明治22年(1889)4月、政府から市制と町村制の公布が行われました。新市名を福岡市にするのか博多市にするのかで、大論争が巻き起こりました。もともとは博多と呼ばれていた地に、1600年、武将・黒田長政が先祖の地であった備前(岡山)福岡にあやかって、城下町の名前を福岡としました。それ以来、中洲を流れる那珂川を境に東を博多、西を福岡と呼ぶようになったのです。誇り高い武士の町・福岡と、古代から港を開き、商人の町として栄えてきた博多の地名を残す戦いです。明治23年(1890)の議会で13票対13票の同数に割れたところで、旧福岡藩の武士だった議長が議長席を降りて1議員として投票したとか。1票差で福岡市に。その代わり、開通したばかりの鉄道の駅名は博多駅。これがまぎらわしい福岡市と博多駅誕生のお話です。