^ 福岡市政だより No.1749 令和6 (2024年) 3月1日号 1面 3月20日は市民防災の日 福岡県西方沖地震を振り返る 市長からのメッセージ 平成17(2005)年3月20日に発生した福岡県西方沖地震の記憶と経験を風化させないために、市はこの日を「市民防災の日」と定め、 毎年この時期に、防災について考える講演会等を開催しています。 地震や大雨などによる災害は、いつどこで起こるか分かりません。「自分や家族の命は自分で守る」という意識を持ち、日頃から備えておくことが大切です。 避難所情報等が確認できる市の防災アプリ 「ツナガル+」は、災害時に市からの支援情報を入手できるだけでなく、自分の避難場所を伝えたり、市に支援を求めたりすることができるので、登録しておくと安心です。今一度、自分の 「備え」を確認してみてください。 福岡市長 高島宗一郎 人口 1,645,100人(前月比23人減) 男=776,424人/女=868,676人 世帯数 873,701世帯(前月比176世帯増) 人口と世帯数は令和6年2月1日現在推計 面積 343.47km² ダムの貯水率 57.95% (2月14日現在) ●市役所代表電話 711-4111(市外局番は092) ●市政に関するご意見・要望・相談 広聴課 電話番号711-4067 FAX番号733-5580 ●福岡市政だよりの配布 毎日メディアサービス電話番号0120-359-303 ^ 福岡市政だより No.1749 令和6 (2024年) 3月1日号 2面 3月20日は市民防災の日 福岡県西方沖地震を振り返る 平成17(2005)年3月20日に発生した「福岡県西方沖地震」から、19年がたちました。市は、 地震の記憶と経験を風化させないため、3月20日を「市民防災の日」と定めています。1月には能登半島地震が起きました。改めて過去の経験を振り返り、地震への備えを確認します。 19年前の春分の日、午前10時53分に福岡県北西沖を震源とするマグニチュード7.0の福岡県西方沖地震が発生しました。 この地震で、ブロック塀の倒壊によって1人が亡くなり、家屋の倒壊や落下物によるけが、熱湯によるやけどなど、千人以上が負傷しました。 震源に近かった西区玄界島をはじめ、湾岸地域の被害が大きく、住宅被害は市内全域で52 00棟以上、漁港や港湾、道路などにも大きな被害が出ました。 玄界島は、市内中心部から北西約20キロメートル沖にあり、博多湾と玄界灘の境に浮かぶ外周4キロメートルの小さな島です。玄界校区自治協議会・井上公加会長(69)と市漁業協同組合玄界島支所の松田武治会長(71)に、震災を振り返ってもらいました。 ─玄界島での被災当時のことを教えてください。 井上 地震の時は、市営渡船の船長として海の上にいました。波の揺れとは違う、突き上げるような大きな揺れに、ただごとではないことを認識しました。島に戻ると多くの家屋が倒壊し、のどかで元気な島の風景が一変していました。 松田 私も漁船でただならぬ揺れを感じ、急いで港に戻りました。家にいた家族は、ゴーッという地鳴りのような音が近づいてきて突然揺れ始め、たんすや棚が倒れて、つぶれかけた家の中で死を覚悟したと言います。 島民は、皆顔なじみです。誰が避難所に来ていないか、すぐに分かります。手分けして不明者を探しに行き、大きな余震が来る前に倒壊寸前の家屋の中から救助できました。若い人たちが、高齢者やけが人をおんぶして避難所まで連れて行きました。 ─震災を経て思うことはどんなことですか。 井上 島全体が壊滅的な状況の中、全員の生存が確認できました。島民は、学校を卒業したら水上消防団に所属し、水難救助などの訓練をします。もちろん私たちも経験者です。自然に体が動いたのは、昔からの備えがあったからだと思います。昼ごろには炊き出しが始まり、島で活動する八つの団体が協力して、救助隊が到着するまで島民全員で乗り切りました。 松田 地震当日の夕方から九電記念体育館への避難を開始し、その日のうちに全員避難を終えました。われわれ役員は、安全を守るために島に残り、海辺にある漁協に1カ月間寝泊まりして復興への準備を始めました。平成20年に全島民が帰島し、 子どもたちの声が久しぶりに島に響いた時のことを、今でも鮮明に覚えています。学んだことは「災害はある」そして「突然起こる」ということです。災害が発生したら、自分たちで動き始めなければなりません。いざという時、自分が何をすればよいか、 自分に何ができるのかを、あらかじめ考えておいてください。 いつ起こるか分からない地震に対応するために 九州大学アジア防災研究センター・三谷泰浩教授(58)の話 地震が起きたら、まずは自分の命を守ってください。生き延びるための行動が大切です。家屋の状況や年齢、体の状態など、 災害リスクはそれぞれ異なります。災害発生時にどうすればよいか、一人一人、事前に考えておく必要があります。 発生からしばらくは、自分たちで乗り切らなければなりません。それには、日頃からの地域のつながりが不可欠です。地域の祭りや防災訓練などの行事に、 積極的に参加してください。 被災した後、元の状態に戻るまでには、多くの時間と労力がかかります。回復力やしなやか さを意味する「レジリエンス」 は、防災においても重要です。普段から、人との関わりの中で頼り頼られる関係が築けていれば、いざという時に大きな支えになります。ボランティアや駆け付けてくれた友人たちも力になってくれるでしょう。 被害を最小限にするためには、あらかじめ備えておく「減災」も大事な要素です。自分や大切な人の命を守るために、災害を他人事ではなく自分事として捉え、常に危機意識を持って備えておきましょう。 問い合わせ先/地域防災課 電話番号711-4156 FAX番号733-5861 地震が発生したら 発生時 ・机の下などにもぐり、姿勢を低くして頭部を守る ▷倒れてくる物や落ちてくる物に注意して身の安全を確保する 発生直後 ・家族の安全を確認する ・けがをしないように靴を履く ・火の元を確認する ・ドアや窓を開けて出口を確保する 発生後 ・持ち出し品を確認する ・ラジオなどで情報を収集する ・家を出る前にガスの元栓を閉め、ブレーカーを切る ・避難するときは車を使わない ・高齢者や乳幼児がいる家庭など、近隣の住民に声を掛ける 詳細は、市ホームページ(「福岡市地震発生時の行動」で検索)で確認を。 ^ 福岡市政だより No.1749 令和6 (2024年) 3月1日号 3面 自宅は地震に耐えられますか? 住宅の耐震化について 市は、地震に強いまちづくりを進めるため、住宅の耐震化にかかる費用の一部を補助しています。昭和56(1981)年5月31日以前の耐震基準で建築された住宅が対象です。 耐震化の補助内容 木造住宅 2階建て以下の木造戸建て住宅の、耐震化改修工事や建て替えにかかる費用、 高齢者・障がい者のためのシェルター設置費用の一部 共同住宅 3階建て以上で延べ面積1000平方メートル以上の建物の耐震改修工事にかかる費用の一部 ブロック塀等 道路に面し倒壊の危険性があるブロック塀等の除去にかかる費用の一部 ほか要件あり。 補助金額など詳細は、市ホームページ(「福岡市 耐震化」で検索)に掲載しています。 補助金を申請する場合は、事前に市と協議する必要があります。工事が完了したものや、既に着工されたものは対象になりません。耐震化を予定している場合は、必ず事前にご相談ください。 問い合わせは、建築物安全推進課 電話番号711-4580 FAX番号733-5584)へ。 耐震診断について 福岡市耐震推進協議会は、木造戸建て住宅を対象に3000 円で耐震診断を実施しています(耐震診断書、補強計画書、工事見積書を作成)。問い合わせは、 同協議会(電話番号0120-861-988)へ。 ほかに、福岡県による木造戸建て住宅の耐震診断アドバイザー派遣制度(3000円ほか) もあります。問い合わせは、福岡県建築住宅センター 生涯あんしん住宅(電話番号582-8061)へ。 また市は、共同住宅の耐震診断費の補助も行っています。昭和56年5月31日以前の耐震基準で建築された3階建て以上、延べ床面積1000平方メートル以上の共同住宅が対象です。詳細は市ホームページ(「福岡市 共同住宅耐震化」で検索)で確認を。 防災・耐震改修セミナー 期間3月21日(木曜日)午後1時30分から4時30分 定員120人 「大災害その時どうする、どうなる」と題し、防災セミナーと耐震改修セミナーを、アミカスホール(南区高宮三丁目)で開催します。申し込みは回下記コードから。問い合わせは、福岡県建築住宅センター企画情報部(電話番号781-5169 FAX番号715-5230)へ。 揺れやすさマップ(各区版) マグニチュード7.2の警固断層南東部地震が発生した場合、どれくらいの揺れが予想されるのか、色分けして表示しています。地盤の状況や、建物の構造・建築年などを踏まえた耐震性能の目安も分かります。同マップは、 情報プラザ(市役所1階)や各区役所情報コーナー、入部・西部出張所で配布しています。市ホームページ(「福岡市揺れやすさマップ」で検索)にも掲載しています。 ●警固断層帯 南東部地震について 警固断層帯は、福岡県西方沖地震の震源域「北西部」と、志賀島南方沖から筑紫野市にわたる活断層「南東部」(約27キ口)に分かれています。もし南東部で地震が起きたら、福岡県西方沖地震よりもはるかに多くの建物が倒壊し、多数の犠牲者が出ると予想されています。 災害時に地域みんなで助かるために 防災講演会 個別避難計画のススメ 市は、跡見学園女子大学コミュニティデザイン学科の鍵屋一教授を講師に迎え、防災講演会を開催します。 鍵屋教授は、被災者支援等に関する活動が国の防災力向上に貢献したとして「令和5年防災功労者防災担当大臣表彰」を受賞しました。講演では、災害時に誰一人取り残さないために、福祉や防災、コミュニティがどのように連携すればよいのか、高齢者や障がい者など自ら避難することが困難な人への避難支援について話します。自分や家族、 地域の安全を守るために、一緒に考えましょう。 期間3月20日(水曜日・祝日)午後1時30分から3時(1時開場)中央市民センター3階ホール先着500人 料金無料3月15日までにファクスかメール(bousai01@city.fukuoka.lg.jp)に氏名、 電話番号を書いてお申し込みください。 ■問い合わせ先/地域防災課 電話番号711-4156 FAX番号733-5861 個別避難計画について 平成25年に災害対策基本法が改正され、避難の際に支援を要する人の名簿の作成が義務付けられました。市は、障害者手帳を持っている人、要介護認定を受けている人、65歳以上の高齢者一等を登載した名簿を作成し、本人の同意を得て地域の人に提供しています。 災害時、避難行動要支援者への円滑な避難支援を行うため、市は名簿を活用した個別避難計画の作成を進め、地域防災力の向上に努めています。 自分でできる地震対策 ●家具の固定と配置 地震の際、家具の下敷きにならないように、たんすや食器棚などの家具類をL字金具等で壁に固定しましょう。壁を背にして配置した家具や電化製品は、前方に倒れてきます。倒れても出口をふさがないように配置し、倒れてくる方向を避けて寝ましょう。 ●簡単な工夫で安全性アップ 棚の上の方には重い物を置かない。窓ガラス飛散防止フィルムを貼る。石油ストーブの電池を外して収納する一等を行っておくと安心です。 市防災アプリ 市は、被災者が市に直接メッセージを送れる防災アプリ「ツナガル+」を運用しています。能登半島地震では、多くの人が指定避難所以外に避難し、その状況や支援ニーズの把握が難しく支援開始の遅れにつながりました。「ツナガル+」は、どこからでも市に支援を依頼できるほか、避難所の混雑状況なども確認できます。詳細は、市ホームページ(「福岡市 ツナガルプラス」 で検索)で確認を。問い合わせは、防災推進課(電話番号711-4153 FAX番号733-5861)へ。 家庭用消火器 無料点検キャンペーン いざという時のために、自宅にある消火器を点検し、有効期限を確認しましょう。薬剤の詰め替えは有料です。期間3月1日(金曜日)から29日(金曜日) 問い合わせ先 市消防設備士会 電話番号722-1269(平日午前10時から午後4時) FAX番号722-1289 ^ 編集・発行/福岡市広報課 〒810-8620 福岡市中央区天神1丁目8-1 電話 092-711-4016 FAX番号 092-732-1358 毎月1日・15日発行(1月15日は休刊)