○福岡市普通河川管理条例
平成17年2月28日
条例第2号
(目的)
第1条 この条例は、本市の区域内に存する普通河川について、その保全及び利用が適正になされるように管理することにより、公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。
(1) 普通河川 公共の水流及び水面(河川法(昭和39年法律第167号)が適用され、又は準用されるものを除く。)で市長が指定したものをいい、河川管理施設を含むものとする。
(2) 河川管理施設 せき、水門、堤防、護岸、床止めその他普通河川(以下「河川」という。)の流水によって生じる公共の利益を増進し、又は公共の損害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし、市長以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて、市長が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。
(3) 河川区域 次に掲げる区域をいう。
ア 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他の自然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域
イ 河川管理施設の敷地である土地の区域
ウ 堤外の土地の区域のうち、アに掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして市長が指定した区域
(河川の指定等の告示)
第3条 市長は、前条第1号の規定による指定をするときは、その名称及び区間を告示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、また同様とする。
2 市長は、前条第3号ウの規定による指定をするときは、その旨を告示しなければならない。これを変更し、又は廃止するときも、また同様とする。
(兼用工作物の工事等の協議)
第4条 河川管理施設と河川管理施設以外の施設又は工作物(以下「他の工作物」という。)とが相互に効用を兼ねる場合においては、市長及び他の工作物の管理者は、協議して別に管理の方法を定め、当該河川管理施設及び他の工作物の工事、維持又は操作を行うことができる。
(工事原因者の工事の施行等)
第5条 市長は、河川工事(河川の保全のために必要な工事をいう。以下同じ。)以外の工事(以下「他の工事」という。)又は河川を損傷し、若しくは汚損した行為若しくは河川の現状を変更する必要を生じさせた行為(以下「他の行為」という。)によって必要を生じた河川工事又は河川の維持を行うことを当該他の工事の施行者又は当該他の行為の行為者に命じることができる。
(市長以外の者の施行する工事等)
第6条 市長以外の者は、前2条に規定する場合のほか、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長の承認を受けて、河川工事又は河川の維持を行うことができる。ただし、草刈り、清掃その他これらに類する小規模な維持については、市長の承認を受けることを要しない。
2 市長は、前項の承認をする場合において、河川管理上必要があると認めるときは、当該承認に必要な条件を付すことができる。
(行為の禁止)
第7条 何人も、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 河川を損傷すること。
(2) 河川区域内の土地に土石(砂を含む。以下同じ。)又はごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは廃物を捨てること。
(行為の制限)
第8条 次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、市長の許可を受けなければならない。
(1) 河川の流水を占用すること。
(2) 河川区域内の土地(市長以外の者がその権原に基づき管理するものを除く。次号において同じ。)を占用すること。
(3) 河川区域内の土地において土石を採取すること。
(4) 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却すること。
(5) 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更すること。
(6) 河川区域内の土地において竹木を栽植し、又は伐採すること。
(7) 河川区域内の土地において土石、竹木その他の物件(第11条第1項において「土石等」という。)を堆積し、又は設置すること。
(8) 前各号に掲げるもののほか、河川の流水の方向、清潔、流量、幅員又は深浅等について、河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為
2 市長は、前項の許可をする場合において、河川管理上必要があると認めるときは、当該許可に必要な条件を付すことができる。
(許可の期間)
第9条 前条第1項の許可の期間は、10年以内で市長が定める期間とする。
3 前2項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から30日以内に、市長にその旨を届け出なければならない。
(権利の譲渡)
第12条 流水の占用等の許可に基づく権利は、市長の承認を受けなければ、譲渡することができない。
2 前項に規定する許可に基づく権利を譲り受けた者は、譲渡人が有していたその許可に基づく地位を承継する。
2 市長は、前項の規定による届出があった場合において、河川管理上必要があると認めるときは、当該許可に係る工作物を除却し、河川を原状に回復し、その他河川管理上必要な措置をとることを命じることができる。
(監督処分)
第14条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、この条例の規定による許可若しくは承認を取り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の中止、工作物の改築若しくは除却、工事その他の行為若しくは工作物により生じた若しくは生ずべき損害を除去し、若しくは予防するために必要な施設の設置その他の措置をとること若しくは河川を原状に回復することを命じることができる。
(1) この条例の規定又はこの条例の規定に基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定による許可又は承認に付した条件に違反している者
(3) 詐欺その他不正な手段により、この条例の規定による許可又は承認を受けた者
(1) 許可又は承認に係る工事その他の行為につき、又はこれらに係る事業を営むことにつき、他の法令の規定による行政庁の許可又は認可その他の処分を受けることを必要とする場合において、これらの処分を受けることができなかったとき、又はこれらの処分が取り消され、若しくは効力を失ったとき。
(2) 許可又は承認に係る工事その他の行為又はこれらに係る事業の全部又は一部の廃止があったとき。
(3) 洪水その他の自然現象により河川の状況が変化したことにより、許可又は承認に係る工事その他の行為が河川管理上著しい支障を生じることとなったとき。
(4) 河川工事のためやむを得ない必要があるときその他公益上やむを得ない必要があると市長が認めるとき。
2 河川監理員は、前項の規定による指示を行う場合においては、当該業務に従事する職員であることを証する証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(調査等のための立入り)
第16条 市長は、調査、測量その他河川の適正な管理を行うため特に必要があると認める場合は、その職員に他人の占有する土地に立ち入らせることができる。
2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする職員は、当該業務に従事する職員であることを証する証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(流水占用料等)
第17条 流水の占用等の許可を受けた者は、流水占用料、土地占用料又は土石採取料(以下「流水占用料等」という。)を納付しなければならない。
(1) 占用の期間が1年未満であるとき又はその期間に1年未満の端数があるときは、月割をもって計算する。この場合において、1月未満の端数があるときは、これを1月に切り上げる。
(2) 計算して得た額が100円に満たないときは、100円に切り上げる。
(流水占用料等の徴収方法)
第19条 流水占用料等は、流水の占用等の許可の際に徴収する。ただし、占用の期間が当該占用に係る許可をした日の属する年度の翌年度以降にわたるときは、翌年度以降の流水占用料等は、毎年度、当該年度分をその年度の初めに徴収する。
(流水占用料等の減免)
第20条 市長は、特別な理由があると認めるときは、流水占用料等を減免することができる。
(流水占用料等の還付)
第21条 既納の流水占用料等は、還付しない。ただし、市長が特別な理由があると認めるときは、流水の占用等の許可を受けた者の申請に基づきその全部又は一部を還付することができる。
(他市町との境界に係る河川の管理の特例)
第22条 市長は、河川の本市と他の市町との境界に係る部分については、この条例の規定にかかわらず、当該他の市町の長と協議して、別に管理の方法を定めることができる。
(罰則)
第23条 次の各号のいずれかに該当する者に対しては、5万円以下の過料を科する。
(1) 第7条第1号の規定に違反して河川を損傷した者
(2) 第7条第2号の規定に違反して河川区域内の土地に土石又はごみ、ふん尿、鳥獣の死体その他の汚物若しくは廃物を捨てた者
(3) 第8条第1項第1号の規定に違反して河川の流水を占用した者
(4) 第8条第1項第4号の規定に違反して河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却した者
(5) 第8条第1項第5号の規定に違反して河川区域内の土地において土地の掘削、盛土又は切土その他土地の形状を変更した者
(6) 第8条第1項第6号の規定に違反して河川区域内の土地において竹木を栽植し、又は伐採した者
(7) 第8条第1項第7号の規定に違反して河川区域内の土地において土石、竹木その他の物件を堆積し、又は設置した者
(9) 第10条の規定に違反して工作物を使用した者
(10) 第11条第3項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第24条 詐欺その他不正の行為により流水占用料等の徴収を免れた者に対しては、その徴収を免れた金額の5倍に相当する金額(当該5倍に相当する金額が5万円を超えないときは5万円)以下の過料を科する。
(委任)
第25条 この条例に定めるもののほか、河川の管理に関し必要な事項は、規則で定める。
附則 抄
附則(平成21年3月26日条例第33号)
この条例は、平成21年4月1日から施行する。
附則(平成27年3月19日条例第44号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成29年3月30日条例第43号)抄
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成30年3月29日条例第31号)
(施行期日)
1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 平成30年度以降の各年度においてこの条例の施行の日前から継続して河川区域内の土地を占用している物件について、この条例による改正後の福岡市普通河川管理条例第18条の規定により算定した土地占用料の額が、次の各号に掲げる年度の区分に従い当該各号に定める額に1.2を乗じて得た額(以下「調整後の額」という。)を超えることとなる間は、当該物件に係る土地占用料の額は、調整後の額とする。
(1) 平成30年度 当該物件についてこの条例による改正前の福岡市普通河川管理条例第18条の規定により算定した土地占用料の額
(2) 平成31年度以降の各年度 当該年度の前年度においてこの項の規定の適用により納入すべきものとされた土地占用料の額
附則(令和4年3月28日条例第23号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月29日条例第42号)
(施行期日)
1 この条例は、令和6年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 令和6年度以降の各年度においてこの条例の施行の日前から継続して河川区域内の土地を占用している物件について、この条例による改正後の福岡市普通河川管理条例第18条の規定により算定した土地占用料の額が、次の各号に掲げる年度の区分に従い当該各号に定める額に1.2を乗じて得た額(以下「調整後の額」という。)を超えることとなる間は、当該物件に係る土地占用料の額は、調整後の額とする。
(1) 令和6年度 当該物件についてこの条例による改正前の福岡市普通河川管理条例第18条の規定により算定した土地占用料の額
(2) 令和7年度以降の各年度 当該年度の前年度においてこの項の規定の適用により納入すべきものとされた土地占用料の額
別表第1
(平成21条例33・平成27条例44・令和4条例23・一部改正)
流水占用料
区分 | 単位 | 金額 |
原動力に供するもの | 占用許可水量毎秒1リットルにつき1年 | 円 99 |
鉱工業用その他に供するもの | 5,500 |
備考 占用許可水量に1リットル未満の端数があるときは、小数点以下第3位を四捨五入して算定する。
別表第2
(平成21条例33・平成27条例44・平成29条例43・平成30条例31・令和4条例23・令和6条例42・一部改正)
土地占用料
区分 | 単位 | 金額 | ||
1級地区 | 2級地区 | |||
電柱 | 第1種電柱 | 1本につき1年 | 円 2,900 | 円 2,900 |
第2種電柱 | 4,500 | 4,500 | ||
第3種電柱 | 6,100 | 6,100 | ||
電話柱 | 第1種電話柱 | 2,600 | 2,600 | |
第2種電話柱 | 4,200 | 4,200 | ||
第3種電話柱 | 5,700 | 5,700 | ||
送電塔 | 占用面積1平方メートルにつき1年 | 5,200 | 5,200 | |
架空線 | 長さ1メートルにつき1年 | 26 | 26 | |
水管、下水道管、ガス管その他これらに類するもの | 外径が0.07メートル未満のもの | 110 | 110 | |
外径が0.07メートル以上0.1メートル未満のもの | 160 | 160 | ||
外径が0.1メートル以上0.15メートル未満のもの | 230 | 230 | ||
外径が0.15メートル以上0.2メートル未満のもの | 310 | 310 | ||
外径が0.2メートル以上0.3メートル未満のもの | 470 | 470 | ||
外径が0.3メートル以上0.4メートル未満のもの | 630 | 630 | ||
外径が0.4メートル以上0.7メートル未満のもの | 1,100 | 1,100 | ||
外径が0.7メートル以上1メートル未満のもの | 1,600 | 1,600 | ||
外径が1メートル以上のもの | 3,100 | 3,100 | ||
通路その他これに類するもの | 宅地用通路橋(幅4メートル未満のものを除く。) | 占用面積1平方メートルにつき1年 | 590 | 370 |
農業用通路橋(幅4メートル未満のものを除く。) | 150 | 100 | ||
その他 | 工作物を伴うもの | 5,400 | 4,000 | |
工作物を伴わないもの | 3,500 | 2,200 |
備考
1 1級地区とは、都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項の規定により定められた福岡広域都市計画市街化区域内の地域を、2級地区とは、1級地区以外の地域をいうものとする。
2 第1種電柱とは、電柱(当該電柱に設置される変圧器を含む。以下同じ。)のうち3条以下の電線(当該電柱を設置する者が設置するものに限る。以下この項において同じ。)を支持するものを、第2種電柱とは、電柱のうち4条又は5条の電線を支持するものを、第3種電柱とは、電柱のうち6条以上の電線を支持するものをいうものとする。
3 第1種電話柱とは、電話柱(電話その他の通信又は放送の用に供する電線を支持する柱をいい、電柱であるものを除く。以下同じ。)のうち3条以下の電線(当該電話柱を設置する者が設置するものに限る。以下この項において同じ。)を支持するものを、第2種電話柱とは、電話柱のうち4条又は5条の電線を支持するものを、第3種電話柱とは、電話柱のうち6条以上の電線を支持するものをいうものとする。
4 占用面積若しくは占用物件の長さが0.01平方メートル若しくは0.01メートル未満であるとき、又はこれらの面積若しくは長さに0.01平方メートル若しくは0.01メートル未満の端数があるときは、その全面積若しくは全長又はその端数の面積若しくは長さを切り捨てる。
別表第3
(平成21条例33・平成27条例44・令和4条例23・一部改正)
土石採取料
区分 | 単位 | 金額 |
土砂 | 1立方メートル | 円 116 |
砂 | 150 | |
砂利 | 233 | |
栗石及び川石 | 150 |
備考 採取量に1立方メートル未満の端数があるときは、1立方メートルに切り上げる。