^ 福岡市政だより No.1542 平成27年 (2015年) 3月1日号 1面 福岡県西方沖地震から10年 自分と家族を守るために 平成17年3月20日に発生した市内最大震度6弱の福岡県西方沖地震から10年が経過します。市は3月20日を「市民防災の日」と定め、防災啓発イベントを開催するなどして、災害に強いまちづくりを進めることを再認識する日としています。地震・水害などの災害に備えて、自分と家族を守るために今できることを考えます。 「警固断層帯の南東部(志賀島の南側~市内中心部~筑紫野市に至る約27キロ)を震源とする地震が、今後30年以内に発生する確率は、0.3~6%といわれています(文部科学省地震・防災研究課の長期評価による)。 南東部で地震が発生すると断層に近い市内中心部が震度6強以上、市街地の広範囲が震度6弱で、西方沖地震よりもはるかに多くの建物が倒壊し、多数の犠牲者が出ると予想されています。 万が一のときは、市民、地域、行政が連携し、それぞれの役割を果たすことが大切です。 ●家族で話そう 福岡大学工学部の高山峯夫教授(54)は「西方沖地震では141棟が全壊しました。南東部を震源とする直下型地震が起こると、約4500棟が全壊すると想定されています。まずは、建物を耐震構造の安全なものにする必要がありますが、建物が耐震だから安全であるとは限りません。 耐震化の基準は、人命保護のための最低の基準です。家全体を耐震構造にできなくても、寝室だけでも耐震構造にする、タンスを倒れないように固定する、タンスの上に物を置かないなどの対策を立ててください。 そして、災害時の対応を家族で話し合いましょう。平日、休日、夜間など家族の状況別にどうやって連絡し、どこで待ち合わせをするかなど、災害が起こったときをイメージして、話し合うことが防災の第1歩となります。持病がある家族やペットの災害時の対策も合わせて考えておきましょう」と話しています。 【問い合わせ先】 防災・危機管理課 電話番号711-4056 FAX番号733-5861 地震が起きたら ・まずは自分の身を守る ・慌てて外に飛び出さない 揺れが収まったら ・台所やストーブの火を消す ・がけ崩れ、津波情報に注意 市長からのメッセージ 備えが大切です 福岡県西方沖地震から今年でちょうど10年。皆さんは、地震や台風、豪雨など自然災害への備えはできていますか。 平成7年の阪神淡路大震災では、建物に閉じ込められた人の多くが、自力や家族・隣人等からの救助で助かっています。つまり、もしものときには消防による公助だけではな く、皆さんの自助と共助が大切になるのです。 自然災害をなくすことはできませんが、日頃からの備えによって被害を小さくすることはできます。まずは自分の安全を守ること。そして、普段から地域との関わりを大事にしてほしいと思います。この機会に災害時の対応について考えてみましょう。 福岡市長高島宗一郎 ---------------------------------------------------------------- 福岡市政だより No.1542 平成27年 (2015年) 3月1日号 2面 自分と家族を守るために 自分と家族を守る ●避難所などの確認 最寄りの避難所(公民館、小学校など)や安全な避難経路を確認し、携帯電話やスマートフォンが使えない状況での家族 との連絡方法などを話し合いましょう。 ●備蓄と非常持ち出し 品の準備・確認 飲料水と食料は最低3日分を準備します。避難するときに持ち出す物は背負えるリュックサックなどにまとめておきましょう。荷物の重さの目安は男性が15キロ、女性が10キロです。準備した物は、定期的に点検し、入れ替え・補充も忘れずに。携帯ラジオと電池も準備しておくと安心です。 家を守る 平成7年の阪神淡路大震災では、地震による死者の約9割、4831人が住宅・建築物の倒壊によるものでした。建築物の倒壊は、避難路をふさぎ救急車両の通行を妨げます。市内の木造一戸建て住宅の耐震化率は66%で、約5万戸が耐震化されていません (平成20年)。 耐震推進協議会会長の白水秀一さん(51)は「建物の耐震化は、災害時の人的・経済的被害を軽減できます。耐震診断を受けて、必要であれば、耐震改修をしてください」と話しています。 ●耐震診断・耐震改修の助成制度 昭和56年以前の木造一戸建て住宅は、耐震診断を自己負担3千円で受けることができます。また、耐震改修工事に要する費用の46%(上限は70万円)を市が補助します。この他、共同住宅に対する耐震診断費補助制度、耐震改修工事費補助事業も実施しています。 耐震化については、市ホームページ(「福岡市耐震化」で検索)を参照するか、建築物安全推進課(電話番号711-4580 FAX番号733-5584)へお問い合わせください。 医療的ケアが必要な家族を守る 災害が発生したとき、支援を受けられるようになるまでには時間がかかります。それまでは自分たちの力で乗り越えなければなりません。 在宅で医療機器を使っている人、インスリンなどの医薬品を日常的に使用している人など、持病がある人は、特に災害に対する準備が必要です。 災害の発生 災害が発生すると・医療機器が故障したり破損したりする・電気や水が使えず医療機器が使用できなくなる・交通機関の利用が困難になるため、 医療機関への受診ができなくなる・必要な医療品 が届かなくなる―などが心配されます。 準備すべきこと ●処方された薬、医療機器は持ち出せるように 処方された薬、医療機器や消耗品は、医療救護所に備蓄がない場合があります。個々に応じた非常用持ち出しリストを作成したり、予備を備蓄したりするなど災害時にも継続して使用できる方法を考えておきましょう。 ●薬や医療機器の情報の所持 災害時には正確な薬名・機器名・用法などの情報が必要です。「お薬手帳」や主治医などの緊急連絡先を、身近な支援者と共有できるように備えましょう。 ●災害時の対応を主治医や薬剤師に確認 例えば、切らしてはいけない薬はどれか、主治医以外の医師に診てもらうときに伝える事項と薬、医療機器や消耗品を入手できる施設などを確認します。 災害時の対応については、主治医にお問い合わせください。 ペットを守る 災害時でもペットと共に安全に過ごすためには、ペットを守るための対策も考える必要があります。 飼い主の連絡先の明示、ペットの健康管理としつけや備蓄品の用意等、普段からの備えだけでなく災害が発生したときの対応など、冊子「いつもいっしょにいたいから」(環境省)で基本的な災害対策に ついて示していますので参考にしてください。 人と犬と猫が安全に暮らすために「学びの場」と「交流の場」を提供する「いぬねこカウンシル福岡」の古屋啓子さんは、「餌、水、薬などは5日分を、すぐに持ち出せるように準備しておきましょう。また、ペットと一緒のときに被災するとは限りません。ペットの特徴、緊急の連絡先などの情報や印刷した写真を携帯しておくと役立ちます」と話します。 同グループが作成した「福岡ペット防災情報」には、ペットの情報を書き込むページと備蓄品チェックリスト、市内のペット関連機 関連絡先などが掲載されています。 冊子「いつもいっしょにいたいから」、「福岡ペット防災情報」は、情報プラザ(市役所1階)、東部動物愛護管理センター(東区浦田5丁目)、家庭動物啓発センター(西区内浜1丁目)で配布しています。冊子は、市動物愛護管理センターホームページ(「わんにゃんよかネット」で検索)、「福岡ペット防災情報」は同グループのホームページ(「いぬねこカウンシル福岡」で検索)からダウンロードできます。 ペットに関してのお問い合わせは、生活衛生課(電話番号711-4273 FAX番号733-5588)へ。 ●揺れやすさマップ 「揺れやすさマップ」は、警固断層帯南東部を震源とする地震が発生した場合、どの地域がどのくらい揺れるのかを震度別に色分けした区ごとの地図です。 【問い合わせ先】建築物安全推進課 電話番号711-4580 FAX番号733-5584 ●浸水ハザードマップ・防災マップ 大雨時の浸水想定地域や避難所、避難場所の他、地震や風水害などの災害への注意点などを掲載した「浸水ハザードマップ・防災マップ」を区ごとに作成しています。 【問い合わせ先】防災・危機管理課 電話番号711-4056 FAX番号733-5861 両マップは、情報プラザ(市役所1階)、各区情報コーナーで配布しています。市ホームページ(「福岡市 揺れやすさマップ」、「福岡市 防災マップ」で検索)でも閲覧できます。 出前講座 市の職員が地域に出向き、市の取り組みや暮らしに役立つ情報を説明する出前講座(全197講座)の中から防災に関する講座を紹介します。市内に在住・通勤・通学するおおむね10人以上のグループでお申し込みください。講師料などの費用は無料ですが、会場は市内にご準備ください。 ■福岡市の防災・減災~覚えておこう!災害への対応~ 過去の災害事例や、生活を取り巻く災害(風水害、地震等)などから身を守る防災対策などを分かりやすく説明します。災害図上訓練(DIG)や避難所運営訓練(HUG)もできます。 【問い合わせ先】防災・危機管理課 電話番号711-4056 FAX番号733-5861 ■知って、備えて、地震に自信!すすめよう、住宅の耐震化 住宅の耐震対策や福岡県西方沖地震や阪神淡路大震災での被害の状況など地震被害に対する認識を深め、地震に対する備えの必要性を詳しく説明します。 【問い合わせ先】建築物安全推進課 電話番号711-4580 FAX番号733-5584 ----------------------------------------------------------------- 福岡市政だより No.1542 平成27年 (2015年) 3月1日号 3面 防災関連の催し 「過去の災害から学ぶ教訓と今後の備え」フォーラム 地震による災害に焦点を当てながら、過去の災害から学ぶべき教訓と将来への備えについて知識を共有し、防災や減災につなげます。 期間 3月18日(水曜日)午後1時半~5時 場所 アクア博多3階(博多区中洲5丁目) 定員 100人 料金 無料 申し込み 不要 問い合わせ先 福岡大学工学部地震防災システム研究室 電話番号871-6631(内線6513) 市民防災の日 講演会 福岡県西方沖地震から10年の節目を迎える日に、震災の経験を教訓 かえて、防災・減災の意 識を高めるための講演会を開催します。 基調講演「西方沖地震から10年『これまで』と『これから』」の講師は福岡大学工学部の高山峯夫教授です。 続けて「大地震発生!その時あなたの地域は?」をテーマにパネルディスカッションを行います。 期間 3月20日(金曜日)午後1時半~4時半 場所 市役所15階講堂 定員 250人 料金 無料 申し込み 不要 問い合わせ先 防災・危機管理課 電話番号711-4056 FAX番号733-5861 よく分かる住まいの耐震セミナー 市内の一戸建て住宅の 耐震化を促進するために、「耐震の重要性」について解説します。これまでの実績を基に耐震診 断や補強工事の具体的な方法を説明し、家具の固定方法や災害時の非常食についても紹介します。 司会はテレビ、ラジオで 活躍中の徳永玲子さんが務めます。 期間 3月20日(金曜日)午後2時~5時半 場所 天神ビル11階10号会議室(中央区天神2丁目) 定員 先着150人 料金 無料 申し込み 電話、ファックス、メール(kenshu@fkjc.or.jp)で代表者の住所と氏名、参加人数を書いて耐震推進協議会(電話番号724-7744 FAX番号739-6380)へ。 申込者に「受講票」を送ります。 みんなで防災~減災を考える~ 実際の災害を想定して、街頭で心肺蘇生法・AED(自動体外式除細動器)訓練や防災メールを体験します。 期間 3月21日(祝日)午後1時~5時 場所 新天町商店街サ ンドーム(中央区天神2丁目) 料金 無料 申し込み 不要 問い合わせ先 博多あん・あんリーダー会(平山)電話番号090-3074-5090 福岡県地域防災 シンポジウム 「地域防災力向上」を テーマに、災害から身を守るための防災知識や地域住民の連携に関する講演等を行います。 期間 3月21日(祝日)午後1時~4時半 場所 エルガーラホール8階大ホール(中央区天神1丁目) 定員 500人 料金 無料 申し込み 電話、ファックス、メールで住所、氏名、電話番号の連絡を。福岡県消防防災指導課(〒812-8577住所不要)電話番号643-3113 FAX番号643-3117 メールboushi@pref.fukuoka.lg.jp 申込者に「受講票」を送ります。 ^ 編集・発行/福岡市市長室広報課 〒810-8620 福岡市中央区天神1丁目8-1 電話 092-711-4016 FAX 092-732-1358 毎月1日・15日発行(1月15日は休刊)