○福岡市再生水利用下水道事業に関する条例
平成15年7月7日
条例第42号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 再生水の利用の申請及び承認(第5条・第6条)
第3章 広域雑用水道の設置(第7条―第10条)
第4章 再生水の供給(第11条―第16条)
第5章 メーター(第17条―第19条)
第6章 料金(第20条―第23条)
第7章 雑則(第24条―第26条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、本市が経営する再生水利用下水道事業について、再生水の適正な利用を確保するため、再生水の供給区域、利用手続、料金その他必要な事項を定めるものとする。
(1) 再生水 下水道法(昭和33年法律第79号)第2条第6号に規定する終末処理場において処理をした水を再利用する目的でその水質を向上させる処理をした水をいう。
(2) 再生処理施設 再生水を製造する施設で本市が設置するものをいう。
(3) 広域雑用水道 福岡市節水推進条例(平成15年福岡市条例第39号。以下「節水条例」という。)第2条第9号に規定する広域循環型雑用水道をいう。
(4) 再生水管 再生水を再生処理施設から広域雑用水道に配水するため本市が布設する管をいう。
(5) 再生水給水設備 広域雑用水道のうち、再生水管から分岐した給水管及びこれに直結する給水用具で再生水利用設備以外のものをいう。
(6) 再生水利用設備 広域雑用水道のうち、再生水受水槽、再生水受水槽以降の再生水給水管及び給水用具、高置水槽式における再生水揚水ポンプ及び再生水高置水槽並びに加圧タンク式における加圧ポンプ及び加圧タンク並びにこれらの附属品をいう。
(再生水の供給区域等)
第3条 再生水を供給する区域は、節水条例第9条第1項に規定する雑用水道設置促進区域とする。ただし、市長が特に必要があると認めるときは、当該雑用水道設置促進区域以外の区域についても、再生水を供給することができる。
2 再生水を供給する施設は、次に掲げるとおりとする。
(1) 節水条例第2条第1号に規定する大型建築物
(2) 公園、街路等の施設
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める施設
(再生水の用途)
第4条 再生水は、水洗便所の使用に伴う洗浄、公園、街路等の施設内の樹木への散水その他規則で定める用途以外の用途に使用してはならない。ただし、市長が特に認める場合は、この限りでない。
第2章 再生水の利用の申請及び承認
(再生水の利用申請)
第5条 再生水を利用しようとする者(既に再生水の供給を受けている者(以下「需用者」という。)で、広域雑用水道の新設、改造等を行おうとする者を含む。)は、規則で定めるところにより、あらかじめ市長に利用の申請をして市長の承認を受けなければならない。
(再生水の利用承認)
第6条 市長は、前条第1項の申請があったときは、当該申請に係る再生水給水設備又は再生水利用設備が節水条例第10条第1項に規定する技術基準(以下単に「技術基準」という。)に適合するかどうかを審査し、適合すると認めたときは、利用申請者に対し、再生水の利用の承認をするものとする。
2 市長は、前項の場合において、正当な理由があるときは、再生水の利用の承認をしないことができる。
第3章 広域雑用水道の設置
(工事の着手)
第7条 再生水の利用について第5条第1項の承認を受けた者(以下「利用決定者」という。)が広域雑用水道の工事に着手するときは、規則で定めるところにより、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。
2 市長は、利用決定者に対し、当該工事に関する利害関係者の同意書その他必要な書類の提出を求めることができる。
3 再生水給水設備の工事は、福岡市水道給水条例(平成12年福岡市条例第27号)第2条第3号に規定する指定給水装置工事事業者に施工させなければならない。
(工事の費用負担)
第8条 前条第1項の工事に係る費用は、利用決定者の負担とする。
(再生水管の移設等に伴う工事)
第9条 市長は、再生水管の移設その他正当な理由により再生水給水設備の工事を必要とするときは、当該工事に係る再生水給水設備について所有権その他の権利を有する者の同意がない場合においても、当該工事を施工することができる。この場合において、当該工事に要する費用は、当該工事の原因者の負担とする。
(完了検査)
第10条 利用決定者は、第7条第1項の工事を完了したときは、規則で定めるところにより市長にその旨を届け出て、広域雑用水道の構造及び機能に関し、市長の検査を受けなければならない。
2 市長は、前項の検査の結果、当該広域雑用水道が技術基準に適合していると認めたときは、当該検査に係る利用決定者に対し検査済証を交付するものとする。
3 市長は、第1項の検査の結果、当該広域雑用水道が技術基準に適合していないと認めたときは、その旨を当該検査に係る利用決定者に通知するとともに、これを是正するために必要な措置を講じるよう命じることができる。
4 利用決定者が節水条例第13条第2項に規定する雑用水道検査済証の交付を受けた場合は、前3項の規定は、適用しない。
第4章 再生水の供給
(利用の開始)
第11条 利用決定者は、再生水の供給を受けようとするときは、あらかじめ再生水の利用を開始する旨を市長に届け出なければならない。
3 市長は、第1項の規定による届出があったときは、当該届出をした者に対し、再生水の供給を開始するものとする。ただし、市長がやむを得ない理由があると認めるときは、再生水の供給を開始しないことができる。
4 需用者に変更があったときは、新たに需用者となった者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(管理責任者の選定)
第12条 需用者は、再生水の利用に関する事項を処理させるため管理責任者を選定し、その者の氏名その他規則で定める事項を市長に届け出なければならない。管理責任者を変更したときも、また同様とする。
(供給の制限及び停止)
第13条 市長は、次のいずれかに該当するときは、再生水の供給を制限し、又は停止することができる。
(1) 非常災害が発生したとき。
(2) 再生水の供給に必要な施設が損傷したとき。
(3) 広域雑用水道において他の配管との誤接合が認められたとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、やむを得ない事由が生じたとき。
2 市長は、再生水の供給を制限し、又は停止しようとするときは、あらかじめその日時及び理由を需用者又は管理責任者のうち必要と認める者に通知する。ただし、緊急を要する場合は、この限りでない。
(利用の休止、廃止及び再開)
第14条 需用者は、再生水の利用を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ市長にその旨を届け出なければならない。再生水の利用を再び開始するときも、また同様とする。
(管理)
第15条 市長は、再生処理施設及び再生水管を適切に管理するとともに、需用者に対して、再生水を安定的に供給しなければならない。
2 需用者は、広域雑用水道を適切に管理しなければならない。
3 前項の規定による管理を怠ったために生じた損害は、需用者が賠償しなければならない。
(立入検査)
第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、広域雑用水道の需用者又は管理責任者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員をして当該広域雑用水道若しくはその業務に関係のある場所に立ち入り、検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、当該立入検査に従事する職員であることを証する証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
第5章 メーター
(メーターの設置)
第17条 市長は、需用者の利用水量を計量するため、再生水給水設備にメーターを設置する。
2 前項の場合においてメーターの位置は、市長が定めるものとし、需用者は、市長の指示を受けた場合又はあらかじめ市長の承認を受けた場合を除き、メーターの位置を変更してはならない。
3 需用者がメーターの位置を変更する場合(市長の指示を受けた場合を除く。)の費用は、当該需用者が負担するものとする。
(メーターの管理)
第18条 需用者及び管理責任者は、メーターを常に清潔に保管しなければならない。
2 需用者及び管理責任者は、メーターの設置、撤去、交換、点検又は修繕(次項において「設置等」という。)に支障を生じないように再生水給水設備を常に適正に管理しなければならない。
3 需用者及び管理責任者は、メーターの設置等に支障となる物件を置き、又は工作物を設けてはならない。
5 前項の措置に要する費用は、需用者又は管理責任者の負担とする。
(亡失、き損等の届出)
第19条 メーターを亡失し、若しくはき損した場合又はメーターに機能障害が発生した場合は、需用者又は管理責任者は、直ちに市長に届け出なければならない。
2 メーターの亡失、き損又は機能障害の発生が需用者又は管理責任者の責めによるものと認められる場合は、当該需用者又は管理責任者は、市長が定める金額を賠償しなければならない。
第6章 料金
(料金)
第20条 需用者からは、再生水の利用水量に応じ料金を徴収する。
2 料金の額は、次の表により算出した額に100分の110を乗じて得た額(1円未満の端数が生じた場合は、その端数を切り捨てた額)とする。
利用水量(1か月につき) | 料金 | |
第1段 | 100立方メートルまでの部分 1立方メートルにつき | 150円 |
第2段 | 100立方メートルを超え300立方メートルまでの部分 1立方メートルにつき | 300円 |
第3段 | 300立方メートルを超える部分 1立方メートルにつき | 350円 |
備考 利用水量に1立方メートル未満の端数がある場合は、その端数を切り捨てる。 |
3 市長は、公益上その他特別の理由があると認めるときは、料金を減免することができる。
(平成25条例72・平成31条例22・一部改正)
(料金の徴収)
第21条 料金は、2か月ごとに徴収する。
2 前項の規定にかかわらず、市長が特に必要があると認める場合は、料金を1か月ごとに徴収し、又は概算により前納させることができる。
3 第23条第1項の規定により利用水量を認定した場合の料金は、その都度徴収する。
(利用水量の計量)
第22条 再生水の利用水量は、2か月ごとにメーターにより計量する。この場合において各月の利用水量は、均等であるものとみなす。
2 市長は、需用者が再生水の利用を休止し、又は廃止したときその他必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、その都度利用水量を計量する。
(利用水量の認定)
第23条 市長は、メーターの異常その他の理由により利用水量が不明であるときは、従前の利用水量その他の事情を考慮して、利用水量を認定する。
2 市長は、前項の規定による利用水量の認定のため必要があると認めるときは、需用者に対し資料の提出を求めることができる。
第7章 雑則
(供給の停止)
第24条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、その事由が継続する間、再生水の供給を停止することができる。
(1) 需用者が料金を期限内に納めないとき又は料金の徴収を免れようとしたとき。
(2) 需用者又は管理責任者が、第16条第1項の規定に基づく報告若しくは資料の提出をせず、虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は職員の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
(過料)
第25条 詐欺その他不正の行為により、料金の徴収を免れた者に対しては、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは5万円)以下の過料を科する。
(委任)
第26条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則 抄
(施行期日)
1 この条例は、平成15年12月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に本市との契約に基づき再生水の供給を受けていた者(以下「旧需用者」という。)は、需用者とみなす。
3 旧需用者の利用水量を計量するために設置されたメーターは、第17条第1項の規定により設置されたメーターとみなす。
4 旧需用者に係る料金の徴収は、施行日以後に利用される再生水に係るものについて行う。この場合において、その料金の算定の基礎となる再生水の利用期間が施行日前にまたがるときは、料金の額の算出については、当該期間中再生水を各日均等に利用したものとみなして、1月を30日とした日割計算によるものとする。
5 施行日前に再生水の供給契約を締結するためになされた申請その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた申請その他の行為とみなす。
6 前4項に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な経過措置は、市長が定める。
附則(平成25年12月26日条例第72号)
(施行期日)
1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 利用期間がこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)前にまたがる再生水の利用で、施行日から平成26年4月30日までの間に料金の調定(利用水量に基づき料金を決定することをいう。以下同じ。)が行われるものに係る料金(施行日以後初めて調定が行われる日が同年5月1日以後である再生水の利用にあっては、当該調定が行われたもののうち、施行日以後初めて調定が行われる料金を前回調定日(その直前の調定が行われた日をいう。以下同じ。)の翌日から起算して施行日以後初めて調定が行われる日までの期間の月数で除し、これに前回調定日の翌日から起算して同年4月30日までの期間の月数を乗じて計算した金額に係る部分に対応する部分に限る。)の算定については、この条例による改正後の福岡市再生水利用下水道事業に関する条例第20条第2項の規定中「100分の108」とあるのは「100分の105」とする。
3 前項の月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数が生じたときは、これを1月とする。
附則(平成31年3月14日条例第22号)
(施行期日)
1 この条例は、平成31年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 利用期間がこの条例の施行の日(以下「施行日」という。)前にまたがる再生水の利用で、施行日から平成31年10月31日までの間に料金の調定(利用水量に基づき料金を決定することをいう。以下同じ。)が行われるものに係る料金(施行日以後初めて調定が行われる日が同年11月1日以後である再生水の利用にあっては、当該調定が行われたもののうち、施行日以後初めて調定が行われる料金を前回調定日(その直前の調定が行われた日をいう。以下同じ。)の翌日から起算して施行日以後初めて調定が行われる日までの期間の月数で除し、これに前回調定日の翌日から起算して同年10月31日までの期間の月数を乗じて計算した金額に係る部分に対応する部分に限る。)の算定については、この条例による改正後の福岡市再生水利用下水道事業に関する条例第20条第2項の規定中「100分の110」とあるのは「100分の108」とする。
3 前項の月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数が生じたときは、これを1月とする。