


秋といえば紅葉の季節。川上信也さんは福岡の街の中でも美しい紅葉が撮影できるスポットがあると言います。それが市内各所に点在する日本庭園。「黒田藩の別邸だった友泉亭公園、住吉神社近くにある楽水園、昨年一般公開されたばかりの松風園。いずれも美しい日本庭園で、秋には彩り豊かな紅葉が楽しめます。これらの日本庭園は紅葉の秋もいいのですが、新緑の初夏も美しいですね」。また市の南部にある油山市民の森も紅葉が美しい場所。野鳥や植物の観察スポットでもあります。
秋は月が美しい季節でもあります。川上さんは夜空に浮かぶ月もたびたび撮影します。「室見川の河畔から月を撮影したりしますね。美しい十五夜の月が川面に反射してきれいなんです。福岡タワーに月がかかる様子も魅力的ですよ。秋は空気が澄んでいるので、それで空が広く近く感じられます。いわし雲が出たりと、空を観察するには最適の季節です」。福岡には高いビルがないので、より空が広く身近に感じられるのかもしれません。
もうひとつ、川上さんが秋の夕暮れ時に好きな場所としてあげてくれたのが百道浜地区。「海に向かって広がるマリゾン周辺を夕暮れ時に歩くと、まるでハワイかどこかのリゾート地にいるような錯覚に陥ります。とても日本とは思えない。福岡は本当にフォトジェニックな街。場所ごとに違った魅力があって、写真に撮りたくなる街だと思いますね」


川上信也さん
写真家
1971年生まれ。97年から大分県くじゅうの山小屋に住んだのをきっかけに写真を始める。現在はフリーの写真家として主に九州各地の自然風景を撮影。著書に福岡の四季を写し取った『福岡の休日』ほかがある。