○福岡市消費生活条例

平成16年12月20日

条例第56号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 消費者との共働(第8条―第13条)

第3章 消費生活の基盤整備等

第1節 消費生活の基盤整備(第14条―第23条)

第2節 物価の安定(第24条・第25条)

第3節 立入調査及び公表(第26条・第27条)

第4章 消費者被害の救済(第28条―第30条)

第4章の2 消費生活センターの組織及び運営等(第30条の2―第30条の8)

第5章 福岡市消費生活審議会(第31条―第37条)

第6章 雑則(第38条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費生活における消費者の権利の確立に関し、基本理念を定め、市及び事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、消費者の自立の支援、消費生活の基盤整備、消費者被害の救済その他市が実施する施策について必要な事項を定めることにより、その施策を総合的に推進し、もって市民の安全で安心できる消費生活の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 消費者 事業者が供給する商品又はサービスを使用し、又は利用して生活する者をいう。

(2) 事業者 消費生活の用に供する商品若しくはサービスの供給に関して商業、工業、サービス業その他の事業を行う者又は営業所、代理店等以外の場所において消費者から商品を購入する事業を行う者をいう。

(3) 商品 消費者が消費生活を営む上で使用する物をいう。

(4) サービス 消費者が消費生活を営む上で使用し、又は利用するもののうち、商品以外のものをいう。

(平成25条例66・一部改正)

(基本理念)

第3条 第1条の目的達成のための諸活動は、市、消費者及び事業者が、相互に連携しつつ、それぞれの責務と役割を果たすことにより、次に掲げる消費者の権利の確立を図ることを基本として行うものとする。

(1) 消費生活における基本的な需要が満たされ、健全な生活環境が確保される権利

(2) 商品又はサービスによって、生命、身体及び財産を侵されない権利

(3) 自立した消費生活を営む上で必要な知識について学習し、及び教育を受ける権利

(4) 消費生活を営む上で必要な情報を適切かつ速やかに提供される権利

(5) 消費生活において、適正な表示をもとに、商品又はサービスについての適切な判断及び自由な選択を行う権利

(6) 消費生活において、公正な方法及び条件により取引を行う権利

(7) 消費生活において、不当に受けた被害から適切かつ速やかに救済される権利

(8) 消費生活に関する施策について意見を表明し、参加する権利

(市の責務)

第4条 市は、市民が安全で安心できる消費生活を営むことができるよう、経済社会の変化に対応した総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、消費生活に関する施策を実施するに当たり、必要があるときは、国又は他の地方公共団体に対して、協力を求め、又は必要な措置をとるよう求めるものとする。

3 市は、国又は他の地方公共団体が実施する消費生活に関する施策について協力を求められたときは、これに応じるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、消費者の権利を尊重し、安全な商品及びサービスを適正に供給し、及び適正な取引を行うとともに、市が実施する消費生活に関する施策に協力しなければならない。

2 事業者は、消費者との取引に際して、消費者の年齢、知識、経験、判断能力及び財産の状況等に配慮しなければならない。

3 事業者は、その事業活動に関し、法令を遵守するとともに、自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

4 事業者は、その事業活動において取得した消費者の個人に関する情報を適正に取り扱わなければならない。

(平成25条例66・一部改正)

(消費者の役割)

第6条 消費者は、自立した主体として、自ら進んで消費生活に関して、必要な情報を収集し、知識を深め、主体的かつ合理的に判断し、選択し、及び行動するよう努めなければならない。

2 消費者団体は、消費者の安全で安心できる消費生活の実現を図るため、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費生活に関する健全かつ自主的な活動に努めるものとする。

(環境への配慮)

第7条 市、消費者及び事業者は、良好な環境が市民の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであることを認識し、消費生活が環境に配慮して営まれるよう、それぞれが積極的な役割を果たすものとする。

2 市は、消費生活に関する施策の策定及び実施に当たっては、消費者及び事業者が環境への負荷の低減を図ることができるよう努めなければならない。

3 消費者は、商品の選択、使用若しくは廃棄又はサービスの選択若しくは利用に際して、環境への負荷を低減するよう努めなければならない。

4 事業者は、事業活動を行うに当たっては、環境への負荷の低減及び環境に配慮した消費者の自主的行動への協力に努めなければならない。

第2章 消費者との共働

(学習条件の整備及び消費者教育の推進等)

第8条 市は、消費者の消費生活に関する自発的な学習を支援するために必要な条件の整備に努めなければならない。

2 市は、消費者が主体的かつ合理的な消費生活を営むために必要な教育の推進及び知識の普及に努めなければならない。

(情報の提供)

第9条 市は、消費者が経済社会の状況の変化に対応した消費生活を営むために必要な情報を収集し、分析するとともに、これを消費者に適切かつ速やかに提供するよう努めなければならない。

(消費者団体の自主的な活動の促進)

第10条 市は、市民の安全で安心できる消費生活の実現を図るため、消費者団体の健全かつ自主的な活動が促進されるよう必要な施策を講じるものとする。

(消費者の意見の反映)

第11条 市長は、市民が安全で安心できる消費生活を営むことができるようにするため、広く消費者の意見、要望等を把握し、市の消費生活に関する施策に反映させるよう努めなければならない。

(消費者と事業者との交流の機会の確保)

第12条 市長は、消費者の意見が事業者の事業活動に反映されるよう、消費者と事業者との対話その他の交流の機会の確保に努めなければならない。

(市長への申出)

第13条 市民は、この条例に違反する事業者の事業活動が行われているとき、又は次章第1節及び第2節に規定する措置が講じられていないことにより消費生活上の支障が発生し、若しくは拡大するおそれがあるときは、市長に対して、その旨を申し出て、必要な措置を講じることを求めることができる。

2 市長は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、当該申出に相当の理由があると認めるときは、この条例に基づく措置その他の必要な措置を講じるものとする。

3 市長は、第1項の規定による申出があったときは、処理の経過及び結果を当該申出を行った者に通知するものとする。ただし、当該申出に係る事案が当該申出を行った者を当事者とする福岡市消費生活審議会の調停に付されたときその他特別の理由があると認めるときは、この限りでない。

第3章 消費生活の基盤整備等

第1節 消費生活の基盤整備

(危険な商品又はサービスの供給の禁止等)

第14条 事業者は、消費者の生命若しくは身体に危害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがあり、又はその財産に損害を与え、若しくは与えるおそれがある商品又はサービスを消費者に供給してはならない。

2 事業者は、商品又はサービスが消費者の生命若しくは身体に危害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがあり、又はその財産に損害を与え、若しくは与えるおそれがあることが明らかになったときは、直ちに、当該事実の発表、当該商品又はサービスの供給の中止、当該商品の回収その他の危害又は損害の発生又は拡大を防止するために必要な措置をとらなければならない。

(危害等に関する調査、勧告等)

第15条 市長は、商品又はサービスが消費者の生命若しくは身体に危害を及ぼし、又はその財産に損害を与える疑いがあると認めるときは、当該商品又はサービスについて、必要な調査を行うものとする。

2 市長は、前項の調査のみによっては同項の疑いを解消することが困難であると認めるときは、当該商品又はサービスを供給する事業者に対して、資料の提出その他の方法により、当該商品又はサービスが当該危害又は損害を生じさせるものでないことを立証するよう求めることができる。

3 市長は、第1項の調査及び前項に規定する立証のための行為によっても、なお、当該商品又はサービスが消費者の生命若しくは身体に危害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがあり、又はその財産に損害を与え、若しくは与えるおそれがあると認定した場合において、当該商品又はサービスを供給する事業者が前条第2項に規定する措置をとらないときは、当該事業者に対して、同項に規定する措置をとるべきことを勧告することができる。

4 市長は、前項の規定による認定をしようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会に諮るものとする。

5 市長は、第3項の規定による勧告をしようとするときは、当該事業者に対して、あらかじめ、その旨を通知し、意見の聴取を行うものとする。ただし、当該事業者が正当な理由なく意見の聴取に応じないとき、又は当該事業者の所在が不明で通知することができないときは、この限りでない。

6 市長は、第3項の規定による勧告をしたときは、その旨及び次の各号に掲げる事項のうち必要な事項を公表するものとする。この場合において、第3号及び第4号に掲げる事項を公表しようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会の意見を聴かなければならない。

(1) 商品又はサービスの名称

(2) 危害又は損害の内容

(3) 事業者の氏名又は名称

(4) 事業者の住所又は事務所の所在地

(5) その他当該危害又は損害に関する事項

7 市長は、消費者の生命、身体又は財産の安全を確保するために必要があると認めるときは、第1項の調査又は第2項に規定する立証のための行為において得られた情報を消費者に提供するものとする。

(危険な商品又はサービスについての緊急の公表)

第16条 市長は、商品又はサービスが消費者の生命若しくは身体に重大な危害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがあり、又は財産に重大な損害を与え、若しくは与えるおそれがある場合において、当該危害又は損害の発生又は拡大を防止するために緊急の必要があると認めるときは、直ちに、前条第6項各号に掲げる事項のうち必要な事項を公表するものとする。

(適正な表示の確保)

第17条 事業者は、商品又はサービスの性質に応じ、次に掲げる事項を適正に表示するよう努めなければならない。

(1) 商品又はサービスについて、品質その他の内容

(2) 商品又はサービスを供給する事業者の氏名又は名称及び住所又は事務所の所在地

(3) 商品又はサービスについて、販売又は提供の価格及び質量、長さ、面積、容積、時間、回数等の単位当たりの価格

(4) 商品又はサービスについて、消費者に供給した後の保証の期間及び内容

(5) 自動販売機その他これに類する機械により供給する商品又はサービスについて、その内容及び取引条件並びに当該事業者との連絡に関し必要な事項

(6) 再使用(循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)第2条第5項に規定する再使用をいう。以下同じ。)又は再生利用(同条第6項に規定する再生利用をいう。以下同じ。)が可能な商品について、再使用又は再生利用をするために消費者が行うべき処理の方法

(7) 廃棄に際して特別な注意を必要とする商品について、その廃棄の方法

(8) 使用又は利用の方法によっては消費者の生命、身体又は財産に危害又は損害が発生することが予測される商品又はサービスについて、当該危害又は損害の具体的内容及びその発生を回避するための使用又は利用の方法

2 市長は、消費者が商品を購入し、使用し、若しくは廃棄し、又はサービスを購入し、若しくは利用するに当たり、適切な選択及び判断を行うために必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、商品又はサービスごとに、表示すべき事項及びその方法について事業者が守るべき基準(以下「表示基準」という。)を定めることができる。

3 市長は、表示基準を定めようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会に諮るものとする。表示基準を変更し、又は廃止しようとするときも、また同様とする。

4 市長は、表示基準を定めるときは、これを告示するものとする。表示基準を変更し、又は廃止するときも、また同様とする。

5 市長は、事業者が表示基準に違反していると認めるときは、当該事業者に対して、表示基準を遵守するよう指導し、又は勧告することができる。

(適正な包装等の確保)

第18条 事業者は、商品について、必要以上に包装を行い、又は必要以上の容器を用いて、商品の内容を誇張し、又は廃棄物の量を増大させることのないよう努めなければならない。

2 事業者は、商品の包装又は容器の選択に当たっては、資源の節約に資するものとなるよう努めるとともに、包装又は容器が不要となったときは、適正に再使用され、若しくは再生利用され、又は廃棄されるよう配慮しなければならない。

3 事業者は、消費者に危害が及ぶことがないようにするため、包装又は容器の安全性を確保しなければならない。

4 市長は、商品の内容を誇張し、若しくは廃棄物の量を増大させることを防止し、又は包装若しくは容器の安全性を確保するために必要があると認めるときは、法令に定めがある場合を除き、包装又は容器に関し事業者が守るべき基準(以下「包装等基準」という。)を定めることができる。

5 前条第3項から第5項までの規定は、包装等基準について準用する。

(広告の適正化)

第19条 事業者は、商品又はサービスの広告について、虚偽又は誇大な表現その他消費者が選択を誤るおそれのある表現をしてはならない。

(計量の適正化)

第20条 事業者は、商品又はサービスの取引に当たっては、消費者が不利益を被ることがないよう、適正な計量に努めなければならない。

(平成25条例66・一部改正)

(不当な取引行為の禁止)

第21条 事業者が消費者との間で行う取引に関する行為のうち、次の各号のいずれかに該当する行為であって市長が指定するものは、不当な取引行為とする。

(1) 消費者に対して、商品若しくはサービスの取引に係る契約に関する重要な情報を提供せず、若しくは誤信を招く情報を提供し、又は将来における変動が不確実な事項について断定的判断を提供して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(2) 消費者を威迫し、困惑させる行為をする等の消費者の十分な意思形成を妨げる手段を用いて、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(3) 消費者からの要請がないにもかかわらず、営業所、代理店等以外の場所において、消費者から商品を購入する契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認すること。

(4) 取引における信義誠実の原則に反し、消費者に不当な不利益をもたらすこととなる内容の契約を締結させること。

(5) 消費者又はその関係人を欺き、威迫し、困惑させる行為をする等の不当な手段を用いて、当該消費者又はその関係人に契約(契約の成立又はその内容について当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を迫り、又は債務を履行させること。

(6) 契約若しくは法律の規定に基づく債務について、正当な理由なく完全な履行をせず、消費者の正当な根拠に基づく債務の履行の請求に対し、適切な対応をすることなく履行を不当に拒否し、若しくはいたずらに遅延させ、又は消費者への事前の通知をすることなく履行を中止すること。

(7) 契約の内容を正当な理由なく一方的に変更すること。

(8) 消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消しの申出若しくは契約の無効の主張(以下これらを「申込みの撤回等」という。)に際し、当該申込みの撤回等を妨げて、又は申込みの撤回等が有効に行われたにもかかわらず、契約が成立した状態若しくはその効力が継続している状態であることを前提とした行為を行い、若しくは当該申込みの撤回等によって生じた債務の履行を不当に拒否し、若しくはいたずらに遅延させること。

(9) 消費者が他の事業者から商品又はサービスを購入することを条件又は原因として信用の供与をする契約又は保証を受託する契約(以下これらを「与信契約等」という。)について、消費者の利益を不当に害することが明白であるにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は不当な手段で与信契約等に基づく債務の履行を迫り、若しくは履行させること。

2 前項の規定による指定は、告示により行う。当該指定を変更するときも、また同様とする。

3 事業者は、消費者と取引を行うに当たり、第1項に規定する不当な取引行為(以下「不当な取引行為」という。)を行ってはならない。

(平成25条例66・一部改正)

(不当な取引行為に関する調査、勧告等)

第22条 市長は、事業者が行う行為が不当な取引行為に該当する疑いがあると認めるときは、当該行為について、必要な調査を行うものとする。

2 市長は、事業者が不当な取引行為を行っていると認めるときは、当該事業者に対して、当該行為を是正するよう指導し、又は勧告することができる。

3 第15条第5項の規定は、前項の規定による勧告について準用する。

4 市長は、第2項の規定による勧告をしたときは、その旨及び次の各号に掲げる事項のうち必要な事項を公表するものとする。この場合において、第3号及び第4号に掲げる事項を公表しようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会の意見を聴かなければならない。

(1) 不当な取引行為の内容

(2) 被害の内容

(3) 事業者の氏名又は名称

(4) 事業者の住所又は事務所の所在地

(5) その他不当な取引行為に関する事項

5 市長は、第1項の調査の結果、当該行為による被害の発生又は拡大を防止するために必要があると認めるときは、当該行為に関する情報を消費者に提供するものとする。

(不当な取引行為についての緊急の公表)

第23条 市長は、事業者の不当な取引行為により多数の消費者に被害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、当該被害の発生又は拡大を防止するために緊急の必要があると認めるときは、前条第4項各号に掲げる事項のうち必要な事項を公表することができる。

第2節 物価の安定

(生活関連商品等の円滑な流通を不当に妨げる行為等の禁止)

第24条 事業者は、市民の日常生活と関連性の高い商品若しくはその原材料又はサービスその他のもの(以下これらを「生活関連商品等」という。)の円滑な流通を不当に妨げ、又は著しく不適正な価格で当該生活関連商品等を供給する行為を行ってはならない。

(生活関連商品等に関する調査、勧告等)

第25条 市長は、生活関連商品等のうち必要と認めるものについて、価格の動向、需給及び流通の状況その他必要な事項の調査を行うものとする。

2 市長は、生活関連商品等が不足し、又は不足するおそれがある場合、その価格が異常に上昇し、又は上昇するおそれがある場合その他消費者に著しく不利益となるおそれがある場合において、特別な調査を行う必要があると認めるときは、当該生活関連商品等を特定商品等として指定するものとする。

3 市長は、前項の規定により特定商品等を指定したときは、その不足又は価格の上昇の状況又は要因その他必要な事項について、調査を行うものとする。

4 市長は、生活関連商品等の円滑な供給を確保するために必要があると認めるときは、事業者に対して、当該生活関連商品等の必要な供給量の確保その他必要な措置をとるよう要請することができる。

5 市長は、第1項又は第3項の調査の結果、生活関連商品等を供給する事業者が前条に規定する行為を行っていると認定したときは、当該事業者に対して、当該行為を是正するよう指導し、又は勧告することができる。

6 市長は、前項の規定による認定をしようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会に諮るものとする。

7 第15条第5項の規定は、第5項の規定による勧告について準用する。

8 市長は、生活関連商品等の円滑な供給若しくは価格の安定又は消費者の商品若しくはサービスの適切な選択を確保するために必要があると認めるときは、第1項又は第3項の調査により得られた情報を消費者に提供するものとする。

第3節 立入調査及び公表

(立入調査等)

第26条 市長は、第15条第17条第18条第22条及び前条の規定の施行に必要な限度において、事業者に対して、報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に事業者の事務所その他事業に関係のある場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を調査させ、若しくは関係人に質問させることができる。

2 市長は、前項の規定による調査を行うため、必要最小限度の数量の商品又は事業者がサービスを提供するために使用する物(以下「商品等」という。)の提出を求めることができる。

3 第1項の規定により立入調査を行う職員は、当該立入調査に従事する職員であることを証する証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 市長は、第2項の規定により事業者から商品等の提出を受けたときは、当該事業者に対して、正当な補償を行うものとする。

(公表)

第27条 市長は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を公表することができる。ただし、当該事業者に正当な理由がある場合は、この限りでない。

(1) 第15条第2項に規定する立証のための行為をせず、又は虚偽の資料若しくは方法によりこれをしたとき。

(2) 第15条第3項第17条第5項(第18条第5項において準用する場合を含む。)第22条第2項又は第25条第5項の規定による勧告に従わないとき。

(3) 前条第1項に規定する報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(4) 前条第2項に規定する商品等の提出を拒んだとき。

2 市長は、前項本文の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ福岡市消費生活審議会に諮るものとする。

3 市長は、第1項本文の規定による公表をしようとする場合において必要があると認めるときは、当該事業者に対して、あらかじめ、その旨を通知し、意見の聴取を行うものとする。ただし、当該事業者が正当な理由なく意見の聴取に応じないとき、又は当該事業者の所在が不明で通知することができないときは、この限りでない。

第4章 消費者被害の救済

(事業者の苦情処理体制の整備等)

第28条 事業者は、消費者との間の取引に関する苦情について必要な処理体制の整備に努めるとともに、当該苦情があったときは、適切かつ速やかに処理しなければならない。

(苦情の処理)

第29条 市長は、消費者から事業者との間の取引に関する苦情の申出があったときは、当該苦情が専門的知見に基づいて適切かつ速やかに解決されるよう、必要な助言、あっせんその他の措置を講じるものとする。

2 市長は、前項に規定する措置を講じるために必要があると認めるときは、当該苦情に係る事業者その他の関係人に対して、説明、報告又は資料の提出を求めることができる。

3 市長は、第1項に規定する措置を講じたにもかかわらず解決することが困難な紛争を福岡市消費生活審議会のあっせん又は調停に付することができる。

4 事業者は、第1項のあっせんその他の措置及び前項のあっせん又は調停が行われるときは、これに誠実に協力しなければならない。

5 市長は、事業者が正当な理由なく第3項のあっせん又は調停の呼出しに応じないときは、当該事業者の氏名又は名称、苦情の内容その他の必要な事項を公表することができる。

(訴訟の援助)

第30条 市長は、事業者の事業活動により被害を受けた消費者(以下「被害者」という。)が事業者に対し訴訟を提起する場合又は事業者から訴訟を提起された場合において、次に掲げる要件を満たしていると認めるときは、被害者の申出により、当該被害者に対し、当該訴訟に係る経費(以下「訴訟資金」という。)の貸付けその他訴訟に必要な援助を行うことができる。

(1) 同一又は同種の原因による被害が多数発生し、又は発生するおそれがあること。

(2) 当該訴訟資金の額が損害の額を超え、又は超えるおそれがある等当該被害者が援助を受けなければ当該訴訟を提起し、維持し、又は応訴することが困難であること。

(3) 当該被害に係る紛争が福岡市消費生活審議会のあっせん又は調停に付されていること。

2 訴訟資金の貸付けを受けた者は、当該訴訟が終了したときは、速やかにその全額を返還しなければならない。ただし、市長がやむを得ない事情があると認めたときは、貸付金の全部又は一部の返還を免除し、又は猶予することができる。

3 前2項に定めるもののほか、訴訟資金の貸付けその他訴訟の援助に関し必要な事項は、規則で定める。

第4章の2 消費生活センターの組織及び運営等

(平成28条例10・追加)

(この章の趣旨)

第30条の2 消費者安全法(平成21年法律第50号。以下「法」という。)第10条の2第1項の規定に基づき設置する消費生活センター(以下「センター」という。)の組織及び運営並びに情報の安全管理に関する事項については、この章に定めるところによる。

(平成28条例10・追加)

(センターの名称及び住所等)

第30条の3 市長は、次に掲げる事項を公示しなければならない。当該事項を変更したときも、また同様とする。

(1) センターの名称及び住所

(2) 法第8条第2項第1号及び第2号に掲げる事務を行う日及び時間

(平成28条例10・追加)

(所長及び職員)

第30条の4 センターに、センターの事務を掌理する所長及びセンターの事務を行うために必要な職員を置く。

(平成28条例10・追加)

(消費生活相談員)

第30条の5 センターにおいて、法第8条第2項第1号及び第2号に掲げる事務に従事する消費生活相談員は、法第10条の3第1項に規定する消費生活相談員資格試験に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)附則第3条の規定により合格した者とみなされたものを含む。)とする。

(平成28条例10・追加)

(消費生活相談員の人材及び処遇の確保)

第30条の6 市長は、消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講じるものとする。

(平成28条例10・追加)

(職員等に対する研修)

第30条の7 市長は、所長及び職員並びに消費生活相談員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保するものとする。

(平成28条例10・追加)

(情報の安全管理)

第30条の8 市長は、法第8条第2項各号に掲げる事務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講じるものとする。

(平成28条例10・追加)

第5章 福岡市消費生活審議会

(設置)

第31条 市長の附属機関として、福岡市消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第32条 審議会は、次に掲げる事務を行う。

(1) 市長の諮問に応じ、消費生活に関する重要な事項について調査審議し、その結果を市長に答申すること。

(2) 第29条第3項の規定に基づく消費者被害の救済に関するあっせん及び調停を行うこと。

(3) 消費生活に関し重要と認められる事項について調査審議し、市長に意見を述べること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務

(組織及び委員)

第33条 審議会は、委員15人以内をもって組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が任命する。

(1) 学識経験のある者

(2) 消費者

(3) 事業者

(4) 行政の職にある者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

5 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。

(会長)

第34条 審議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第35条 審議会の会議は、会長が招集し、会長がその議長となる。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(部会)

第36条 審議会は、必要に応じて、部会を置くことができる。

2 部会に属する委員は、審議会の委員のうちから会長が指名する。

3 部会に部会長を置き、部会に属する委員の互選によりこれを定める。

4 部会長は、部会の会務を総理する。

5 部会長に事故があるとき、又は部会長が欠けたときは、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理する。

6 審議会は、その定めるところにより、部会の決議をもって審議会の決議とすることができる。

7 前条の規定は、部会について準用する。この場合において、同条中「審議会」とあるのは「部会」と、「会長」とあるのは「部会長」と読み替えるものとする。

(専門委員)

第37条 部会には、消費生活における重要な事項を調査審議する上で専門的な見地から助言を行うために、必要に応じて、専門委員を置くことができる。

2 第33条第5項の規定は、専門委員について準用する。

第6章 雑則

(委任)

第38条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成25年12月26日条例第66号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成28年3月28日条例第10号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

福岡市消費生活条例

平成16年12月20日 条例第56号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第3類 行政一般/第6章の6 消費生活
沿革情報
平成16年12月20日 条例第56号
平成25年12月26日 条例第66号
平成28年3月28日 条例第10号