○福岡市土砂埋立て等による災害発生の防止に関する条例

平成19年3月15日

条例第21号

(目的)

第1条 この条例は、土砂埋立て等について必要な規制を行うことにより、土砂埋立て等に起因する災害の発生を防止し、もって市民生活の安全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 土砂 土、砂、石その他これらに類するものをいう。

(2) 土砂埋立て等 土砂による土地の埋立て、盛土その他のたい積を行う行為又は切土の行為をいう。

(3) 事業主 自ら又は人に行わせて土砂埋立て等を行う者をいう。

(4) 施工者 事業主から請け負って土砂埋立て等を行う者をいう。

(5) 土砂埋立て等区域 土砂埋立て等を行う土地及び進入路敷地、排水施設敷地その他の土砂埋立て等に関連する土地の区域をいう。

(事業主等の責務)

第3条 事業主及び施工者は、土砂埋立て等に当たり、土砂の崩壊、流出その他の災害(以下「土砂災害」という。)の発生を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2 土地の所有者及び当該土地について使用又は収益をする権利を有する者(次項において「土地所有者等」という。)は、土砂埋立て等の用にその土地を供しようとするときは、土砂災害が発生するおそれがないことを確認するよう努めなければならない。

3 土地所有者等は、その土地において行われる土砂埋立て等の期間中及びその完了後においては土砂災害が発生しないよう当該土地を適正に管理しなければならない。

(土砂埋立て等の許可)

第4条 次の各号のいずれかに該当する土砂埋立て等を行おうとする事業主は、規則で定めるところにより、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。

(1) 土砂埋立て等を行う土地の面積が1,000平方メートルを超えるもの

(2) 土砂埋立て等を行う高さが5メートルを超えるもの

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる土砂埋立て等については、同項の許可を受けることを要しない。

(1) 非常災害のため必要な応急措置として行うもの

(2) 国、地方公共団体その他規則で定める公共的団体が行うもの

(3) 福岡県土砂埋立て等による災害の発生の防止に関する条例(平成14年福岡県条例第27号)の規定に基づく許可を受けて行うもの

(4) 採石法(昭和25年法律第291号)又は砂利採取法(昭和43年法律第74号)に基づく認可に係る土地の区域において採取された土砂のみを用いて行うもの

(5) その他規則で定めるもの

(許可の申請)

第5条 前条第1項の許可(以下「埋立許可」という。)を受けようとする事業主は、次に掲げる事項を記載した書面に、規則で定める図書を添えて、市長に申請しなければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所の所在地並びに法人にあっては、その代表者及び役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準じる者をいう。以下同じ。)の氏名

(2) 着手から完了までの期間

(3) 土砂埋立て等区域の位置及び面積

(4) 土砂埋立て等を行う土地の面積

(5) 土砂埋立て等を行おうとする土砂の量及び高さ

(6) 土砂埋立て等の最大たい積時及び完了時における土地の形状

(7) 排水施設その他土砂災害の発生を防止するための措置

(8) 施工者の氏名又は名称及び住所又は事務所の所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(9) その他規則で定める事項

(平成23条例13・一部改正)

(許可の基準)

第6条 市長は、埋立許可の申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも適合していると認めるときでなければ許可をしてはならない。

(1) 申請を行った事業主又は当該申請に係る土砂埋立て等の施工者になろうとする者が、次のいずれにも該当しないこと。

 第10条の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る福岡市行政手続条例(平成7年福岡市条例第56号)第15条の規定による通知があった日前60日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から5年を経過しないものを含む。)

 第17条第1項若しくは第2項の規定による命令に違反している者又は同条第1項の規定による命令に係る行為の停止期間を経過しない者

 土砂埋立て等に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

 法人でその役員のうちにに該当する者があるもの

 暴排条例第6条に規定する暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する者

 その他規則で定める要件に該当する者

(2) 申請を行った事業主が、土砂埋立て等を行うために必要な資力及び信用を有すること。

(3) 申請に係る土砂埋立て等の期間中及びその完了後において、土砂災害の発生を防止するため、規則で定める必要な措置が講じられていること。

(4) 申請に係る土砂埋立て等の方法が、規則で定める基準に適合していること。

(平成23条例13・一部改正)

(許可の条件)

第7条 市長は、埋立許可に、この条例の目的を達成するために必要な範囲内で条件を付すことができる。

(変更の許可等)

第8条 埋立許可を受けた事業主(以下「許可事業主」という。)は、第5条各号に掲げる事項を変更しようとするときは、規則で定めるところにより市長の許可を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

2 前項の許可(以下「変更許可」という。)を受けようとする許可事業主は、次に掲げる事項を記載した書面に、規則で定める図書を添えて、市長に申請しなければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所の所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2) 変更内容及びその理由

(3) その他規則で定める事項

3 許可事業主は、第1項ただし書に規定する規則で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なくその旨を市長に届け出なければならない。

4 前2条の規定は、変更許可について準用する。

(地位の承継)

第9条 許可事業主である法人が合併又は分割する場合において、当該合併後に存続する法人又は当該合併により設立した法人若しくは当該分割により当該土砂埋立て等に係る事業を承継する法人は、規則で定めるところにより市長の承認を受けて、当該許可事業主の地位を承継することができる。

2 許可事業主の相続人(相続人が2人以上ある場合にあっては、その協議により定めた当該土砂埋立て等に係る事業を承継する1人の相続人)は、当該許可事業主の地位を承継する。

3 前項の規定により許可事業主の地位を承継した者は、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(許可の取消し)

第10条 市長は、許可事業主(変更許可を受けた事業主を含む。)次の各号のいずれかに該当するときは、当該許可を取り消すことができる。

(1) 埋立許可又は変更許可を受けた日から起算して1年を経過した日までに当該許可に係る土砂埋立て等に着手しないとき。

(2) 埋立許可又は変更許可に係る土砂埋立て等に着手した日後引き続き1年以上当該土砂埋立て等を行わないとき。

(3) 第6条第1号エからまでのいずれかに該当するに至ったとき。

(4) 第7条(第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反して土砂埋立て等を行ったとき。

(5) 第8条第1項の規定に違反して土砂埋立て等を行ったとき。

(6) 虚偽の申請その他不正な手段により許可を受けたとき。

(平成23条例13・一部改正)

(標識の設置)

第11条 許可事業主は、許可に係る土砂埋立て等を行っている間、土砂埋立て等区域内の公衆の見やすい場所に規則で定める標識を設置しなければならない。

2 許可事業主は、前項に規定する標識に記載した事項に変更が生じた場合には、遅滞なく、当該記載事項を書き換えなければならない。

3 許可事業主は、前条の規定により許可を取り消されたときは直ちに、当該許可に係る土砂埋立て等を完了し、又は廃止したときは遅滞なく、当該標識を撤去しなければならない。

(着手届)

第12条 許可事業主は、許可に係る土砂埋立て等に着手したときは、当該土砂埋立て等に着手した日から起算して10日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(定期的な報告)

第13条 許可事業主は、許可に係る土砂埋立て等に着手した日から6月間ごとの期間における土砂埋立て等の状況について、当該期間を経過した日から起算して14日以内に、規則で定めるところにより、市長に報告しなければならない。

(完了届等)

第14条 許可事業主は、許可に係る土砂埋立て等を完了し、又は廃止したときは、当該土砂埋立て等を完了し、又は廃止した日から起算して14日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(報告等の徴収)

第15条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主又は施工者(その下請負人を含む。次条第1項において同じ。)に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。

(立入検査)

第16条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に、事業主又は施工者の事務所、土砂埋立て等区域その他その業務を行う場所に立ち入り、土砂埋立て等の状況、施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係人に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、当該業務に従事する職員であることを証する証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(措置命令)

第17条 市長は、次に掲げる者に対し、土砂埋立て等その他の行為の停止を命じ、又は相当の期限を定めて土砂の除去その他必要な措置を講じるよう命じることができる。

(1) 第4条第1項若しくは第8条第1項の規定に違反して土砂埋立て等を行った事業主又は当該土砂埋立て等に係る施工者

(2) 第7条(第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反して土砂埋立て等を行った許可事業主又は施工者

2 市長は、次に掲げる者に対し、土砂埋立て等に起因する土砂災害が発生するおそれがあると認めるときは、相当の期限を定めて土砂の除去その他土砂災害の発生を防止するために必要な措置を講じるよう命じることができる。

(1) 第10条の規定により許可の取消しを行った場合において、当該許可の取消しを受けた許可事業主

(2) 第14条の規定による届出があった場合において、当該届出をした許可事業主

(措置命令等標識の設置等)

第18条 市長は、第4条第1項若しくは第8条第1項の規定に違反し、若しくは第7条(第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反して土砂埋立て等が行われた場合又は前条の規定による措置の命令を行った場合は、この条例の規定に違反している旨又は当該命令の内容等を記載した標識(以下この条において「措置命令等標識」という。)を土砂埋立て等区域内に設置することができる。

2 何人も、前項の規定による措置命令等標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第1項の規定により土砂埋立て等区域内に措置命令等標識が設置された場合においては、当該土砂埋立て等区域内に土砂を搬入してはならない。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第20条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

(1) 第4条第1項又は第8条第1項の規定に違反して土砂埋立て等を行った者

(2) 第7条(第8条第4項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反して土砂埋立て等を行った者

(3) 第17条第1項の規定による市長の命令(同項第1号に掲げる者に対するものに限る。)に違反した者

第21条 第17条第1項の規定による市長の命令(同項第2号に掲げる者に対するものに限る。)又は同条第2項の規定による市長の命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第22条 第18条第3項の規定に違反して土砂を搬入した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

(1) 第11条第1項の規定に違反して標識を設置しなかった者

(2) 第13条の規定による報告又は第15条の規定により求められた報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(3) 第16条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、忌避し、又は虚偽の答弁をした者

(両罰規定)

第24条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第20条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成19年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に土砂埋立て等を行っている者については、この条例の施行の日から起算して3月を経過するまでの間は、第4条第1項の規定は適用しない。その者がその期間内に同項の許可の申請をした場合において、当該申請に対する許可又は不許可の処分があるまでの間も、また同様とする。

3 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成23年3月17日条例第13号)

この条例は、平成23年4月1日から施行する。

福岡市土砂埋立て等による災害発生の防止に関する条例

平成19年3月15日 条例第21号

(平成23年4月1日施行)