・地域コミュニティに関する今後の取組みについて説明
(福岡市市民局コミュニティ推進課長 藤本 広一)
・株式会社樋井川村 村長 吉浦 隆紀 氏
(地域に密着した不動産を核としたビジネスと今後の展開)
築10年が経過したマンションは価値がなくなると言われている。アメリカ在住時の経験を活かし,自社所有の築40年が経過したマンションに付加価値を与え,築80年が経過しても入居し続けられるマンションを目指している。具体的には,DIYなどの手法により,入居者自らが部屋をリノベーションすることで部屋に愛着を持ち,共有スペースや屋上での交流を通じて住民同士のコミュニケーションを育むことで,集合住宅にコミュニティが生まれた。自社物件の収益や雇用を増やすだけでなく、商店街の空き店舗を活用した,商店街等との連携し「街に余白を創る」新しい事業も進めている。
・NPO アジアン・エイジング・ビジネス・センター上席研究員 佐々木 喜美代 氏
(金山カフェなど「おたがいさまコミュニティ」)
2030年の超高齢化社会を見据え、高齢化が進んだ地域において,地域でお互いに見守りあう「おたがいさまコミュニティ」を展開。城南区の金山校区で取り組んでいるカフェ「たまり場」では,地域の人たちで地域に何が必要か話し合い,必要なことを地域の人たちが運営し、実現している。毎回,100人程度の人が参加し,企業による協力や保健師による健康相談などが実施され,大学生の協力も得ながらいろいろな取組みを行っている。また,子どもたちが参加する会などもあり,世代間の交流も生まれている。孤独死を防いだり、顔が見える付き合いを維持するには地域の中に気軽に立ち寄れるたまり場があることが重要であることがわかった。また、地域課題解決を実現するために様々な支援者を繋げるコーディネーターと、中間支援機構の役割も重要になる。
・西南学院大学経済学部教授 小出 秀雄 氏,西南学院大学経済学部3年 木下 舜太郎 氏
(福岡市の商店街支援事業で設置された地域交流拠点「M’sコミュニティ」)
姪浜商店街の空き店舗を活用して,平成27年10月に西区姪浜にある3商店会でつくる「姪浜商店会連合会」と姪浜商店街の女将さんを応援する会の「あこめっこ」,そして,西南学院大学の小出ゼミの学生などが協力して,地域住民との交流拠点である「M’sコミュニティ」を開設。1時間500円のレンタルスペースや出入り自由のおしゃべりカフェ,教育プロジェクトとしての学生の実践活動「姪浜西南大学まち」などをスケジュールを組んで開催し,交流の場を創出している。また,野菜の販売や駄菓子屋の出店など,子どもからお年寄りまで幅広い世代の住民が気軽に利用できる活動を継続することで、地域と商店街が繋がり、商店街ににぎわいが生まれてきている。
・株式会社T--FLOW代表取締役/「Kichi--Kichi」オーナー 工藤 智美 氏
(まるで民間の公民館のような「Work & Meet Style Space」を目指したカフェ)
平成26年4月,博多区吉塚にオープンした「kichi--kichi」は,キッチン付のレンタルスペースを併設した居心地のよい空間と楽しみを提供するアットホームなカフェ。みんなで創る図書館プロジェクトやセミナーなどを開催し,スタッフとの会話が発生しやすいような戦略を仕掛け,出会いや交流を大切にしている。「カフェ」という言葉では収まりきれない場所づくりを目指し,交流とアイデアの宝庫となるように,スタッフにも積極的にお客様との交流をするよう勧めている。
トークセッション終了後の交流会では,登壇していただいた方をはじめ多くの方が参加されました。思い思いに名刺交換やお互いの活動の情報交換などが積極的に行われました。