場合において、当該身体的拘束等が同項各号に定める要件のいずれかに該当しないと判断されたときは、直ちに当該身体的拘束等を廃止するものとする。

10 ユニット型特別養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体拘束廃止委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

11 ユニット型特別養護老人ホームは、自らその提供するサービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(平成30条例42・一部改正)

(準用)

第19条 第4条第5条第8条及び第9条の2から第14条までの規定は、ユニット型特別養護老人ホームについて準用する。

(平成30条例42・一部改正)

第4章 地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第20条 前2章の規定にかかわらず、地域密着型特別養護老人ホーム(福岡市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等を定める条例(平成24年福岡市条例第67号)第73条に規定する数を入所定員とする特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(設備)

第21条 地域密着型特別養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建ての地域密着型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、次に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) 居室

(2) 静養室

(3) 食堂

(4) 浴室

(5) 洗面設備

(6) 便所

(7) 医務室

(8) 調理室

(9) 介護職員室

(10) 看護職員室

(11) 機能訓練室

(12) 面談室

(13) 洗濯室又は洗濯場

(14) 汚物処理室

(15) 介護材料室

(16) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 一の居室の定員は、1人とする。ただし、入所者へのサービスの提供上市長が必要と認める場合は、4人以下とすることができる。

5 前項に規定するもののほか、第3項各号に掲げる設備その他地域密着型特別養護老人ホームの設備に関し必要な基準は、規則で定める。

(職員配置の基準)

第22条 地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる職員を置かなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の栄養士との連携を図ることにより当該地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、第5号の栄養士を置かないことができる。

(1) 施設長

(2) 医師

(3) 生活相談員

(4) 介護職員又は看護職員

(5) 栄養士

(6) 機能訓練指導員

(7) 調理員、事務員その他の職員

2 前項各号に掲げる職員に関し必要な基準は、規則で定める。

(令和3条例21・一部改正)

(準用)

第23条 第3条から第5条まで及び第8条から第14条までの規定は、地域密着型特別養護老人ホームについて準用する。

第5章 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの基本方針並びに設備及び運営に関する基準

(この章の趣旨)

第24条 前3章(第22条を除く。)の規定にかかわらず、ユニット型地域密着型特別養護老人ホーム(施設の全部においてユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる地域密着型特別養護老人ホームをいう。以下同じ。)の基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(設備)

第25条 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物(入居者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物でなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型地域密着型特別養護老人ホームの建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 ユニット型地域密着型特別養護老人ホームには、次に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより当該ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの効果的な運営を期待することができる場合であって、入居者へのサービスの提供に支障がないときは、次の各号(第1号を除く。)に掲げる設備の一部を設けないことができる。

(1) ユニット

 居室

 共同生活室

 洗面設備

 便所

(2) 浴室

(3) 医務室

(4) 調理室

(5) 洗濯室又は洗濯場

(6) 汚物処理室

(7) 介護材料室

(8) 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備

4 一の居室の定員は、1人とする。ただし、入居者へのサービスの提供上市長が必要と認める場合は、2人とすることができる。

5 前項に規定するもののほか、第3項各号に掲げる設備その他ユニット型地域密着型特別養護老人ホームの設備に関し必要な基準は、規則で定める。

(準用)

第26条 第4条第5条第8条第9条の2から第14条まで、第16条及び第18条の規定は、ユニット型地域密着型特別養護老人ホームについて準用する。

(平成30条例42・一部改正)

第6章 雑則

(委任)

第27条 この条例に定めるもののほか、特別養護老人ホームの設備及び運営の基準は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に存する特別養護老人ホーム(基本的な設備が完成しているものを含み、この条例の施行の日以後に増築され、又は全面的に改築された部分を除く。)について第6条第4項及び第21条第4項の規定を適用する場合においては、これらの規定中「1人とする。ただし、入所者へのサービスの提供上市長が必要と認める場合は、4人以下とすることができる」とあるのは、「4人以下とする」とする。

3 平成12年4月1日前から引き続き存する特別養護老人ホームであって、児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令(昭和62年厚生省令第12号)附則第4条第1項(同令第4条の規定による改正後の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(昭和41年厚生省令第19号)第18条第2項第16号の規定に係る部分に限る。)の規定の適用を受けていたもの(平成16年4月1日以後に全面的に改築されたものを除く。)については、第6条第3項第14号第17条第3項第6号第21条第3項第14号及び第25条第3項第6号の規定は、当分の間、適用しない。

4 平成14年8月7日前から引き続き存する特別養護老人ホーム(同日以後に建物の規模又は構造を変更したものを除く。)は、特別養護老人ホームであってユニット型特別養護老人ホームでないものとみなす。

5 第2章(第7条を除く。)及び第3章の規定にかかわらず、平成15年4月1日以前に法第15条の規定により設置された特別養護老人ホーム(同日において建築中のものであって、同月2日以後に同条の規定により設置されたものを含む。以下この項において「平成15年前特別養護老人ホーム」という。)であって、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第106号)による改正前の特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第46号)第43条に規定する一部ユニット型特別養護老人ホームであるもの(平成23年9月1日において現に改修、改築又は増築中の平成15年前特別養護老人ホーム(ユニット型特別養護老人ホームを除く。)であって、同日以後に同条に規定する一部ユニット型特別養護老人ホームに該当することとなったものを含む。以下「一部ユニット型特別養護老人ホーム」という。)のうち、介護保険法第48条第1項の指定を受けている介護老人福祉施設であるものの基本方針並びに設備及び運営に関する基準については、この条例の施行の日以後最初の指定の更新までの間は、次項から附則第10項までに定めるところによることができる。

6 一部ユニット型特別養護老人ホームの基本方針は、ユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる部分(以下「ユニット部分」という。)にあっては第16条に、それ以外の部分にあっては第3条に定めるところによる。

7 一部ユニット型特別養護老人ホームの設備に関する基準は、ユニット部分にあっては第17条に、それ以外の部分にあっては第6条に定めるところによる。ただし、浴室、医務室、調理室、洗濯室又は洗濯場、汚物処理室、介護材料室及び事務室その他の運営上必要な設備については、ユニット部分の入居者及びそれ以外の部分の入所者へのサービスの提供に支障がないときは、それぞれ一の設備をもって、ユニット部分及びそれ以外の部分に共通の設備とすることができる。

8 一部ユニット型特別養護老人ホームの運営に関する基準のうち、サービスの取扱方針は、ユニット部分にあっては第18条に、それ以外の部分にあっては第9条に定めるところによる。

9 第4条第5条第8条及び第10条から第14条までの規定は、一部ユニット型特別養護老人ホームについて準用する。

10 附則第6項から前項までに定めるもののほか、一部ユニット型特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関し必要な経過措置は、規則で定める。

(平成28年3月28日条例第47号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(平成30年3月29日条例第42号)

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(令和3年3月29日条例第21号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和6年3月31日までの間、この条例による改正後の福岡市特別養護老人ホームの設備及び運営の基準を定める条例(以下「改正後の条例」という。)第3条第5項(改正後の条例第23条において準用する場合を含む。)、第13条の2(改正後の条例第19条、第23条及び第26条において準用する場合を含む。)及び第16条第3項(改正後の条例第26条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とする。

(事故発生の防止及び発生時の対応に係る経過措置)

3 施行日から起算して6月を経過する日までの間、改正後の条例第13条第1項(改正後の条例第19条、第23条及び第26条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「次に掲げる措置を講じなければ」とあるのは、「第1号から第3号までに掲げる措置を講じるとともに、第4号に掲げる措置を講じるよう努めなければ」とする。

福岡市特別養護老人ホームの設備及び運営の基準を定める条例

平成24年12月27日 条例第64号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成24年12月27日 条例第64号
平成28年3月28日 条例第47号
平成30年3月29日 条例第42号
令和3年3月29日 条例第21号