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第3回福岡市史講演会レポート
「古代の対外交流と福岡―筑紫・那津官家・鴻臚館―」
平成19年8月25日(土曜日)午後2時~5時
福岡市博物館1階講堂

写真1:開演前の様子  当日の最高気温は35度、残暑というよりまさに猛暑の中、博物館講堂の座席数を大幅に上回る330名もの方々にご参加をいただきました。事務局一同心よりお礼申し上げます。事前にご案内した会場である博物館講堂の座席230席は、早くから満席となり、多くの方々には講演会開始前に来て頂いたにもかかわらず、モニターを設置した別室でご容赦いただきました。
 講演会「古代の対外交流と福岡」は文字どおり熱気に包まれての開会です。



午後2時~ 講演「5・6世紀の日韓交流と筑紫」東北学院大学 熊谷公男

写真2:熊谷公男先生  トップバッターは、東北学院大学教授の熊谷公男先生です。先生は長年、古代の政務・儀礼・蝦夷の問題などをとおして、古代王権の姿を追究してこられました。『新修 福岡市史』には、古代専門部会専門委員としてご参加いただいています。
 ご講演では、「5・6世紀の日韓交流と筑紫」と題し、古代の朝鮮半島と日本の関係について、お話しいただきました。日本書紀や古事記など日本側の歴史観のみに留まることなく、海外資料を使いながら、国同士の交流にどういう意義があったのか、お互いの歴史にどういう影響を及ぼしたのか、などを明らかにしていただきました。

午後3時10分~ 講演「発掘調査から見る鴻臚館」福岡市教育委員会 大庭康時

写真3:大庭康時さん  次に、福岡市文化財部の大庭康時さんから「発掘調査から見る鴻臚館」について講演をしてもらいました。大庭さんは、福岡城内にある鴻臚館跡の発掘調査に携わり、さまざまな新知見を世に送り出してきました。
 今回は、鴻臚館調査成果のダイジェスト版を届けてもらいました。今では見ることができない現地の様子を、当時の貴重な映像を使って、臨場感たっぷりに解説してもらいました。

午後3時10分~ 講演「大宰府機構と鴻臚館」太宰府市市史資料室 重松敏彦

写真4:重松敏彦先生  最後のご講演は、太宰府市市史資料室の重松敏彦先生です。先生は長年、古代の大宰府研究に取り組まれ、その構造や対外交流における役割を積極的に検証してこられました。『新修 福岡市史』には、古代専門部会副部会長としてご参加いただいています。
 ご講演では、「大宰府機構と鴻臚館」と題し、古代の日本において、大宰府と鴻臚館がどのような役割を担っていたのかについてお話しいただきました。“筑紫”は、古代の文献にたびたび現れ、その時代に即した役割を担っていることが記載されています。大宰府には、使節の管理・監督や饗宴など、窓口ならではの仕事もあり、鴻臚館は、その場として大きな役割を果たしていたことがわかりました。



写真5:田中正日子先生  3本の講演終了後、古代専門部会部会長の田中正日子先生から総括をしていただきました。対外交流の窓口として一時代を彩った“筑紫”のあり方も、中世に向かってゆるやかに変化し、中央政権を主体とする“官”によるものから、貿易商たち“民”によるものへと移行していったのだそうです。
 古代専門部会では、中央政権による“官”事情だけではなく、“民”にもスポットを当て、古代の実像に迫りたい、と力強く抱負を述べて頂きました。

 今回の講演会で、当時の国際情勢、筑紫の政治的位置、大宰府の役割、施設としての鴻臚館を浮き彫りにしていただきました。これらが縦糸・横糸となり織りなす古代史像は、『新修 福岡市史』にどのような形で描かれていくのでしょう。乞うご期待!

<タイトル画像>鴻臚館跡出土 越州窯系青磁花文碗
(写真提供:福岡市教育委員会文化財部文化財整備課/
福岡市埋蔵文化財センター)

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