○福岡市職員の公務員倫理に関する条例
平成13年12月20日
条例第53号
(目的)
第1条 この条例は、福岡市職員が市民全体の奉仕者であってその職務は市民から負託された公務であることに鑑み、その公務員としての職務に係る倫理(以下「公務員倫理」という。)の保持に資するため必要な措置を講じることにより、職員の職務に関する使命感の自覚と高揚を促すとともに、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(1) 副市長
(2) 教育長
(3) 水道事業管理者及び交通事業管理者(以下「企業管理者」という。)
(4) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員
3 この条例において、「課長級以上の一般職職員」とは、福岡市職員の給与に関する条例(昭和26年福岡市条例第18号)の適用を受ける職員であって、同条例別表第1行政職給料表の職務の級6級以上のものその他規則で定める職員をいう。
4 この条例において、「事業者等」とは、法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。
(平成19条例6・平成27条例60・一部改正)
(倫理原則)
第3条 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、最大の能率を発揮しながら全力を挙げてこれに取り組まなければならない。
2 職員は、市民福祉の向上を図るため、積極的に市民の意見及び要望の把握に努め、民主的な行政の運営に当たらなければならない。
3 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
4 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
5 職員は、法令により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
(倫理行動規準)
第4条 市長は、前条に規定する倫理原則を踏まえ、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止及び制限等職員の職務に利害関係を有する者との接触その他市民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関して職員が遵守すべき事項に関する規則(以下「倫理行動規準」という。)を定めるものとする。
2 市長は、倫理行動規準の制定又は改廃(軽微な改正を除く。)に際しては、福岡市職員公務員倫理審査会の意見を聴かなければならない。
(贈与等の報告)
第5条 副市長は、生計を一にする親族以外の者から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき(当該贈与等を受けた時において副市長であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益の価額が1件につき3万円に満たない場合その他規則で定める場合を除く。)は、4月から9月まで及び10月から翌年3月までの各区分による期間(以下「半年」という。)ごとに、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書を、当該半年の末日の翌日から1月以内に、任命権者に提出しなければならない。
(1) 当該贈与等により受けた利益の価額
(2) 当該贈与等により利益を受けた年月日及びその基因となった事実
(3) 当該贈与等をした者の氏名又は名称及び住所
(4) 前3号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の規定は、教育長、企業管理者及び課長級以上の一般職職員が事業者等から贈与等を受けたとき(当該贈与等を受けた時において教育長、企業管理者又は課長級以上の一般職職員であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)について準用する。
(平成19条例6・平成27条例60・一部改正)
(所得等の報告)
第6条 副市長(前年1年間を通じて副市長であったものに限る。)は、次に掲げる事項を記載した所得等報告書を、毎年、4月1日から同月30日までの間に、任命権者に提出しなければならない。
(1) 前年分の所得に係る次に掲げる金額及びその基因となった事実
ア 総所得金額(所得税法(昭和40年法律第33号)第22条第2項に規定する総所得金額をいう。)及び山林所得金額(同条第3項に規定する山林所得金額をいう。)に係る各種所得の金額(同法第2条第1項第22号に規定する各種所得の金額をいう。以下同じ。)
イ 各種所得の金額(退職所得の金額(所得税法第30条第2項に規定する退職所得の金額をいう。)及び山林所得の金額(同法第32条第3項に規定する山林所得の金額をいう。)を除く。)のうち、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)の規定により、所得税法第22条の規定にかかわらず、他の所得と区分して計算される所得の金額
(2) 前年中において贈与により取得した財産について同年分の贈与税が課される場合における当該財産に係る贈与税の課税価格(相続税法(昭和25年法律第73号)第21条の2に規定する贈与税の課税価格をいう。)
2 任命権者は、前項の規定により所得等報告書の提出を受けたときは、当該所得等報告書の写しを福岡市職員公務員倫理審査会に送付しなければならない。
(平成19条例6・一部改正)
(報告書の保存及び閲覧)
第7条 前2条の規定により提出された贈与等報告書及び所得等報告書は、これらを受理した任命権者において、これらを提出すべき期間の末日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
2 市民は、任命権者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書の閲覧を請求することができる。ただし、福岡市情報公開条例(平成14年福岡市条例第3号)第7条第3号に掲げる情報に係る部分については、この限りでない。
(平成14条例3・一部改正)
(福岡市職員公務員倫理審査会)
第8条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、福岡市職員公務員倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、次に掲げる事務を行う。
(1) 倫理行動規準の制定又は改廃(軽微な改正を除く。)に関して、市長に意見を述べること。
(2) 贈与等報告書及び所得等報告書の審査を行い、その結果を任命権者に報告すること。
(3) 任命権者に対し、職員の公務員倫理の保持を図るため監督上必要な措置を講じるよう意見を述べること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、職員の公務員倫理の保持を図るため、任命権者から諮問を受けた事項について調査し、若しくは答申し、又は建議すること。
3 審査会は、前項の事務を行うため、関係人に対し、説明又は資料の提供を求め、その他の必要な調査を行うことができる。
4 審査会は、委員5人をもって組織する。
5 委員は、学識経験を有する者及び市民のうちから市長が任命する。
6 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また同様とする。
8 前5項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(倫理監督者)
第9条 職員の公務員倫理の保持を図るため、規則で定めるところにより、各任命権者の下にそれぞれ倫理監督者を置く。
2 倫理監督者は、職員に対し、その公務員倫理の保持に関し必要な指導、助言等を行う。
(運用状況の公表)
第10条 市長は、毎年1回、この条例の運用状況について、規則で定めるところにより一般に公表するものとする。
(懲戒処分の概要の公表)
第11条 任命権者は、職員にこの条例又は倫理行動規準に違反する行為があることを理由として懲戒処分を行ったときは、当該懲戒処分の概要を公表するものとする。
(関係法人の講じる施策)
第12条 本市の出資を受けている法人であって、法律において、役員、職員その他の当該法人の業務に従事する者を法令により公務に従事する者とみなすこととされているもののうち規則で定めるものは、この条例の規定に基づく本市の施策に準じて、その職員の職務に係る倫理の保持のために必要な施策を講じるようにしなければならない。
附則
3 第6条の規定は、平成14年分以後の所得及び同年分以後の贈与税に係る贈与について適用する。
附則(平成14年3月28日条例第3号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成14年7月1日から施行する。
附則(平成19年3月15日条例第6号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成19年7月1日から施行する。ただし(中略)附則第13項中福岡市職員の公務員倫理に関する条例(平成13年福岡市条例第53号)第2条第1項第1号、第5条第1項及び第6条第1項の改正規定(中略)は平成19年4月1日から施行する。
附則(平成27年3月19日条例第60号)
(施行期日)
1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第76号)附則第2条第1項の規定によりなお従前の例により在職する教育長の同項の任期中は、この条例第1条から第6条まで及び第8条の規定による改正後のそれぞれの条例の規定は適用せず、この条例第1条から第6条まで及び第8条の規定による改正前のそれぞれの条例の規定は、なおその効力を有する。