このページは、中央区の区民ボランティア「ちゅうおうPRサポーター(平成24年3月末をもって事業終了)」が取材を行い作成した記事をもとに掲載しています。
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金刀比羅神社
御所ケ谷にある金刀比羅(ことひら)神社秋の大祭の案内が葉書で来ていたので行ってきました。城南線から神社のある金比羅山へと向かう坂道には福岡城南教会や南福寺があり、ちょっと不思議なエリアです。
金刀比羅神社へ続く階段を上がると、左手に手水場があり、手を洗って身を清めます。受け付けの奥、神殿の前に座られた十数人に神主さんがお祓いをされ、祝詞があげられていました。
厳かな空気を乱さないように気を付けながら、世話人の王丸義隆さんにお話を伺いました。
「春(4月10日)と秋(10月10日)の大祭と正月元旦(朝のお神酒)が世話人の仕事で、この近所の有志が代々受け継いできました。世話人はだいたい10人程度で、日ごろは南福寺の方が世話をされています。昔の薬院村、警固、平尾の人たちで世話人を代々受け継いできたけれど、これから先の後継者はちょっと難しいかもしれません」。
境内に置いてある錨
「子どものころ、この辺りはレンコン畑で、路面電車も走っていました。もともとこの辺りは博多湾の入江が広がり、境内に置いてある錨はそのころのものだと言い伝えられています」と話してくれました。
階段を下に降りて由緒累記を読んでみると、「元和4年(1618年)のころより旧福岡藩士月成(つきなり)氏が15代にわたり維持発展に努めた。讃州(今の香川県)金刀比羅宮の分霊を奉斎し、商港博多の守護神として市民の信仰、日に日に篤きを加えた」とありました。
こんな身近な所にも、歴史と物語があるんだなあと感じることができる場所です。