^ 福岡市政だより No.1359 平成19年 (2007年) 3月15日号 1面 3月20日 福岡県西方沖地震から2年 災害に強いまちづくりを目指す 市を襲った福岡県西方沖地震から2年。市は市民生活の回復、安定および都市施設等の復旧、建物の耐震化などの事業に取り組んできました。市は、地域防災計画を改定するなど災害に強いまちづくりを目指しています。また、震災の事実や震災体験を次世代に伝えるため、2周年イベントを行います。皆さんも防災羽根なアに参加して、防災への意識を新たにしましょう。 地域防災計画を改定 復興状況については、現在まで一部の漁港などを除き、主な公共設や道路、河川、港湾などのインフラについてはて復旧が完了。寸断されていた志賀島の幹線道路も昨年10月に復旧しました。 玄界島復興プロジェクトについても島民の皆さんと協力しながら順調に事業を進めています。 西方沖地震の教訓を路まえ、災害予防や災害応急対策などの計画を早急に見直すことを検討し、平成18年5月に地域防災計画を改定しました。 その主なものを紹介します。 ○避難所の開設・運営体制の強化震度5弱以上の地震発生時、徒歩、自転車、パイクで30分以内に勤務場所または避鑑所へ集決まる「震災時緊急対応職員」を指定。職員の初動体制を整備するとともに、避難所の開設・運営体体制を強化しました。 地震などの大規模災害発生時に来街者などが避難できるように、市役所本庁舎1階ロビーを一時避難場所として新たに指定。1階ロビーの公衆電話は災害時に比較的つながりやすくなっています。 ○ガソリンスタンドとコンビニを帰宅困難者の一時休憩所に パス、電車などの公共交通機関が途絶した場合に歩いて自宅まで帰る人のために、市内のガソリンスタンドとコンビニエンスストアを一時休憩所(災害時支援ステーション)として利用できるようにしました。 災害時支援ステーションに指定されている(株)喜多村石油店の井上安幸さんは、災害時のガソリンスタンドの役割について「水やトイレ、道路情報などを提供します」と説明。「緊急時に対応できるように、消防署で研修を受けるなど社内の意識啓発にも努めています」と話します。 (災害時支援ステーションの目印として、黄色い背景に青いハートのキャラクターのステッカーが使われています) ○公的備蓄の実施 市では、これまで災害に関しては主に風水害を想定していたため公的備蓄を行っていませんでした。17年度からは水と食料を校区の備蓄場所として公民館に備蓄。4か年で計画的に備蓄していきます。 ○災害時要援護者対策の充実 災害時に自力で避難が困難な要援護者の調査を行い「災害時要援護者台帳」整備しました。合意があれば自治協議会などの自主防災組織に名簿を渡し、災害時に活用できるようにします。 地域で支え 助け合う 阪神淡路大震災のとき、建物などの下敷きになり助かった人のうち、90%以上が自力で脱出したか、家族や近所の人たちの救助によるものでした。 このように大規模災害が発生した場合、行政にできよる復旧・復興への「公助」が始まるまで、個人・家族の安全を確保する「自助」と地域で助け合う「共助」が重要になってくる、ということが全国的にも認識されています。 市においても震災後は市民の防災意識も高まりをみせていて、地震や共助に関して主体的に考え準備する校区も増えています。 市や区と共働で防災・防犯などのテーマで地域の取り組み計画づくりを行っている㈱アーバンデザインコンサルタントの十時裕さんは「地震をテ―マにしたワークショップを行うと、どの校区も真剣に考えます」と語ります。」と語ります。話し合うときには「自主防災組織のメンバーを中心に、町内会や校区で地震後に何をすべきかをまず想像します。そして組織や計画を作るだけに終わらず防災意識を持ち続けることが大切」とも話してくれました。 【問合せ先】 防災・危機管理課 (電話番号711-4056 FAX番号733-5861 メールbousai.CAB@city.fukuoka.jp) 玄界島 4月から小中学校が再開 西区交界島は、西方地震で家屋の半数以上が全半壊するなど大きな被害を受けました。 被災後は約200世帯が玄界島と中央区港のかもめ広場の仮設住宅に別れて生活していましたが、県営住宅の完成に伴い、3月にはほとんどの住民が帰島することになっています。 復興にあたっては島民の意見を反映させながら計画を進め、被災から10か月という速さで玄界島復興計画が決定しました。同計画には、高齢者から子どもまでが集い、来島者と交流する「にぎわいゾーン」や、高齢者の移動が楽にできる市営住宅のエレベーターなど、随所に工夫が凝らされています。 現在は被災家屋の解体工事が終了。造成工事を進めており、階段、水路などの構造物をはじめ復興後の斜面地の姿が徐々に見え始めました。岸壁の復旧工事も進んでいます。来年度は市営住宅や島民による戸建て住宅が建設され、市は平成20年3月の事業完了を目指しています。 簀子小学校と舞鶴中学校の仮校舎を使っていた小中学校も、4月から島に戻ります。平成21年度までには現小学校用地を整備した上で小中学校の校舎、体育館などを新たに建設し、小中学校を併設する予定です。 玄界島復興対策検討委員会の伊藤和義会長は「この日をどれだけ心まちにしていたか分かりません。子どもたちの声が戻ってくるのも楽しみです」と喜びの声を聞かせてくれました。 【問合せ先】 玄界島復興担当(電話番号711-4397 FAX番号711-4399 メールgenkaifukkou.UPB@city.fukuoka.jp) 福岡市政だより No.1359 平成19年 (2007年) 3月15日号 2面 3月17日(土曜日)から24日(土曜日) 西方沖地震を忘れない 講演会や感謝イベントなど開催 3月17日~24日にかけて、地域の防災訓練や講演会などのイベントを行います。 また、ボランティアによる「ありがとうふくおか2007」と題したイベントも開催されます。これは、市民の手による「福岡を助けてくれてありがとう」「震災からの教訓を生かそう」というイベントです。 同イベント実行委員会の角銅久美子さんは「地震のときは、さまざまな人にお世話になりました。そのときの感謝の気持ちを表したい」と思って企画したと言います。当日は、玄界局や志賀島の郷土料理や灯明作りなど楽しい企画が盛りだくさんです。 ありがとう ふくおか2007 ○被災地の郷土料理を食べよう 玄界島のくじらめし、志賀島の海鮮鍋(各100円)を食べることができます。(約1000食分) ○北崎のお花 ○みんなでりそう、灯明 「ありがとう ふくおか2007」の形に灯明を作ります。 ○ウォークラリー 災害時の徒歩での帰宅を想定したウォークラリーを行います。 日時 3月24日午前10時~午後7時半 場所 市役所西側ふれあい広場 ○災害記録報道映像や住宅の耐震に関する展示 3月19日(月曜日)~21日(祝日) 午前9時~午後5時 市役所1階ロビー 【問合せ先】 ありがとう ふくおか実行委員会(県建築士会内)(電話番号451-3220) 講演会 市民の防災意識を高めるとともに、地震の経験を風化させないための自助・共助をテーマにした講演会を実施します。 講師・伊水勉氏(東京建設コンサルタント) 日時 3月20日(火曜日)午後3時~4時半 場所 市役所15階講堂 定員 400人(先着順) 警固断層帯の長期評価に係る説明会 文部科学省の主催 日時 3月20日(火曜日)午後1~2時半 場所 市役所15階講堂 定員 200人(先着順) 防災訓練 日時・場所 ▽3月17日(土曜日)西区 文祥小学校 ▽3月20日(火曜日・東区 三苫小学校、南区 弥永西小学校、城南区 堤丘小学校、早良区 野芥小学校 ※博多区は2月11日、中央区は3月1日に終了しています。 【問合せ先】 防災・危機管理課 (電話番号711-4056 FAX番号733-5861) 市民防災の日イベント 消防はしご車試乗、ちびっこ救助隊救出ゲーム、炊き出し試食コーナーなど。 日時 3月21日(祝日)午前9時半~午後5時 場所 早良消防署、市民防災センター 【問合せ先】 市民防災センター (電話番号847-5990 FAX番号847-5970) シンポジウム「いま、福岡の地震は?」 杉山雄一氏(独立行政法人産業技術総合研究所活断層研究センター長)による基調講演危機に備える~眠れる警固断層」とシンポジウム「いま、福岡の地震は?」の開催 日時 3月24日(土曜日)午後1時~5時 場所 よみうりプラザ (中央区赤坂一、よみうり新聞西部本社1階) 【問合せ先】 よみうり防災セミナー事務局 (電話番号715-6461 FAX番号715-6469) 住宅耐震化 知って、備えて、安全に 診断費用、耐震改修工事費などを助成 市は建物の耐震化への取り組みに力を入れています。住宅の耐震診断費、耐震改修工事費の助成などさまざまな支援を行っています。 支援を受けようと思っても、どんな制度があるか分からないという人のために、パンフレットも制作しました。具体的な耐震改修方法や、耐震診断の流れなど耐震対策について分かりやすく説明しています。共同住宅編と木造戸建住宅編の2種類があり、耐興推進課(市役所5階)、情報プラザ(市役所1階)で配布しています。 木造戸建住宅耐震建替費補助事業を始めます 4月から新しく木造一戸建て住宅の耐震建費用の助成も始めます。耐震性の不足する木造戸建住宅を建て替えるときにかかる費用の一部を助成するものです。 制度を利用する場合、市との事前相談が必要になります。相談は随時受け付けていますので、申請希望者は気軽にご相談ください。 ▽助成の対象 ①昭和56年5月3日以前に建築確認を得て着工した2階建て以下、かつ述べ床面積が175平方メートル以内の木造住宅 ②前面道路までの外壁の距離が平屋2メートル以内、2階建で4メートル以内であるもの。 ③耐震診断の結果、倒壊する可能性が高い住宅 ▽助成金額 一戸につき一律20万円 ※既に建て替え工事が 終了している場合は、対象とはなりません。 【問合せ先】 耐震推進課 (電話番号711-4580 FAX番号733-5584 メールtaishin.BCB@city.fukuoka.jp) 3月20日午前10時53分 サイレンを10秒間鳴らします 西方沖地震発生時刻と同じ午前10時53分に、消防車両と消防団車庫のサイレンを10秒間鳴らします。 地震災害を風化させないよう、市民の皆さんに日ごろから防災対策を心がけてもらうように呼び掛けるものです。火災など災害の発生を知らせるものではありません。 【問合せ先】 消防局警防課 (電話番号725-6952 FAX番号725-6606) 気軽に防災体験 防災センター福岡市民 市民防災センターでは、強風体験や地震体験、消火訓練など、災害の模擬体験を通して、もしものときの防災に関する知識や対処法などを身につけることができます。 例えば、消火訓練では火災の映像を見ながら実際に消火器を使っての模擬消火訓練を実施。一度でも消火器の扱い方を体験しておけば、いざというときに立ちます。 田邊敏夫防災普及課長は「1時間程度で、いろいろな災害体験ができます。近くにに博物館や国書館もあるので、散策の途中にでもぜひ利用してほしい」と話します。 クイズコーナーやヘリコプターの展示などもあり、大人はもちろん子どもも楽しめる施設です。 3月2日の市民防災の日イベントのほかにも、定期的にイベントを開催。防災についての出前講座も行っています。 開館時間 午前9時半~午後5時(入館は4時半まで) 休館日 月曜日・毎月最終火曜日曜日(祝日の場合は翌日) 入館料 無料 早良区百道浜1丁目3-3 電話番号847-5990 FAX番号847-5970 ホームページwww.fuku-bou.or.jp ^ 編集・発行/福岡市広報課 〒810-8620 福岡市中央区天神一丁目8-1 電話 092-711-4016 FAX 092-732-1358 毎月1日・15日発行(1月15日は休刊)